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オンライン試着サービスの現状は?① 「FITTY」 最適サイズのブラジャー提案

071.jpg ファッション商材のサイズ感は、通販で商品を購入する際のハードルとなっているだけでなく、返品理由としても大きな割合を占めるなど、ECでファッションアイテムを販売する企業にとっては避けて通れない問題のひとつだが、その解決策のひとつとして"オンライン試着サービス"が増えてきている。今号から代表的なサービスの現状と将来展望などについて見ていく。

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 ベンチャー企業のフィッティンは、ブラジャーのオンラインフィッティングサービス「FITTY(フィッティー)」を今年1月に本格始動した。

 自分のバストの正しいサイズが分からず、間違ったサイズを着用している女性が約7割を占めるというデータもあるなど、ブラジャーはファッション関連商材の中でもサイズの問題が深刻なアイテムという。また、小さな子どもがいたり、バストにコンプレックスを抱えていたりして実店舗で購入しない人も少なくないことから、同社はオンライン上で正しいブラジャーのサイズが分かるサービスを始めた。

 「フィッティー」は、利用者に4つの質問に答えてもらい、そこから得たユーザーの体型データと、ブラジャーの伸縮性やカップの形状と容量、ワイヤーの長さと角度など20項目におよぶ独自の計測データとを照合し、利用者にフィットするブラジャーだけをレコメンドする(画像)。商品の購入は下着メーカーや通販企業のECに送客しており、同社は手数料収入を得る格好だ。

 単に商品をレコメンドするだけでなく、「フィッティー」では下着の専門家がチャットでブラジャーの相談に乗るサービスも用意。利用者からは「チャットのアシストがあって安心した」「バストの悩みは非対面の方が打ち明けやすい」などの意見をもらっており、チャットでおススメした商品はEC送客後の購入に結びつきやすいという。

 4月からは"ピンポイントレコメンド"機能を追加。購入したり着用したことがあってお気に入り登録しているブラジャー(MYブラ)と、気になる商品の着用感の違いを重さやカップの深さなど全10項目で比較できるようにした。

 また、同社では「フィッティー」のアルゴリズムを自社サイト内だけでなく、メーカーの自社ECや仮想モールの店舗にレコメンドツールとして導入できるようにしている。下着以外の商材が多いモールではブラジャーの購買履歴が少ないこともあり、まずは「フィッティー」の4つの質問に答えてもらい、最適サイズのアイテムを購入してもらうところからスタートし、購入経験のある消費者にはMYブラと比較しながら買い物ができるピンポイントレコメンドを利用してもらう。

 すでに、「DeNAショッピング」と「アマゾン」の両モールと連携しており、ピンポイントレコメンドについてもモールの下着カテゴリーでテスト運用を始め、夏頃には本格スタートする見通しという。

 一方、今夏以降の取り組みとしては、「フィッティー」を下着メーカーの店頭端末にアプリとして導入してもらうことで、リアルでの買い物をサポートする。商品のタグを読み込むことで、メーカー側が持つ顧客の購買履歴と結びつけ、過去に買ったアイテムと目の前の商品とのフィッティングができるようになる。

 収益化に向けては、送客先ECからの手数料などがあるが、同社ではブラジャーをカスタマイズするのに必要なデータを収集している強みを生かし、ユーザー一人ひとりにぴったりフィットするブラジャーを自社で生産、販売してく計画だ。

 海外協力工場との関係構築や、生産ライン確保に向けた資金調達のメドをつけているようで、「フィッティー」にEC機能を実装し、フルオーダーメイドとセミカスタマイズの2パターンの受注に対応できるようにするという。

 とは言え、足もとでは取引先メーカーとの関係性を強化したいことや、自社生産に乗り出すにはロットの問題なども生じるため、本格的な自社生産は来年以降になりそう。最初はOEM型でメーカーと「フィッティー」の共同開発商品などを作ることからスタート。3年後をメドに自社のオリジナル商品とナショナルブランドのアイテムを半々くらいで取り扱いたい考えのようだ。
②につづく

SGHDと日立物流  資本業務提携を締結、3PLと宅配を一貫提供

 SGホールディングス(SGHD)と日立物流は3月30日、資本業務提携すると発表した。SGHDは佐川急便株式の29%を日立物流へ譲渡し、日立製作所は子会社の日立物流株式20%をSGHDへ譲渡する契約を締結した。物流業務を包括的に受託するサード・パーティー・ロジスティクス(3PL)事業を得意とする日立物流と、BtoBやBtoCの宅配便を展開する佐川急便との協業により、川上から川下までシームレスな総合物流サービスの提供を目指す。2~3年後をめどにした経営統合も視野に入れている。

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アマゾンジャパン、モール出品者発送品でも速配対応受付時間のカウントダウン表示スタート

アマゾン強化.jpg アマゾンジャパンが展開する仮想モール事業「マーケットプレイス」の出品者向けの拡販支援策を強化している。当日配達など速配に対応している出品者の「商品配達日」について、直販商品などと同様に、当日・翌日配送に対応可能な注文締切時間を逆算して、カウントダウン形式で表示できるようにした。速配の有無は消費者の購買行動に大きく影響するため、同社では一昨年からそれまでアマゾンの直販商品などでのみ実施していた当日・翌日配送の「配達予定日表示」を自ら商品を発送する出品者でも記載できるようにしている。今回の施策は速配の販促効果のアップを狙ったもので、これにより出品者の拡販を支援したい考えのようだ。
 
 アマゾンジャパンは3月25日から、同社が定めた一定の基準を満たす出品者のみが実施できる受注日の当日および翌日に配送する速配サービス「マケプレ当日お急ぎ便」「マケプレお急ぎ便」を使用した商品配送について、これまで受注時の商品詳細ページに"予定日"と記載していた配送日の"確定日"を明示できるようにした。
 
 その上で「○日にお届けするには、今から○時間○分以内注文を確定してください」といったアマゾンの直販商品などではすでに行っている配送日から逆算した最終注文締切時間に対する残り時間のカウントダウン形式表示が出品者商品でもできるようにした。
 
 ただ、これら機能を利用できるのは「マケプレ」出品者の中でも限られており、まず一昨年から自社で商品発送を行う一部の出品者に導入した当該出品者の商品の詳細ページでの当日・翌日配送の「配達予定日」を表示できる機能「マケプレ当日お急ぎ便」「マケプレお急ぎ便」の利用条件をクリアしていることが前提となる。
 
 その"条件"とは「マケプレ」への出品登録から90日以上が経過しており、直近30日の注文件数が10件以上であることに加えて、「マケプレ当日お急ぎ便」および「マケプレお急ぎ便」の配送において、追跡率が94%以上(直近41~11日の間)で期日内配送率が92%以上(同)かつ出品者都合キャンセル率が1.5%未満(直近31~1日の間)――となる。
 
 新たに対応した「マケプレ当日お急ぎ便」「マケプレお急ぎ便」における配達日の明示と配達日から逆算した注文受付締切時間のカウントダウン表示が可能となるのは、当該表示を希望する出品者で、かつ前述の「マケプレ当日お急ぎ便」「マケプレお急ぎ便」の利用条件をすべてクリアした上で、「マケプレ当日お急ぎ便」「マケプレお急ぎ便」において、期日内配送率が96%以上(直近41~11日の間)かつ出品者都合キャンセル率が1%未満(直近31~1日の間)とさらに高いハードルをクリアした出品者のみとなるようだ。
 
 アマゾンジャパンでは2014年12月10日から、従来までアマゾンの直販商品かアマゾンが出品者向けに行う物流代行サービス「フルフィルメント・バイ・アマゾン」の利用事業者の商品のみに制限していた当日・翌日配送の「配達予定日表示」を自らの倉庫などから商品を出荷する出品者にも開放。それまでは出品者が実際には当日・翌日に商品を配送できてもアマゾン内の商品ページ内の配達予定日は最短設定でも「3~4日以内」としか、表示できなかったが、前述した一定の基準を満たした出品者は通常配送に加えて、顧客から別料金を徴収し、「マケプレ当日お急ぎ便」「マケプレお急ぎ便」として、東京23区内が届け先の場合は配送予定日を「当日」、それ以外の地域は「翌日」と記載できるようにしていた。
 
 なお、出品者発送商品の「当日配送」に対応しているのは世界のアマゾンでも現状、米国(ニューヨーク・サンディエゴ・ロサンジェルス、オレンジ郡)と日本(東京)のみで、「翌日配送」は日本のほか、英、独のアマゾンでも対応している。今回、日本でも導入した「配送日の明示」と「注文締切時間のカウントダウン表示」はすでに米・英・独では対応している。
 
 今回の施策は「マケプレ当日お急ぎ便」「マケプレお急ぎ便」の販促効果をさらに高める施策と言え、アマゾン利用者はアマゾンの直販商品などと同様、出店者商品も「何時までに注文すれば当日または翌日に配送されるか」が明確に分かるようになり、利便性が高まる。また出品者にとっては当日・翌日配送対応のカウントダウン表示で売上アップが期待できそう。アマゾンは今回の施策で出品者の販促支援を強化したい狙いのようだ。

あかちゃんハウス一二三 5月から新物流拠点稼働、作業効率化と最大在庫数拡大へ

071.jpg 住友商事グループで日用品のネット販売を手掛ける爽快ドラッグの子会社でベビー用品のネット販売を行うあかちゃんハウス一二三は千葉県内に新たな物流拠点を開設、5月1日から稼働を始める。これまで同県内の3カ所の倉庫で行っていた物流業務を新拠点に集約させ、物流効率を高める。また、倉庫スペースが従来よりも広くなるため、おむつなどの消耗品の在庫数を増やし、配送リードタイムを短縮するなど利便性向上を図り、売り上げ拡大につなげたい狙い。また、ネット販売事業者向けに実施する物流代行事業の拠点としても活用していく考えだ。

 物流施設の設置・運営などを行うグローバル・ロジスティックス・プロパティーズが保有する千葉県山武郡芝山町内の地上6階建ての物流施設「GLP成田」(=写真、延床面積・5万1096平方メートル)の一部(同・約1万5000平方メートル)を借り受け、5月1日をメドに稼働させる。賃貸料など新センター稼働に伴う投資額などは「非開示」(同社)としている。同社によれば新拠点は年間売上高ベースで現在の年商のほぼ倍となる100億円程度まで対応できるとしている。

 同社ではこれまで千葉・八街市内に小型商品用倉庫と大型商品用倉庫を2カ所、合計3拠点(広さはそれぞれ3300~5000平方メートル程度)で全国への配送業務を行っていたが、新たな拠点の稼働でこれらの物流作業を集約して、効率化を図る。

 また、現状の倉庫スペースは3つの拠点をあわせて約1万2000平方メートル弱程度だが、新拠点は1万5000平方メートルと広がることで最大5万点が在庫可能になり、これまでのベビーカーやチャイルドシートなどのベビー用品に加えて、おむつや粉ミルクなどの消耗品などの取り扱いおよび在庫を増やせ、かつ即日出荷体制がとれ、配送リードタイムを短縮できるようになるという。

 自社通販の配送のほか、ネット販売事業者などを対象に行う商材・物流機能提供サービスの拠点としても新拠点を活用していく考え。

ファッションテックサミット開催㊦ 「アパレルにもIT活用不可欠」

 7-1.jpg前号に引き続き、「ファッションテックサミット#001」のイベントから、アパレルの代表として登壇したベイクルーズの村田昭彦取締役(=画像中央)が語ったデジタル活用とEC戦略を抜粋して紹介する。

 ベイクルーズのEC売上高は2015年8月期の164億円に対し、16年8月期は215億円を見込んでいる。前期はEC売上高の40%が自社EC、モールが60%で、今期は自社ECが50%に迫り、来期以降は逆転する見通しという。
 
 同社の場合、実店舗とECを併用する顧客は、店舗だけ利用する顧客に比べ年間購入金額が約2倍となることから併用客の拡充に努めている。また、2ブランド以上を購入している顧客は1ブランドだけ利用する顧客よりも年間購入金額が2・7倍と大きく、組織の壁を越えて複数ブランドを提案する環境を作る必要があるとする。

 戦略目標の1つは、より良い顧客体験を作ること。その評価指標としてアクティブ顧客数と、満足度を測るNPS(ネットプロモータースコア)を重視するが、オンラインを通じたサービスに対する顧客の期待値が年々高まっており、NPSを伸ばすのは大変という。

 戦略目標の2つ目は自社ECのプラットフォーム化で、顧客接点の観点からも自社ECは一番重要なチャネルになるとする。顧客とブランドをつなぐハブとしてだけでなく、DMP(データマネジメントプラットフォーム)を使ったマーケティングや、店とECの在庫を統合して在庫コントロールの最適化を図る機能もECに加わるという。

 オムニチャネル施策では会員と在庫、サービス、コミュニケーションの4つの統合を進める。会員統合については従来、店舗と通販の会員情報は別々のデータベースで管理していたが、IDを統合しシングルビューが実現できる環境を1年がかりで整えた。在庫の統合は買い物機会の最大化を図るために行うもので、多品種小ロットや商品の短サイクル化が進むアパレル業界特有の課題に対し、店舗とネットの在庫を統合し、どのチャネルからでも商品を引き当てられる環境を作ることで機会損失を防いだり、消化スピードを上げる。

 すでに、オンラインの在庫は一元化したほか、試験運用の段階ではあるものの、店舗在庫も統合しており、自社ECで欠品している場合は店舗の在庫から引き当てる仕組みを首都圏の店舗を対象に始めたところで、最後の1点まですべてのチャネルで販売できる環境を整えていく。

 現状では倉庫が分散しているため、すべての在庫を共有化できていないが、倉庫を含めた在庫データの一元化を今秋にも完了する計画という。

 サービスの統合については、ネットと店舗や、ブランドごとに異なっていた会員サービスを統合したところで、今後は、リアルとネットで異なるイベントやキャンペーンなども共通化するのに加え、今秋をメドに自社通販サイトで店舗取り置きサービスを始める。

 コミュニケーションについては、個客単位での最適化は難易度が高いものの、DMPを活用してメールのパーソナライズ化に着手しており、EC売上高に占めるメール経由売り上げは着手前の20%から30%以上に拡大したという。

 オムニ化推進の課題は組織の問題に加え、消費者の可処分時間の獲得にあるとする。オンライン上の顧客接点が拡大できなければ、リアルとシームレスなサービスが提供できても効果は薄いため、とくにスマホでの顧客接点を作ることが大事という。隙間時間が価値を生んできているのと同時に、スマホ内の寡占化も進展。スマホ利用の7~8割がアプリのため、残り2~3割のウェブ閲覧だけを狙うのは得策ではなく、ネイティブアプリを含めて価値のあるサービスを提供していく必要があるとした。

 なお、同社の村田取締役はその後のパネルディスカッションにも参加し、デジタル活用を前提とした成長戦略の必要性などに触れた。
(おわり※前回はこちら


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