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フルフィルメント Archive

オンライン試着サービスの現状は?③ 「ユニサイズ」 アンケート方式で採寸不要

071.jpg メイキップが手がけるサイズレコメンドエンジン「ユニサイズ」は、EC利用者が最短1分の簡単なアンケートに答えるだけで、気になる服のおすすめサイズを表示するサービスだ。

 メジャーを使って服を採寸する必要のない簡易性が特徴で、導入サイトの商品詳細ページに設置された「あなたに合うサイズを調べる」ボタンをクリックすると専用画面が立ち上がり、ユーザーは自分の身体に合うブランド名とサイズ、気になる商品のカテゴリーを選択後、身体の特徴を選択すると(画像㊨)、おすすめサイズとともにトップスであれば着丈や袖丈、身幅のサイズ感をゲージで確認できる(画像㊧)。登録済みカテゴリーでは再入力の必要はなく、「サイズを調べる」ボタンの部分におすすめサイズが表示されるようになる。

 レコメンドのアルゴリズムは、600ブランドを超える服のサイズデータと、性別・年代別の体形に関する統計データを基に、アンケートで得た身体特徴を加味して、おすすめサイズを表示する仕組みだ。

 EC購入のハードルとなるサイズ感の不安を取り除くことで、購入率の改善や返品率の低減などに寄与できるとしており、昨年10月8日~12月31日の間、夢展望がテスト導入した際には、「ユニサイズ」の未利用者と比べ、利用者は購入率で2・5倍、購入単価は1・3倍になったという。メイキップは2月8日に正式にサービス提供を開始。夢展望は本導入している。

 「ユニサイズ」の導入についてはタグ設置と服の採寸データをとり込むだけで、初期費用は無料、月額料金も利用された回数などに応じたテーブル制で、最大30万円と安価に始められる。

 一方、「ユニサイズ」は利用しやすさを考慮して会員登録を不要としているため、サービス利用者の反応が分からないこともあり、3月にはオンラインファッションレンタルのエアークローゼットと提携。レンタルサービスでは服が返却される際、顧客からサイズ感に対する評価も得ているため、定期的にデータを収集することで、レコメンドの精度向上につなげたい考え。

 また、夢展望の導入で見えた課題は利用率で、利用してもらえれば購入率の改善などが期待できることから、「あなたに合うサイズを調べる」ボタンの設定位置の修正も含めて利用されやすい工夫をすることで、「総売り上げにも貢献したい」(柄本真吾社長)とする。

 近く、「ユニサイズ」のリニューアルも計画。アルゴリズムの基となるブランド数を大幅に増やすほか、対象カテゴリーも細分化してレコメンドの精度を高めるとともに、利便性についても改善し、まずは年内に100社の導入を目指すという。

 また、現状はASPでEC運営企業に「ユニサイズ」をツールとして提供しているが、6月をメドに自社メディアを立ち上げるほか、中期的にはサイズレコメンドの対象アイテムを服だけでなく、靴や下着、バッグなどに広げるとともに、アジアを中心とした海外市場の開拓も計画する。

 自社メディアは、「ユニサイズ」の導入先に限らず、同社がサイズデータを収集したブランドのアイテムをすべて見られるサイトで、ユーザーは当該サイトで気になるブランド、商品のサイズ感を確認してから、ECサイトで購入できる仕組みとし、メイキップは送客数に応じた手数料が得られる収益モデルも構築していく。(④につづく、前回の②はこちら

アスクル  ピッキングロボを本格導入、出荷能力アップで省人化へ

7-1.jpg 「人に代わって商品をピッキングします」──。アスクルが"ピッキングロボット"の本格導入を始める。5月6日から稼働を始める横浜市内の新物流拠点に現在、テスト運用中の作業員に代わって商品をピッキングするロボットを年内をメドに本格的に導入する意向。ロボットの導入で出荷能力アップおよび省人化などを進めていきたい考えだ。


 アスクルが稼働を始める「ASKUL Logi PARK(アスクルロジパーク)横浜」(写真=所在地・神奈川県横浜市鶴見区生麦2‐4‐6)は現在、川崎市内で稼働している物流拠点「横浜センター」に代わって主に首都圏における法人向け通販のオフィス用品の商品および個人向けの日用品通販サイト「ロハコ」の商品の物流業務を行う24時間稼働の大型物流拠点で地上5階建て、トラックバースは88バース(各階計)。延べ床面積は「横浜センター」の約倍となる約5万平方メートル(敷地面積は約2万5500平方メートル)。出荷能力は「横浜センター」の2倍まで高まるという。全棟賃貸で投資額はリース、マテハン設備を含めて約40億円という。

 同拠点では初めて同社が実証実験中の「ピッキングロボット」を本格導入する。アスクルでは売上拡大に伴う物量増加と将来的な労働力不足への対応のため、物流センター内の作業中で現状でも人手に依存し、自動化が進んでいないピッキング作業負担の軽減のため、経済産業省の「ロボット導入実証事業」に参加し、物流センターにおける「商品ピッキングのロボット」の開発および実証実験に着手。昨年12月から埼玉県内の大型物流拠点「ロジパーク首都圏」に商品情報やそれに付随する各種データなどを独自に組み込んだ垂直多関節ロボット(デンソーウェーブ製)を2台導入し、ロボットによるピッキング作業を行ってきた。新拠点では当該ロボットを複数台、導入していく計画。

 「ロジパーク横浜」でのロボットの導入は年内をメドに行なう予定だが、すでに同拠点ではピッキング工程の仕組みを従来センターから大幅に刷新している。これまでは最適化が進んでいる売れ筋商品以外の商品のピッキングについては作業員が当該商品のストック場所まで歩いて取りにいくなどの手間がかかっていたが、新拠点ではそうした商品も作業員の手元に自動的に流れてくる仕組みとし、作業員が一切、移動せずにピッキングが可能となっており、「ピッキング工程における出荷能力は現状の最大5倍程度まで増強し、より少ない人数でのピッキングが可能になる」(同社)という。

 この仕組みをベースに最終的には作業員が行うピッキング作業をロボットに置き換えていく考えで広範囲なピッキング工程をロボットに担わせる予定で、さらなる効率化および省人化を進めていく。なお、スタート時点ではピッキング工程への導入だが、将来的には入荷商品を定めた場所に収納する作業などについてもロボットを導入したい考えのようだ。

 アスクルによれば売上拡大による物量増加などに対応するためには深夜帯や休日の出荷作業の実施が必要だが、これまでは人員確保が困難であることなどで作業ができないなどの問題があった。また将来的な労働力不足などにも対応するため、アスクルではピッキングロボットの本格導入で省人化を進めつつ、作業スピードアップや誤ピッキングの低下も図り、出荷能力を高めていきたい考えだ。

 なお、「ロジパーク横浜」ではピッキングロボット導入のほかにも、出荷する荷物のサイズ・量に合わせて自動的に梱包する段ボール箱の大きさを変える自動製封函機を導入。他のセンターでは大きいサイズの段ボール箱に対してのみ導入していたが同センターの設備では中・小サイズの段ボール箱でも対応しているという。

 また、働きやすい環境作りを目指して、スタッフに空調を集中させるスポットエアコンの複数台導入や多様な休憩スペースの設置のほか、本格的な調理設備を持った食堂(運営は業務委託先の誠)を7月末までに設置し、従業員に無償で昼食の提供を行う。昼食の無料提供は1年間の限定試行だがスタッフの定着率や生産性などの効果を見極めながら無償期間の延長を検討していくとしている。

ヤフー、電子マネー事業に参入 秋からは外部通販サイトへ開放 来春にリアル決済も

ヤフーマネー.jpg ヤフーが今夏から電子マネー事業に参入する。まず、ヤフーが運営するネット競売および仮想モールとグループのアスクルの通販サイトでの落札代金および商品購入代金の決済手段に導入。今秋には他の通販サイトなど外部への開放も始める。また、来春には実店舗の決済でも利用できるようにする。決済においてクレジットカード利用に抵抗のある層や若年層などの取り組みを図りたい狙い。電子マネーでは後発サービスとなるが、競売やモールを軸としたヤフーの各種サービスの利用者に対し、"電子マネーが自然にたまる"という仕組みとすることで、利用促進につなげていく考え。(画像は「Yahoo!マネー」などのプロモーションページ)

 ヤフーが今夏をメドに展開する電子マネー「Yahoo!マネー」は導入する通販サイトなどでの決済時に1円単位で充当できるもの。電子マネーへの"チャージ"はヤフーが展開する決済サービス「ヤフーウォレット」の新機能としてクレジットカード利用に抵抗を持つ層などの取り込みを狙い、同じく今夏にも開始する銀行口座(スタート時点では25の銀行に対応、年内までに37行に拡大予定)から決済代金が引き落とされる「預金払い」を経由して100円以上1円単位で行える。なお、ヤフーが採用しているポイント「Tポイント」との交換を含めた連携は「今のところ、考えていない」(谷田智明決済金融カンパニー長)としている。
 
 スタート時点ではヤフーのネット競売「ヤフオク!」と仮想モール「ヤフーショッピング」および資本業務提携しているアスクルの日用品通販サイト「ロハコ」で導入する。

  「ヤフオク」出品者が「ヤフーマネー」で落札代金を受け取る場合には落札代金の2%を上乗せする。また、「ヤフオク」での落札や「ヤフーショッピング」「ロハコ」での商品代金の決済時に「ヤフーマネー」を使用したユーザーには落札金および商品本体価格の1%を付与する試みを行い、電子マネーの普及と利用促進を図る。
 
 今秋をメドに動画配信の「GYAO!」やオンラインゲームの「ヤフーゲーム」にも導入。また、ヤフーグループ以外の外部の通販サイトへの開放も始める計画のようだ。外部の通販サイトが「ヤフーマネー」を決済手段に導入するメリットについて「『ヤフーマネー』はECを軸としたヤフーの各サービスの利用時に貯まる仕組み。登録者が多い電子マネーはあるが、"残高が溜まっている利用者"を多数、抱えている電子マネーは少ない。(通販サイトが導入すれば)残高を持っている利用者が獲得できることも大きなメリット」(谷田氏)としている。
 
 また、来春には「ヤフーマネー」をネット上だけでなく、実店舗の決済もできるようにする。詳細は明らかにしていないが「モバイル決済に特化するか、デビットカードを使って行うか、どちらかよいか今後、判断していく」(決済カンパニー決済コンシューマ本部の白石陽介決済サービス部長)としている。
 
 ヤフーも出資するTポイント・ジャパンの関連会社が展開する電子マネー「Tマネー」との連携については「一緒にやれることがあれば連携を考える余地は十分にある」(谷田氏)としている。
 
 なお、今夏をメドに「ヤフーマネー」を使って割り勘や個人間送金が手数料無料でできるスマホアプリ「さっと割り勘 すぐ送金 from Yahoo!ウォレット」の配信も始める予定。

オンライン試着サービスの現状は?② 「サイズをチェック」 国内の利用回数100万回超に

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バーチャサイズが手がけるオンライン試着サービスは、導入先通販サイトの商品詳細ページにある「サイズをチェック」ボタンをクリックするとポップアップ画面が表示され、サイトで購入履歴のある服や手持ちの服と、気になる商品のシルエットを重ね合せてサイズの差を比べられるサービスだ。

 国内の導入先はマガシークやディノス・セシール、ユナイテッドアローズ、アーバンリサーチなど大手中心に約10社で、今年3月末時点の「サイズでチェック」利用件数は100万回を超えた。

 導入企業2社と実施した直近の調査では、同サービスの導入により返品率が平均30%減、購入単価は同20%増の成果が出ているという。同社では引き続き新規導入先を開拓し、国内アパレルECの導入シェアを現状の約5%に対して、年内に10%を目指す。

 一方で、これまでの「サイズをチェック」は商品購入の直前に利用されているが、利用者のサイズデータを活用することで「もっと売り上げに貢献できる」(オラウソンCEO)としており、サイズ情報をもとにしたレコメンドサービスにも乗り出す。

 具体的には、「サイズでチェック」導入サイトにサイズレコメンドの専用ページを設置。サイト訪問者が同ページでカテゴリーなどを選ぶと、当該ユーザーの購入履歴や登録したサイズ情報をもとに、選択したカテゴリーの商品からフィットする順番に一覧表示する。その際、パーセンテージ表記でフィット感が分かるようにするほか、商品にカーソルを合わせると、トップスであれば着丈や袖丈など、パンツであればウエストや股下、わたり幅などの部位ごとに0・5センチ短いとか長いというのをグラフで表示する(画像)。

 従来型のキーワード検索などとは一線を画し、「サイズ情報に即したおすすめリストを見せることで新しいショッピング体験ができる」(オラウソンCEO)とする。

 同機能は海外の通販サイトで導入されており、日本でも今夏をメドに導入を図りたい考え。

 将来的にはユーザーが通販サイトを訪問していないときでも、メルマガなどを通じて「ぴったりサイズの新作シャツが入荷しました」というようなレコメンドが可能としており、サイズ情報を切り口にした1to1コミュニケーションをサポートしたい意向だ。

 また、バーチャサイズではソリューション導入サイト以外での展開も模索。ファッション商材の中でもとくにフィット感が大事で、試着するのが大変なジーンズのEC購入を手助けする消費者向けのウェブアプリを開発中だ。自分がよく買うブランド、フィットするブランドを選択すると、さまざまなブランドのジーンズとのフィット感をヒートマップで表示するアプリで、気に入ったらブランドの通販サイトに送客して手数料を得るモデルとし、「サイズをチェック」導入企業以外のブランドとも連携していくという。(③につづく、前回の①はこちら

オンライン試着サービスの現状は?① 「FITTY」 最適サイズのブラジャー提案

071.jpg ファッション商材のサイズ感は、通販で商品を購入する際のハードルとなっているだけでなく、返品理由としても大きな割合を占めるなど、ECでファッションアイテムを販売する企業にとっては避けて通れない問題のひとつだが、その解決策のひとつとして"オンライン試着サービス"が増えてきている。今号から代表的なサービスの現状と将来展望などについて見ていく。

                              ◇

 ベンチャー企業のフィッティンは、ブラジャーのオンラインフィッティングサービス「FITTY(フィッティー)」を今年1月に本格始動した。

 自分のバストの正しいサイズが分からず、間違ったサイズを着用している女性が約7割を占めるというデータもあるなど、ブラジャーはファッション関連商材の中でもサイズの問題が深刻なアイテムという。また、小さな子どもがいたり、バストにコンプレックスを抱えていたりして実店舗で購入しない人も少なくないことから、同社はオンライン上で正しいブラジャーのサイズが分かるサービスを始めた。

 「フィッティー」は、利用者に4つの質問に答えてもらい、そこから得たユーザーの体型データと、ブラジャーの伸縮性やカップの形状と容量、ワイヤーの長さと角度など20項目におよぶ独自の計測データとを照合し、利用者にフィットするブラジャーだけをレコメンドする(画像)。商品の購入は下着メーカーや通販企業のECに送客しており、同社は手数料収入を得る格好だ。

 単に商品をレコメンドするだけでなく、「フィッティー」では下着の専門家がチャットでブラジャーの相談に乗るサービスも用意。利用者からは「チャットのアシストがあって安心した」「バストの悩みは非対面の方が打ち明けやすい」などの意見をもらっており、チャットでおススメした商品はEC送客後の購入に結びつきやすいという。

 4月からは"ピンポイントレコメンド"機能を追加。購入したり着用したことがあってお気に入り登録しているブラジャー(MYブラ)と、気になる商品の着用感の違いを重さやカップの深さなど全10項目で比較できるようにした。

 また、同社では「フィッティー」のアルゴリズムを自社サイト内だけでなく、メーカーの自社ECや仮想モールの店舗にレコメンドツールとして導入できるようにしている。下着以外の商材が多いモールではブラジャーの購買履歴が少ないこともあり、まずは「フィッティー」の4つの質問に答えてもらい、最適サイズのアイテムを購入してもらうところからスタートし、購入経験のある消費者にはMYブラと比較しながら買い物ができるピンポイントレコメンドを利用してもらう。

 すでに、「DeNAショッピング」と「アマゾン」の両モールと連携しており、ピンポイントレコメンドについてもモールの下着カテゴリーでテスト運用を始め、夏頃には本格スタートする見通しという。

 一方、今夏以降の取り組みとしては、「フィッティー」を下着メーカーの店頭端末にアプリとして導入してもらうことで、リアルでの買い物をサポートする。商品のタグを読み込むことで、メーカー側が持つ顧客の購買履歴と結びつけ、過去に買ったアイテムと目の前の商品とのフィッティングができるようになる。

 収益化に向けては、送客先ECからの手数料などがあるが、同社ではブラジャーをカスタマイズするのに必要なデータを収集している強みを生かし、ユーザー一人ひとりにぴったりフィットするブラジャーを自社で生産、販売してく計画だ。

 海外協力工場との関係構築や、生産ライン確保に向けた資金調達のメドをつけているようで、「フィッティー」にEC機能を実装し、フルオーダーメイドとセミカスタマイズの2パターンの受注に対応できるようにするという。

 とは言え、足もとでは取引先メーカーとの関係性を強化したいことや、自社生産に乗り出すにはロットの問題なども生じるため、本格的な自社生産は来年以降になりそう。最初はOEM型でメーカーと「フィッティー」の共同開発商品などを作ることからスタート。3年後をメドに自社のオリジナル商品とナショナルブランドのアイテムを半々くらいで取り扱いたい考えのようだ。
②につづく

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