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様変わりする年末

 最寄りのスーパーで10月半ばから歳暮コーナーが設けられている。年末にかけての恒例の景色だが、休日でも受付の順番待ちをする客がいるわけでもなく、年々利用客が減っている。

 歳暮や中元は百貨店などもネットで注文を受け付け、店に赴く必要がない。百貨店を含めて多様なショップの商品をパソコンやスマホで贈答先へ配達依頼でき、近隣のスーパーへ足を運ぶこともせず済んでしまう。

 スーパーの歳暮コーナーに加え、商店街の年の瀬も徐々に賑わいが失われつつある。子供の頃、年末の賑わいの中での買い物はワクワクするほど楽しかったことを思い返すと、便利さと引き換えに失うものがあるのかと寂しく思う。

新TV通販枠に注目

 12月から始まる新4K8K衛星放送。どんな番組が観られるか楽しみな一方で気になるのは通販枠だ。各局とも初めから4K番組を自前ですべて編成するのは難しいため既存のBS放送と同様、通販事業者に放送枠を販売する意向のよう。

 この新枠の多くを獲得し、売り場を増やしつつあるのがQVCジャパンのよう。放送枠は販売したいが行政の手前、なるべく4K番組比率を増やしたい各放送局にとって自らも新4K放送の基幹放送事業者として4K番組を作り12月から放送を始めるQVCへ放送枠を販売し、その番組を放送すれば一石二鳥となるためだ。高画質映像も楽しみだが、テレビ通販の新たな動きという点でも4K放送の行方に注目したい。

「統合後」の準備を

 LINEが行う予定の法人アカウントの統合が波紋を呼んでいる。「公式アカウント」と「LINE@」を一本化するというもの。早ければ年内にも開始されるもようだが、問題はその料金体系だ。

 一定数のメッセージを越えると、通数課金となる。これまでLINEのアカウントを活用して頻繁にメッセージの配信を行っていた場合、従来どおりの運用では大幅な値上げになる可能性もある。

 一部の利用企業は「頑張って運用していたところが損をする」と不満を漏らす。

 そこに、アプリへの切り替えを促そうとベンダーが営業を活発化しているとも聞く。

 いずれにせよ、今のうちから「統合後」に向けた戦略の見直しが必要かもしれない。

シアーズの皮肉

 今年10月、米シアーズが破たんした。創業時のカタログには「地球上で最も安いサプライヤー」といったニュアンスの文言が印字されている。その理念は、「最も豊富な品ぞろえ」「最安値」を追求し、業界を席巻するアマゾンと同じだ。

 通販の草分けであるシアーズが、最後はその「通販」に顧客を奪われたというのは何とも皮肉だが、世界がモノからデータの経済に変わる中、その流れに取り残された。

 アマゾン一強と言われる時代だが、かつて隆盛を誇ったシアーズも倒れた。その成功も物流インフラの発達あってのもの。国内ではカタログ通販が苦境。いかに時代の変化を捉え対処するかが重要かと改めて思い知らされる。

横並び運賃

 「ヤマト運輸や佐川急便、日本郵政の大手3社が提示する運賃が同一なのは何でしょうね」。衣料品のネット販売を手掛けるトップは首をひねる。

 同社は日本郵政による値上げで運賃は約50%アップした。配送コストの負担が重く、送料無料を廃止した。送料負担は顧客の購買意欲を低下させ、売り上げへの影響もあった。それでも提示された金額を了承したのは「全国に配送網を持つのは3社だけ。他社を検討できない」ためだ。

 横並びの運賃は、配送業者間の自由な競争の機会をなくしかねない。通販事業者と配送業者の交渉も困難にさせる。複数社のサービスや見積もりを参考にして取引先を決める通常の商習慣とのギャップも感じる。

過度な自動化に不安

 先日、自動化されたEC倉庫を訪れた。広い倉庫内は一部を除きほぼ無人で、巨大なアームロボットやコンベアーが淡々と正確に作業をこなしていた。

 今は物流以外の現場でも機械やAIによる自動化・省人化が進み、ミスや人件費の削減、人手不足の解消を図っている。しかし、気になるのは人の働く場所が次々と無くなっていること。機械に仕事を追われた人が増えれば、当然、消費者の絶対数は減っていく。前述のEC倉庫でも、以前まで働いていた人達がどこに消えたのかその行方は語られていない。

 行き過ぎた自動化は経済活動自体も縮小させてしまう。長い目で見れば、多少の無駄や周り道も容認できるようなゆとりのある環境も必要だ。

デフレ優等生の今

 デフレの勝ち組だった「しまむら」が苦戦している。従来は郊外店にこだわってきたが、出店が一巡したこともあり、最近は都市部への出店を加速したことから自社競合も生じているようだ。

 また、商品政策や値下げ戦略の失敗に加え、今夏は台風や地震、猛暑の影響が重なって外出を控えた消費者も多く、通販に消費者が流れたと見る。あるサンプル店舗の8月の正午から午後4時までの来店客数が前年比で半減し、売り上げに響いたという。

 ECはゾゾに出店したばかりだが、低価格化が進むゾゾ内にも競合は多い。しまむらの強みだった「宝探し感」の要素をメルカリに求める消費者もいるようで、復活の道のりは簡単ではなさそうだ。

孤独なEC担当者

 「もう売り上げ伸ばさなくていいんじゃない」。あるEC担当者がかつていた会社の人間に言われた台詞だ。EC事業が好調に推移したことで逆に店舗の伸び悩みが目立った時に、店舗担当者が述べたのだという。「EC界隈ではよくある話」と先のEC担当者。

 店舗を持つ場合、ECはややもすれば肩身が狭い。成長を遂げたにも関わらず功績が正当に評価されないというケースも耳にする。そうなるとEC担当者は孤独になる。場合によっては「メンタル的に追い込まれることもある」と某ECマーケターも漏らす。

 企業がEC事業を拡大させるためには、その舵をとる担当者を孤立させず、正しく評価し、しっかりとケアすることが大事だろう。

有名企業の買収

 旧聞となるが、ベビー用品や家具・雑貨などの通販サイトを運営するライフイット(旧桃源郷)が8月にティーライフに買収された。桃源郷といえば、かつてはネット販売における成功企業の代表格として、創業者がメディアなどで取り上げられる機会も多かった。

 こうした買収事案は近年相次いでいるが、今年に入ってからも、やはりネット販売黎明期の著名企業であるミネルヴァ・ホールディングス(現ナチュラム)がスクロールに買収されている。

 競争が激化する中で、昨今の送料問題が中小のネット販売企業にとって大きな痛手となっていることは想像に難くない。大手企業の傘下に入る有名ネット販売企業は今後も増えそうだ。

注目集まる中間拠点

 事業用不動産サービスのCBREが8月末に発表した特別レポートによると、東京23区で小規模倉庫の需要が高まっているという。通販はじめコンビニやミニースーパーが配送の中間拠点として着目しているためだ。

 通販ではスピード配送拠点として、小型店舗ではスペースが手狭で在庫が限定されてしまうので多頻度の配送を行う拠点として活用されるようだ。

 中間拠点は多頻度小口配送が通販向け、店舗向けの双方で増えていることで需要が伸び、そして狭いエリアでの輸送を効率化することにもなると言われている。これら配送をひとまとめにして増え続ける宅配便の配送や受け取りをスムーズに提供することはできないだろうか。

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