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"猛暑特需"の戦い

 記録的な猛暑が続く中、関連商品の販売が好調だ。「楽天市場」では熱中症対策グッズ全体の売上げが前年同期比で約3・7倍となり、「Qoo10」でも7月の炭酸飲料流通額が前年同月比で約5割増となっている。

 猛暑で夏物商品が売れるのは毎年のことだが、ここまでの状況を予測していた人は少なかっただろう。一部の飲食品ではメーカーの生産が追い付かずに品薄となり、売り逃しが生じているところもあるという。

 今年の猛暑の予想は夏前から出ており、実際にそれに備えて行動できたところが勝ち組となっている。今のところお盆以降も気温が下がらない日が続く予想だ。"猛暑特需"を巡る戦いは今後もまだ目が離せないだろう。

靴屋の株価は?

 スタートトゥデイがPB「ゾゾ」で靴と女性用下着の開発を始めるという。同社のPBはTシャツとデニムパンツからスタートし、7月にはビジネススーツとドレスシャツなどを追加している。スーツの投入は以前から前澤社長が発信していたが、実際に販売を始めた当日は大手紳士服チェーンの株価が軒並み下落するなど有店舗各社にも影響が及んだ。

 靴や下着(ブラジャー)はファッションカテゴリーでもとくに最適サイズを見つけるのが難しいため、PBのラインアップに加えることができれば大きな武器になる。また、現行のマーカー読み取り式ゾゾスーツでは靴や下着に対応できないだけに、同社の技術革新への挑戦に注目が集まりそうだ。

物価下落は誰のせい

 日銀が「ネット販売の拡大が物価下押しに作用している」というレポートを公表した。ネットは実店舗より割安に買えることが多く、既存の小売りへの値下げ圧力につながっているという内容だ。

 確かにそういう面はあるだろうし、付け加えるならCtoCアプリの普及も大きい。とはいえ、アメリカや中国は日本以上にネット販売が普及しているものの、同じ状況にはなっていないはずだ。

 安値競争が激しくても、消費者の買い物回数が増えれば消費は上向く。そうならないのは、そもそも給料の手取りが上がっていないからではないのか。

 日銀がインフレ目標達成に必死なのは分かるが、ネット販売を悪者にするのはやめてもらいたい。

現金が必要の場面

 東急電鉄や横浜銀行、ゆうちょ銀行などが駅の券売機で現金を引き出せるサービス提供に動き出した。キャッシュレス化の真逆を行くものだが、実際に現金が必要となる場面は意外と多い。

 クレジットカード決済に対応していない地方の飲食店は少なくない。またカード決済するにしても少額の買い物では躊躇する場面が多い。

 通販はクレジットカード、代引き、コンビニ支払いが3大決済。最も利用率が多いと思われるカード以外では現金を伴うのが大半だろう。代引き、コンビニ支払いのいずれもとも非現金でのサービスが徐々に普及しているが、依然として現金で支払う顧客が多い。日本では、まだまだ現金派が大勢のようだ。

しゃべりすぎは禁物

 「しゃべりすぎると売れない」。健食通販の潮目が変わり始めている。成功するクリエイティブはかつて「なるべく直接的に効果を訴えること」だったが、当該商品がなぜ必要かという「理由付け」をメインに打ち出す形に変化している。

 どぎついコピーと写真での訴求は飽きられ、信用されず無視される一方、ある意味でまわりくどいがニーズを訴求するやり方は共感を生む。「買って頂くために必要な信頼を得られる情報だけを入れる。無駄な情報は入れるほど信用されなくなり、反応が落ちる」と某通販企業の担当者は実感を持ってこう話す。

 過去の成功体験にとらわれず、変化に常に対応していけるかが浮沈を分けるポイントになりそうだ。

悪質業者と区別を

 通販が一般化し、初期投資も少ないためウェブを中心に参入が増えた。短期間の売り抜けや、安易に稼げると踏む企業も増えた。急成長したある企業が次に目をつけたのは仮想通貨。業界の健全発展は念頭にないだろう。

 JADMAの新会長に就任したオルビスの阿部嘉文氏は、「消費者からの信頼」を加盟企業の信頼向上につなげるとした。言葉に目新しさはない。だが、おかしな事業者が増えた今の市場だからこそ取り組む価値はある。実現すれば加盟のメリットを感じてもらえるチャンスになる。

 今回で2期目。地方の中小を支援する「ジャドマ倶楽部」もいいが、ぜひ協会の存在を社会に知らしめ、悪質業者と区別される道筋をつけてほしい。

新元号への準備

 新天皇の即位に伴い、来年5月から新元号へと切り替わる。各報道によると新元号の発表は改元1カ月前と見込まれており、その準備期間の短さに経済界からは不満の声が上がっているという。実際に取材先でも「あらゆる媒体で切り替えなくてはいけないのにギリギリ過ぎる」、「いっそのこと西暦で統一した方が良いのでは」との意見が聞かれた。

 その一方で、改元は大きな商機でもある。メーリング業界では帳票類や販促物などを新元号で刷り直す法人需要を見込んでおり、営業活動を活発化させているという。

 準備期間の短さという不安は残るものの、時代の節目に訪れる需要期を抜け目なく捉える姿勢はとても重要なことだ。

再来店のチャネル

 都内にある百貨店の紳士服売り場には平日の昼間、昼食後のビジネスマンがスーツを試着しに来るという。その場では買わず、財布の紐を握っている奥さんを連れて休日に再来店するケースが多く、紳士服売り場では「平日の接客をおろそかにするな」が共通認識だという。

 さまざまな商品カテゴリーでショールーミング化が進む中、スーツであっても今後は再来店のチャネルが休日の店頭から通販サイトに移っていくことも予想できるだけに、店頭商材を自社ECでも買えるようにするのはもちろんのこと、EC利用者でも店頭での採寸やお直しサービスが利用できるなど、人が介在する店頭小売ならではの強みをECにも反映させたいところだ。

箱だけバブってる

 「過剰包装を何とかしたい」。某アパレルECの責任者はこう漏らす。「消費者のエコ意識は高くなっている。梱包の箱だけいまだにバブルなのはいかがなものか」というわけだ。

 スーパーのレジに「レジ袋いりません」と書かれた札が用意してあるのは、すでに見慣れた光景だ。買い物にエコバッグを持参する人も珍しくない。

 同様のアプローチが通販サイトでできないかという発想だ。例えばカート画面上で、「通常包装」と「簡易包装」を選択できれば面白いかもしれない。

 エコを企業姿勢として打ち出せばブランディングにもつながる。おまけに梱包資材のコストは下がり、開封時のゴミも減る。理解を示す消費者、意外に多いのではないか。

郵便含め質向上を

 日本郵便が中期経営計画で2020年度に宅配便「ゆうパック」の取扱個数10億個以上という目標を掲げた。17年度の実績を2億個上乗せする。

 ヤマト運輸が働き方改革に向け荷受量を抑制する総量規制に昨年、今年と取り組む中、日本郵便へ宅配便を依頼するネット販売企業が増加。17年度に前年度比25%程度増となった日本郵便は、10億突破というのも達成できるだろう。

 一方で宅配便増加から、郵便などのサービス低下が懸念される。法人の郵便物の集荷を6月一杯で取りやめるという。現状、主力業務である郵便のサービルレベルを低下させるのは、一層の郵便離れを引き起こす。通販企業では郵便の利用も依然多いだけに残念だ。

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