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通販周辺企業のスマホ対応 ヤマトフィナンシャル Webコレクト専用決済画面導入

071.jpg通販・ネット販売事業者の間で活発化するスマートフォン対応の取り組み。多様な機種が投入され、ガラケーからの切り替えが進む中、スマホ対応は不可欠な要素となっている。

  ヤマトフィナンシャルでは、1月15日から、「クロネコwebコレクト」のスマートフォン対応を開始。顧客企業の声を受けたものだが、実際にスマホからの決済利用も増加傾向にあるようだ。

 通販・ネット販売事業者がスマホ対応に乗り出したのは、1昨年末頃から。その後、各社の取り組みが積極化し、独自のアプリを投入するケースも増えている。

 こうした動きに呼応するように、ヤマトフィナンシャルにも通販・ネット販売事業者からの問い合わせが増加。中小ネット販売事業者の場合、スマホ専用サイトを持つところはまだ少ないが、有力事業者との商談では、スマホ対応の話題が出ることも多く、「(スマホ対応の可否で)取引を考えるというケースもあった」(決済ソリューション部・荒木衣子マネージャー)。同社としても、スマホ対応が必要と判断。専用画面を構築することにした。

 それまでスマホで決済処理を行う場合、PCの決済画面を表示していたが、画面サイズの違いから画面全体を表示しきれないなど操作性に課題があり、「お客様が途中でやめてしまう可能性も考えられた」(同)。

 このため、スマホからのアクセスを判別し専用画面を表示する仕組みを構築。アクセス端末を自動認識し、機種ごとに違和感のないデザインの画面を表示するようにした。また、特に留意したのは、操作ミスの防止。この点では、ボタンを大きくするほか、ボタン同士の間隔を広めに取るなど、タップミスを極力減らすよう工夫した。

 スマホからの決済も徐々に増えているもようで、現状、全体の1割程度がスマホでの決済。「PCと携帯電話、それぞれからお客様がきている」(同・山本真季氏)感触という。

 この一端は決済金額にも表れており、携帯電話からの平均決済金額が約8000円なのに対し、スマホはおよそ1万円でPCとほぼ変わらない水準。PCなどで商品を購入していた年配層の顧客が、使い勝手の良いスマホを利用しているのではないかと見る。

 通販・ネット販売事業者の間でも、スマホの特徴を活かした商品の見せ方の確立などに取り組んでいるが、実購買につなげることを考えた場合、決済処理までシームレスなスマホ対応が重要となっていきそうだ。

プラスロジスティクス・鈴木室長に聞く「配送品質に自信」

7men.JPG 昨年12月に、ニッセンから家具など大型商品の配送業務を受託した(1349号で既報)、大手オフィス用品メーカー、プラスの子会社で物流事業を手掛けるプラスロジスティクス(本社・東京都豊島区、今泉三千夫社長)。近年は通販関連の物流を強化しており、2010年には千趣会とも提携をした。同社の強みや今後の展開について、執行役員の鈴木俊一経営企画室長に聞いた。(聞き手は本紙記者・川西智之)

 ――通販企業の物流受託事業を強化している。

 「当社は従来、同じプラスグループであるアスクルの物流を請け負っていた。ただ、3年前にアスクルに関わる事業に関しては、先方に譲渡したため、伸びしろを失った。そこで、成長市場である通販に目を付け、特化した3PL事業を展開することにした。温度管理が必要な食品は除き、需要が伸びているジャンルである、衣料品や家具、健康食品などを扱っている。ただ、通販企業の間ではまだ認知度が低いため、大手企業と組んで知名度を上げる必要があると考えていた」

 ――ニッセンの事業を受託した経緯は。

 「実は、ニッセンが郵便事業会社(JP)と提携した頃から、JPの下請けとして関わっており、全体の3割程度の荷物を運んでいた。今回JPが大型商品の配送を降りたが、こうした経緯もあり代わりに当社が請け負うことになった」

 ――強みはどこにあるのか。

 「家具などの大型商品に強い会社は少ない。当社はアスクル関連の配送で培ったノウハウが豊富にあり、家具に特化した配送システムだ。今回も品質面では、以前に比べてかなりレベルアップできるのではないか」

 「組み立てのある家具の配送は、顧客からのクレームが非常に多い分野だ。実際に家に行ってみないと分からない部分が多く、時間を超過して次の配送先に間に合わないことが頻繁にある」

 「こうした状況をセンター側がきちんと把握する仕組みを導入している。約束の時間に間に合わないケースでも、作業員を融通しあうことでクレームを減らす努力をしており、顧客企業からは『クレーム率が一ケタ減った』との声もある。また、元請けの責任として、各地のパートナー企業に顧客対応関連の教育を施している。今後は女性ドライバーも増やす計画もある」

 ――2010年には千趣会とも業務提携している。

 「家具配送を兵庫県、埼玉県、神奈川県など一部地域で行っており、今後はさらに地域を拡大する予定だ」

 ――今後は大型商品の配送受託に力をいれるのか。

 「当社は大型商品だけではなく、通販の倉庫運営にも強みがある。そのため、衣料品、健康食品などにも力を入れている。後発であるが、きちんとしたポジションを築いていきたい」

 ――倉庫運営における強みは。

 「多品種でもスピーディーに出荷体制を整えられるのが強みだ。在庫管理の精度と配送までのスピードを評価してもらっている」

 ――今後の展開は。

 「子会社のプラスカーゴサービスも含めて、3年後には現在の倍増以上となる売上高500億円を達成したい。それに向けて事業を推進する」

千趣会  ポイント特典を強化、新たにJCB提携カード発行

 7-1.JPG千趣会は1月16日から、ベルメゾン会員向けの新カード「ベルメゾンメンバーズカードJCB」(画像)の会員募集を始めた。グループ企業の千趣会ゼネラルサービス(SGS)とジェーシービー(JCB)と連携して展開するもので、利用金額や時期によってポイント還元率が最大2・5%となるなどの特典を強化。お得感を高め利用の促進を図る。
 
 千趣会とSGS、JCBは、1987年に「千趣会JCBメンバーズカード」を立ち上げた後、2001年から「ベルネJCBカード」を展開している。
 
 新たに発行する「ベルメゾンメンバーズカードJCB」では、ベルメゾンでの買物で税込210円につき1ポイント(1ポイント=1円)、他のJCB加盟店での買物について2倍のポイントを付与。主な特典としては、入会時に1200ポイント進呈するほか、ベルメゾンのショッピングカートを利用した場合に、税込210円につき3ポイント付与。通常のポイントと加え4ポイントがたまるようにした。
 
 また、「ベルメゾンメンバーズカード感謝月間」(3、6、9、12月)にカードを利用すると、税込210円につき1ポイントを上乗せして付与。さらに年1回、JCB加盟店でカードを利用すると2200ポイント、年30万円以上(税込)の利用で500ポイントを進呈するなどの特典を設けている。
 
 年会費は税込2000円。年1回の利用で2200ポイントを進呈する特典を設けることで、実質的に年会費が無料となるようにした。初年度で5000枚の発行を目指す。

ニッセン 家具配送をプラスロジに委託、「ゆうパック」から乗り換え

ニッセンが家具など大型商品の配送委託先を、大手オフィス用品メーカー、プラスの子会社で物流事業を手掛けるプラスロジスティクスに変更した。ニッセンでは2010年4月から配送業務を郵便事業会社(JP)に委託してきたが、JPでは「ゆうパック」の採算性改善を進めており、条件面で折り合わなかった。なお、中小型商品は引き続き「ゆうパック」を利用する。

 1月4日出荷分からプラスロジが配送を受託する。運営は同社子会社で配送を担当する、プラスカーゴサービスが行う。ニッセン子会社である通販物流サービスの「三重大型商品配送センター」(三重県いなべ市)から、家具や大型商品の輸送・配送をプラスカーゴサービスが請け負う。

 プラスロジでは、同社グループの物流業務のほか、3PLや物流受託サービスの提供を行なっており、近年は通販関連の物流受託サービスを強化している。今後もBtoC向け家具の配送網整備を進める方針。

 一方、ニッセンでは10年4月にJPと提携し、配送業務をヤマト運輸からJPグループに変更していた。しかし、JPでは苦戦が続く「ゆうパック」事業の採算性改善に乗り出しており、荷主企業との取引条件見直しも行なっていた。

 家具や大型商品の配送においては、条件面で折り合わなかったことから、ニッセンではオフィス家具の配送で実績のあるプラスロジに委託先を変更。物流関連のコストは「従来と変わらない」(ニッセンホールディングス広報企画室)としている。

ヤマトグローバルロジ 海外通販サービスを拡充

 ヤマトグループで海上・航空フォワーディング事業などを手掛けるヤマトグローバルロジスティクスジャパン(YGL)は、海外通販に対応したサービスの強化・拡充に乗り出した。2011年4月に海外通販の担当部門を新設し、日本の海外通販利用者向けの「国際宅急便」新サービスや代引きサービスのテストを実施。さらに海外での「宅急便」ネットワーク整備に合わせ、日本発の海外消費者向け通販に対応した新サービスも開発する構えだ。

 YGLでは海外通販の利用に対応したサービスとして、受取人が個人(顧客)となる「国際宅急便」のほか、海外通販事業者の日本法人等が輸入者となり、顧客に商品を届ける「グローバルダイレクト」などを用意。国内の「宅急便」ネットワークをベースに海外から日本向け通販に強みを持ち、欧米を中心に海外通販事業者400社以上と取引をしている。

 海外からの通販関連荷物の取り扱いも拡大傾向にある。特に今期は円高の関係で高伸し、前期比30%程度の増加見込みに対し10%程度上回るペースで推移。中心はアパレルで、購入金額1万円以下のものが多いという。

 今回の海外通販向けサービスの強化は、4月に設置した小口貿易物流事業部が中心となり、事業としての可能性を検証しているもの。具体的な内容としては、まず、「国際宅急便」では、従来160サイズ(3辺合計160センチメートル以下、重量25キログラム以下)までだった取扱荷物の枠を広げ、3辺合計300センチメートル、重量50キログラムまでに対応した新サービスを開発。欧米の通販事業者向けにテスト展開をしている。

 それまで160サイズ超の商品は、路線便の「ヤマト便」で国内顧客に届けていたが、新サービスでは、ヤマトホームコンビニエンス(YHC)が持つ2人体制の配送ネットワークを活用することで、家具・インテリアなど大型商品の海外通販利用ニーズに対応。開梱や据付などもサービスに組み込んだ。

 また、決済の部分でも、グループ会社のヤマトフィナンシャルとともに海外通販向けの代引きサービスを開発し、10月からテスト展開を始めた。

 海外通販利用経験者への調査で決済に不安を持つ声が多かったことを踏まえ開発したもので、代金回収および海外通販事業者への支払を日本円で行うことで為替リスクを解消するなどの工夫を盛り込んだ。導入メリットとしてYGLが注目しているのは、クレジットカードを持たない十代顧客でも、「着払いの代引きであれば、自分のお小遣いで代金を支払うこともできる」(書川美樹小口貿易物流事業部長)点。実際、ファストファッションを扱う米国の顧客企業では、同サービスの導入で売り上げが伸びたケースもあるという。

 これまでは、海外通販を利用する日本の消費者向けのサービスが先行してきたが、台湾や上海、シンガポールなどで「宅急便」ネットワークの構築が進んでいることを踏まえ、日本から海外向け通販に対応したサービスの開発にも着手。日本の通販事業者は、「日本と同じ仕組みで海外に商品が発送できるようなものを求めているのではないか」(同)と分析しており、今後、「宅急便」の海外ネットワークを基盤に、国や地域ごとのニーズに応じたサービスを投入することで「新たなニーズの創造」(同)を図る考えだ。

トランスコスモスに聞く・ネット販売支援を強化

7men.JPG トランスコスモスがネット販売支援を強化している。これまでのコールセンター業務で培ったノウハウを注入したEC構築エンジン「MCM EC Builder」の提供を開始。EC事業者から紙媒体中心の通販企業まで幅広く対応できるもので、通販事業者全般に訴求を図る。開始の経緯や特徴を、Webインテグレーションサービス統括部の納庄守氏とEC・通販推進部堀口智裕部長代理に聞いた。(聞き手は本紙記者・河鰭悠太郎)

 ――サービス開始の経緯を伺いたい。

 納庄守氏(以下、納庄)

 もともと広告や制作、バックオフィス運用などの部分でサービスを提供していたのだが、ECのシステム開発部分は外注することが多かった。ただ、外注だと個別案件のたびにまとまった初期コストが発生するなど競合他社と比べてコスト競争力で厳しい面があった。また、品質も外注だと責任をもって担保するのは難しい。つまりコスト競争力や品質、機能的な自由度などの問題で壁にぶちあたっていたわけだ。それで自前ですべて扱うことにした。ただ、昨今のECの仕組みは複雑で、後発の我々が作るにはスピードやリスクの点で課題があるので、ベースにシステムインテグレータさんの「SIウェブショッピング」を使った。

 堀口智裕氏(以下、堀口) もともと要件定義までしているのだから、我々で全部やったほうが効率的だと思ったわけだ。

 ――特徴は。

 納庄 まず、ECシステムの構築全般に対応している。要件定義から開発、導入、保守、拡張まで。さらに、全体のプロモーションの組み立てや、その後の運用も提供していく。機能はSIウェブショッピングがベースなので、そこが持っている機能はすべて対応しているが、それにプラスして3つの特徴がある。1つは販売方式。仕入れ販売や予約販売、定期購入、受注生産、産直、クーポン対応などの販売方式に標準で対応している。あとはログ解析ツール。現在のECではこの部分は必須なので、管理画面で全部設定できるようにしている。システムをいじる必要から開放され、コストやリードタイムも下がる。ログ解析ツールとの連携をかなり強化しているのは大きな特徴だ。

 また、コールセンターやファクスなど別のチャネルから入ってくる注文情報を集約して、CSV形式で管理側から取り込むことができる仕組みを作った。出荷の管理や売り上げのレポート管理もまとめて行える。

 堀口 これは重要な部分だと思う。EC専業の方には「電話でアプローチしたい」という声が多いが、取り込み先がないなどの問題がある。だから「チャネルを広げたい」というお客様には本当にいいと思う。商品や在庫、売り上げ、出荷などを管理する機能を本体が持っているにも関わらず、それを使わずに別系統でウェブ以外のチャネルを処理するのはもったいない。

 納庄 要はECエンジンのパッケージ単体とみるより、『EC以外のチャネルも含めた通販全体のプラットフォーム』と思っていただいた方が実像に近いだろう。受注チャネルだけでなく、キャンペーンや販促がコールセンターと連携してやりやすいのもメリットだ。紙媒体とも連携させてコールセンターを絡めて運用するなども非常にやりやすい。

 ――スマホ対応は。

 納庄 フィーチャーフォンは全キャリア全端末に対応している。ベースのSIウェブショッピングがバージョンアップしているので、そこの状況もみて対応していく。

 ――集客サポートは。

 納庄 プロモーションを専門にやっている部署があるので、そこと連携して媒体計画からコンバージョンまでをサポートする。加えて全体的なプランニングや分析サービスについても、それぞれ専門の部署があるのでそこと連携できる。もちろんメールマーケなどウェブで当たり前の集客はひと通りフォローできる。

 ――想定するクライアントは。

 納庄 年商で数億から数十億のクライアントだ。楽天で成功しているようなショップからの需要も視野に入っている。「ECプラスα」で、運用や広告、制作、分析など、我々が持っているサービスを一緒に提案できる案件を考えている。ターゲットはECに限っておらず、通販事業者全般。ECの比率を高めたい方や、EC以外にも取り組んでいきたい方々に使っていただきたい。

 ――コスト例は。

 納庄 パッケージのライセンスは480万円。これにカスタマイズ費用や専用のデザイン制作費、インフラ構築費用などを含めると、1000万~1500万円ぐらいがミニマムだ。

 堀口 だいたい他社と似たような価格にはなるが、より高機能な製品を提供できる。現場の声に柔軟に対応できるなどのメリットもある。

 ――導入目標は。

 納庄 まずは来年度、年間10案件、売り上げは2億円を目指していく。開発単体での売り上げを立てることも重要だが、これをフックにコールセンターの需要なども取り込みたい。

 ――現状は当初予想と比べてどうか。

 堀口 ほぼ想定通りだ。従来のコールセンターのクライアントに提案していくイメージでいたが、そこ以外からも問い合わせが多い。今後はもっと紙媒体やインフォーマシャルで通販されている方にも提案していきたい。あとはEC専業の方の、他のチャネル展開への第一歩のお手伝いができれば、と思っている。

セシール  子会社の物流関連事業譲渡、コスト流動費化主眼

 セシールのグループ会社で労働者派遣やアウトソーシング事業を手掛けるセシールビジネス&スタッフィング(CBS)は、穴吹興産の子会社で同様の事業を行うクリエアナブキに物流アウトソーシング事業を譲渡することで合意した。セシールは、新設される譲渡事業の受皿会社に物流業務を委託し、物流コストの流動費化を推進。クリエアナブキ側では、物流アウトソーシング事業を軸に収益構造の改善を図る考えだ。



 セシールでは、通販関連の物流業務を自社物流センターで実施(一部メーカー直送品除く)。オペレーション部分についてCBSに委託してきた。だが、「出荷量(作業量)はカタログ販売・アパレル商品特有の季節変動が大きい」(セシール広報室)ため、出荷量に応じた労働力の確保に苦労してきたという。

 物流関連コストの流動費化がグループとしての課題となっていたことから、セシールが今年の初め頃から、複数の企業にCBSの物流業務譲渡を打診。最終的にクリエアナブキを譲渡先に選定し、11月30日付でセシールおよびCBS、クリエアナブキの3社間で基本合意書を締結した。

 物流アウトソーシング事業の譲渡にあたっては、来年1月に受皿会社を設立し、CBSと受皿会社の間で事業譲渡契約を締結。受皿会社はクリエアナブキの100%出資、またはセシールとの共同出資となる予定で、セシール側では、クリエアナブキからの出資要請を受け、役員派遣も含め「検討中」(同)としている。

 譲渡金額についても、現在算定を進めている段階だが、譲渡対象が作業的オペレーション業務で、施設・設備などはセシールからの賃借が前提となることから、「特に譲渡対象となる資産はない」(同)という。因みに、譲渡対象となるCBSの物流関連事業の売上高は18億5300万円(2011年3月期)になる。

 セシールは、新設される受皿会社と5年以上の物流業務委託契約を結ぶ予定(セシールが受託する他社の物流業務も含む)。人材派遣やアウトソーシングでノウハウのあるクリエアナブキ側への業務委託で出荷量の増減への対応を強化、物流コストの流動費化による安定した利益の確保を目指すとともに、顧客サービスの向上も期待する。

 また、クリエアナブキでは、法規制強化の流れなどから主力の人材派遣事業が減収傾向にあり、アウトソーシング事業を強化し収益構造の改善を図る考え。CBSから物流アウトソーシング事業を譲り受けることで、物流センターの運営ノウハウなどを習得し事業領域の拡大を狙う。

 今回の物流アウトソーシング事業譲渡について、一部通販関係者の間では、ディノスとの物流機能統合の布石との見方も浮上している。

カタログハウス、秋冬号のCM放映拒否、テレビ朝日「当社の基準を元に考査」

カタログハウス.JPG「秋冬号の広告なので当然、当該誌の巻頭特集である『原発国民投票』をCMでアピールしただけ。放映されなくて非常に残念」。カタログハウスが11月初旬から放映予定だった同社発行の「通販生活秋冬号」を告知するテレビコマーシャルの放映をテレビ局が拒否したとして、ネット上を中心に様々な声が挙がっているようだ。

 当該CMは通販生活秋冬号の特集企画である「原発国民投票」をメーンにアピールした30秒のCMで「原発、いつ、やめるのか、それともいつ、再開するのか。それを決めるのは、電力会社でも役所でも政治家でもなくて、私たち国民一人一人。通販生活 秋冬号の巻頭特集は、『原発国民投票』」という大きく表示された文章をナレーションを担当する俳優の大滝秀治さんが読み上げ、最後に「通販生活」本誌とともに「秋冬号発売中」とするシンプルな内容となっている。

 このCMを同社が番組スポンサーとして年間契約でCM枠を持つテレビ朝日の「報道ステーション」および「徹子の部屋」(ともに毎週火曜日)のCM枠で11月15日からの「通販生活」の書店販売にあわせて11月初旬から放映しようとしたところ、「詳細は分からないが、(テレビ朝日の)考査に通らず、放映できなかった」(カタログハウス)という。

 カタログハウスはテレビ朝日でのみCMを放映しているため、当該CMはお蔵入りに。現在はカタログハウスのユーチューブ公式チャンネルでのみ配信(=画像)されている。なお、現在、テレビ朝日で放映中のCMは同社の商品と愛用者の声にスポットをあてた別の内容のものとなっている。

 カタログハウスのCMがテレビ朝日から放映を拒否された件をコラムニストの天野祐吉さんが11月21日に投稿した自身のブログで「もうご存知の方が多いと思うけど、このCMの放送がテレビ局で断られたんですって。ま、テレビは政治的な意見広告を扱わないことになっているので、これを政治的な意見広告と判断したんでしょうが、さて、どうなのか。」と言及したことや、複数のニュースサイトがこれらを記事化したことなどでツイッターや掲示板などで一気にネット上で広がり、全国紙もコラムで取り上げるなど大きな話題となったようだ。

 カタログハウスでは「(当該CMは)カタログの告知を目的に、巻頭特集をアピールしただけでこれまでのCM同様、商品広告。意見広告ではない」としている。

 テレビ朝日にCM放映拒否の事実確認やその理由、考査の基準、カタログハウス側のコメントに対する意見などについて聞いたところ、「当該CMついては放送をしておりません。なお、CMについては、民放連放送基準などに則った当社の基準を元に考査し、判断しております。個別の判断理由はお答えしておりません」(広報部)と回答。ただ、一部報道によると11月29日開催のテレビ朝日の定例記者会見で早河社長がその「個別の判断理由」について言及した模様で、カタログハウス側からの当該CMの放送打診を社内で検討した上で民放連の基準に抵触する恐れがあることなどを理由に「断った」とし、原発の賛否両論を取り上げる報道番組の前後で当該CMが流れるのは違和感がある、などと話したようだ。

 天野さんは11月23日付のブログ記事で再び今回の問題に触れ、「理由は前にも書いたように、原則としてテレビは『意見広告』を扱わない、ということになっているからです。ま、それも一つの考え方ではあると思います。が、いままではともかく、いまのように日本中が大ゆれにゆれている時代に、国民のための最も強力なメディアが、そんなノーテンキなことを言っていていいんでしょうか」としている。

スタートトゥデイ、物流拠点を7割増床、過去最大の拡張も、もう一段を準備へ

スタートトゥデイ(本社・千葉市美浜区、前澤友作社長)はこのほど、千葉県習志野市に構える物流拠点を7割程度増床した。例年、12月末から年始にかけて通販サイト「ゾゾタウン」で実施する大型セールの物量拡大に対応するとともに、中長期的な商品取扱量の伸びに備える。

同社は、物流施設開発のプロロジスが所有する物流センター(プロロジスパーク習志野III)の4階と5階、合計約2万平方メートルを「ゾゾベース」として利用しているが、1~3階の各フロアの半分(合計約1万3000平方メートル)を新たに確保した。

 これまでも、約半年ごとに物流拠点の移転や増床を実施してきたが、会社の成長スピードからするとギリギリの規模での拡張だった。今回は、「中長期的な成長をにらんだもので、床面積では過去最大の増床」(大蔵峰樹取締役フルフィルメント本部担当)に着手。従来の約1・8倍の商品が保管できるようになった。

 ただ、スタートトゥデイでは取り扱うファッションブランドの拡大や、1ブランド当たりの商品型数・奥行きの広がりに加えて、メーカーECの受託事業も順調に拡大。商品取扱量は前期(2011年3月期)の571億円に対し、今期は840億円を見込んでおり、さらなる物量の増加に対応してもう一段の増床も視野にある。

 実際、震災直後に予約販売したチャリティーTシャツは17万枚以上を売り、当該商品の出荷業務では一部を外部委託するなど、事業計画を上回る事態には万全とは言えない状況のようだ。
 次のステップでは6600平方メートル~1万5000平方メートルの増床を計画。商品取扱高ベースで3000億円程度まで対応できる体制を整備する方針で、近隣での拠点確保を進める。

日中物流政策対話 経産省、越境ECの課題指摘

072.jpg経済産業省および国土交通省は11月17日、都内で第2回「日中物流政策対話」を開催した。日中間の貿易、物流の円滑化・効率化に向けた取り組みや協力について話し合うもので、当日は、「物流業の発展状況」「国家物流システムの標準化およびグリーン化」「日中両国における物流円滑化」をテーマに意見交換などを実施した。この中で経産省情報経済課が、日中間の越境ECについて説明、中国側の物流品質や通関・検疫手続の課題を指摘するとともに、対応の改善を求めた。

 物流政策対話には、日本側から物流や通関などに関連する経産省および国交省、財務省の幹部・担当者、中国側は「国家発展と改革委員会経済貿易司」や「交通運輸部企画研究院」「商務部」などの幹部・担当者が出席。

 会合は、各テーマに沿って日中両国の関係省庁や団体、事業者が説明し、それに対する意見交換を行う形で進められ、「物流業の発展状況」では、国交省の日本の物流業の現状に関する説明の後、日本通運が自社の国際物流サービス、セブン―イレブン・ジャパンが野菜のコールドチェーンに関する取り組みを紹介。

 中国からは、物流業の発展政策や、都市配送システムの促進政策などについて説明があり、この中で、道路通行料や税負担などの軽減、中小事業者への融資促進など、制度改革を通じた物流業の高コスト構造の改善や最新技術の導入による効率化が必要との見方を示し、日本側が持つ高度な物流ノウハウへの期待感をうかがわせた。

 「国家物流システムの標準化およびグリーン化」で、パレットの標準化やリターナブル資材の利用促進などで意見を交換した後、「日中両国における物流円滑化」で、経産省情報経済課の吉川憲明課長補佐が「電子商取引に関する物流上の課題」として講演。

 今年6月に公表した2010年度の日米中の越境EC調査をもとに、日中間における越境EC市場の現状などについて説明し、中国消費者の越境ECの利用意向は多く、今後成長が見込まれるとする一方、実際の利用で物流関連のトラブルが多いことに触れ、中国国内の物流品質や通関・検疫手続に課題があると指摘。解決策として、中国国内の物流事業者育成や外資系物流事業者の参入・協業による物流品質の向上、通関・検疫に関する基準や手続の整備・統一化、一元的な情報提供・相談窓口の設置を求めた。

 経産省情報経済課の説明に対し、中国側からは意見や質問は出なかったが、中国側でも通販関連した物流の問題に意識があると見られ、中国の都市配送システムに関する説明で商務部流通発展司の鄭厚斌調研員は、通販の利用拡大に伴い、消費者が商品到着までのリードタイム短縮を望んでいると指摘。また、中国の小口貨物便事業者などで構成される「中国速達協会」でも、「速達とオンラインショッピング専門委員会」を設ける予定であるとした。

 今回の物流政策対話では、日中間でパレットなど物流資材の再利用に関するワーキンググループを立ち上げることで合意。日本企業が中国で通販事業を行う際、現地の物流・配送体制がネックになることが多いだけに、より幅広い分野での中国側の対応改善が望まれるところだ。

SGL 中国の宅配便展開を拡大、広州進出し通販需要取り込みへ

071.jpg佐川グローバルロジスティクス(SGL)は、中国の宅配便事業展開エリアを拡大する。現地のネット販売市場の拡大を睨んだもので、宅配便事業を手掛ける現地子会社・上海大衆佐川急便物流有限公司(同・上海市普陀区、伊藤耕一薫事・総経理)が広東省広州市に拠点を新設。広州市および隣接する佛山市エリアで宅配便事業を開始した。一大市場となる広州市とその周辺地域でいち早く質の高いデリバリー機能を提供することにより、中国や日本の通販・ネット販売事業者の取り込みを図る。

  広州市は、中国華南地区に所在する、人口1000万人超の中国5大国家中心都市のひとつ。中国GDPの12%を占める一大地域経済圏で、現地消費者の所得水準は上海市とほぼ同じで、「買い物好き」(伊藤耕一上海大衆佐川急便総経理)だという。

 今回の広州・佛山エリアでの宅配便事業展開は、荷主企業である現地テレビ通販事業者から要望があったことをきっかけとしたもので、SGLでは10月からトライアルを実施。この結果を踏まえ、上海大衆佐川急便物流の支店となる「広州分公司」を設けることにした。

 広州分公司は11月21日から営業を開始。従業員数30人、車両台数13台で事業を行う。集配は、午前8時から午後6時まで受け付け、広州市内であれば、翌日に荷物が届くという。また、休日配達に対応するほか、地域限定での時間帯指定配達、「銀聯カード」による代引き決済などのサービスも提供する。

 中国での通販の展開は商品配送や決済が重要になるが、SGLによると、ネット販売の利用拡大に伴い、配送品質や顧客対応などに対する中国消費者の要求が厳しくなっているという。

 このため、SGLでも、ドライバーのサービスマナー教育に注力しており、広州での事業展開でも、接客面での差別化を推進。これにより荷主企業のリピート購入を促し、「消費者からも荷主からも選ばれる」(伊藤総経理)ようにする考えだ。

 また、決済手段は代引きがメーンで、上海での展開では、全体の9割が代引き。独自サービスとして展開する「銀聯カード」(ビッドカード)の代引きが全体の半数にのぼるなど、現地消費者の利用ニーズが高いようだ。

 上海の宅配便事業では、通販関連の荷主が中国企業を中心に約20社。1日に扱う荷物の数は、1万~1万5000個になるという。広州での宅配便事業は、5社の利用が決まっており、うち3社は現地の通販事業者。来年度下期には取り扱い荷物を1日1500個とする計画だ。

日本郵便、イーベイとの協業強化

7men.JPG 郵便事業会社(JP)は11月8日、ネットでの通販や競売を手掛けるeBayジャパン(eBay・J)と国際Eコマース市場の拡大に向け相互協力することで合意し、具体的な施策のひとつとして、「eBay」サイト上で日本の出品者がEMS(国際スピード郵便)を使い海外に商品を発送する際の送り状発行サービスを提供すると発表した。米国を中心にアクティブ会員数約9900万人とされるeBayとの連携を強化することで、海外向けネット販売を軸にした国際郵便の取り扱い拡大につなげる。

 JPとeBay・Jの協力内容は、JPが提供するオンラインシッピングサービスの「eBay」サイト上での展開、同サービスを活用した新たな国際郵便サービスの開発、国際Eコマースの利用機会拡大に向けた取り組みでの連携。

 このうちオンラインシッピングサービスは、日本の出品者が出品した商品を海外の顧客が購入する際に入力する送り先住所などの発送情報をもとにEMSの送り状を発行するというもの。具体的には、出品者が顧客から発送情報を受信した後、ネット上で送り状の発行指示をすると、JPのサーバーに発送情報が送られ、印字データを作成。出品者がこれをもとにプリンターで出力した送り状(A4サイズ)を商品に貼付し、郵便局に差し出す仕組みになる。

 現状、手書きのEMSの送り状作成作業を自動化することで出品者の作業負担を軽減し、日本の出品者の拡大につなげることを狙ったもので、「eBay」サイトから荷物の送達状況や発送履歴などを確認できる機能を付加するという。

 システムの構築はeBay側が中心となって行い、来年度中にサービスを始める予定で、JPでは、同サービスを活用したより安価な国際郵便サービスの開発も検討する。

 一方、国際Eコマースの利用拡大での連携は、セミナーの開催などでの協業になるが、この部分では、2年ほど前から取り組みを推進。今年度もJPの支店などで数回セミナーを開催している。

 JPによると、米国のeBay本体が商品配送に各国郵政庁のサービスを使う方針を打ち出しており、この関係で「この1、2年はeBayと深く(取り組みを)やっている」(JP国際事業部)としており、eBayも中国や香港、シンガポールなどの郵政庁と連携し、アジア圏での展開に本腰を入れているという。

 ネット販売を活用し、中国を中心としたアジア圏での事業展開を志向する日本企業が多い中、JPでも中国の消費者をターゲットに日本商品を扱う仮想モール「JapaNavi」を運営している。一方で、高品質の日本の商品は欧米などでもニーズがあると判断。「eBay」の出品者についても、「最近では商品を定額で販売する事業者の出品が増え、(eBayによると)最近では競売と定額販売の比率が半々くらいになっている」(同)という。

 JPでは、eBayとの連携により、欧米などへの商品販売を狙う企業のニーズの取り込みを進め、将来的に国際郵便の取り扱いを現状の2割増し程度にまで引き上げたい考えだ。

ヤフー  セゾンカードと業務提携、ポイントやIDで連携

 7-1.jpgのサムネール画像ヤフーは11月1日、クレジットカード大手のクレディセゾンとポイントサービスやIDなどで業務提携することを発表した。仮想モール「ヤフー!ショッピング」で使えるポイントへの交換や、ロイヤルカスタマー化によるポイント付与率の向上などを図り、セゾンカードユーザーを開拓していく考え。今後、ネットとリアルの購買活動の連携も活性化していく。

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日本製紙、印刷用紙「薄物」値上げへ、12年春にも、コスト高を転嫁

日本製紙グループ本社(本社・東京都千代田区、芳賀義雄社長)が、印刷用紙の価格体系変更を検討している。これまでは紙の厚さに比例した価格を採用していたが、軽量コート紙(A3)や微塗工紙といった薄物は製造コストがかかることから、製品に一部転嫁する方針だ。製紙各社ではここ数年、原燃料価格の高騰や印刷用紙の需要低迷が業績を直撃している。同社が価格改定を実施すれば他社が追随し、業界標準となる可能性もありそうだ。


早ければ2012年春にも新しい価格体系を導入する。一般的に紙の価格は、1平方メートルあたりの重量を示す「坪量」で決めている。そのため、薄い紙は価格も安くなるが、薄物は製造に手間がかかるため、製紙会社にとってはコスト増の要因となっている。

 印刷用紙の需要が伸びている時期は増産で対応していたが、近年は需要減から減産が続いており、同社では収益改善を目指し「薄物格差」の導入に向けて動き出した。具体的にどの程度価格に転嫁するかは決まっていないが、「例えば坪量64グラム以下を薄物として価格を上乗せし、50グラムを切る紙はさらに上乗せするなど、紙のグレードごとに価格を決める体系を考えている」(営業統括部)という。

 薄物格差は、これまで上質コート紙(A2)では使われていたが、本格導入となれば業界でも初めてとなる。薄物は紙の購入代金や郵送費用が削減できるため、通販会社が発行するカタログやチラシでは多く使われている。同社では「薄物の普及によるメリットが製紙会社側にはない」(営業統括部)として、価格体系の見直しに意欲的を見せる。

 ただ、同社は原燃料価格の高騰を理由として、9月に印刷用紙の値上げを実施しており、薄物格差が導入されれば通販会社をはじめとする需要家にとっては、コスト負担がさらに重くなる。そのため、輸入紙へのさらなるシフトも予想される。同社では「輸入紙へのシフトは仕方のない部分もある。ただ、輸入紙では薄物格差があると聞いており、それも参考にして価格体系を決めたい」(同)としている。

 印刷用紙だけではなく、段ボール原紙の値上げも続いている。10月11日には、大王製紙が段ボール原紙全品種の12%以上の値上げを、11月21日出荷分から実施すると発表。すでにレンゴーは段ボール原紙の値上げを実施しているほか、王子板紙、日本大昭和板紙も値上げを発表している。原燃料価格の高騰が直撃した格好で、商品への価格転嫁が難しい通販会社にとっては厳しい状況が続いている。

「期待の販促支援ツール」ブレインパッド 草野隆史社長

071.jpgネット販売を行ううえでは必須とも言える、メールマーケティング。無計画に行えば「迷惑メール」と扱われる危険性もあるが、精度の高いメール配信は購入に結びつく効果的な販促手法だ。ブレインパッドでは、効率的な配信を支援するツール「キャンペーンコマンダー」を提供。分析やソーシャルメディア連携などの強みで訴求し通販事業者への普及を図っている。草野社長に戦略を聞いた。(聞き手は本紙記者・河鰭悠太郎)

「いかに分析するかが重要」、ソーシャルメディアとも連携

――「キャンペーンコマンダー」の特徴は。
 「メールはセグメントに対して何ができるか、ということが重要。そこをカバーできるのが特徴だ。例えば『A/Bスプリットテスト』。これは複数のパターンのメールをランダムに送り、どちらの反応が良かったかなどを調べるものだ。10万人の会員にメールを配信する場合、どのようなコンテンツが訴求力が高いか、クライアントは事前に知りたいはず。こうした結果が1画面で分かるようになっている。メールマーケティングに必要な機能はほぼ全部入っており非常に使いやすいのが特徴だと思う」

――他には。
 「引き合いが多いのはトリガーマーケティング機能だ。これは自由度の高い設計のキャンペーンができるもので、要するに条件分岐だ。あるメールを送り、反応した人にはさらに違うメールを送るとか、反応した人の中でも『クリックしただけの人』と『購入した人』に分かれるので『購入した人』には、例えば更なる商品案内メールを送るとか、フェイスブックページへのご案内を出すとか、そういう形のアプローチが可能だ。あらかじめシナリオを設定しておけば自動で実行される仕組みになっている」

――どういう利点があるのか。
 「人がオペレーションに関わるコストが圧縮できる。その浮いた部分で他の仕事に専念できるわけだ。それに、単に一律に大量のメールを送るのは効率的ではない。大量に送ったメールは、大抵の人にとっては意にそぐわないもので、それをしていると次第にメルマガは読まれなくなる。価値があるものを届けるためには、一人ひとりお客様を識別した配信を始めないといけないだろう。そこまでやろうとすると、やはり分析が必要になる。これまでは配信の部分だけ注目されていたが、現在はいかに分析して送り届けるかが常に求められていると思う」

――ソーシャルメディアとの連携もできる。
 「送ったメールアドレスにひも付けて、誰が『いいね』を押したかまでトラッキングできる。どういう部分がよくクリックされたのかも一目で分かる。レポートでは、何%の人が開封してくれたのか、その中でクリックした人が何%なのか、フェイスブックにメールを紹介してくれた人が何%いるのか、そこからサイトを見に来てくれた人は何%なのか、そういうデータが簡単に把握できるようになっている」

――リンクを挿入できるソーシャルメディアの種類は。
 「フェイスブックやツイッター、グーグルブックマークなどいろいろ。今後はミクシィやグーグルプラスなども使えるようになるだろう」

――自社のレコメンデーションツールと連携させる構想は。
 「今後進めていきたい。閲覧していたページの内容を参考にするなど、行動に基づいてメールのジャンルを決めることが可能になると思う。パソコンを買った人にプリンターの情報を送りたいとか、プリンターを買った人に詰め替え用のインクをお勧めする、などが一例だ」

――目標の導入数は。
 「今期中に50社の獲得を目指している。リリースしたばかりだが、反響はかなり大きい。実現できない数値ではないと思っている」

【注目技術】凸版印刷 『バーチャル試着できます』──通販への応用も期待

7-1.jpg 10月4~8日、千葉市の幕張メッセで開催されたIT・エレクトロニクスの総合展「CEATECJAPAN2011」。会場内のインテルブースの一角で、興味深いデモンストレーションが行われた。

 緑のTシャツを着た女性が姿見のようなディスプレイの前に立ってタッチパネルを操作すると、Tシャツの色や胸元のデザインが様々に変化し、場合によってはランダムに一定の周期で色が変わっていく。変化するのはあくまで緑のTシャツだけでスカートなどは着用している状態のままだ(写真)。



 この技術は、凸版印刷がドイツのフラウンホーファーHHI研究所と共同で開発したバーチャルフィッティングシステムで、Tシャツ胸元の四角の枠内にAR(拡張現実)技術を活用し、デザインのパターンを変えている。シャツ全体の色はグリーンバックの合成技術を使っている。

 この2つの技術を融合させることで、カメラに写ったユーザーの身体に合わせて服の画像をディスプレイ上で合成し、擬似的に試着が体験できるというわけだ。

 このバーチャルフィッティングシステムは今のところ導入先を探している段階だが、店頭に設置した際には何度も着替える必要がないため試着の手間が減るほか、店頭にない商品でも試着ができることから商品在庫の効率化などが見込めるという。ランダムに様々な服を試着することで、今まで身に着けたことがない服との"予期せぬ出会い"が生じる可能性もある。

 凸版印刷ではアパレル業界などに向けシステムのパッケージ販売とアプリケーションのソフト販売を予定している。

 さらに、将来的には通販での応用も視野に入れる。例えばPCカメラやiPadなどのタブレット端末を使うことで、自宅にいながら服の試着ができるようになる。凸版印刷によると、仕組み上は、ソフトウエアをインストールすれば自宅でも簡単に使用できるという。ユーザーは自宅にいながら試着でき、企業側は返品率の低減などの効果が見込めそうだ。

 ただ、その際にハードルとなるのが、ユーザーがこのシステムを使うために緑色の服を着る必要があることだ。つまり通販展開する企業が専用の服をユーザーに送り、実際に着用してもらわなければならない。この作業がユーザーのモチベーションにどのような影響を及ぼすかがカギとなるかもしれない。

 また、今回のデモでTシャツを着用していたのは、形状がシンプルという理由がある。例えば、上着などではボタンや襟が服ごとに異なるため細かな形状を追えないという。つまり現状では、形状を認識してリアルな画像を見せることができる衣服の種類に限界があるようだ。

 とはいえ、眼鏡ブランドが展開するPCカメラを使った"試着"や、カメラに映る部屋に家電の3D画像を合成して調和の度合いを確認できるものなどARを活用して通販に応用する事例が出てきている。今回のバーチャル試着も今後、通販に活用されていく可能性もありそうで、注目したいところだ。


ヤマトマルチメンテナンス、延長保証サービス開始、家電ネット販売向けに

"安心感"で拡販支援

クロネコ.JPGヤマトホールディングスグループ企業でリコール製品の回収などを手掛けるヤマトマルチメンテナンスソリューションズ(YMM=本社・東京都江東区、金井宏芳社長)は10月1日から、ネット販売向けの家電延長保証サービスを始めた。保証会社のプロダクト・ワランティ・ジャパン(PWJ=同・東京都千代田区、田渕正輝社長)と提携して展開するもので、YMMの製品回収ノウハウ、PWJの家電保証ノウハウを融合したシームレスなサービスを提供。"安心"を切り口に、家電ネット販売事業者の拡販を支援する。

10月1日からYMMが始めたのは、「クロネコ延長保証サービス」。メーカー保証期間が経過しても購入後5年間、無償で製品の回収・修理に対応する「スタンダード」と、「スタンダード」に落下などのトラブル的な故障に対応した「プレミアム」の2コースがある。加入料は「スタンダード」が製品価格の5%、「プレミアム」は同8%前後。対象は、1万円未満の製品やサプライ品を除くデジタルカメラやパソコンなどの家電製品になる。

 顧客が商品購入時に延長保証サービスに加入すると、YMMが保証書の内容を閲覧できるサイトのURLとIDをメール送信。紙の保証書の場合、紛失してしまうこともあるが、ネット上で確認できるようにした。また、故障が発生した場合には、メールのほか、PWJと共同のコールセンターで問い合わせに対応。保証対象の故障であれば、ヤマト運輸の「宅急便」で製品を回収(無料)し、1、2週間程度で修理した製品を顧客に届ける。

 延長保証の契約は、YMMとPWJ、顧客の3者間契約で、ネット販売事業者はサービスの販売代理を担当。ネット販売事業者としては、加入に応じた手数料が入るほか、アフターサービス関連業務の負担軽減、CS向上による拡販効果などのメリットがある。

 YMMによると、家電量販店などではすでに延長保証サービスが定着しているが、ネット販売で延長保証サービスを扱っているところは少ないのが実情。ネット販売利用客の約6割が延長保証サービスに加入したいと考えているのに対し、実際の加入率は1、2割程度だという。

 YMMではこうした状況を踏まえ「クロネコ延長保証サービス」を展開。テスト段階では、同サービスを導入したネット販売事業者の延長保証サービス加入率が上がったほか、顧客からもどこの通販サイトで加入できるのかといった問い合わせがあったという。家電ネット販売は価格的な魅力で利用が拡大しているが、今後、アフターサービス等の安心感が、顧客が購入サイトを決める判断材料となっていきそうだ。

通販支援の仕掛け人に聞く・プラネタメディア 富安優太社長「ブログ広告で販促を」

072.jpg『興味を引き出す一歩を作る』。広告代理事業などを展開するプラネタメディアでは、ブログを活用した広告手法によりネット販売を支援している。芸能人や著名人などトラフィックが多いブログ上で商品をプロモーションし、通販サイトへ送客するという仕組みだ。これまでの3年半で蓄積したデータベースをもとに商材とブロガーをうまく"キャスティング"できるのが同社の強みという。こうしたノウハウを生かし、販売専用の子会社を通じて自社商品の取り扱いも行っている。ブログ広告だけを使って販促を仕掛けたところ順調な売れ行きだという。同社の富安優太社長にブログ広告の現状や特徴について聞いた。(聞き手は本紙記者・比木暁)

――ブログ広告の出稿先は。
 「芸能人やモデル、お笑い芸人、格闘選手、文化人、アスリートなど多岐にわたる。2000人近くにのぼる様々なジャンルのブログを、記事広告という形で販売している。もっとも、一概にテレビでよく見るから売れるというわけではない。そういう意味では非常に特殊なメディアだろう」

――強みは。
 「3年半ブログ広告を手がけ、効果測定も行ってきた。どのブログが、どういう商材に適しているかというデータを収集してきた。ブロガーには独身男性の俳優さんもいれば、グラビアアイドルもいるわけで、その属性は様々。当然、属性によって売れる商材は異なり、商品との相性もある。そこで過去のデータから最適なキャスティングを導いていく」

――ブログ広告は「やらせ」ではないか、という声もある。
 「我々の場合、ブログを書く芸能人に商品を事前に提供し、実際に使ってもらって、良いということであれば広告として受けてもらう。人によっては、使ったが効果を実感できなかったために断られることもある。あくまで自発的な感想として書いてもらう」

――料金体系は。
 「有名なタレントやモデルなどは固定費を支払う純広告パターンで、これが全体の9割程度を占める。残りは一般のブロガーなどで完全成果報酬型で請け負ってもらう」

――ブログ経由で購入するユーザー層については。
 「コア層は14、15歳から24、25歳だ。ただ、全体を見ると25~40歳くらいまではブログ経由でモノを買う。男女比は7対3くらいで女性が多い」

――ブログ広告の効果は。
 「3年半前はブログ広告という媒体がなかったので、実際にものすごい数が売れた。しかし、今ではユーザーも慣れてきて『これ広告でしょ』というムードになっており、以前より費用対効果は落ちている。それでも、未だにクレームが少なくて満足度の高い広告媒体であり続けている。ただ、ユーザーがブログを読んで広告だと分かってもそれはそれでいい。人々の目に付いているということだから」

 「結局、我々はユーザーの興味を引き出す一歩を作っている。ヒット商品が出るとすぐに類似品が出てきて品質的にもそんなに大差はない。その際、類似品の中から1つだけを有名人が実際に使って『これはいい』とブログに書くことで、新たなアクションを起こす"引き金"になり得る」

――自社でも商品の販売を行っている。
 「過去のデータベースから、誰が何を書けば売れるかが分かっていた。そこで、別会社を作り、現状のクライアントさんに抵触しない範囲で商品を作って販売している。代表作がサプリメントの『美的ヌーボ』だ。広告はブログだけを使い、専門の通販サイトで販売している。税込7350円だが、昨年12月から販売して現在まで約8700個を売り上げた」

 「サプリメントにした理由はリピート商品にしたかったのと、品質重視であれば、ある程度高額でもブログ広告をやり続けることで獲得できる顧客層があるということも過去のデータから分かっていた。今では30~40歳代がメーンの顧客になっている」

攻防・送料無料(5) ヨドバシカメラ 吉澤勉取締役

071.jpg――「ヨドバシドットコム」の送料を6月に無料とした。効果は。

 「単価は落ちているがそこまで大きな変化はない。顧客には非常に好評で注文数は伸びている。トータルで見ればそれなりに効果が出ているということだろう」

――電池1個など、極端に単価が低い注文は増えているか。

 「あるにはあるが、思ったほど増えていない。当社の場合、単価の低い商品から高い商品まで品ぞろえにバリエーションがあるため、『試し買い』といったケースを除くと『どうせ買うなら複数商品を注文しよう』という考えが働くのではないか」

――送料無料キャンペーンを開始してから売れるようになったジャンルはあるか。

 「CDやDVDの取り扱いを大幅に強化したことが大きい。以前なら送料無料のラインに達しない単価の商品、例えばCD1枚が欲しい場合でも、躊躇(ちゅうちょ)せず注文できるようになった」

――キャンペーンを恒常化する方針を打ち出している。

 「体力の続く限り頑張りたい」

――ビックカメラやヤマダ電機、ケーズホールディングスといった家電量販店の通販サイトも送料無料で追随してきた。

 「追いかけてくるだろうとは思っていた。家電製品やソフト関連の場合、そのサイトでしか買えないものを扱っているわけではない。消費者がなにゆえそこで買うのかが問題となるわけで、そのせめぎ合いだ」

――強化しているソフトに関して、DVDやゲームソフトは値引きも重要となってくる。

 「競合が当社より安く売っているのであれば、できる限り追随したいとは思っている。同じ商品を売っている以上は当然のことだ」

――ソフト関連の売り上げ比率は今後上がっていくのか。

 「上げたいとは思っているが、CD・DVDがあまり売れない時代なのは確かだ。ただ、初めて通販を利用する場合、どこで買っても品質に差がないソフト関連は買いやすいという利点がある」

――テレビの地上アナログ放送が終了した。薄型テレビの売り上げは。

 「7月までの売り上げは好調だったが、終了後はかなり落ちている。今期の売り上げ目標となる500億円達成に向けては、下期が勝負となるだろう。送料無料や8月に開始した当日配達は、売り上げの落ち込みを抑えるための一つの手立てでもある」(聞き手は本紙記者・川西智之)

「ECで"定価販売"を支援」――ルビー・グループ 桑野CEOに聞く

ルビーグループ画像.JPG 会員制ファミリーセールサイトのギルト・グループ日本法人を立ち上げた桑野克己氏が今年1月、ネット販売支援などを手がけるルビー・グループを設立した。ギルトで得た経験を日本のネット販売市場にどう生かしていくのか、今後の取り組みについて聞いた。(聞き手は本紙記者・神崎郁夫)

 ――なぜ新会社を立ち上げたのか。

 「ギルトでは日本にフラッシュセールの市場を作れたが、やりたかったプロパー(定価)販売まではできなかった。いま、日本のファッション販売で伸びているのはアウトレットモールとECだけ。ノウハウを持つECをツールに、ファッションブランドのプロパー消化率を高める手伝いをしたいと思った」

 ――会社の強みは。

 「当社はギルト日本法人の立ち上げメンバーをそろえている。ECのキャリアが豊富で、ネットでブランドの世界観を打ち出すことが得意だ。ギルト時代に培ったCRMの取り組みやブランド品の撮影技術など、売り上げに直結するノウハウを提供できる」

 ――すでに、EC支援事業を受託した。

 「6月に、ニューヨークのブランド『ケイト・スペード』が日本の通販サイトを刷新するのを機に支援業務を受注した。EC売り上げを伸ばす仕組みや、ブランドイメージを重視したサイト設計が評価されたのではないか。消費者にとってはECであっても商品を届けるまでがブランド体験だ。ブランドの手さげ袋に商品を入れる取り組みも始め、刷新後の売り上げは1・5倍になっている」

 ――当該ブランドはサンエー・インターナショナルが日本展開するが。

 「サンエーの『セレクソニック』はモール型で、個々のブランドを立てるのは難しい。今後、ネットを通じた顧客との関係作りはますます重要になる。新しいサイトは米国サイトを日本向けにローカライズして、ブランドの価値観を統一した」

 ――ほかの案件は。

 「『アニヤ・ハインドマーチ』や『アレキサンダー・マックイーン』などハイブランドのEC支援やコンサルティングを行っている」

 ――ハイブランドにこだわる。

 「マス向けのブランドは『ゾゾ』の力が大きい。ただ、ラグジュアリーブランドに関してはギルト時代の販売経験が生きる。カスタマーサポートを含めてECの"肝"を押さえており、勝負できる」

 ――スマホ用のアプリも開発している。

 「ブランドに販売するアプリを自社開発している。iPhoneとアンドロイド端末に対応したテスト用のソフトはできている。スマホのカメラで自身のコーディネートを撮影して友人と共有するアプリで、ブランドのコミュニティーを作ってファンを増やし、ECにつなげるのが目的だ」

 ――将来の展望は。

 「2、3年後にはリテールにも出たい。EC支援するハイブランドを集めたネットモールを運営して、ブランドのEC拡大にもっと貢献したい」

攻防・送料無料(4) NTTレゾナント・中田優 NTT-X Store店長

7men.JPG ――パソコンや家電製品などの通販サイト「NTT―Xストア」で、昨年秋から送料無料キャンペーンを開始した。

 「これまでは1回の注文につき、一律で送料を400円徴収していた。当サイトの場合、商品ごとに送料無料と有料を設定できるため、これまでも一部売れ筋商品などはキャンペーンとして送料を無料にしていた。ただ、やはり全商品を無料にした方が顧客にとってわかりやすいと考え、導入を決めた」

 ――効果は。

 「送料無料にしたことによる効果だけを切り分けるのは難しいが、注文件数は増えている。効果はあったといえるのではないか。送料無料が消費者への『最後のひと押し』になってくれれば」

 「以前は、商品によって送料無料と代引手数料無料を同時に設定していたのだが、効果があるのは送料無料の方だった。クレジットカード決済を選択する顧客が多いこともあり、代引手数料無料の方はさほど効果が感じられなかった」

 ――注文単価について。

 「かなり下がるのではないかと危惧していたが、微減にとどまっている。極端に単価が低い注文が増えていることもない」

 ――キャンペーンの終了は考えているか。

 「今のところその予定はない」

 ――ただ、送料を無料にした分だけコストはかさんでいる。

 「問題は変動費用をどうやって抑えるかだ。(送料を)原価低減で吸収するという考え方もあるし、売価に反映させるという考え方もあるだろう。商品によってケースバイケースで対応する必要があるわけだ」

 「当社の場合、配送関連は共同運営会社である、パソコン卸のダイワボウ情報システムに任せている。全国14カ所の拠点から配送する仕組みのため、ローコストオペレーション可能なことが強みだ」

 ――家電関連では、ヨドバシカメラが当日配達を開始した。対抗する考えはあるか。

 「当社はダイワボウの流通網を使うことで翌日配達を可能にしているが、現在は多くのサイトが行っていることでもあり、さほど大きな強みになるとは思っていない。そのため、当日配達も検討課題ではある。ただ、ヨドバシが無料でサービスを行っている以上、後発で始めるなら何か売りがなければ消費者にアピールするのは難しいのではないか」

 「また、食料品ならともかく、デジタル関連商品の当日配達にどこまでニーズがあるか、という問題はある。費用対効果も考えなければならないだろう。もちろん、当日配達をコミットする以上は、どれだけ精度の高いサービスを全国で提供できるか、という点も問題となる」(聞き手は本紙記者・川西智之)

JIMOS、通販物流代行サービス開始 1件500円と安価に請け負い

 化粧品通販や通販支援事業を行うJIMOS(本社・福岡市博多区、田岡敬社長)が通販事業者向けの物流業務代行サービスを始める。

 専用倉庫で商品の入庫から保管、ピッキング、梱包、出荷、配送までを1件あたり500円と低価格で請け負い、ネット販売事業者を含む中小規模の通販事業者を中心に利用促進を図っていく。従来から展開中の通販事業における新規顧客開拓や受注代行業務などの通販支援サービスに合わせて物流代行を実施し、総合通販支援サービスを展開、通販支援事業全体の売り上げの拡大を狙う。

 JIMOSが9月26日から開始する通販事業者向け物流業務代行サービスは「ワンコイン物流サービス」。物流関連事業を行う三井物産子会社のトライネット・ロジスティクスと組み、在庫管理や商品入庫、出荷、ラッピング包装、配送、返品作業や棚卸作業までの一連の庫内作業・配送業務を一括して代行・運用するもの。

 JIMOSが自社通販事業でも使用している埼玉・行田市の倉庫内でクライアントの物流業務も実施。午後3時までの受注分は当日出荷を行うという。JIMOSの出荷分(月間10万件)とクライアント企業の物量を合わせたり、ラッピング作業や梱包に使う資材などを共同購入することでスケールメリットを出し、物流コストを抑え、物流代行業務でクライアント企業から徴収する料金は1件あたり500円と低価格でサービスを提供する。

 ターゲットは中小規模の通販事業者で基本的には化粧品や健康食品などの単品通販が対象で、冷蔵・冷凍商品は対象外となる。「特に月間3000~3万件規模の出荷が見込まれる通販事業者にはメリットを感じて頂ける」(同社)という。

 なお、1件あたり500円という料金設定は基本サービスのみを利用した場合で、「指定した運送業者(佐川急便)以外の運送業者を使いたい」などの場合は別途、料金を徴収する。逆に「出荷規模や業務要件によっては、より低価格で対応することも可能で応相談」(同社)という。

 通販物流代行サービスでは後発となるが、自ら化粧品や健康食品の通販事業を行っているという事業者目線からのきめ細かいサービスと、「ワンコイン(500円)」という安価な価格設定で、JIMOSの既存の通販支援事業のクライアント企業にも営業をかけていくほか、健食などを取り扱う中小規模のネット販売事業者を新規に開拓していきたい考えだ。

攻防・送料無料(3) HON・稲村陽事業推進室長

 7-1.jpgジュンク堂・丸善のネット販売を手がけているが、送料無料はいつから開始したのか。

 「約2年前に新型インフルエンザが流行したのがターニングポイントだった。お客さんがリアル書店で買い物しにくくなったので、代替手段としてネットで買い物してもらおうと考えた。いわば実店舗の補完的な意味で始めたわけだ。当初は兵庫県や大阪府のみが対象エリアだったが、インフルエンザが全国的に流行ったため順次拡大していき、最終的にはすべての都道府県で適用することになった。で、送料無料に替わるユーザーメリットを提供するのも難しいので、今もキャンペーンという形だが、期限は明記せずに恒常的な取り組みとして続けている」

 送料無料を開始して変化は。
 
 「売り上げは前年と比べて120%増加した。ただそれ以上に、思ったよりも注文単価が下がらなかったことが特徴的だった。もともと、ネットのヘビーユーザーのお客様はジュンク堂の実店舗のお客様でもあるので、高額の専門書などを求める方が多いわけだ。そういったお客様の割合が高いので、単価は5%程度しか下がらなかった」

 文庫一冊、など低単価商品の受注も増えたのでは。

 「確かに増えてはいるが、全体に影響を与えるほどではない」

 利益は出せているのか。

 「十分出せている。もともと広告など積極的に投資しておらずシステムもコストがかからない構造なので、結果的にそれらの分を回せたわけだ」

 新規ユーザーも獲得できている。

 「そう。ただ、送料無料だけではなく、リアル書店がある強みも大きいと思う。店舗と連携したコンテンツの充実や、店頭在庫と倉庫在庫を組み合わせた配送スピードの改善などサービスを強化しているので、そういう面も奏功しているのかなと。早い安いだけでは消耗戦。いかに差別化できるかだが、我々の場合はお店の活用やお店で働くプロの書店員を活用できるのが強みだ」

 物量の増加への対応は。

 「数倍になったわけでもないので特に問題はない。2年前に『HON』として分社化した際にシステムを改善したので、それで効率化されてカバーできた部分も大きい」

 今は他のネット書店も送料無料化を続々と始めているが、意識しているか。

 「他に先んじてやり始めたことなので、他社が始めても特に意識することはない。他のサイトを使っていたお客様が、我々が送料無料であることを知って『使おう』と思うことはあると思うので、そこに訴求していきたいとは考えている。ただそれ以上に、我々にしかできないサービスやコンテンツを作ることに注力していきたい」

(聞き手は本紙記者・河鰭悠太郎)


ソーシャルコマース最前線、フィードフォース、通販サイトに"TL"

簡単に「ソーシャル化」を実現

ネット上やリアルの友人・知人と交流しながら購買活動を行う"ソーシャルコマース"。現在、ネット販売で多くの注目を集めている手法で、実際に多くの通販事業者がフェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアをいかに効果的に活用できるか、試行錯誤を繰り返している状況だ。そうした中、フィードフォース(本社・東京都文京区、塚田耕司代表取締役)では簡単に通販サイトを"ソーシャル化"できるSaaS型サービスを開発。すでにオールアバウト子会社のギフト専門サイトが導入しているほか数社からの引き合いもあるようで、今後、ネット販売事業者の利用が進む可能性は高そうだ。
7-1.jpg
 フィードフォースが展開しているソーシャルコマースサービス「ソーシャルPLUS」は、ネット上の友人・知人(ソーシャルグラフ)と商品情報などを共有できるサービスで、ツイッターやフェイスブックなどのアカウントでログインして利用する。

 商品への「いいね!」やコメント、「ほしいものリスト」への投稿など、通販サイトにおける基本的な機能をソーシャル化しているのが特徴だ。「ECサイトにタイムライン(TL)があってもいい」(フィードフォース・阿部樹取締役)というコンセプトのもと、画面右に他人のコメントや自分の商品リスト、キャンペーン情報などが分かるTLを表示。どのページからでも他のユーザーの動きが見えるデザインとなっている。投稿は全体やソーシャルメディアの知人、自分のみなど、公開範囲を設定できる仕組み。

 ツイッターやフェイスブックと連携しているため、投稿したコメントは他の複数のソーシャルメディアにも同時に投稿できる。投稿コメントにはURLが付くため、ここを導線としてツイッターなどから新規ユーザーを開拓できる仕組みだ。

 今後はソーシャルとの相性の良さから、スマートフォンサイトへの対応も予定する。時期は未定だが、早い段階で対応したい考えだ。

オフィス・デポ・ジャパン、即時配送サービスを開始、都内の一部地域で

カクヤスのノウハウ活用

酒販チェーンのカクヤスの子会社でオフィス用品通販を行うオフィス・デポ・ジャパン(ODJ=本社・東京都品川区、細谷武俊社長)は都内の一部地域を対象とした受注後即時配送サービスを始める。東京・千代田区内に開設した拠点の近隣の事業所を対象に需要の高いコピー用品や文具など約2000点をリアカーなどを使い、専門スタッフが即時に配達する仕組み。同様のビジネスモデルを展開する親会社、カクヤスのノウハウを活用した。即時配達サービス開始で顧客事業所の利便性を高め、アスクルなどの競合に対抗、顧客の奪還を図りたい狙い。

ODJが9月15日から開始するオフィス用品の即時配達サービスは「クイック・デリバリー・サービス(QDS)」。

 親会社のカクヤスが酒類販売店舗周辺の飲食店などを顧客に送料無料で酒類・飲料の宅配サービスを行っている形を踏襲し、東京・千代田区の神田小川町に配送拠点となる「オフィス・デポ千代田営業所」を開設。コピー用紙やインクトナー、文具事務用品、飲料などオフィスの必需品として需要が高いと思われる約2000点を在庫して、同拠点から半径1キロメートル圏内である西神田や本郷、湯島などの中小事業所を対象に午前8時半~午後6時半の受付時間内の受注分(※受付時間外受注の配達は翌日以降、希望配達時間を指定可能)についてはODJの専用スタッフが商品をピッキングして、リアカー付自転車などで即時に配達する仕組み。

 受注は電話と専用用紙によるFAXで受け付ける。注文金額が900円以上の場合は送料は無料とした。

 商品の配達時には次回に注文や追加注文をその場で宅配スタッフが受け付けるほか、使用済みのプリンタインクカートリッジ・トナーカートリッジの無料回収、折りたたみコンテナなどを使い、ダンボールなど配達時の梱包材を出さないようにするなど、小回りのきくサービスなどを付加し利用促進を図る。なお、決済は代引、クレジットカード払い、請求書払いに対応している。

 まずQDSはコアターゲット層である中小規模の事業所が約1万5000件程度、密集している小川町からスタート。当該地域の事業所に専用チラシのポスティングを行うなどで利用社拡大を図る。

 スタート後は反応を見ながら、「例えば、拠点となる営業所に店舗機能はないが、要望に応じて店舗をQDSの拠点にすることなどもある」(同社)としており、サービス内容を微調整していく意向で徐々に他の地域でも拡大させ、カタログやネットで展開中の通販に次ぐ事業のもう1つの柱に育成する狙い。

 また、オフィス用品通販では先を行くアスクルや大塚商会、カウネットなどの競合に対抗していきたい考え。

 ODJは昨年12月にカクヤスが米オフィス・デポからODJ全株を取得し、完全子会社化。カクヤス傘下入り後はアスクルで執行役員を務めた経験もある細谷氏が社長となって、再スタートを切っている。

ネット送金の現状と今後、デジタルガレージ、返金から段階的に拡大

エスクローやソシャルM 利用シーン創出へ

昨年4月の「資金決済に関する法律」施行に伴い、新たに認められるようになった民間事業者による送金サービス。同サービスを扱える資金移動業者の登録企業数は、今年7月末時点で16社となった。携帯電話のキャリアやシステムなど登録企業の顔触れは様々だが、ネット販売関連の決済サービスを提供するデジタルガレージ(DG=本社・東京都渋谷区、林郁代表取締役グループCEO)でも、資金移動業者登録を完了し、7月1日から「CASH POST」の名称でBtoCの送金サービスを開始。今後、段階的にサービスメニューを拡充していく構えだ。

 DGがネット送金事業の第1段階として開始した「CASH POST」は、通販購入商品代金などの返金に対応したもの。

 通常、通販購入商品などの返金を行う際、銀行口座への送金や定額小為替、現金書留などの手段が使われるが、同サービスは、ネット上で送金指示や受け取りができるため、銀行振込や郵便為替よりも処理の迅速化が図れるのが特徴だ。ネット販売事業者としても、顧客の口座情報管理の手間が省けるなどのメリットがある。

 利用費用は、数万円の導入費用と送金1件につき400円の手数料などとなっており、初年度(2012年6月期)で30社への導入を見込む。ただ、物販での返金はあまり多くなく、DGでも、旅行チケットなどのキャンセルに伴う返金でニーズがあると見る。基本的には、既存決済サービスのオプションという位置付けのようだ。

 DGがネット送金事業の第2段階として計画しているのは、エスクローサービスなどでのスキームの展開。この部分ではまず、カカクコムと連携し昨年に投入したエスクローサービス「価格〓com安心払い」への活用を計画する。

 エスクローは、顧客からの商品代金を仲介事業者が一旦預かり、商品が届いたことを確認してネット販売事業者に代金を支払う、いわば取引の安全性を確保する仕組み。

 「価格.com安心払い」では、銀行の信託口座で一旦代金を管理し、商品受け取り前にネット販売事業者が倒産しても顧客に代金が戻るようにしたのが特徴だが、実際に返金を行う場合、銀行と顧客の間で本人確認などのやり取りを行う必要があった。

 これに対しDGは、ネット送金のスキームを組み込むことで、本人確認等の手間を省き使い勝手の向上を図る考え。ネット送金を活用したエスクローについては、他の仮想モールやネットオークションなどでも起用があると見ており、今後、汎用性の高いサービスの投入も視野に入れる。

 さらに第3段階として構想するのが、ソーシャルメディアでの送金サービスの展開だ。DGは、ソーシャルメディアの強化を今期の重点テーマのひとつに設定。その中で決済ニーズも出てくると見ており、来期中にソーシャルメディア向けの送金プラットフォームの提供を始めたい考えだ。

 現状のターゲットとしては、個人同士、あるいは個人と企業・団体などの間での寄付や献金など、従来、接点のなかった「新しいカテゴリー」(同社)。本人確認手段の確立などのハードルもあるが、ソーシャルメディアでは実名を開示するユーザーが多く、「そうしたアーリーアダプターに使われ、徐々に一般化していくのではないか」(同)と見る。

 一方で、物販での利用も視野には置いているが、「ソーシャルコマースの方向性は、まだ不透明な部分が多い」(同)ほか、売り手側の信頼性などの課題もあり、現段階では慎重な見方だ。

 資金移動業者登録による送金サービスでは100万円以下までの送金ができ、通販では高額商品を扱う事業者や、取引金額がB〓B通販などの決済手段として一定のニーズは見込まれる。通常のBtoC通販では、利用料金の兼ね合いなどもあり、定着するかは不透明な面もあるが、DGでは、ネット送金のスキームを利用した既存サービスのブラッシュアップや、独自機能の付加などを通じ、新たな決済シーンの創出を推進。この中で、通販・ネット販売での活用方法が出てくることも考えられそうだ。

攻防・送料無料(2) ケーズホールディングス・塩康隆営業企画部課長

新規客獲得に貢献、理美容品など好調

7月に通販サイト「ケーズデンキ オンラインショップ」の送料を無料にした。
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 「6月にヨドバシカメラが送料無料にした時点ではそこまで気にしていなかった。その後、ヤマダ電機が追随したことで『これはまずいな』と感じた。『(競合の家電量販店が)もう1社動いたら対応しよう』と考えていたので、ビックカメラが送料無料を始めた時には即日(サービス開始を)決めた」

 サービスは恒常化するのか。

 「基本的には競合に合わせる予定だ。ただ、当社の場合、これまで3000円以上の購入で送料を無料にしていたわけだが、送料を支払っていた顧客の割合は数%程度。送料無料サービスはやった方がメリットはあると思う」

 単価はどの程度下がっているのか。

 「具体的な額はお答えできないが、落ちているのは間違いない」

 売れている商品やジャンルはあるか。

 「理美容関連の動きが顕著に良くなっている。ドライヤーなど、2000円台の商品が今までにないほど売れており、新規顧客の獲得にも貢献している。ジャンルの特性上、女性客が多いのが特徴だ。女性の方が送料無料を気にするということかもしれない」

 電池1セットだけの注文など、極端に単価の低い注文は増えているか。

 「そうした注文は以前から数件あったが、目立って増えているということはない。一方で1500円以上3000円未満の注文は確実に増えている。ドライヤー以外だと体重計や歩数計、ケーブル関連などだ。やはり、2000円程度の商品が欲しい場合に、あまり必要がないものまで合わせて購入するケースは少ないということだろう」

 トータルでみて送料無料にした効果は出ている。

 「単価こそ落ちてはいるが、新規顧客も開拓できているし、効果はある。7月24日にアナログ放送が終了し、薄型テレビの買い替え需要が落ちていることを考えると、やらなければ状況は今よりも悪くなっていたのではないか」

 物量の増加には対応できているか。

 「ネット販売を店舗で在庫を共有するようにした効果が出ている。これまでは茨城県内の倉庫から全国に商品を発送していたが、現在は全国約360の店舗からそれぞれ発送している」

 「店舗の在庫状況に合わせて、なるべく近隣の店舗が顧客宅に配送するという仕組みだが、売り上げが現在の数倍になっても問題はないはず。以前の仕組みは倉庫や人員に限界が来ており、送料無料への迅速な対応はできなかっただろう」


TBSディグネット、上海のテレビ通販企業との取引支援サービス開始

 「リスクなく中国でテレビ通販をしませんか?」。TBSディグネット(TBSD=本社・東京都港区、木原毅社長)は8月から、中国大手のテレビ通販である「東方CJ」で商品を販売したい日本の事業者を支援する中国テレビ通販参入代行支援サービスを開始した。

 中国のテレビ通販市場規模はすでに3000億円程度に達していると見られる成長市場で富裕層を中心に日本製品の需要も高いようだ。ただ、日本企業が当該ルートで商品を販売するまでには言葉や商習慣の違い、複雑な輸出入手続き、不安な代金回収など、ハードルは高く実際に取引開始まで漕ぎ着けられる事業者は少数にとどまっていたようだ。

 TBSDは商品企画書の中国語翻訳から中国のテレビ通販側への商品提案代行のほか、本来は「委託型」であり、売れ残れば返品される取引形態をTBSDが間に入ることで、商品は売れ残っても返品されない「買取型」とするなど、参入障壁となっていた部分を解消するサービスを始めた。日本の事業者にとってリスクの少ない形で中国のテレビ通販ルートで商売できる環境を整え、取引社数を拡大。手数料収入拡大を狙う。

 TBSDが開始したのは中国で通販専門チャンネルを放送する「東方CJ」への出品支援事業で日本の小売業者やメーカーを対象としたもの。「東方CJ」自体は南京や杭州など中国各地で放送しているが、今回は上海地区で約300万世帯に放送されている番組のみ。中心視聴層は40代以上の女性で番組構成は司会者とメーカー担当者などのプレゼンターが商品を紹介する日本の通販専門チャンネルのスタイルに近いという。なお、1商品あたりの紹介時間は20~30分のようだ。

 TBSDによると、中国国内では富裕層を中心に日本商品の人気は高く、「東方CJ」の通販番組でもニーズは高いようだが、言語や商習慣の違いや仕入価格の交渉のほか、基本は委託販売のため、売れ残り分は返品されることになるが、その際の関税や輸送費などのコスト負担が大きなネックとなり、現地法人を持つ日系企業など限られた事業者しか実取引を行っていない状況だったようだ。

 TBSDはこうしたネックを解消するため、各種手続きの代行事業を開始。日本語で書かれた商品企画書の中国語翻訳や当該企画書を基にした東方CJ側への商品プレゼンや価格交渉。実際に商品採用が決定した場合は、本来であれば委託販売となる取引形態をTBSD側で商品を買い取ることで、日本の事業者側に生じる返品に伴うリスクを解消する。

 具体的にTBSDが日本の事業者に徴収する費用は「初期登録費」として3万円。このほか、東方CJ側に提出する商品企画書の翻訳、中国人スタッフを使ったプレゼン代行費で10万円(※不採用時には初回取引のみ3万円返金)を徴収する。このほか、直接、東方CJに商品提案を行いたい事業者にも対応。オプション費として10万円を徴収し、スタッフを同行させる。

 プレゼンで採用された際の商品の買取りについてはTBSD指定の上海の倉庫に納品し、協力会社が検品後、45日以内に日本円で支払う。買い取り金額は東方CJへの卸売価格と輸出入や為替にかかる費用に手数料(取引総額の15%)を徴収する。初回ロットは500~1000個が目安のようだ。

 なお、買取商品はテレビ通販で売り切れなかった場合は東方CJのカタログや通販サイトで販売されたり、TBSDの協力企業を通じて、店舗流通で販売される可能性もあるようだ。

 TBSDによると、サービス開始後は比較的、小規模な事業者などからの問合せが多く、反響は良いようだ。なお、東方CJで特に求められている商材は「美顔器などの美容関連商品や衣料品は人気が高く、中国でも成功するはず」(同社)としている。

攻防・送料無料(1) TORICO・安藤拓郎社長「書籍通販では"当然"に」

7men.jpg 購入金額によらず送料を無料にする通販サイトが増えている。アマゾンジャパンや楽天の「楽天ブックス」をはじめ、今年に入ってからはヨドバシカメラなどの家電量販店の通販サイトも相次いで無料キャンペーンを開始。サービスを恒常化するサイトも増えており、送料無料が「当たり前」のサービスとして消費者に受け止められる可能性が高くなっている。通販企業は送料無料にどう対応すべきか。取り組みを開始した企業に聞いた。第1回は、新刊漫画の全巻セット販売を手掛ける通販サイト「漫画全巻ドットコム」を運営するTORICOの安藤拓郎社長。

 ――一昨年から、購入金額によらず送料を無料にしている。

 「書籍販売という点でライバルとなる、アマゾンジャパンや楽天ブックスが送料無料を恒常化している以上、対抗する必要がある。消費者も(書籍通販に関しては)送料無料が当たり前と思っているのでは」

 ――利益面ではかなり影響が出るのでは。

 「確かに送料は負担にはなっているが、当社の場合、漫画全巻での購入が多いこともあり、送料は吸収できている」

 ――単価は以前よりも落ちているのか。

 「最近は小説などの書籍の単品販売の取り扱いも増えていることもあり、この1年間で4000円ほど落ちた。ただ、それでも1万円を下回ることはない」

 ――新規獲得に効果は出ているか。

 「出ていると思う。書籍以外でも、CD・DVDや映画の前売券などの取り扱いも開始しているが、こうした商材は新規顧客の購入比率が高い。送料無料が効いているのではないか」

 ――11年3月期の売上高は、前期比43%増の10億円。成長の要因は。

 「サイトの認知度向上と商品点数の増加が大きいと思う。漫画全巻を販売するサイトは他にもあるが、認知度ではトップだ。取り扱い点数は、1年前の約3万点から現在は7万点を超えている。以前は人気漫画『ワンピース』のセット販売の売り上げに占める割合が非常に大きかったが、商品点数が増えたことで、いわゆるロングテールの部分が伸びている」

 ――今後の展開に関して。

 「エンターテインメント系の商材に関してはすべてを扱うサイトにしたい。やはり書籍だけでは成長に限界がある。できるだけ書籍の販売比率を少なくする必要があるだろう」

 ――昨年には海外向けサイトもオープンしている。

 「1年間で1億円の売上高を目標としていたが、実際にはその半分もいかなかった。軌道に乗るにはもう少し時間がかかるのでは」

(聞き手は本紙記者・川西智之)

ファンケル  顧客管理システム刷新、情報活用の高度化図る

 ファンケルは8月に入り、顧客管理システムの大幅な刷新を行った。個々の顧客を軸としたデータ管理の実施により、顧客の行動分析能力を高め、情報活用の高度化を図ることが目的。昨年来取り組むチャネル・シームレス化の一環として実施したもので、来春に控えるリブランディングに併せ、新たな管理指標を導入した運用を目指していく。

◇ 
 
 導入したのは、日本オラクルが提供する顧客データベースの統合・蓄積を目的としたハードウェア「オラクル・エクサデータ(OE)」と、顧客情報分析を行うアプリケーション「オラクル・ビジネス・インテリジェンス(OBI)」、顧客へのダイレクトメールの配信など実際の行動に結びつけるアプリケーション「シーベル・CRM(SC)」。
 
 日本オラクルによると、いずれも数年前から販売されており、「OE」はファーストリテイリング、「OBI」は資生堂、「SC」はネスレなど個別に実績はあるが、分析とアクションを担う2つのアプリケーションを併せて導入するケースは初めてという。
 
 ファンケルでは、「今回のシステム導入は第1ステップ。今後システム運用を含め、最終的に『次期顧客管理システム』の構築を目指す」としており、今後も顧客データ管理に伴うソフトウェアの導入を行う予定。
 
 ファンケルが目指す次期顧客管理システムとは、個々の顧客のニーズに即した的確なサービス提供の基盤となるもの。通販(カタログ)や店販、ネットなどチャネル別に管理されていた顧客情報のシームレス化を進めることで、顧客行動分析の最適化と効果的なマーケティングと販売活動を展開、投資対効果の向上に役立てていく。
 
 従来は、チャネル別の顧客情報管理を行っており、個々の顧客を軸にした分析や情報の把握が困難だった。分析速度が従来比2分の1以下に抑えられているケースもあるという。

ゴルフダイジェスト・オンライン 基盤システム刷新、会員データ管理業務を効率化

 ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)は7月27日、事業発展基盤の再構築や会員データ管理の効率化などに向けて同社の基幹システムを刷新したほか、仮想サーバー技術の導入やセキュリティー面のさらなる強化を図ったことなどを明らかにした。2010年からの10カ年の成長戦略のなかで、システム刷新によりネット販売ではまず顧客接点を徹底強化する考えだ。今夏から運用を開始している。

 同社では09年秋から今後10年間の成長を目指し、業務効率向上に向けて新データシステムを構築するための専門チームを設置した。ネット販売においてはシステム刷新で会員データを整備し、購買につながるようなイベントや企画などを直接会員に仕掛けていくとみられる。

 もともと同社は「ゴルフ場予約サービス」を最初の事業として展開してきたこともあり「会員基盤」などはゴルフ場予約サービスシステムの中に組み込まれていた。そのため、後に開始した「ショップサービス(ネット販売)」「ネットメディアサービス」など別の事業から会員データの管理業務を行うことには多少の難があった。

 今回の刷新では、インターフェースを独立して制御する仕組みの「アステリア」を導入したことで、3事業の会員基盤をそれぞれスムーズに管理することに成功。ネット販売に関しては会員データ(ポイントやメールマガジン、アンケート・キャンペーン告知)などの管理がより効率化できるという。さらに新サービスの追加や改善、他社サービスとの連携も柔軟にできるようになるとしている。

 GDOでは、今回のシステム刷新に合わせて、イベントやレコメンドなど個人情報をもとにアプローチするマーケティングサービスも強化。これに伴い、通販サイトを完全な会員制にする。すでに通販サイト利用者の大半が会員だが、より細かな提案で会員の拡大を図る狙いだ。

 また、サーバー環境については「仮想化技術」を導入。季節変動や急激なトラフィックが発生した場合でも、通常数カ月かかるとされる「追加」「縮小」作業が最短で数十分程度で対応できるようになったという。

 このほかに、セキュリティー面では、「08年に巨大な不正アクセスを受けた経緯もあり、外部攻撃に対する強化はすでに行っていた。今回は管理画面部分も強化した」(マーケティング部・経営管理部)と説明。メールの配信事故など内部的なミスを止める手段や顧客情報漏えい事故を防止する仕組みなどを新たに導入。特に顧客のクレジットカード情報については「RSA」の暗号化技術を導入して外部からの攻撃に対応しているという。

 今回の刷新プロジェクトに関する予算は非公表だが、同社は今回の10年ビジョンや3カ年中期経営計画の中で(投資総額を)吸収できると判断している。

アスクル 上海で半日配送開始、ヤマトグループに物流委託で

 アスクルが中国・上海で展開中のオフィス用品通販で配送サービスを強化する。従来まで複数の物流業務代行業者に委託していた商品の保管・出荷など配送業務をすべてヤマトグループの現地法人に委託。委託先の一本化で物流関連コストの削減に加え、委託先の物流拠点が上海の中心地に近く、受注から出荷、配送までのリードタイムが短縮できることから、受注後に即日で配送する半日配送を始めた。配送サービスの強化で売上拡大を狙う。

 アスクルの現地法人、愛速客楽(上海)貿易はヤマトグループ傘下の雅瑪多国際物流(YIL)および雅瑪多(中国)運輸(YCT)に商品の保管・出荷業務と宅急便による配送業務を全面委託した。これまでは複数の物流業者を使って商品の保管・出荷作業を行ってきたが、物流関連コストの削減などを図るべく、「物流業務を一括して委託する物流業者を決めるため、コンペを行い、その結果、ヤマトグループさんと組むことを決めた」(岩田社長)という。

 委託先のYCTは今年1月から宅急便事業を開始しており、物流作業を行うYILが上海市内の中心部に近い立地に物流拠点を保有していることなどから短時間で発送、配達できるスキームを整えている。

 今回、アスクルがヤマトグループに配送業務全般を委託したことで、メーカーからの直送品や非在庫品など一部商品を除き、午前11時までの受注分は当日午後6時までに配送する「半日配送」が可能となった。なお、午後5時半までに受けた受注は翌日の午前中までに配送するという。

 「半日配送」は従来からすでに要望があった顧客には先行して実施してきた長寧区、普陀区、盧湾区の3区に加えて、7月18日からは静安区、黄浦区、虹口区、閘北区、楊浦区の5区で開始。8月からは徐匯区、浦東区の2区も追加、8月中には上海市内中心部10区での展開を予定しているという。

 ヤマトグループとの物流業務の連携で配送サービスの向上を図り、中国におけるオフィス用品通販事業の売上高拡大を狙う。

 アスクルでは中国での通販事業の売上高は公開していないが、今回の物流業務の委託先一本化などを含め、コスト構造改革が進んでおり、「あとは売り上げが上がってくれば固定費の吸収も含めて黒字化がすでに見えている状態」(同)としている。

クウジットのAR技術、家電を部屋に"設置"

 通信販売にとって永遠の課題ともいえるのが、「カタログやウェブで見たときは良いと思ったのに、実際に届いてみたらいまいちだった」という「イメージとの齟齬(そご)」だろう。

 最近は動画を活用したり、商品画像を360度回転できるシステムを導入したり、各社はさまざま工夫をこらして消費者への訴求を強めている。ただ、大型家具や家電の場合、実際に製品を設置する部屋との調和が取れるかどうか、という問題がある。これは通販に限ったことではないが、部屋との調和も考えた提案ができれば、家具や家電などがより売りやすくなるのは間違いない。

AR.JPG クウジットでは、「拡張現実(AR)」と呼ばれる技術を活用し、カメラに映る自分の部屋に、家電の3D画像を合成して表示、調和の度合いを確認できるサービスを提供している。

 使い方は極めて簡単だ。サイトから印刷した専用のマーカーを部屋に置き、パソコンにつないだカメラや、スマートフォンのカメラで映すと、画面上に設置したい家電製品が現れる。

 昨年5月にソニーマーケティングが開始した、薄型テレビの設置イメージを確認できる、パソコンやスマートフォン向けサービス「ARレイアウトシミュレーター」にAR技術を提供している。薄型テレビは価格下落が進んでいるものの、高額な買い物であることに変わりはない。実際の設置イメージを確かにしてもらうことで、購入の障壁を下げるとともに、もう1ランク上の商品を買ってもらうきっかけにしたい、という狙いがある。さらに、今年7月にパナソニックが始めた、マッサージチェアの設置シミュレーションを行うスマートフォンアプリにも技術提供をしている。

 近年はARと相性の良いスマートフォンの普及が急拡大しており、通販での利用拡大が期待される。特に女性の場合、家具や家電を購入する際に、部屋に合うかどうかを気にすることが多く、サービスの潜在需要は高い。

 ただ、今のところはレイアウトシミュレーターを利用した消費者が、メーカーの直販サイトへ移動し、商品を購入しているかどうかのログは取っていないため、「コンバージョンレート向上につながっているかは分からない」(事業開発部)。今後は、通販サイトとアプリとの連携を進めることが課題となる。履歴が残ればマーケティングにも有効に活用することができるからだ。

 価格は専用アプリを開発する場合と比較して、既存アプリ(GnG)を 利用すると、1/10〜1/5程度となる。 また、商品の3D画像作成費用も別途必要となるため、家具や家電といった 単価の高い商品を扱うサイト向けのサービスとなる。

 また、商品の画像化は販売会社では難しいため、サービス導入の対象となるのはメーカーだ。家電のみならず、家具関連でも自社商品を販売する通販サイトに導入を働きかける方針だ。

ファッションウォーカー、フルフィル再構築に着手

 ファッション通販サイトを運営するファッションウォーカーは、競争力強化を目指してフルフィルメント体制の再構築に乗り出している。一環として、今年4月に撮影業務などを内製化し、業務フローの効率化を図る一方、自社にバックヤード作業のノウハウを蓄積することで、中小ファッションブランドの撮影ニーズなどを取り込み、新たな収益源としていく。

 同社はアパレル商材の採寸や撮影、原稿書きといった「ささげ業務」について、4月に委託先から約35人のスタッフごと譲り受け、内製化した。

 これと同時に、従来なら工程ごとに担当者が分かれていたのを改め、複数のささげ業務が習得できるよう教育。スタッフ一人ひとりの業務の幅を広げることで、繁閑の波動を吸収できるようにした。

 一方、内製化によってささげ業務を細分化してメーカーECの支援メニューに追加。F1層を対象にしたアパレルブランドが自社通販サイトを開設する際に、商品の撮影だけを任せたいなどといった細かいアウトソーシングニーズにも応えていくという。

 同社では現状、ささげの業務フローをゼロから見直し、効率化とブラッシュアップを図っている。

 具体的には、従来は採寸作業を最初に行い、その後、写真撮影を行ってから画像加工と原稿書きを実施してきた。しかし、この工程では採寸の後は撮影しかできないため、最初に商品の撮影を済ますことで、次に加工や原稿、採寸のどの作業も行えるようにした。

 また、一連のささげ業務を内製化したことで、これまでは作業を行っていなかった土曜日にも対応を始めた。

 稼働日が増えたことに加え、業務フローの見直しや人員を流動的に配置できるようになったことで、ささげ業務の処理能力は委託時よりも20%程度向上したほか、通販サイトに商品をアップするまでの時間も短縮されたとする。

 同社では現在、バックヤード業務を担うカスタマー&ロジスティクスセンター(東京・江東区)の機能強化に着手。ささげ業務や顧客対応、買掛け仕入れ(伝票照合)などに加え、今年5月には商品マスター管理やメーカーへの発注作業などを行う「アカウントマネジメント部」を本社から移管した。

 アパレルでは雑誌掲載商品など一部の人気アイテムに需要が偏る傾向があるため、先行受注会の進行管理や売れ筋商品の欠品防止に向けて、実際に商品を保管するセンターに同部を置くことで、メーカーとの連携を強めるという。

 今後、センター内の物流業務についても内製化を検討。バックヤード業務の一元管理による効率化やブランドへの提案力強化つなげたい意向だ。

千趣会 クリーニングサービス開始で、最長8カ月衣料品保管

 千趣会は7月12日から、衣料のクリーニングと長期保存を組み合わせたサービスを開始した。自宅のパソコンからクリーニングサービス申し込みができるようにすることで、仕事や家事に追われる女性の負担を軽減。さらにクリーニングした衣料品の保管により、オフシーズンの衣料収納問題への対応を図った。既存顧客を中心にサービスの告知を進めていき、初年度(11年7月~12月)で1万件の取り扱いを見込む。

 今回のサービスは、大阪市の専門クリーニング会社と連携して展開するもので、対象となるのは、皮革、毛皮、着物類を除く衣料品。顧客は「ベルメゾンネット」の専用サイトからサービスの申し込みを行った後、自宅に送られてくる専用バッグに衣料品を入れ、宅配便で発送する仕組みだ。

 クリーニング会社でクリーニングした衣料品は、着用シーズンがくるまで専用倉庫に保管。保管期間は最大8カ月で、返却については、返却希望月と上中下旬を指定(届け日の指定は不可)する。

 今回のクリーニングサービスでは、品質の部分で差別化を図る意向で、より自然な乾燥ができ型崩れのないクローゼット型の立体静止乾燥機や、アパレルメーカーでも採用する人体型プレス機と同じ技術による機器を使用。クリーニング後の衣料品についても、温度や湿度管理、遮光・紫外線カット、防虫・防カビ対策などが施された専用倉庫での保管体制を整えた。

 料金は、宅配便往復運賃と保管料込みで上限10着のSコースが税込9800円、20着上限のMコースが同1万8800円、30着上限のLコースが2万4800円。オープニングキャンペーンとして、8月11日までは、各コース20%引きでサービスを提供する

 千趣会は今回のサービスについて、コートやダウンジャケットなど冬物衣料でのニーズが高いと分析しており、春先のピーク前に利用動向を見た上で、提携クリーニング会社の拡大などを検討する考え。さらに布団やカーテン、ブーツでのサービス提供も予定する。

 まず、既存顧客を中心にサービスの告知を行っていくが、「サービス便利だと分かれば、新たなお客様の利用も見込める」(広報)とし、通販での新規顧客開拓効果も期待しているようだ。

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ビザとライフカード、「Visa」の新決済 高セキュリティーのバーチャルプリペイド

手数料がネックに?

ビザ・ワールドワイド(本社・東京都千代田区、岡本和彦)とライフカード(本社・東京都港区、磯野和幸社長)は共同で、6月30日から通販サイトで使える新たな決済サービス「Visaバーチャルプリペイドカード(Vプリカ)」の販売を開始した。専門のウェブページから購入するバーチャルなプリペイドカードというもので、Visaカードで決済が行える通販サイトであれば、世界中で利用が可能という。カードの不正使用を防止する仕組み「VISA認証サービス(3―Dセキュア)」に対応していることから、通常のクレジットカードでの決済に不安を感じるユーザーの利用を見込んでいる。
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 「Vプリカ」の使用にあたっては、まずアカウントを開設後、マイページで3000円・5000円・1万円・2万円・3万円の5種類の中から、希望の金額を購入する。購入には、VisaかMasterCardを使ってネット上で決済を行う。

 購入は24時間365日可能で、審査や本人確認は不要。購入後はすぐに利用でき、有効期限は1年間になる。

 アカウント開設時に「Vプリカ」での名義となるニックネームを登録する仕組みで、これにより匿名性を確保する。ネット決済時もそのままニックネームを入力すれば決済が可能だ。

 また、「Vプリカ」を使用しない際はマイページにログインしてセキュリティロックをしておくと、カードが一時的に無効となり、第三者の不正使用ができない状態になる。

 「Vプリカ」で商品を購入した場合は、登録しているメールアドレスに利用確認メールが送信され、買い物ごとに明細がメールで届く。残高がなくなった段階で「Vプリカ」の16ケタのカード番号は無効となり、次の「Vプリカ」を購入すると新しい番号が発行される。

 一方、ネット販売事業者側は、すでにVisaカードでの決済に対応していれば、「Vプリカ」の導入コストや特別な手続きは発生しない。

 「Vプリカ」については、将来的にコンビニでの販売も検討するほか、ギフトカードなど商品の追加、あるいは特定サイト専用の「Vプリカ」といったアライアンスによる拡大も模索する方針。現状ではバナー広告などにより認知拡大を図っており、初年度で30万枚の販売を目標に据えている。

 ただ、ネックと言えるのは、購入時に金額ごとに手数料が発生すること。例えば3000円の券種で200円、5000円では300円という具合で、最高額の3万円の券種では手数料は900円に上る。ビザ・ワールドワイドでは「安心料としていただく」(岡本社長)としているが、これが利用のハードルを高めることも想定される。

 プリペイドカードでは初めて本人認証の仕組み「3―Dセキュア」に対応するなど「安心」「安全」に力を入れた「Vプリカ」。ただ、今後利用者がどれだけ拡大し、ネット販売事業者にメリットをもたらすのかについては、ひとまずは様子を見る必要がありそうだ。


ヨドバシカメラ、通販サイトの送料無料に、アマゾンに対抗

CD・DVDの品揃え拡充

ヨドバシカメラ(本社・東京都新宿区、藤沢昭和社長)は6月29日、通販サイト「ヨドバシドットコム」で送料無料キャンペーンを開始した。期間は定めていないが、サービスを恒常化する方針だ。これまでは購入額3000円以上が送料無料の条件だった。同サイトではCDやDVDなど、低額商品の品揃えを拡充しており、無料サービスの導入により、先行して送料を無料にしたアマゾンジャパンに対抗したい考えだ。


低価格商品の購入を促すことで、新規顧客獲得増とリピート率の上昇を目指す。サービス開始後は「約3割購入数が増えている」(吉沢勉取締役)という。購入単価の下落に関しては「影響はあるだろうが、以前期間限定で実施した場合も極端な下落はなかった」(同)ことから、購入客の増加でカバーする方針だ。

 送料無料サービス導入に合わせて、CDやDVD、ブルーレイなどの品揃えを大幅に拡大。従来の7~8万点から18万点まで増やした。同サイトの家電の品揃えはアマゾンを上回るものの、CD・DVDなどの品揃えは大きく劣っていた。通販サイトの利用客数を増やすことで、家電の販売増につなげたい考えだ。

 映像商品の場合、アマゾンでは最大で約25%の値引きを実施しているが、ヨドバシでは値引きに加えて10%のポイントを一律に還元することで、価格面でもアマゾンに対抗。ポイントでの囲い込みを狙う、

 同社の2010年3月期のネット販売売上高は337億7800万円。11年3月期は前期比5・1%増の355億円となったようだ。ここ数年、売上高はやや伸び悩んでおり、サービス面の強化で大幅な増収につなげたい考えだ。

 送料無料に関しては昨年、アマゾンがサービスを恒常化したほか、楽天の楽天ブックスも同キャンペーンを続けている。ヨドバシのサービス導入により、他の大手サイトが追随する可能性もありそうだ。

JTAの船津康次新会長に聞く、コールセンターの現状と今後の可能性

071.jpg日本テレマーケティング協会(JTA)は6月7日に開催された第15回通常総会で、新会長にトランスコスモスの船津康次会長を選任した。震災後の取り組みや公益法人改革への対応など、さまざまな課題を抱える中、果たして今後、どのように舵取りをしていくのか。また、ツイッターなどの新たなコミュニケーションツールとはどう関わっていくのか。船津康次新会長に、今後の展望や業界の現状などについて聞いた。(聞き手は本紙記者・河鰭悠太郎)

「責任ある情報」重要に、ICTへの取り組みがカギ

―会長に就任した。今の心境は。
 「菱沼前会長がコールセンターの専門家としての視点で、協会を強化されてきた。自分はエージェンシー側の人間だが、協会はエージェンシー、インハウス、サポーターの方などよく知っている皆さんで構成されている。今後は、今まで以上に緊密な関係を維持しながら力を合わせていけば、新しい協会の姿が出てくるのかな、と思っている」

―協会の現状は。
 「協会は営利を追求する団体ではないが、団体の継続性という観点から会員拡大に向け努力し、経営基盤の確立に努めてきた。会員数も200社弱となり、ここ1年である程度のメドが立った」

――先の震災はテレマ業界にも影響を及ぼした。協会として今後どう取り組んでいくのか。
 「仙台はコールセンター集積地なので被害は当然あったが、駅近辺に拠点を構える企業が多く、津波による災害などはあまりなかった。もう8~9割は戻っているし、業界全体で大きなマイナスにはならないだろう。仙台で開催予定だったセミナーも、時期はずらすが予定通り開催する。多くの会員企業が震災を経験したので、その情報を今後に残すテーマも検討している。例えば震災が起きた後の安否確認や救援物資のノウハウなどだ」

――業界の現状をどうみているか。
 「リーマンショック後、経済全体が冷え込み、それに伴って縮小する動きはあった。ただ、昨年の後半から上向く感じはあった。震災でいったん停滞したが、復興というキーワードでいろいろなお仕事が出てきているのも事実。コールセンターが果たせる役割はたくさんある。復興だけに頼るわけではないが、カバーできる部分は多いし、もともと景気は回復基調だったので下半期に向けて緩やかに上昇するとは思う。コールセンターそのものは間違いなく拡大していくだろう。そのときに大事なのはICT、いわゆるITだ。企業とユーザーのコミュニケーションチャネルは複雑化しているので、そこの取り組みが重要だ」

―従来型の電話だけでは駄目だと。
 「電話は当然重要だ。ウェブだけで完結しても駄目で、電話のコミュニケーションをウェブが助けるという補完関係を押さえることが大事だ。今はコミュニケーションの仕方が変わってきている。先端的なものにフェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアがあるが、そこで交わされる情報は気分的な、緩やかなもの。いわば『責任のない情報』だ。コールセンターの情報はその対極で、事実に基づいた『責任ある情報』。氾濫する情報を整理する意味でも、コールセンターはより重要になる」

―公益法人改革について。現状は。
 「もう手続きベースだ。相手があることなので審査状況がどうなるかは分からないが」

――一般社団法人への移行を選んだ。
 「一般社団化で会員が減少するのではと懸念されたが、今の会員構成を考慮すると影響は少ない。公益の縛りや協会の収支構造なども考え、フィット感があるのが一般社団法人だと判断した。活動の自由度を考えてもそれがベストだろう」

――名称も「日本コールセンター協会」になる。
 「一般の方により理解してもらうため、これを機会に変更する。今はドラマになり、CMでもコールセンターという言葉が使われる時代だ」

――通販業界との関わりについては。
 「もう少し通販の事業者の方に協会に入っていただければ(笑)。大きなコールセンターをお持ちの方々なので、協会も活性化するだろう。お互い切磋琢磨していけばよりいい協会になると思う。今はデバイスが拡大しており、『通販』と呼ばれるジャンルも拡大している。コールセンターが拡大している要因のひとつに、そうしたEコマースの拡大があると思っている」

―業界の今後のテーマは。
 「最大のテーマは、やはり人に関すること。コールセンターが扱う情報は責任ある情報で、それを担保するためには人のクオリティが重要になる。つまり教育や研修が重要なわけで、せっかくの業界団体なので、そうした部分を切磋琢磨して伸ばしていきたい。情報セキュリティの問題は非常に重要だが、そこを担保するのはシステムではなく人。協会としてもそこの部分のお手伝いができればいいと思っている」

コメ兵、仕入れサイト開設

  コメ兵は7月1日、中古の宝石やブランド品を扱う法人向け仕入れサイトを開設する。買い手がつくまでは売買契約を結ばずにコメ兵が在庫を管理することで、小売側は店舗や倉庫に余剰在庫を抱えないでリユースショップを運営できる仕組みとする。在庫リスクを回避しながら一定品質の商品を仕入れられるため、古物営業が可能なネット販売企業などにとっては、ロングテール対策や安定的な商材調達などの面からも注目を集めそうだ。

 同社が開設するのは「コメ兵バイヤーズクラブ」。取扱商品は宝石・貴金属、時計、ブランドバッグで、同社の商品管理基準に基づいたリユース品から卸用に厳選した商品を1点から販売する。

 サイト掲載商品はすべてコメ兵が在庫を持ち、オンライン上で"共有"する。購入希望者が現れて初めて、同社が商品保管センターから法人向けに当該商品を発送するという。

 コメ兵では、消費者向けの通販サイトは店頭在庫を販売するが、法人サイトは専用の卸商品を確保。全国から集めたリユース品を名古屋の商品管理部で一括選定して法人向けと消費者向け(自社店舗およびウェブ用)に分けているが、仕入れサイトの開設で法人向け商材も商品画像を撮影するなどの工程を追加した。

 とくに商品写真はカット数を多くするなど、商品のコンディションを分かりやすく見せる工夫をする。ただ、商品情報は専門的な部分が多いため、会員が自社サイトで展開する際には消費者向けに加工する必要がありそう。

 同サイトに入会するには古物営業許可証が必要で、事前の審査をクリアすれば有店舗かネット販売かは問わない。費用は入会費5万円、月会費9800円だが、9月末までは両会費を無料にするキャンペーンを打つ。

 サイト開設時の取り扱い商品数は1000~2000点で、中心価格帯は4~5万円。初年度は300社の利用、6億円の売上高を計画する。

 今後、他の業者とも組んで新サイトをリユース業界の"在庫共有システム"へと進化させ、「より多くの消費者がリユース品に触れられる機会を作りたい」(同社)とする。

アリババ 中国通販参入を一括代行、許認可取得やサイト運営を支援

 7-1.jpgアリババは6月7日、中国大手仮想モール「タオバオモール」への出店支援サービスを開始した。中国進出に必要な現地法人の登記や小売権の取得などの手続きをアリババが代行。サイト開設後は配送や商品ページの制作、チャットを活用した顧客対応を支援する。通販事業者は低コストで、短期間で中国に進出できるという。第1号企業はシャンプー通販を行うアンファーで、来年1月をメドにタオバオモールに出店する計画だ。

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【ZOOM in】Jリスティング、"成果報酬"でコンテンツマッチ広告を開始 

コンテンツ連動型広告なのに広告料の支払いは成果報酬?――。ネット広告事業を行うジェイ・リスティング(本社・東京都新宿区、窪島剣璽社長)が6月1日から、成果報酬型の新たなアドネットワーク広告「パフォーマンスアド」のテスト展開を開始した。

 同広告の最大の"売り"は、WEBページの内容に合致した広告を配信するため、潜在顧客に効果的にリーチできるという「コンテンツ連動型広告」を、同種の広告では一般的な料金体系である「クリック課金」ではなく、実際にサービスやモノが売れた場合のみ広告費の支払いが生じるアフィリエイト型の「成果報酬」で出稿できるというもの。

 通販企業などの広告主はテキストやバナー形式で出稿する広告を用意し、それに合致したキーワードを入札制で購入。この入札額とは「成果報酬額の入札」となる。広告は入稿キーワードに基づき、行動ターゲティングとコンテンツ連動を組み合わせた同社独自の仕組みで媒体サイトに掲載される。この際、広告主が支払う広告料は完全成果報酬で初期費用や月額固定費などもかからない。

 6月からテスト展開としてオイシックスやグルーポン・ジャパンなど一部のネット販売実施企業に絞って広告配信を始め、今冬をメドに本サービス開始にこぎつけたい考えだ。コンテンツ連動型広告はグーグルなどが先行しており、後発の同社は成果報酬型でその牙城の切り崩しを狙う。

 しかし、この「パフォーマンスアド」。費用対効果に優れた広告商品だが、ネックとなりそうなのが、広告主の広告を掲載する媒体の数だ。現状はグループの「livedoor Blog」「ハンゲーム」「NAVERまとめ」の3サイトのみだ。

 成果報酬型は広告主側にとっては、成果が上がらなければ広告費を支払う必要がないため、非常に都合がよいスキームだが、広告を掲載する媒体者側にとっては、儲けが目減りする可能性もある。なかなか広告が入らない媒体者はそれでも受け入れる可能性はあるのだろうが、たくさんのアクセスがあり、広告も入ってくる優良な媒体サイトにとっては、あえて成果報酬型広告を掲載するメリットは薄い。一方で、優良媒体に広告が配信されなければ広告主にとって魅力的な広告とは言えない。

 同社が「恐らく日本でもトップクラスの技術者がそろっている精鋭部隊」(窪島社長)と豪語する優秀な開発部隊が開発した独自の広告配信技術で成果が上がる広告を配信することで、効果的に媒体者側に成果報酬が支払われる状態を作り出すことで、「媒体者側の収益を最大化させる」(同)とし、グループサイト以外のポータルなどに同広告配信ネットワークに参加するよう営業を強化していく考え。

 融通が利くグループ内のサイト以外にどこまで広告配信ネットワークを拡大できるか――。これには前述の独自広告配信技術の精度が、1つのポイントとなりそうだ。言わば相反する広告主と媒体者のメリットの両方を実現するのはそう容易なことではないはずで、それらをバランスよく両立しなければ、そっぽを向かれてしまうからだ。費用対効果に優れた注目の広告の行方はいかに?


再春館製薬所、代引き電子マネー決済導入、順調な滑り出し

ヤマトフィナンシャル(本社・東京都中央区、芝﨑健一社長)が展開する代引き電子マネー決済サービス「宅急便コレクト お届け時電子マネー払い」を導入する有力通販事業者が増えているようだ。昨年6月のサービス開始以降、利便性と決済時に付与されるポイントが呼び水となり、平均購入金額が予想を大幅に上回るペースで推移。5月23日から、交通系電子マネーへの対応が始まり、通販事業者の間で注目度が高まっている。こうした中、再春館製薬所(同・熊本県益城郡、西川正明社長)は、4月1日から「お届け時電子マネー払い」を導入。滑り出しは順調で、顧客の評価も高いという。導入開始から1カ月余りで成果に手応えを感じている再春館が、同サービスをどのように活用しているのか、その取り組みを追った。(※写真提供:再春館製薬所)
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きっかけは数件の問い合わせ

 「宅急便コレクト お届け時電子マネー払い」(電子マネー払い)は、通販商品等の受け取り時に、「宅急便」のセールスドライバーが携行する携帯端末で電子マネー決済ができるというもの。現金との併用のほか、決済金額に応じたポイントが付与されるのが特徴だ。

 これまでの展開では、ポイント付与がフックとなり、平均購入金額が1万円超になるなど、ヤマト側の見込みを上回るペースで推移。さらに従来からの「Edy」「nanaco」「WAON」に加え、5月23日から「Suica」「ICOCA」「SUGOCA」などJRを中心とした交通系電子マネーへの対応が始まり、有力通販事業者の間でも注目度が高まっている。

 こうした中、再春館製薬所(再春館)は今年4月1日に「電子マネー払い」を導入。その端緒は、顧客の声だったという。

 熊本県益城郡にある本社「つむぎ商館」のコールセンターには、顧客から1日数千件の入電がある。その中で「電子マネー払い」に関する問い合わせが入り始めたのは、「昨年秋ごろから」(立石満美お客様満足室室長)。この時点での「電子マネー払い」に関する問い合わせは2、3件程度に過ぎなかったが、これに着目したのが"お客様プリーザー"(同社では「人を喜ばせる人」という意味を込め、コールセンターのオペレーターをお客様プリーザーと呼ぶ)だった。

 同社では、例え1件の声であっても、必要と判断すればサービスなどの導入を検討するという。この考え方が顧客ニーズに対するプリーザーの感度を磨き、まだ少数の「電子マネー払い」に対する顧客の声を拾い上げた形で、プリーザーの提案をもとに全社的なサービス導入の検討が始まった。

検討課題あるも顧客利便性重視

 導入の検討過程では課題も浮上した。電子マネーは、小銭代わりの小額決済で利用するには便利だが、主力商品である「ドモホルンリンクル」の価格と電子マネーのチャージ上限金額の兼ね合いを考えると、顧客に利便性を感じてもらえるかなどが懸案事項となった。だが、最終的には決済メニューの拡充やポイント付与のメリットが顧客の利便性向上につながると判断。『Edy』『nanaco』『WAON』だけで顧客が利用するのかという疑問もあったが、ヤマトフィナンシャルから交通系電子マネーの対応が始まると聞き、「今後、お客様のニーズも高まり、利用して頂けると思った」(立石満美お客様満足室室長)。こうした検討の結果、サービス導入を決めた。

利用伸び率は全国トップクラス

 実際のサービス提供は4月1日からだが、再春館によると、実際の利用状況としては、最初にサービスの利用があった4月17日から5月9日までの期間における「電子マネー払い」の利用件数が110件で、代引き決済全体に占める割合は1%。平均購入金額は1万9000円台で推移しているという。
 「電子マネー払い」比率1%は、低い水準のようにも見えるが、ヤマトフィナンシャルによると、「導入開始からの構成比の伸びは、全国でもトップクラス」(松本年弘九州統括支店長)。購入金額についても、現金を含めた代引きの平均購入金額を上回り、2万円前後の全体平均と遜色のない水準で、再春館でも、予想以上の成果と評価する。

 同社の場合、お買い得感に敏感な30~50代の女性層が中心顧客であることから、ポイント付与のメリットが「電子マネー払い」利用の動機付けになっているようだ。

順調推移支える告知方法の工夫

 「電子マネー払い」の順調な推移を支えるもうひとつの要素と言えるのは、顧客に対するサービスの告知だ。これまでにも、サービスの告知方法を工夫している通販事業者が利用件数や購入金額を伸ばす傾向が見られたが、再春館でも、この定石を踏襲。「電子マネー払い」を展開する上で、最も重要な事項のひとつと捉えている。

 同社が本格的に「電子マネー払い」の告知を始めたのは4月中旬から。自社サイトのほか会報誌、注文用シートなどでの展開で、サイト上では、トップページの新着情報でサービスを告知し、そこから決済手段の説明ページへ誘導。説明ページでは、使用できる電子マネーを分かりやすくするためブランドマークを目立つように表示するほか、利用方法などの情報を提供している。

 説明ページへのアクセス件数(5月23日から31日)は、トップページからが約40件、商品注文時が約100件という状況。これは、利便性やメリットのある決済手段に対する顧客の関心の高さをうかがわせる同時に、サービス告知の重要性を表したものと言える。

 決済手段の拡充は顧客の利便性を高めることにつながるが、同社では、実際に利用してもらうためには、サービス内容やメリットを分かりやすく伝え、顧客が選択しやすくすることが重要と分析。「電子マネー払い」を選んでもらう上でも、「告知や説明をより分かりやすく、使いやすい形にしていくことが今後の課題」(立石室長)としている。

交通系で新たな客層の利用期待

 「電子マネー払い」は、顧客の利便性向上を主眼に導入したものだが、再春館では、電子マネーユーザー層となる顧客の開拓にも期待。この部分では、すでに電話対応で代引きを希望した顧客や電子マネー保有率が高い年代の顧客に「電子マネー払い」を案内する取り組みも行っているが、さらに5月23日から対応が始まった交通系電子マネーが大きなポイントになると見ているようだ。

 同社の場合、顧客の4割が交通系電子マネーの保有率の高い首都圏に在住。「Suica」や「PASMO」で代引き決済ができるようになれば、「電子マネー払い」のメリットを享受できる顧客が一気に増え、サービスの利用拡大につながる。また、通勤・通学などで幅広い年代層が保有していること考えると、新しい顧客との接点になる可能性もある。

 顧客の声を受け「電子マネー払い」を導入した再春館製薬所。その理想形は、決済の利便性向上でファンを増やし、末長く商品を利用してもらうことになる。同サービスは、まだ始まったばかりだが、すでに顧客から「電子マネーが利用でき買いやすくなった。今後もすっと『ドモホルンリンクル』使いたい」という声も寄せられており、今後の展開に手応えを感じているようだ。

大広、"動画"で通販支援開始、テレビ通販のノウハウを活用

テレビでの"インフォマーシャル"のノウハウを"動画"に。広告代理店の大広(本社・東京都港区、高野功社長)は6月1日から、通販実施企業向けに「動画」を活用したネット販売支援サービスを始めた。動画の立案から、同社が強みとするテレビ通販支援のノウハウを活かしユーザーを引き込む「売れる動画」の制作、ソーシャルメディアと絡めた集客、効果検証のレポートまで一貫した支援を行う。価格を抑えた展開で大手企業のほか、中小規模の通販事業者も開拓したい考え。


大広が始めたのは「ビデオコマース」という動画を使ったネット販売支援サービス。

 多くのテレビ通販実施企業のインフォマーシャルを手がけ、ノウハウを培ってきた大広によるとモノを売るために効果的な映像の要素として「体験談」「実演・デモンストレーション」「成分・メカニズムの解説」「開発者・担当者の秘話」「現地レポート」「問題提起」――の6つがあり、商材や訴求ポイントごとにそれらの要素を取り入れ、ネット上での視聴に適切と言われる3~4分程度の動画を必要に応じていくつか作成する。

 映像内で商品が登場したタイミングで「商品画像を動画横にポップアップさせ、クリックすると商品詳細にリンクするような仕掛け」(同社)や「はじめに基本的な商品紹介の動画を流しつつ、例えば化粧品であったら動画の途中で『あなたの肌はどのタイプ』と言ったように、タイプごとに動画を複数作り、クリックすると選んだ動画が引き続き再生されるような仕組み」(同)などを盛り込み、導入通販サイトの実購買率アップにつなげたり、「ツイッター」や「フェイスブック」などのソーシャルボタンを付加し、動画をフックにくちクミを誘発させ、ソーシャルメディアから新規顧客開拓につながるような工夫も取り入れた。

 動画は「ブライトコーブ」「カルトゥーラ」「ウリザ」という3つの主要動画配信サービスを状況に応じて使い分けて配信するという。

 ネット関連事業のコンサルを行うビズスタイルと組み、単に動画を制作するだけでなく、ターゲット分析やニーズ調査を行った上での動画の企画立案から実際の制作、運用管理、効果分析のレポート提出まで一貫した動画によるネット販売支援サービスを提案する。

 価格は案件ごとに異なるが「3、4本の動画制作と企画立案から効果検証のレポートまで行い、150万円程度」(同)と安価に抑え、メーカーなどの大手企業だけでなく、中小模規模の通販企業にも利用を促していきたい考え。

SGシステム 通販系物流システム販売、5年後10億円目指す

 SGホールディングスグループのSGシステムは、中国のシステム開発会社・常州発創ソフト有限公司(同・中国江蘇省常州市、陳躍薫事長)と合弁会社を設立し、中国で通販事業者向けの物流システムの開発・販売事業に乗り出す。中国市場への進出を目指す日本の通販事業者が増える中、ネット販売関連の物流システム化や付帯サービスのニーズが増えると見ており、5年後に10億円の売り上げ規模としたい考えだ。

 SGシステムと常州発創ソフトは今年7月1日付で、合弁会社の無錫飛達物流軟件有限公司(本社・中国江蘇省宜興市)を設立。資本金は200万元で両社が50%ずつ出資し、代表者(薫事長)にはSGシステムの安延社長が就く。

 常州発創ソフトは、中国の企業および政府部門の業務ソフト開発のほか、SCMやWMSなどの業務パッケージの開発・販売を手掛けており、特に物流関連のシステム開発などで強みを持つという。

 合弁会社では、中国市場に進出する日本の通販事業者や現地事業者をターゲットに、ネット販売向けの物流システム開発や出荷・在庫管理システムの構築、運用サービスを提供。佐川急便などSGホールディングスグループが培ってきた通販関連の物流ノウハウ、中国の物流事情に詳しい常州発創ソフトの知見を活かし、「専門性の高いサービスを提供していく」(SGシステム)とする。

 営業活動は、SGシステムおよび常州発創ソフトが展開する予定。導入費用などの詳細は、現在詰めている段階だが、「競合を分析し、遜色のない形にする」(同)という。

 今後、提供するサービスの拡充を進める意向で、常州発創ソフトが運営するデータセンターを活用したクラウドサービス化や、通販サイト構築なども構想。こうした取り組みにより、中国市場への進出を目指す通販事業者の取り込みを図る構えだ。

注目の支援サービス――gooya「ギフトナウ」=SNSの知人にプレゼント

7men.jpg インターネット関連事業を手がけるgooya(ゴーヤ)ではギフトに特化したネット販売支援サービスを展開している。住所を知らないネット上の知り合いにもプレゼントを贈れる仕組みで、大手仮想モールや通販サイト、クーポン共同購入サイトなどのギフト需要を喚起している。これまでもメールアドレスだけで商品を発送できるサービスはあったが、SNS上の知人にも対応した同社のサービスは注目を集めている。

 同社のプレゼント宅配サービス「ギフトナウ」は、届け先の住所を知らなくてもツイッター、フェイスブック、ミクシィといったSNS上の知り合いやメールアドレスを知っている相手であれば、プレゼントを贈ることが可能。

 商品を贈る場合は「ギフトナウ」のサイトで贈る相手のソーシャルメディアアカウントやメールアドレスを入力し、ギフトIDを購入する。「ギフトナウ」のシステムが相手側のアカウントやアドレスにメッセージを送信し、相手側から住所が入力されると「ギフトナウ」の配送センターのデータベースに配送先が登録される。入手した住所は「ギフトナウ」で所有し、贈り手には知らされない。

 一方、贈り手はラッピングの種類やメッセージカードの内容などを指定した後、「ギフトナウ」の配送センターに商品を発送。センターに届けられた商品は内容の確認後、ラッピングやメッセージカードを作成し、それぞれのギフトIDにひも付いた配送先にプレゼントが発送される。

 サービスの利用料は通常1000円(提携する店舗は800円)で、送料のほかシステム利用料、ラッピング費用、メッセージカード作成費用、ラッピング前と後の商品撮影費用などが含まれている(沖縄、離島への発送にはプラス500円が掛かる)。なお、配送先は今のところ国内のみ。

 同サービスは一般ユーザー向けと法人向けに展開。一般ユーザーに対しては「ギフトナウ」のサイトでサービスを提供しているが、法人向けの場合はネット販売事業者の通販サイトなどにシステムを組み込み、そのサイト内で手続きが完了できるようなっている。

 現在、ヤフーの「ヤフーショッピング!」やカルチュア・コンビニエンス・クラブの「ツタヤオンライン」など数サイトと提携。4月末にはクーポン共同購入サイト「KAUPON(カウポン)」にシステム提供し、クーポン券のギフト発行にも着手した。

 同社によると、ネット販売市場のうちギフトは全体の10%を占めており、「まだ手薄なECギフト市場で一番を目指す」(杉村社長)としている。

ネットマイルとモディファイ  「いいね!」でポイント、UAのFBページで

7-1.jpg ネットマイルとモディファイは共同でフェイスブックページの支援事業を展開する。モディファイのフェイスブックページ制作・運用支援サービスに、ネットマイルのポイント付与システムを導入。第1弾事例として、5月10日からユナイテッドアローズ(UA)が展開する「グリーンレーベル リラクシング」のフェイスブックページで「いいね!」ボタンをクリックすると共通ポイント「ネットマイル」を付与するキャンペーンを開始した。


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イマージュ、通販代行を強化、IBFと提携、両者のノウハウ活かす

イマージュ(本社・高松市、沼田憲孝社長)が通販代行事業を強化する。ネット販売支援のインターネット・ビジネス・フロンティア(IBF=本社・東京都渋谷区、宇都雅史社長)と組み、5月から支援事業を展開する。ネット販売への参入を検討する企業から、さらなる売り上げ拡大を目指す企業まで、幅広い会社をターゲットとする。初年度は10~20社への導入を目指す。イマージュでは近年、主力の衣料品通販の低迷が続いているが、事業の多角化を進めることで、業績の立て直しを図る。


新サービスの名称は「ECフルサポート」。フロントからバックヤードまでをサポートする。基幹のネット販売システムはIBFが、出荷代行など物流サービスの部分はイマージュが担当する。

 イマージュが持つ高松市内の物流センターを、ネット販売企業から委託された委託された商品の出荷場とする。倉庫の稼動床面積の拡張など、事業拡大に伴って起きる問題に柔軟に対応するほか、顧客ごとに梱包する礼状を変える、プロモーションごとに梱包する販促物を変えるといった事業者からの要望にも、きめ細かくフォローできるのが強みだ。

 ネット販売システムはIBFの「おもてなしECシステム」。ASP形式で提供する。メール配信機能やSEO、効果測定ツールなど、販促から顧客分析までの機能を備えたほか、カスタマイズに柔軟に対応しているのが大きな特徴だ。顧客からカスタマイズ依頼があった際に、他の顧客でも必要となる機能の場合は追加料金がかからないという。

 セミナーを共催するなど、営業活動は両社で行う。イマージュがこれまで培ってきた通販に関するノウハウや、カスタマイズに対応するIBFのシステムなどを強みとしてアピールする。ネット販売への参入を検討する企業や、現在使っている倉庫が手狭となったネット販売企業など、月間出荷数2000件以上の事業者が対象となる。

 化粧品や健康食品を扱うネット販売企業の利用を想定。楽天市場など仮想モールの店舗に関しては在庫連携を行う。

 価格は応相談。ただし、「類似サービスに比べて安く提供する」(IBFの宇都雅史社長)という。

シュガー・インク コーデ作成ツール提供、出版社がCS向上に活用

071.jpgオンラインメディア事業を手がける米シュガー・インク(本社・サンフランシスコ)は4月中旬、ファッション検索サイト「ショップスタイル」のコーディネート作成ツールなどを集英社とアシェット婦人画報社に相次いで提供した。シュガーは出版社サイトで作成された質の高いコーデ作品を「ショップスタイル」にも反映させて投稿数を増やす。一方の出版社側は開発費をかけずにファッションコンテンツの拡充につなげる狙い。

   シュガーが提供するのは「ルックエディター」サービス。検索サイト「ショップスタイル」で展開する商品画像を組み合わせて自分なりのコーデを作成するツールや、ユーザー同士でコメント投稿ができるソーシャル機能、ファッションアイテムの検索機能などを提供する。

 出版社は「ルックエディター」を導入して"ユーザー参加型"の新コンテンツをスタートし、顧客満足度の向上などにつなげたい意向で、集英社、アシェットともに独自の工夫で差別化を図る。

 集英社はファッション情報サイト「s―woman〓net」内にコーデを作成できるコンテンツを開設。ユーザーは同サイトのエディターが選んだアイテムやモデルなどの画像、同社通販サイト「FLAG SHOP」がセレクトするアイテム画像、他社通販サイトの商品画像でコーデを作成できるようにしたほか、「ショップスタイル」の商品紹介機能を活用して同サイトに掲載しているアイテムからトレンドアイテムを紹介するコンテンツを設けた。

 一方のアシェットはファッション情報サイト「ELLE ONLINE」にコーデ投稿機能を活用したバーチャルなスタイリングコンテストを開催する(画像)。

 ユーザーは同サイト上で紹介している人気コンテンツの画像や通販サイト「ELLE SHOP」の商品画像などを使って、毎月テーマに沿ったコーデ作品を投稿し、優秀コーデには「ELLE SHOP」の買い物で利用できるポイントを付与するという。

 今回のサービス開始により、シュガーと提携する約90の通販サイトは「ショップスタイル」だけでなく、出版社サイトからの導線も加わることになる。

 また、出版社にとってもコーデで使用された画像をユーザーが気に入れば、自社通販サイトの購買や、提携する通販サイトで購入に至った場合でもアフィリエイト収入が得られるメリットもある。

 昨今、消費者のファッションへの感度は高く、「エディターだけがトレンドを発信する時代ではなくなった」(今井礼子シュガー・インクカントリーマネージャー)ことから、コーデ機能とSNSとの親和性を重視したコンテンツは増えそうだ。




 

ディノス、オフィスの節電分を被災地へ寄付

7kata.jpg 震災に伴う原発事故を受け、節電を心がけている企業は多いが、ディノスでは「オフして寄付」という節電活動を3月から実施し、効果をあげている。

 オフィスで使用する照明を部分的に消灯(写真)したり、離席の際はパソコンのモニターをOFFにしたり、2台あるコーヒーメーカーのうち、1台を使用禁止とするなど細かな節電を行い、電気代を削減し、当月と前年同月の電気代の差額を被災者に寄付する試み。まずは今年9月まで実施する考えだ。

 ディノスでは環境貢献活動を全社的に推進しており、これまでも節電を心がけ年々、オフィスの電気料金を下げてきた。それだけにこれ以上の節電は難しいのでは、と思っていたようだが、実際に3月分の電気料金を見ると「(前年同月比で)13~14%の削減となっていて、驚きました」(同社環境・社会貢献活動担当の山内三保子氏)という。すでに3月分は「フジネットワーク募金」を通じて日本赤十字社に寄付(※今後は「FNSチャリティ」を通じ、ユニセフに寄付)したという。

 これまで実施していなかった照明の部分的な消灯にかなりの節電効果があったほか、震災直後ということもあり、社員の節電意識が非常に高く、「PCモニターのOFFが徹底されたことも大きかったのでは」(山内氏)と分析する。加えて、「オフして寄付」という試み自体に節電意識を高める効果もあった。

 「震災直後は皆、節電への意識は高いが、効果を出しながら"継続していく"には別のモチベーションが必要になる。この試みは入社3年目の若手社員3人から震災後、提案されたアイデアだが(提案を受けた時に)非常に良いアイデアだと思った」(山内氏)。

 単に節電を心がけるのではなく、節電すればその分だけ寄付金が増える。「オフして寄付」で"節電モチベーション"を保ちながら、今後も節電に励んでいく考えだ。

新社長に聞く――テレコメディア・橋本力哉氏「新評価体制を構築」


7men.jpg 通販系業務などを中心にテレマーケティングを行うテレコメディア(。前期はコールセンター部門が約15%増となるなど、好調に業績を拡大している。設立30周年を迎えた今期は、新5カ年計画を策定。オペレーターの新たな評価体制や多言語対応サービスなど、従来にない取り組みを進めていく。今後、どのような方向性で事業を強化していくのか。4月、新社長に就任した橋本力哉氏に話を聞いた。(聞き手は本紙記者・河鰭悠太郎)

 ――新社長に就任した。現在の心境は。

 「まずは大きな不安もなくスタートできる環境だったと思う。今年が30年の節目なので、永続させるため次に繋いでいくことが重要だ。そこで心構えとして、経営理念への理解を深めることや強みを活かすことなどのメッセージを打ち出した。特に強みについては、他に類例がない取り組みにこだわっていきたい。『てっぺん思想』と呼んでいるが、自社や日本、世界で初めてとなる何か新しいことをやろう、ということだ。それにコミュニケーション、情報の収集、コンプライアンスの遵守などを加えた考え方を基に、新たなテレコメディアをスタートさせる」

 ――今後の事業計画を伺いたい。

 「品質をフロントに立てた新5ヵ年計画を推進していく。応対品質の向上、クライアントに我々の存在価値をアピールして必要とされる会社にすること、人材育成など従業員向けの取り組み、雇用も含めた社会貢献、そして安全・安心など、5つの項目を立てている。直近では、まずは人事制度の改革。人事体系を一斉に変える計画を立てていて、個人の成長を実感できる形にするつもりだ。ポイント制を導入し、アルバイトのアテンダントと社員を同じテーブルに載せて評価できる仕組みを構築している」

 ――ポイント制とは。

 「一人ひとりのスキルを数値化して可視化できるようにする。例えば、『通販化粧品についてこれだけの経験がある人がいる』とか、『アウトバウンドの経験がこれだけある』とか、そういう形でスキルを可視化できるようにするわけだ。今の我々の規模ならまだ、キメ細かい範囲でそうした仕組みを作ることは可能。土台を作っておけば、クライアントに『こういう人がいる』と提案できる。正社員と非正社員、という概念を払拭し、スキルが高いアルバイトであれば社員と同じように評価できるようにしたい」

 ――いつごろから具体化するのか。

 「下期から開始する。今は枠組みを構築している段階で、これは4月末にはある程度完成するはず。その後で評価をする。まずはアテンダントから始めるが、最終的には現場のオペレーションすべてを対象にしたいので、現場に絡む人は社員もアルバイトも等しく評価していく」

 ――評価の基準は。

 「勤続年数やこれまで経験してきた業務の内容、勤怠など。一人ひとりのことを知るためにも、可視化することが大事だ。我々もアテンダントへの理解が深まり、アテンダントもポイントが貯まるなどで少しでも定着率が高まればいいかな、と」

 ――新しいサービスについては。何か構想しているのか。

 「多言語対応が芽を出しつつある。まずは英語と中国語、韓国語だ。インドがアメリカのコールセンターの受け皿になっているように、日本がそうなってもいいと思っている。コールセンターのグローバル化とは何かを考えてみて、『安かろう悪かろう』でオペレーション効率だけを求めて海外に出ていくやり方もあるが、国内で外国の方が働く場所を作るやり方でもいいんじゃないか、と。日本の文化を使ったグローバル化を進めたい」

 ――業務内容は。

 「まずは通訳から始める。昨年10月に実証実験を行った。中国から医療観光で来た人達を対象に、ドコモの携帯電話と我々のコールセンターをくっつけてインフラを提供したわけだ。そうした部分から始め、いずれは海外向け通販などの業務にも対応できればと思う」

 ――今後の目標などは。

 「フルフィルメントなどで、得意分野同士が集まった取り組みをしたい。システム会社、物流会社、決済会社......異業種の他社を集めてネットワーク化し、受託などの際のアレンジ役として関わりたい。コールセンターはすべてに携わる中核的な存在なのでアレンジ役に向いていると思っている」

【ニュースの断層】 ヤマトHD  産業再生支援の受け皿を

 6-1.jpg東日本大震災被災地の支援策として、4月から来年3月までの1年間、毎月「宅急便」の取り扱い1個につき10円を寄付すると発表したヤマトホールディングス(ヤマトHD)。1企業で130億円の寄付はかなりの規模。同社の年間業績(10年度業績見込み)で見ても、営業利益で約20%、純利益で約40%のインパクトがあり、同社の木川社長も、「正直、社長としてこれをやるべきか悩んだ」という。それでも実施を決断したのは、次のステップとなる水産業や農業など基幹産業の復興に一刻も早く着手する必要があると考えたためだ。

 すでに企業や団体、個人などから、日本赤十字社などを通じ、多額の義援金が寄付されているが、通常、こうした受け皿を通じた寄付は、被災者の当面の生活を支えるために使われることが多い。

 一方で、産業再生のために寄付をしたいという企業も少なくないはずだが、産業再生を目的とした寄付の受け皿はあまり見当たらないのが実情。木川社長自身、被災地を視察した際にも、原発事故の問題で先行きが不透明な福島を除き、岩手および宮城県側は、「これからは復興だと言っていた」(同)こともあり、実際のお金の使われ方にギャップを感じたようだ。

 ただ、今回の震災は被災地域が広く、復興までに要する時間と金額が莫大になることは想像に難くない。このため130億円規模にもなる寄付を決めたわけだが、同時に政府に対し、一企業として「被災地のために資金を出していく用意があるということを示した」(同)とする。

 つまり、ヤマトHDとしては今回の寄付で政府の被災地支援策に一石を投じ、産業再生のための公的な受け皿作りを検討してもらいたいわけだ。

 仕組みは幾つかあるが、同社が一例として挙げるのは、政府主導による産業分野別の公的な基金の創設。拠出先が分かる公的基金であれば株主にも説明しやすく、賛同する企業は主体的にお金を出しやすくなる。また、寄付先への資金拠出のスピードアップなども期待できるほか、「無税であれば民間の資金がかなり出てくるのではないか」(同)と見ており、関係省庁などへ説明をしていく考えだ。

 被災者の当面の生活支援は大切なことだが、ヤマトHDでは、被災者の今後の生活基盤、"働く場"となる産業基盤の再生も同様に重要と見ている。「宅急便」を活用した寄付金の使い道は産業再生の支援にウェイトを置く考えだが、生活基盤の部分でも、被災者に働く場ができた時に子供を預ける場所作りなどへの活用も視野に入れる。

 今回の震災では、通販事業者でも義援金の寄付や支援物資の提供などの取り組みを展開している。今後の復興の過程では、衣料品や家財など商品提供を中心とした被災者の生活基盤復支援に貢献していくことになるが、やはりその根底にあるのは、生活の糧を生み出す産業の再生。ヤマトHDが投じた一石が産業再生支援の新たな潮流を生み出すか、今後の動向が注目されるところだ。

化粧品製造企業の通販展開、サティス製薬の山崎智士社長に聞く

化粧品原料の通販開始
旧態依然とした産業構造に別れ


化粧品の受託製造を展開するサティス製薬が化粧品原料の販売事業を始める。同社は昨年、全国各地の生産者を巡り化粧品の国産原料100種を開発する「ふるさと元気プロジェクト」を始動。今後、ネットを中心にBtoB通販を展開するが、中間事業者を介した原料供給が当然の業界にあって直接販売を行うことは、化粧品製造業界に対するアンチテーゼでもある。旧態依然とした産業構造に一石を投じようとする山崎智士社長に狙いを聞いた。
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ふるさと元気プロジェクトの進捗状況は。
 
「現在、69品目の国産原料をラインアップし、100品目が視野に入りました。受託事業者が独自素材を持つことは珍しいことではありませんが、品目数では国内最大ではないかと思います」

 プロジェクトの狙いは。

 「化粧品のルーツは欧州の『ハーブ』や中国の『漢方(生薬)』など海外に求めるケースが優位に働き、日本の国産原料は消費者の購買心理を喚起するキーワードになり得ていません。今後、『メイド・イン・ジャパン』を掲げ海外展開を視野に入れた時、国産素材が化粧品原料として優秀であることを示すために原料販売していくことが必要であると考えました」

 国産素材の価値の創造と原料販売はどうつながるのか。

 「精進料理をはじめ和食が健康食として海外で注目されたように、海外に打って出るには何かシンボルが必要だと思います。ただ69品目の素材を並べ立てても中身が伴わないのでは、珍しい素材で終わってしまう。これまでは自社で製品化するだけでしたが他社にも原料を供給していくことで、自然派性的に日本にも優秀な素材があることを海外に伝えていきたいと考えました。(自社開発の独自素材を販売することは)一時的に当社の競争力を弱めることにはなりますが、海外展開の際"国産原料で1番の会社"であることは強みにもなります」

 これまで原料メーカーからの原料調達には常にディーラー(中間事業者)が介在していた。通販展開する理由は。

 「これまで業界に身を置いてきて不思議に感じてきたことがあります。それは何をするにしても中間事業者が介在していること。原料メーカーが新素材を開発して扱いたいと思っても"価格は代理店に聞いて下さい"となってしまう。彼らはある種の"情報ハブ"となり、原料メーカーと製造事業者をつなぐ橋渡し役になることで存在感を示してきました」

 「ただ、ネットの普及をはじめ産業全体の様相が変化する中、中間事業者でなければ持ち得ない情報は少なくなり、存在感を失いつつあります。にもかかわらず、未だに製造業者は一部大手を除き原料メーカーと直接取引できず、商品開発を進める上では水を差し、その中間マージンは商品の価格に反映されます。こうした古い流通形態に囚われたくないという考えがありました」

 直接販売により、古い産業構造に一石を投じると。

 「それほど大それた考えを持っているわけではありません。ただ、今の業界は本当の意味で競争に晒されていないと感じます。市場に流通在庫が溢れる一方で小売事業者の新規参入が相次ぎ、製造量は増加して業界は潤う。化粧品業界の市場規模が2兆円程度にも関わらず、1000社以上の製造事業者が存在していることが、いかに競争が起きず、淘汰が起きていないかを物語っています。そのような環境下で原料の供給体制に代表される旧態依然とした産業構造を抱えていては真の競争力など身につきようもありません」

 今後の原料販売事業の展開はどういったステップで今後進めていくのか。

 「5月の化粧品関連の展示会『化粧品産業技術展(サイト・ジャパン)』に出展して、9月をめどにBtoBの通販サイトを立ち上げる予定です」

 海外展開のめどは。

 「2012年~13年に何らかの行動は起こしたいと考えています」



アマゾンジャパン、中部に初の物流センター、全国では6カ所目

物流代行事業の拠点にも

アマゾンジャパンは4月1日、愛知・常滑市に新たな物流拠点を開設、稼動を開始した。家具などの大型商品を中心に、同社が取り扱う商品を概ね在庫し、中部地域への発送の中心拠点とする。また、「Amazon.co.jp」の出店事業者を対象とした物流代行サービス「フルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)」の対応拠点としても機能させ、FBAのサービス強化と利用企業数の拡大を図る。

愛知・常滑市に開業したのは「アマゾン常滑FC(フルフィルメントセンター)」で中部地域では初、全国では6カ所目の物流拠点となる。同拠点はグループの物流企業、アマゾンジャパン・ロジスティクス(本社・千葉県市川市、瀧井聡社長)が運営する。

 「常滑FC」の延べ床面積は明らかにしていないが、「全国6カ所の物流拠点の延べ床面積の合計は30万平方メートル程度」(同社)としていることから、これまで開示していた5拠点の合計延べ床面積(約23万平方メートル)から単純計算すると、常滑FCの延べ床面積は推定で6万平方メートル以上と見られ、千葉の「市川FC」や大阪の「堺FC」と同規模の大型物流拠点だと見られる。

 同拠点では家具など大型商品を中心に、衣料品や靴、時計などのファッション関連商材を除いたアマゾンで販売する商材を在庫し、中部地域の物流拠点として機能させる。通常物流のほか、アマゾン出店者を対象に商品をあらかじめ預かり、受注データを元にピッキングから梱包、発送を代行するFBAの拠点としても活用する。なお、FBA対応の拠点は千葉の「市川FC」「八千代FC」に続き、3カ所目となる。

 なお、アマゾンではFBAにこれまで対象としていなかった「食品」を年内をメドに加える予定としており、現状で唯一、食品の管理が行える設備を持つ「市川FC」以外に、食品管理対応拠点を拡充する方向性のようだが、今回の「常滑FC」に関しては「食品が管理できる施設ではない」(同社)としている。

 また、今年中をメドに開業を目指していた「アマゾン岩沼フルフィルメントセンター」(宮城・岩沼市)は「現時点では何もコメントできない」(同社)としているが、東日本大震災の影響で開業時期は現状、不透明なようだ。

製紙各社の主力工場が被災、通販業界への影響も

 東日本大震災は製紙業界にも大きな被害をもたらしている。各社の主力工場が被災し操業を停止。日本製紙連合会では篠田和久会長(王子製紙社長)が「新聞・印刷情報用紙生産関連の主力工場が被災しており、需要家に迷惑をかける可能性がある。停止や停止を予定していた設備の稼働も検討している」とコメントを発表した。操業停止が長引けば、通販カタログや折込チラシで印刷用紙を使う通販企業にも影響を及ぼしそうだ。

 日本製紙では、津波で壊滅的な被害を受けた宮城県石巻市にある石巻工場をはじめ、宮城県岩沼市の岩沼工場、福島県いわき市の勿来工場が操業を全停止している。このうち、石巻工場は津波により工場内に大量の土砂やがれきが流れ込んでおり、復旧には時間がかかりそうだ。

 大王製紙は子会社で新聞用紙・段ボール原紙の生産工場、いわき大王製紙の本社工場(福島県いわき市)が被災し操業を停止。建物や生産設備の被害は軽微だったものの、福島第一原子力発電所の事故を受けて操業再開を延期していた。

 独自に放射線量の測定を行うなど安全を確保した上で、24日に新聞用紙、25日に段ボール原紙の製造機械の操業を再開している。

 三菱製紙では、印刷用紙の主力工場である、青森県八戸市の八戸工場が津波の影響で操業を停止。工場の1階部分が浸水し、電気系統などに被害が出ており、本格操業再開は5月中旬となる見込み。

 製紙各社では停止設備の再稼働などで印刷用紙の供給不足に対応する方針だが、関連工場の被害により資材調達が困難となっているほか、福島第一原発の事故や東京電力管内での計画停電により工場の操業にも影響が出てきている。

 日本製紙連では、通販カタログなどで使われるコート紙など、印刷用紙の供給不足に関して「可能性はある」(広報部)としている。

 4・5月に発行する総合通販各社の夏カタログに関しては、すでに用紙の確保が終わっているものとみられるが、恒常的に発行する折込チラシや、夏以降に発行する秋冬カタログに影響が出てきそうだ。

コールセンター各社に聞く――大震災の影響は

 3月11日に発生し東北・関東を中心に深刻な被害を出した東北地方太平洋沖地震。通販業界同様、テレマーケティング各社にも決して小さくはない影響をもたらしている。各社とも人的被害やシステム面での被害については現時点では大きな問題はなかったが、震災後の計画停電による業務の縮小・停滞などで影響が出たようだ。また、コールセンターは「人」が資源なため、鉄道ダイヤの乱れも業務に支障をきたす要因となった。テレマ各社に聞き取り調査した震災の影響をまとめた。

 トランスコスモスでは、被災地となった仙台のコールセンターの運営を全面的に停止。同拠点の担当業務を他の拠点に移行した。計画停電の影響は、多摩センターと川口センターが対象となったが、蓄電池装置の活用や省電力による対応などで対処。クライアントとの相談で継続案件を決めるなどするケースもあるという。オペレーターなどへの人的被害については一部、安否を確認している状態。交通抑制による出勤への影響はシフトの組み合わせなどで対応している。

 ベルシステム24でも仙台コールセンターの業務を停止。再開予定については、「状況を確かめる手段が限られている」(ベルシステム)ため、メドは立っていないという。計画停電は対象地域として4拠点が入ったが「現時点ではあまり影響は出ていない」(ベルシステム24)。オペレーターの体制についても通常通りではないが、人の調整などで対応しているようだ。

 もしもしホットラインの仙台拠点も、一部の業務を除いて停止。システム面の被害なども「しばらく調査が必要」(もしもしホットライン)な状態だという。こうした状況を受け、東京のスタッフが仙台の拠点へ支援物資を自ら運搬。水や食料、燃料などを「人海戦術で」(同)届けているようだ。

 テレマーケティングジャパンは自社拠点には被害はなかったが、東北のインハウス受託先で業務が停止した。交通抑制による出社への影響はクライアントと相談し、業務の縮小・停止やオペレーターの調整などで対応しているという。

 ツーウェイシステムでは震災直後、交通抑制の影響などで東京のコールセンター業務の大部分を停止。継続案件は鳥取や大阪など自社の他センターに移すことで対応した。
 ベルウェールでは、システムへの被害やアクセスの影響はなかった。計画停電への対応としては、回線をアナログにするなどのアナログ対応を提案している。

宅配便各社 震災の影響で東北6県の荷物扱い停止

 3月11日午後に発生した東北地方太平洋沖地震は、通販商品の配送にも影響を及ぼしている。有力宅配便各社では、甚大な被害が出た東北6県等での荷物の集配を停止しており、通販利用顧客が多い首都圏についても、交通事情から大幅な遅配が生じる可能性から、時間帯指定や食品等の冷蔵・冷凍配達サービスの取り扱いを見合わせるところもある状況だ。さらに福島原発の停止に伴う計画停電の実施により、地域によっては営業店での荷物の集配や物流拠点での業務などに影響が出る可能性もある。


 ヤマト運輸では、被害が甚大だった東北6県と北海道、茨城県で「宅急便」などの集荷・配達を停止していたが、3月14日から、北海道全域と茨城県の一部について「宅急便」や「クロネコメール便」の集配を再開した。

 ただ、東京、神奈川、埼玉、千葉、栃木、群馬、山梨などと、北海道間の発着荷物については、輸送ルートが安定しないため、配達に1週間から10日程度の遅れが生じる可能性があるとしている。このため、鮮度が求められる食品などで「クール宅急便」を利用する顧客に対し、「セールスドライバーが予め配達が遅れる可能性があることを予め説明した上で、荷物を受け付ける形にしている」(広報)という。

 なお、被災地に所在する営業店等の被害状況については現在調査中。交通渋滞が予想される首都圏での配達については、3月14日の段階で「特に大きな遅れはない」(同)としている。

 一方、佐川急便では、地震発生直後から北海道および東北6県での荷物の集配を停止(北海道は航空便は集荷可能)。12日には茨城県での集配もストップしており、交通事情が不安定な東京および神奈川、千葉、埼玉、群馬、山梨向けの荷物についても、時間帯サービスと「飛脚クール便」の集荷を一時停止した。

 佐川急便によると、日曜(13日)は首都圏でも特に配達の遅延はなかったが、企業の営業日に当たる月曜日(14日)の段階では、「(14日)着分の荷物の状況がまだ把握できておらず、配達にどの程度の遅れが出るかは読みきれない」(広報部)としている。

 このほかに同社では、計画停電の実施で営業店や物流拠点の業務にも影響が出る可能性があると見ており、「できる限りの対応ができるようにしていく」(同)考え。因みに佐川急便では、東北6県に所在する営業店で全壊が6店舗、一部損壊が14店舗の被害が出ているという。

 また、郵便事業会社では地震発生翌日の3月12日に、北海道および青森、秋田、岩手、宮城、福島、茨城各県全域あての「ゆうパック」「ゆうメール」「ポスパケット」の引き受け停止を発表した。

 その後、13日夕方に北海道について愛知、岐阜、三重からの差出し荷物、および北海道から東北6県以外の地域への差出し荷物の引き受けを再開。ただ、配達に大幅な遅れが生じる可能性があることから、保冷が必要な荷物の引き受けは引き続き停止。北海道と東北6県、茨城以外の地域の発着分については、保冷扱いの荷物も扱っているという。

 現地支社・視点等の被害状況については、現在調査を進めている段階で、「被災地の住民の方に郵便物等をいかに届けるかを考えている」(渉外広報部)としている。

アマゾンの「ジャバリ」無料返品を1年間に延長、ポイント制度も開始

"ロコンド"に対抗か?

アマゾンジャパン(本社・東京都渋谷区、ジャスパー・チャン社長)は3月3日、運営する靴と鞄の通販サイト「ジャバリ」で商品購入後に無料返品に応じる期間を30日から1年に延長した。加えて同7日からは購入額に応じポイントを付与するポイント制度も開始した。競合の靴の通販サイト「ロコンド」が2月に本格的に事業を開始、返品期間を99日とする等の攻勢に対応した措置との見方もある。靴のネット販売の覇権を巡って両社の攻防戦は激化しそうだ。

「ジャバリ」はこれまで未開封・未着用、室内でのみ試し履きした靴などのいくつかの条件を満たした商品について、商品到着後、30日以内であれば、送料は同社持ちで顧客には無料返品に応じてきたが今回、これを365日に延長したもの。

 また、3月7日からは購入額に応じ付与し、決済時に1ポイントを1円分として使用できるポイント制度「Javariポイント」を開始。ポイント制度はアマゾン本体では展開中だが、ジャバリでは実施していなかった。なお、「アマゾンポイント」との互換性はない。今後はモバイル通販サイトにも導入予定。

 こうした「ジャバリ」の動きの背景には2月から本格的に事業を開始した「ロコンド」をけん制する目的があるようだ。「ロコンド」は全商品送料無料など「ジャバリ」と同様のモデルだが、無料返品期間は「ジャバリ」のこれまでの30日を上回る99日、また「ジャバリ」にはない電話サポートの実施や、テレビCM放映など攻勢を強めている。こうした競合の動きをけん制するため、「ジャバリ」はこのタイミングで様々な施策を打ち始めたと見られる。

ヤフー サンプル事業を積極化、ダイエーと共同でネットと店頭を連携

 ヤフーがサンプリング事業を積極化している。ダイエー(同・東京都江東区、桑原道夫社長)と連携し、インターネットとダイエー店舗網を活用したサンプリングサービスに着手。ヤフーの専用サイトでユーザーを募りダイエー店頭で配布する仕組みで、食品や日用品メーカー、通販実施企業などを対象にサービスを展開する。ヤフーはファミリーマートとも同様の連携を行っており、今後も様々なリアル店舗と連携してサービスを行っていく考えだ。

 同サービスは実証実験という位置づけ。まずは2011年3月から9月頃までの期間で、首都圏のダイエー直営30店舗で展開する。店舗は実験結果により順次、拡大する予定だ。

 具体的には、ヤフーが新商品やセール情報配信サービス「ヤフーデリバー」を活用してヤフー会員にサンプル情報をメール告知し、自社のサンプル配布サイト「プレモノ」に誘導。サイトを訪れたユーザーがアンケートに回答したのち、当選者に対して当選メールを配信する。当選者はメールに記されたURLから専用のバーコードクーポンを取得して、ダイエー店頭でクーポンとサンプル商品を交換する仕組みだ。

 サンプル商品を受け取ったユーザーには、商品を試した感想を「プレモノ」内のアンケートページで回答してもらう。サンプルに対する好意度や購買意向、使用後の購買の有無、当選者の来店率、店内購買率、受取店舗の継続利用意向などを測定して基礎データを収集し、サービスの本格運用につなげる計画だ。

 ヤフーでは現在、並行する形でファミリーマートなどと連携して同様のサンプリングサービスを展開している。「双方にメリットがある」(ヤフー)と捉えており、今後も他のリアル店舗と組み、ネットの広告・プロモーションと店舗を連動させたサンプリングサービスを行っていく構えだ。


ペイパル、スマートフォン向け決済サービス

6kata.jpg インターネット専用の決済サービス「ペイパル」を提供するペイパルジャパンは2月21日、スマートフォン向け決済システムの提供を開始した。

 同社は2010年に国内での本格展開を開始。昨年の総取扱高は前年比約50%増、中でも国内間取引額が倍増以上となるなど、導入サイトが増加している。今後は中小サイト向けカード決済サービスの提供も予定しており、さらなる取扱高増を目指す。

 同社では昨年4月に本格展開を始めてから、物販関連ではニッセンの海外サイトや東急ハンズの「ハンズネット」、さらにはクーポン共同購入サイトでの採用が相次ぐなど、導入サイトを増やしている。「ハンズネット」では、ペイパルの利用で39%のポイントを付与するキャンペーンを実施し、期間中の購入単価は通常の3・1倍、取引件数は4・1倍になったという。

 新サービス「モバイルエクスプレスチェックアウト」では、アップルの多機能端末「iPhone」「iPad」とグーグルのOS「アンドロイド」を搭載したスマートフォンに最適化した。
 既存のモバイル向け決済は手数料が10~30%必要なケースもあるなど高額だったが、新サービスの決済手数料は2・9~3・6%+40円、少額決済の場合は5%+7円で利用できる。

 利用者はペイパルのIDとパスワードで決済できるため、カード番号を入力する必要がないなど、利便性が向上。また、通常のモバイル向け決済は携帯電話キャリアやカード加盟店の承認までに時間がかかるが、ペイパルの場合はすぐにアカウントが解説できるのも特徴となる。

 さらには、中小通販サイト向けのカード決済サービスも近日中に開始する。手数料をスマートフォン向けサービスと同額に抑えたほか、決済の成立と同時に入金が完了する。また、決済画面を通販サイトに合わせたデザインにすることもできる。

 決済手段も多様化。ペイパルのユーザー登録をしなくてもカード決済ができることを、利用者に分かりやすく示すようにしたほか、通販サイトの商品を、電話やファクス経由でカード決済により注文を受ける場合のペイパルでの決済にも対応している。

ヤマトグループ、冷凍食品などの海外通販支援

 ヤマトグループは、日本の事業者が扱う冷凍・冷蔵の食品をアジア各国で販売する際の支援事業の展開を構想している。現在、構築を進めている「宅急便」の海外ネットワークを活用する試みで、今年7月にも、既に「宅急便」のインフラが整備されている台湾で取り組みを開始。新たに「宅急便」事業を始めている中国・上海やシンガポールなどでも体制が整い次第、同様の展開をしていきたい考えだ。

 台湾では、現地の統一グループが中心となって「宅急便」を手掛けている。今回の取り組みは、台湾での日本食ニーズと、海外で自社の商品を販売したい日本企業のニーズをマッチングさせる試みで、第1弾として食品のカタログ販売を行う北海道ゼネラルフーズ(本社・北海道函館市、園田哲三社長)と組み、カニシャブセットやシシャモなどの海産物を頒布会形式で販売。価格は送料込みで1個5000円前後になるようだ。

 冷凍の商品を苫小牧港から船を使い台湾に運ぶ仕組みで、「通関作業などを含め4、5日程度で現地に届く」(ヤマトホールディングス広報)という。また、現地では、統一グループが営業を行い、「宅急便」のセールスドライバーが荷物の配達時などにチラシを配布するなどして顧客を開拓する。

 台湾では、10年ほど前から統一グループが「宅急便」事業を展開しており、「『宅急便』のインフラが整備され、販売力もある」(同)ことから、日本企業と連携した冷凍・冷蔵食品の展開に着手。ヤマトグループでは現在、アジア圏で「宅急便」ネットワークの拡充を進めているが、「まずインフラの整備に注力し、将来的に地域に根ざした形で販売力がつけば、台湾以外でも同様の展開ができると思う」(同)としている。

ヤマトホールディングス  香港で「宅急便」事業をスタート

 6-2.jpgヤマトホールディングスは2月8日から、香港で「宅急便」事業を開始した。海外での「宅急便」事業としては、台湾、シンガポール、中国・上海に続くもので、アジアでの「宅急便」ネットワークがさらに拡充された形だ。

 香港での「宅急便」事業は、子会社の香港ヤマト運輸を通じて展開するもので、現地では初となる小口冷蔵・冷凍宅配の「クール宅急便」や「時間帯指定お届けサービス」、代引きの「宅急便コレクト」など日本と同様のサービスを提供。また、開業当初からコンビニ(一部除く)で荷物の発送手続を行えるようにするほか、香港から日本や台湾、シンガポール、上海などアジアの主要都市に荷物を簡単に安く届ける「国際宅急便」も展開する。

 中国をはじめアジアへの進出を検討する日本の通販事業者にとって、課題は商品の配送や決済。日本で培われた「宅急便」の高度なサービスは、海外向け通販を展開する上での差別化策としても期待できそうだ。


トドクック、物流体制の見直しに着手、3年後売上高30億円、営利2億円へ

食材の宅配を行うトドクック(本社・大阪市西区、田中正社長)は今期、配送体制の見直しに着手する。物流コストの効率化で、商品原価や広告宣伝費などを確保する狙い。今期売上高は前期比12・6%減の26億1800万円、営業利益は5200万円を計画。3年後の売上高は30億円、営業利益2億円を目指す考えだ。


物流体制の見直しの一環として昨年12月から全営業所の閉鎖に着手。これまで物流センターから出荷した商品を営業所で仕分けし、営業スタッフが個別に配達していた体制を変更する。2012年までに全営業所を廃止し、物流センターから直接顧客の自宅へ配送する体制に再構築する。配送コースの統廃合と人員の削減などで物流コストの効率化を図るほか、販売管理などをシステム化することで業務管理コストを削減する方針。

 これに合わせて2月から、新規顧客開拓の選任チームを本格稼動させる。ポスティングやチラシなどを通じて問い合わせのあったユーザーへ戸別訪問し、サービスや商品の説明を行う。また、カスタマーサポートセンターを新設し、顧客満足度を向上していく考えだ。

 加えて、異業種との業務提携も検討する。食材宅配の配送ルートを活用してもらうことで収益性の改善につなげたい考え。

 これらコストの改善により、広告宣伝費を確保。年間1000件の顧客数純増を予定し、売上高は年間2億円積み増しする計画だ。

 なお2010年11月期売上高は前期比17・6%減の29億9800万円、営業損失は1億2500万円(前期は300万円の損失)だった。顧客数の伸び悩んだほか、客単価が1割低下したことが要因としている。

ヤマトHD「9カ年経営計画」 新市場創出し成長めざす、独自サービス拡充へ

 ヤマトホールディングスは1月28日、2011年度からスタートする9カ年の経営計画「DAN―TOTSU経営計画2019」の概要を明らかにした。ノンデリバリーの新規事業創出を通じた国内での成長と、アジア市場での事業拡大を骨子としたもので、ソリューション力や配送品質、顧客満足などでアジアナンバーワンの地位確立を目指す。この長期経営計画では、通販事業者もターゲットに据え、新たな機能・サービスを提供していく構えだ。

 今回の経営計画では、グループのソリューション力を活かし、国内を中心に新規事業を多数立ち上げるとともに、成長が見込まれるアジア市場での業容拡大を進める。

 まず、国内ではネットスーパーには止まらない少子高齢化に対応した「生涯生活支援プラットフォーム」を構築し、地域や社会に貢献する新規事業の創出を構想。また、「宅急便」の"ラストワンマイル ネットワーク"にグループ各社が手掛けるITやロジスティクス、決済等の機能を連携させた独自の流通ソリューション事業創出を目指す。

 現在、ヤマトグループでは45の事業を展開しているが、長計最終事業年度にこれを100事業にまで拡大させる計画。「既に組織的に動いている新規事業の種が40程度ある」(市野厚史経営戦略担当執行役員)としており、中には通販関係のものもありそうだ。ノンデリバリー事業の収益拡大は長計のポイントなっており、同事業の営業利益構成比を現在の30%程度から50%超にまで引き上げる考えだ。

 また、アジア市場については、引き続き「宅急便」の展開エリア拡大を進める。すでにシンガポール、中国・上海などで「宅急便」を展開しているが、今後、人口の多い中国湾岸地域や韓国などへの進出も構想。国際的な「宅急便」のネットワークを拡充し、普通に「通販で注文した商品が海外の在庫から届く」(同)ような展開を構想する。

 長計の第1段階となる13年までの3カ年では、個人会員組織「クロネコメンバーズ」の会員数拡大や情報のフルデジタル化、ネットワークの高度化など、今後の高付加価値サービス提供を睨んだ基盤強化とともに、「宅急便」などデリバリー事業の収益力向上を推進。今年度末の「メンバーズ」会員数は600万人弱で着地する見込みだが、長計最終事業年度には数千万人規模としたい考えだ。

 また、ノンデリバリー事業では、代引き電子マネー決済など"軒先決済"市場の深耕を推進。ネット販売の注文商品を短時間で顧客に届ける「トゥデイ・ショッピング・サービス」(TSS)についても、昨夏から展開している台湾を足掛かりに海外ネットワーク化に着手。現状、どの国・地域から展開するかは公表していないが、「『宅急便』のネットワークがあるところでは『TSS』を導入する」(同)という。

 ヤマトホールディングスでは通販事業者について、「B〓Cの強みを活かせる点からも一番のターゲット。特にネット販売系の事業者に使ってもらいたい」(市野経営戦略担当執行役員)としており、今後、通販事業者向けのサービスをさらに拡充していく考えのようだ。

【本紙フルフィルメント調査㊦】 決済手段1位は"代引き" 

7kata.JPG 前号に引き続き、本紙が昨年12月に実施した主要通販・通教実施企業へのフルフィルメント業務に関するアンケート調査から、「決済」に対する回答(57社)を見ていく。

 本紙調査で「最も利用されている決済手段」は、09年夏に実施した前回調査から2ポイント増の「代金引換」が最も多く、全体の36%を占めた。

 次いで同3ポイント減の「コンビニ決済」が30%、「クレジットカード決済」は横バイの23%となり、上位3つの決済手段で全体の9割を占める結果は、前回から大きく変わっていない(図表)。

 全体としては、新規参入企業が多く、市場が拡大しているネット販売の決済手段として「代金引換」と「カード決済」が支持されているほか、利便性や安心感などで「コンビニ決済」も引き続きニーズが高いとみられる。

 最も利用されている「代金引換」については、各カテゴリーを通じてシェアが高いが、老舗の百貨店通販各社では顧客年齢層が高く、以前からの決済手段を引き続き利用している消費者が多いこともあり、同決済手段がトップだった。

 「コンビニ決済」は若年女性を主要顧客とする総合通販企業や、健食・化粧品分野での利用が目立った。

 グループのセブンイレブンでの店頭受け取り(決済は現金かnanaco)を始めたそごう・西武の化粧品通販サイトでは、「送料がかからないこともあって同サービスの開始後はリピート率が向上している」(広報)とするケースもある。

 「カード決済」の利用は衣料品・服飾雑貨・宝飾品のカテゴリーで多く、とくに比較的、高額商品の多い宝飾品ではカード決済が主力のようだ。

 カード決済はサイト運営者にとっても、利用者の手間がかからない分、販売機会を逃さない利点があるが、カード番号を含めた顧客情報の流出事故が後を絶たないこともあり、セキュリティー面への不安などから今回調査では増えなかった。

 今回、最多の決済手段として「電子マネー」を挙げる企業はなく、少額決済やデジタルコンテンツなどに使用範囲が限られている状況は変わらないようだ。ただ、電子マネーを「導入済み」としたのは10社で、そのうちEdy対応が9社、Suica2社、DCMX1社だった。

 「導入を検討している」企業は26社で、「導入しない」とした21社を上回った。また、検討中の企業ではEdyやSuica、クイックペイ、nanaco、Waonの導入を計画しているという。(おわり)

アッカ、佐川と連携し中国で物流支援

 撮影代行などを手掛けるアッカ・インターナショナルは佐川グループと組んで衣料品ネット販売企業などを対象とした物流支援業務を中国で開始した。第一弾は、子供服のネット販売でも急成長しているコージィコーポレーション(同・大阪市中央区、〓林更次社長)の物流改革に協力。生産国で検品・検針作業などを行うほか、日本への定期輸送便を活用するスキームに切り替えることで、商品配送のリードタイム短縮やコスト削減につなげる。

 アッカは今回、佐川グローバルロジスティクス(SGL)の子会社で検品・検針業務などで実績がある佐川喜楽客思物流(佐川シロックス物流)の上海拠点を有効活用する。

 具体的なフローは、コージィが複数持つ中国の生産工場から佐川シロックス物流の上海拠点に商品を集め、現地で検品・検針作業を行う。

 その後、コージィが日本で展開する70以上のリアル店舗ごとに商品を仕分け、佐川急便の送り状を発行。通販商材については1店舗分としてまとめる。

 検品や仕分け作業が済んだ商品は海上輸送用のコンテナにまとめられ、SGLが手当てする定期輸送便で東京港に送る。通関業務やコンテナ荷役業務といった面倒な作業もSGLが担当するという。

 その後、商品はネット販売用の撮影業務を行っているアッカのスタジオ兼物流拠点が入るSGLの基幹物流センター(川崎市)に移して仮保管し、すぐに各店舗向けに配送する仕組みだ。

 従来、コージィは商社主導の出荷体制を組んでいたため、現地の生産工場を出た商品がすべて日本に届くまでに2~3週間かかるケースもあったが、「定期便で送る新しいスキームなら1週間を切れる」(加藤大和社長)ほか、必要な数量だけをジャストインタイムで運ぶこともできるという。

 また、これまでは日本で行っていた検品・検品、各店舗向けの仕分け作業を中国内で行うことで、コスト削減にもつながるとする。

 アッカでは、1月20日からトライアルとして10万ピースの商品を1週間以内に上海から東京に届ける取り組みを試しており、これが順調にいけば新しいスキームを本格稼働する計画だ。

 最近では、通販サイト用の撮影拠点を中国に設置する動きなども出てきているが、肝心の商品の輸送にはほとんどの場合、商社が介入しているため、スピードアップを図りにくいのが実情のようだ。

 アッカでは既存の"商流"を変える可能性がある今回のスキームで通販実施企業の物流改革を支援し、そこから写真撮影などフルフィル業務の獲得にもつなげたい意向だ。

【本紙フルフィルメント調査㊤】 運送会社は宅配2強で85% 

 6-2.jpg通販新聞社は、昨年12月に主要通販・通教実施企業を対象にフルフィルメント業務に関するアンケート調査を実施し、66社から回答を得た。「最も利用している運送会社」について聞いたところ、「佐川急便」と「ヤマト運輸」の宅配2強の利用率が合わせて85%を占めた。一方で運送会社を選択する基準としては、景気動向を反映して「コスト」を優先する企業が最も多かったが、「輸送品質」を重視する傾向が強まっていることも分かった。今号から2回にわたり調査結果を見ていく。

 本紙調査では、「最も利用している運送会社」は「佐川急便」と「ヤマト運輸」で、2社の利用率を合わせると全体の85%に上り、他を圧倒した。

 特に、「佐川急便」を最も利用する企業が全体の44%を占め、09年夏に実施した前回調査からは4ポイント減ったものの、首位を守った。一方の「ヤマト運輸」は41%で、前回(33%)から7ポイント伸ばした。
 「ヤマト」と「佐川」以外では、「郵便事業会社」が15%で、今回は「自社便」や「その他の配送会社」を最も利用する企業はなかった。

 一方、「運送会社を選ぶ基準」については、重要な順に3項目を選んでもらい、これをポイント化して集計したところ、「コスト」が130ポイントと最も多く、全体としては景気低迷を反映する向きが根強いものの、「輸送品質」が113ポイントに上ったほか、「全国配送への対応力」も73ポイントとなり、通販実施企業が重視していることが分かった(図表を参照)。

 また、初めて「輸送以外の付加価値提案」を挙げる企業があった一方で、今回の調査では「海外配送への対応力」を選択した企業はなかった。

 「その他」を選択した企業の中には、「ステークホルダーとの関係性」(ジュピターショップチャンネル)や「サービスレベル全般が重要」(セシール)とする意見もあった。

 また、過去1年間に運送会社を変更した企業にその理由を聞いたところ、「輸送品質の向上・改善のため」(ミキモト、ミキハウストレード、ふくや)と品質面を挙げる企業が多く、品質重視の傾向が高まっていることを裏付ける結果となった。

 そのほか、「顧客利便性と配送サービスレベル向上のため」(ニッセン)や、「倉庫移転に伴って」(マードゥレクス)、などの意見があった。 (つづく



大地を守る会  翌々日配送を開始、来期ネット販売売り上げ2倍へ

 大地を守る会は1月20日から、配送リードタイムを短縮化し、翌々日の配送を開始した。お届け日の指定は従来の平日に加え、土曜日の指定ができるようになった。これまで受注発注を行っていたためリードタイムは一週間だったが、予測受注を導入し在庫を保有する体制に変更。販売動向と連動した販促企画を行い、在庫リスクを軽減する。週末に受け取りたいユーザーの利便性向上を図り、2012年3月期のネット販売売上高は前期比2倍に拡大する考えだ。


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ニュースの断層、"普及プラン"は見えず、カード決済の本人認証推進へ

日本クレジット協会と日本クレジットカード協会は昨年12月14日、ネット販売のクレジットカード決済に関するガイドラインを公表し、新規加盟店を対象に、カード番号・有効期限に加えて、セキュリティーコードや、本人確認サービス「3Dセキュア」による本人認証を義務付けることを定めた(前号で既報)。今年3月以降、新規に加盟店契約をして、通販サイトでクレジットカードを取り扱う場合は本人認証を必須とするほか、すでに通販サイトでカード決済を実施している企業への適用も段階的に行う方針。ガイドラインに強制力はないとはいえ、既存の通販企業への影響も出てきそうだ。

 不正な手段で入手したクレジットカード番号を通販サイトで使用するケースが後を絶たないが、背景にあるのはカード番号と有効期限だけで購入できるというセキュリティーの低さだ。

 日本クレジット協会では、前身となる日本クレジット産業協会時代から、ネット加盟店の売上高上位100店に対して本人認証の導入を呼びかけており、「うち6割程度は何らかの形で認証を設けている」(日本クレジット協会業務企画部)という。しかし、ネット販売市場全体では、カード番号と有効期限を入力すれば商品が購入できる店舗がまだ大半を占めているのが実情となっている。

 普及が進まないのはなぜか。一つは決済システムを独自構築している場合、3Dセキュアの導入にはシステム開発や運用コストが必要なこと、もう一つはパスワードを入力することで支払いまでの工程が長引くため、利便性が落ちることだ。

 しかし、警察からも業界を挙げた取り組みを求められていることや、「『他サイトが導入すればうちも導入する』という意見を受け入れていたのでは、いつになっても普及は進まない」(同)ことからガイドラインの制定に至った。

 とはいえ、独自にカード会社と加盟店契約を結ぶような大手が新たに新規加盟店となるケースは考えにくく、対象は中小規模の店舗が大半となりそうだ。こうした店舗は決済代行サービスを利用することになるため、まずは決済代行会社を通して本人認証の導入を進めていく。この場合、3Dセキュアを利用することによる追加料金はほとんど発生しない。

 ただ、既存の通販サイトへの適用も進めなければ安全性の向上は望めない。まずは決済代行会社を通じて既存サイトへの導入を行うことになりそうだが、具体的な普及プランについては「まだ立っていない」(同)のが実情だ。"手本"を示すべき大手サイトの中にも、「決済の前にログインを必須にしている」などの理由で3Dセキュアの導入に難色を示すケースがあるという。

 もう一つ大きな課題となるのが利用者への周知だ。3Dセキュアは利用者が前もってパスワードを登録する必要がある。未登録者の場合、認証画面は表示されないため、認証の存在自体を知らない消費者は多いのではないか。また、中小を中心に3Dセキュアに対応していないカード会社も少なくないほか、アメックスやダイナースカードのように未対応の国際ブランドもある。

 ガイドラインでは「将来的にはワンタイムパスワードなどの動的認証への移行も視野に入れる」としているが、具体策は決まっていない。利便性と安全性を両立できる仕組みはまだ見えてこないが、ネット販売に対する無用の規制を招かないためにも、安全性の向上は必須。カード業界・通販業界がともに協力し合いながら解決策を模索していく必要がある。

千趣会イイハナ、"当日バイク便"が好調、まず東京23区から

1日4便まで選択可能に

千趣会イイハナは配送面の強化を進めている。昨年12月から、自社のフラワーギフト通販サイトで"バイク便"を活用した当日配送サービスを開始。1日4便、商品を配送する時間帯を自由に選択できる仕組みで、バイク便業者と提携してまずは東京23区内でサービスを展開。通販サイトの利便性を高め、顧客の利用促進や新規客の開拓を狙う。利用状況は「想定の倍の注文が入っている」(千趣会イイハナ)とし、立ち上がりは好調のようだ。
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同社ではもともと、出荷サービスとして当日出荷・翌日配送の「お急ぎオーダー」を展開。今まではこれが最短だったが、顧客からのニーズが多いことから、台風や渋滞に強くドライバーの質が高いバイクでの当日配送に着手。商品レベルや配送時間の制限など、現在普及している当日便サービスの課題と同時にシステム連携の問題を克服し、このほどサービスの本格展開に踏み切った。

 通販サイト「イイハナ・ドットコム」で開始したのは「当日バイク便」。受付時間を1日に4段階設け、午前の1便から最終の4便までで当日配送する。配送時間を幅広く選択できるのが強みで、例えば最も早い午前の時間帯に注文した場合、1便から4便まですべての配送時間が選べる仕組み。サイトの専用ページには常時、受付終了までの残り時間をカウントダウン形式で表示。選択できる「お届け時間帯」も表示する仕様になっている。送料は通常料金に900円の特急料金が付く形だ。

 また、配送時の商品の開封確認や、不要な段ボールの持ち帰りサービスも実施。ドライバーの質が高いバイク便ならではのサービスだという。

 同サービスは都内のリアル店舗と連携して展開。対象商品は現在13アイテムで、在庫の問題で扱いが難しいプリザードフラワーも販売。「3割はプリザードフラワーの利用」(同)とする。利用者は検索経由の新規客が7割を占め、可処分所得の高い女性客が中心だが、通常の客層と比べて男性が多い傾向も。記念日での利用が多いようだ。

 今後は状況を見て、主要都市での横展開も視野に入れていく。利便性の高いサービスを提供し、さらなる通販サイトの利用拡大につなげる。



〝くちコミ〟メディア大流行、各社に聞く「利用する販促ツールは?」

011.jpg「多く利用されているのはブログとツイッター」。通販新聞社がこのほど、通販実施企業を対象に「利用する販促手法」についてアンケートを実施したところ、「販促ツール」として、ブログとツイッターがほぼ同程度利用されていることが分かった。クーポン共同購入や動画サービスなど新しいサービスも続々登場している今、通販事業者にとって今後も「使える」サービスとは何か。調査結果を見ながら、今後を占ってみる。

ツイッター、7割が利用

 アンケート では、まず「新たな販促手法への取り組み」として、通販実施各社に現在活用している販促手法について質問。「ブログ」「SNS」「ツイッター」などのソー シャルメディアから「ユーチューブなどの動画共有サービス」「ユーストリームなどの動画配信サービス」といった動画サービスまで、実際に販促ツールとして 活用しているものを複数回答可で選択してもらい、集計結果をグラフ化した(表①参照)。

 アンケートの結果、「販促ツール」として通販事業者が最も利 用しているのは「ブログ」と分かった。全回答に占める割合は71・7%と多く、今や通販事業者にとって欠かせない販促ツールとして「定番」化している現状 が浮き彫りになった。「ブログ」はユーザーとコミュニケーションを取れると同時に新商品の紹介も行えるなど、多目的な活用ができる便利なツール。今回のア ンケート項目の中では以前からある「古株」だが、依然、必須ツールとして利用されているようだ。

 2位は「ツイッター」で、全回答に占める利用比率は「ブログ」とほぼ同程度の69・2%。ツイッターは一昨年末ごろから徐々に注目を集め、ドラマの効果などもあり、昨年に入って一気にブレイク。通販事業者もその高い速報性と情報伝播力に着目し、導入する動きが相次いだ。

  まだ本格的に流行し始めてから1~2年足らずだが、顧客とのコミュニケーション、新商品の紹介・誘導、独自キャンペーン、リアルイベントや他のネットサー ビスとの連動......などさまざまなシーンで活用できる利便性の高さから、早くも欠かせない「販促ツール」として定着したようだ。これまでの流れから、今後も 利用する企業は増加し続けると予想できるため、今年「最も利用される販促ツール」の最右翼と言えるかもしれない。

動画サービスが躍進

 3 番目は、ミクシィやフェイスブックに代表されるコミュニティ型サービスの「SNS」。ただ、全回答に占める割合は41・2%と、「ブログ」や「ツイッ ター」に比べるとだいぶ落ちる。これらのサービスに比べると開始するのに手間とコストがかかるのが一因と見られるが、ユーザーを「囲い込む」ツールとして は高い効果が期待できるのも確か。海外SNSのフェイスブックを通販で活用する動きも一部で出始めており、今後も注目しておくべきツールだ。

 4 位は「ユーチューブなど動画共有サービス」(30・7%)。動画は商品を立体で見せることができるなどのメリットがあり、多くの説明が必要な商材では、特 に効果を発揮する。「ユーチューブ」など既存のサービスを活用することで手軽に開始できるため、近年通販事業者の利用が増加している。

1.jpg また、注 目したいのは6位に「ユーストリームなど動画配信サービス」が10・2%で入っていること。これを足した「動画関連サービス」は40・9%となり、SNS に迫る勢いだ。誰でもカメラとPCさえあれば「テレビ通販」ができる「ユーストリーム」は、まだ通販に利用しているのはネットプライスやケンコーコムなど 数社だが、「ツイッター」との連動もできるなど、高いポテンシャルを秘めている。これらの動画サービスが今年以降、大流行する可能性は高いだろう。

ツイッターは「商品誘導」が大多数

  5位には「デジタルサイネージ」が12・8%で入った。時間や設置場所によって配信内容をコントロールできるため、消費者を"待ち伏せ"できるメディアと して通販事業者からも徐々に注目を集め始めている。コマーシャル映像を流すテレビCMのような使われ方が今後、一般化するかどうか、注視しておくとよいか もしれない。

 そして7位が「クーポン共同購入サービス」。比率は5・1%と今回の選択肢の中では最も少なかったが、リクルートやUSENなど大 手も続々と参入するなど市場は拡大の一途を辿っており、今後、通販事業者の活用が増加するのは必至だ。まだ多くの企業は「様子見」の段階だが、差別化策の ひとつとして検討する余地はありそうだ。

022.jpg 以上が、通販事業者が利用している販促手法の現状だが、では、ここで急速に普及しており、おそらく今年、最も利用されるであろう「ツイッター」の活用状況について詳しく見ていきたい。

  ツイッターの活用方法について、各社に編集部が用意した複数の項目から選択してもらったところ、最多は「自社サイトで販売する商品への誘導」で、全回答数 に占める割合は79・1%と、約8割の通販事業者がツイッター経由で商品紹介を行っていることが分かった(表②参照)。

 2番手は「フォロワー限定キャンペーンの告知」で45・8%。次に「質問窓口など顧客とのコミュニケーション」(25・0%)、「その他」(20・8%)が続く。また、目的をひとつに限定せず、複数のアカウントを使い分ける手法を採用しているケースもあるようだ。

"フェイスブック"の可能性は?

033.jpg  では、肝心のツイッターの効果はどうだろうか。アンケートの回答は、「効果はある」は29%、「どちらともいえない」が63%、「効果を感じない」が8% という結果だった(表③参照)。ツイッター経由での販売以外は効果が可視化しづらいため、「効果はあると思うがはっきりとは分からない」というのが各 社の本音のようだ。

 2.jpg具体的な成果の例としては、「数量限定商品が即日完売した」「コンバージョンレートが高い」など直接販売に結びつくものや、「フォロワーからのリクエストで新分野とのコラボレーションができた」など新企画に結びつくものがあった。

 044.jpg最後に、今年国内でのブレイクが予想される海外SNS最大手の「フェイスブック」について。

 今後の活用について聞いたところ、半数以上が現時点では「あまり興味がない」(55%)と回答した(表④参照)。

 次に「活用したいと考えている」(28%)、「すでに活用している」(17%)。ただ、「活用したい・している」という肯定的な意見も45%と半数近くになるため、国内での利用者の母数が増加すれば、ツイッターのように一気に活用が進む可能性もある。

◇記者の視点◇

〝フェイスブック〟に注目

  3.jpg今回調査では「利用されている販促ツール」の上位3つをブログ、ツイッター、SNSの「3大ソーシャルメディア」が独占。今や"くちコミ"が通販では欠かせない販促手法となっていることが分かった。そこで、今後、こうした「くちコミを誘発する販促ツール」がどうなるか、その動向を大まかに予想してみたい。

 まず、より利用が進むと思われるのはツイッター。手軽にリアルタイムの情報を配信でき、他のソーシャルメディアとの連携も可能で応用が利くため、「代表的な販促ツール」として定着すると考えられる。コミュニティ型の「SNS」も、代表格のミクシィが簡単に商品などを「くちコミ」できる「チェックボタン」を導入するなど活発な動きを見せており、利用が広がる可能性が高いだろう。

 そして、SNSで最も注目したいのは海外最大手の「フェイスブック」だ。ミクシィ同様、簡単にくちコミできる機能を実装しており、楽天やヤフー、ニッセンなどの大手企業も専用ページを開設した。まだ通販事業者の利用は多くないが、国内におけるユーザー数が拡大すれば「最有力」な販促ツールとなる可能性もある。今年はこれらのサービスの動向を注視しておく必要があるだろう。





「注目の支援サービス」イムラ封筒 茶殻入り〝エコ封筒〟、DM用などに需要

 封筒の企画・製造、販売などを手掛けるイムラ封筒は、昨年6月から、飲料メーカーの伊藤園(同東京都渋谷区、本庄大介社長)と共同で開発した「お茶殻入り封筒」を販売している。

 同商品は、伊藤園が「お~いお茶」を製造する際に使用した茶葉をリサイクルすることを目的に共同開発したもの。茶殻を封筒の原料となる木材パルプに配合することで、製造の際のパルプ使用量削減にもつながっている。「お~いお茶」500ミリリットルのペットボトル50本分の茶葉から、100枚(角形2号)が製造できる。

 カテキン成分が残るように、特別な保管方法で腐敗を防いだ茶殻を原料に利用しており、香料を使用しない自然な茶殻の香りが楽しめるようになっている。一般のクラフト紙に比べて透けにくいため、情報保護性にも優れている特徴がある。また、糊適正(接着力)についてもクラフト製と同等だという。イムラ封筒は「製紙メーカーと研究しながら紙を何度もすき直し、紙粉が出ないような現在の形を開発した」(営業企画管理部)という。

 同商品のメーンサイズは2種類(写真)。長形3号が1000枚で1枚約8円から(1色入り)、角形2号が500枚で1枚約15円から注文を受け付けている。ともにDMやカタログ配送などでの需要を見込んでいる。

 すでに食品関連の通販会社などがカタログ配送用の封筒に採用している事例もあり、イムラ封筒は「特に環境意識の高い企業から好評を得ている。お茶の香りがするので、DMで使うと消費者へ与える印象も変わってくる」(営業企画管理部)とする。

 イムラ封筒では当初、法人向けを中心に販売していたが一般消費者からの問い合わせも多く、今冬中にウェブマーケティング企画などを手掛けるおちゃのこネット(本社・兵庫県神戸市、岡野幹生代表)が運営する仮想モール「おちゃのこネット」で、BtoCのネット販売も開始する予定だ。

丸井、通販サイトに店頭在庫表示

 丸井グループは、ネットとリアル(店舗)の連動を強化する。一環として、12月10日から自社通販サイトの取り扱い商品に店頭在庫を表示する取り組みを始めた。スタート時は通販サイトで販売する商品の40%に当たる約2万型を対象とし、順次、拡大させて顧客の利便性向上につなげる。ひとつの通販サイトで複数ブランドのファッションアイテムの店頭在庫を検索できるサービスは国内では初めてという。

 丸井では、通販サイト「マルイウェブチャネル」で購入したい商品のカラー、サイズを選択した後、「マルイ店舗在庫をしらべる」ボタンをクリックすると、1点以上在庫がある店舗と売り場の名前、問い合わせ用の型番が表示されるようにした。

 在庫データは1時間ごとに更新し、表示された店舗名をクリックすると、別画面で代表電話番号と営業時間なども出てくる。

 同社では、店頭と通販の垣根がなくなりつつあるとしており、実際、店舗の利用客にウェブアンケートを実施し、来店前に丸井のウェブサイトを見るかどうか聞いたところ、「よく見る」(12%)もしくは「たまに見る」(41%)と回答した顧客が過半を占めたという。

 このため、通販サイトで扱う商品がどの店舗に残っているかを表示することで、ウェブで下見をして店頭で購入したい消費者や、ウェブで見た商品が今すぐ欲しいという顧客のニーズに応える。

 丸井の店頭連動の取り組みについては、2008年11月にネット販売と店舗の在庫を一元管理し、通販サイトで商品が品切れしている場合でも、店頭在庫を引き当てることで欠品を防ぐ取り組みを開始。現在、通販サイトで扱う型番の約40%に対応しており、今回の店頭在庫表示はこれらの商品が対象になっている。

 一方、09年4月には通販利用者が不満に感じる「試着できない」「返品が面倒」などの声に応えて、ネットで購入した商品の試着や受取り、返品ができる「ウェブチャネルパーク」を新宿マルイ本店に設置。現在は横浜や大阪など計5店舗に対象店舗を広げている。

ニッセン、書店のデジタルサイネージ拡大

 ニッセンは出版関連企業向けシステム提供を行う光和コンピューターと組み、書店設置のデジタルサイネージ(電子看板)を使った広告事業の展開拡大に乗り出した。雑誌等で扱う商品や書店イベントの広告などを掲載するもので、12月13日から設置店舗数を順次拡大。書店のカタログ配布で強みを持つ自社の特徴を活かしたBtoB向け事業として育成するとともに、自社通販での活用も進める構えだ。

 ニッセン等が展開するデジタルサイネージ「ほんやチャンネル」は、書店に設置した端末に雑誌や書籍、DVDなど書店で扱う商品の広告や店舗で行うイベントの情報などをオンラインネットワーク経由で配信する。

 端末のサイズは、高さ約75センチメートル×幅約50センチメートル×奥行き約77センチメートルで、15型液晶ディスプレイやLEDディスプレイ、内蔵スピーカーを搭載。「フェリカ」対応機能も装備し、「おサイフケータイ」対応の携帯電話を使ったクーポン発行などもできる。また、時間帯や地域に応じて広告内容を変えることができるため、設置場所の立地特性、来店客層などに応じた展開をしやすいのが特徴だ。

 「ほんやチャンネル」については、昨年10月から首都圏の書店約50店舗でテストを実施。テストで放映した商材などの詳細は公表していないが、化粧品通販実施企業も利用したという。この際に広告放映対象商品の売り上げが伸びるなどの効果が見られたことから、設置店舗数を拡大することにした。まず、年内から年明けにかけて設置店舗数を首都圏の150店に広げ、来年度中には関東地区で300店体制を構築する計画だ。

 当初は、出版取次ぎ大手の日本出版販売およびデジタルサイネージ関連事業を手掛けるストリートメディアと組んでの展開だったが、設置店舗の拡大に当たっては、光和コンピューターと連携。ニッセンが広告出稿依頼の受け付けなど、光和コンピューターが機器の保守などを担当する。広告出稿などの料金体系は、現状非公表としている。

 ニッセンは「ほんやチャンネル」について、BtoBの新規事業として育成を進める一方、自社で行う書店での無料通販カタログの配布でも活用していく考え。地域や時間帯などに応じた情報配信ができる「ほんやチャンネル」の特徴を活かしたピックアップ率向上策や、購入促進策の展開なども視野に入れているようだ。

【注目の支援サービス】コマースリンク、プロモーションサイト向けに商品データを最適化

 検索サイト運営のコマースリンクは、価格比較サイトや商品検策サイトなどいわゆるプロモーションサイトへ掲載する商品データの最適化サービスを強化している。
 
 ネット販売を行う企業が通販サイトへの集客策として、価格比較サイト、検索サイト、アフィリエイトプロバイダーなどを活用するケースは多いが、その際に商品情報の登録先である各プロモーションサイトによって、商品データの規格やカテゴリーが異なるため作業が煩雑になっている。加えて、更新の手間などから商品データが最新のものでないといった状況も生じているという。



 同社ではこうした点に着目し、「ECデータフィードサービス(DFO)」と呼ばれるサービスを展開する。
 
 具体的には、顧客の通販サイトの情報をもとに1日1回商品データを作成し、データの"鮮度"を高めるというもの。このデータを価格比較サイトなどプロモーションサイトごとに異なる商品カテゴリーに合致させるほか、在庫切れ商品の除外や、検索されやすいキーワードの付与などデータを最適化する。
 
 これにより、サイト運営担当者が商品データの更新やアップロード作業に費やしていた作業時間を削減するとともに、最新の商品データを掲載することで通販サイトへの流入を活性化させ売上高拡大につなげるという。
 
 DFOサービスの価格は、初期費用が15万円から、月額費用が8万円から。商品データを自動で取得する「クローリング」を利用する場合などは別途費用が掛かる。サービス運用開始までは2~4週間程度。



 同社は2008年11月にDFOサービスを開始。アシェット婦人画報社やエービーシー・マート、丸井、スタイライフなど約30社への提供実績を持つ。

 DFOの提供先としては、「取扱アイテム数が多く、ある程度商品の入れ替えがある」(同社)通販サイトが、サービスの効果を得やすいようだ。

 例えばエービーシー・マートの場合、08年11月の導入時には検索サイトやアフィリエイトプロバイダーなど6つの提携先サイトに商品データを提供していた。販売状況を確認しつつ頻繁に価格変更を行う必要がありサイト別にデータを作成するのに手間が掛かっていたが、サービスを導入して約2カ月間で、提携先サイト経由の販売額が652%増加したという。



 DFOは現在、アラジン・サーチ、ECナビ、リンクシェアなど10サイトに対応。グーグルが10月末から開始したショッピング検索サービス「Googleショッピング」にも対応した。
 
 コマースリンクでは「Googleショッピング」の開始により、プロモーションサイトへの商品登録の流れがますます進むとみており、こうした動きを機にDFOサービスの提供を強化していく考え。今後は、対応するプロモーションサイトを順次増やしていき、11年末までに導入先企業を100社にまで拡大させる構えだ。


ノエビアの「シンプス」 本商品転換率アップへ

 訪販化粧品大手ノエビアの通販専用ブランド「シンプス」では、トライアルセットから本商品転換率向上に向けた取り組みを強化している。今年10月には新規客向けに小冊子の同梱を開始。11月には送料無料キャンペーンを展開した。女性誌への連合広告を中心に新規獲得を進める中、顧客の購買心理を後押しする戦略で本商品購入につなげる。


  「シンプス」が対象とするターゲット層は主にF1層(20~34歳)。連合広告への出稿を中心に新規獲得を進めるが、同広告では大半の顧客が複数社のトライアルセットを申し込むことが予想されるため、本商品転換率の向上を図ることが課題となっていた。
 
 こうした中、今年10月から新規客向け小冊子「シンプスライフ」(名称は既存客向け会報誌と同じ)の同梱を開始。ブランド開発の背景や商品の機能性、メンバー特典などを分かりやすく伝えることで、ブランドに対する印象を深めてもらうよう工夫する。
 
 また11月にはモバイルサイトのリニューアルに併せて送料無料、ポイント3倍キャンペーンを実施した。キャンペ告知のDMは過去2年半の間に購入実績のある顧客を対象に数万通を配布。送料無料は過去に実績があり、顧客向けのアンケート調査でも人気の高い取り組みの一つだった。
 
 「シンプス」では、送料無料を3000円以上の購入に対する特典として制度化している。ただ、1回の注文で2品以上を購入する必要があり、初回購入者にはハードルの高い制度だった。客単価の減少から一時的な収益性の悪化は避けられないが、1品からの注文を可能にし、本商品の使用を促す。
 
 過去に行った際には「本商品への転換後、継続して使用して頂いている顧客が多い」(同社)としており、長期的視野に立って、効果を検証していく。


NTT東日本の山上功課長に聞く "新端末"が生む通販の可能性とは?

"使いやすさ"前面に、ネットスーパーなど「会員限定」の情報を配信

iPadを中心に盛り上がるタブレット端末市場に、NTT東日本(本社・東京都新宿区、江部努社長)が参入した(前号既報)。"使いやすさ"を武器に、生活情報などのアプリを配信する独自の端末「光iフレーム」とマーケットを開始。シニアや主婦などの「ノンPC層」を開拓する考えだ。多くのユーザーを獲得できれば、通販事業者にとっても無視できない存在となるが、果たしてどのようなビジョンを描いているのか。ブロードバンドサービス部の山上課長に話を聞いた。


サービス開始の経緯は。

 「フレッツ光は東日本エリアで約800万のお客様にご利用いただいており、PCでインターネットを使うお客様には行き渡ったかな、という感じを持っていた。そこで、光をより日常の中で使っていただくために、今までインターネットを使わなかったお客様にも使っていただける利用シーンを創出したいと考えたわけだ。ただ我々はネットワークの通信事業者なので、コンテンツをお持ちの事業者様と一緒にやりたいなと。そして日常の中で使うアプリケーションを提供するほうが長く使っていただけるので、PCではなくどこでも使えるデバイスが必要だった。そこでコンテンツ配信と端末を合わせたサービスを開発した」

 基本的なサービスモデルは。

 「コミュニティモデル、というのをいくつか検討している。ニュータウンなど、ある特定の地域に住んでいる方々にのみこの端末を通して有益な情報を提供するというものだ。提供事業者はそこを開発したデベロッパーや商店街、マンション、スーパーなどで、そうした方々が住民に対してタイムリーな情報を出していくわけだ。例えばクーポンや電子チラシなどを出して来店を誘引するとか、あるいはレストランの予約や映画館の予約などもできるようにするとか。街と小売業、サービス業の方々を結びつける端末として考えている。事業者の方々が我々から端末を買取り、住民の方に配布するイメージだ」

 コミュニティモデル限定のサービスとは。

 「買い物系では例えばネットスーパー。あるスーパーの会員になっている人たちをコミュニティとみなして、そこにだけ情報を配信する、とか。それでネットスーパーの利用を促進するわけだ」

 エリアではなくストアでのセグメントというわけか。

 「そうだ。ネットスーパーはもともと、買い物難民や子育てで忙しい主婦などの利用を想定していると思うが、今はPCでのやり取りが中心なので煩雑で高齢者の方はなかなか使えていない。そうした方々にこの端末を使ってもらえれば」

 通販系での面白いサービスは。

 「例えばカレンダー連携だ。通販で、特売日のようなものが決まっていれば自動的にカレンダー機能に入れることができる。ユーザーがある日、パッとカレンダーを見ると星が付いており、クリックすると『通販の特売情報』や『配送料無料』などの情報がプッシュで降りてくるわけだ。それと、お勧めのアプリガイドも用意している。初心者向けマークなどを付け、そこをクリックしてもらえれば新着アプリや高齢者向けアプリ、主婦向けアプリなどを紹介できる。人気のランキングもある。今後アプリが増えてユーザーの属性も増えれば、ご提案できるパターンも増えると思う」

 今はiPadなど同じような多機能端末があるが、違いは。

 「やはり使いやすさだろう。アプリが地域や自分に密着していることも含めての使いやすさという意味で、いわば『身近な端末』だ。我々はコミュニティにあった形でどんどんカスタマイズができる。端末も、主婦がキッチンで利用する場合や高齢の方の利用を考えてアイコンは直感的に触れるように大きくしている。画面上にはテロップも流れ、いろいろな最新情報が入手できる」

 ただ、ユーザーからすれば端末を貰ってもフレッツ光に新たに加入する必要があるので、ハードルは高いのでは。

 「確かに、今まで電話しか使っていなかった方にとっては数千円のアップになる。ただ、まったくネットに興味がない人をターゲットにしているわけではない。『きっかけがあれば(ネットを)やりたいな』と思っていながら踏み切れなかった人にとっては、導入デバイスとして入りやすいのではないか。通常のウェブも使えるしいろいろなアプリが落とせて生活に根ざしたサービスもある。シルバー世代の背中を押せる端末だと思う」

 今後の通販事業者の参加は。

 「もちろんどんどん広げていきたい。特に制限は決まっていないので、公序良俗に反しない限り参加していただきたい。iPadのように1万、2万まで広げていくかはデバイスの特徴や目的との兼ね合いもあるので考えていく必要があるが、今のところは数を制限しようとは考えていない」

日中郵政、国際事業で連携強化、料金引き下げ等検討、ネット販売獲得へ

日本郵政(本社・東京都千代田区、齋藤次郎社長)と郵便事業会社(同、鍋倉眞一社長)は11月22日、中国郵政集団公司(同、北京市、劉安東総経理)と国際事業の協力強化で合意したと発表した。中国市場に参入する日本の通販・ネット販売事業者の国際郵便利用拡大などを狙ったもので、通販事業者向けの支援強化や国際郵便等のサービス料金見直しなどを検討。ニッセンや楽天、ヨドバシカメラなど大手通販事業者から要望を聞いた上で、詳細を詰めていく考えのようだ。

今回、合意した検討内容は、ネット販売事業者の日中物流活動の支援、国際郵便サービスの見直しや通関手続きの円滑化、国際物流事業の提供など。

 国際物流活動の支援では、中国に進出する日系企業への日中両郵政の共同営業のほか、中国ネット販売市場動向や物流・通関事情などの情報提供、国際郵便の通関・配送状況の問い合わせに対応する専用ホットラインの設置を年内に予定する。

 国際郵便サービスについては、料金体系の見直しを検討しており、国際書留等で3割以上の割引とする意向で、来春の導入を目標に調整を進める。また、複数個口の明記など発送地側のオペレーション改善による通関手続きの円滑化、郵便事業会社の子会社JPサンキュウグローバルロジスティクスを通じた国際物流サービスの提供を検討する。

 中国向けネット販売では、配送料金の高さや通関手続きに時間を要することなどがネックとなっているが、この課題を解消することでEMS等の利用促進を図る。

 郵便事業会社などによると、一連の取り組みの前提となっているのは、中国郵政側が運営する仮想モール「郵楽」への日本企業の出店促進。同仮想モールには約200の事業者が出店しているが、日本企業の出店はまだないもようで、日本企業の誘致策として、出店条件の調整なども進めていくという。

ニュースの断層・NTT東日本 アンドロイド端末提供、〝わかりやすさ〟で差別化へ

712.jpgのサムネール画像
「とにかく『わかりやすさ』を追求していきたい」。東日本電信電話(NTT東日本)は11月25日、「フレッツ光」を利用した生活情報配信サービスと専用のタブレット型端末の提供を開始した。ネットに馴染みのない層に対し、ショッピングや地域情報など生活情報系のアプリを専用端末経由で配信。端末はレンタルでき、お勧め情報が自動で配信されるなど「ハードルを低く設定した」(NTT東日本)。iPadなどの多機能端末が普及する中で"使いやすさ"に重点を置いて違いを出し、「早期に100万台、10万人の加入」(同)などサービスの浸透を目指す。ただ、利用者がアプリ経由での買い物など、必ずしも「ハードルの低くない」行動に至るかなどの疑問もあり、可能性は未知数。競合端末が溢れる中、どのように普及を図っていくか注目される。

 提供する端末は「光iフレーム」=写真=で、アプリ配信サービスは「フレッツ・マーケット」。7インチタッチパネルで、Android2・1を搭載。指で操作するタイプとペンを使うタイプなど3種類を用意した。端末は2万4150円で販売するほか、月額315円でのレンタルも可能。別途サービス利用料として月額210円が必要となる。

 配信するアプリはショッピングやニュース、地域情報など生活情報系を用意。11月下旬までに35アプリ、来年3月までに50アプリを配信する。買い物系は12月にニッセンなど2アプリを配信。サービス事業者の参加条件はなく、「広く展開していきたい」(同)とする。

 端末はシニアや主婦などの利用を想定するため、「お勧め情報が自動で降りてくる」(同)などレコメンドの機能を実装。「iPadは自分から情報を探しにいく形で上級者向け」(同)とし、「わかりやすさ」を全面に出してiPadなどとの違いを鮮明にしていく考えだ。

 ただ、そうしたネットに不慣れな層がどの程度アプリを介して買い物などをするかは不透明だ。また、「わかりやすさ」という特徴のみで同端末が選ばれるかも現状、疑問がある。果たして構想どおり普及が進むのか、今後の動向に注目したい。

ヤマトグループ 交通系電子マネー対応へ、来春から代引きなどで

711.jpg ヤマトグループ梱包資材の購入代金や通販商品など代引きの決済で利用できる電子マネーメニューを大幅に拡充する。すでに「Edy」「WAON」「nanaco」の決済に対応しているが、JR各社と、2011年春から交通系電子マネー5ブランドへの対応を開始することで合意。ヤマトフィナンシャルが手掛ける代引きの電子マネー決済では、通販商品代金等の平均決済金額が当初予想を上回る水準で推移しているが、交通系電子マネーの導入により、利用に弾みがつきそうだ。

  ヤマトグループが来春に対応を予定している電子マネーは、JR北海道の「Kitaca」、JR東日本の「Suica」、JR東海の「TOICA」、JR西日本の「ICOCA」、JR九州の「SUGOCA」。ブランドにより利用できる地域は異なるが、沖縄および四国4県を除く全都道府県をカバーする形になる。

  「宅急便」の運賃や包装資材料金、水やトイレットペーパーなどヤマト運輸の独自ブランド商品「特選市場」の料金、「宅急便コレクト 受取り時電子マネー払い」の決済に利用できるようにする予定だ。

  ヤマトフィナンシャルが展開する「宅急便コレクト 受取り時電子マネー払い」では、主婦層の保有が多い流通系電子マネーへの対応、購入金額に応じたポイント付与の特典などが奏功し、平均決済金額が1万円を超えるペースで推移。同サービスでは、通販での電子マネー決済ニーズを掘り起こした形だ。日常の通勤通学で利用され、幅広い年齢層が保有する交通系電子マネーが決済メニューに加わることで、通販事業者側でも、利便性の向上による商品購入の促進、よりスムースな代金回収といった効果が期待できそうだ。

ディノスが進める"コーズマーケティング"とは――TSUHAN2010より

7kata.jpg 「コーズマーケティング」と呼ばれる"企業としての販促"と"社会貢献活動"を同時に行う手法が注目され始めている。日本通信販売協会が開催したカンファレンス「TSUHAN2010」でいち早く同手法を活用した活動に力を入れているディノスが「実践!通販でコーズマーケティング~『社会貢献』のハードルは高くない~」と題し公演した。公演内容を一部抜粋して紹介する。(講師はディノスのCSR推進本部・広報部グループリーダーの植木麻衣子氏=写真)

 コーズマーケティングは「社会貢献」と「企業の利益」を共存させる手法と言われており、お客様と企業が地球環境や社会問題の解決などの課題を共有できる方法だと考えております。企業の利益を圧迫しないということは、その活動を継続する上で非常に大切な要素なのではないかなと私どもは考えており、当社もこの手法を取り入れた活動を進めております。

 では当社がこれまで行ってきた「コーズマーケティング」の実例をいくつか紹介します。

 1つ目の事例は「クリスマス×JCV」。昨年の冬に「ダーマ・コレクション プリュス クリスマスカタログ」というはじめての「寄付つきカタログ」を発刊しました。これは認定NPO法人 「世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)」とタイアップして、お客様が商品を1点お買い上げ頂くごとに、ポリオワクチン1人分相当の金額を当社からJCVに寄付させて頂くという試みです。実績として計画比の140%となる2万1011人分相当の寄付ができ、当社としても非常に手ごたえを感じる結果になりました。

 思った以上の寄付を集められたポイントですが、まず「ターゲットに合わせたチャリティ内容」で50代女性が気になる「次世代への援助」につながる取り組みにしたこと。2つ目は「購買行動と結果の因果関係の分かりやすさ」で、1つ買えば1人分の寄付という分かりやすさが良かったのだと思います。3つ目は「一般的なカタログが1冊丸ごと、の話題性」です。「寄付つきの商品」はよく目にしますが、ファッションカタログがそのまま1冊すべて寄付カタログというのは例がなく、これに話題性あったのではないかと考えております。

 こうしたポイントを踏まえた上で、さらに告知にも注意を払いました。まず、お客様にはカタログの表2で「お買い物をするあなたが、サンタクロースです。」というタイトルでこの寄付の取り組みを説明しました。さらにカタログ発行時や寄付をしたタイミングでプレスリリースを発信してメディアに伝えました。この結果、日経新聞やNHKなどに取り上げてもらえ、この取り組みを広く知っていただけることになりました。なお、この取り組みは今年のクリスマスカタログでも継続して実施しています。
 事例の2つ目ですが、「『エコクイズ』と『寄付つきクーポン』」です。当社のコミュニティサイトの中でエコクイズを実施しています。これはお客様に5問のクイズにお答え頂いて、全問正解すると、割引クーポンのクーポンコードが表示され、当社の商品が495円割引で購入できる寄付つきクーポン(利用ごとに額面の1%をFoE Japanに寄付)をプレゼントするというものです。08年11月から開始して今年10月末時点で全問正解者は述べ2万5000人を突破し、発行されたクーポンも約50%が利用頂いています。

 この取り組みは社会(団体)は「寄付による活動支援が得られる」「活動の認知が広がる」。お客様は「楽しみながらエコの知識が得られる」「割引でお買い物ができる」。私ども企業にとっては、「クーポン利用による売り上げが見込める」。「企業イメージアップ」という"三方よし"の活動ではないかなと自画自賛させて頂いております。

(中略、このほか「メインカタログ創刊号×ピンクリボン」「母の日フラワー×ピンクリボン」など3つの事例を紹介)

 ディノスがコーズマーケティングを実施する上で留意していることは「お客様と共に」「寄付予算は原則持たない」「身の丈に合った、取り組みを」「社会貢献担当部署は、コーディネーター」「取り組みを『報せる』」「『本気』であること」です。これらに留意しながら、無理なく持続できる活動を進め、今後もコーズマーケティングを実施していこうと考えています。

エムシープラス、会員制サイト開設

 エムシープラスはこのほど、会員制のファッションサイトを開設した。割引クーポンや会員限定セールなどの情報を発信し、同社サイトに参加する120以上の通販サイトやリアル店舗に会員を送客する。来年1月にも、業務提携する光通信のグループ会社が持つ1800の携帯電話ショップの来店客に有料サービスとして紹介し、会員の獲得を本格化させる。通販サイトなどの参加は無料で、ファッション感度の高い消費者を獲得できるサイトとなるか注目される。

 エムシープラスが開設したサイトは「&z(アンジー)」。会員は月額367円の利用料を支払うと、通販サイトや実店舗での買い物がお得になる"買い物特典サービス"と、買い物が便利になる"コンシェルジュサービス"の大きく分けて2つのサービスが受けられる。

 買い物特典については、サイトのトップページがツイッターのタイムラインと同様に、ブランドの情報や会員の"つぶやき"が最新のものから表示されるため、ネット販売企業は「今日だけ送料無料」とか「1時間限定セール」などとタイムリーに発信できる。会員はリンク先をクリックするだけで、当該サイトに飛んでお得に買い物ができる仕組みだ。

 コンシェルジュ機能は、同社が会員のファッションに関する問い合わせやコーディネート相談を電話やメールで受けるほか、忙しい会員には複数の買い物代行企業と提携して、通常の代行手数料を会員限定の割引価格で利用できるようにする。

 また、アパレル商品買取り大手のスペースアンドコーと提携し、ハイブランドからファストファッションまで幅広い商品を、通常より10%高く買い取るサービスも行う。

 「アンジー」会員の獲得に際して、エムシープラスは6月末に光通信と業務提携。同社が販売するプロバイダーの契約者に対して、コールセンターからのアウトバウンドでサービスを紹介する。

 来年1月以降には、光通信の子会社が運営する全国約1800店のモバイル販売店で、携帯電話の新規契約や機種変更時にオプションサービスとして同サービスの利用を促すという。

 ブランドやネット販売企業に使用料はかからないため、リスクをかけずに新客の獲得や購買率向上が期待できるとする。

 参加企業は、展開ブランドの紹介や商品の価格帯、実店舗のアクセス、通販サイトのURLなどを記入するページがあり、会員がお気に入り登録すれば、当該ブランドの配信情報を時系列で表示することもできる。

 現在、「アンジー」に参加するのは、「ナッティコレクション」や「セシルマクビー」など主に18~34歳の女性をターゲットにする122ブランドだが、これを来年3月までに200ブランド、会員については来年8月までに20万人を目標とする。
 エムシープラスでは、モバイル通販サイトで仕入れ販売をしてきたノウハウを生かし、「会員とブランドをマッチングできるサイトに育てる」(竹内真取締役)としている。

博報堂DYMPの半田勝彦部長に聞く、"出版社通販"の可能性は?

 7-2.jpg近年、にわかに活発化し始めた"出版社通販"。広告収入が減少している中「新たな収益の柱」として確立すべく、各社が本腰を入れ始めている状況だ。そうした「出版社通販」の支援サービスを展開しているのが、博報堂DYメディアパートナーズ。自社サービス「TAKARA―BACO」の普及を図りつつ、電子出版とネット販売の融合などの構想も描く。出版事業推進部の半田勝彦部長に戦略を聞いた。 (聞き手は本紙記者・河鰭悠太郎)



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【ニュースの断層】 グーグルが商品検索開始、カカクコムの対応は?

 グーグルが商品検索に特化した「Googleショッピング」を開始した10月28日。価格比較サイト最大手・カカクコムの株価が急落した。市場は巨人・グーグルの参入を大きな驚異と判断したわけだ。確かに、家電などの購入を考える際に、まずはグーグルで検索するというユーザーは少なくないだろう。価格調査までもがグーグルで完結してしまえば、カカクコムが運営する「価格.com」の出番はなくなってしまう。

 カカクコムはグーグルの新サービスをどう捉えているのだろうか。11月4日の中間決算発表の席上、田中実社長は「グーグルは外部のデータを検索するのは上手だが、当社は内部に蓄積されたデータを提供することで勝負したい」と強気の発言に終始した。

 Googleショッピングは、ワードで検索すると、複数の通販サイトから該当する商品を商品名や価格、画像とともに検索結果に表示される。ただ、レビューやくちコミ情報などを集積する機能はなく、「複数の商品を比較検討する」といった用途には向かない。また「価格.com」はユーザーによる店舗評価があることも強みの一つだが、Googleショッピングだけでは店の評判を知ることはできない。

 「現状では(競合サイトである)コネコネットや比較.comの方がまだしも日本人の買い物の感覚に合っているのではないか」(田中実社長)。ただ、あくまでもGoogleショッピングは試験運用中。グーグルのトップページからも「ショッピング」のリンクをクリックすれば検索できるようになったほか、検索された商品のスペックが表示されるようになるなど、機能も進化している。田中社長も「技術力のある会社だけに軽視はしていない。ユーザーのニーズを読み取って『価格.com』の機能を高めることで対抗したい」とする。

 一方、価格比較サイトに情報を提供する店舗にとって、Googleショッピングの誕生は朗報といえる。「価格.com」は、利用者のクリック数を元にした従量課金で参加費用を徴収する仕組みを採用しているが、ここ数年、一クリックあたりの料金値上げが続いており、大手家電通販サイトからは不満の声も上がっていた。しかし価格比較サイトは「価格.com」の一人勝ちだけに、顧客流入の導線として頼らざるをえないのが実情だった。

 Googleショッピングの場合、検索連動型広告が表示されるだけで、店舗から費用を徴収することはない。そのため、同サイト経由の流入が増えれば「『価格.com』頼みの集客から脱却し、リスクを減らすことができる」(大手家電ネット販売企業の幹部)。そうなれば、クリック料金値上げに歯止めがかかる可能性も出てくるわけだ。

 ただ、現状のサイト構成では「あまり大きな効果は期待できない」(同)。また、検索結果にリアルタイムで価格情報を反映させるには、グーグルのAPIを使ってシステムを開発する必要がある。

 現在、大手家電通販サイトは軒並み検索対象となっているものの、しばらくは様子見という企業が大半のようだ。とはいえ「最安のサイトを効率良く知りたい」というニーズは根強い。「価格.com」に登録していないサイトなど検索対象のサイトが増加し、使い勝手が改善されれば「価格.com」の利用者を一定数奪うことになりそうだ。


アパレル系フルフィルの今③ アッカ・インター、撮影リードタイム短縮へ

佐川Gの基幹拠点と連動

アパレル商品の撮影代行などを手掛けるアッカ・インターナショナル(本社・東京都渋谷区、加藤大和社長)は、佐川グループと連携して衣料品ネット販売企業向けのフルフィルサービスを強化している。
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 今年3月には、佐川グローバルロジスティクス(SGL)の基幹物流センター「東扇島SRC」(川崎市)に約1200坪の撮影スタジオ兼物流拠点を新設した。

 物流拠点に撮影スタジオを併設することは珍しくないが、アッカの新拠点は配送という"足"を持つ佐川グループと連携しているのが肝だ。

 佐川グループのネットワークを活用し、アパレル商材の集荷場所からアッカの新拠点までの配送時間を短縮する仕組みを作り、結果的に商品の撮影データを通販サイトにアップするスピードを速める。

 また、同じ施設内に商品を保管しているため、消費者からの受注後、佐川グループの"足"を使って迅速に届ける。

 具体的なスキームは、佐川急便が各地に持つ集荷場所から渋谷店(品川区)に通販商材を集め、SGLの物流センターまで特別便を運行。24時までに同店に到着した商品はアッカの新拠点に送られ、最短で翌朝までに通販サイトにアップする。

 同社では、「アパレル商材も鮮度が大事。通販サイトへの商品投入を店頭と連動させることで、販売機会ロスの軽減につなげる」(加藤大和社長)とする。

 消費者への配送面では、午前11時までの受注分はその日の21時までに届ける体制を構築。当日便の対象地域は都内全域と、神奈川県では横浜市と川崎区、埼玉県と千葉県はさいたま市や川口市、千葉市などで、対象地域は順次、拡大する。

 アッカでは、新拠点にムービー撮り専用の2ライン含む30ラインの撮影ブースを設置。これは1日当たり1500品番の撮影ができる規模だ。基本的に倉庫業務はアッカが、配送は佐川急便が担い、将来的には同様のスキームを中部、関西地区などでも整備する計画。

 また、アッカが物流やフルフィル面を担っているファッションイベント「ガールズアワード」専用の通販サイトでは、海外からの受注を想定しており、日本のファッションに憧れを持つ東アジアの消費者に商品を届ける仕組みも新拠点で担う。

 とくに、巨大市場の中国については、成田から上海まで航空便を利用し、そこからSGLが保有するガールズアワード用の商品センターを経由して、中国の消費者に最短4日で届ける。

 佐川急便の貨物追跡サービスが利用できるため、海外の消費者も自分が購入した商品が今どこにあるのか分かるという安心感を武器に、通販サイトの顧客を東アジアに広げる支援を行う。
(おわり)



ニュースの断層、SEMの専門家に聞く、グーグルの商品検索への対策と影響は?

「対策のポイントは3つ」

グーグルが10月28日からネット販売商品に特化したショッピング検索サービス「Googleショッピング」を開始した。ヤフーが検索エンジンを年内にもグーグルに切り替える予定で「ヤフー検索」にも表示される可能性もあり、通販サイトにとって今後、有力な集客策となるかも知れない。検索エンジンマーケティングに詳しいアウンコンサルティングの栗原悠氏(=写真)に「Googleショッピング」が与えるネット販売への影響や通販サイトが採るべき対策などについて聞いた。
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Googleショッピングに対して通販サイトが採るべき対策は。

 「グーグルの精度の高い検索技術を使ってのショッピング検索は使い勝手も良さそうでネットで商品を購入したいと思うユーザーに受け入れられる可能性は高いと思う。そのため、まず自社サイトで販売する商品をGoogleショッピングの検索対象にすること。これには2つの方法がある。グーグルのクローラーが自分たちの通販サイトから商品情報を取得して検索対象に加えるのを待つか、グーグルが公開した『マーチャントセンター』に通販サイトが商品名や価格、商品説明などの商品情報を提供するかだ。価格比較サイトのように掲載料や手数料を取るモデルではなく、すべて無料。自社商品が検索対象になっていない通販サイトは自ら商品情報をグーグルに提供した方が良いと思う」

 商品情報の提供は面倒ではないのか。

 「ある程度、ウェブに精通している人であれば、難しいことではない。XMLファイルなどでデータフィードをアップロードするだけだ」

 Googleショッピングの検索対象サイトは今、どのくらいか。

 「実際に検索してみると千趣会、ディノス、ジャパネットたかた、ベルーナ、ヨドバシ、ケンコーコムなど大手通販サイトが中心だ。例えば『掃除機』というキーワードで検索をかけると1300点の商品が出てくるが、通販サイト自体は約40ショップだった。食品やアパレル関連のキーワードで検索したが、いくつかの通販サイトが何度も登場しており、それほど多くはない。今後、かなり数は増えると思う」

 検索対象に楽天やアマゾンが含まれていないようだ。グーグル側である程度、検索対象サイトを選んでいるのか。

 「現在のところ、楽天のショップとアマゾンは検索対象に含まれていないようだ。憶測だが、楽天やアマゾンの商品情報はグーグル側でも取得することは容易だ。何らかの理由でグーグルが検索対象から恣意的に外している可能性もある。逆に通販サイト側の事情で拒んでいる可能性もある。米国の『Googleショッピング』でもアマゾンは掲載されていないようだ。何らかの合意が取れているサイトのみを現時点では対象としているのかも知れない」

 Googleショッピングの検索結果で上位に表示されるには。

 「『掃除機』で検索すると現状、最上位に『ダイソンDC26』が来ている。ここは流行・鮮度を検索順位に反映させるというグーグルの考え方で決まっているので、人気商品を販売するほかないが、その『ダイソン』をクリックすると約40のサイトが羅列されている。価格が安いなどでも検索できるが、初期設定の『関連度順』で上位表示されているサイトの傾向を見ると大きく3つのポイントがある。検索結果に表示されるタイトルタグ、商品画像のオルト属性(※画像内容を説明するテキスト)に検索ワードや例えば『ダイソン』などの商品名が含まれていること。検索結果からリンクする商品ページのHTMLソースコード上、直前の部分に検索ワードや商品名が含まれているものが現状、上位表示されやすい。あとは『価格の安い順』で検索をするユーザーが結局は多いはずでやはり"価格"なのかもしれない」

 年内にもヤフーが検索エンジンをグーグルのものに切り替えるが、ヤフーの検索にもGoogleショッピングが表示されるのか。


 「ヤフーの発表ではグーグルの検索エンジンを採用後は、それにヤフー独自の枠を設けて、ヤフー独自サービス『知恵袋』や『オークション』などに関連した検索結果なども盛り込むとしている。グーグルの検索エンジン自体をヤフーがアレンジすることは考えにくいため、WEB検索についてはそのまま表示するはず。ショッピングに関連するキーワードの場合はグーグルのWEB検索の結果画面にも『Googleショッピング』の検索結果が表示されるため、ヤフー検索に表示される可能性はあると思う」


アパレル系フルフィルの今・ジーエフ編――通販支援を一気通貫で

072.jpgアパレルのトータル物流を手掛けるジーエフは、国内外でネット販売実施企業向けの物流・フルフィルサービスを強化する。

  国内では、今年8月に国内5拠点目となる通販専用物流センターを大阪・箕面市に開設したのを機に、従来の検品、物流、写真撮影などに加えて、受注処理やメール対応、決済代行、サイト作成のサービスも開始した。

  同社では、ネット販売の支援事業を強化しており、これまでは倉庫に撮影スタジオを構えて商品写真の撮影を行っていた。しかし、ネット販売実施企業のニーズを受けて、撮影以外にも手間のかかる業務、例えば、商品の詳細説明のライティングや消費者からの問い合わせメールへの対応などを代行することになった。

  大阪の新拠点(延床面積約2750坪)では当初、中小のネット販売事業者向けに小さな区画で仕切った保管スペースを確保して提供する計画だったが、ネット販売企業を中心に順調に新規案件が獲得できているため、小区画のスペースを共同で使える撮影スタジオとした。

  また、来年2月をめどに、沖縄県に物流センターを開設する計画で、ネット販売用の在庫を預かって、アジア圏の消費者に翌日配送できる仕組みを作るという。

  商品の撮影業務を含めた倉庫内のオペレーションはジーエフが担う予定だ。協力企業は明らかにしていないが、拡大構築できる立地を選定中で、アジア向け通販の規模拡大に対応する。  一方、中国・上海でも、来年3月を目標に写真撮影専門の会社を立ち上げる。ネット販売に力を入れている日本のアパレル企業や、現地のネット販売実施企業をターゲットにするという。

  衣料品のネット販売では、受注してから消費者に商品を届けるスピードはもちろん、最近ではアパレル企業から届いた商品サンプルを撮影して画像をアップするまでのスピードも求められている。  同社では、中国やタイ、ベトナムなどアジア圏に約40の検品拠点を構築しており、将来的にはこれと連動して、商品の製造国で画像の撮影を済ませるニーズに対応する。

 ジーエフでは、10年3月期におけるグループ全体の売上高約100億円に対し、ネット販売支援関連は20億円弱だが、これを13年3月期には35~40億円規模(グループ全体では170億円)を目指す。   (つづく)

AOSテクノロジーズ 「超一品」を仮想モール化、日替わりのタイムセールサイト

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 パソコンソフトメーカーのAOSテクノロジーズは10月21日、毎日一つの商品だけを特価で販売する通販サイト「超一品.com」の販売システムを外部に提供すると発表した。すでに数社がシステムを利用し、日替わりで特価商品を販売するサイトを運営しており、AOSでは「超一品」関連サイトを現在の8サイトから20サイトまで増やしたい考えだ。全サイト合わせて年間12億円の売上高を見込んでいる。

 「超一品.com」はメーカーの在庫処分品などを1日1品日替わりで特価販売するタイムセールサイト。価格比較サイトの最安値を下回る低価格を売りにアクセス数を伸ばしている。

 同サイトの商品は家電製品やパソコン周辺機器などが中心だが、別サイトとしてワインを毎日1品販売する「ワイン.超一品.com」を開設するなど取扱商品を拡大してきた。商品を提供するメーカーや問屋にとって、「超一品」関連サイトはテストマーケティングや在庫処分の場として活用できることから、「商品提供だけではなく、テナントとして参加したいという企業が増えていた」(西谷考弘取締役)という。

 料金は初期費用・月額利用料は無料で、売り上げの2%を徴収する。サイト名は「ファッション.超一品.com」など、取扱商品のジャンルに超一品.comを付加するスタイルとなる。

 サイトに掲載した商品の画像は、「超一品」関連全店舗の右側に自動で表示されるため、既存ユーザーにアピールすることが可能。また、全店舗の商品を掲載したメールマガジンを1日1回自動で配信する。販売スタイルも1日1品だけではなく、時間単位で商品を変更するなど、小ロットでの販売も可能となっている。システム関連では、発注の管理機能や決済システムを用意。スマートフォン専用の画面や共同購買の仕組みも取り入れた。

 すでに、秋葉原でパソコン関連商品を販売する店舗「あきばお~」を運営するハーマンズや、スポーツニッポン新聞社グループのスポニチプライムなどが「超一品」関連サイトを運営している。他の仮想モールに比べて費用面の負担が少ない点をアピールし、今後は特産品など「ネット販売に親和性のあるジャンルのサイトを増やしたい」(同)という。

サバウェイ・川連一豊社長に聞く――「他社カートからの乗り換え増える」

11kata.jpg 通販サイト支援事業のSAVAWAY(サバウェイ)の業績が好調に推移している。昨年7月に、取引社数が目標としていた1000社を越えた後も順調に増えており、現在は2200社となった。東芝テック、松山電子計算センターと提携し、実店舗と通販サイトの在庫・商品情報を一元管理するシステムの提供を開始するなど、新たな取り組みも開始。今後の展開について、川連一豊社長に聞いた。(聞き手は本紙記者・川西智之)

 今期も業績が順調だ。

 「売上高は毎年倍増のペースで伸びている。取引社数も1カ月に100社強のペースで増加中だ。勢いが衰えない理由は3つある。一つはネットショップ運営のための各種支援ソフト・サービスを一体化した低価格パッケージ『SAVAWAYスタンダードEC(サバスタ)』の稼動店舗が増え、くちコミが広がっていること。二つ目は大手企業との連携が挙げられる。東芝テックなどとの取り組みのほか、ジェーシービーが加盟店ネットワークを通じて、全国各地の名産品を紹介する特設サイト『JCB全国物産展』の運営を同社から受託しているが、連携先の企業の営業活動により知名度が上がっている。三つ目はサービスの機能改善が進んでいること。特に、カートシステム『マルチドメインカート』のスマートフォン対応は店舗からの評価が高かった」

 新規の取引先は他社のカートからの乗り換えが多いのか。

 「現在は7割ほどが乗り換えで、有名なネット販売企業が顧客となるケースもある。グーグルの無料アクセス解析サービス『グーグルアナリティクス』に完全対応している点に魅力を感じる企業が多いようだ」

 東芝テック、松山電子計算センターと連携して提供するシステムに関して。

 「営業は東芝テックが行っているが、実店舗を持つ売上規模の大きい企業が対象となっており、すでに数社への導入が決まっている」

 昨年から取り組んでいる多言語展開に関しては。

 「やや後手に回っており、マルチドメインカート中国語版の利用も伸びていない。顧客からの中国関連の問い合わせは毎日1、2件あったのだが、尖閣事件以降はまったく来なくなった。ただ、いずれは当社が運営する『サバウェイモール』自体を多言語化したいと思っているし、香港に事務所も開設する予定だ」

 新サービスの計画などは。

 「ヤフーと連携し、マルチドメインカートを利用している店舗の商品情報が、Yahoo!ショッピングから検索できるようになる予定だ。また、年末の繁忙期に向けてサーバーを強化していくほか、レビューを投稿した消費者へポイントをプレゼントするサービスの導入など、随時マルチドメインカートの機能を強化していきたい」

アパレル系フルフィルの今・ダイアモンドヘッド編――上海に撮影スタジオ開設

11men.jpg 苦戦が続くアパレル業界。ネット販売に活路を見いだそうという企業は少なくない。そうした動きの裏で、支援サービスを提供する事業者の間ではコスト削減や画像掲載までのリードタイム短縮、動画の活用、物流面の強化などそれぞれ独自の付加価値を追及している。こうしたアパレル系フルフィルサービスの現状を数回にわたって見ていく。

 衣料品の撮影代行サービスなどを手がけるダイアモンドヘッド(本社・東京都港区、柴田幸一朗社長)は今年6月、佐川グローバルロジスティクス(SGL)子会社のシロックス上海が中国の上海市で運営する倉庫内に、撮影スタジオを稼働した。衣料品の製造拠点である中国で商品撮影や画像加工などを行うことで商品画像掲載までのリードタイムを短縮し、コスト削減につなげる狙いだ。

 実際、アパレルメーカーの中には、店頭に新商品が並んだ時点でサイトに画像が掲載されていないという事態が生じている。そのため製造現地で画像掲載することにより通販サイトでの販売機会ロス低減につなげる。すでに日本のアパレルメーカー数社と取引を始めており、10~15ブランドを取り扱っている。現在は1日200品番程度を撮影しているが、1000品番まで対応が可能という。

 中国でのサービスは、物流倉庫との連動も強み。撮影拠点を構える倉庫では、シロックス上海が商品の検品や採寸、検針といった衣料品の物流業務を行う。商品は今のところ、日本向けにB〓Bで輸出しているが、来春をメドに通販サイトの会員など一般消費者向けに商品を仕分けて出荷するサービスも開始する。

 将来的には中国向けの内販にも力を入れていく。例えば日本のアパレルメーカーが中国向けに独自ブランドなどを展開した際には、撮影代行から物流まで中国向けネット販売支援を提供する。また、外資系アパレルの中国現地法人と連携した通販サイト立ち上げなども計画している。

 同社の柴田社長は「中国のネット販売はまだ遅れているため、開拓の余地がある。この2、3年は伸びていく」とみている。


 一方、日本国内でのサービスも強化する。2~3億円を投じて首都圏に敷地面積3000坪を超える大型物流拠点を構える。内部には保管や仕分けなどの物流機能に加え、撮影拠点も併設する。早ければ来年8月の稼動を目指しており、現在稼働している大井と八潮のセンターは新拠点に集約する予定。
 大型拠点の稼働により撮影する画像数を増やすとともに、コストの低減を進め、競争力を持たせる考えで、新拠点を受け皿に既存取引先で物流を他社に任せている企業などへ、物流を含めた業務を一括して請け負うことも提案していく。

 来年には大手インポートブランドの通販サイトを複数立ち上げるという同社。中国と日本それぞれで、撮影や物流などネット販売支援をフルパッケージで提案し、実績を残している。(つづく)

千趣会 プラスロジと業務提携、物流受託事業など強化へ

 千趣会は10月8日、大手オフィス用品メーカ、プラスの子会社であるプラスロジスティクス(プラスロジ)と物流分野での業務提携に関する覚書書を締結したと発表した。通販・ネット販売でtoCに強みを持つ千趣会、toBをメーンとするプラスロジのノウハウ共有などを通じ、互いの物流事業の効率化やサービスの向上を進め、事業領域の拡大につなげていく考えだ。


 プラスロジは、プラスグループの物流業務を手掛けるほか、全国規模のネットワークと総合物流のノウハウを活かし、3PL・物流受託サービスを展開。一方の千趣会もグループ企業の選手ロジスコなどを通じ、通販向けの3PL・物流支援事業を行っている。

 千趣会によると、プラスロジとは、家具の設置サービスで取引があり、それぞれが得意とする分野のノウハウを共有することで、3PL・物流事業の拡大ができると判断し、今回の提携に至ったという。

 提携内容は、千趣会グループの物流事業における業務の効率化およびサービス向上に関するノウハウの相互交換と、物流受託サービス遂行の相互支援。千趣会では、通販を起点に事業領域を拡大させる形で通販事業者向けの3PL・物流支援次行を手掛けているが、〓B分野を得意とし、全国ネットワークを持つプラスロジとの提携で、顧客企業の多様なニーズに対応したサービスを提供できる体制を強化、顧客企業の獲得を加速させたい考えのようだ。

 具体的な取り組みの内容については、これから両社で検討を進めることになるが、千趣会では、「早ければ年内、来年度中には具体的な取り組みを行いたい」(広報)としている。



ヤッパの伊藤正裕社長に聞く──アプリが生む通販の新たな可能性とは?

 
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スマートフォンやiPadなどの多機能端末の普及に伴い、じわじわと通販企業から注目を集めている"アプリ"。ウェブサイトを閲覧するより速く操作も簡単なため、通販でも今後、流行する可能性は高いと見られている。千趣会やニッセン、楽天など大手通販企業のアプリ開発を手掛けてきたヤッパの伊藤正裕社長に、「アプリ」が生む通販の新たな可能性について聞いた。
(聞き手は本紙記者・河鰭悠太郎)

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進化する決済サービス 電算システム、主婦層の利用に期待

スーパーなどで収納代行を開始

スーパーやドラッグストアでも通販商品代金の支払いができます。各種料金のコンビニ収納代行サービスを提供する電算システム(本社・岐阜市、宮地正直社長)はこのたび、一般小売店向けの収納代行サービスを開発した。コンビニのようにPOSシステムを持たない一般小売店の場合、システム構築などの初期投資がかさみ、収納代行を手掛けることが難しかったが、新サービスは専用端末などを使いパッケージで提供。スーパー等が料金収納サービスが通販商品代金の支払窓口として定着するか、注目されるところだ。
 
電算システムが一般小売店向けに開発した新サービスは「Biz@gent(ビズエージェント)」。通常のレジ用に専用端末を設置するタイプとPOSシステムにソフトを組み込むタイプがあり、初期導入費用は専用端末タイプが38万円から、POS組み込みタイプが100ライセンス1200万円からになる。

 専用端末は、242×225×147ミリメートルのサイズでレジカウンターに設置。払込票を端末のスキャナーで読み込んでから、店員に代金を支払う仕組み。POS組み込みの場合は、コンビニと同様にPOSレジのスキャナーでバーコードを読み込み、レジで代金を支払う形になる。

 「ビズエージェント」の展開状況としては、今年5月に岡山県内の国立病院売店で導入されたのを皮切りに、8月から広島の食品スーパー・三和ストアー4店舗、9月に入ってからは、福井のPLANTが9県下で運営するスーパーセンター等全20店舗で導入。電算システムでは、地方の中小スーパーやドラッグストアなどを中心に、端末タイプで初年度1000台の導入を目指す。

 24時間・365日営業が基本のコンビニは、顧客が都合のいい時にいつでも代金を支払えるのがメリット。通販事業者にとっては、顧客サービスの向上につながり、コンビニ側でも来店客数の増加が見込める。

 ただ、コンビニの来店客層は6割が男性。年齢層も20代後半から30代半ばが中心だが、食品スーパーやドラッグストアは主婦層の来店も少なくない。電算システムが開始したスーパー等での収納代行サービスは、まだ普及までに時間が掛かりそうだが、今後、主婦や中高年層の各種料金支の払窓口として定着すれば、健康食品や化粧品を扱う通販事業者にもメリットは出てきそうだ。

楽天 日用品の「まとめ配送」開始、専用倉庫で商品を管理、複数店の商品を同梱

楽天(本社・東京都品川区、三木谷浩史社長)は10月5日、生活雑貨や家庭用品などを対象に、複数の店舗をまたがって購入しても、まとめて商品を届けるサービスを開始した。同日付で開設した専用サイトに出品する店舗が対象で、爽快ドラッグやケンコーコムなど12店舗が参加してスタート。随時、参加企業を増やす。日用品の購入をネットで簡単に済ませたい共働きの夫婦などをターゲットに、「スーパーやドラッグストアからの代替需要を狙う」(武田和徳常務)。
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新サービスは「楽天24(トゥエンティーフォー)」。楽天市場で人気の日用品を"まとめ買い"できるのが特徴。従来は複数店舗で商品を購入した場合、それぞれの店舗で決済するため送料が高くなったり、商品が別々に届くなどの煩わしさがあり、これを解消する。

 新サービスを始めるのに当たり、楽天は専用サイト「楽天24」を開設。参加店舗は同サイトにも出品する必要がある。販売主は出店店舗で、楽天は専用サイトを運営して受注・決済・カスタマーサービスを担う。

 物流面では、専用サイトの商品を佐川グローバルロジスティクスが保有する物流センター(千葉県船橋市)で一括保管することで、複数店舗が販売する商品を同梱して届ける仕組みを構築した。配送はヤマト運輸がメーンで行う。

 スタート時の参加店舗はケンコーコム、爽快ドラッグ、エレコムダイレクトショップ、コスメスポット、激安ディスカウントワン、飲物屋、キラットなど12店舗で、今後も増やしていく。

 新サイトでは、日用品を中心とした定番商品を扱うのに加えて、定期的に特売品や季節商品も提供する。

 商品はすべて翌日配送サービスの「あす楽」や日時指定に対応し、送料は全国一律240円、購入金額3900円以上で無料となる。

 楽天では、新サービスの開始で日用品などをまとめ買いするケースが増えると見ており、客単価の改善にもつなげる。

 新サービスの受注目標は開始1カ月で1万5000~2万件。今後、「楽天24」の需要が増えれば、新たな同梱ビジネスなども派生してきそうだ。


サービス再考・商品CVS店頭受渡し ウエルストーン 化粧品通販の引き合い増加

 ウエルストーン(WS)が手掛けるネット販売購入商品のコンビニ店頭受け渡しサービス「スマートデリバリーサービス」が化粧品通販事業者の間で注目されているようだ。今年7月下旬にドクターシーラボが公式サイトで同サービスを導入。これをきっかけに、化粧品通販事業者からの引き合いが増えているという。

 「スマートデリバリーサービス」(SDS)の概要は、同社の委託物流事業者が通販事業者の倉庫から受注商品を集荷し、コンビニの配送センターに搬入、配送車両でコンビニ商材と通販受注商品を混載して各店舗に商品を届けるというもの。提携コンビニは、ファミリーマート、サークルKサンクス、ミニストップなど約1万5000店舗で、24時間・365日、顧客の都合がいい時間に商品を受け取れるのがメリットだ。

 SDSについては、「ディノス オンラインショップ」や「セシール」「楽天ブックス」などが導入しているが、化粧品通販サイトでの採用は、ドクターシーラボが初めて。

 WSによると、ドクターシーラボのSDS導入を受け、他の化粧品通販事業者からの引き合いが増加。順調な推移を辿るドクターシーラボのSDS導入により、化粧品通販事業者の間で同サービスの注目度が高まった形で、化粧品通販の数サイトでの導入がほぼ決まっているという。

 化粧品は、有力メーカーや健食通販事業者などの相次ぐ参入で競争が激化しており、顧客の開拓や囲い込みを進める上で商品配送などサービスの重要性が増している。WSとしても、今回の、"シーラボ効果"を足掛かりに、化粧品や健食通販サイトへのSDS導入を拡大していきたい考えのようだ。


ヤマトロジ 愛知でTSS専用拠点稼動


071.jpg  ヤマトロジスティクス(YLC)は、通販受注商品を8時間で届ける「トゥデイ・ショッピング・サービス」(TSS)に対応した専用物流拠点の拡充を進めている。この一環として9月18日、愛知県小牧市に自動倉庫システム「オートピックファクトリー」(APF)を備えた「愛知クイック通販ロジセンター」(愛知センター)の稼動を開始。一大市場の東名阪ラインを結ぶ要衝となるもので、これまでの展開をもとに新たな機能も付加した。今後、同センターをベースに、TSS専用拠点の拡充および機能強化を図る構えだ。

東名阪ライン結ぶ〝要衝〟、新たな機能も付加

 愛知センターは、建物が地上4階、地下1階建で延床面積1万5514平方メートル。3、4階が補充用商品の保管スペース(5100平方メートル分)、2階が自動倉庫機能を備えたピッキング、および検品・梱包作業スペース、1階が梱包を終えた受注商品を発送する「宅急便」ターミナルになる。
 4階部分には、通販サイトにアップする商品画像の撮影スタジオを設置しており、2階部分のAPFは、出荷能力が1時間当たり1000件で、3日分の在庫商品の格納が可能。1階部分に同規模のAPFが増設できるようにするなど拡張性を持たせている。
 YLCは既に、神奈川、埼玉、千葉、大阪、福岡にAPFを備えたTSS専用拠点を設置。愛知センターは、6カ所目のTSS専用拠点で、関東および関西地区の顧客に対し、午前0時までの受注商品を翌日夕方までに届けることができ、名古屋市と周辺地域は、受注から最短4時間で商品を届ける体制を整える。同センター稼動開始時の利用通販事業者は2社だが、30社を目標に拡大を進める。
 一方、愛知センターでは、これまでのTSS専用拠点の展開をもとに、"柔軟性"を意識した新機能を幾つか盛り込んでいる。そのひとつは「フリーラック・ピッキングシステム」の導入。
 APFの場合、専用バケット(530×366×284ミリメートル)に格納した商品をピッキングする形になっている。このため化粧品や健康食品など小型の商品が扱いやすい半面、専用バケットに納まりきらない異型商品や、キャンペーンなどで一過的に動く商品、季節変動の大きい衣料品などの取り扱いに課題があった。
 「フリーラック・ピッキングシステム」は、この課題をクリアするための仕組みで、異型商品などイレギュラーな商品用のバケットを格納するラックや、APF専用バケットに収まりきらない大型商品を入れたカーゴを置く専用ラインで商品をピッキングする。
 ラックやカーゴは可動式でフレキシブルな作業体制が組めるほか、他のTSS対応拠点の分散在庫商品を格納したラックを持ち込んでそのまま作業できるため、入庫・格納作業の手間が省けるのがメリット。愛知センターではこのほかに、倉庫内を25度の定温管理とし、食品や高級化粧品への対応を強化、検品・梱包ラインの見直しによる効率化も図っている。
 東名阪を結ぶ要衝で新機能を備えた愛知センター。同センターの稼動により、TSSは「人口比率で7割をカバーできる」(YLC山内社長)体制を構築した。今後YLCでは、東北や北陸、中国にも同様の拠点を設け、展開の拡大を図る考えだ。
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衣料品コーデの交流サイトが増加――通販サイトとタイアップ

7kata.jpg ウェブ上で自分なりのファッションコーディネートを楽しめるコミュニティーサイトが増えている。

 元々は欧米で生まれたCGM(消費者生成型メディア)のひとつで、ファッションアイテムの画像を組み合わせて好みのスタイリングを作成し、サイト内にアップして他のユーザーと交流を図れるようにしている。

 コーディネートに使用するアイテムには、販売元であるファッション通販サイトの商品ページへのリンクが貼られており、気になる商品があれば通販サイトに飛んで購入できるのが一般的だ。

 アバター(ネット上の自分の分身)にアニメ化した服などを着させて楽しむサイトもあるが、ファッションコーデの交流サイトでは実際に手に入る商品が対象で、コンテンツではなくリアルアイテムの販売にも結び付けようとする狙いがある。

 今年4月に「iQON(アイコン)」を開設したVASILY(ヴァシリー=本社・東京都渋谷区、金山裕樹社長)は、通販サイトなどと組んで、消費者が作成したコーディネートを他のユーザーが投票し、優勝した作品の制作者にはコーディネートで使用した商品を提供する取り組みを始め、人気が出てきている。

 これまで、ファッション通販サイトでは「ミラベラ」や「ファッションウォーカー」などとタイアップを実施している。

 「ファッションウォーカー」とは9月4日に開催された「東京ガールズコレクション(TGC)」参加ブランドのアイテムを使ったスタイリングを募集。「iQON」会員のウェブ投票と、TGC来場者によるiPadアプリからの投票でそれぞれ優勝者を決めるコンテストを行った。

 結果発表は同月20日で、ウェブ投票は17日まで実施しているが、TGC会場では1日で1013人が投票し、注目を集めた。

 ヴァシリーは今後、TGCでサイトを知った消費者を含め、"ファッション好きが集う場"を訴求ポイントとして、新たな通販サイトとのコンテスト開催を計画するほか、会員が持つマイページのカスタマイズなどコーディネート作成の頻度が上がる取り組みに力を入れ、「iQON」経由での商品販売につなげたい意向だ。

 そのためには、サイト訪問者をいかに増やすかがカギとなるが、「プロモーションで消費者を呼び込んでも、コーディネートの質が下がっては魅力のないサイトになってしまう」(金山社長)とし、くちコミなどを通じて自発的にコーディネート機能を使ってくれるユーザーの囲い込みを優先。目標とする会員数は来年4月までに1万人としている。

ドクターシーラボ、シニア向けに専用ダイヤル

 ドクターシーラボがシニア層やロイヤルカスタマーなど顧客属性ごとのコールセンター対応を強化する。今春から中高年向けに受注・問い合わせの専用ダイヤルを用意。通常ダイヤルでは自動音声経由でオペレーターにつながるが、当該層は自動音声に戸惑い、受注に至らないケースもあることから自動音声を挟まず、オペレーターが直接対応して丁寧な商品説明を行うほか、アップセルなども実施し購入点数アップにつなげているようだ。今秋をメドに上位顧客向けの専用回線も設置予定。顧客属性別のコールセンター対応で売上拡大を図る狙い。

 同社では今年4月ころから通常の会報誌「シーラバー」よりも文字サイズが大きく、掲載商品もエンジングケア化粧品や健康食品などを多くした60代前後のシニア年層向けの会報誌「シーラバー倶楽部」を創刊して毎月、当該層への配布を始めている。これに合わせて、当該世代向けに受注や問い合わせの専用ダイヤルを設置した。なお、専用ダイヤルは毎月、配布する「シーラバー倶楽部」などに掲載し、告知している。

 通常ダイヤルの場合、まず自動音声を流し、受注か問い合わせなどをダイヤルで選択後に、オペレーターにつながる仕組みとしているが、シニア層向けの専用ダイヤルでは自動音声を介さずに直接、オペレーターが対応するようにした。「(シニア層の中には)自動音声に戸惑ってしまい、結果として電話を切ってしまうなど注文に至らない場合もあった」(同社)という。直接、オペレーターが対応し、商品説明の時間を意識的に長く取りつつ、注文につなげるほか、会話の中で他のお勧め商品のアップセルなどを実施して、購入点数アップにつなげているようだ。

 このほか、顧客属性別のコールセンター対応として、ロイヤルカスタマー用の専用回線も今秋をメドに設置する計画。詳細は不明だがDMや請求書などで上位顧客のみに専用番号を通知して、通常の受注対応では実施していないきめ細かいサービスを展開することで、優良顧客の囲い込みを図りたい考えだ。

セイノーフィナンシャル、後発ならではの強み発揮

 物流大手セイノーホールディングスが4月末に、ネット販売支援事業を行う子会社セイノーフィナンシャルを設立した。物流を軸に、通販サイトの構築や運営、決済代行などネット販売をトータルに支援していく。得意とする大型貨物の取り扱いやBtoB向けサービスの提供といった「後発」ならではの独自の強みを発揮したい考えだ。


 
 「以前からEコマースについては調査研究をしていたが、思い切って会社を作り本格的に取り組もうということで開始した」。
 
 セイノーフィナンシャル設立の狙いについて丸田社長はこう述べる。ヤマトグループや佐川急便を中心とするSGホールディングスグループがネット販売事業者向けのサービスを強化するなか、西濃としてもグループのスケールメリット(規模効果)を発揮して通販向けの取り組みを拡充していく構え。
 
 セイノーフィナンシャルが展開している「バックヤード支援サービス」は、決済代行や通販サイト構築、ネット広告、小口倉庫、梱包、配送などネット販売に必要な機能をすべて備える。
 
 大手の事業者向けの倉庫に対応する一方で「小さな顧客でもまとまれば大きい」(丸田社長)とみており、小規模事業者向けに小口倉庫を1坪から貸すことや「場合によってはラック1つからでもお貸しする」(同)というサービスを提供。サービス利用料金も他社より低く設定し、小規模ネット販売事業者をカバーしていく。



 さらに決済代行業者やパッケージソフト販売業者らと短期間で次々に業務提携を行っている。まず、6月14日にソフトバンク・ペイメント・サービスとの連携を発表したのを皮切りに、ゼウスやGMOメイクショップ、「EC―CUBE」を提供するロックオン、J―Paymentらと相次いで提携、9月3日時点で合計8社との提携を発表している。

 こうした目まぐるしい動きの背景にあるのは「後発なのでスピードを持って取り組みたい」(同)という考え。後発としてのハンディキャップを意識した上で「西濃グループが持つ30万社の取引先に加え、提携先企業の顧客にもサービスを提案したい」(同)とする。

 また、同社はグループ内に決済代行やシステム構築といった部門を持つが、様々な企業と連携することで最新の支援サービスを展開するという狙いもある。「技術革新が日進月歩で進む中で、柔軟に最先端のサービスに対応したい」(同)とする。



 同社が先行する他社と差別化を図っていく点が、大型貨物輸送のインフラやノウハウを活用した大型貨物のネット販売支援。「他社は運べる貨物に制約があるため、すべての需要を取り込めていない」(同)とする。例えば家具やタイヤなど通常の宅配便では取り扱いづらい商材の獲得を視野に入れており、小口だけでなく大型商品や複数商品を扱うB〓B向け貨物の取り扱いを強化する考えだ。

 丸田社長は「BtoBの貨物は量で見ると最も多い。通販にもビジネスチャンスがある。他社が手がけていない市場を開拓したい」と意気込む。



 中国でのサービスも展開する模様。10月をメドに中国向けの物流サービスを提供する予定で、それに合わせ現在、現地の大手宅配業者と提携の交渉を進めているという。

 輸送コストなどを踏まえて「荷物を1つずつ日本から送るのではなく、中国にまとめて運んで在庫し、その中から売れ筋商品などを配送するというやり方が正しいのではないか」(同)とみている。

 大手の物流企業が通販市場での顧客囲い込みを狙うなか、後発とはいえ全国に500カ所を越えるトラックターミナルを有する西濃グループとしてもその実力を発揮したいところ。今後は物流企業間での競争が激しくなってきそうだ。


日本代理収納サービス協会、不正請求などで対応策

 通販商品代金などの収納代行事業者と収納窓口となるコンビニエンスストア本部が、任意団体「日本代理収納サービス協会」を立ち上げ、9月2日に設立総会を開催した。コンビニ店頭等での各種料金収納サービスの安全性向上などを目的としたもので、有力収納代行事業者やコンビニ本部など40社で構成。総会当日は定款を承認するほか、理事企業を選出した。今後同協会では、消費者の二重弁済や不正請求の防止策などの検討を行う意向だが、日本通信販売協会(JADMA)など関連団体との連携も進めていくものと見られる。


 「日本代理収納サービス協会」の正会員は、コンビニ本部と直接、料金収納業務の委託契約を結ぶ収納代行事業者と、日本フランチャイズチェーン協会正会員コンビニ本部企業を中心に構成。正会員企業の顔ぶれとしては、収納代行業者が電算システムやSBIベリトランス、ウェルネットなど27社、コンビニ本部がセブン―イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクスなど13社で、このほかに収納票に印字されるバーコードを管理する(財)日本流通システム開発センターがオブザーバー会員として名を連ねている。
 
 総会では、定款の承認のほか、理事企業として電算システムやウェルネット、デジタルガレージ、セブン―イレブン・ジャパン、ローソンなど約10社を選出。
 
 窓口は電算システムが務め、事務局は電算システムの東京本社(東京都中央区)に設置する。
 
 また、定款では、オブザーバー会員として、関連業界団体の参加を募ることも盛り込んでおり、この部分ではJADMAや他の流通事業者団体と連携する可能性もある。
 
 一方、同協会の活動内容は、消費者の二重弁済防止、公共利益に反する不正請求の防止、安全かつ合理的な業務遂行のための仕組み作り、多重層化するサービス提供事業者の透明化など。具体的な内容の検討はこれからだが、利用者顧客の問い合わせに対する一元的な対応窓口の設置、あるいは悪質事業者を排除するため、コンビニ本部企業と直接契約を結ぶ収納代行業者の仕組みを自社サービスに取り込み顧客企業を開拓する、二次以降の収納代行サービス提供事業者をグループ会員として管理できるかなどがポイントとなっていきそうだ。
 
 コンビニ店頭等での料金収納代行は一時、金融庁が規制を掛ける動きを見せていた。結局、この金融規制は見送りとなったが、収納代行に為替取引の疑義があるとの見方を崩していないのが実情で、収納代行業者側では、自主的な安全確保の取り組みを進めるため、今回の協会を設置。規制議論の再燃をけん制する構えだ。


アポロクリエイト、360度立体撮影機発売、商品を様々な角度で表示

リサイクルトナーやインキなどのネット販売事業を展開するアポロクリエイト(本社・神奈川県川崎市、鳴海千尋代表取締役)は8月19日、商品を360度回転させて撮影し、立体的な画像に編集できる自動写真撮影機「フォトシミリ」を発売した。通販サイトでの商品掲載用の写真撮影機器としての需要を見込んでいる。

 同商品は、撮影用の照明が内蔵されたパソコン制御型のボックスの中に360度回転するターンテーブル(フォトキャプチャ)を置き、被写体の角度を自動で変えながらデジカメで撮影できるようになっている。最もグレードの高い「フォトシミリ5000」は一眼レフデジカメ内蔵型で、半球面上の側壁をカメラが15度ずつ移動して撮影できるようになっている。

 撮影された画像は、USBで接続したパソコンに取り込まれ、「アニメーションGIF」や「フラッシュファイル」としてアップロードできる。出来上がった編集画像はマウスのカーソルを合わせて、撮影した通りの角度に自在に表示を変えることが可能。

 すでに大手靴ブランドやアパレルメーカーのコーポレートサイトなどでフォトシミリによる商品写真が掲載されており、通販サイトでの利用事例も徐々に増えてきているという。

 売れ筋の「フォトシミリ200」(縦61センチ、横61センチ、高さ72センチ)は、税込価格29万8000円。フォトキャプチャは別売りで、被写体重量が11・3キログラムまでの「PC360」は税込価格19万8000円となっている。

 鳴海代表取締役は「通販サイト上で商品を様々な角度から見せることで詳細が伝わり、消費者も安心して買うことができるのでは」とした。

夢展望、新物流センターが稼動、3年度出荷売上高100億円へ

夢展望(本社・大阪府池田市、岡隆宏社長)は9月7日から、大阪に新設した物流センターの稼働を始める。売上拡大に伴って増加した出荷量に対応するために物流センターを新設。これまで2フロアーで実施していた出荷作業をワンフロアで行い効率化を図ったほか、機械の導入で作業を自動化し出荷能力を2倍に高めた。3年後に出荷ベースの売上高は100億円を見込み、今後、ピッキングや梱包の自動化などにも着手していく考えだ。

新物流センターは大阪の住之江区に設置。広さは9917・37平方メートル。1日最大出荷能力は2万5000件で、従来と比べて倍に拡大した。これにより取り扱い品目数は3500型となり、1万7000SKUに対応する。

 これまで2フロアーで行っていた出荷作業を、物流センターの移転に伴って1フロアーに集約。作業スタッフが2フロアーからピッキングしていたこれまでの作業導線を短縮し、商品管理やピッキング、仕分け、梱包などの作業の効率化を図った。

 また新たに「自動仕分けソケーター」を導入し、これまで人員が行っていた仕分け作業を自動化した。一列に並んだボックスと顧客の受注データを連動させ、作業スタッフがピッキングした商品を顧客の注文に合わせて自動で仕分けする。

 仕分け完了後はボックスに対応したランプが点灯し、作業スタッフが商品を検品する。検品が終了した商品は自動で梱包ラインに流れ、空いたスペースには自動で新たなボックスが設置される仕組みとした。

 加えて、商品保管棚をこれまでの「ネステナー」から「クロスサポーター」に変更した。従来のネステナーと比べると棚の大きさを小さくすることで、商品棚に発生していた空きスペースを改善。倉庫スペースの効率化で取り扱い品目を拡大できるほか、細かな商品管理が可能となった。

 コスト面については、機械による自動化で人員を削減。また、出荷件数の増加に伴って物流コストの改善が可能となるとしている。

 なお、同社の09年9月期売上高は前期比45%増の45億6300万円。毎週新商品を投入し常時500アイテムを販売している。

通販需要を取り込め② 生鮮等の産直通販に照準、航空便で即日配送も

 通販などtoC荷物の対応強化に乗り出した佐川急便。そのインフラ整備の一環として、集配拠点となる小型の営業店の拡充を進めているが、一方で、荷主の通販事業者から「サービス品質に対する要望が強くなっている」(井岡康治営業戦略部部長)という。通販事業者にとって宅配便は、単に商品の受け渡し等の機能を担うだけではなく顧客との接点。同社としても、通販事業者を開拓していくためには、より付加価値の高いサービスの提供は不可欠になる。

 通販関連の荷物を取り込んでいく上で佐川急便がターゲットのひとつにしているのは、ご当地グルメ商材や生鮮などの産直通販。地方の生産者などが通販を手掛けるケースが増えているが、同社では鮮度が求められる商材は自社の強みを活かせると見ている。

 佐川急便では、ニチレイ(現ニチレイロジグループ)と提携し、1999年3月から冷凍・冷蔵サービスの「飛脚クール便」を展開。2010年3月期の取扱個数は前期比13・4%増の3749万5000個と2桁の伸長だった。強みは、低温物流の設備とノウハウを持つニチレイと連携した展開。庫内での荷物の積み替えなど温度管理を徹底しており、サービス品質維持の面でも、ダミーの荷物の中に温度計を入れ、全国の営業店に発送するという試みを実施。同社のクール便は2~10℃で温度管理を行っているが、この試みでは、ドライバーの集荷から集荷地域の営業店、幹線輸送と荷物が届くまでの各行程の温度を計測し、予め設定した温度を超えた場合には、オペレーション等の問題点を洗い出し、解決策を講じるという取り組みを常に行っている。

 温度管理の徹底については「宅配便業界でもナンバーワンだと思う」(同)とする同社。サービス品質には絶対的な自信があるようだ。

 一方、商品の鮮度維持を考えた場合、顧客に商品を届けるまでのリードタイム短縮もポイントになるが、これについては航空便の活用を計画する。

 これまでにも、案件によっては航空便を活用した即日配送を行っていたが、ご当地グルメや生鮮品の産直通販などの利用拡大に伴い、「(遠距離から発送される商品のリードタイム短縮に対する)ニーズが高くなってきている」(同)と判断。即日配送を定番のサービスメニューとして提供するためのインフラを構築することにした。

 詳細はまだ決まっていないが、まず一大消費地である東京23区向けに航空便と陸送を組み合わせたネットワークを構築。23区を中心とした首都圏で九州や北海道から発送される商品の即日配送体制を確立させ、他地域にも展開を広げていく考えだ。今期中に即日配送サービスをスタートさせる意向で、朝に水揚げした鮮魚などをその日の夕食までに届けられるような展開を構想する。

 ネット販売を中心に通販市場が拡大する中、通販関連荷物の取り込みは宅配便事業者の必須命題。これに対しSGホールディングスグループとしてもデリバリーを手掛ける佐川急便、商品の保管・ピッキング等の佐川グローバルロジスティクス、決済の佐川フィナンシャルといったグループ各社の機能を活用し商品の受注から配達まで通販事業者の業務を支援していく考え。現状、toC対応の基盤構築に乗り出した段階だが、「サービス品質の部分で勝負していく」(同)とする。(おわり)

千趣会 〝つながりにくい〟を解消へ、IBMのクラウド・サービスを導入

 千趣会は自社通販サイト「ベルメゾンネット」について、8月から日本アイ・ビー・エム(同・東京都中央区、橋本孝之社長)が提供するクラウド・サービス「IBM マネージド・クラウド・コンピューティング・サービス」(IBM MCCS)を活用した商品・サービスの展開を始めた。機能拡張などで柔軟性のあるクラウド・サービスを活用することで、自社通販サイト利用顧客の利便性を向上するとともに、IT関連コストの削減につなげる。

 千趣会は2000年の「ベルメゾンネット」開設以降、会員数を順調に伸ばし、現在では664万人規模に拡大。インターネット経由の売上高も全体の半分以上を占めるまでになっている。

 ただ、女性向けの衣料品や雑貨を主力商材としている関係で、シーズンの変わり目に当る5月や9月のサイトアクセス数が通常月(09年度月平均2・8億PV)のおよそ2倍になるなど季節変動が大きく、キャンペーンの実施でアクセスが集中し、サイトにつながりにくくなる可能性があることから対応策を検討。機能拡張等の自由度が高く、顧客のストレス解消を図れるほか、IT関連コストの効率化が期待できるクラウド・サービスを活用することにした。

 今回導入した「IBM MCCS」は、日本IBMのデータセンターからネットワーク経由でメモリーやCPUなどのIT資源を利用できる従量課金制のサービスで、業務量の増加に応じ基本の機能使用量を最大4倍まで自動的に拡張することができる。アクセス件数の増加が見込まれる月だけ機能の使用量を多く設定することが可能で、アクセス集中時のレスポンス悪化回避のほか、IT関連投資の最適化にもつながるのがメリットだ。

 千趣会では、年内中に「ベルメゾンネット」関連のサーバーや各種社内業務向けサーバー135台を118個の仮想サーバーに集約し「IBM MCCS」で各種サービスを展開。これにより3年間で20%以上のITコスト削減を見込む。今後、新たに構築するシステムについても同クラウド・サービスの活用を基本とし、柔軟性やコストパフォーマンスに優れたサービスを展開していく考え。

通販需要を取り込め①――佐川、小型店拡充で地域密着サービス提供

 SGホールディングスグループの中核企業で宅配便事業を手掛ける佐川急便が通販事業者向けの対応強化に本腰を入れ始めた。これまでBtoBの荷物をメーンに扱ってきたが、toC向け荷物が急増し、現在では約40%を占めるまでに拡大。今期からの中期計画ではインフラの整備・強化を中心とした取り組みを進め、今後さらに増加が見込まれる通販関連のtoC向け荷物を獲得していく構えだ。商品の配送を担う宅配便は通販事業者にとっても重要だが、佐川急便がどのようは形で取り組み進めるのかを見てみる。

 まず、佐川急便がtoC向け荷物の対応策として打ち出しているのは、キメ細かな集配体制の構築。具体的には、「サービスセンター」と呼ばれる小型店舗を拡充し、地域に密着したサービスを提供していくというものだ。

 サービスセンターは、台車やカーゴ、3輪自転車などを使い、トラック4、5台分に相当するエリアの荷物を集配する拠点。前期末の段階で、サービスセンター等の小型店舗は大都市部を中心に295店を展開しているが、これを今期中に473店に拡大し、中計最終年度に当る2013年3月期には540店とする計画だ。

 佐川急便がサービスセンターの拡充を進める第1の狙いは、地域に密着した機動的なサービスの提供。地域に密着した展開を行うことで、「埋もれていたtoCのニーズを吸い上げた新サービスの開発などで利便性を高めていく」(井岡康治執行役員営業戦略部部長)考えだ。

 また、従来、中継拠点から配送地域の営業店で仕分けを行った後にサービスセンターへ送られてくる荷物を、中継拠点から直接サービスセンターに送る形で配送リードタイムを短縮させることなども構想。このほかに、トラックの使用抑制による駐車場問題の解消や環境負荷の軽減などの効果を見込む。

 佐川急便の場合、toBをメーンに成長してきた関係で、末端の消費者との接点となる窓口に課題があった。同社は酒販店やガソリンスタンドを中心に「飛脚宅配便」の取次店を持つが、ともに減少傾向にある業態。コンビニについても有力チェーンは既に「宅急便」と「ゆうパック」に先鞭をつけられている。

 商品配送に「飛脚宅配便」を利用する通販事業者は拡大しているものの、消費者に対する直接的な認知度アップといった面では、やや弱さがあったわけだが、佐川急便としては、サービスセンターの拡充によるtoC向けインフラ構築を通じ、自社で扱う商品・サービスの認知度アップや利用の促進につなげることも視野に入れる。

 一方、サービスセンターの展開を通じ質の高いサービスを提供していく上で人材の確保が重要になるが、この部分では「常に戦力(人材)を強化しながら、質の向上とコストの低減を図る」(同)とする。今後、通販関連の荷物の取り扱い増加は見込めるが、荷物の小型化が進み、toBの比較的大きな荷物の展開と比較すると、低料金で配達効率も悪い。さらに戦力の増強で人件費も増えることを考えると、いかに効率化を図り、利益が確保できる体制を構築できるかがポイントになる。

 通販等のtoC向け荷物の対応強化を進める佐川急便。サービスセンターの拡充と並行して「市場競争に負けない体制を作らなければならない」(同)とする。
(つづく)

カンダHD、通販物流強化へ――11月に新物流センター

 物流企業のカンダホールディングスは今年11月、通販企業などを対象とした新規物流センターを群馬県内に開設する。これに伴い、入荷・検品から保管、流通加工、出荷、返品処理など通販に必要な物流業務をパッケージ化したサービスを開始。中小の通販実施企業を中心とした物流アウトソーシング需要を取り込む。

 同社が新たに開設するのは「北関東館林物流センター」(群馬県邑楽町)。倉庫棟は2階建てで、延床面積1万7285平方メートルという大型の物流拠点だ。

 新センターが11月に稼働開始するのに伴い、成長市場である通販業界への営業を強化。中小の通販実施企業をメーンターゲットとし、とくに初めて物流業務をアウトソーシングする企業を取り込むことで、複数の通販企業が利用するセンターとして運営する考えだ。

 このため、中小でも利用しやすいパッケージ型のサービスを開始する。同社は、自社開発のWMS(倉庫管理システム)や受発注システムで顧客に応じた仕様にカスタマイズできるのが強みで、システム使用料や配送料、保管料を含め、商品1個当たり500円から請け負う。足回りは大手の配送企業を利用するという。

 基本サービスの詳細は入出荷作業と保管業務、発送(60サイズ、北海道・沖縄は除く)、納品書発行、基本の梱包資材、棚卸(年2回)、出荷完了報告、入出荷履歴報告、日次在庫報告となる。

 別料金のオプションとしてリアルタイムの在庫情報や商品の画像撮影、ギフトラッピングなどにも対応するという。

 新センターは、空調付きの常温倉庫のため、化粧品や健康食品、アパレル、雑貨などを対象商品にしている。

 同社では、保管スペースや出荷スピードといった物流キャパシティー拡大への対応に迫られる時期として「1日当たり150~300ケースの出荷数が物流アウトソーシングにもっとも適している」とする。また、「商品開発や顧客対応、サイト運営など事業の売り上げに直結する業務に経営資源を集中させることが大切」(同社)としており、通販企業の成長を物流面からサポートする。

スタートトゥデイコンサルティング・澤田宏太郎社長──衣料品ネット販売、成功のカギは?

7-2.jpg 「商品力はもちろん、どれだけネット販売に真剣に打ち込めるかが成功の必要条件」――。

 ネット販売への真剣さは投入する人材や精度の高い商品政策、広告戦略に表れ、これらの条件がそろえば、商品力(ブランド力)を上回る成果が得られることもあるという。
 
 現状、アパレル企業は、自社サイトとファッションモールに並行出店しているケースが目立つ。自社サイトでは、実店舗との連携を図る取り組みとして、ポイントの共通化や店舗発信型のコンテンツを掲載する企業が増えている。
 
 多くの場合、自社サイトとモールの客層は分かれているようで、「重要顧客は自社サイトで囲い込み、モールではライトユーザーに対応すれば良い」。
 
 実際に、同社がサイト構築や写真撮影、物流業務などを受託するユナイテッドアローズも、スタートトゥデイの通販サイト「ゾゾタウン」の顧客は20代前半が中心で、自社サイトは昔からの店舗客も多いという。
 
 自社サイトを開設する場合、「品ぞろえはフルラインに近いほど良い。常時、200型の商品はないと、サイトの見栄えも悪い」。
 
 店頭の重要顧客こそネット販売の上位顧客になり得るという。リアル店舗からの誘導を強化して、店舗経由の売り上げはリアル店舗に計上するなどの施策も有効で、店頭の協力も得やすい。
 
 ネット販売では商品の在庫がなくなっても画像は残るため、再入荷リクエストの仕組みを使って受注販売を行うなど、在庫リスクを抑えて販売数量を伸ばす手法もとれる。
 
 サイトへの誘導は、リスティングはもちろん、マス対象なら送料無料施策やポイント倍増なども有効。ただ、サイト内だけでPRしても駄目。どれだけ外部に露出できるかが大事で、「販促費用として目標売上高の5%は使う覚悟が必要」とする。
 
 今後はさらにモバイルの重要性が高まる。ただし、モバイル顧客といっても、夜、自宅のパソコンで品定めをして、決済手段として通勤時などにモバイルを使うケースもあるため、行動パターンを分析する必要がある。
 
 アパレルにとって、EC化率5%が最初のステップ。多くのアパレルが目指すのは10%で、その水準を超えてくると、「モールとの在庫共有化など、機会ロスを極力減らす仕組みが必要」とする。

有力CVSと収納代行業者──収納代行の業界団体設立へ、9月にも総会

 通販商品代金などの各種料金収納代行業務に関する事業者の任意団体が近く設立されることが、本紙の取材で明らかになった。収納窓口となるコンビニチェーン本部と収納代行業者で構成するもので、9月にも設立総会を開催する見込みだ。コンビニ収納代行や代引きを巡っては、金融庁が府銀行法で定める為替取引の疑いがあるとして金融規制をかける動きを見せたが、今回設立する団体を通じた利用者保護など事業者側の自主的な取り組みで、サービスの利用環境を整備。金融規制議論再燃の動きけん制する構えだ。

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研究・通販支援サービスの活用術、YSDのギフト向け支援ツール


家電通販応用で成果、店舗発送に切り替え物流費を大幅に削減

市場の拡大が続く進むネット販売。メーカーや小売業者の間では、新規事業としてネット販売の展開を検討するところが後を断たない。通販支援事業者でも、こうした新規参入事業者をターゲットに集客や業務効率化、など様々なサービスを提供しているが、中には、もともとの狙いとは違う使われ方で、思わぬ成果を出しているものもある。

 ヤマトグループで通販・ネット販売の支援ツールを提供するヤマトシステム開発(YSD=本社・東京都江東区、皆木健司社長)。通販サイト構築や顧客管理など様々な販売支援ツールをラインアップする中で「最近、使われ方が変わってきた」(e―通販ソリューションカンパニー・松崎暢之プレジデント)というのが、百貨店やGMSのギフト業務での利用を想定した「web出荷コントロールサービス」だ。

 同サービスはギフトでの利用を想定したもので、百貨店やGMSなどの店舗側の受注情報をヤマトシステム開発のデータセンターを通じて産直業者等のサプライヤーに送り、商品の発送に必要な送り状などを直接発行できるようにしたもの。

 従来、顧客の注文を受けた店舗側で送り状を作成し、サプライヤーに送付しなければならないという手間があり、実際の商品発送までに時間が掛かっていたが、「WEB出荷コントロールサービス」では、この課題を解消。また、商品の受注からお届けまでの流れを一元管理するため、顧客からの問い合わせにも迅速に対応できるといったメリットがある。

 現在、「WEB出荷コントロールサービス」の導入企業は70~80社だが、実はギフト以外にも、ある家電量販店が手掛けるネット販売で大幅なコスト削減を実現した事例があるという。

 この家電量販店。全国に100店舗以上をチェーン展開しているが、家電ネット販売については、北関東に物流拠点を設け、そこから全国に受注した商品を発送していた。この際、ネックとなっていたのは運賃の問題。北関東の物流拠点から全国に商品を発送した場合、九州や北海道などの地方の運賃が高く収益を圧迫していたのだ。

 この課題の打開策として家電量販店が打ち出したのは「WEB出荷コントロールサービス」を活用したスキームの見直し。具体的には、同サービスを使ってネット販売の受注データを全国の各店舗に割り振り、店頭在庫の商品を発送するという仕組みで、商品の集荷は店舗近隣を走る「宅急便」のセールスドライバーに依頼する形だ。

 この取り組みでは大幅な物流コストの削減。注文顧客が居住地に近い店舗から商品を発送する仕組みに改めたことで、従来のネット販売専用物流拠点の賃借料がなくなり、運賃も安くなったことから物流コストを70%近く削減することに成功したという。また、地域によっては商品の配送リードタイム短縮による顧客サービスの向上につながり、店舗側も、売り上げが自店に計上されるためモチベーションが上がるといった副次的な効果もあるようだ。

 通販支援事業者が提供する様々な業務支援サービス。使いようによっては、期待以上の成果を出す可能性があることを示した事例といえるだろう。


ペイパルジャパン、日本で本格営業開始、通販サイトの海外進出支援

 インターネット専用の決済サービス「ペイパル」を提供するペイパルジャパン(本社・東京都港区、アンドリュー・ピポロカントリーマネージャー)は7月28日、都内で戦略説明会を開催した。今年4月に銀行以外でも送金が可能になる「資金決済法」が施行されたことで、国内での本格展開を開始。2010年上期の日本における取扱額は、前年同期比45%増となっている。今後は中小通販サイト向けの販路を拡大するほか、通販サイトの海外進出を支援することで、取扱額を増やす計画だ。


 ペイパルは商品を購入する際にクレジットカード番号を入力する必要がないなど、セキュリティーの高さが特徴。6月末時点での日本でのアカウント総数は100万以上、アクティブなアカウントは40万以上だという。

 通販サイトへの営業活動に関しては、決済代行事業者6社と提携し、ペイパルの採用を呼びかけてきた。今後はカード会社など、ネット会員を多く保有する企業との提携を推進。また、決済代行事業者などとの提携を強化し、導入の容易さや手数料が安価な点などをアピール、中小規模の通販サイトを取り込む。

 ペイパルは世界各国で利用されていることが強みのため、今後は海外取引への対応を強化する。各国のペイパルサイトや利用者向けのメールマガジンで通販サイトを紹介するなど、海外進出をサポート。また、海外からのクレームに日本語で対応可能なことや、「商品が届かない」などのクレームや返金依頼などが発生した際に、ペイパルが補償する「売り手保護プログラム」があることもアピールする。モバイルに関しては、国内キャリア対応を進めるほか、スマートフォン向けアプリケーションも充実させる。

 記者会見でピポロ氏は「ペイパルはクレジットカードと同様の利便性だけではなく、安全性も提供できる。日本市場で今後も大きな伸びを示すだろう」と語った。
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ペイパルジャパンのアンドリュー・ピポロカントリーマネージャー(写真)は本紙のインタビューに応じ、次のように語った。

――知名度を上げるためにどのような施策を展開してきたか。

 著名な通販サイトで使えるようになれば、消費者もペイパルを知るようになる。ペイパル決済を利用すると送料が無料になるなどのキャンペーンを行うことで関心や認知度が上がり、登録者も増えていくわけだ。今後はSEMやネット広告なども選択肢となるが、まずは通販サイトを通じた活動で利用者を増やしていきたい。

――送料無料キャンペーンに関して、原資はペイパルが負担するのか。

 サイトによって異なるので一概には言えないが、キャンペーンの効果は非常に高い。

――国内通販サイトの海外進出サポートについては。

 ペイパルの導入は非常に容易で、多種類の通貨に対応、さらには競争力のある価格設定もできる。国際間取引に関する支払いの部分を、できる限りシンプルにすることが最大のサポートだろう。

――ペイパルのメールマガジンへの掲載には条件があるのか。

 費用は発生しないが、規模の大きなサイトであることや、決済時にかご落ちを防ぐための工夫がされていること、ペイパルによる決済が多いことなどの条件がある。

――「売り手保護プログラム」に関して詳細を教えて欲しい。

 商品不達などで顧客から返金依頼が発生した場合、店舗側の主張が妥当と認められれば、当社が補償するというものだ。海外取引に際してこうしたリスクを懸念する店舗は多く、利用促進に役立つだろう。現在、楽天市場の一部店舗で試験導入している。



郵便事業会社 フルフィルサービス開始へ、オットーなどが機能補充

 郵便事業会社は、郵政民営化後の遊休施設を活用して、ネット販売実施企業をターゲットにしたフルフィルメントサービスの提供を始める。都内(足立区)に第1号の専用拠点を開設しており、今後、オットージャパンや通販向けの物流システムを手がけるシーネットと協業してフルフィル機能を充実させ、成長段階にある中小の通販企業が直面するニーズに応える。来年には本格的にサービスを開始し、事業拡大にあわせて東西で拠点を整備する。

 郵便事業会社では、年商10億円未満のネット販売実施企業は総じて成長率が高く、また、物流面でも課題を抱える企業が多いことから、当該企業を中心にパッケージ化したフルフィルサービスの事業化に乗り出す。

 新たなサービスを始めるのに当たり、郵便事業会社では日本郵便の足立支店に隣接し、これまでグループへの物品供給を行っていたセンターを改修。今年4月にロジスティクス部隊の専用施設「東京センター」(約2万平方メートル)を開設した。

 現時点では、倉庫内業務と配送をセットにしたサービスにとどまっているものの、今後、ネット販売に必要な機能としてコールセンターやカスタマーリレーションなどの顧客サービス機能、コンテンツ作成や決済といったフロントエンドの機能を順次、追加することで付加価値の高いサービスを目指す。

 第一弾として、コールセンター業務などについてはオットージャパンと、WMS(倉庫管理システム)ではシーネットと協業する方向で詰めており、詳細な時期は決まっていないものの、来年にはサービスを開始する。

 郵便事業会社では、東京や大阪などの一等地に空きスペースを持つため、事業拡大にあわせて、2年後には関西センター、3年後には第2東京センターを整備する計画だ。

 同社は民営化後、物流全体の改善提案が提供できるようになったものの、3年が経過した現在もロジスティクス事業(3PL事業)の売上高約70億円のうち、60億円はグループ内業務で、外販は10億円にとどまっているのが実情。

 このため、郵便の法人営業を担う800人規模の営業マンを有効活用し、パッケージ提案で訴求しやすいサービスを展開することで、外販の拡大につなげたい狙いもある。

09年度テレマ上位10社売上高――合計は5299億円に

7kata.JPG 2009年度のテレマーケティング事業者上位10社の合計売上高は、6社が増収で5299億9100万円となった。昨年行った調査での08年度の10社合計売上高は5151億4500万円で、それとの比較では2・9%の増収。ただ、拡大はしているが4社が減収だったほか2桁増も2社に留まるなど、不況の影響で成長が鈍化傾向にあるもよう。今期の重点課題としてはアウトバウンドなど効率的な販促系業務の強化を挙げる声が多く、今後のトレンドになる可能性が高そうだ。

上位6社は順位変動なしも、3社が減収に

 今回調査では、上位6社までは前回調査と順位の変更はなかった。

 首位は昨年に続きトランスコスモスが維持。ただ、売上高は前期比7・7%減と減収だった。コールセンターサービス事業やデジタルマーケティングサービス事業は比較的堅調に推移しほぼ横ばいだったものの、ビジネスプロセスアウトソーシング事業が景気低迷の影響を受け、BtoBコールセンター業務やエンジニア業務で新規獲得が不振。データエントリー事業でも、前期増収に貢献した、タバコ自動販売機専用カード「タスポ」関連のデータ入力業務が、「タスポ」の定着化に伴い減少したため減収となった。営業利益も、売上高の減少に伴い同18・1%減の49億4500万円と2桁の減少となった。

 2位はベルシステム24。通販系クライアントの業務は堅調に推移したが、景気低迷の影響により、売上高は前期比2・2%減と微減だった。ただ、退職率が減少している効果で新人の採用費や研修費などの支出が減少。コスト削減が図れた結果、営業利益は前期比1・4%増の139億3900万円と微増ながら増益となった。

 3位はもしもしホットライン。大型スポット業務の受託に加え、製造業を中心に、コールセンターの統合やアウトソーシング化などの構造改革プロジェクトが下期に部分的に再開。前期にグループ入りした店頭営業支援業務のエニーの売上高も貢献し、売上高は9・3%増となった。ただ、利益面では景気の低迷を受け、通信や金融を中心に既存クライアントの規模が縮小。通信向けプロモーション業務の採算悪化もあり、営業利益は同4・8%減の80億9800万円と減益となった。

 4位はエヌ・ティ・ティ・ソルコで、売上高は前期比2・6%減と若干の減収。クライアントからのコスト削減要請に加え、グループ内の業務を受託する内販部門で電話系業務が減少したことなどが影響した。ただ、「Bフレッツ」や「ひかりメンバーズクラブ」などのIP系業務は伸長した。グループ外の業務を受託する外販部門は、官公庁系でスポット業務を獲得したほか、外資系食品メーカー業務を受託するなどし、好調だった。

 5位はKDDIエボルバ。売上高は前期比41・6%と大幅な増収。営業利益も282・9%増の39億8200万円と大幅増益だった。

 6位はテレマーケティングジャパンで、売上高は前期比1・9%増と増収。上期はリーマン・ショックの影響があったものの、下期にアウトバウンドのスポット業務や国税局の業務の受託を獲得。年度末に金融系スポット業務の受託も獲得し、微増ながら増収を達成した。利益面では、営業利益は全社的な経費削減や、効率的な要員配置など人件費の部分のコントロールが順調に進み、同44%増の11億1000万円と大幅増だった。この他の状況は、下期にメーカー系クライアントでブースが拡大。通販系では新規案件の獲得はなかったが、既存業務は拡大した。

 今期はコールセンターに並ぶ新たな事業の柱として、バックオフィス(BO)系業務の拡大を推進する計画だ。

CSKサービスウェアが大幅増に

 7位はCSKサービスウェア。売上高は前期比51・8%増と大幅な増収となった。同社は09年7月、親会社であるCSKホールディングスのグループ会社と合併。合併したグループ会社の売上高分が上積みされ、大幅増となった。また、金融系や通販系の既存クライアントの業務が拡大。利益面もコスト削減策の実施や売上高の増加に伴い増益となった。2010年度の見込みは非公開だが、今期は専門の営業部隊を編成するなど営業力を強化。新規クライアント獲得に注力する方針だ。

 8位は富士通コミュニケーションサービス。リーマン・ショックの影響で、主力のテクニカルサポート業務で既存クライアントのサポートへの投資が減少するなど業務の規模縮小があり、売上高は前期比1・2%減とほぼ横ばいで推移した。ただ、ネット販売事業者やISP事業者をクライアントとするeビジネス系業務では新規を獲得するなど好調だった。利益面は公開していないが、売り上げと同様にほぼ横ばいだったという。

 今期はクライアントからのニーズの高いセールスマーケティング業務に注力する。受注拡大やアウトバウンドによる販売促進など、「クライアントのビジネスが拡大するための仕事に比重をかける」(富士通コミュニケーションサービス)計画だ。通期売上高の見込みは前期比3%増の170億円をみている。

 9位はプレステージ・インターナショナルで、売上高は前期比9・8%増と増収だった。主力の自動車関連部門が新規受託の獲得などで2桁の増収。CRM関連部門も海外の新規業務の獲得や既存業務が堅調で、大幅増となった。このほか、不動産関連部門、BPO事業なども好調に推移。ただ、金融サービス部門は海外で展開するクレジットカード業務の会員数は堅調だったが、国内の既存業務の縮小や円高の影響などにより減収となった。営業利益は前期比3・2%増の23億9000万円と増益を確保した。

 10位の安心ダイヤルは、主力のロードアシスタントサービス事業で、既存クライアントの業務が拡大。住宅関連のサービスでも新規クライアントの獲得が進み、売上高は前期比6・8%増と増収で推移した。利益面は非公表。今期は重点課題として、引き続き既存クライアントの業務の強化に努める考えだ。

ドゥマン、翌日配送を開始

 食品通販を行うドゥマンは7月7日から、翌日配送を開始した。大阪に物流拠点を設置し、冷凍の菓子や魚介類など1500品目で対応する。ヒット商品購入者へ同梱アイテム提案を強化することで、客単価の向上とリードタイム短縮化による購入者の拡大を狙う。これにより20~30%増の売り上げ増加を予定する。

 同社は配送委託業者と連携して大阪に出荷拠点を設置。これによりメーカー直送から、一カ所でスイーツやかになどヒット商品を配送する体制に変更。出荷拠点に自社の受注管理システムを導入し、在庫管理や受注伝票の出力などを一元化し、当日午後2時までの注文を最短で翌日に届ける仕組みとした。

 これまで自社で在庫を持たずにメーカー直送での配送してきた。出荷拠点集約後も販売実績に応じてメーカーに売上高を支払う。また、物流委託業者とは1配送ごとに手数料を支払う仕組みとし、物流コストの膨張を抑制した。

 翌日配送対応商品は、スイーツやかになどの魚介類、惣菜など冷凍品。まずは人気商品を中心に集約する。

 これに伴い通販サイトでは、同梱商品の提案を強化する。メーカー直送のこれまでの体制では、同一メーカーの商品しか同梱対応ができなかった。今回の配送体制の強化により、出荷拠点で管理するアイテムは同梱可能となる。「濃厚ミルクシュー2」などのヒット商品を核に、これまで埋没していた他の商品の提案を積極化する考え。同梱による客単価アップとリードタイムの短縮化による購入者の増加を見込む。

 今年中をメドに、対応商品を1500アイテムまで拡充し、7~8割の商品で配送リードタイムの短縮化に対応。来年度には関東での出荷拠点設置も検討しており、全国を対象とした当日配送も開始したい考えだ。

警視庁 ベルシステム24の社員を逮捕、カード情報の不正入手で買物

 クレジットカード番号などの個人情報を外部に持ち出し商品を不正に購入していた疑いで、警視庁は7月8日、ベルシステム24(本社・東京都渋谷区、矢原史朗社長)の契約社員を逮捕したと発表した。三菱UFJニコスから委託された業務中に業務端末から個人情報を不正に取得し、これを利用して約860万円相当の買い物をしていたという。テレマ関連業務の根幹を成す「信頼」を揺るがす同事件。今後の対応やセキュリティ体制のあり方が改めて問われることになりそうだ。


 ベルシステム24は、逮捕された契約社員を20007年5月に採用。08年1月から、三菱UFJニコスから委託された深夜におけるクレジットカードの不正検知業務に同社員を派遣していた。同業務には同社員を含め12人を派遣しており、深夜はベルシステムの社員のみで業務を行っていた。

 三菱UFJニコスが発表した内容によると、同契約社員は勤務中に業務端末から、氏名、クレジットカード番号、有効期限などの情報を取得。この情報を利用して、通販サイトなどで約100点、約860万円相当の高級ブランド品などを購入していたという。

 三菱UFJでは被害に遭ったクレジットカード会員に対しカード番号の切り替えを実施する予定。ベルシステムとの契約の見直しや損害賠償請求については「警察による事実の解明を待って今後検討していきたい」(三菱UFJニコス)としている。

 クレジットカードの不正を監視する立場を逆用される形となった今回の事件。三菱UFJニコスは同業務において貴重品以外の私物の持ち込みを禁止するなどの対策を施していたが、事件発生を防ぐことはできなかった。

 いくら携帯やメモ帳の持ち込みを禁止しデータの外部保存を防いでも、人が介在する以上、物理的な防止策には限界があるのが事実。最終的には、従業員へ高いコンプライアンス意識を持たせるなど、「人」レベルでのセキュリティ意識の浸透が重要になってくる。

 ベルシステムでも今後、再発防止策として、不正行為防止のための管理・モニタリングの強化や全従業員のコンプライアンスに対する意識の向上などを図っていくとしているが、一度失った信頼を回復させるのは容易ではないだろう。ベルシステムはもちろん、他のテレマ各社も今後、高いコンプライアンス意識に基づいた徹底した管理体制をいかに提示できるか、それが改めて問われることになりそうだ。

成長支える物流戦略③「QVCジャパン」、仕分けエリアを毎日変更

自動倉庫から1日分補充

QVCジャパン(本社・千葉市美浜区、クリス・ホロビンCEO)は、番組のオンエア状況によって毎日異なる商品特性に対応するため、2種類の自動倉庫を活用した商品の保管、仕分け体制を構築している。

 同社では、その日の受注分は「翌日出荷」が基本で、出荷量は1日平均3万ピース、特番の放映日などは7~8万ピースに膨れ上がる。

 オンエア前にはすべての商品を保管しておく必要があり、同社の商品センター(千葉県佐倉市)では15万個のカートンと、2万5300枚のパレットを収納できる自動倉庫2機を整備している。

 出荷の大部分をTSV(トゥデイズスペシャルバリュー)商品が占めるため、放送する商品に合わせて仕分け(ピッキング)棚のロケーションを毎日変えているのが特徴。

 物流の要となる仕分け作業については、朝一番で前日のオーダーを自動倉庫からピッキング棚に補充し、残りは在庫として自動倉庫に戻す。仕分け作業が終わる頃には、ピッキング棚は空になり、翌朝、また受注量に見合った点数を棚に持ち出す作業の連続で、先行するドイツ法人のノウハウを活用しているという。

 「一見、手間のかかる業務フローに見えるが、商品カテゴリーごとに日々、出荷量が変化するテレビ通販には効率的なオペレーション」(同社)とする。

 倉庫全体の使い方を見てみると、センターの倉庫エリアは3層構造になっており、1階は入荷バースと、1人1点のみを購入する「シングル品」のオペレーション、24の梱包ラインなどを設置。

 3階は、セキュリティーを厳重にしたジュエリー取扱エリア、ハンガー商品の在庫保管、返品対応エリア、ハードグッズの品質管理エリアとして活用している。

 4階は、複数点購入のオペレーションを行うため、自動倉庫と仕分けエリアをコンベアーで結ぶ。複数点購入のピッキングエリアは大量出荷、中量、少量エリアと大きく3つに分けており、商品の出荷量に応じてパレットやカートン、ピース単位で自動倉庫から補充する。

 少量エリアは、ロングテール商品にも対応。ネット受注の伸びなどもあり、昨年から拡張している。以前は固定の棚を使用していたが、可動式の棚に変更して、フレキシブルな対応ができるようになったとする(写真)。
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 4階に47カ所ある梱包ラインでは、商品と送り状をスキャンすることで、梱包資材や同梱のチラシなどを選ぶ指示が表示される。慣れた作業員で1時間に50ピースを梱包するという。

 QVCジャパンでは、現在の800億円強の売上高に対し、1200億円程度までは現在の運営で問題ないとしており、自動倉庫も増床を前提に設計している。

(おわり)


「ゆうパック」統合直後にトラブル発生、5日間で遅配約32万個、通販事業者開拓に影響も

郵便事業会社(JP=本社・東京都千代田区、鍋倉眞一社長)は、7月1日から「ペリカン便」を統合して新たなスタートを切った「ゆうパック」で、大規模な遅配が発生した。「ペリカン便」の統合に伴う荷物の急増に、現場レベルの対応が追いつかなかったことが主因で、7月1日から5日までの遅配は約32万個に達したという。既に事態は収束の方向に向っているが、スタートの大きなつまずきは、今後の通販事業者の取り込みに影響する可能性もありそうだ。

JPによると、「ペリカン便」の統合に伴う荷物の取り扱い数量増加に備え、JPエクスプレスからの移管も含め70カ所の拠点を設けて仕分けなどを行っていたが、作業に不慣れであったことから、遅れが発生。JP側でも事前に荷物の増加を想定し、テストも行っていたが、実際の現場では荷物の形状が様々で小さな入力ミスなどが全体に影響し、荷物の配達に半日から2日程度の遅れが生じたとしている。

 ピークは7月2日で、10カ所の拠点で遅延が発生。その後、4日の段階で遅延の発生拠点は2カ所にまで縮小しており、4日の週の前半には正常化する見込みとしている。

 今回の問題は通販事業者にも影響が出ており、今年4月から商品配送をJPの「ゆうパック」に切り替えたニッセンでは、一部地域で商品の配達に遅延が発生。顧客から問い合わせに対し、「適切に対応をしている」(ニッセンホールディングス経営企画室)としており、JPに対しても1日も早い正常化の要望を申し入れたという。

 一方、生鮮品の産直通販などでは、配達遅延で商品がダメになったものもあるようだが、JPでは損害賠償に応じる意向で「規定に照らし合わせて対応していく」(広報)としている。

 JPでは、「ペリカン便」の「ゆうパック」統合に伴い、時間帯指定配達の区分を5区分から6区分に細分化したほか、翌日配達エリアを拡大、ネットでの集配受け付け開始などサービス面を強化。これを足掛かりに、通販事業者の取り込みを進める構えを見せていたが、今回の配達遅延問題で「ゆうパック」のサービスレベルを不安視する声も浮上しており、荷主企業の開拓を進める上でも、痛手となることも考えられる。


成長支える物流戦略②「QVCジャパン」  物流と品質管理を一本化

062.jpg QVCジャパンは、物流センター内に品質管理の中枢機能を置くことで、取扱商品の検品体制を強固にし、顧客満足度の向上につなげているようだ。

  まず、人員面については、この2~3年で物流効率化を実現し、センター内の品質管理部門に人材をシフトしてきている。現在のセンター従業員330人のうち、75人が品質管理のスタッフで、開設当初の55人体制から20人増やしている。

  実際の品質チェック体制は、倉庫の3階部分の一角を検品エリアとして活用するほか、セキュリティーを厳重にしたジュエリー専用エリアを設け、宝飾品の品質検査を実施している。

  品質チェックは、商品の取り扱い決定時と本ロット入荷時の2回実施。品質管理プロセスを物流オペレーションに取り込むことで、「水も漏らさない検品体制」(同社)を目指してのことだ。

  同社では、カシミアの表記問題もあり、新しい商品は全品、ベンダーが検査所に持ち込み、素材の確認をしている。とくに、品質を売りにする商品は、QVCとしても第三者機関に出して検査する。ジュエリーは数年前から一定量を壊して検査に出しているという。

  ジュエリー専用エリアでは、宝飾品の知識があるオペレーターを2人抱え、コールセンターでは対応できない問い合わせやニーズなどに応える。同エリアには修理ラインを設置し、ベテランの修理工が常駐して指輪のサイズ直しなどをその場でスピーディーに対応する。

  一方、昨年からは輸入品の検品体制を現地で強化している。中国製品については、上海にスタッフ2人を常駐させ、商品はQVCが認定した指定検品所を通すようにした。

  上海では、QVCとして販売できる商品か判断したり、取扱商品のどの部分をチェックするかなどを現地企業に細かく指導する。とくに大量に入荷するTSV(トゥデイズスペシャルバリュー)商品を中心し検品体制を強化し中国側のマネジメント力を高めた。この結果、以前は商品センターに届いてから販売できない商品が見つかるケースもあったが、指定検品所を通してからは品質が安定したという。(※ヤマトロジの「ペット商品通販サイト展開の狙い」は4面に掲載しました)

ヤマトフィナンシャルの代引き電子マネー決済サービス 女性向け通販に5000社契約 

061.jpg ヤマトフィナンシャル(YFC)は、6月28日から全国で提供を開始した代引き電子マネー決済「宅急便コレクトお届け時電子マネー払い」が好調な出だしとなっているようだ。流通系など電子マネー主要3ブランドに対応したことなどが奏功、スタート直前で女性向け商材を扱う通販事業者を中心に約5000社との契約が進んでおり、問い合わせも1日100件以上あるという。これまで通販での電子マネー決済はあまり浸透していなかったが、代引きでの本格的なサービス開始により、今後、利用が加速していきそうだ。

 YFCが手掛ける「宅急便コレクトお届け時電子マネー払い」は、「Edy」のほか流通系の「nanaco」および「WAON」に対応している。顧客が玄関先で通販購入商品等の荷物を受け取り、セールスドライバー(SD)が携行する新型の携帯端末に電子マネーカードや電子マネー機能付き携帯電話をかざすと決済が完了する仕組みだ。

 これにより決済時における顧客の手間を省くとともに、顧客が電子マネー決済の金額を指定できるようにすることで、小銭分だけ電子マネーで払えるようにするなど利便性を高めたのが特徴だ。また、決済金額に応じた電子マネーのポイントも付与される。

 通販事業者側は、初期導入費用や月額基本料金などが不要で、「宅急便コレクト」の代引き手数料と、電子マネー決済手数料(決済金額の3%)だけでサービスの導入が可能だ。

 YFCでは、国内の電子マネー発行数が約1億4000万枚、年間決済金額が1兆円規模にまでなっていることから、電子マネー利用者の間で通販での決済ニーズが高まっていると判断し、「お届け時電子マネー払い」を展開。これに対し通販事業者の反響も大きく、同サービスの発表直後から1日100件以上の問い合わせがあり、このまま推移すれば、「初年度の導入企業数は3万社程度になる」(決済ソリューション部・石王丸竜一部長)という。

 特に導入に前向きなのは、化粧品など女性向けの商材を扱う通販事業者。ネット販売の場合、決済の利便性や安全性は顧客がショップを選ぶ要素にもなるが、ポイント等の特典があり日常の買物でも利用している流通系電子マネーは「主婦層にとって使い勝手がいい」(同)ことから、女性メーンの通販事業者の取り込みにつながっているようだ。また、他の通販事業者でも決済に対する関心が高いもようで、同サービスの導入にあわせ、他の宅配便事業者から「宅急便」に乗り換えるケースもあるという。

 ヤマトグループでは今年に入り、「新宅急便」として、新サービスの展開を積極化。ヤマト運輸が「クロネコメンバーズ」会員向けに、荷物の受け取り場所指定サービスを導入しており、「お届け時電子マネー払い」は、「新宅急便」の第2弾サービスとなる。

 YFCでは今後、通販事業者の開拓と同時に代引き電子マネー決済の普及・拡大を図る意向で、7月1日からは人気男性グループ「TOKIO」を起用したテレビCMを投入。"玄関先電子マネーショッピング"として消費者に訴求していく考え。

 民間調査会社の調査によると、電子マネーユーザーの5人に1人が電子マネーを利用できる店舗を選んで買物をしているという。通販・ネット販売でも、対応電子マネーのブランドや代引き等の決済メニューの豊富さが、顧客の選択基準になる可能性がありそうだ。

ヤマトロジスティクス、ペット商品通販サイト展開の狙いは①

7kata.jpg ヤマトロジスティクス(YLC)は、通販事業者向け物流支援の「トゥデイ・ショッピング・サービス」(TSS)を活用した新サービスの開発を進めている。この一環として展開するペット関連商品の通販サイト「ペットライフサポート」では、複数のメーカーの参画によりペットフードなどを販売、「TSS」の仕組みを使った最短4時間の商品配送、商品同梱配送などで消費者のペットライフを支援する。将来的には他のカテゴリーでも同様の展開を構想しており、メーカーや通販事業者に新たな販路として活用してもらいたい考えだ。

 YLCが運営する「ペットライフサポート」の開設は昨年12月。消費者のペットライフの支援を基本コンセプトに、メーカーや通販事業者が利用できる新たな販路作りを目指したもので、現在の参加メーカー数は約15社、取扱商品数はペットフードやペット関連グッズなど約650品目となっている。まだテスト段階であるため、現状YLCが参加メーカーから商品を仕入れて販売する形になっているが、「当社自身で物販を行う気はない」(星野芳彦常務執行役員)としており、運営が軌道に乗れば、参加メーカーに販売主体となってもらい、YLCは売場やフルフィルメント機能の提供に特化する考えだ。

 一方、「ペットライフサポート」の特徴は「TSS」の仕組みを活用している点。現状「TSS」のスキームにのっているのは、商品の在庫拠点がある中部地区のみで、他の地域は原則翌日配達になるが、中部地区では受注から最短4時間で商品を届けることでき、特に消耗品であるペットシートなどが「4時間配送にマッチしている」(クイックロジカンパニー・船越宰ゼネラルメンージャー)。通常、ペットシートを購入する場合、ホームセンターなどに足を運ばなければならず、購入した商品を持ち帰る手間もある。これに対し同サイトは自宅にいながら商品を注文でき、「輸送代理の機能も果たしている」(同)という。

 また、YLCでは「TSS」を商品同梱のインフラとする構想を持っているが、その布石として「ペットライフサポート」でも商品同梱サービスを提供。「TSS」は専用の物流拠点に商品を在庫し、梱包・出荷する形になっており、同一の顧客から同じ物流拠点にある別々の商品の受注があった場合、同梱して商品を届けるという仕組みだ。

 同サイトでは、同梱対象となる商品をYLC側でコーディネイトし、購入金額2800円以上の複数商品の注文についてサービスを提供。因みに参加メーカーの基本的な利用料金は、「作業料や運賃、サイト運営費等の実費」(星野常務執行役員)で、同梱部分については、セットする商品の数に応じた料金設定としている。

 YLCが同梱サービスに力を入れる理由の第一は、顧客が注文した商品を1回で受け取ることができるという利便性。また、「TSS」を利用する一つの荷物に複数の商品を同梱するため参加メーカーの配送コスト負担が低減され、YLC側も梱包作業等のコストも抑えられる。参加メーカーのコスト負担を低減し、その分商品を安く提供することができれば、同サイトの利用顧客や参加メーカーの増加が期待でき、同梱等のサービスも拡充しやすくなるわけだ。

 「TSS」の仕組みを活用し、メーカー・通販事業者向けの新たな販路作りに乗り出したYCL。その布石となる「ペットライフサポート」の展開で、今後ポイントとなる取り組みを本格化させる構えだ。(つづく)

QVCの物流戦略①ーー自前主義でノウハウ蓄積

 テレビ通販大手のQVCジャパンが不景気の中で業績を伸ばしている。24時間、1つのチャンネルで生放送する安心感をベースに、消費者に価値のある商品を提案することはもちろん、同社が顧客満足度の向上に向けて重視するのが翌日出荷を実現する物流オペレーションと品質管理だ。リピーター獲得の生命線ともなる物流と品質管理を、自前の巨大センターで一体運営するなど独自の取り組みを行っている同社の物流戦略を追う。

 同社の物流は本国の米国や欧州のQVCグループと同様、「自前主義」にこだわり、基幹となるWMS(倉庫管理システム)をはじめ、すべてを自社で開発しているのが特徴だ。

 日本では、千葉県佐倉市に敷地面積約14万平方メートル、延床面積約9万平方メートルという巨大な商品センターを自前で整備。土地や建屋、自動倉庫などの物流機器に130億円以上を投じて2007年8月に開設した。

 同社では毎日、番組で紹介する商品が異なるため、放送当日は大量に出荷する商品も、翌日、翌々日と取扱量は大きく変化していく傾向にある。

 商品全体の出荷件数は1日平均3万ピース、最大で7~8万ピースに上る。出荷は、厳選した商品を1日限定の特別価格で紹介するTSV(トゥデイズスペシャルバリュー)商品の割合が高いため、ホームグッズやアパレル商材、ジュエリーなど、その日のTSVの商品カテゴリーによっても商品のロケーションをフレキシブルに変えている。

 同社では、冷凍・冷蔵品は産地から直送しているが、それ以外の常温商品は「いま、オンエアしている商品は翌日に出荷する」(同社)のが大前提で、放送分の在庫はオンエア時には全量を保管している必要がある。

 そのため、パレット単位で大量の商品を保管するパレット自動倉庫と、オリコンや段ボールで商品を保管するカートン自動倉庫の2種類の自動倉庫を使い分け、その日に出荷する分の商品は朝一番で自動倉庫からピッキング(仕分け)棚に持ち出すという手法をとっている。

 そうすることで、日々変化する商品カテゴリーごとの出荷量に手を焼くことなく、対応できるというわけだ。

 また、1日の出荷件数の増減にも対応できるよう、すべてのスタッフが出荷業務をトレーニングすることで、「翌日出荷」できる物流品質を堅持しているとする。

 同社では、フレキシブルな人員活用や梱包・出荷作業の一部を機械化することで物流業務の生産性が向上。センターのスタッフは開設当初の350人から330人に減った。

 また、08年から09年にかけての商品1点当たりの作業コストは17%、物流コスト全体では8%削減したという。(つづく)

在宅オペレーターへの挑戦㊦ NTTソルコ、「今は"実績作り"の時間」

 7-1.jpgエヌ・ティ・ティ・ソルコが本格稼働した在宅オペレーター。メリットや構想をソリューション営業部の加藤芳隆部長に聞いた。 (聞き手は本誌記者・河鰭悠太郎)
    

── 在宅オペレーターの採用は。
 
 「新規に募集する。また、今は業務量は少ないが、既存のクライアントにいろいろ提案しているので、そこで在宅サービスを希望される場合、既存のオペレーターの中から募っていく形もある。様々な事情で辞められたオペレーターへアプローチする場合もある」
 
──既存オペレーターの給料は下げるのか。
 
 「時給については、本人のスキル、業務内容等を勘案して総合的に決定することから一概には言えないが、引き下げる可能性もある」
 
──研修は。
 
 「今は横浜センターのスタッフを在宅化しているのでセンターに集めて研修しているが、将来的にはeラーニングの形も検討している」
 
──運用時間は。
 
 「業務次第で柔軟に対応できる。深夜でも早朝でも可能だ。そういう点でテレビ通販などに非常に効果的ではないかと思っている。例えば深夜0時からの業務だと、午後9時、10時から電車で来てもらう必要がある。また、その業務が深夜3時に終了するとなると、始発までを拘束時間としなければいけない。そうした余計なコストが発生するのだが、在宅はピークの1―2時間だけ対応してもらうことが可能だ。24時間の受け付けを望む消費者は多いが、現実にはスタッフ数人のために深夜にガンガン光熱費を使うことは難しい。そうした問題も解決できる」
 
──他にメリットは。
 
 「弾力的に業務が拡大できるのもメリットだ。仮に100席で運営していたとして、コールが増えて『あと10席増やしたい』となった場合に10席だけ在宅化する、ということができるわけだ。その後50席とか一定の数に増えればそのタイミングで増床すればいいわけで、効率的な設備投資ができる。また、雇用の創出も大きなメリット。この雇用がない時代でも、高齢者の方や障害を持った方などの雇用を創出していくことができる」
 
──想定するクライアントは。
 
 「先ほど言ったように繁閑差があるところと、あとは高スキルが必要な業務。例えばコールセンターは新橋にあるが、高スキルを持つオペレーターは千葉に住んでおり通うのが大変な場合などだ。そうした100人に1人というスキルを必要とする業務もターゲットにしていくつもりだ。ただ、これらに限らずどのような業種でも対応できると思う」
 
──アウトバウンドでの活用は。
 
 「7月からアウトバウンドの機能が拡充される。クライアントによっては、稼働状況に余裕がなく休眠客にリーチできない場合もある。そうした場合も在宅サービスで対応すれば効率的なのでは」
 
──ただ、在宅を不安視するクライアントも多いと思う。どう理解してもらうのか。
 
 「そこが一番の課題だ。在宅サービスが必要だと皆さん理解はしてくれるのだが、セキュリティに不安を持っているようだ。環境負荷軽減にもなる、雇用創出にもつながる、さらにはコスト削減も期待できるなど悪い要素はないのだが、踏み込むのはためらいがあるようだ。その不安をどう払拭していくかが最重要課題だろう」
 
──具体策は。
 
 「ひとつには、我々のグループ内で積極的に活用していくこと。もうひとつは、トライアルという形で無償で設備を提供するなどもあるだろう。そこで使ってもらい理解していただくという戦略だ。自社のコールセンター内の別室に在宅と同じ環境を作り、実際にやってみてもらうとか。そういう形で今は金融機関などと話を進めている」
 
──導入目標は。
 
 「具体的な数字の目標は特に持っていないが、確実に普及させる自信はある。今年は実績を積み上げる時期で、来年度から本格的に普及していけばと考えている」

ヤマトロジスティクス、自社運営のペット商品通販サイト──参加企業の開拓積極化

 ヤマトロジスティクスは、自社で運営するペットグッズ通販サイト「クロネコ ペットライフサポート」の取扱商品拡充に本腰を入れ始めた。通販事業者向け販売支援サービス「トゥデイ・ショッピング・サービス」(TSS)を活用し、複数のメーカーと連携して運営しているもので、参加企業の募集を積極化。今秋、中部地区で予定する定温管理対応のTSS専用センター稼動にあわせ、同サイトの展開を加速させる考えのようだ。

 「ペットライフサポート」は09年12月から、ペット関連商品メーカー数社の参加で運営を開始。現在約600品目の商品を扱う。「TSS」の仕組みを活用した取り組みで、商品の在庫拠点がある中部地区であれば、受注商品を最短8時間で顧客に届けることが可能。ペットフードの買い置きが切れた場合などの急なニーズにも対応できるのが特徴だ。

 今回、参加企業の募集を積極化するのは、同サイトで商品を購入する顧客から品揃え拡充の要望があったことだが、中部地区で今秋をメドに自動倉庫機能を有するTSS対応専用センターを新設することも大きな要因と見られる。新センターでは定温管理が行えるため、自然派素材を使用したプレミアムドッグフードなども扱いやすくなるからだ。

 「ペットライフサポート」ではこのほかに、現状、翌日配達となっている関東や関西についても年内中に8時間対応の開始を予定する。

 YLCは「TSS」について、商品同梱サービスのインフラとしていくことを構想。同じセンターに在庫する別々の商品を同一顧客が注文した場合に同梱配送するというもので、既に「ペットライフサポート」でもサービスを提供しているが、今後も、通販事業者の配送コスト負担軽減や顧客の利便性向上を主眼とした取り組みを積極化させていく構えだ。

楽天、物流サービスの実力は?④ネット売上拡大に貢献、顧客対応や生産体制が改善

前号に引き続き、「楽天物流サービス」を利用する楽天店舗の事例を紹介する。
 
                       ◇

 手作りスイーツの通販サイトを運営する、天使のおくりもの(本社・茨城県土浦市、磯前雄一社長)が物流代行サービスを利用し始めたのは2009年7月のことだ。
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 通販サイト「天使のおくりもの」がテレビで放映されたのをきっかけに、数年前からサイト訪問者が急増。年商も1億円程度まで拡大している。

 同サイトの商品はすべて冷凍で保管・配送しておりチーズケーキの訳あり品(切れ端)や、濃厚でとろけるチョコレートケーキなどが人気商品。ギフトとしての需要が多く、クリスマスやバレンタインなどにオーダーが集中する傾向が強い。

 物流業務を委託する前は、商品の製造から発送までの作業を社内で一貫して行っていたが、繁閑の差が大きく、ピーク時だけパートタイマーを集めるのは難しかった。

 09年2月(バレンタイン)には近隣の倉庫会社と臨時契約して出荷業務を手伝ってもらったが、単純な業務だけを依頼したため、同梱できる商品が限られるなど、顧客視点に欠けたことが反省材料となった。

 その後、売り上げ増もあって09年5月に現在の土浦市内に事務所と製造ラインを移転。これに伴い、物流改革に着手することになった。

 自社で倉庫会社を探すことの難しさを感じていた同社では、楽天に依頼し、紹介されたのが川崎市内に冷凍倉庫を持つナカムラロジスティクスだった。

 本来であれば、製造ラインに近い倉庫を望んでいたが、楽天の契約パートナーで冷凍のスイーツに対応でき、かつ、足回りでヤマト運輸を指定できる物流会社が茨城県内にはなかった。

 そこで、川崎市にある倉庫を見学したところ、「冷凍倉庫だけでなく、梱包・出荷作業場でも温度管理がしっかりしていた」(磯前剛専務)。

 ナカムラロジは、「楽天市場」で食品を扱うネット販売事業社の物流を受託していることもあり、安心感があった。「コストも想定内だった」(同)。また、受注件数が伸びても対応できる点が心強かったようだ。

 CS向上の観点からも大きな変化があった。それまで、冷凍(保管)スペースの問題から在庫を過度に持たないようにしていたため、受注生産に近く、消費者に届けるまでに1週間近くかかっていた。物流を委託したことで、鮮度を保ったまま多くの商品を保管し、受注後すぐに発送できるようになった。単品商品の組み合わせ販売もできるようになったという。

 また、繁忙期にも通販サイトのページ作りやメルマガの配信ができるようになり、売り上げ拡大に向け好循環を産み出しているようだ。

 今後は、ナカムラロジの協力を得ながら、細かい商品の詰め合わせをギフト包装で送れるようにしたり、受注翌日に届ける「あす楽」にも取り組む考えだ。  (おわり)


在宅オペレーターへの挑戦㊤ NTTソルコ、「漏えいの不安」払拭が鍵

カメラやサーバー管理で対応、「TV通販などに最適」

エヌ・ティ・ティ・ソルコ(本社・東京都港区、川守祐市社長)が在宅オペレーターサービスの本格稼動を開始した。昨年6月から試験的に展開していた、ブロードアースの在宅オペレーター用プラットフォーム「ホープス」を本格的に運用する。在宅サービスはオペレーターが自宅でインバウンド(受信)などを行うもので、効率的な人員配置やコスト削減が図れる一方、個人情報保護などの問題があり、これまで活用が進んでいなかった。ただ、コール数の増減幅の大きいテレビ通販などで有効と期待されており、今後、通販事業者の注目が集まりそうだ。

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在宅オペレーターサービス「ホープス」は、ネットワーク上のサーバを利用するのが特徴。「セキュリティ」「コール」「オペレータ」の3つの管理機能を実装する。
 
通話にはインターネットを利用した電話機能のソフトフォンを使用。コールの流れは、まずコールセンターに入ってきた顧客の電話は、自動分配機能でコールセンターか在宅のどちらかに振り分けられる。在宅のコールはブロードアースのサーバを経由しオペレーターに届く仕組みだ。

 オペレーターには、PCやヘッドセットなど通常使用する機器のほか、ウェブカメラやタッチペン式のメモボード、指紋認証付USBなどを専用のセキュリティボックスに入れて用意。ウェブカメラは業務状況の確認や情報漏えいの防止などのほか、一人で働くことでの疎外感を払拭する「コミュニケーションツールとしての役割もある」(ソリューション営業部・加藤芳隆部長)ようだ。

 PCの基本ソフト(OS)はオペレーター側のOSを使用せず、USB内に収められたOSを使用することで情報のコピーを防止。また、作業内容はすべてサーバで管理。PCにデータが残らない仕様だ。PCは離席して一定時間経過すると自動シャットダウンする。

 「在宅サービス」は交通費の削減などのコストカットが図れるほか、席数の一時的な増加など、弾力的な運営ができるメリットがある。ただ、これまで個人情報漏えいのリスクなどがあるため、具現化のハードルは高かった。同社ではこうした対策を施すことで、信頼性を訴求していくと共に、オペレーターのワークライフバランスの観点からも訴求する考えだ。

 現在は横浜センターで、SV(スーパーバイザー)などを含め約10席体制で運用。オペレーターの採用基準は「整備を進めている」(同)とし、新規オペレーターの採用も行う予定。既存のオペレーターや以前働いていたOBの活用も行っていく構想だ。

 現在は自社のオペレーターの募集採用に関する受付業務が中心だが、今後本格的に受託していく。基本的にはどの業種にも対応できるが、一例としては、繁閑差があり深夜時間帯の受信が多く、拘束時間の長いテレビ通販業務などに「かなり向くのでは」(同)と見る。また、休眠客の掘り起こしなどを目的としたアウトバウンドもニーズがあると踏んでいる。まずはNTTグループ内での活用のほか、トライアルで導入してもらうことで「コスト減の確認や不安を払拭してもらう」(同)考えだ。
(つづく)

楽天、物流サービスの実力は?③ 物流企業の対応力に安心感、売上高物流比率も低下へ

 楽天は、仮想モール出店企業を対象に物流業務を代行する「楽天物流サービス」を本格化している。今号では実際に同サービスを利用する楽天店舗の事例を紹介する。
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 北欧の雑貨や食器を中心に扱う通販サイト「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコム(本社・東京都国立市、青木耕平社長)が楽天の物流代行サービスを利用し始めたのは今年2月のこと。

 同社は、07年9月に自社サイトを開設。「楽天市場」に出店したのは09年2月と比較的新しいが、北欧雑貨のブームにも乗って、ネット販売の売り上げは毎月、前年同月比2.5倍で拡大しており、年商は1億円(09年7月期)程度。

 クラシコムでは、サイト開設当初から拡張性を考慮して物流のアウトソーシングを考えていた。事業拡大に伴い、出荷件数の少ない2月に、社内で対応していた商品の保管・出荷作業を委託したいと考え、倉庫を見て回っている時に楽天の物流代行サービスを知った。

 すぐに連絡をして紹介されたのが楽天のパートナー企業の野口倉庫(埼玉県戸田市)だった。それまで見てきた倉庫よりもコストは高かったが、「従業員のあいさつがしっかりしていて、取り組み姿勢が評価できた」(青木社長)。

 野口倉庫は雑貨通販の物流で実績があり、商品1点1点をバーコード管理して誤出荷を防いでいるほか、保管棚にはホコリよけのビニールカーテンを設置するなど、初めての業務委託にも安心感があったという。

 「はじめ、楽天は上前をはねているだけだと思ったが、パートナー企業のサービス品質に納得した。細かい損得勘定は捨てて、一緒に仕事をしたいと思った」(同)。

 物流業務は自社サイトと楽天分を一括して委託。取扱商品は約700SKUで、そのうち「楽天市場」ではヴィンテージ商品を除いた400SKUを販売している。

 自社サイトでは一点ものなどイレギュラーな商品も多いが、野口倉庫は細かいニーズにも対応してくれるという。一連の物流業務を委託したことで、クラシコムでは顧客対応やマーケティングなどに人材を集中できるようになり、事業計画の精度向上にもつながりそうだ。

 物流業務を委託して間もないが、「売上高対物流費比率は0.7~0.8%程度低下している」(同)とする。また、経営上、物流コストの大半を変動費化できたことも大きいという。(つづく)
 

佐川急便、toC向けの対応強化、小型店使い配送網拡充、通販需要取り込みへ

SGホールディングスグループの佐川急便(本社・京都市南区、平間正一社長)は、宅配便事業でtoC向けの体制整備を積極化する。この一環として、小型店舗を活用した配送拠点網の拡充を推進。キメ細かなサービスを提供できる体制を構築する考えだ。これまで同社は、BtoBを中心に宅配便事業を行ってきたが、通販市場の拡大に伴い、toC向けの荷物の取り扱いが急増していることを踏まえ、対応を強化。通販関連を中心としたtoC向け荷物の獲得につなげていく構えだ。
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佐川急便はこれまでにも、toC向けの対応強化策として配送拠点での荷物の車両積み込み作業を見直し、主婦等の在宅率が高い午前に荷物を集中的に届けられる体制の構築などを行っている。

 一方で、通販を中心としたtoC向けの荷物が増え続け、宅配便全体の4割程度を占めるまでに拡大。よりキメ細かな対応が必要と判断し、基盤となる集配体制を強化することにした。

 具体的に取り組むのは、「サービスセンター」と呼ばれる小型店舗の拡充。サービスセンターは、トラック4、5台分に相当する集配エリアを担当し、台車やカーゴ、三輪自転車などを使って荷物を集配する拠点で、地域に密着した機動的なサービスが提供できるほか、トラックの使用抑制による駐車場問題の解消などの効果があるという。

 現状サービスセンター等の小型店舗は大都市部を中心に295店を展開しているが、これを今期中に473店(期中178店増)にまで増やし、2013年3月期には540店とする計画。これに付随して、今年10月から現在4桁の配達店コードを7桁に変更するとともに、セールスドライバーの携帯端末の刷新を予定する。また、送り状についても、届け先の記入欄の下に依頼主の記入欄を設けるなど、toCを意識したデザインに改める計画だ。

 佐川急便では今期、通販等のtoC関連の対応強化策として、国内航空機事業を活用した即日集配体制の構築を計画するが、サービスセンターを活用した荷物の配送リードタイム短縮も構想。現状、中継拠点から配送地域営業店で仕分けを行った後にサービスセンターへ送られてくる荷物を、中継拠点から直接サービスセンターに送ることを視野に入れる。


楽天、物流サービスの実力は?② 物流代行で店舗の負担軽減

 前回は、楽天物流の設立の狙いなどに触れたが、今号では楽天が推進する"ハイブリッド型物流"の一翼を担う物流代行サービスについて見ていく。

 楽天が仮想モール出店企業を対象に物流業務の代行サービス「楽天物流サービス」を開始したのは〇8年5月のこと。出店企業ごとに異なる配送レベルの底上げが図れるのに加えて、店舗側も面倒な物流業務から解放されることで、マーケティングやコンテンツの作成など売るための作業に専念できるメリットがある。

 競合するアマゾンが東西に大型物流拠点を構えて配送サービスの強化に乗り出しているのに対し、楽天は物流企業とパートナー契約を結び、全国規模でネットワークを構築する。

 サービス開始から2年間は試運転が続いたものの、取扱商材と対応エリアを順次、拡大して本格化している。

 楽天には、成長が続くネット販売市場での取引を望む物流企業から問い合わせが増えているようだが、倉庫内のセキュリティーなどを含めた100項目近い楽天の要求レベルを満たす企業は少ないという。現在は北海道から九州までの17社と提携している。

 物流代行のターゲットはアパレルや食品など楽天が戦略的に伸ばしている商品ジャンルや、大手小売り企業の新規出店などに照準を当てて営業を強化している。

 楽天では、代行サービスの利用店舗数や出荷件数などの詳細は明らかにしていないが、「ショップ・オブ・ザ・イヤー」の受賞店舗が複数社、同サービスを利用していることもあり、認知度の向上とともに利用店舗は伸びているという。

 自社で委託先の物流企業を決めず、「楽天物流サービス」を利用する店舗が増えているのは、楽天が設定する高いハードルを越えた物流企業という"安心感"を指摘する声が少なくない。

 倉庫のオペレーションを担当する物流会社との間に楽天が仲介するため、物流企業と直接契約するよりもコスト面では割高になるものの、「授業料だと思えば高くはない」とする意見が聞かれるのも、楽天のブランド力にありそうだ。

 一方の物流会社では、「楽天市場」の商品を扱うことで、一般消費者向けの
物流ノウハウを蓄積して、本格的に通販物流に参入したい企業もあるようだ。

 ただ、楽天店舗の物流業務を請け負う企業によると、ネット販売市場の競争が激化しているため、翌年には倒産する店舗もあるなど、物流企業にとって必ずしも優良荷主の獲得につながるとは言えないという。

 次回は、実際に「楽天物流サービス」を利用している店舗の事例を紹介する。

ヤマト、代引きが電子マネー決済可能に

 ヤマトグループは、通販事業者の業容拡大を支援する新サービスの展開を加速させている。ネット販売の受注商品を最短八時間で届けるサービスの提供や、中国・上海およびシンガポールでの「宅急便」事業展開もその一例だが、顧客の潜在ニーズに対応したサービスを通じ、新たな市場を創造するというのが共通したスタンスだ。6月28日から始める代引きの電子マネー決済対応では、利便性の向上とともに、店販中心の電子マネーユーザーを通販に誘引する流れを構想する。

 6月下旬からスタートするサービスは「宅急便コレクト お届け時電子マネー払い」は、通購入商品等の荷物を受け取る際、受取人の顧客がセールスドライバーの携行端末に電子マネーカードや電子マネー機能付き携帯電話をかざすだけで決済ができるというもの。「Edy」「nanaco」「WAON」に対応し、受取人が1円単位で電子マネーの決済金額を指定できるようにしたのが特徴だ。

 代引きの電子マネー決済については、既に佐川急便等が手掛ける「e―コレクト」が後払い方式の「クイックペイ」に対応しているが、「お届け時電子マネー払い」の強みは、「Edy」「nanaco」「WAON」の主要三ブランドを網羅している点。

 特に、流通系の「nanaco」と「WAON」については、発行数で「Edy」や電鉄系の「Suica」に劣るものの、月間利用件数では「nanaco」「WAON」とも三千万件台で、「Edy」や「Suica」を上回っている。言い換えれば、流通系電子マネーは日常的な買物の決済手段として定着しつつあるわけだ。

 一方、ネット販売でも日用品などの購入が広がりつつあり、日常の買物の使用する流通系電子マネーによる決済ニーズが高まってくることは必至。その意味では、流通系電子マネーを決済メニューに加えることで、GMSなど店販の電子マネーユーザーの通販・ネット販売の利用促進が期待できる。特に流通系電子マネーの場合、主婦やOLなどの女性の利用が多いと見られるという点でも、客層を広げたい通販事業者にとってメリットはありそうだ。

 現状、通販での電子マネー決済は、あまり浸透していないのが実情だが、ヤマト側では、「通販も、これから電子マネーを使えるかどうかで顧客に選ばれる時代になる」(ヤマトフィナンシャル)と予測。決済サービスを起点に、通販の新たな利用顧客開拓と市場拡大を後押ししていく構えだ。

パルシステム 物流センター探訪──ピッキングミスが半分以下に

 7-2.jpgパルシステム生活協同組合連合会の、冷凍専用物流センター「南大沢センター」が稼働して約1年が経過した。システムの導入で倉庫内の搬送を自動化したことによりピッキングミスは従来の半分に改善、1日あたりのピッキング時間は3時間短縮した。現状は計画どおりに稼働しており、2年後には1日あたりの出荷件数を現状の2万件増やし13万件以上に拡大する計画。

 冷凍専用センター「南大沢センター」は09年2月に在庫を管理する「在庫センター」を稼働させ、同年4月にピッキング機能を持つ「セットセンター」の運営を開始した。パルシステムは菱食が管理する3万3590平方メートルの半分を借りて運営し、現在290アイテムの冷凍品を扱う。1日あたり2万2000ケースの納品があり、12万件の受注分を出荷する。
 
 同センターでは入荷から商品棚までの商品の搬送を自動化している。入荷時に登録した賞味期限や商品重量などの在庫データを、受注データと連動。倉庫内で受注データに合わせて必要な在庫だけを商品棚まで搬送。人を介さずピッキングラインまで搬送することでミスを防止し、効率化を図っている。
 
 ミスの防止に寄与するのが「自動補充システム」だ。保管倉庫から自動で商品を移送し、商品棚に在庫を設置するもの。注文数量に合わせて賞味期限の短いものからケース単位で保管倉庫から出庫し、一度保管スペースで待機。集品ラインの商品棚で1ケース終わるのを待ち、保管スペースから自動で商品棚まで配置される仕組みだ。 

 商品棚への在庫設置をスタッフで行っていた導入前は、配置ミスなどが原因で100万件のピッキングで90件のミスが発生していたという。同システムの導入により、ピッキングミスは半分以下の40件に改善された。今後精度を高めて、100万件中20件まで改善させたい考えだ。

 「セットセンター」のピッキングで時間短縮に寄与するのが「ウエイトピッカー付き商品自動投入装置」だ。商品マスターに基づいて商品重量を点検しながらピッキングするもの。ピッキングした商品が正しければ自動投入装置上をスライドし、一人ひとりの受注データと紐付いた循環容器に自動で投入される。

 自動投入装置は最大で5件の受注分をあらかじめピッキングすることが可能。注文とピック商品が異なる場合はウエイトチェッカーが反応。稼働速度を速めても循環容器に投入される前にミスが分かり、ラインを停止することなく作業を進めることができるという。
 
 今回の装置を導入したことで、一件あたりのピッキング速度は0.3秒改善し、1.5秒台になった。導入前と比べると1日あたり3時間の短縮につながったという。今後、さらにスピードの短縮を図り、ユーザーの拡大に対応したい考え。

 コスト面については、これまで岩槻などの3カ所の物流センターに分散していた冷凍品のセットセンターを南大沢に集約したことや、人員を4割縮小していることから削減が図れているもよう。
 
 今後、ピッキングラインの作業を効率化し、処理能力を高めたい考え。現状稼働しているセットラインを2ライン増やし6ライン稼働させるほか、倉庫の拡大などで、13万件の受注に対応する。


楽天 物流サービスの実力は?① 「即日」「同梱」に向け始動

 楽天が物流事業に本腰を入れ始めた。自前の物流センターを千葉県内に構え、今秋にも稼働することになった。アマゾンに対抗する楽天が選んだのは、仮想モール出店企業の取扱商材や消費者ニーズによって使い分けができる"ハイブリッド型"の物流だ。同社の物流サービスの実力に迫る連載の第1回は、楽天物流設立の狙いなどに触れる。

 そもそも、楽天はなぜ自前で物流施設を持つのか。

 そこには、物流・配送サービスで"2番手"に甘んじてきた状況を打破したいという思いがちらつく。
 
 自社で商品を仕入れて販売するのがメーンのアマゾンとは異なり、楽天はあくまで仮想モールの運営者。数多くの中小企業に出店してもらうことで、手数料収入を得て成長してきた。
 
 しかし、自社で商品をコントロールしないという"身軽な"事業モデルが、物流面ではアマゾンに遅れをとる結果になっていた。
 2年前、出店企業ごとに異なる配送レベルの底上げなどを目指してスタートした物流代行の「楽天物流サービス」は、パートナーシップを結ぶ物流専業者の開拓などもあり、サービスの開始はアマゾンが先。
 
 また、大型の物流拠点を軸に即日配送の「当日お急ぎ便」をサービス化しているアマゾンに対し、楽天ではこれまで、受注日の翌日に届ける「あす楽」が限界だった。
 
 そうした状況を打ち破るべく、今年初めに三木谷社長が掲げた重点テーマのひとつが「物流」だ。
 
 商品を安全・迅速に、かつ安価に届けてもらいたいという消費者の変らない要望に応えるために、物流拠点を自前で持つ決断をした。
 
 ただ、楽天の場合、すでに3万以上の店舗が全国に散らばっており、これを自社の物流拠点に集約するのは現実的ではない。

 そこで、仕入れ販売する「楽天ブックス」の一部商品を自社で管理して「即日配送」を先行実施し、そのほかの楽天店舗については、代行サービスでパートナーシップを結ぶ物流事業者16社とのパイプを太くするという選択をした。
 この2本の柱を同時に育てることで、「商材によって自前の拠点とパートナーのネットワークを適時使い分ける"ハイブリッド型"の物流を構築する」(宮田啓友・楽天物流社長)とする。

新刊など年内に即日配送開始へ


 今年3月に設立した楽天物流の役割、機能は大きく分けて3つある。1つは、「楽天ブックス」の拡大。埼玉県内にある日販の倉庫は保管能力が限界にあり、楽天物流と役割を分担する。

 同社は新作DVDや新刊本、雑誌などを新センターで扱うことで、取扱量の拡大に対応するとともに、ヤマト運輸と組んで即日配送を年内にも開始する。
 
 2つ目は、自前で拠点を持つことで、異なる店舗の商品を同梱する新サービスを開始する。物流代行サービスを新会社に移管し、物流パートナーが請け負う店舗の商材を一度、新センターに集めて同梱し、消費者に届ける仕組みを構築する。

 3つ目は、物流面で楽天グループ全体の交渉窓口となり、スケールメリットを背景に物流事業者への価格交渉能力を高める。
 
 楽天は、新会社を核に、3年以内に東名阪で自前の物流拠点を整備する考え。すでに、アマゾンは大阪にも大型の物流センターを構えるだけに、「ハイブリッド型」の真価が問われるのはこれからだ。


衣料品ネット販売支援の新潮流 マガシークが新規参入へ、「ゾゾ」は大手囲い込み加速

 アパレル企業が自社通販サイトの運営やフルフィルメント業務を衣料品ネット販売専業企業に委託するケースが増えている。これまで、スタートトゥデイがユナイテッドアローズ(UA)など6社から業務を受託し、支援事業を軌道に乗せつつあるが、今春からはマガシークも同事業に参入。スタートトゥデイの牙城に迫れるか注目される。

 先行するスタートトゥデイは、人気の高い大手アパレルの囲い込みを加速している。

 同社はこのほど、セレクトショップ大手のシップスが6月18日に開設する自社通販サイト「シップスオンラインショップ」の運営支援業務を受託した。

 実際の業務は「ゾゾタウン」運営のために構築したシステム、物流インフラを活用して、100%子会社のスタートトゥデイコンサルティングがサイトのデザイン制作や物流業務、マーケティング支援などのフルフィルメント全般を請け負う。

 スタートトゥデイは、大型案件だけでも09年3月のビームスを皮切りに、同年9月には伊勢丹とUA、12月にオンワード樫山の通販サイトの支援業務を受託。今回のシップスは7社目となる。

 今後は、「海外アパレルも含めて幅広いファッション領域をターゲットにする」(前澤社長)としており、11年3月期には支援事業を受託しているアパレルメーカーの商品取扱高を前年比55%増となる36億円まで拡大させたい意向だ。

 一方、マガシークも今期からアパレル企業をターゲットに通販サイトの運営支援事業に乗り出す。第1号案件はフォー・アンド・コレーが展開するブランド「Joias(ジョイアス)」で、5月中にオープンする計画。

 マガシークの場合、写真撮影などのフルフィル業務や倉庫内作業は物流企業のサポートを受けており、これと連携して新事業に取り組む。

 両社に共通するのは、同事業を新たな収益源としているだけでなく、すでに委託販売している商品と、ブランドの直営サイトの在庫を共有化することで物流コストを削減したり、当該ブランドとの関係強化につながる点も大きいようだ。

楽天 書籍など即日配送開始へ、自前のインフラ全国で整備

071.jpg 楽天は、同社の仮想モールで受注した商品をその日中に消費者へ届けるサービスを年内にも一部商品で開始する。これに先駆けて物流インフラの整備に着手しており、今秋をめどに千葉県内に大型の物流センターを稼働させる。今後、自社でハンドリングできる倉庫を全国に広げることで配送リードタイムの短縮や異なる店舗の商品を同梱するサービスを実現し、消費者や出店企業の利便性向上につなげる狙いだ。

 即日配送サービスの対象は、「楽天市場」に出店する「楽天ブックス」の取扱商品のうち、書籍やDVDの新作など約15万タイトル。年内をめどに首都圏とその近郊でサービスを開始する。

 同社は、物流サービスを強化するのに当たり、3月19日に完全子会社の楽天物流を設立した。

 また、このほど外資系企業が千葉県市川市に持つ物流センターのワンフロア延べ床面積約2万5,000平方メートルを賃借。5月中には国交省にトラック運送や航空貨物などの利用運送業と倉庫業の登録・許可申請を行い、物流センターは今秋にも稼働を開始する計画だ。

 現在、「楽天ブックス」で扱うアイテムの保管・出荷拠点は書籍取次大手の日販が保有する埼玉県内の倉庫だが、ここから書籍やDVDの新作を新物流センターに移し、楽天物流が管理する。

 センターでは「楽天ブックス」で足回りを担うヤマト運輸との連携を強化することで、即日配送や希望日配送のサービスをスタートする。次のステップでは、「楽天市場」の出店企業向けに強化している物流代行サービスと連携し、他の店舗の取り扱い商材との同梱サービスにつなげる。

 楽天は、08年5月に物流代行サービスを開始。事業拡大に合わせて物流事業者とのパートナーシップを強化しており、代行サービスに対応する倉庫は全国で10数拠点まで広がっている。

 今後、市川の物流センターをハブ拠点とし、3年後をめどに全国数カ所に自前の物流拠点を新設することで、物流代行サービスを利用する店舗の商材をメーンに楽天物流が管理する拠点に運び、同梱しやすくする。いよいよ物流インフラの強化に本腰を入れ始めた楽天に、ネット販売業界の注目が集まりそうだ。

《通販 9号 07面 10》


TSS点から線の展開へ・ヤマトロジ 中部圏での体制を整備、新センターで定温管理も導入

 ヤマトロジスティクス(YLC)は、ネット販売受注商品を最短八時間で顧客に届ける「トゥデイ・ショッピング・サービス」(TSS)の対応エリア拡充を進めている。これまで首都圏および大阪、福岡などに拠点を構えていたが、今年に入り愛知、北海道でも「TSS」に対応した体制を整備。今後、通販事業者に対する提案を本格化させる構えだ。9月に愛知県で開設予定の拠点では庫内の温度管理を行えるようにするなど、より高度なサービスの提供を通じ、ネット販売事業者の開拓につなげる。

 「TSS」は、午前0時までのネット販売受注商品を最短で当日の朝8時に顧客へ届けられるのが特徴で、都内の1部では4時間配送も実施。既に「TSS」を導入する通販事業者の間では、配送リードタイムの大幅な短縮によるキャンセル率の低減や、商品出荷数量の増加といった効果も出ている。

 「TSS」の展開については、2008年10月に埼玉県三郷市に自動倉庫システム「オートピックファクトリー」を導入した「TSS」専用のセンターを開設したのを機に本格化。千葉、東京、大阪、福岡などに「TSS」対応拠点を設けており、今年2月に名古屋市、三月に札幌市でも「TSS」に対応した体制を整備、現在対応拠点を8カ所にまで広げている。

 名古屋と札幌については、ヤマト運輸のベース店に倉庫スペースを確保し手作業ベースで8時間、4時間配送に対応できる形にしたもの。現状利用通販事業者は2、3社程度で夕方までに受け付けを終了し翌日に商品を配送する形だが、荷主企業の拡大や受注センターなどの機能を整備した上で8時間・4時間配送サービスを始める考えだ。

 一方、愛知については大都市を抱える東京、名古屋、大阪のラインを押さえる施策の一環として、9月に小牧市でヤマト運輸のベース店併設型の「TSS」センター新設を予定する。

 新センターは、「ヤマト運輸として『TSS』を意識した初のベース店」(YLC経営企画課)となるもので、約3,000坪の規模を擁し、中部全域をカバーする。機能的には、「オートピックファクトリー」を装備するほか、庫内の25度に保つ定温管理も導入。これにより高級化粧品やペットフードなど、高付加価値商材を扱う通販事業者の開拓を図る意向で、名古屋のベース店を利用する通販事業者についても小牧の新センターでの対応に切り替えていくという。

 現状、「TSS」の利用通販事業者は、1拠点当り「五社から十社程度」(同)だが、YLCのホームページ経由だけで1カ月に10―20件程度の問い合わせがあるなど、通販事業者の間でも「TSS」に対する関心は高まっているようだ。

 YLCとしては、小牧の新センター設置により、従来の点から東名阪を結ぶ線展開でのサービス提供体制を確立する形になるが、今期中に岡山、広島でも「TSS」対応拠点を整備し、福岡へと伸びるラインも強化。7月には台湾でも「オートピックファクトリー」導入による「TSS」の展開を予定する。

 既に「TSS」では、顧客の利便性向上を通じた売り上げ拡大で既に実績があり、通販事業者としても今後の展開が注目されるところだ。

SBIベリトランス10年3月期 売上高は14%増の50億円、新システムで処理件数増へ

 決済代行サービスのSBIベリトランスの2010年3月期決算は、売上高が前期比14.1%増の50億2,400万円だった。ネット販売市場の拡大により収納代行サービスが大幅に増加した。今期は1件あたりの取引手数料を引き下げた新決済システムにより、トランザクション数(処理件数)増を見込んでいる、決済代行業界の再編をにらみ、同サービスを中小事業者にOEMとして提供することで、資本提携などにつなげたい考えだ。
 
 営業利益は前期比10.3%増の10億1,600万円、経常利益は同11.6%増の10億5,100万円、当期純利益は同9.3%増の6億1,300万円。中国関連など、新規事業に関する人員増や業務委託費用の増加などで、販管費率は同1.7ポイント増の13.8%だった。なお、売上高、利益ともに過去最高を記録している。

 事業部門別の売上高は、決済処理サービスが同4.3%増の9億8,200万円、収納代行サービスが同16.5%増の36億1,700万円、情報セキュリティサービスが同13.7%減の2億1,900万円、広告関連サービスは同104.0%増の1億5,700万円だった。

 決済関連の事業では、店舗数は前期比866店舗増の3,583店舗、トランザクション数は同14.7%増の約5,900万件となった。

 収納代行の売上構成比はクレジットカードが約90%を占める一方、ウェブマネーの取り扱いをやめたことで、プリペイド売り上げは1%まで減っている。

 同社では、新決済システム「ベリトランス3G」の導入に際し、決済画面に広告を表示する「決済連動型広告」の導入を条件として、1件あたりの取引手数料を15円から5円とした。「(新規客からの)反響はかなり大きい」(沖田貴史社長)としており、売り上げ増に寄与しそうだ。

《通販 8号 07面 07》

ネットプライスなど3社、起業目指すエンジニア支援へ

 「世界で戦える日本発の新たなネットビジネスのアイデアを」。デジタルガレージ(DG)、ネットプライス、カカクコムは三社共同で、ネットビジネスの起業を支援する「オープンネットワークラボ(ONL)」を始めた。起業を志すエンジニアに資金援助やオフィスの提供、日米の起業家による指導などの支援を行なう。

 日本発の有望なネットビジネス育成がONLの目的。ただ、事業化の際、3社には合計5%以上の優先投資権を付与。さらに専属的に「指導」した先輩起業家には2%以上のストックプションを与えることが支援の条件のため、3社にもメリットがあるようだ。

 世界を席巻する「ツイッター」や「フェイスブック」のような新規のネットビジネスが日本からも生まれるのか。注目されそうだ。

 ONLは未来の起業家のためのイベントやセミナーも実施するが軸となるのは起業のための短期育成施策だ。

 期間内にサービスのプロトタイプの開発が可能、年齢・国籍は問わないが日本在住者などの条件をクリアしつつ、一時審査で「有望なアイデア」と判断された起業を志すエンジニア(個人または3人までのチーム)に3カ月間の育成プログラムを実施する。

 期間中は都内に設けたオフィススペースやサーバー環境などを無償で利用でき、さらに1人最大30万円の活動資金を提供する。加えて、DG創業者の伊藤氏やネットプライスの佐藤社長など国内起業家や「ナップスター」創業者のファニング氏など海外の起業家などから直接、事業プランに関する指導を受けられる。なお、オフィスなどの提供や活動資金は3社が折半で拠出する。

 途中の2次審査をクリアし3カ月の期間を満了したエンジニアはサービスを投資家などに披露する場も設け、実際に起業する後押しも行なう。

 4月17日から最初の公募受付を専用サイトで開始。日本発の世界を席巻するネットビジネスが生まれるか。期待したい。

ダイアモンドヘッド、中国で商品画像撮影

7men.jpg アパレルのネット販売支援を行うダイアモンドヘッド(本社・東京都港区、柴田幸一朗社長)は、中国で商品撮影スタジオの展開を積極化している。大連と上海にそれぞれ拠点を構え、中国の工場で作られた商品を現地で撮影し通販サイトに掲載。これまで国内に入ってから撮影していた時間を短縮することで販売機会ロスを削減、通販事業者の売り上げ拡大を支援する。

 同社は昨年12月、日本から近い大連で撮影スタジオをテスト稼働した。大連では3年前からデータの入力や画像加工などを行っており、その業務実績を踏まえてスタジオの稼働に踏み切った。1方、上海では取引先企業の工場が近いことなどから旧正月明けの3月からスタジオのテスト稼働を開始した。
 大連のスタジオは約70坪、上海は約100坪。どちらも規模の拡大に伴い増床が可能という。カメラマンなどは日本人を派遣し、現地スタッフの指導に当たる。

 同社はアパレル商材の多くが中国で製造されていることに着目。「中国で製造された商品が日本に届くまで10日から2週間は掛かる。現地で商品を撮影することでサイトへ掲載するまでのリードタイムが大幅に短縮できる」(柴田社長)と判断し中国での撮影スタジオを開設した。

 通販事業者としては、同社のサービスを利用することで店頭に並んでいる商品がサイトには掲載されていないという状況を減らせるため、販売機会ロスの低減などの効果が期待できる。

 現在、同社の撮影代行サービスは「トルソー」と「置き撮り」が中心だが、大連にあるモデル学校と連携したモデル撮影も今後は行っていく予定。

 同社によると、ネット販売支援事業者で撮影スタジオを製造工場が多い中国に構えるケースは珍しいという。中国の新拠点を活用し低価格で高品質サービスの提供を目指す。

衣料品ネット販売で広がる"送料無料"──実施期間は長期化の傾向

 7-2-1.jpgアパレルの通販サイトで、再び「送料無料」の取り組みが活発化している。
 
 従来、1週間から2週間程度という比較的、短期間のキャンペーンが主流だったが、最近では3カ月以上にわたって実施する企業が増えてきた。

 これは、スタートトゥデイが主力の「ゾゾタウン」で昨年4月から1年間実施した「送料無料キャンペーン」の影響が大きい。

 同社は、アパレル通販サイトの"使わず嫌い"の囲い込みを目指して実施。キャンペーンは予定通り今年3月末に終了したものの、業界の流れは変わっていない。
 
 7-2-2.jpgむしろ、「ゾゾタウン」のキャンペーンによって「送料無料に伴う客単価の落ち込みと、販売数量の伸びが予想できるようになった」(アパレル大手)として、実施企業が相次いでいるのが現状。
 
 なぜなら、アパレル企業のほとんどが、自社の直営サイトを開設する以前から「ゾゾタウン」を通じたネット販売を行っており、同サイトでの販売実績を検証すれば、自社通販サイトで同様のキャンペーンを実施した際の予想がたてやすくなったためだ。

 アパレル大手のポイントは、自社通販サイト開設2周年を記念して、昨年10月9日から今年3月末までの約半年間、すべての送料を無料にした。しかし、送料負担以上の効果が見込めるとして、これを今年8月末まで延長することを決めた。
 
 セレクトショップ大手のユナイテッドアローズは、今年3月から1カ月の予定で実施した「送料無料キャンペーン」で新規顧客の獲得で成果を得たため、今年6月末まで延長。オンワード樫山も同様に6月末まで実施中だ。
 
 一方、「ゾゾタウン」と同じビジネスモデルでアパレル企業の商品を販売するセレクトスクエアは、「ゾゾタウン」のキャンペーンが終了した今年4月1日から来年1月末までの九カ月間、すべての商品を対象に送料無料にした。

 同社では、サイト開設10周年を来年に控えての"プレキャンペーン"の一環としているが、「ゾゾタウン」のキャンペーン終了を横目に、新規顧客の獲得に乗り出した感は否めない。
 
 再び活発化してきたアパレル通販サイトの「送料無料」。現段階では、衣料品を通販で購入することに抵抗のある消費者に対して、ハードルのひとつを取り除く意味合いが強い。
 
 アパレル企業の多くは、実店舗で目減りする売り上げを新しい販売チャネルで補完しようと必死だが、各社とも全社売り上げに占めるネット販売の比率はまだ数%。当面の目標とする10%に向けて、新規顧客の獲得策として「送料無料」を活用していくことになりそうだ。

博報堂DYMP 出版社のネット販売を支援、第1弾は光文社と連携

 7-1.jpg博報堂DYメディアパートナーズは出版社のネット販売支援事業に参入する。ネット販売を始めたい雑誌を対象に、通販サイトの構築から商品発注、物流部分、カスタマーサポートまでを一気通貫で受託。雑誌の新たな収益源の確保を支援する。まずは第1弾として4月7日、光文社の女性誌「VERY」別冊で出産祝いがテーマの「ちびVERY」と連動するサイトを開設。今後も積極的にサービスを展開し、年間10誌の受注と10億円の売り上げを目指す。

 
 
 
 サービス名は「TAKARA―BACO」で、自社の企画プロデュース力や通販ノウハウを活用する。
 通販サイトの構築や商品の受発注、在庫管理、配送、決済代行、ネットマーケティングなどを一括で請け、商材に合致した各事業者を選定して外注する。これにより、出版社は商品選定やプロデュースのみに注力したネット販売事業が展開できるとする。
 
 販売方法は、出版社が広告主や取材先などから提供される商品を出版社が委託販売する形。
 
 収益形態はレベニューシェアで、売り上げに応じて収益を分配する。
 
 同サービスは、ネット販売未経験の雑誌の利用を想定。アパレルや雑貨を扱う「雑誌のブランドが広く浸透している媒体」(博報堂DYメディアパートナーズ広報)が中心となる見通しだ。物販が基本で、通信教育などは当面は考えていないという。
 
 まず第1弾として、4月7日に光文社発行の女性誌「VERY」別冊の「ちびVERY」の通販サイト「VERY MARKET」を開設。「出産祝い・内祝い」関連商品を約80ブランド、400アイテムほど販売している。

 「ちびVERY」掲載商品のほか、ウェブ限定商品も販売。受注はネットとモバイルで対応する。今後はサイト単体で商品情報などを更新していく予定だ。
 
 博報堂DYメディアパートナーズでは、現在他誌と第2弾の連携を計画中。同サービスを推進し、売り上げ拡大につなげる考えだ。

ジェイエスフィット、リアルタイムでデータ連携、基幹システムと通販サイト、ネット事業者にも拡販

システム開発などを手掛けるジェイエスフィット(本社・東京都中央区、寺門勉社長)は、新たに開発した通販サイト構築ソフト「ECショップ21」を拡販する。通販管理ソフト「通信販売管理パッケージソフト21」とリアルタイムのデータ連携が可能なのが特徴。自社通販サイトの強化を図る企業をターゲットとしている。

 基幹システムと通販サイトシステムのデータの一元管理が可能になった。他のリアルタイム連携をうたうソフトは数分に1回データを同期させる形式のため、「ECショップ21」は在庫情報やポイント情報などのデータ更新をする際のずれがないのが特徴。5月に発売予定の「通信販売管理パッケージソフト21 8・0版」とセットで提案する。同社によれば「ネット専業でも、売上拡大のために電話やファクスなど従来型の媒体への進出を考える企業が増えている」(営業部)という。

 セットの場合、価格は1000万円から。「通信販売管理パッケージソフト21 8・0版」は初年度50セットの販売を見込んでおり、このうち約半数を「ECショップ21」とセット販売する考え。既存サイトとの連携を行いたい場合は、有償の専用APIを組み込む。

 また、通販向けのコールセンター事業も拡大する。メーカー系通販などを対象に、土日祝日など営業時間外での電話受付を代行する。新たに通販を立ち上げる企業に対しても、システムの管理や運用の代行も含めて提案したい考えだ。

 価格は一席あたり一時間で2000円前後。同社では、電話受付や業務代行などのコンタクトセンターサービス事業で、通販関連以外も含めて2010年度は5億円の売り上げを見込んでいる。

若洲・岸上忠彰社長に聞く「次の10年」に向けての戦略は?

061.jpg 今年創業60周年を迎えた、在庫管理事業などを手がける若洲(写真=岸上忠彰社長)。前期は、売上高は前期比0.6%減の27億1,800万円と若干減収だったが、最終利益は同4.7%増の1億7,900万円と増益を確保した。60周年と同時に再生5カ年計画の最終年度となる今期は、ウェブ活用や拠点集約化、新戦力の獲得などに注力。「次の10年」を見据え基盤を強化する考えだ。岸上忠彰社長に今後の戦略を聞いた。(聞き手は本紙記者・河鰭悠太郎)

拠点集約し効率化推進

――前期についてはどう見ているか。
 「全体的には前年対比でほぼ横ばいだったが、厳しい環境のなかでは堅調に推移したという感じだ。リーマン・ショックで上期は非常に苦戦したが、下期になって一昨年に受託した新規大型案件の数字がぐっとあがった。また、当社は生損保の帳票販促物の配送が大きいウェイトを占めているのだがそこで保険法の改正に伴う特需があった。これらが通期で見るといい結果をもたらした」

――利益面は。
 「販管費削減の効果が出た。通信料から残業代、資材関係まで徹底的にローコストオペレーションの推進だ。また原価的には、センターを1カ所閉じて返却したのが大きい。閉じたのは葛西センターで、その代わり新木場に新たなセンターを借りた。新しいクライアントが本社センターに入り、入りきらない部分を新木場のセンターが担当する。ほかにも借りているセンターは2カ所あるが、今年は課題としてセンターの効率化を考えているので、そこも見直すつもりだ。集約化し、今のメーンである本社と新木場の坪効率や稼働率を高めたい」

――効率化とは具体的にどうするのか。
 「既存クライアントがデフレ化対策で坪面積、車庫面積を削減しているので、そこの空いたスペースを開拓した新規顧客用に充て、埋めていく。そして収容する棚を今まで3段だったのを4段にするとか、そういう形で収容能力を高める」

――新規の獲得策は。
 「専門チームを作って新規を獲得しにいくほか、既存クライアントの新規業務も開拓していく。ただ、若洲本体の事業強化のためには、既存に加えやはり新規顧客の開拓が不可欠。そのためには優秀な人材を取り入れていく必要があるので、内部の人材の育成と同時に外部から新しい血を取り込んでいく。これからは純血では生き残っていけない。企業として、良い部分は残し、時代に合わない風習や考え方はどんどん捨て、新しい変化に対応していかないといけない。そのためにはこの60周年という大きな節目を期に血を入れ替える必要があり、既存社員だけではなく外部の人もいれることが不可欠となる」

――倉庫の稼働状況は。
 「メーンで約80―85%だ。景気が悪いので稼働率は若干下がっている。個人消費のデフレ化と少子高齢化などの影響が大きい。そうした中でどのように坪効率を高めていくか、合理的に仕事をしていくか、企業活動と地球環境問題の整合性をとっていくのか、それらを考えなくてはならない。当社としては、4回目の更新を終えたプライバシーマークやISO、そしてウェブの活用を挙げている」

――ウェブの活用とは。
 「現在、ウェブ再構築委員会というのを設置して、若手中心にIT化の充実を図っている。昨年の7月からの取り組みで、その委員会でウェブ活用のモデルを作り、クライアントに提案する。目的は受発注業務や在庫管理の効率化だ。センターに集まる情報のチャネルを一本化するなどが一例で、こうしたことを委員会中心に進めていく」

――60周年だが、「次の10年」を見据えて計画していることは。
 「今年は60周年と同時に、これまで取り組んできた再生5カ年計画の最終年度にあたる節目でもあるわけだが、新3カ年計画に向けて前進していく年でもある。新3カ年と中期5カ年計画を今年の後半をメドに確定させるつもりだ。5カ年計画を振り返って検証してみると、既存顧客の囲い込みと新規顧客の開拓が図れ、センター集約も実現した。人材面に関しても、社員への教育に投資して取り組んできた。コスト削減でも、光熱費や通信費、資材費などの削減状況が分かるように5ケ所の掲示板に成果を張り出すなど『見える化』を徹底しており、まだまだだが成果は出ていると思う」 

日通とデジタルG ネット販売支援で合弁会社、マーケから物流まで対応

 日本通運(日通)とデジタルガレージ(DG)は3月26日、ネット販売事業者向けの事業支援サービス提供をする合弁会社を6月に設立すると発表した。両社の強みを活かし、マーケティングから物流までの機能をワンストップで提供するとともに、必要な機能を選択できるようにするなど柔軟性を持たせたのが特徴だ。中堅クラスのネット販売事業者を中心に、2014年に約500社、売上高50億円を目指す。

 合弁会社の設立は6月1日の予定。予定資本金は1億円(出資比率・日通66%、DG34%)で、日通およびDGのイーコンテクストカンパニーからそれぞれ役員を派遣する。4月1日付で設立準備室を設け、10月1日の事業開始に向けた準備作業を進める予定だ。

 サービス内容の詳細についてはこれから詰める段階だが、特徴はネット販売に必要なサイト構築や販促支援から物流、決済までをワンストップで提供する点。他の類似したサービスの場合、サービス提供事業者の本業との兼ね合いなどから機能面で強弱もあったが、大手物流事業者の日通とマーケティングや決済などで強みを持つDG双方の機能を持ち寄り、質の高いサービスを提供していく意向だ。

 同時に、ネット販売事業者が必要な機能を選択できるようにするなど、柔軟性を持たせた形でサービスを提供。例えば決済ではDGと日通のグループ企業・日通キャピタルが持つメニューの中から、電子マネー、代引きなどの決済手段を細かく指定することが可能で、商品配送の部分についても、ヤマト運輸や佐川急便、JPエクスプレス(郵便事業会社)など複数の宅配便事業者に対応できるようにする。現状、サービス利用料金体系は固まっていないが、部分的に機能を利用した場合の一番安いパターンで月数万円程度になるという。

 合弁会社では、月間出荷件数1,000―3,000件程度のネット販売専業やネット販売を手掛ける小売事業者などをターゲットに設定しており、複数の仮想モールに出店する事業者向けの在庫管理ASP、DGが展開する「Twitter」や「価格.com」と連携したサービスの提供も計画。

 将来的には、日通の海外ネットワークなどを活用し、日本への参入を目指す海外ネット販売事業者向けにサービスを提供することも視野に入れている。

当社の通販物流史・フジヤカメラ編

 物流とともに成長した歴史。カメラや周辺機器の販売を行うフジヤカメラ店(本社・東京都中野区、大月浩司郎社長)の通販事業拡大のきっかけには、宅配便事業者が大きく関わっている。

 同社の通販の歴史は非常に古く、50年以上前までさかのぼる。当時は「アサヒカメラ」や「日本カメラ」といった大手カメラ雑誌に商品広告を出稿して、注文を受けていたという。「商品写真と価格情報だけの簡易な広告だった。当時、新商品は都市部の量販店と地方店舗の価格差が大きく、地方からの注文がメーンだった」(大月浩司郎社長)と通販創世期の状況を語る。

 受注や商品配送方法は非常にシンプルで、顧客からの注文は電話と郵便のみ。現金書留で料金を受け取り、商品を郵便小包で地方配送するという形態だった。

 あくまでも購入者の自然発生を待つ通販事業であり、売り上げの主体は小売事業。同社の通販事業が飛躍的に成長したのは、1986年のヤマト運輸の「コレクトサービス」開始がきっかけだった。「当社は同サービス利用企業の『一期生』。開始当初から参加した。代金決済が簡便で、コストや時間もかなり押さえることができるようになった」(同)とする。

 当時の郵便小包サービスには無かった、客が荷物を受け取ったその場で完結する革新的な代金引換サービスが通販の利便性を支えた。カメラという高額商品にふさわしい決済手段でもあった。現在では通販事業の売上高が十億円以上となり、全事業の2割以上を占めるまでに成長。まさに民間の宅配便事業者が支えた通販事業の歴史と言える。

新日本製薬、佐川と共同で環境対応サービス強化

 新日本製薬(本社・福岡市中央区、後藤孝洋社長)は佐川急便(同・京都市南区、平間正1社長)と組み、3月21日から「CO2排出権付き飛脚宅配便」を導入した。宅配便1個の配送で排出されるCO2の排出権相当額を通販事業者と顧客、佐川急便で負担し政府に無償譲渡するというもので、以前、千趣会でも導入していた。新日本製薬では昨年から植林などの環境保全活動を積極化しており、今回のサービス導入で自社の環境に対する取り組み姿勢をアピールする考えのようだ。

 「CO2排出権付き飛脚宅配便」は佐川急便が通販事業者向けに開発したもので、佐川急便が三井住友銀行を通じて購入した国連承認の温室効果ガス削減プロジェクトによるCO2排出権1万トンを使って展開する。宅配便1個の輸送で排出されるCO2排出量は383グラムで排出権1円分に相当するが、これを通販事業者と顧客、佐川の三者で負担し合計3円分、1149グラムのCO2排出権を政府に無償譲渡する仕組みだ。

 通販事業者で「CO2排出権付き飛脚宅配便」を導入するのは、千趣会に続き新日本製薬が2社目だが、新日本製薬では展開手法を変え、千趣会が顧客と佐川急便の三者で1円ずつを負担する形だったものを、新日本製薬で顧客分も含む2円、佐川が1円を負担。また、千趣会では顧客が同サービスの利用を選択できるようにしていたが、新日本製薬では顧客が購入した全商品を対象にした。

 新日本製薬は昨年、「エコプロジェクト・ワン」と題して、植林や地域の清掃などを行う活動を本格化しているが、今回のサービス導入で自社の取り組み姿勢を訴求するとともに、顧客にも環境問題への関心を持ってもらう狙いのようだ。

 佐川急便によると、これまでにCO2排出権関連サービスの宅配便の取り扱いは11万六千個あり、95トンのCO2排出権を政府に譲渡しているという。「CO2排出権付き飛脚宅配便」に対する他の通販事業者の反応としては、「まだ様子見のところが多い」(佐川急便広報部)状況だが、今後、顧客と一緒に取り組める環境保全活動として注目される可能性もありそうだ。

ピエトロ  日進オイリオの通販受託、商材・顧客リストなどを統合

 ピエトロは4月1日、日清オイリオグループの健康食品や食品などの通販業務を受託する。日清オイリオグループが通販する全40アイテムをピエトロが販売する。日清オイリオグループの顧客リストを統合し、コールセンター業務を一本化する。商品ラインアップの増加で売上高の拡大とコストの効率化が狙い。

 ピエトロが受託する商品は健康食品やオリーブオイルなど。ピエトロの70商品と合わせて110アイテムに品ぞろえを拡充する。ブランドは並列に扱う。日清オイリオグループの通販サイトはピエトロとリンクさせ、ピエトロに誘導する。

 ピエトロは3月1日付で通信販売事業部を新設。これまでそれぞれで行っていたコールセンター業務はピエトロの顧客サービス課に集約し、日清オイリオグループの担当者が一名出向。顧客対応や商品知識などのノウハウの共有化を図っていく。
 
 コスト面に関しては社員とパート計4名の人件費を削減。配送やコールセンターなどでの効率化を図る。販促は通信販売部が行い、出稿する媒体に合わせて訴求する商品を選び提案する。
 
 同社は07年9月に日清オイリオグループと資本業務提携を締結。通販商品を相互に提供しており相乗効果が図れると判断。アイテムの多いピエトロに一本化することにした。なお、ピエトロの09年3月期の通販売上高は前期比1.8倍の1億9000万円だった。

千趣会 不要な衣料品を回収へ、難民救済の支援物資で寄贈、顧客参加の社会貢献で

千趣会(本社・大阪市北区、行待裕弘社長)は3月1日から31日までの期間、全国の「暮らす服」店舗で不用となった衣料品の引き取りキャンペーンを行っている。同社の通販および実店舗で販売した商品を対象に実施したもので、引き取った衣料品は、NPO法人・日本救援衣料センターを通じ、世界の難民救助支援物資として寄贈する。店舗と連動した新たな顧客参加型の社会貢献活動として、今後の動向が注目されるところだ。


今回の取り組みは、不用品の再利用というエコ的な観点と、難民救済の取り組みの観点から実施するもので、同社のカタログおよび「暮らす服」店舗で購入した衣料品を対象に回収を行う。

 回収する衣料品については一定の制限を設けており、実用性や寄贈された人たちのニーズなどを踏まえ、ジーンズやTシャツ、ポロシャツ、トレーナー、ジャンパーなど活動しやすい衣料品と防寒具(※子供服は80センチメートル以上)で、汚れや、ほつれ、破れのないものを対象としている。

 また、不要衣料品の引き取りは「暮らす服」店舗で行う仕組みだが、これは、「暮らす服」の運営店舗数が兵庫、大阪、奈良、滋賀、愛知、埼玉の合計10店舗となり、不用衣料品の回収拠点として、ある程度のボリュームができたと判断したもの。衣料品を持ち込んだ顧客に対し、その場で使える500円のクーポン券(利用可能期間3月1日―4月15日)を進呈する特典を設けることで、店舗への来店動機付けや、販促効果も期待する。

 同社は顧客参加型の社会貢献活動として、宅配便を使った商品配送で排出するCO2相当量の排出権の費用を顧客と同社、宅配便事業者の3社で負担するCO2排出権付きの宅配便サービスを展開。環境保全活動に参加したくても方法が分からないといった顧客のニーズに対応する形で順調な推移を辿った。

 今回の不用品引取りキャンペーンについても、回収結果などをもとに、顧客と連携した資源の再利用や環境保護の意識醸成につながる仕組み作りを進める考えだ。

凸版印刷 電子チラシから直接購入、クリックするとカートへ

 凸版印刷は2月24日、電子チラシをクリックするだけで商品が購入できる仕組みを、同社が運営する電子チラシサイト「Shufoo!(シュフー!)」に取り入れた。まずは東北でホームセンターを展開するサンデーが発行する電子チラシに採用する。利便性を向上することで、ネット販売企業の電子チラシ活用を促す狙いがある。
 
 電子チラシに掲載された商品の右上にあるマークをマウスでクリックすると、商品をショッピングカートに入れるための画面が現れ、「カートへ」というボタンをクリックすると、商品が追加される仕組み。

 実際に購入する際には、電子チラシの下部にある「ショッピングカート」ボタンをクリックし、「この内容で注文する」を選ぶと、サンデーの通販サイトへ移動。決済手段などを選び、注文が確定される。

 これまで「シュフー」では、電子チラシに掲載された商品をクリックすると、チラシを発行する企業の通販サイトへ移動して購入する仕組みだった。ただ、同じチラシから複数の商品を購入する際には、サイトとチラシを何度か往復する必要があるのが難点となっていた。

 今回のカートシステムは、パソコン版の「シュフー」のみで提供するが、今後はモバイル版やネット対応テレビの同サービスでも使えるようにする予定。また、同社では電子カタログサイト「パラリー」も運営しているが、同様のシステム導入については「未定」(広報部)としている。

 電子チラシはパソコンなどからいつでも閲覧できるため利便性は高いものの、ネット販売へ誘導するための媒体としての活用は各社が試行錯誤している段階だった。新システムは、消費者が通常のネット販売と同じ感覚で購入できるという利点があるため、"導線"としての効果が期待できそうだ。

「TSS」の現状と今後を聞く ㊦

 前号に続き、ヤマトロジスティクスの山内雅喜社長に「トゥデイ・ショッピング・サービス」(TSS)の今後の展開について話を聞いた。

 「TSS」では、ネット販売の受注商品の配送スピードの速さに加え、様々な付加価値サービスを提供しているが、新たな取り組みは。

 「近い将来、通販受注商品の同梱サービスを実現させたいと考えている。これは、通販事業者だけではなく顧客にも非常にメリットがあるはずだ」

 通販事業者と顧客のメリットとは。

 「もともと『TSS』は、複数の通販事業者がオートピック機能を備えた拠点を利用することでコストダウンが図れる形になっているが、同一拠点に商品を在庫する通販事業者に同じ顧客から注文があった場合、同梱して発送することができれば、配送料の削減につながる。また、顧客も商品の受け取りが一度で済み、段ボールなど梱包材の処理の手間が軽減される。これはエコにもつながるものだ。利害関係などがあり、通販事業者同士で同梱を行うのは難しい部分もあるが、当社はニュートラルな立場でサービスを提供できる」

 どのような展開方法を考えているのか。

 「まず、『TSS』の拠点に在庫があるということが前提だが、全ての商品ではなくカテゴリーごとにサービスを提供することを考えている。例えば"美"という切り口で化粧品や装飾品を組み合わせて同梱するといったものだ。カテゴリーの切り口で同梱対象商品を設定し、"これとこれを選ぶとお得になります"という形で顧客が選べる仕組みができればと考えている。この仕組みが確立できれば、メーカーや通販事業者同士のコラボレーションもできるようになる」

 同梱サービスの展開に向けた取り組みは。

 「メーカー数社と連携し、同梱サービスを提供する通販サイトを開設した。扱う商品は、ペットフードやペットシートなどのペット関連商品で、販売主体はメーカー側だ。同梱サービスを提供する場合、ポータル的なサイト、あるいは注文方法が必要になる。今はテスト的に当社が入り口を提供しているが、メーカーや通販事業者側で入り口を作ってもらってもいい。同梱サービスの展開に当たっては、別々の通販事業者に入ってくる受注情報の結びつけや、同梱対象となる商品の峻別などのシステム化がポイントになると思う。この部分については、通販事業者と連携し、どのような仕組みが顧客のニーズに合うのかを考えていくつもりだ」

 ヤマト運輸が1月からシンガポールと上海で「宅急便」事業を開始するなど、グループの海外展開が活発化だ。「TSS」についても海外で展開する考えはあるのか。

 「この数年でアジア各国に『宅急便』を展開していくため、それに合わせて『TSS』を展開していくつもりだ」

 具体的な計画は。

 「今夏頃をメドに台湾で『TSS』を展開する予定だ。台湾については、十年ほど前から『宅急便』を展開しており、既に日本と同じサービスが提供できるネットワークがある。生活習慣や文化などが日本に近く、通販も普及している。商品をより受け取りたいという顧客のニーズもあるはずだ」

 「上海やシンガポールでは、まだ通販が根付いていないが、これから変わってくるだろう。アジアで『宅急便』のネットワークができ『TSS』の体制も整えば、海外進出を考えている通販事業者も日本と同じ感覚で事業を展開できる。ヤマトグループでは、そうした環境作りを考えている」
(おわり)

アッカ、佐川の配送拠点に撮影ブース設置

 アパレル商品の撮影代行などを手掛けるアッカ・インターナショナル(本社・東京都渋谷区、加藤大和社長)は、佐川グループと連携して衣料品ネット販売企業向けのフルフィルメントサービスを強化する。佐川グローバルロジスティクス(SGL=同・東京都品川区、荒木秀夫社長)が川崎市に構える基幹物流センターに大規模な撮影ブースを開設。アパレル商材の集荷から物流拠点までの配送時間を短縮する仕組みを構築し、商品をサイトにアップするまでのスピードを速める。

 アッカは今年3月1日、SGLの物流センター「東扇島SRC」(川崎市)の5階部分に約1,200坪を借りて撮影ブースや倉庫内作業を行う新拠点を開設する。これに伴い、佐川グループの協力を得て撮影代行のリードタイム短縮に乗り出す。

 時短に向けて目をつけたのがアパレル企業の商品が倉庫に入ってくるまでの配送リードタイムだ。

 今回、佐川急便が持つ各地の集荷場所から渋谷店(品川区)に通販商材を集め、同店からSGLの東扇島SRCにアッカ用の特別便を運行することになった。

 24時までに渋谷店に商品が到着すれば、東扇島まではトラックで約15分の距離。新拠点に届いた商品は検品後、撮影ブースに回され、最短で翌朝までに商品を通販サイトにアップするという。

 「アパレル商材も"鮮度"が大切。通販サイトへの商品投入を店頭と連動させることで、販売ロスの軽減につながる」(加藤大和社長)とする。

 今回のスキームは自社で通販サイトの開設を計画するアパレル企業や、アパレル商材を扱うネット販売企業が対象だが、まずは関東圏の倉庫に通販商材を保管する企業をターゲットにする。

 新拠点では30ラインの撮影ブースを設置。これはアッカの既存拠点(愛知県)の1.5倍の規模で、1日当たり1,500品番の撮影が可能だ。

 また、取引先からの要望を踏まえて、同社では初めてムービー撮り専用の2ラインも設置。これに保管・流通加工スペースを併設。業務拡大に応じてブース、保管スペースともに拡張できるとしている。

 今回の取り組みでは、基本的に倉庫内業務はアッカが担当し、配送は佐川急便が行うが、指定の物流企業があれば対応する。

 将来的には中部、関西地区などでも同様のスキームを整備し、水平展開することも視野にあるようだ。

「TSS」の現状と今後を聞く ㊥

 前回に続き、ヤマトロジスティクスの山内雅喜社長に「トゥデイ・ショッピング・サービス」(TSS)で提供するサービスについて話を聞いた。


 「TSS」の特徴は配送時間の短さだが、他にどのようなサービスを提供しているのか。

 「幾つかあるが、まず健康食品等の賞味期限管理がある。商品の入庫時に賞味期限を管理し、賞味が残り少ない商品を出荷対象から外すことができ、クレームの未然防止にもつながる。また、センターの中に商品撮影用のスタジオを設けており、頻繁に商品が入れ替わるアパレル等でも、在庫商品を撮影してすぐに画像をサイトにアップすることが可能だ」
 「このほかに、サイズ等が異なる商品を何点か届け、顧客に購入するものを選んで貰うというサービスも提供しており、返品商品の検品や良品戻しなども行っている。通常の梱包業者に委託している通販事業者は、この部分でかなりの労力とコストを使っていると思うが、『TSS』であれば、ワンストップでサービスを利用でき、全体の在庫管理も行えるというメリットがある」
 
 「TSS」の導入企業を増やす上で、中小のネット販売事業者の取り込みも重要になると思うが、何か対応していることはあるのか。
 
 「仮想モールに出店しているような中小事業者向けに受注センター機能を提供している。仮想モール出店事業者はモールからの受注データの取り込みを自社で行っているが、受注データの取り込みを自社で行っているが、人員体制の兼ね合いなどで深夜の受注データの処理が難しく、商品の発送が翌朝以降になってしまう。受注センター機能は、こうした課題を解消するもので、複数の事業者でシェアする形であるため安く利用できる」
 「また、複数の仮想モールに出店している場合、モールごとにデータのフォーマットが異なり、変更も頻繁に行われるため、出店事業者の対応が大変。この部分も当社で対応する形にしている」
 
 新たに、受注から最短四時間で商品を届けるサービスも始めた。
 
 「現在、有明(東京)のセンターで都内15区を対象にサービスを提供しており、大阪と福岡でも4時間配送に対応した体制はできている。これから顧客企業の開拓を進めるところだ」
 
 利用状況は。
 
 「既に何社かが4時間配送サービスを利用しているのだが、その中で酒屋の需要が意外にあることが分かった。景気低迷の影響で自宅でのパーティー需要が高まったことなどから、昨年12月は4時間配送の酒屋の受注が約1600件にも達した。4時間配送サービスは、まだ動き出したばかりだが、注文した商品をより早く届けて欲しいという潜在ニーズはあると思う。通販事業者にとっても売り上げ拡大のツールになるはずだ」
 
 受注から梱包作業なども含め4時間で商品を届けるというのはタイトだ。展開の拡大を図る上で体制の整備が難しいのではないか。
 
 「確かに。各拠点に分散して商品を在庫し、一定エリアをカバーする形で展開を広げることになる。このため、拠点のネットワーク化が必要だ。分散在庫の課題についても、各拠点の在庫をシステムで一元管理し、受注状況に応じて在庫を融通し合えるような形を考えている」(つづく)

急成長企業の物流戦略を追う リバークレイン

7 2 .jpg バイク用品のネット販売で急成長しているリバークレイン(本社・東京都世田谷区、信濃孝喜社長)は、事業拡大に伴い物流業務の効率化に取り組んでいる。2002年の設立以来、毎年二ケタ成長を続け、2009年12月期の売上高は約30億円、取扱商品は100万点近くになった。物流拠点は08年2月に開設した「横浜フルフィルメントセンター」1カ所のみで、全国への商品発送業務を行っている。  

同社は取扱商品が多いため、ユーザーの注文後にメーカーや卸会社から商品を仕入れて発送しており、在庫を抱えない物流体制をとっている。そのため、同センターは保管を主体としない「スルー型」の物流施設として、荷受、検品、梱包、発送機能を特化させた。

  【時間短縮】  顧客の注文から配送までに要する期間は長くても4日程度。在庫の滞留時間を短縮するために取り入れた仕組みの1つが、物流現場責任者である「フィールダー」によるロケーション管理。作業場である1階部分(約平方メートル)の4カ所に配置されたカメラの映像を確認しながら、時間帯によって人の作業配置を変えて「手待ち人員」が出ないよう工夫した。

 その他にも、セクションごとの作業時間をストップウオッチで詳細に記録し、繁忙期の人員割り当ての参考にするなど人員活用の効率化に取り組んだ。  

【エリア活用】  また、限られたセンター内スペースの有効利用も図っている。同社では1週間以内の未使用商品であれば返品が可能で、同センターの2階部分(約330平方メートル)は返品やキャンセル商品を一時的に取り置くための倉庫スペースにした。

 不具合商品などについては基本的に仕入先のメーカーへ返品するが、サイズ違いなどの返品については他の顧客から注文があった場合に備え、一時的に取り置いている。さらに、品切れ防止のために早期に仕入れた人気商品の保管場所に充てるなど、極力無駄なスペースは作らない仕組み。

 【配送業務】  配送に関しても、同社ではあて先によって物流事業者を選別するといった注意を払っている。国内の主な地域は佐川急便、離島についてはヤマト運輸を使用。2月から始まった、欧州向けの配送については、郵便事業会社のEMSを使用するなど、物流事業者ごとの得意分野を把握して使い分けた。  

海外向けの配送に関して、物流責任者の神マネージャーは「民間の場合、末端配送は別の事業者が配送を行うこともあるが、EMSは郵便ネットワークだけを利用した配送なので海外でも信頼度が高い」とした。

 今後、郵便事業会社が提供する専用システムを使って、海外向け出荷に関する税関書類の処理時間などを短縮させていく方針だ。

「TSS」の現状と今後を聞く ㊤

ヤマトロジスティクスは、ネット販売事業者向けに提供する物流サービス「トゥデイ・ショッピング・サービス」(TSS)の展開で手応えを感じているようだ。午前0時までの受注商品を最短8時間で届ける同サービスは顧客ニーズにマッチする形で、導入通販事業者の出荷件数が順調に拡大。出荷数量の増加に伴うコストメリットが大きく、販売戦略の幅も広がるという。「TSS」の現状と今後の展開にいて、同社の山内雅喜社長に話を聞いた。


「TSS」の本格的な展開を始めてから2年が経過した。現在の状況をうかがいたい。

 「オートピッキング対応の『TSS』を導入している通販事業者で35、6社、マニュアルベースの『TSS』で150、60社になる。健康食品や化粧品、アパレルが中心だ。また、オートピッキングの対応拠点は、神奈川と三郷(埼玉)、新習志野(千葉)、有明(東京)、大阪、福岡の6カ所になった。今後、中国や中部、東北、北海道にも拠点を設ける計画で、直近では9月頃に名古屋にオートピッキング対応の拠点を開設する予定だ」

 「TSS」を導入している通販事業者の実際の成果は。

 「出荷件数は間違いなく伸びており、当初の試算を上回るところも少なくない。注文から商品を届けるまでのリードタイム短縮によるキャンセル率低減やリピート率向上の傾向も見られる」
 出荷件数が伸びている要因は何なのか。

 「午前0時までの受注商品を最短八時間で届ける『TSS』の仕組みが、注文商品を早く届けて欲しいという顧客ニーズにマッチしたということ。このニーズは予想以上に強いというのが実感だ。今後、それにしっかりと対応できる通販事業者が売り上げを伸ばすという傾向が鮮明になると思う。また、『TSS』の導入で販売戦略の幅が広がった通販事業者もある」
 
具体的に「TSS」の導入による販売戦略の広がりとは。

 「高級品嗜好の顧客をターゲットにしていたアパレル系通販事業者が『TSS』の導入により、中価格帯商品の販売を強化できるようになったという事例がある。それまでの手作業のピッキングでは、1日に扱える商品の量が決まってしまうため、中価格帯の商品まで手が回らなかった。だが、『TSS』導入による出荷能力の向上で中価格帯の商品にも注力できるようになり、出荷件数も順調に伸ばしている」
 
出荷件数の増えても、出荷作業のコストが拡大するのではないか。

 「通常、ピッキングから検品、梱包など人的作業の部分が多いため、出荷件数が増えれば業者に支払う料金も増えるが、オートピックを使った『TSS』では、基本的に人手を要するのは最終的な検品や梱包だけで、量に対するコストメリットが働き、出荷件数の増加幅に対して料金の伸びが緩やかになるため、利幅の薄い中低価格帯商品を強化する戦略も可能になる。中価格帯の商品は、利益率があまり高くないかも知れないが、出荷件数の伸びでカバーできるわけだ」

 物流イコールコストと見られがちだ。今後どのように「TSS」の導入メリットを訴求していくのか。

 「まだ、運賃など個々のコストを比較する通販事業者が多いのだが、トータルで見ると高いコストを払っているケースもあるのではないかと思う。本来的には、総体的なコストで考えるべきで、その意味では『TSS』の導入メリットは大きいはずだ。また、『TSS』が従来のサービスと異なるのは、通販事業者と一緒に売り上げの拡大策を考えるという流れができつつあること。実際、『TSS』導入事業者と販売面で相談をすることもある。その意味では、当社も通販事業者の物流アウトソーサーから、販売パートナーへと変わりつつある。今後、成功事例が増え、『TSS』導入によるコストメリットや売り上げ拡大効果が認知されれば、状況が変わってくるだろう」
(つづく)

ヤマト運輸 IT活用し付加価値サービス、第7次システムを導入

071.jpg ヤマト運輸は、新たに導入した情報システム「第7次NEKOシステム」を足掛かりに、顧客視点の事業展開を加速させる。1月27日に開いた会見で明らかにしたもので、全ての取引情報のデジタル化をキーワードにIT戦略を推進。荷主企業や個人顧客の懐に入り込んだ独自サービスの展開を構想する。現状、宅配便市場では運賃の低価格競争が常態化しているが、ヤマト運輸では付加価値サービスの展開で差別化を推進。荷主企業である通販事業者としても今後の展開が注目されるところだ。

 ヤマト運輸では、1974年に第1次「NEKOシステム」を導入した。以後第5次システムまでは業務効率化を主眼にシステム開発を行ってきたが、2005年に導入した第6次システムから顧客起点の発想に転換。今回の第7次システムでは、さらに荷主企業等とのシステム的な連携を強化し、〝顧客の中〟に入り込んだ形のサービス展開を進める。

 具体的な内容についてはこれから検討を進めることになるが、荷主企業に対しより詳細な荷物の配達データの提供などを視野に入れるほか、個人顧客の会員組織「クロネコメンバーズ」の活用も構想する。

 「クロネコメンバーズ」は、個人顧客の囲い込みを主眼としたもので、送り状発行や修理家電の回収等の会員向けサービスを提供する。現在の会員数は約450万人で、顧客情報のデータベース化を進めている状況だが、ヤマト運輸では、この会員組織と荷主企業との連携を構想。将来的に「メンバーズとリンクすれば、通販事業者の顧客に対するサービスレベルも飛躍的に向上すると思う」(木川社長)とした。

 一方、第7次システムは約300億円を投資して開発したもので、サービスドライバーの新たな携行機器として高速のweb通信機能を有するポータブルポス(PP)やプリンターを導入。PPは、地域や顧客に応じたメニューを表示できるようにするほか、「Edy」「nanaco」「WAON」に対応した電子マネー決済機能、依頼内容表示機能などを搭載。将来的には、同端末を使ったネットスーパーの注文受け付けサービスなども構想しており、現状、着払い運賃や資材代金の決済のみの対応となっている電子マネーについても、通販商品の代引き決済に対応することが考えられる。

 また、第7次システムの導入に伴う新サービスとして、2月1日から「クロネコメンバーズ」会員向けに、自宅以外の指定した場所での荷物受け取りや配達時間の変更ができる「宅急便受取指定サービス」を開始した。「家族に荷物を見られたくない」といった顧客の声が増えていることに対応したもので、「宅配から個人に荷物を届ける個配」(同)サービスとして展開。蓄積してきた会員データとITを組み合わせた新機軸のサービスという点で、今後の方向性を示したものと言えそうだ。ヤマト運輸では、第7次システムの導入を機に荷主企業や顧客に深く入り込んだ高付加価値サービスの提供を通じ、コスト面だけを見られがちな宅配便を、荷主企業の顧客サービスや販売戦略上のツールへと変革していく構え。通販向けの取り組みも強化する可能性があるだけに、今後が注目される。

ジーエフ ネット販売支援を強化、受注処理やサイト制作開始

 アパレルのトータル物流を手掛けるジーエフは、今春をめどに通販支援サービスをワンストップで提供できる体制を構築する。従来の物流業務や写真撮影に加え、新たに受注処理や消費者からのメール対応を請け負うほか、通販サイトのトップ画面の作成、決済代行なども行う計画で、準備を進めている。商品さえあれば誰でもネット販売が始められる環境を整えることで、「新規参入を迷っている事業者の不安を払拭したい」(児玉芳彦副社長)とする。

 同社は、昨年7月にBtoCソリューション事業部を立ち上げ、通販支援サービスを強化中だ。倉庫に撮影スタジオを併設し、通販企業の撮影業務を請け負っているが、新たにネット販売企業に向けてサービスを拡充する。

 昨今、ネット販売を始める企業からの問い合わせが増えていることを受けて、撮影業務以外にも、商品の詳細説明などの原稿作成業務を始めるほか、受注処理や消費者からのメール対応といった手間のかかる業務を代行する。

 4月には、システム開発を手掛ける同社100%子会社のジーエフエスが、通販サイトの制作業務を開始。グループでネット販売企業を囲い込む考えだ。

 さらに、社内にネット販売に精通したアドバイザーを招いたことで、メルマガやアフィリエイト対策といった集客サポートも手掛けるという。

 現在、同社では通販専用の物流センターを岐阜や茨城など国内四カ所で運営しているが、今年8月には大阪・箕面市に5拠点目となる物流センターを開設する。

 新拠点では、ネット販売を始める企業を取り込むため、センターの約60%を小規模の区画で仕切り、フルフィルメント業務を一括で受けられるようにする。一部のサービスのみを利用することも可能だ。

 同社では、「マガシークの衣料品ネット販売で培ったノウハウを、これからネット販売を始める企業のために役立てたい」(同)としており、とくにアパレルや化粧品を扱う企業のサポートを重点的に取り組む。

ヤマトグループ シンガポールで「宅急便」開始、サービス内容で市場開拓


007.jpg ヤマトホールディングス(本社・東京都中央区、瀬戸薫社長)の子会社シンガポールヤマト運輸が1月8日から、シンガポール国内での「宅急便」事業を開始した。クール宅急便など日本で定着している質の高いサービスをシンガポールに持ち込むことで現地のtoC宅配便市場を開拓。さらに東南アジア各国へ「宅急便」の展開を広げていく考えだ。今後、日本と同等のサービスレベルを備えた配送体制を確立させ、通販事業者の海外進出を後押ししていく。

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SBIベリトランス 手数料を1件5円に、決済代行サービス、広告枠導入が条件

収納代行サービスのSBIベリトランス(本社・東京都港区、沖田貴史社長)は、決済代行サービスの手数料を値下げする。1月から新たな決済システムを投入するのに伴い、料金も1件あたりの取引手数料をこれまでの15円から5円とし、月額の基本料金も実質的に安くする。大手の通販事業者を取り込むことで、トランザクション数(処理件数)は3倍増を目標とするほか、決済システムを中小の決済代行事業者に提供し、事業を拡大する構えだ。

 新しい決済システムの名称は「ベリトランス3G」。これまでのシステムでは、クレジットカード決済やコンビニ決済など、利用する決済手段ごとにソフトが必要だったが、これを統一。月額2万円のソフト導入で、カード決済、コンビニ決済、電子マネー決済、銀行決済のほか、銀聯決済などの海外向け決済サービスも利用できる。
 
 さらに、決済画面に広告を表示する「決済連動型広告」の導入を条件として、1件あたりの取引手数料を5円とした。これは、例えばカード決済の場合、カードのブランドや発行会社、プラチナ・ゴールドなどの種別を決済時に識別し、カード会社が所持者にあった広告を配信するというもの。導入に先立ち行われた実験では、平均4%のクリックレートを記録するなど、「通常のネット広告よりも高い効果が期待できる」(沖田貴史社長)。
 
 通販事業者は、決済画面の広告枠を無償で提供。広告を出稿するカード会社は1件あたり5円をベリトランスに支払う。カード決済時以外でも、コンビニ決済や銀行決済の際にも広告を表示する形にする。その他、カード番号を保持せずに決済できる仕組みを強化するなど、セキュリティー面でも配慮した。
 
 新システムは、中小の決済事業者にOEMとして提供する。規模を拡大することで、提携による新規事業や、資本提携なども視野に入れる。
 
 値下げにより、決済システムを自社で運用している大手の通販事業者を取り込む狙いがある。また、1件あたり手数料の業界標準は10円のため、他社の追随値下げや業界再編につながる可能性もありそうだ。


三井住友カード 海外向け仮想モール、アジアの金融機関と提携

 三井住友カードは12月15日、海外のクレジットカード利用者を対象にした仮想モールを開設した。アジア各国でクレジットカードを発行する金融機関と提携し、利用者にプロモーションする。オープン当初は大手旅行会社や雑貨の通販サイトなど7社が出店。来年3月までに、20社の参加を見込んでいるほか、2011年度の取扱高は100億円を目指す。

 モールの名称は「グローブパスオンラインアーケード」。利用者は同サイトにアクセスしてから、各社の通販サイトに移動して商品を購入する仕組み。旅行商品を扱う近畿日本ツーリストやJTBグローバルマーケティング&トラベルのほか、雑貨の通販を手掛けるランドスケイプなど七社が出店している。

 「グローブパス」は、アジア各国の主要な金融機関が、クレジットカード事業を中心として、相互に連携してサービスを展開する取り組みで、08年に開始。中国、韓国、台湾、タイ、ベトナムなどから12の金融機関が参加する。

 アジア各国の言語に対応した専用ウェブサイト上で、日本の通販サイトを海外の消費者に紹介するとともに、各通販サイトへ誘導する。また、グローブパスに参加する各国金融機関が、自社の会員向けに配信するメールマガジンやカード利用代金の明細書に封入するチラシなどでプロモーションを行う。

 三井住友カードでは、品質の高い日本製の家電製品のほか、音楽CDやアニメのDVDなど、日本文化に関連した商品、ゴルフクラブなどスポーツ用品が売れると見ており、これらの商品を販売する企業の出店を見込む。

 同社によれば、アジア各国では自国以外の通販サイトを利用する割合が高いため、日本の通販サイトを受け入れる素地は整っているという。ネット人口の多い中国の場合、クレジットカードの普及率は低いものの、グローブパスには、中国でのカード発行枚数が最大の招商銀行が参加しており、富裕層へのアプローチも可能としている。

住商GL 商社機能武器に通販支援、中国検品で物流効率化へ

 住友商事100%子会社の住商グローバル・ロジスティクス(住商GL)は、商社系物流企業として海外の物流ネットワークを生かした通販支援事業を強化する方針だ。中でも、中国・上海の物流センターを基点に、同国を通販商材の調達先(生産国)とする企業に向けて中国での検品を推奨して物流コストの削減につなげるほか、同国を新たな市場として進出を検討する通販企業を物流面からサポートする。

 同社では、早くから中国で日系企業の物流業務を担っていた経験とインフラを活用。日本の倉庫での荷受け、保管から始まることの多い物流業務を、中国での検品を含めた調達物流から請け負えるのが強みとする。

 調達物流の仕組みは、通販企業が取り引きする中国のベンダー工場から、住商GLが持つ同国の検品センターに商品を集約。現地拠点で検品・検針・検数などを済ますことで、不良品にも課せられる関税や輸送費、商品として販売するための補修費などを削減するほか、国内拠点での荷受け後、検品業務の簡略化で出荷速度の向上につなげる。

 「消費者の低価格志向と商品品質を両立させるには、中国国内で流通加工業務を行うことが差別化につながる」(同社)という。昨今、通販ではネットでの受注拡大により、スピーディーなバックヤード体制の構築が重視されていることを受けて、中国検品の重要性は増していくとする。

 住商GLは、ジュピターショップチャンネル(JSC)の物流センター業務も請け負うが、同社のテレビ通販で販売する中国製商品についても、現地での検品作業が軌道に乗り始めており、国内拠点の出荷レベル向上の一因にもなっているようだ。

 一方、中国市場に活路を求める通販企業の物流ニーズにも対応する。上海では、同社がJSCの物流を手掛ける茜浜センターと同水準のサービスを提供できる物流拠点を構えており、日系や韓国系通販企業の物流業務を請け負っている。

 上海では、配送面でも住商と佐川急便が合弁会社を展開しており、足回りの物流品質も武器に通販企業の中国進出をサポートしていく。

メーリングサービス3社の上期業績 DMS・アド通は減収、下期は新規獲得に注力

071.jpgメーリングサービス大手3社(DMS・アテナ・アドレス通商)の今上期(4―9月)業績がまとまった。DMSは売上高が前年同期比6.0%減、経常利益が同59.1%減と大幅減。アドレス通商も売上高は同10.1%減、経常利益が同51.9%減と大幅な減益だった。唯一増収だったのはアテナで、売上高は同13.1%増と2桁増で推移。ただ、経常利益は官公庁系業務の苦戦やコストダウン要請などの影響で、同58.9%減とほかの2社同様、大幅減だった。上期は各社とも、不況の影響により主力のメーリングサービスで既存顧客の業務量が縮小するなど、全体の通数が減少。加えて受注先からのコストダウン要請などが利益を圧迫した。

  こうした状況を踏まえ、下期は各社とも、より生産性の向上や経費の削減などに注力。利益の確保に重点を置くが、同時に新規業務の受託も積極的に獲得していく意向を示しており、既存の業務量の縮小分をカバーしたい考えがあるようだ。

  DMSの上期は、ダイレクトメール部門で不況の影響により既存顧客のDM発送数が全体的に低下。ただ、通販系業務では、総合通販や百貨店で苦戦したが、化粧品や家電、テレビ通販企業の業務は好調に推移し、通販全体ではプラスだったとする。ただ、官公庁系などで見込んでいた大型業務が期中から剥落し、減収要因となった。

  下期は、提案型の営業による新規業務の開拓に注力。「新規獲得がここ数年は比較的安定して推移している」(森健社長室課長)状況から、既存業務の縮小分を新規業務でカバーできると見る。情報処理から発送までを一括で請け負える強みで業務を受託し、昨年から投資しているデジタルプリンターの稼働率を向上させたい考えだ。

  唯一の増収だったアテナは、官公庁系やメーカー系などのDM発送数は減少しているものの、保険系業務で新規受託を獲得したことなどが売り上げ増に貢献。物流事業も販促系の新規業務を獲得するなど順調だったほか、フルフィルメント事業も堅調に推移し、増収に貢献した。

  同社では下期戦略として、新規業務の獲得と経費削減の積極化を掲げる。経費削減では新規雇用を控えるほか、消耗品や光熱費の節約などを推進。上期は官公庁業務の苦戦やコストダウン要請などの影響を受け大幅な減益となったが、下期に業績が伸長する傾向などを考慮し、通期では増収増益を見込んでいる。

  アドレス通商は上期、物流関連サービスを除く各部門で減収。メーリングサービスでは既存大口顧客の業務量は横ばいだったが、広告郵便を中心に通数が大幅に減少。また、PCや家電修理のエンジニアリングサービスもゲーム機の修理は受託が増加したが、PC修理数の減少が響き減収だった。

  下期は、メーリングサービスは主力の既存顧客からの受託が安定しており、大きな落ち込みはないと予想。売り上げシェアがトップのエンジニアリングサービスは、10月に松戸に出張修理拠点として事業所を開設しており、千葉県北西部での修理業務拡大を図っていくほか、経費削減の一環として人員の削減やパート化を実施。物流関連サービスは、既存顧客の業務拡大に対応するため千葉センターを増床。業績拡大を狙う。

主要3社の宅配便状況 上期苦戦も通販系増加、価格から質の競争に

 有力宅配便事業者の今上期における宅配便取り扱い状況は、ヤマト運輸の「宅急便」前年同期比0.5%減の6億433万個、佐川急便が「飛脚宅配便」が同4.1%増の5億4,909万個。郵便事業会社の「ゆうパック」が同2.6%減の1億2,916万個だった。各社とも景況悪化の影響で苦戦を強いられたが、人員の増強等を通じ基盤サービスの品質向上を図った佐川急便が唯一、前年をクリアする形となった。
 
 主なサービス部門別で見ると、ヤマト運輸は「クール宅急便」が同1.2%増の7,813万7,000個、決済サービスの「宅急便コレクト」が同5.4%増の4,834万4,000個。佐川急便は「飛脚クール便」が同11.7%増の1,826万3,000個、「e―コレクト」が取扱件数で同21.1%増の6,070万5,000個、決済金額で同14.3%増の6,583億700万円と高伸した。通販関連の荷物の増加にともない、付帯サービスの利用も拡大した形だ。

 郵便事業会社では、「ゆうパック」のサービス部門別取扱状況や平均単価等の詳細について非回答。JPエクスプレスの「ペリカン便」についても数値は公表していないが、「ゆうパック」の減少要因については、景況悪化だけではなく、「ペリカン便」との統合計画の度重なる延期も影響していると見られる。

 一方、平均単価は下落傾向が続いており、今上期は「宅急便」が同15円減の629円、「飛脚宅配便」が同37円減の488円。景況の悪化に伴う荷主企業からの単価引き下げ圧力の強まりだけではなく、通販関連を中心に荷物の小型化と配送距離の短縮化の傾向が強まっていることが要因だ。

 宅配便各社では、拡大傾向にある通販関連荷物の取り込みを進めるとともに、高付加価値サービスの提供やサービス品質の向上を通じ、適正運賃を確保したい考え。今後、価格競争から品質の競争へのシフトがさらに進みそうだ。

ヤマトHD 「宅急便」の海外展開積極化、来年1月シンガポールでスタート

071.jpg  ヤマトホールディングスは来年から、「宅急便」の海外展開を加速させる。既に中国・上海で来年1月に「宅急便」を展開することを公表しているが、11月20日に、シンガポールでも同じタイミングで「宅急便」の展開を始めると発表した。クール便や時間帯指定配達など日本で培ってきた高付加価値サービスを武器に現地での利用顧客の獲得を推進。日本の通販事業者の海外事業展開を促進するとともに、アジアにおける通販市場の拡大を図る構えだ。

 「宅急便」の海外展開は、既に事業を行っている台湾、来年1月からスタートする中国に続き、今回のシンガポールが3カ国目。台湾および中国については現地事業者との連携した形だが、シンガポールは人口が東京23区とほぼ同じ水準と市場規模が小さく、投資も嵩まないことなどから、独資で進出する。

 シンガポールでは、「宅急便」を手掛ける「シンガポールヤマト運輸」と、決済関連事業を行う「シンガポールヤマトペイメントサービス」を設け、事業を展開する。シンガポールヤマト運輸は予め設立していた準備会社を今年12月に社名変更するもので、シンガポールヤマトペイメントサービスは12月中に設立。ともに来年1月8日から営業を開始する。

 シンガポールでは、社員70人、配達車両30台程度、集配拠点6カ所の体制で事業を開始。360日営業体制で、料金体系を6分類とシンプルにしたほか、当日再配達を夜8時まで受け付け。時間帯サービスでは、午前8時から夜10時まで7区分・2時間単位で配達時間の指定が可能で、午前中集荷分であれば当日午後2時から4時に届けられるようにした。コレクトサービスでは現金の代引きに対応する。

 ヤマトホールディングスによりと、シンガポールには約500の宅配便事業者があるが、BtoBの書類配達サービスがメーンで、BtoCおよびCtoCの宅配便はあまり普及していないという。これに対しヤマト側は、クール便や時間帯指定配達、不在時再配達など日本で展開してきた付加価値サービスを導入することで、toC関連の宅配便需要の喚起を図る考え。シンガポールの宅配便市場については年間1,000万個と試算しており、初年度は40万個の取り扱いを計画。今後、宅配便市場の拡大を進め、10年後に800万個の取り扱いを想定する。

 シンガポールでも通販をターゲットにしており、海外事業展開を狙う日本の通販事業者の利用を想定。また、「産直の仕組みを導入できれば、農業や漁業を行う個人事業者の所得も増える」(瀬戸薫社長)など現地の産業振興への寄与にもつながると見ており、グループ企業が手掛ける通販支援サービスをシンガポールに導入し、現地の通販市場の活性化と宅配便需要の拡大を図ることも視野に入れているようだ。

 一方、ヤマトホールイディングスでは、シンガポールを起点にASEAN各国での「宅急便」の展開を進める意向で、同地域の事業を統括する「ヤマトアジア」を設置(シンガポールで輸出貨物のフォワーディング等を行ってきたシンガポールヤマト運輸を11月20日付で社名変更)。基本戦略として「toC、toスモールBの部分で各国を面で押さえていく」(同)考えだ。

 日本の通販事業者はアジア圏を中心とした海外事業展開を検討しているところも少なくない。この場合、現地での物流と決済が課題となるだけに、今後のヤマトグループのアジア各国における「宅急便」展開が注目されるところだ。
 

紀伊國屋書店 店と通販共有のポイント導入、初年度100万人獲得へ

 紀伊國屋書店は11月中旬から、店舗とネット販売共通のポイント制度を導入した。実店舗は新宿本店などの旗艦店から段階的に導入、1年間で全国63店舗への導入を完了させる。また、来年2月には主力の書籍通販サイト、来年中にはDVD・CDのネット販売サイトにもポイント制度を導入する。店舗と通販の共通ポイント導入でアマゾンなどに遅れをとっているネット販売のテコ入れを図る。ポイント制度の導入効果で初年度百万人の新規会員の獲得を目指す。

 同社が開始した店舗と通販サイト共通のポイントサービスは「Kinokuniya Point(キノクニヤポイント)」。これまでも各実店舗が試験的に一部、実施したり、DVD・CDの通販サイトでポイント制度を導入してきたが、全社的なポイント制度は今回が初めて。なお、同ポイント制度はNTTデータのSaaS型販促ソリューション「SmarP(エスマープ)」を導入、実施した。

 ポイント対象商品は同社が販売する書籍、雑誌、DVD、CD、文具(一部のCDなどは除く)。当該商品の購入金額100円ごとに一ポイントを付与。このほか、キャンペーンでのポイント付与や誕生日月にポイント倍付けなども実施する予定。1ポイントは1円として商品の支払い時に充当できるもの。

 ポイント制度は店舗と通販サイト共有だが、まずは実店舗から段階的に導入する。11月16日に新宿本店、新宿南口店の都内旗艦店舗から導入。次いで12月1日に北海道地区の5店舗(札幌本店、オーロラタウン店、厚別店、小樽店、千歳店)で開始。今後1年間で全国63店舗に導入していく。なお、店舗でのポイント付与には「Kinokuniya Pointカード」への加入が必要となる。

 ネット販売サイトには来年2月末に主力の書籍の通販サイト「紀伊國屋書店BookWeb」に導入。また、同社が運営するDVDとCDの専門通販サイト「ForestPlus」にも来年中には導入する予定。同サイトが導入している現行のポイント制度は新ポイント制度に移行させる。

 ポイント会員にはネット上に「マイページ」を用意。同ページを介して書籍やDVDの新商品情報のほか、同社が手がける劇場経営やセミナー運営などに関するキャンペーン情報やイベント告知を展開。物販以外のグループ事業への貢献も期待する。

 同社ではポイント制度導入で初年度1年間で新規会員100万人の獲得を見込む。「日々の店頭での顧客数や販売状況のデータを見る限り、不可能な数字ではない」(同社)とする。同社では10月には1,500円以上の受注については送料を無料にするなど近年、ネット販売事業の強化を図ってきた。ポイント制度の導入も知名度が高く販売も好調な実店舗の顧客をネットに効果的に誘導したい狙いがあるようだ。これにより、アマゾンなど競合のオンライン書店に遅れを取っているネット販売のテコ入れを図りたい考え。

楽天 電子マネーに参入、ビットワレット買収し「楽天市場」にEdy導入

 楽天は電子マネー事業に参入する。11月5日、電子マネー「Edy」を運営するビットワレットとの資本提携の締結を決議。12月末をメドに株式の過半数を取得し、連結子会社化する予定だ。これにより、楽天では「楽天市場」での「Edy」決済が可能になるほか、「Edy」ユーザーの取り込みにも期待。具体的な戦略は未定だが、当面は既に行っているポイントでの連携などを強化していく方針だ。

 楽天は、ビットワレットが12月末に実施する予定の第3者割当増資を約30億円で引き受け、株式の過半数を取得する。これにより、筆頭株主は現在のソニーグループから移行、楽天の連結子会社となる。

 「Edy」はコンビニエンスストアやドラッグストアなどの実店舗や通販サイトで決済ができるプリペイド型電子マネー。10月1日時点での発行枚数は約5,200万枚で、提携加盟店舗は約16万店。そのうち通販サイトは約1万500店となる。

 ただ、ビットワレットは直近の業績でも最終赤字を計上するなど、苦戦が続いている状態。楽天子会社となることで、「楽天市場」を中心にネット上での利用機会の拡大が期待できるとし、「Edy」ユーザーや実店舗での購買行動を取り込みたい楽天と思惑が一致。今回の提携に踏み切った。

 楽天では、提携後の戦略としてまず「Edy」を「楽天市場」での決済手段として導入する。出店店舗での「Edy」対応を普及させることで、「楽天市場」の利便性向上と同時に利用機会の拡大による「Edy」の手数料収入の増加を見込む。

 また、楽天の展開するポイントとの連携も構想。検討段階だが、楽天ポイントの「Edy」への交換が一例。また、楽天では07年から、「おサイフケータイ」での「Edy」利用で「楽天スーパーポイント」を付与する取り組みを実施しており、提携によりこうした施策の一層の強化を目論む。ポイントを付与できる店舗を増やすなどして付与頻度や量を上げるなどが一案で、ポイントの流通を活性化させ楽天の各サービスへの利用を促進させたい考えだ。

スタートトゥデイ オンワードのEC運営受託、支援業務の獲得に弾み

 スタートトゥデイは10月29日、アパレル大手オンワード樫山のネット販売支援業務を受託し、12月1日にパソコンと携帯版の通販サイトを開設する。オンワードは、08年12月に自社通販サイトを開設したが、「23区」など主力の百貨店ブランドは投入せず、試験運営に近かった。大手アパレルのネット販売では、サンエー・インターナショナルなどに遅れをとっており、スタートトゥデイとタッグを組むことで現状を打破できるか注目される。

 新たに開設するのは「ONWARD CROSSET(オンワード・クローゼット)」で、オンワードが運営していた同名の通販サイトを全面的に刷新。「23区」「組曲」など主力ブランドも投入する。

 通販サイトの運営代行はスタートトゥデイ100%子会社のスタートトゥデイコンサルティング(STC)が担う。

 STCは、スタートトゥデイの物流センター「ゾゾベース」(千葉県習志野市)でオンワードの商品を保管・管理し、商品撮影や梱包、発送、決済などのフルフィルメント業務全般と、サイトデザインやシステム開発を請け負う。

 スタートトゥデイは、今年9月に伊勢丹、ユナイテッドアローズと相次いでネット販売の支援業務を開始しており、オンワード樫山の業務受託で同事業に弾みがつきそうだ。

 「オンワード・クローゼット」は、オンワードが展開する「23区」「組曲」「ICB」「自由区」など婦人服の主力ブランドを含む8ブランドでスタート。紳士服やスポーツウエア、子供服などのブランドも順次、投入する計画。

 新サイトでは、実店舗では取り扱わない限定企画商品の展開も予定しているほか、コーディネート提案などのコンテンツを充実させるという。

 また、ネット会員が買い物をした金額の一部を社会貢献プロジェクトに活用する「クローゼット・スマイル・プラン」も展開する。

 オンワードでは、約1年のサイト運営を通じて、「リアルとネット販売との展開に手応えを掴んだ」(オンワード樫山)という。しかし、費用対効果を含めすべてを内製化するのは効率的ではないと判断。運用システムの開発やフルフィルメント業務にノウハウを持つスタートトゥデイに委託することで、自社はMD(商品政策)などに特化し、顧客満足度の高いサイト運営を目指す。

 既存サイトは11月30日まで継続し、12月から新サイトに切り替わる。オンワードでは通販サイトの売り上げ目標などは明らかにしていない。

東急ハンズ 商品配送時間を短縮、家庭用品など400品目で対応

014.jpg 東急ハンズは10月20日から、ネット販売受注商品の配送時間を大幅に短縮したサービスを始めた。ヤマトロジスティクスが提供する「トゥデイ・ショッピング・サービス」(TSS)を活用したもので、専用通販サイト「ハンズ・クイック」を開設。家庭用品などを扱い、関東地区の場合、午前0時までの受注商品を最短8時間で届ける。今後、受注状況を見た上で品揃えの見直しを推進。商品配送の早さを切り口にしたサービスの展開で、売り上げの拡大を図る。

 同社は従来から「ハンズ・ネット」を通じネット販売を手掛け、商品の在庫と配送を別々の業者に委託。全国一律サービスとするため、顧客への商品到着を受注後4日目以降としてきたが、注文商品をできるだけ早く届けて欲しいという顧客の要望を受け、「ハンズ・クイック」(=写真)の展開に乗り出すことにした。

 「ハンズ・クイック」では、既存の通販サイト「ハンズ・ネット」の中から選定した家庭用品や日用品の売れ筋で宅配便で配送できる大きさの商品約400アイテムを対象にサービスを提供。ヤマトロジスティクスの「トゥデイ・ショッピング・サービス」を活用し、ヤマト運輸が新設した都内・有明の東京主管支店内に商品を在庫、注文を受けそこから直接発送する仕組みだ。

 関東地区の場合、夜10時から午前0時までの受注であれば翌朝8時以降、午前0時から朝10時までの受注であれば当日の夕方6時以降に商品を届けることが可能。他地域でも、夕方4時までの受注の場合、翌々日(最長)には商品が届けられ、「ハンズ・ネット」よりも原則2日短縮される。

 顧客の配送手数料は、「ハンズ・ネット」の小物商品と同じ525円で、11月8日まで無料キャンペーンを実施。また、「ハンズ・クイック」でヤマト側に支払う料金は、入庫から配送までを含んだ形になるという。

 一方、「ハンズ・クイック」の展開に当たっては、受注メールの送信や顧客からの問い合わせ対応をヤマト側に委託。自前で対応した場合、新たにオペレーターを雇用するなどの手間が生じるが、ヤマト側に委託することで、効率的な運営をできるようにした。

 「ハンズ・クイック」については、「ハンズ・ネット」のバナー広告以外、特に告知を行っていないが、「1日に10件程度の注文が入っている」(通販事業部)状況。キッチン用品や便利グッズの注文が多く、関東圏の顧客が中心だという。

 現状、「ハンズ・ネット」の売れ筋の中から対象商品を選んでいる形だが、今後は受注状況を見ながら商品の入れ替えを推進。さらに「ハンズ・クイック」の対象商品も拡充させていく考えだ。 

アマゾンロジ 通販業者向け物流代行開始、在庫管理、発送代行など

 アマゾンジャパンの関連会社で同社の物流業務を行なうアマゾンジャパン・ロジスティックス(AL)は10月16日、通販サイトの商品在庫管理や発送代行を行う物流業務代行サービスを開始した。従来、アマゾンの仮想モールに出店する事業者にのみ物流代行サービスを行ってきた。モール出店者以外にも物流代行を行い、新たな収益源を確保する狙い。また、物流代行を入口に有力通販サイトにリーチ。モール出店数を拡大したい思惑もあるようだ。
 
 ALが開始した通販サイト向け物流代行サービスは「FBAマルチチャネルサービス」。現在、アマゾンが使用する千葉市内の物流センターなどを活用して、顧客のネット販売実施企業の在庫商品を保管・管理。顧客企業からの受注情報に応じて、ALが当該商品を梱包し、指定の住所に配送する仕組み。

 同物流代行サービスの利用料金は固定の月額使用料などはとらないが、梱包手数料と出荷重量手数料を徴収する。梱包手数料は商品1個につき徴収。書籍やCD等の「メディア」は70円。「メディア以外」では130円。大型家電などの「大型」の場合は700円を徴収する。出荷重量手数料は「500グラム未満」では300円、「500グラムから5キログラム」までは400円。以降、5キログラム増すごとに500円、700円、900円、2,200円を徴収する。

 同社では昨年4月から「フルフィルメント・バイ・アマゾン」という名称でネット販売実施企業向けに物流代行事業を行ってきた。ただ、これまではアマゾンジャパンが行なう仮想モール「マーチャント@amazon.co.jp」に出店する企業のみを対象としてきた。今回、物流代行サービスを外部の通販サイトにも拡大したことで、ネット販売事業者の物流代行ニーズを引き込み、新たな収益源としたい考えだ。

 また、同サービスを利用する当該通販実施企業はアマゾンの倉庫に自社商品を在庫しておく必要がある。こうした企業はアマゾンの仮想モールに手間なく出店できることから、物流代行サービスをきっかけに「マーチャント@」の出店者数拡大につなげたい思惑もあるようだ。

イーソーコ ネット販売を物流面から支援、商物一体型の倉庫を提案

 倉庫の仲介やコンサルティングが主力のイーソーコは、中小のネット販売企業をメーンターゲットに倉庫のトータルコーディネート業務を開始する。首都圏を中心に空き倉庫を仲介するだけでなく、倉庫空間を有効活用した事務所スペースや撮影スタジオの設置など、通販企業のニーズに柔軟に対応する。通販に必要な物流業務もアウトソーシングしてもらうことで、物流品質の向上とコスト削減につなげるという。

 

 同社は、日本最大級の空き倉庫情報のネット検索サービス「e―sohko.com(イーソーコ・ドットコム)」を運営している。

 

 都心部の空き倉庫に目をつけ、物流面からネット販売企業のサポートに乗り出すという。具体的には、「商物一体型」の倉庫活用を提案。小規模企業の利用も想定し、倉庫内に複数企業の事務所を設置することもできる。

 

 また、都内という立地を最大限に活用して、消費者が直接、商品を購入できる展示スペースを設置するなどのバリエーションをもたせる。

 

 オフィスと倉庫機能、アパレル商材などを撮影するスタジオや商品の展示スペースを一カ所に集中させることで、物流拠点を従来のコストセンターから、「利益を生み出すプロフィットセンターに転換できる」(大谷巌一副社長)とする。

 

 同社は倉庫会社ではないため、自社物件にこだわらない幅広い倉庫のネットワークを活用して通販企業に合致した倉庫を提供できるのが強みだ。

 

 倉庫を提案する際は、商品の種類に応じて、入荷、検品、保管、ピッキング、出荷など一連の庫内業務を行える物流企業を紹介する。

 

 倉庫業界では、外資の参入などにより物流センターの建設が相次いだ一方、昨年来の景気鈍化から物量は減少。倉庫の需給バランスが大幅に崩れ、都心でも空き倉庫が目立ちはじめているという。

 

 イーソーコでは現在、1都3県では約5,500件の倉庫情報を保有。取り扱い商材 や出荷件数などによって最適な倉庫を紹介し、ネット販売企業の成長をバックアップする。

アマゾンジャパン 〝ブックカバー広告〟開始、商品同梱でアマゾン客に配布

 アマゾンジャパンがブックカバー型の商品同梱広告サービスを開始した。広告主である企業のキャンペーン情報などを記載した紙製のブックカバーを商品に同梱してアマゾンの顧客に配布するもの。第1弾として101日からUCC上島珈琲のブックカバー広告の同梱を開始した。同社では膨大な顧客数を生かしてすでにチラシ同梱や配送段ボール内に直接、クライアント企業のPR情報を印刷する広告事業を展開中。ブックカバー型広告の開始で広告事業売上高の拡大を図る狙い。

 アマゾンジャパンが開始したブックカバー型広告サービスは「BookCover Inship(ブックカバーインシップ)」。広告主である企業のキャンペーン情報などを記載した文庫や新書に対応する紙製ブックカバー(縦240ミリ、横368ミリ)をアマゾンで本やCD・DVD、ソフトウェア、ゲームソフトなど主にパッケージ商品を購入した顧客に商品同梱する仕組み。

 ブックカバー形態の広告媒体であるため、配布したアマゾン顧客へのリーチのほか、購入した本に当該ブックカバーをつけて持ち運ぶケースが考えられ、それによる周辺の消費者への波及効果も期待できるという。

 アマゾンによると1日あたりの配布可能部数は5万部。広告主は配布部数や配布先、配布期間などを選んで活用できるようだ。料金は1枚あたりの単価が15円から。「決まったメニューはなく、案件によってかなりカスタマイズするため、料金はケースバイケース」(同社)としている。

 ブックカバー型広告は第1弾として、飲料メーカーのUCC上島珈琲が101日から同社の缶コーヒーの広告を開始。商品の写真に加えて、QRコードを記載して、キャンペーンサイトに誘導している。

 アマゾンではすでに商品の配送時に広告主の告知チラシなどを同梱する広告事業「インシップサービス」を開始している。これまではチラシ(B5判以下限定)を同梱する形がメーンだったが、昨年からは配送段ボールの内部(天地70ミリ、横幅250ミリ)に直接、広告主の告知情報を印刷する「Print on box(プリントボックス」も開始している。

 今回のブックカバー型広告の開始で、更なる広告事業収入の獲得を目指す考えだ。

スクロール360 新物流センターが稼動、3年後の全社出荷額1000億円に

1240_fullfill.jpg スクロール(旧ムトウ)の子会社で通販支援事業を手掛けるスクロール360(旧ムトウマーケティングサポート)は928日、静岡県磐田市に建設したネット販売企業の出荷代行専用となる物流センターの稼働を開始した。4階建てで敷地面積は約13,000平方メートル、延べ床面積は約27,000平方メートル。総工費は約25億円となっている。同社では、新規顧客の取り込みにより、2011年度中にセンターを満杯にする計画。3年後のスクロール360全体での出荷金額は1,000億円を目指す。

 新センターの名称は「スクロールロジスティクスセンター磐田」(=写真)。運営は丸紅グループの物流会社、ロジパートナーズに委託する。有効面積は約21,000平方メートルで、浜松市にある従来の基幹物流センター「スクロールロジスティクスセンター浜松西」の約1.7倍となる。

 全スペースが冷暖房完備で、ICカードを用いた入退室管理や監視カメラなどのセキュリティー体制を構築した。また、トラックターミナルは10トンの大型トラックが12台接地可能となっている。

 同社では新センター以外に浜松西・浜松の2カ所で出荷代行を手掛けているほか、冷凍・冷蔵が必要な生鮮食品などは、浜松委託倉庫が運営する物流センターに出荷代行を委託している。新センターでは、新規顧客の出荷代行を中心に取り扱うほか、これまで12カ所の外部の倉庫に委託していた業務も段階的に集約する予定。誤出荷の少なさなど、出荷代行に関するノウハウをアピールすることで、新規顧客の取り込みを狙う。

 現在、同社では108社の出荷代行を手掛けており、0946月の出荷件数は約160万件、流通総額は推定で約130億円。すでに28日から8社の出荷代行を開始しており、20113月以降は年間350万件の出荷処理を目指している。倉庫がフルに稼働した場合の人員は約400人で、1日の出荷件数は最大で約3万件。

 センターの開業にあわせて、ネット販売の受注処理の代行業務を開始したほか、商品の撮影や画像修正、マスターの登録などを行う「ささげサービス」を導入した。

 同日、新センターの完成お披露目会で挨拶した堀田守社長は「ネット販売の事業者に対して、微力ではあるが、誠心誠意貢献していきたい」などと述べた。

ヤマトロジの「TSS」、都内15区で4時間配送開始、午前受注商品を午後届け

 ヤマトロジスティクス(YLC)は、ネット販売の深夜受注商品を最短八時間で届ける「トゥデイショッピングサービス」(TSS)の強化・拡充を進めている。この一環として、四時間配送を開始する。受注ピークの夜間を想定した8時間配送では、アパレル系ネット販売事業者等を取り込み、商品発送件数の増加にもつなげているが、今回の4時間配送では、午前の受注商品を当日午後に届けるサービスを提供。幅広い顧客のネット販売利用シーンに対応した迅速な商品配送を狙うネット販売事業者の利用につなげる。

 「TSS」は、注文した商品を早く受け取りたいという通販利用客のニーズへの対応を狙いに開発したもの。通販事業者は「オートピックファクトリー」と呼ばれる自動倉庫システムを装備したヤマト側の拠点等に商品を預ける仕組みで、独自の深夜便を活用し、午前〇時までのネット販売受注商品を最短八時間で顧客に届ける。

 200810月、埼玉県三郷市に「オートピックファクトリー」機能を備えた専用拠点を開設したのを機に本格的な展開を始め、関西や九州などへ、順次展開エリアを広げてきた。

 新たに投入する受注後最短4時間の配送サービスは、まず都内15区を対象に開始する。展開に当たっては、ヤマト運輸が新設した東京・有明地区のベースに入居するYLCの「有明クイック通販センター」が対応し、午前4時までの受注分を最短で当日午前8時、午前10時までの受注分を午後2時に届ける。対象となる15区は有明ベースの担当エリアで、料金体系は通常の「TSS」に四時間配送分の料金が加算される形になる。

 8時間配送の「TSS」は、ネット販売の受注ピーク時間帯(夜9時頃から午前0時頃)に対応した迅速な商品配送が最大の特長。アパレル系ネット販売事業者の利用が多く、導入企業の出荷件数も概ね2割から4割程度増えているという。これは、仕事を持つ女性等が夜の落ち着いた時間に注文した商品を早く受け取りたいというニーズに対応し成果をあげている形だが、4時間配送では、新たな商品や客層の取り込みを推進。この一環として、夜間以外の受注に対応し時間帯も選べるようにした。

 4時間配送については、10月中旬からキッチン用品等の雑貨を扱う通販事業者が都内で導入(約300アイテムで開始)する予定だが、YLCとしては、特に「午前10時までの注文を当日午後2時に届けるところをメーンにやっていきたい」(星野芳彦常務執行役員)考え。

 キッチン周り商材の場合、主要顧客は主婦層だが、ネット販売の利用パターンとして想定されるのは、朝の家事を終えて時間に余裕ができる午前9時頃からの受注。また、当日夕食時までに商品を必要とすることも考えられるが、今回の4時間配送では、午前10時までの受注分を最短で午後2時に届けられるため、こうした主婦層の利用シーンや緊急ニーズに対応できる。このほかに、ペット用品と酒類のネット販売事業者が4時間配送の導入を予定する。

 4時間配送については、東京・有明のベース以外にも、既に8時間の「TSS」を手掛ける大阪および福岡のベースでも対応が可能。今後、ニーズが見込まれる大都市部を中心に4時間配送を拡大させる意向で、年内中に札幌や名古屋でも体制を整備する考えだ。

 「TSS」の導入状況としては、既に2,000サイト規模となっており、「TSS」を手掛けるYLCのクイック通販カンパニーの売り上げも当初計画を上回るペースで推移しているという。YLCでは「TSS」のサービス水準を通販の標準として定着させることを目指しており、台湾や中国などの海外で展開することも視野に入れている。

新連載・物流センター探訪①三越通販南海神センター 3PL方式採用で効率化、出荷能力4000個増に

090910_fullfil.jpg 三越の通信販売事業部は物流改善の取り組みを強化している。効率化を目的に物流業務全般を請け負う3PL事業者を初めて採用、今年7月に新物流センター(=写真)を稼動させた。新センターは従来と比べ、1日当たりの出荷件数が3,0004,000個増とスピードアップした一方、利用する延べ床面積は縮小した。また、商品到着後の問い合わせを減らすため、明細書の項目を変更したほか、個人情報保護の観点から出荷直前まで配送伝票を印字しない工夫などを行っている。

 三越通信販売事業部はこれまで自社で物流センターを賃借、人員管理などを行っていたが、旧センター(東京ベイ通販センター)の老朽化に伴い物流戦略の見直しに着手。3PL方式を導入し、物流専門会社センコーへの業務委託に切り替えた。「旧センターは十七年間、つぎはぎで拡張してきたためメンテナンスが難しく、再設計する必要があった」(森玲治事業企画部システムBPR担当課長)。

 718日から稼動した新物流センターは「三越通販南海神センター(センコー船橋ファッションロジスティクスセンター)」(千葉県船橋市)。産地直送商品と、冷凍・冷蔵商品を除く全商品(アパレル、宝飾、食品、雑貨、寝具など)をここで在庫、出荷する。

 新センターは4階建てで延床面積は約39,000平方メートル。三越は全フロアを利用するが、全面使用ではないため、実質的な利用延床面積は29,200平方メートルとなる。旧センターと比べスペースを8%(2,600平方メートル)減少させ、固定費の削減を図った。もっとも、三越が利用しない面積分についてもセンコーが一括で借り上げており、今後の事業規模拡大に伴い三越が全館を利用する計画だ。

 1日の出荷能力は定時(朝9時―夕方6時)で、以前よりも3,0004,000個増の18,000個に拡大した。また、平常時間外を併せた稼動で、新センターになって過去最高の13万個を出荷した。旧センターでは5フロア(15階)を利用していたが、例えば4階からダイレクトに出荷フロアである1階への導線が弱く、必ず3階や2階を経由しなければならなかった。そのため、2階でトラブルが起きた場合に、正常な3階や4階の作業も滞ってしまう問題があった。新センターではエレベーター4基と、3階と2階に張り巡らせているベルトコンベアーは、並列で1階まで到着するため、例え2階が停止しても3階、4階は影響を受けない仕組みとした。

 また、格納する場所を固定しない「フリーロケーション」の採用により、1フロア当たりの効率化を図った。これらにより、14時出発の出荷トラックに間に合う数量が増え、配送リードタイムが短縮化できた。14時便は都内であれば同日の夕方に届く速さだ。

 顧客サービスも向上させた。1つは明細書の充実。例えば4つの商品を注文した際、在庫があるのは3つで残り1つは別便となる場合も、明細書には4つの商品を明記。間に合わなかった商品名の隣に別便となる旨を明記し、「4つ注文したが3つしか届かない」という誤解を生まない工夫をしている。

 2つ目は顧客の個人情報を保護するため、住所が印字される配送伝票は、出荷の直前、梱包作業の最終過程で印字するように変更した。従来はピッキング指示書を印刷する際、同一の紙に印字されていた。(次回以降の連載は本紙で

ヤマトHD、中国・上海で「宅急便」展開 物流利便性で通販拡大、「クール便」など初年度600万個計画

090903_full.jpg ヤマトホールディングス(ヤマトHD)は、来年1月をメドに中国・上海市内で「宅急便」事業の展開を始める。現地法人を子会社化して乗り出すもので、初年度売上高126,000万円(取扱荷物600万個)、10年後に40億円を計画する。上海では通販の利用が拡大傾向にあるが、ヤマトHD側では時間指定配達や「クール便」などを武器に通販関連荷物の取り込みを進める考え。高品質の商品配送サービス提供を通じ、通販利用環境の向上につなげる構えだ。

 今回の上海進出では、国有投資会社上海久事公司および物流事業の上海金剛投資有限公司と合弁契約を締結(=写真・上海で行われた調印式)。傘下の上海巴士物流有限公司が行う第三者割当増資をヤマトHDが約348,000万円(出資比率65%)で引き受け子会社化。「雅●(王ヘンに馬)多(中国)運輸有限公司」に社名変更し「宅急便」ブランドで事業を行う。

 現地の「宅急便」事業は、365日営業(午前8時―夜9九時)で、上海市内終日集荷・翌日配達が基本。スタート段階では、市内に約20カ所の拠点を設け、配送車両約100台と電動自転車数十台で荷物を配達。配達員については、現地で約400人を採用する。

料金体系はサイズ別に6区分を設ける予定。発表段階で詳細は固まっていないが、「既存事業者と同等か、それ以下に設定する」(ヤマト運輸・佐々木勉グローバル営業部長)という。このほかに、「時間帯お届けサービス帯」(6区分)、クール便(冷凍・冷蔵)、当日配達、代引き(現金払いのみ)などサービスも提供。上海を橋掛かりに中国全土での事業展開を構想する。

 上海では、消費者の生活水準が向上しており、取り寄せ商品や贈答品などの分野で高品質の物流サービスへのニーズが高まっている。既にSGグループが現地で宅配便事業を展開し、代引きサービスも提供しているが、クール便や当日配達を手掛ける現地宅配便事業者はないなど、日本ほどBtoC通販の環境は整備されていないのが実情だ。

 これに対しヤマト側では、時間帯指定配達と「クール便」をいち早く手掛けることで、商品が届けられるまでの顧客のストレス解消や、お取り寄せ商品の取り込みなどを推進。「日本国内のビジネスモデルを投入し、流通革命を起す」(ヤマトHD・神田晴夫常務執行役員)としており、食品を扱う日本の一部通販関係者も、上海での「クール便」に興味を示している状況だ。

 ヤマトHDでは、台湾で「宅急便」を展開しているが、自社主導による実質的な海外事業は上海が初めて。今後、海外事業を積極化させる意向で、中国のほかにもマレーシアでも具体的な計画が進んでいるという。「宅急便」の海外展開で現地の通販拡大につながるのか、動向が注目される。


SBSHD、3PLを積極化 通販系の受注獲得へ、コスト削減にも注力

SBSホールディングスは中長期的な成長戦略として、中核の物流事業の強化を進めている。その一環として、新規営業専門の部隊をグループ企業内に設置。アウトバウンドやインターネットなどのチャネルを開拓し、通販やメーカー系など、新たな需要の掘り起こしを図る。また、3PL事業専門のコンサルティング業務も強化。人材を補強するなどし、受注増に結びつけたい考え。さらに、これらと並行して、全社的なコスト削減策も積極化。利益率改善を実現させる計画だ。

 同社の20096月中間期連結業績は、売上高が前年同期比18.6%減の5814,500万円で、営業利益が同30.0%減の118,300万円と大幅な減収減益。主力の物流事業は全業種で物量が低下した影響により、同7.9%減の5197,200万円だった。

 こうした状況を踏まえ、現在は3PL事業の強化に注力する。今年2月、グループで物流の中核企業のTLロジコム内に設置した「営業開発本部」により、新規クライアント獲得を積極化。30人体制でアウトバウンドやDM、インターネットなどの新規営業チャネルを開拓し、物流コストや効果を見直したい企業の需要を掘り起こしていく計画だ。

同本部により、上期は食品や繊維、雑貨、小売系のクライアントを獲得。09年度目標の20億円はクリアしたとしている。今後は、「最近は小売に慣れてきた」(鎌田社長)ため通販企業やメーカー系などもターゲットに展開。100億規模の通販企業やネット販売企業などを獲得していく意向で、12年度までに累計100億円の獲得を目指している。

また、3PL専門のコンサルティング事業では、さらなる受注増を実現するため、人材の増強に着手。現在は23人が研修カリキュラムを修了しており、後期は28人が受講。09年度は50人の修了を目指しており、来期と合わせ、計100人を育成したい考えだ。

コスト削減では、利益率の低いトラック事業の見直しを実施。稼働状況の分析を行い、稼働率を向上させる。また、人員面ではパートタイマーの積極的な活用を検討。パート人員を拡充し余った社員を適切に配置することで「コストは大幅に下げられる」(同)と見ており、これら施策を積極化することで営業利益率5%を目指す構えだ。

ジャパネットたかた、名古屋市郊外に新物流拠点 広さは3万㎡超物流センターを集約へ

 ジャパネットたかた(本社・長崎県佐世保市、高田明社長)が物流拠点を集約する。これまで愛知と北九州に物流拠点を構えてきたが09910月をメドにAMBプロパティジャパンが名古屋市郊外に所有する大型物流施設のうち、約3万平方㍍分を借り受け、物流拠点を集約し、稼動させる。

 

ジャパネットたかたがリース契約を結んだのは物流施設の開発・運営管理を行なうAMBが所有する「AMB春日井・小牧東ディストリビューションセンター」。投資金額は不明。同施設の総面積約9万1600平方㍍のうち、約3万400平方㍍。「新センターは現在の売上高が倍増しても大丈夫な規模」(高田社長)という。

同社ではこれまで愛知・愛西と北九州市内にそれぞれ物流拠点を構え、配送商品や配送地域ごとに両センターを使い分けてきた。これら物流拠点を統合することで物流作業の効率化と業容拡大に伴う作業増をカバーする。

ニュースの断層 統合ブランドいつ公表? JPエクスプレスの宅配便事業 事業計画、認可遅れ10月スタートに暗雲も

JPエクスプレス(本社・東京都千代田区)は0910月1日に予定する「ゆうパック」と「ペリカン便」との完全統合作業で足踏み状態が続いている。母体の日本郵政が総務省に提出した事業計画が認可されていないためだ。本来であれば、既に統合作業を急ピッチで進めているはずだが、未だに宅配便の統一ブランド名も公表されていない状況。関係各方面では、10月1日からの統合を前提に水面下で作業を進めているが、事業計画認可の遅れがスタート時の現場の混乱を招く懸念もある。

 

「当社も早く公表したいのだが、親会社の事業計画が認可されないことにはどうしようもない」。宅配便統一ブランドの公表について、JPエクスプレスはこう語る。当初、統一ブランドは5月の段階で公表される予定だったが、鳩山邦夫前総務相がJP側の事業計画に注文をつけたことなどから延期。JPエクスプレス側では七月頃には公表できるのではないかと見ていたが、そのまま事業計画の認可が下りず現在に至っている。

無論、既に統合ブランドは決まっているはずで、あとは公表のタイミングを待つだけ。現場レベルでも、「10月1日からのスタートを想定して準備作業を進めている」(JPエクスプレス)状況で、統一ブランド公表と同時に新しいロゴの帳票類や販促物の発注を印刷会社等へ掛けられるよう体制を整備。また、郵便事業会社側からくる人員に対するOJTについても、当初の予定通り8月中に開始するという。

 日本郵政と日本通運は、07年に包括的な業務提携を締結。その中でも、両社の宅配便事業は提携の大きな目玉だったが、実際の作業は難航し、JPエクスプレスの実質的な立ち上げは、当初の計画よりも遅れる形となった。それだけに、10月1日からの宅配便事業統合を予定通りこなしたい意向は強く、JPエクスプレスでも、「現段階で、統合が遅れるということは考えていない」とする。

宅配便事業統合を機に一気に攻勢をかけたいJPエクスプレス。10月からのスタートを前提に準備作業を進めているが、最終的な決定は正式な事業計画の認可次第。10月1日からスタートできたとしても、事業計画認可がさらに遅れれば、詰めの作業日程がタイトになり、統一ブランドでのスタートダッシュにつまづくことも考えられる。

製紙大手5社の4-6月期、4社が2桁増益に 需要低迷で全社減収、減産で価格維持狙う

製紙大手5社の20103月期第1四半期(46月)の業績が出そろった。景気低迷の影響による需要減が響き、全社で減収となったものの、原燃料価格の下落や昨年の値上げ効果、生産設備の停止などにより、営業赤字となった三菱製紙を除く4社は営業増益となっている。製紙大手では、4月に印刷用紙の3%値下げを実施しているが、需要が底打ちしたとは言えないことや、重油や古紙などの価格が上昇傾向にあることなど、不透明感が漂うことから、価格維持に努める方針だ。

北越製紙を除き、売上高は各社とも2桁の減収となった。最大手の王子製紙では、前年同期比16.5%減の2,805億円と大幅な減収になっている。

製紙大手では、原燃料価格の高騰を受けて、昨年夏に印刷用紙の15%値上げを実施。ただ、昨年秋以降の景気の急速な悪化をふまえて、通販企業をはじめ、各企業が宣伝費を削り、カタログやチラシなどを大きく減らしたことが響いた。

その一方で、利益面では各社とも改善。これは、原燃料価格が予想以上に下がったことや、減産を受けた設備停止や人件費削減などのコスト削減効果によるもので、主力工場の定期修理があった三菱製紙を除き、大幅増益となっている。

製紙大手では、原燃料価格の下落や、減産による在庫の適正水準回復などもあり、需要家からの値下げ要求を受け入れて今年4月に印刷用紙の3%値下げを実施。ただ、需要の大幅な回復は見られなかったようだ。

背景には、安価な輸入紙を活用する企業が増えていることがある。日本製紙連合会が発表した6月の需給速報によると、情報用紙の輸入量は106,000トンで、前年同期比109.9%増。通販企業にもこうした動きは広がっており、例えばムトウでは「今後も輸入紙の割合を増やすことでコスト削減につなげたい」(経営企画部)としている。

ただ、印刷用紙のさらなる値下げは望み薄だ。王子製紙では、重油や古紙の価格が上昇していることや、需要の底打ち感がないことなどを理由に、通期業績の上方修正を見送った。また、7月からは再び大幅な減産も実施している。

製紙大手では、減産により価格維持に努める考えだが、通販企業にとっては、わずか3%の値下げでは一昨年から続く値上げのコスト増をまったく吸収することができない。輸入紙の採用を進める企業が増える中、需要の回復を狙った値下げはあるのか。今後もせめぎあいが続きそうだ。

RSコンポーネンツ、高額受注時に〝ベル〟 オペレーターの意欲向上に寄与

 「高額受注にはカラン、カラン」――。英BtoBカタログ通販大手の日本法人で、工業用部品などを販売するアールエスコンポーネンツは今夏から、10万円以上の高額受注を受けた際、注文を受けたオペレーターがハンドベルを鳴らす取り組みを始めた。「ベルを鳴らす」という行為により、オペレーターの意識共有、意欲やサービスレベルの向上を図る目的だという。

 高額受注時にベルを鳴らす試みは「ベルリングセレブレーション」と呼ばれる仕組み。顧客企業から電話での注文を受けるカスタマーサービス部門の発案で導入された。

同部門のスタッフ(21人)が10万円以上の発注を受けた際、ハンドベルを鳴らすことで社内全体にその旨を伝達。さらに受注金額が100万円を超えた場合は、フロアを一周するという。

これにより高額受注情報の情報共有を図り、社内の意識統一と売り上げに対する個々の競争意識を喚起、接客対応などのサービスレベルの向上に寄与しているようだ。

また、「ベルを鳴らす」ことで受注情報が他部門への伝わることになり、他部門スタッフは「ベルが鳴る」たびに拍手。喜びを社内全体で共有できるようになり、担当スタッフのモチベーション向上にも貢献しているようだ。

同社では業務効率の向上や社員間のコミュニケーション強化のために業務などに役立つ自己学習を支援する「RSユニバーシティ」や社員同士が感謝の気持ちをカードに記して渡しあう「サンクスカード」、時間の有効活用という観点から会議の時間に遅れた社員(社長や取締役も含む)に「罰ゲーム中」と書かれたたすきを会議中着用する「罰ゲーム」などユニークな制度を設けてきた。

今回の「ベルリングセレブレーション」もその一環。受注情報の社内共有で業務の効率化を進める考えだ。

物流センター見学 ムトウマーケティングサポート

ムトウの子会社、ムトウマーケティングサポート(MMS)では、ネット販売企業向けの出荷代行事業を手掛けている。ムトウの流通センターを中心に、約八千坪をネット販売企業から委託された商品の出荷場としており、今年9月には静岡・磐田市に出荷代行専門として、約8000坪の物流センターが完成するなど、事業は拡大傾向にある。

MMSの出荷代行は、誤出荷の少なさには定評がある。これは、本業に裏打ちされた在庫管理のノウハウがあるからだ。

浜松市にあるムトウの流通センターでは、約4000坪をMMSの出荷代行用に振り分けている。桃源郷やアンジェといった大手ネット販売企業が出荷場を設置。作業員は、全員帽子を着用する。これは、箱に髪の毛が入ることを避けるためだ。

親会社であるムトウの場合、商品の出荷は自動化されているが、MMSの出荷代行は基本的に手作業だ。誤出荷を減らす仕組みはどのように築いたのだろうか。

MMSでは、ネットショップが前日に受けた注文を出荷するため、当日朝には出荷する商品の数が分かる。まず、ピッキングが終わった際に、ピッキングした人以外の作業員が残った商品の数をチェックする。つまり、ある商品が百個あり、30個ピッキングしたとすれば、70個が残っている。これが合っているかどうか数えるわけだ。

箱詰めが終わったあとには、また別の作業員が検品作業を行う。「人間は必ず間違える」ことを前提にチェックすることで、誤出荷を数万件に1件というレベルにまで引き下げている。

ピッキングの際も工夫している。棚が3段に分かれているが、上下の区別がきちんとつくように「下の棚」という札を掲示。さらに、もっと間違いを減らすために、必ずこの札に接触してから商品を取るというルールを決めた。また、なるべく短い歩数でピッキングできるような配置も心がける。このような効率を上げるための仕組みづくりは、毎月クライアントと相談して改良しているのだという。

商品出荷にはハサミやカッターなどの刃物がつきものだが、まれに箱に紛れ込んでしまうことがある。こうしたトラブルを避けるために、ハサミを使用する際は白板に自分の名前を記入して責任を持つことにしている

作業員は、クライアントごとに決まったチームを組む。当日出荷する数は朝に分かるため、忙しさに差が出ることもあるが、その場合は余った人員を回すなど、機動的に対応する。

ギフト包装など、個別の対応が必要なときは、専門の作業員が梱包を手掛ける。中には、手書きの手紙や折り鶴などを商品に添える企業もあるが、こうした手間のかかる作業にも対応。商品や販売の形態に合わせて、細かな出荷ニーズに応えられることも人気の要因だ。

温度管理が必要な食品の出荷代行に関しては、浜松委託倉庫が運営する、浜松市内の物流センター「浜松委託倉庫 米津出荷センター」から行っている。

07年4月に完成した同センターでは、14社の食品通販会社の出荷代行を手掛けている。大手のネット販売では、北国からの贈り物が昨年四月に北海道の出荷センターから移管。07年12月は26日までしか出荷できなかったが、出荷体制の変更によって、08年は30日までの出荷が可能になり、増えた分の4日間で1億円の売り上げ増になったという。

同センターは冷凍・冷蔵の商品に特化している。常温、冷蔵、冷凍と3種類の倉庫に分かれており、商品に合った温度帯で管理することができる。生鮮食品だけではなく、ワインやビールといった酒類から、化粧品・健康食品も取り扱う。

特筆すべきは、衛生面に気を使っていること。まず、作業場に入る前にはエアシャワーを使い、毛髪やゴミ・ホコリなどを落とすほか、上履きを着用し、靴底をきれいにしてから入場する。また、作業場では毛髪が商品に落ちることがないよう、帽子の着用を義務付けている。

生鮮食品などを扱う冷凍庫では、マイナス25度で商品を管理。作業員は冷凍庫でピッキングし、10度に保たれた作業エリアで箱詰めを行う。その後はまた冷凍庫に商品を戻し、運送会社のトラックに商品を積み込むまで温度が上がらないようにする。

ワインを保管する倉庫は、温度を15度、湿度を7075%という、ワインを管理するのに最適な条件に保っている。倉庫には窓がなく、酸化の原因となる光も差し込まないため、ワインを保管するにはうってつけの環境といえる。倉庫内で商品を撮影することも可能だ。ネットショップにとっては、一度入庫した商品を配送してもらう必要がなくなるため、手間やコストが省けることになる。

ビールや日本酒なども取り扱っているが、商品を保管するダンボールの棚の取り出し口には、ゴムを張っている。これは、落下防止だけではなく、商品を取り出しやすくする目的があるのだという。

同センターでは約40人の作業員が働いており、1日に13001500件の出荷を行う。年末などの繁忙期には、90人の作業員が1万件の出荷を手掛けることもあるという。ムトウの流通センターと同じく、商品の在庫数とピッキングした商品の数を照らし合わせることで、数万件に1件まで誤出荷を減らす仕組みを築き上げた。

また、担当の企業ごとに連絡用のノートを用意しており、改善すべき点などを記入して朝礼で発表。情報を全員で共有することで、より良い作業体制を作るべく努力している。

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