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フルフィルメント Archive

【マーケティングの未来を語る トレジャーデータ 堀内健后 マーケティングディレクター×オイシックスドット大地 奥谷孝司 執行役員 統合マーケティング部部長COCO】 「エンゲージメント」を評価軸に、データは"使うため"に蓄積

 「オムニチャネル」が浸透し、小売全体でデジタル化が進んでいる。消費者の購買と選択をオンライン上でできる企業が成長する傾向にあるとする見方もあり、マーケティングのデジタル化が急務になっている。今後、通販企業は顧客とどのようにつながるべきか。オイシックスドット大地の奥谷孝司執行役員統合マーケティング部部長COCOと、トレジャーデータの堀内健后マーケティングディレクターに聞いた。

 ――オムニチャネル化が進む小売の現状は。

 
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奥谷孝司氏(以下、奥谷)「小売市場で成長しているのは、カスタマージャーニーといわれる消費者の行動において『選択』と『購買』をオンラインで提供している企業。AIスピーカーが登場し会話するだけで商品が買えるようになると、ますます店舗とネットの垣根はなくなる。そうなったときに、顧客のことを知っているオンライン企業が強さを発揮すると思う。ただ、これからお客様とデジタルでつながることが当たり前になる中で、通販企業はデータを分析するだけでは行き詰まるだろう。今後、通販企業であっても『体験』を提供することに、チャンスがあると考えている」

 ――「体験」とは。

 奥谷「実店舗を、ブランドの体験ができる場所として考えることが適切だ。例えば、オイシックスドット大地では、食品を陳列して販売するスーパーという形にこだわらずに考えたい」

 ――通販の実店舗展開は成功事例が少なく、収益性が課題になりがちだ。

 奥谷「収益性ではなく、お客様にとって店舗で良い体験を提供できるかが重要。企業はオンラインとオフラインで、どんな体験を提供するか考えるべきだ。米国の男性向けアパレル『ボノボス』は実店舗を試着できるガイドショップとして展開している。データ分析し顧客理解が進む中で、接点を持たなければお客様は離れてしまう」

 ――良い体験をどう評価する。

 奥谷「顧客満足度や顧客ロイヤリティを超えた、お客様とのエンゲージメントに評価軸を移すことが重要。売り上げだけを追えば、インフルエンサーのような商品やブランドを紹介してくれる人や、企業に対して声を上げてくれる人がいなくなってしまう。小売のシェアの9割をオフライン企業が占める中、通販のようなオンライン企業はまだ伸びる。そのためには、エンゲージメントの構築は需要な課題だ」

 ――オイシックスドット大地ではどう取り組むか。

 奥谷「自社商品のミールキット『キットオイシックス』では漫画とのコラボ商品を開発し販売したほか、ラーメン店とのコラボ商品も展開した。売り上げだけではなく話題性を狙った取り組みで、数ある競合の中から選ばれるためには話題作りは重要だと考える。お客様が発信する言葉の中に『オイシックスのミールキット』と所有格が付くことに意味がある。聞かれなければ語られない商品は多いが、日々の中で語られることこそ価値だと思っている。買った理由をお客様からすらすらと出てくる会社は、強い」

 ――トレジャーデータとの取り組みはどうか。

 
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堀内健后氏(以下、堀内)「当社はカスタマーデータプラットフォームを提供し、顧客である生活者の行動をログとして集めて、企業とつなげている。デジタル化が進むとデータに偏りがちで顧客像は見えにくくなるが、われわれが顧客の行動をつなげることで見えるようにする。プラットフォームは、顧客を理解してどうコミュニケーションをとるべきか考える企業で活用されている」

 奥谷「マーケティングのデジタル化ができるようになったのは、トレジャーデータのような会社がデータを蓄積しているため。消費者がデジタルを使えば使うほどデータは収集できるが、それをばらばらに置くのでは意味がない。将来使うために、しっかりとデータを蓄積することが重要だ。最近では多くの企業が、カスタマージャーニーの『検討』『購入』『使用』『消費』の視点で分析することの重要性に気づいている」

                   ◇

 トレジャーデータは2月19日~21日、イベント「トレジャーデータ プラズマ」を初開催する。マーケターなど2000人の来場を予定する。

 基調講演では奥谷氏が大広の岩井琢磨プロジェクト・プランナーと、「『チャネルシフト』によるエンゲージメントコマース」をテーマに対談。事例紹介で、キリンやストライプインターナショナル、GMOペパボなどが登壇するほか、40社のスタートアップ企業を展示紹介する。会場は東京・丸の内エリアのカンファレンスルームで、「JPタワーホール&カンファレンス」や「フクラシア丸の内オアゾ」、「丸の内ビルディング」。講演の聴講は無料で、「トレジャーデータ プラズマ」の特設サイトで受け付ける。

ロコンド 後払いサービスを導入、試着・返品機能を強化、商品到着30日後に請求書

 靴とファッションのネット販売を手がけるロコンドは2月8日、新たな決済方法として、試着してから商品代金を支払える「試着後払い(しちゃくごばらい)」のサービスを開始した。

 試着後払いは、ヤマトクレジットファイナンスの「クロネコ代金後払いサービスを活用したもので、商品が到着して試着をした後に、返品商品を除いた最終購入分のみの代金を支払うサービスで、商品出荷から30日後に請求書が発行され、その後、購入者は14日以内にコンビニかauかんたん決済で支払う形となり、決済手数料は税込350円がかかる。

 ロコンドでは、これまでも"自宅で試着 気軽に返品"をコンセプトに、返品対応期間をファッション通販サイトとしては長い21日後(出荷日から)に設定し、ユーザーが購入商品を返品した場合は返金していたが、後払いを導入することで、同社のコンセプトをより明確に打ち出した格好だ。同時に、「ゾゾタウン」や「ショップリスト」といった競合のファッション通販モールが導入する長期間対応の後払いサービスと差別化を図る狙いもあるようだ。

 試着後後払いについては、一部の予約商品やメーカー直送品を含む注文では選択できないほか、「ロコンド」など同社運営サイト合計税込5万4000円を超えての利用もできない。同決済の利用時には審査があり、利用できない場合は同決済は選べない。また、同決済を利用した後、注文した商品をすべて返品した場合でも送料と決済手数料は発生する。なお、返品する場合は通常通り21日以内としている。

JPのオープンイノベーション 〝AIで配達最適化〟、最優秀賞にオプティマインド

 日本郵便とサムライインキュベートは2月1日、オープンイノベーションプログラム「ポスト・ロジテック・イノベーション・プログラム」の成果発表会を開催した。最優秀賞にAIで郵便や荷物の配送計画を行い効率化するビジネスモデルを提案したオプティマインドが受賞。同社のモデルは新人ドライバーでも最適な配達を行えることを可能にすることを狙ったもので、人手不足の中で配達員を底上げできる点など評価を得た。また一般来場者の投票による「観客賞」には紛失防止タグを用いた落し物の発見と所有者への返還を可能にする事業に取り組むマモリオが受賞した。

 オプティマインドは名古屋大学発のベンチャー企業で、今回のオープンイノベーションでは人手不足や複雑化、再配達が課題となっている荷物配送の効率化をテーマにした。ルート作成、集荷、配達の一連の過程において、新人ドライバーでも最適な作業が行えるシステムを提示した。

 同システムは最適化エンジン「Megan」を利用しルート作成などを行うもの。実証実験では通常新人配達員では44分、ベテランで14分を要するルート作成をAIツールにより6分で可能にした。配達も新人57分、ベテラン34分で両者間には大差があるが、同システムにより45分で可能にした。

 このような効率化の実現につなげることで、集配業務を行っている1070局での人員とコストの削減が可能になるとしている。3月末まで埼玉の草加郵便局で実証実験を続けるほか、今後主要局での実施も検討し、持続可能な物流の提供に寄与できるようにするという。

 同プログラムは105社から応募があり、4社を選定し実証実験などを行ってきた。最優秀賞と観客賞を受賞した2社以外では、空と陸との双方のドローンを活用して山間部や離島への配達に関する取り組みを行っているドローン・ヒューチャー・アビエイション、一般店舗などを手荷物の預かり場所として活用し同時に郵便局ネットワークの活用による荷物配送サービスを目指すエクボが成果を発表した。

楽天 出店者向けに独自配送、低運賃で提供、物流拠点も拡大

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 楽天が「楽天市場」出店者向けに同社独自の配送ネットワークを構築する。1月30日に都内で開催された出店者向けイベント「楽天新春カンファレンス2018」で三木谷浩史社長が明らかにした。出店者の物流業務を請け負う「楽天スーパーロジスティクス」を拡充。宅配会社よりも安い運賃で商品を届ける。ネット販売に特化した配送ネットワークを、2年以内に全国規模で構築するという。また、現在3カ所で展開している物流拠点についても、10カ所まで増やす計画だ。

 サービス開始時期や投資金額など、詳細については明らかにしていない。三木谷社長は「今年は当社にとっても店舗にとっても覚悟の年になる。楽天市場としては"ワンデリバリー"を実現しなければいけないと思っている」と述べた。

 自社配送を展開するにあたっては、小規模な配送事業者と提携する可能性もあるほか、大手私鉄との連携も視野に入れる。三木谷社長は「大手私鉄幹部と『沿線では(大手私鉄の)子会社が届ける』という話で合意している。ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便よりも安い運賃が実現できる」と自信を見せた。

 再配達削減に向けては、人工知能(AI)を活用し、配送ルートの最適化を進める。「宅配会社は非効率的だと思っている。配送ルートも人間が計算している。当社であれば『この顧客は午前8~9時まで在宅している』といったデータを統合し、AIで最適な配送ネットワークが作れる」(三木谷社長)。また、すでに自社配送として「楽天エクスプレス」を展開、同社の書籍通販「楽天ブックス」では都内の一部で同サービスを利用している。SMSで配送予定を通知することで、再配達率が3分の1以下になっているという。玄関先や敷地内などへの「置き配」にも対応していく。さらには、楽天市場のアプリを通じて、ユーザーに配送状況をプッシュ通知する機能も導入する予定だ。

 受け取り場所も拡大する。現在、楽天市場ではコンビニエンスストア受け取りに対応した店舗と対応していない店舗があるが、今後は全店舗でコンビニ受け取り、郵便局受け取り、宅配ロッカー受け取りができるようにする。また、「出店者の実店舗で受け取れるようにしたり、出店者の社員が顧客宅まで届けたり、楽天の社員が届けたりといったことも考えている」(同)という。

 遠隔地への配送については、ドローン活用を本格的に開始。自動配送車やシェアリングエコノミーの活用も検討する。

 物流拠点についても、時期は未定だが10カ所まで拡大する。同社では一時期、全国5地域に8拠点の物流センターを設ける計画を立てていたが、2014年に撤回している。昨今の宅配会社による運賃値上げや荷物の総量規制を受けて方針を転換。三木谷社長は「昨年、当社の直販サービスも(総量規制で)出荷制限せざるを得なくなった。『(宅配会社は)何やってんの』という思いもあるが、残念ながら古いプラットフォームだ。新しい取り組みに挑戦しないと楽天市場、店舗の未来はない」と決意を述べた。

 その他、チャットツールの活用を進めることも明らかにした(1639号で既報)。ユーザーが商品に対する疑問や店舗に対する要望など、店舗とリアルタイムでやり取りすることができるというもの。試験導入している家具ネット販売のタンスのゲンによれば、チャットだけで1日100~200件やり取りがあり、購入転換率向上に貢献しているほか、顧客満足度も向上し、カスタマーサポートスタッフのモチベーションアップにもつながっているという。

 今後は簡単な質問についてはAIを活用して効率化を進める。三木谷社長は「店舗の皆さんにも準備をしてもらう必要があるが、今年は全店舗にチャット機能を導入する。巨大自動販売機であるアマゾンにどう対抗するかを考えなければいけない。当社のモットーは『ネット販売は自動販売ではない』。楽天市場は店舗とユーザーが楽しんでコミュニケーションしながらショッピングする場だ。また、楽天市場は出店時に店舗を選別しており、審査も厳しい。そこはヤフーショッピングと違うところだ」と競合への対抗心をあらわにした。

全日空商事 訪日客向けプロモ支援、帰国後も越境ECに誘導

 全日空商事は1月より、訪日外国人旅行者向けに自治体や国内企業がブランド認知を図るためのプロモーション支援サービスを開始した。訪日中の買い物需要促進だけでなく、帰国後も越境ECを通じてのリピート購入などにつなげることを目指す。

 同サービスは中国のSNSサービス「Wechat」「Weibo」でのANA公式アカウントや、Weibo Japanを通じて訪日前の中国人顧客に向けて日本に興味関心の高いフォローワーを抱えた中国人インフルエンサーによるキャンペーンなどを展開。クライアント企業や自治体のサービス、商品などを広くアピールしていく。

 訪日中にも「WINGSPAN」「SKY CHANNEL CM動画」といったANA機内媒体やWeiboでの告知を行い、日本国内ホテルでもリーフレットを配布。帰国後もファン化に向けて、再度Weibo Japanの協力の元、越境ECでのリピート購入につながるように中国人インフルエンサーによる商品情報拡散を図っていくという。

 まずは、第一弾として国内の大手メーカーのブランド認知向上と購買促進を目的に、中国の旧暦正月に当たる春節時期に訪日する中国の富裕層・上位中間層の個人旅行者を対象に1月15日よりキャンペーン特設ページを開設。ANAが推奨する商品6選としてコスメや美容家電などの商品情報を掲載し、3月31日まで公開する。

 今後も夏休みや国慶節など中国からの訪日客が多く見込めるタイミングに合わせて定期的なキャンペーンを実施する予定。訪日客に向けて確実にアプローチしたい企業や自治体のプロモーション活動をリアルとネットからサポートし、継続的なファン化につなげる。

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