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アッカ・インターナショナル加藤社長に聞く 大和ハウスグループの成長戦略㊦ データ活用をさらに推進、アパレル以外にも領域拡大

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 前号に引き続き、アッカ・インターナショナルの加藤大和社長(=顔写真)に戦略などを聞いた。

 ――物流・フルフィル事業で求められているニーズや機能の変化は。

 「すべての機能やサービスがくっついてきていることだ。これまではAIやロボット、RFID、在庫連携などひとつずつが点でサービスインしていたが、それが線になればなるほど強さが増してくるような状況になっている。こうした状況に取引先も気づき始めているし、サービスを提供する側もニーズに応えていかないと取引先の満足度を高められない」

 ――点が線になっている背景は。

 「生産工場から消費者の手に届くまでの形が変わってきていることが大きい。無駄なものを作れないというマクロ的な市場環境と、消費者が商品を買うときのチャネルやスピードといった購買行動の変化もあり、商流の川上と川下の変化に商品の保管から流通加工、配送の形まで変わってくる。その際、もっとも利益率が高く、売り上げを上げるためにはデータを集めて活用することが必要で、各サービスが点ではデータを活用できない。であれば、点を線にしてデータを集められる器を作る必要が出てくる。当社単体ではできないが、大和ハウスグループの力を借りられることは大きい」

 ――アッカもデータ活用では強みがある。

 「データを集めるために在庫連携システム『アリス』を展開しているし、倉庫管理システム『ONE(ワン)』がAI搭載の無人搬送ロボット『ギークプラス』とつながっている。『アリス』はフロント寄りの機能で、取引先アパレル企業の在庫とささげデータを一括管理することで実際に在庫を預けなくてもファッションECモールで販売できたり、アパレル店舗のPOSシステムと連携すれば夜間の店頭在庫をECで販売できるなど、倉庫にある在庫の販売機会を増やすことに役立つ」

 ――倉庫管理システムについては。

 「取引先のオーダー情報を『ONE』が受け取り、いまはAIロボット『ギークプラス』の導入を進めているため、オーダーに対してロボットと人のエリアのどちらに指示を出せばよいかを判別して出荷を行う。今後は、商品の入荷時に『ONE』でスキャンすると通常の商品棚や『ギークプラス』用の棚、ロボット倉庫といった庫内のマルチツールを管理していく」

 ――AIロボットの注文度も高い。

 「中国のギークプラス社が開発したAIロボット『ギークプラス』は、無人搬送器が商品を保管している移動式ラックを持ち上げてピッキングステーションまで運んだり、入荷時の商品棚の移動を自動で行うため、倉庫の省人化と人手不足の解消につながる。日本では当社が初めて採用し、第1号クライアントとしてドイツの靴ブランド『ビルケンシュトック』の物流業務で本格稼働を始めたのに続き、靴を中心に5~6ブランドをAIロボットのエリアで扱っていて、実稼働している」

 ――得意なアパレル分野以外への展開は。

 「今後はアパレルを軸にしながらも、親和性の高い化粧品や生活雑貨、食品などにも領域を広げることが必要で、大和ハウスグループの力も借りて事業を一気に加速する。システム面では温度帯管理や賞味期限管理などにも取り組んでいる」

 ――今後の戦略で重視するKPIは。

 「当社単体の売り上げだけでなく、直接の親会社となるダイワロジテック(旧SCSホールディングス)の事業モデル構築や大和ハウスグループの拡大成長にも貢献したい」 (おわり)

アッカ・インターナショナル加藤社長に聞く 大和ハウスグループの成長戦略㊤ フルフィル機能を相互補完、取引先を一気通貫で支援へ

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 通販のバックヤード業務などを手がけるアッカ・インターナショナルは11月30日、全株式を大和ハウス工業のグループ会社であるダイワロジテック(旧SCSホールディングス)に譲渡し、大和ハウスグループとして新たなスタートを切ることになった。株式譲渡後も引き続きアッカの舵取りを担う加藤大和社長(=写真)に今後の戦略などについて聞いた。

――大和ハウスグループ入りの経緯は。

 「これまで、各方面から資本提携の話はあったが断ってきた。ただ、大和ハウスグループが目指す方向性の中であれば、当社が持つノウハウや力を十分に発揮できると思ったし、マーケットの変化に対応するためにも一気に事業をスケールさせる体制整備の必要性を感じていたタイミングとも合致した」

 ――ダイワロジテックはどのような会社か。

 「ダイワロジテックはフルフィルメント分野のインフラを担う企業体の持株会社で、大和ハウスグループの事業を加速させることに加え、大和ハウスの競合となる企業にもソリューションを提供するなど、親会社と一定の距離を置きながら成長している。当社単体ではフルフィルのプラットフォームとして欠ける領域があるが、ダイワロジテック全体で補い合える」

 ――グループには物流関連企業が多い。

 「物流システム構築のフレームワークスをはじめ、物流ロボットを手がけるGROUNDや、配車システムのHacobuなど大和ハウスグループが出資する企業は多く、実力もあるが、グループのサービスを押し売りされることはない」

 ――事業戦略の自由度はあるのか。

 「大和ハウスグループの一機能として使われるだけであれば参画しなかった。経営の自由度を持ちながら強い後ろ盾を得たということ。大和ハウスの樋口会長からは『自分たちも中小企業のスピリットを持ち続けているつもりで、アッカもやりたいことをやればいい。その姿を見て勉強させてもらう』と言われ、非常に心強く感じた」

 ――アッカの舵取りも引き続き任されている。

 「私自身のモチベーションはまったく落ちていない。むしろ、これまでは与信やキャッシュフローなど考えることがたくさんあったが、事業に集中できる環境が整った」

 ――自社サービスを横展開できるのか。

 「これまで自前で物流も手がけてきたため、例えば、そのノウハウをグループ内の物流企業に提供できるし、同時にグループ外の3PL事業者などにも展開していく」

 ――グループのノウハウで活用できる部分は。

 「大和ハウスの主力事業になってきている物流施設開発については、当社の既存取引先が倉庫を統合・拡大する必要がある場合、大和ハウスの力を借りて専用物流施設を提案できるなど、取引先の変化に対し、より広い視野で、かつ期待を上回るサポートを一気通貫でできるようになることは大きい」  

 ――プロロジスの施設に入居している。

 「千葉ニュータウンの倉庫には満足している。今後、当社がハブになることで、プロロジスさんと大和ハウスが一緒に次世代型倉庫を作ることもあり得るのでは」(つづく)


アスクル 損傷した物流拠点を売却、新築後に借り受け再稼働

 アスクルは11月20日、2月の火災で損傷し、現状、未稼働状態である埼玉・三芳町の大型拠点「アスクルロジパーク(ALP)首都圏」を東急不動産に売却する。現状有姿で98億円で売却し、全棟を解体し新築した上で、再びアスクルが借り受け、使用する。火災を機に「持たざる経営」に回帰する。

 「ALP首都圏」(所在地・埼玉県入間郡三芳町上富1163、敷地面積・約5万5062平方メートル)は火災で上部は焼失したものの、基礎部分や1階はほぼダメージを受けておらず、当初は自力で焼失部分を修繕して再稼働させる計画もあったが、火災の影響が将来的にどのような形で建物に出てくるのかわからないこと、また、最新防災設備導入や従来の拠点とは異なる施設設計として、例えば渋滞の一因となっていた「車両の出入り口の変更」など近隣住民から寄せられた従来の物流拠点への改善要望などを取り入れやすくできるなどのメリットを勘案して、自力での再建よりも不動産の専門事業者に売却し、新築された物流拠点を借り受ける形を採ることしたという。

 2013年7月に稼働させた「ALP首都圏」は「賃貸よりもランニングコストが格段に安くなる」(同社=当時)として約150億円で購入したアスクル初の自社所有の物流センターで、その後、福岡に新設した物流拠点「ALP福岡」(所在地・福岡市東区みなと香椎2‐2‐1、敷地面積・約2万4905平方メートル)も自社所有の形態を採るなどコスト面などでメリットの高い"自社所有化"を進めていたが、「ALP首都圏」の火災発生で「自社で物流拠点を保有しているリスク」を改めて検討。また、物流技術の進歩の速さやアスクルが進めている大手メーカーなどを対象とした物流業務の代行事業などを今後、さらに強化・推進していくためには"迅速さ"が重要で「今後、一切、自社所有の拠点を持たないというわけではないが、現時点では自社所有よりも所有形態を変えた方がメリットが高い」(同社)と判断し、現状、アスクルが稼働させている全国の物流拠点のうち、賃貸ではなく、自社で所有している「ALP首都圏」および「ALP福岡」を売却することにしたという。

 2つの物流拠点の売却は、東急不動産が出資する「三芳町プロパティーズ特定目的会社」および「香椎浜プロパティーズ特定目的会社」に「ALP首都圏」および「ALP福岡」それぞれを11月20日付で譲渡する形と採る。売却額は「ALP首都圏」が98億円、「ALP福岡」が106億円。なお、それぞれの拠点の帳簿価額は134億円と61億円となっている。

 2つの物流拠点の売却にあわせて連結子会社であるエコ配の完全出資子会社で7月に設置した物流施設のアセットマネジメント事業を行う専門会社、ecoプロパティーズ(本社・東京都港区、片地格人社長)の業務をスタートさせ、「ALP首都圏」の再生業務や管理、「ALP福岡」の管理などのアセットマネジメント業務を行う。同業務を行う専門会社をグループ内に持つことで、今回の2物件の売却についてもアスクルが支払う手数料などについて一部はグループ内で吸収できるメリットがあるほか、今後も物流拠点を借り受ける際に、極力、ecoプロパティーズを絡ませることで「賃貸料をただ払うだけでなく、利益が少しでも還元される仕組みを作った。もちろん、アスクルの物流施設ためでなく、他の施設のアセットマネジメント業務を積極的に行っていく予定で、ecoプロパティーズ単体でも収益拡大を図っていく予定」(同社)としている。

 なお、アスクルでは2つの物流施設の売却により、11月9日付で今期(2018年5月)の利益予想を上方修正した。「ALP福岡」の売却益44億円のほか、「ALP首都圏」においては、36億円の売却損となるが、火災損失引当金戻入額68億円を計上されること。また、ecoプロパティーズの稼働で新たな収益が見込めることなどから営業利益は前回予想を3億円上回る38億円、経常利益は同5億円上回る35億円、当期純利益は同25億円上回る40億円とした。売上高は3650億円と前回予想のままとしている。


空色 「チャットボット」に成果、AIと人力併用で売り上げ増

空色のチャットツールがファッションのネット販売企業から注目を集めている。新たに人工知能(AI)を活用した自動応答ができるチャットボットを開発。24時間対応可能なサポートツールとしてTSIホールディングス子会社のナノ・ユニバースが導入しており、売り上げ増などの効果が出ているようだ。

 空色では、2013年からチャットツールを展開している。近年、売り上げ規模の縮小が続くファッション業界では、コールセンター関連など顧客対応コストを抑える企業が増えており、こうした動きに対応して顧客企業を広げている。

 同社のウェブ接客ツール「OK SKY」では、これまで蓄積してきたチャットログデータを活かし、AIを活用したチャットボットの提供を開始した。導入したナノ・ユニバースでは今夏、サイトやアプリ上で発生する問い合わせにチャットボットで自動対応した。ユーザーはいつでもチャット問い合わせができる。チャットボットは問い合わせの9割以上をすでに学習済みとしており、サービス開始後もAIの学習とデータチューニングに取り組むことで回答範囲の拡大と精度を高めている。

 特徴となるのは、商品やセールなどの質問にはチャットボットで一次対応を行った後、スタッフの「スタイリスト」が対応を引き継ぐこと。AIはデータがない質問に対する回答はできないため、人の力も加えることで、ユーザーの購買意欲を見落とすことなくアプローチできるのが強みだ。

 例えば、実際にあった会話として「発送時期が10月下旬となっているが、前倒しはできるか」という質問に対し、AIは「予約商品の販売時期はサイトに記載された通り」といった回答しかできない。しかし「商品についての相談は『スタイリストに相談』と入力して欲しい」と加えることで、ユーザーがその通りに入力。ここからは人間に引き継ぎ、ユーザーが聞きたかった発送時期の前倒しについてチャットで回答する。

 ナノ・ユニバースでは、チャットボット導入後の売り上げは、前年同月比で3・3倍に向上。導入前月対比でも30%しているという。チャット発生件数自体も、前年同月から3倍に増えている。発生する質問の60~70%はチャットボットで解決する。

 チャットボットからスタイリストへの引き継ぎは全体の約15%となっており、過去の購入履歴を参照しながら提案できるため、この場合の購入率は高くなっている。同社では問い合わせ内容を定義した上で分類しており、購買に結びつきそうなものであれば、スタイリストに会話を引き継がせるような設計をしている。空色の中嶋洋巳社長は「商品到着時期の問い合わせであれば、購入した商品に関連する新たな提案をして、ユーザーがそれを『教えて欲しい』と回答すればスタイリストに引き継ぐ仕組みにしている。きちんと定義付けができているので、購入率を高めるチャンスを生み出している」と話す。

 OK SKYは基幹システムとの連携もしやすく、パッケージを使っている通販サイトであったも、組み込みが簡単だという。チャットボットを使えば、24時間対応が可能になるほか、接客効率も向上できる。「チャットボットのニーズは高まっており、顧客対応のコストを低減したい企業からの引き合いが多い」(中嶋社長)。

 OK SKYのネット販売企業の利用は30社程度。年商数十億円以上の企業をターゲットにしている。導入費用は企業によって異なるが、ツールのみでは月額30万円程度、スタイリストも利用する場合は同70~80万円程度。コストを抑えて導入できる「ライトプラン」もあり、ツールとスタイリストをセットにして月額30万円で利用できる。ただし、営業時間は固定となっているほか、ラインアカウントや在庫システムとの連携はできない。

 今後は越境ECへの対応も行う。2018年7月期中にもOK SKYの100社以上への導入を目指す。

ポンパレモール 広告活用のカギ㊦ 出店者同士のコラボ企画、「餃子」「ビール」一緒に販売

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 前号に引き続き、リクルートライフスタイルの仮想モール「ポンパレモール」における出店者向けの広告活用について、今回は出店者同士のブランド力を掛け合わせることで訴求力を高め、集客に成功した事例を見てみる。

                      ◇

 出店者同士がコラボレーションした共通の広告キャンペーン企画で相互送客につなげたというのが、飲食チェーンを展開する大阪王将と酒類・食品販売を行っているカクヤスの両店舗での事例。これは両店舗が取り扱っている「餃子」と「ビール」というそれぞれの代表商品のブランド力を組み合わせた内容となっている。

 「我々の中で、ビールを買う人は餃子をついでに買って、餃子を食べる人はビールも一緒に飲むという一つの仮説があった」(同社)という経緯から始まった同企画は、ランディングページ(画像)を設けて、顧客が同ページを経由することで両店舗のビールと餃子の購入が一度に完結することができるようになるというもの。

 6月23日から7月10日までの期間で実施し、キャンペーン中はポイント付与や無料プレゼント企画のエントリー応募受付なども行いながら、両店舗のメルマガ会員獲得を図っていった。大阪王将では期間中の売り上げが通常時と比較して187%増になったという。大阪王将によると、「ビールと餃子」の組み合わせが直感的で分かりやすい面白さもあり、お互いのマーケットを有効に活用して相乗効果を生み出せる企画であったと分析しており、今後も同じような形で出店者同士でのコラボ企画に挑戦していく方針だという。

 顧客にとっては相性のよい商品を同時に訴求されたことで、迷わずに買いにいけるという効果があり、購入の後押しにつながったようだ。「大阪王将とカクヤスの間で出店者をまたいで相互送客する仕組みも設けている。他にも色々な出店者同士や商材で横展開できるイメージがある」(同)とした。

 店舗をまたいだコラボ企画について、基本的にはリクルート側から提案することが多いが、中には出店者から積極的に相談される場合もあるという。その際は担当営業を通じて、希望するコラボ先の出店者に企画を打診し、相手側が興味を持ったところで実現できそうな内容を3社で具体的に検討する流れになっている。

 同企画に関しての必要経費としては、まず、ランディングページやキャンペーンページなど双方で作りこむ部分に関してはそれぞれ両社で負担する仕組み。そのほかの費用に関しては個別の案件ごとに、展開する内容によっての相談ということになるようだ。

 「こうした企画は出店者と一緒に作り上げていければと思う。それがポンパレモールであり、当社としての強みにもなるため、出店者との密な連携を基本として新しい広告企画の形を作り上げていきたい」(同)と語った。
(おわり)


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