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「ゆうゆう窓口」の縮小

 郵便局の24時間営業窓口「ゆうゆう窓口」が縮小している。記者宅の近所にある郵便局のゆうゆう窓口も、この2月で24時間営業を取りやめるという告知が正月に来た。

 記者は一人暮らしのため、ゆうパックの初回配達時に通販の荷物を受け取れなかった際、軽い物であれば深夜に窓口まで受け取りに行くことが良くあった。ユーザーとしては利便性低下となる。

 もちろん、郵便局の人手不足が深刻なことは良く分かる。それであれば、例えば初回配達時でも受取人が日時指定を変更できるようにしてもらえないだろうか。受取ロッカー「はこぽす」の拡大も。配達員の負担軽減に協力したいのはやまやまだが、インフラ整備も願いたいところだ。

配送は早さだけ?

 英アマゾンが「急がなくてもいいよ便」なる配送サービスを展開中だという。通常よりも配送に時間がかかる分、それを選択した顧客には次回以降に使用できる1ポンド(140円)分の割引券を付与するというもの。

 日本では各社が短時間のスピード配送などし烈な配送サービス合戦を繰り広げている。利用者側も買った商品が早く届くに越したことはないと思っているだろうが、早く届けなくてもよい商品や速さよりも割引して、といった様々な要望が当たり前にあるはずだ。

 過剰な配送サービスは至るところで歪みを生む。配送は通販にとって重要で様々な工夫を行うべきだが、できることは配送スピードだけか。再考してみてもよさそうだ。

労働環境対策も差別化を

 今号の読者投票による「2016年の通販業界10大ニュース」を見ると、今年も通販業界に関わる様々な出来事が起きたことが分かる。どれも今後の通販業界に影響を与えそうな出来事で注目されるが、通販業界のみならず今年あった出来事として印象深かったことの1つは電通社員の過労自殺問題だ。これを契機に日本企業における"働き方"に関わる諸問題がクローズアップされた。最近では社員に違法な長時間労働などを強いる企業に対し、是正勧告を矢継ぎ早に行うなど行政も本腰を入れて対策に乗り出しており、社会の目が労働問題により厳しくなってきている。無論、通販企業とっても他人事ではない。これまで労働環境対策を後回しにし、なし崩し的に従業員に長期労働を強いてきた企業であるならば早急な対応が必要だろう。

 しかし、労働環境の対策・整備は行政や世間から増す監視の目の厳しさに対応せんがために行なうべきわけでない。社会的変化に対応した労働環境を整備できなければ、企業は働き手、それも長期にわたって会社に利益をもたらしてくれ得る優秀な働き手を確保することが今後、困難になるからだ。働き手の数が多い時代は何とでもなったろうが、生産人口が減少し始めた今後はこれまでのようにはいくまい。優秀な人材の獲得はもちろんのこと、そうした人材を退社させず、長期にわたり働いてもらえるための準備も必要だ。

 それには働きに見合う報酬面はもちろんだが、従業員のワークライフバランスを考えた施策が必要だろう。従業員の生活を圧迫する残業を極力、なくすための対策なども講じるべきだろうし、産休・育休制度を"普通"に利用できるようにすることも必須だ。時短勤務への対応も必要だろう。また、"育児"だけでなく、"介護"にも対応した制度も考慮すべきだ。老若男女問わず、限られた優秀な人材を獲得していくには様々な準備が欠かせまい。

 すでに通販実施企業の中でも労働環境の整備に向けて動き出している企業も多い。例えばジャパネットたかたでは来年1月から原則、午後8時半を超える残業を禁止し、また、週2回は残業自体を禁止する試みを実施する。そのために人員体制やシステムやツールにきちんと投資をして、無理なく実現できるような環境を整えるという。仮想モールを運営するヤフーでは10月から新幹線通勤を導入。通勤時間が2時間以上に従業員を対象に上限15万円まで支給することで静岡や新白河、越後湯沢からの新幹線通勤も可能になる。従業員の生活水準向上を支援する狙いのほか、育児や介護の問題のための離職を防ぐ考えもあるようだ。また某外資系通販企業では家族同様の存在である"ペット"が病気などの際に、休暇がとれる制度を設けている。

 労働環境の整備はすべての企業がこれから先、避けて通ることはできない。避ければ人材は集まらず、会社は成り立たなくなる。そうであればいかに先んじて対策に乗り出し、費用対効果の高い施策を考えて展開し、競合と差別化を図っていけるかも企業にとって1つの重要な戦略と捉えるべきだ。本腰を入れて対応に臨むべき時はすでにきている。

新技術の行方

 IoTやAI、ドローンなど今年も通販業界では多くの注目サービスが登場した。新技術は既存のビジネスに変化をもたらすという点で常に大きな期待が寄せられている。

 しかしながら、過去を振り返ると注目度ほど定着しなかった技術もたくさんある。数年前に登場した3Dプリンターもその一つで、関係業者に聞くとインク(樹脂)代の高さがネックとなり最近では取扱量が低迷。一部の大手海外メーカーが近く日本での事業を撤退する噂もあるという。

 新技術は他社に先駆けて導入することで差別化できるため、見切り発車で導入する企業も多い。前述のサービスも果たして何が残り、消えていくのか。1年後にはその答え合わせができることだろう。

説明必要な絵表示

 繊維製品の洗濯絵表示が12月1日に変わる。従来の22種類から国際規格の41種類となり、国内外で同じ表示となる。海外で購入した服の取り扱いに迷わなくなったり、情報量が増えるメリットを考慮しての変更のようだ。

 ただ、例えば弱流水での洗濯を促す場合、従来の「弱」マークに対し、"たらい"マークの下に一本線が入るなど、連想しづらいものも多いのが実情だ。

 消費者庁はウェブで特設コンテンツを開設したり、政府インターネットテレビでも説明動画を配信するなど、1年以上前から準備していたようだが、消費者への周知は十分とは言えず、当面、企業側は絵表示の説明などを継続的に行い、消費者の混乱を避ける努力が必要になりそうだ。

一分動画に注目

 最近のネット販売市場で、動画活用が再注目されている。クオカプランニングは菓子が出来上がる様子などを動画で配信。白鳩も越境ECの取り組みの中で、動画を使って商品特長を説明する試みを行った。

 目新しさは、動画が数十秒~1分と短い点だ。SNSで配信し、ユーザーはタイムライン上で何気なく視聴している。

 こうした動画を活用する狙いの1つは、ニーズがあいまいなユーザーの購買意欲を喚起することだろう。SNSのタイムラインで受動的に情報に触れてもらい、短い動画で試聴のハードルを下げる仕掛けだ。新規客獲得を課題とする通販各社にとって、潜在ニーズを喚起するため取り組みが重要になっている。

「ゾゾ」の球界参入

 千葉ロッテマリーンズの本拠地である「千葉マリンスタジアム」命名権の優先交渉権者にスタートトゥデイが選定された。千葉市と合意すれば2代続けて通販企業がスポンサーとなり、「ゾゾタウン」の名前を冠した球場が誕生しそうだ。

 一部報道によると、同社は将来的には球団運営にも興味を示しているという。通販業界では楽天のほか、ヤフーの親会社であるソフトバンク、さらにはDeNAも球団を保有しており縁は深い。

 具体的に球団売却の動きがあるわけではないが、成長企業であるスタートトゥデイが参入すれば球界・通販業界にも刺激となろう。何より個性的な前澤友作社長にも注目が集まりそう。1野球ファンとして期待したい。

手段より目的

 オウンドメディアはトップページに手数を掛けるよりもコンテンツの中身に労力を割いた方が良いと言われている。至極当たり前のことなのだが、あるコンサルタントによるとクライアント企業の要望の多くはトップページの構成をいかに組み上げるかの話ばかりになるという。

 実際にウェブユーザーの多くは検索サイトから記事コンテンツに直接流入しており、トップページへの訪問数は3%程度というデータもある。それにも関わらず企業としてはサイトの体裁にこだわる傾向にあるようだ。

 オウンドメディアの目的はより多くの閲覧者を集めてマーケティングにつなげること。本来の目的を見失わず実利に結び付くやり方に集中してほしい。

米アマゾンの動き

米経済誌ウォール・ストリート・ジャーナルが、アマゾンが米国でコンビニエンスストアの出店を計画していると報じた。食品事業を拡充し、店頭で生鮮食品を扱うという。また、同誌はオンラインで注文した商品を車まで届けるドライブイン拠点も近く導入予定だと伝えている。

 米アマゾンを巡る報道ではほかにも、USPなどの大手運送業者との契約を解除して自社物流への切り替えを検討しているといった内容のニュースも現地で報道されている。

 「米国の現象が数年後に日本でも起こるということはよくある」とECコンサルタントは指摘する。日本でもコンビニや自前の物流を仕掛けるのか。だとすればいつ頃か。気になるところである。

騒動のダメージは?

 アマゾンジャパンの電子書籍読み放題サービス「キンドルアンリミテッド」を巡る騒動がいまだ収束の兆しを見せない。一部作品でアマゾンの予想を上回る配信があり、出版社への支払いが膨らんだとみられ突如、当該作品の配信が停止。出版社らがアマゾンに対し抗議を発表するなど騒ぎとなっていた件だ。

 ビジネス上でのアマゾンの考え方は理解できる。儲け以上に経費がかさめばそれをやめるのは当然だ。ただ、これで出版社との信頼は崩れ書籍販売では重大な影響を及ぼしそう。さらに深刻なのは利用者が同社都合での配信停止に不信感を覚えた可能性があること。この騒動でネット界の巨人がどんなダメージを受け、何を失うことになるか注視される。

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