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接客という高い壁

 先日聞いた「仏壇」のネット販売の事例が記憶に残った。

 その仏壇屋、ネットでは一番安い商品しか売れなかった。ある時、動画を使って店頭の売れ筋商品を詳しく紹介すると、その商品が売れた。動画を使って紹介したのだから売れて当然かもしれない。ただ、この話から「接客」の重要性について考えさせられた。

 実店舗は店員による接客が強み。対面販売ではない通販は、接客の壁を乗り越えようと苦労してきた。仏壇屋の動画による商品紹介もその1つと言える。

 昨今ではAR(拡張現実)やVR(仮想現実)、AI(人工知能)など新たなテクノロジーが生まれている。その中から店頭に劣らない接客技術が生まれないかと妄想している。

チョコ商戦の行方

 バレンタインデーが目前に控え、通販実施企業のバレンタイン商戦もピークを越えた頃だろうか。最近では恋愛をしない若者が増えていることもあってか、今年の市場規模は前年を下回る見通しという調査結果もある。

 とは言え、自分へのご褒美に海外の高級チョコを購入する女性は多いし、最近ではチョコの交換などを行う「バレンタイン女子会」なるものも行われているようだ。

 市場規模では、年中行事として定着したハロウィンに抜かれたとも報じられているバレンタイン商戦だが、コト消費との組み合わせ方次第で伸びしろがあるように思えるし、高齢者などをターゲットに健康志向の食品を贈り合う提案などがあっても良さそう。

消費者との距離

 「ユーザーが『C』を好むようになった」と話すのは、アパレル通販の幹部。「C」とは消費者のことで、企業発信の情報に対し消費者は、心理的に少し距離を置くようになっているという。

 最近のトレンドをみると、個人間取引アプリや写真共有SNS「インスタグラム」、ライブコマースなど消費者が主役のものが多い。双方向のやりとりの中でストーリーが完成するライブコマースには、通販サイトやテレビ通販にはない盛り上がりもみられる。

 消費者同士で形成された世界に、事業者が入ることは簡単ではない。事業者発信の情報だけでは顧客との接点を持ちにくくなる中で、今後、違和感なく入りどう活用するかが重要になっている。

「誇大広告」の仕分けを

 特定適格消費者団体が「葛の花」処分企業をターゲットに動き始めている。景品表示法の「優良誤認」だけでなく、消費者契約法の「不実告知」にもあたると見解を問いただす。契約無効を訴え返金等を求める訴訟を起こす可能性もある。

 景表法の課徴金で企業リスクは高まった。断続的な社名公表、報道で企業イメージも低下する。日本サプリメントのトクホの時は、「トクホ取り消し処分」も加わり二度ならず三度の公表を受けた。

 そこに加わったリスクが被害回復に向けた団体訴権を持つ消費者団体。ただ、同じ誇大広告問題で"法律が違うから"と重複して責めを負うのはおかしい。法律の建てつけに疑問が残る。きちんと仕分けすべきだ。

〝常にあるモノ〟を抑えよ

 「家庭に常にある"モノ"をいかに自分たちのコントロール下に置けるかが勝負」。某IT企業の幹部は加熱する「AIスピーカー」のシェア争いの本質をこう説明する。

 できれば買い換えられずにしかもしまわれず、常に家の目立つところにあるデバイスを抑えられればそれを通じて、ECを含め様々なビジネスにつなげることができる。大手IT企業がこぞって"テレビ"に参入するのも同様の理由だろう。

 携帯電話のように頻繁に買い換えられず、テレビのように競合商品が多くなく、"音楽"を流す役割を持ち、しまわれないAIスピーカーは現時点で最も抑えるべき家庭内デバイスと言えそう。今年はよりシェア争いが激化しそうだ。

「24時間」見直しの影響

 人手不足や人件費高騰のあおりを受けて例年以上に小売店の休業が目立ったこの年末年始。背景にはこれまで過剰供給だったサービスを是正するという風潮も垣間見える。

 関連して、今話題となっているのがコンビニの24時間営業の見直しだ。コンビニは宅配の受取拠点にもなっていることから、仮に営業時間の短縮となれば、少なからず通販にも影響が出るだろう。当面は一部店舗に限った措置となる見込みだが、今後、「24時間どこでも受け取れる」という利点を謳えなくなることは間違いない。

 政府も宅配ボックスの普及に力を入れはじめたが設置率はまだまだ低い。今年の通販業界も昨年に引き続き、物流インフラが大きな課題となりそうだ。

ますます人が重要

2018年はどんな年になるだろうか。本紙調査では67%の企業が通販市場は拡大すると予測。ネット販売が引き続き伸びて、市場全体を押し上げるというのが大方の見方だ。

 しかし、これはネット販売での競争激化も意味する。すでに、従来のプレーヤーに加えメーカー系企業によるEC参入も増えている。加えて、増加する競合への対応だけでなく、日々変化するECのノウハウも取り入れなければいけない。

 とはいえ、EC運営の現場からは人手不足を指摘する声も出ている。ネット販売市場が伸びてもその波に乗るには業務をこなす人手が必要なのは言うまでもない。中長期的な成長を見据えれば、人材の育成や確保がますます重要になりそうだ。

悩ましい宅配問題

 歳暮や大手サイトのスーパーセール、クリスマスギフトと通販会社は繁忙期だろうが、ある物流代行会社の担当者はそうでもない様子。ヤマト運輸など宅配会社から荷物量を前年以下に抑えることを求められ、新規取引先の仕事を受けなかったためだ。

 取引を拡大したいが、宅配会社に引き受けてもらえない状況でもある。この担当者は総量規制がいつまで続くかについて憂慮する。運賃の値上げに加え、取引先拡大が難しくなっていることで、物流代行会社で頭を悩ましているところは少なくないはず。

 今年は、より効率的な物流や宅配便の受け渡しが行えるようになることを心底願わずにはいられない1年だったのではないか。

AI活用は疲れる

 AI(人工知能)への注目が高まっている。通販と関連する業界でいうと、コールセンターで活用に向けた動きが徐々に現れている。
 例えばチャットボットもその1つ。従来、人が行っていたチャットでの対応を機械で自動化する。ただ、寄せられる質問に対して適切に回答するためには、AIを訓練する「教師データ」が必要になる。チャットボットを含めAI活用の現場では、この教師データづくりが大変らしい。
 AIの「ワトソン」向けに膨大な教師データを作ることに疲弊した大手銀行などからは"ワトソン疲れ"という言葉も出ているよう。やや話題が先行している感もあるAI。通販業界や我々の日常生活に定着するのは、そう簡単ではなさそうだ。

ライブコマースの利点

 「ライブコマース」が注目を集めている。店舗向けにサービスを提供するBASEによれば「しっかりと商品のストーリーを伝えられる」点が店から評価されているのだという。

 多くの人が高性能のスマートフォンを所持する時代となったことで、気軽に動画も配信できるようになった。インフルエンサーと呼ばれる人たちでなくとも、メッセージを発信し、顧客との接点を作れるわけだ。

 とはいえ「成功パターン」は未知数。定期的に配信し、ファンを獲得するというのは、配信に慣れない店舗にとって高いハードルとなる。どんな番組なら見てもらえるのか、そして配信者が継続できるのか。試行錯誤の中から成功事例が生まれることを期待したい。

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