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アスクル ポイントで配送日誘導に成果、作業平準化でコスト減や遅配防止

6-1.jpgのサムネール画像
 アスクルが昨秋から実施している物流センターの出荷体制に余裕のある閑散日に配送日を指定した顧客にポイントを付与し、出荷量を平準化させる取り組みが成果を上げている。実施以前はセール日の翌日など出荷が集中した際は通常の出荷キャパシティを超えてしまい、対応のために庫内作業員を残業させたり、臨時の増員が必要となり、作業効率や生産性が低下していた。また、それでも遅配が発生し、顧客の離反の一因となっていたという。実施後は出荷量をコントロールできるようになり、関連コストの発生や遅配もほぼなくなったことに加えて、顧客が配送日指定を行う率が増したため、商品配送時不在持ち帰り率(不在率)も低減するなどの効果も出ているようだ。

 アスクルでは年々、増加する売上規模に伴う商品出荷量の増加に対応するために逐次、物流拠点の新設や設備投資などの対策は行ってきたが、2年ほど前から販促キャンペーンの実施日などの急激な出荷増への対応に苦慮しはじめていたという。例えば、運営する個人向けの日用品通販サイト「ロハコ」ではグループのヤフーが運営する仮想モール「ヤフーショッピング」で毎月5・15・25日に実施している購入者への付与ポイント増などを軸とした販促キャンペーン「5のつく日キャンペーン」に参加しているが、当該セール日の翌日などは出荷量が平常時の倍から3倍程度まで跳ね上がるという。物流センターの設備はそもそも出荷のピーク時に合わせた設備や人員としているわけでないため、繁忙期は作業時間や人員を増やしたりすることは一般的だが、ピーク時の出荷量が2年前と比較すると2・5倍となってしまい、センターの稼働時間を伸ばしたり、一時的な人員増にも限界が出てきたという。

 そうした中での対応ではコストもかかり、慣れていない人員では生産性も下がってしまう。また、それでも出荷が追い付かずに結局、遅配してしまうことも多々あった。また、遅配が発生するとコールセンターへの問い合わせも増え、オペレーションコストも増す。さらに「どうしても指定日に商品を届けて欲しい」という顧客には別便を仕立てるため、その分のコストも発生していた。「なにより、遅配はお客様への信用問題となり、離反の一因となっていた」(フューチャープラットフォームアーキテクチャ プロダクション本部の上村謙介プロダクトマネジメント統括部長)とし、「キャンペーンで売り上げは上がるが、コスト面や労務管理の面でも様々な問題を抱えていた」(同)という。

 そこでアスクルは「ロハコ」で商品注文時の配送日時指定画面で、出荷体制に余裕がある日、つまりアスクル側が指定して欲しい配送日に、共通ポイントのTポイント(※使用期間を制限し、かつ、ヤフーグループなどでしか使用できない「期間固定Tポイント」)を"追加ポイント"として付与することを表示(=画像)し、顧客がその日を選べば当該ポイントを付与するという試みを昨年10月から開始した。例えば、出荷体制にかなり余裕がある日には100ポイント、やや余裕がある日は50ポイントという具合にし、販促キャンペーンの実施日翌日などに集中する出荷・配送作業を、別日にずらす狙いからだ。

 まずは「どのくらいのポイントを付与すれば配送日を変えてもらえるか」などの条件を探るため、手動で付与ポイント数を変えてテスト。10ポイントを下限に最高150ポイント程度まで試した結果、40~50ポイント程度、場合によっては10~20ポイントでも意外に"動く"ことや、例えばある日を10ポイント、別の日を5ポイントとするとポイント付与数は低くても相対的に付与数が高い日に誘導できることなど「配送日を変える"条件"などをある程度、把握した」(上村部長)として、12月11日からは「5につく日」など受注が集中する日に当日の受注量や物流センターの出荷体制などから、付与できるポイントの予算を入力するだけで機械的に追加ポイントを付与する配送日やポイント量の設定、また、ポイント付与による配送日誘導の結果を受けて、リアルタイムに各日の付与ポイントを変えたり、なくしたりする仕組みを自動化し、運用を本格化させた。

 この結果、出荷作業を平準化できるようになり「現時点では無理な残業や臨時増員も少なく、キャンペーンがあっても生産性は下がらないし、ほとんど遅配も発生しない」(同)という。この試みには付与ポイントの原資負担など実施するために毎回、数十万円程度の費用がかかるとみられるが、仮に実施しなかった場合、庫内作業員の人件費や別便の手配のための費用、遅配に伴う入電増への対応コストなどに加え、離反客による機会損失で「恐らく数百万円程度の負担が発生していたはずで費用対効果としては十分に元が取れている」(同)という。

 また、この試みにより、配送時の不在率の低減にもつながっているという。「ロハコ」では顧客が注文する際、特に配送日時を指定しない場合、当日や翌日など最短出荷を行っているが、その場合、顧客側は配送日の意識がないが、この試みでは配送日および日時を指定するために「お届け日を覚えているお客様が間違いなく増えた」(同)結果、不在率が減り、配送効率の面でも寄与している模様だ。

 今後は自社配送や配送を委託する配送会社などと協力しながら"配送体制"も考慮して、同じように配送の繁忙期にポイントを付与して配送日をコントロールするなどの試みも視野に入れているようで、同試みを進化させていく考え。

ドコモ、KDDI、ソフトバンク 携帯電話キャリア3社が共通で新コミュニケーションアプリを配信 商用利用も実施で通販事業者の活用も

DSC02063.JPG NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社は5月9日から、新たなコミュニケーションアプリ「+(プラス)メッセージ」の配信を始める。各携帯電話キャリアをまたいで利用者同士がチャット形式で長文のメッセージの交換や写真・動画のやりとりができるもの。通信アプリ「LINE」に近い機能だが、ユーザー登録なしに"電話番号のみ"で利用できることが特徴。開始時点では個人間の利用のみだが、企業が個人にリーチするためなどの商用利用も実施していく考えで通販実施企業も顧客との接触ツールとして活用できる可能性もあり、注目されそうだ。

 「+メッセージ」(=写真=デモ画面)は大手携帯電話キャリア3社が共通の仕様、アイコン、ユーザーインターフェイスで配信するコミュニケーションアプリで従来から各社が展開してきた電話番号を使って文字をやりとりできるSMS(ショートメッセージサービス)の後継サービスで世界各国の携帯電話キャリアが導入しているRCS(リッチコミュニケーションサービス)と呼ばれる技術を導入して展開するもの。

 従来のSMSでは異なるキャリアにメッセージを送信する際の送信可能文字数が全角70字に制限されていたほか、機種によっては絵文字が文字化けするなどの使いにくさがあったが、「+メッセージ」では文字数は全角2730字まで送信できるようにしたほか、SMSではできなかった写真・動画や地図情報、音声メッセージの送受信をできるようにし、複数人と同時にメッセージのやり取りができるグループメッセージ機能なども付けた。また、「LINE」などと同様に専用スタンプ(イラスト)や既読を表示する機能、QRコードの表示・読み取りによる連絡先交換機能、迷惑メールをブロック・通報機能なども備えた。なお、課金方法も1通ごとに料金を徴収するSMSで採用する従量課金ではなく、パケット通信料とした。

 「SMSは電話番号だけでテキストが送れて便利という声が多い一方、お客様からは他社(他キャリア)には送りにくいとの要望が多くあった。相手がどこの携帯電話会社かということを意識することなく通信できることを当たり前にしたい」(NTTドコモ・藤間良樹コミュニケーションサービス担当部長)とし、SMSの機能を進化させるとともに、異例とも言える3社共通のサービス仕様で展開することにしたようだ。

 「+メッセージ」は当初は個人間のメッセージ交換のみの対応だが、事業者向けの商用利用も始めるよう。具体的な開始時期は未定だが、「LINE」などと同様に企業の公式アカウントの設置や企業スタンプの配布、企業からのメッセージ送信などを行えるようにするようだ。「イメージとしてはカスタマーサポートや飲食店などの予約確認、申込手続、リマインド通知など企業とそのお客様の円滑なコミュニケーションをサポートできる総合的なプラットフォームにしたい」(藤間部長)という。

 利用者数の目標については明らかにしていないが、5月9日から同アプリの無料配信を始め、「SMSをベースにしているため、(競合サービスのLINEのように)特にユーザー登録など必要がなく、電話番号を知っているだけで利用できる」(KDDI・金山由美子サービス企画部長)というメリットを生かし、ダウンロード数を増やし、現在、SMSを利用する30代以上の層の利用を促していくほか、5月以降からは各社から発売するスマートフォンおよびタブレットの各端末にはあらかじめ同アプリをインストールしておくことで利用者を増やす。また、今後、Android搭載のフィーチャーフォン(従来型携帯電話)への対応も検討するほか、MVMO(仮想移動通信事業者)などへの導入も進めていくとしている。

 通販実施企業でも「LINE」を介したマーケティングが進む中、今回のキャリア発の同サービスも後発ながら、一定の利用者数は見込めそうで、同じくマーケティングに活用できる可能性は高そうで進捗を注視しておく必要がありそうだ。

トライステージ データ活用の通販支援本格化、3カ年の新中期経営計画始動、利益率4.5%,売上高600億円へ

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 通販支援事業を行うトライステージが3カ年の新たな中期経営計画(中計)を始動させた。新たなグループビジョンに「ダイレクトマーケティングからダイレクトデータマーケティングへ」を掲げ、従来までのクライアントである通販実施企業の新客獲得を中心とした支援事業から、顧客情報や広告情報など各種データを組み合わせ分析し、電話やDMなどを活用したCRM施策を含めて総合的かつ最適なマーケティング施策が行えるような仕組みを整え、「CPO(1受注獲得当たりのコスト)だけでなく、獲得した顧客のLTV(顧客生涯価値)が継続的に高くなるよう総合的に(クライアント企業を)支援できる体制にしていく」(妹尾社長)という。これまでのテレビやラジオなどのメディア枠の販売を含む通販支援事業に加えて、今後、構築する新たな仕組みを導入し、費用対効果の高いCRM領域の様々なマーケティング施策をクライアント企業に合わせて提案していくことで業績拡大し、特に収益の改善を図る考え。

トライ②.jpg 同社の新中計で軸となる「ダイレクトデータマーケティング(DDM)」とは、クライアント企業が自社の通販システムや通販サイト、POSなどで収集する顧客情報や購入・購買履歴、アクセスログなどの「顧客情報」とトライステージが持つテレビ・ラジオなど放送局や各枠ごとの様々な情報や各ウェブサイトのレスポンスデータなどテレビ、ラジオ、ウェブの「広告情報」や協力コールセンターが持つ情報(購買履歴・コンタクト履歴)などをすべて合わせ、各クライアント企業ごとに個別にデータベースを構築してデータを分析、マーケティングオートメーション(MA)で費用対効果のよい新客獲得のためのテレビやラジオ、ウェブ広告展開の提案のほか、コールセンターをつかったアウトバウンドやチャット、ウェブサイトでのレコメンド、電子メールやダイレクトメール、SMSでのプッシュ通知など各種CRM施策についても各クライント企業にとって最適なマーケティング施策を提案するもの。

 まずは今期から有力クライアントなど数社で導入し、一定の成果を出してその効果を証明したのちに同社が取り引きする100社弱のクライアント企業に同仕組みを提案し、3年目には本格化させていきたい意向。

 これにより、ダイレクトマーケティング支援事業の中でも主力のTV事業や成長著しいDM事業の安定的な売り上げと収益力の改善を図り、一方で苦戦する海外事業の戦略見直しや子会社の日本ヘルスケアアドバイザーズが昨年3月から開始して「顧客数や受注数がのびてきており手ごたえを感じている」(同)という漢方薬の通販事業などもさらに強化し、新中計の最終年度となる2021年2月期決算に連結営業利益率を前期(2018年2月)比2・6ポイントアップの4・5%、連結売上高は同7・5%増の600億円を目指す。

 なお、3月30日に発表した前期(2018年2月)決算は売上高が前年比17・9%増の557億7500万円、営業利益は同26・0%減の10億3200万円、経常利益は同33・5%減の9億800万円、当期純利益は同49・3%減の3億8500万円だった。主力の通販支援事業はクライアント企業の出稿需要を読み間違え、仕入れすぎたメディア枠の一部を値引き販売せざるを得なくなったことや成果報酬型取引の顧客企業の売上高が目標を下回ったため、赤字取引などが発生するなどで不振だったが、子会社のメールカスタマーセンターが手掛けるダイレクトメールの発送代行事業が好調で取扱通数および売り上げを伸ばしたことに加え、昨年3月に買収したネット広告事業を手掛けるアドフレックスの売り上げが寄与し、増収となったが、利益面ではメディア枠の値引き販売などによる通販支援事業の粗利率の低下や粗利の低いDM事業の売り上げシェア増加などで減益だった。

 新中計の初年度となる今期(2019年2月)の業績はDDMの仕組みを構築し、展開をスタートさせる一方で、「中長期的な成長に向けた準備期間で少ししゃがむことになるが利益率を高め、1年をかけて筋肉質な体にしていく」(妹尾社長)とし、前期の利益率悪化の大きな一因ともなった一定の売上額を割り込んだ場合、同社がクライアントに相当額を補てんする形式の成果報酬型取引を通常取引に変更するようクライアント企業に働きかけていく考えで、それにより、当該企業の取引自体が売り上げベースで10~15億円程度、失注する可能性を考慮し、売上高は同1・8%減の547億8600万円、営業利益は同19・6%減の8億3000万円と減収減益を見込んでいる。


集英社 "雑誌購入で送料無料"が好評、実用書籍の扱い拡大も

7-1.jpg 集英社は主力のファッション通販サイト「フラッグショップ」で、衣料品と一緒に自社の雑誌や書籍を購入すると送料無料になる取り組みが好評を得ていることから、当面は継続的に実施するほか、取り扱い書籍の拡充も検討していく。

 同社は以前から、雑誌や書籍を一緒に買うと送料無料になるサービスをキャンペーン的に実施してきたが、昨年の運賃値上げを受け、消費者の送料に関する意識を把握するためにも同様の施策を1月10日から展開したところ、1月単月で「フラッグショップ」内の雑誌販売点数が従来に比べて約10倍に拡大するなど、消費者から支持されていることが分かったという。

 元々、通販顧客には集英社が発行するファッション誌の読者が多いこともあるが、最近は雑誌を定期的に購入していない読者が再度、雑誌を手にする機会につながっていると見ている。

 当該施策を実施して以降、通販サイトの人気ブランドランキングには、有名なアパレルブランドと肩を並べて、同社の雑誌・書籍を表す「集英社」のロゴが上位にきている。

 現状、同時購入されているのは幅広い年齢層に読まれている「LEE」などの雑誌が多いものの、通販サイトでは既存顧客が好みそうなインテリア本や料理本などの書籍も販売し、注文にもつながっていることから、女性向けの実用書籍やムック本などの品ぞろえを充実させたい考え。

 同社では、消費者から新聞の広告や書評に掲載された書籍に関する問い合わせが読者サービス室に入り、オンラインで購入したい要望があった場合、自社の書籍販売サイトを持たないため、アマゾンや楽天ブックスなどの他社サイトを紹介していた。こうした状況もあり、「フラッグショップ」での書籍販売点数を増やすことで、同サイトに誘導できるようにしたい意向だ。

 また、ファッション通販サイト市場では従来、「○○円以上の購入で送料無料」といった取り組みが標準化していたが、運賃値上げの影響などからスタートトゥデイやロコンドが購入額に関係なく送料を徴収するようになるなど、市場環境が変化しており、集英社としては送料無料ラインを設けない一方で、雑誌社ならではの取り組みで差別化を図る。

 なお、同社の同送料無料施策は「フラッグショップ」会員限定で、雑誌のみの注文には衣料品購入時と同様に一律540円の送料がかかる。

宣工社 薬事物流センター開設、バルク充填や流通加工を受託

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 DMの発送代行や物流事業などを手がける宣工社は3月に「川越事業所(薬事物流センター)」を開設し、4月から本格稼働させる。物流機能だけでなく、化粧品や医薬部外品などの流通加工に関する業務も一貫して請け負う施設となっている。

 同センターは4階建てとなっており、延べ床面積は6500平方メートル以上。関越自動車道の川越ICから約2キロメートルに位置しており、千葉、神奈川といった化粧品メーカーの製造拠点が多い地域とのアクセスでも優位性があるという。

 同センターの強みとなるのが、専用のバルク充填設備。元々、大手化粧品メーカーや受託製造元のOEM企業では大量生産する能力はあるものの、製造釜からそれぞれの容器に充填する小分け作業やラベル貼りといった細かい流通加工の工程にボトルネックを感じているケースが多かったという。そのため、同センターでは充填からラベル貼り、ロット印字、検品、アッセンブリ加工・箱詰め、発送までを一気通貫で行える体制を構築した。

 合計で7ラインを有しており、1日の生産能力は最大で4万2000本程度となる見込み。「元々、DMの発送代行を行っているので、同様の発想で化粧品などの薬事物流を一括して請け負うサービスとして展開する」(同社)としている。

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 また、センター内のクリーンルームは大手化粧品メーカーと比べても遜色ない規模と衛生レベルになっており、2フロアを完備。扱う商品内容に応じてラインを使い分けることもできる。

 そのほか、通常、化粧品の充填作業を行った後は、内容物に変化が起きていないかなどロットごとに検査を行う必要がある。そのため充填作業を外部で行っている場合は、一度製造元のクライアントに充填後の商品を戻して検査を受けるという手間が必要だった。しかし、同センターでは内部に検査機器を揃えて、クライアントが充填直後の商品をその場で検査できるための「フリー検査室」を開設。検査のためだけに商品をクライアントに輸送する手間や時間を大幅に省くことができるようだ。

 今後は既存サービスのDMなどを駆使したマーケティングプランなどもセットで提案することも視野に入れている。「バルク充填からの作業を当社に委託することで自社工場のラインに余裕が生まれ、新たな商品の製造・開発に専念することもできる」(同)とした。

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