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宅配危機は続く

 先日、夜9時以降でも配送が可能なサービスを利用した。注文時には午後10時台の配達を指定し、荷物の到着予定時間が事前にメールで届いたものの、実際に配達員が記者宅に来たのは、その予定時間から1時間を過ぎてからだった。配達員は疲労困憊(こんぱい)といった様子ながらも、平謝りだった。

 そのサービスでは、専用サイトから配達員の現在地が確認できる。ところが、エラーが出て当該機能を使うことはできなかった。どうやら、ユーザーからのアクセスが殺到しているのか、サイトに高い負荷がかかって表示できなくなっているようだった。

 せっかくの便利なサービスだが、予想以上の利用でパンク寸前なのか。心配だ。

至る所で人手不足

 スーパーや駅売店で設置が増えているセルフレジ。これがなかなか扱いが難しい。

 先日、あるスーパーでセルフレジを使ったところ商品をスキャンできなかった。スタッフを呼び調べてもらったら、前の客が忘れていたつり銭が残っていたことが原因。そのスタッフも慣れていなく、2分ほど時間を要してやっとスキャンできるようになった。

 駅売店にしてもセルフレジの設置に加え、店のあった場所に自動販売機を置くところも増加。店員を確保できず営業時間の短縮などを行うということが幅広い業種で見られるようになっている。

 通販でも宅配便業界の人手不足が運賃の引き上げにつながった。深刻な人手不足はどう対処するべきなのか。

音声認識の進化で

 音声認識技術が向上したことで、コールセンターでの作業風景も変わりつつあるよう。

 通販の受注の場合、名前や電話番号、住所、商品名などの情報は、応対したオペレーターが手で打ち込んでいたが、最新の現場では人工知能が顧客の声を認識して自動的に画面上に入力していく。

 この仕組みであれば、応対中や電話を切ってからの入力作業がなくなり、業務を効率化できる。受電中は顧客との会話に集中できるため応対品質の向上も期待できるとか。

 オペレーターの発話の認識精度は90%程度と高い(顧客側の声の精度はバラつきがある)。そのため機械がどのくらい認識するかを測定し、オペレーターの能力を判断することも可能だという。


旅行サイトを参考に

 「旅行サイトをよく見た方がいい」とはある大手EC事業者の幹部。自社の通販サイトをより良くするにはどうすべきか頭を悩ます通販事業者も多いと思うが、そんな時は「宿泊予約サイト」を参考にすべきだという。

 宿泊予約サイトが独自でホテルや旅館を運営しているわけではないため、商品は原則、どこも同じ宿泊施設、価格だ。

 希少性や安さで勝負ができない以上、各サイトとも"見せ方"で差別化を図ろうとし、最も効果的な仕組みや広告を素早く導入したり、サイト内のブラッシュアップを怠らない。特に海外サイトではその傾向が顕著だという。運営サイトの"次の一手"に悩んだらとりあえず見てみてはどうか。

待たせない配送

ローソンが、受注当日にコンビニ店頭に生鮮品などの商品を配達するサービスを開始した。午前8時までにアプリで注文すると、午後6時以降に店頭で受け取りができる。人手不足が課題になっている宅配や再配達に対する顧客の心理的負担を軽減する狙いだ。

 生鮮品ECでは、配送の利便性を求めるニーズが高まっており、アマゾンでは最短1時間で届けているサービスを実施。オイシックスドット大地も早朝配送をテストしている。

 配送の競争が激化する中、"顧客を待たせない"配送モデルの一つとして、ローソンは店舗を持つ強みを発揮すしそう。通販事業者にとって配送の利便性向上は重要な課題であるだけに、注視する必要がありそうだ。

揺らぐ「信頼」

 健食業界でウェブを主戦場にする新興企業の台頭が目立つ。業界で知名度はなくともマーケティングに長け、ウェブ上では圧倒的な存在感を放つ。アフィリエイターから起業し、数十億円稼ぐ企業もある。ウェブで「売る仕組み」に精通することが起業理由であることが多い。

 だから「商品」はいいかげんな物が多く、また"定期縛り"などトラブルも多い。だが、これまで「商品」を軸に顧客との関係構築に力を注いできた企業はウェブでは駆逐され、苦戦する。このままでは長い年月をかけて築いてきた通販自体の信頼が揺らぎかねない。

 行政もこれら企業を野放しにしている。「葛の花」の処分を行う前に規制すべきことがあるのではないか。

会議の在り方

 「働き方改革」に伴い、会議の在り方に注目する通販企業が出てきた。中には1時間を30分に、回数を半分にしているところある。時間が減ることで意外にも各自が発言内容を端的にする癖が身に付き、会議中に中だるみの時間が生まれない効果があったという。

 「頭で整理することがうまくなった」とはある中堅通販企業の担当者。持ち時間が長すぎると、どうしても場つなぎの発言が増えるが、それがなくなり密度の濃い議論ができるようになったという。

 昔から日本では長時間の会議ほど周りから評価を受ける傾向にあるが、その内容は単なる空論の応酬であったケースも多い。重要なのは時間ではなく、中身であることを忘れてはいけないだろう。

携帯事業の成否は

 楽天が携帯電話事業に参入する。利用者の視点からいえば、今の3大キャリアの料金プランは横並びで、こう着状態にあると感じる。料金次第では楽天が風穴を開けることも可能だろう。

 とはいえ、現在は総務省の規制もあり、MNPによるユーザー獲得競争は落ち着いている。安価なMVNOの存在もあり、新規獲得のハードルは高い。

 事業を軌道に乗せるには巨額の投資が必要だ。既存のユーザーを取り込む、魅力あるプランを継続的に提供できるのか。さらには電波品質の問題もある。

 成功すれば「楽天経済圏」は広がりを見せるが、一筋縄ではいかないだろう。果たして楽天は思惑通りにユーザーを獲得できるか。動向に注目したい。

大手以外の宅配便

 筆者の居住エリアでのアマゾンの配送業者に昨年暮にデリバリープロバイダーが加わり4社程度に増えた。マンションの宅配ロッカーでの受け取りがほとんどで、配達員の対応は評価できないが、どの業者ともちゃんと商品を届けてくれる。

 アマゾン側の配送業者の使い分けは、在庫拠点や商品サイズなどで異なるようだ。遠方の拠点からはヤマト運輸、書籍など小型の商品は日本郵便、地元のセンターからの場合はデリバリープロバイダーといった具合だ。

 運賃値上げから、アマゾン以外でも多くの企業が複数の業者を利用する傾向が見られつつある。大手以外は品質面で不安との懸念もあるが、通販業界側が積極的に委託し後押しすることも必要だ。

接客という高い壁

 先日聞いた「仏壇」のネット販売の事例が記憶に残った。

 その仏壇屋、ネットでは一番安い商品しか売れなかった。ある時、動画を使って店頭の売れ筋商品を詳しく紹介すると、その商品が売れた。動画を使って紹介したのだから売れて当然かもしれない。ただ、この話から「接客」の重要性について考えさせられた。

 実店舗は店員による接客が強み。対面販売ではない通販は、接客の壁を乗り越えようと苦労してきた。仏壇屋の動画による商品紹介もその1つと言える。

 昨今ではAR(拡張現実)やVR(仮想現実)、AI(人工知能)など新たなテクノロジーが生まれている。その中から店頭に劣らない接客技術が生まれないかと妄想している。

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