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官庁・団体 Archive

【終わらない「葛の花」事件】 KC's、適法性判断なく「圧力」、一方的な返金要求に不満蓄積 

 顧客に代わり損害賠償請求権限を持つ特定適格消費者団体(特定適格)の要請が強まっている。消費者支援機構関西(=KC's)は今年3月、「葛の花」の処分企業に顧客への返金を求める「申し入れ兼要請」を実施。顧客への通知や返金、返金状況の定期報告を求めた。だが、法適用の明確な司法判断もないまま、その権限が持つ「圧力」を背景にした要請に企業側の不満が蓄積している。

 KC'sの要請は、景品表示法で「不当表示」との判断が下された「葛の花」の痩身効果が、消費者契約法の「不実告知」にあたるとの前提に行われている。要請書でも「不実告知」であると断定。消費者への返金(契約無効に伴う返金)を求め、3月30日を期限に企業側に回答を依頼している。

 特定適格としての要請では、「葛の花」の購入顧客に「消契法上の不実告知にあたる旨」と「返金を求めることができる旨」の告知を求めている。

 返金の対象者や期間、方法も細かく定め、対象者は、違法認定を受けた表示期間と表示を止めて半年後までに購入した顧客。通知から1年は返金に応じることを求め、方法は「返金入力専用ウェブページ」を開設するなど消費者に負担のない方法の提供を要請している。また、通知や返金実施状況の定期報告も求める。

 こうした要請に応じ、返金している企業に対しては「提訴することはない」とする。一方、回答を拒否する企業には「何らかの対応を検討せざるを得ない」と提訴を匂わせる書面が届いている。

 ただ、違法性の判断を前に企業自らに消契法違反と認めさせようとする行為に「まるで景表法の調査段階で社告掲載を迫る消費者庁と同じ」「(権限付与の)趣旨を超えており違和感を覚える」といった声が相次いでいる。

 KC'sは、書面で特定適格ではなく、"いち消費者団体"としての立場からの要請も行っている。内容は「貴社以外の販売者(=他社)から商品を購入した消費者から返金を求められた時は、これに応じること」というもの。おそらく卸販売などを想定したとみられるが、これにも「そこまで要請されるいわれはない」「要請の意味が分からない」と不満がある。

 本紙掲載までに回答が得られたすべての企業は、顧客から申し出があった場合、返金に応じるとしている。ただ、判断が分かれるのは返金の「通知」。ある企業は「社告掲載時に"何かあれば問い合わせフォームへ"と手紙を出した。そこに返金に応じる旨も含まれる」と改めて通知をしない。

 一方、「社告掲載時は違反の事実とお詫びを伝えただけ」と捉える企業は改めて顧客に通知する。再通知にかかる費用は数百万円。だが、要請書では「通知に要請内容が十分反映されていると考える場合は『通知内容の写しを添付せよ』と書かれている」として応じる。「企業の対応に多少の差が出るのは仕方がないこと。ただ、自分達なりに通知もし返金にも誠実に応じているのに一言一句まで指定され、自らの考えに従わない企業に圧力をかけるのはおかしい」といった声も上がる。

 定期報告にも大半の企業が「応じる」としている。ただ、その期間や手法があいまいなため、「KC'sの回答待ち」という企業もある。

 要請に「完全無視」を決め込む企業もある。「適切な対応は行っており、法判断があいまいな段階で適格団体に介入されることが不快」というのがその理由。個々の顧客に通知し、返金の申し出にも応じているものの、団体への回答はしない考えを持っている。

消費者庁景表法運用速報 措置件数48社の50件、「葛の花」一斉処分で過去最高に

 消費者庁による2017年度の景品表示法に基づく措置命令件数が48社の50件に上った。消費者庁創設以来、過去最高の執行件数。前年度の27件から大幅に増加した。課徴金納付命令は17件だった。

 事件数(一斉処分も1件とカウント)は29件。このうち、通販関連は9件だった。「優良誤認」は9件、「有利誤認」は17件。このほか、特定の業種や事項6種を規制する景表法第7条第3号の「商品の原産国に関する不当表示」「おとり広告」が3件だった(1社に対する「優良・有利誤認」の認定など重複を含む)。

 地方自治体も措置命令件数を伸ばした。

 自治体への措置権限の移譲は14年末。15年度は3件、16年度は1件だったが今年度は8件(3月27日時点)に上った。調査ノウハウの習熟とともに増えており、措置命令件数も増える可能性がある。

 消費者庁が執行件数を伸ばしたのは13年度。空間除菌グッズを販売する17社に一斉処分が行われたことから処分件数は年間で45件に上った。17年度はこれを上回る規模。背景に昨年10月に行われた「葛の花由来イソフラボン」を含む機能性表示食品を販売する16社に対する一斉処分がある。

 一斉処分は、「内臓脂肪を減らすのを助ける」との表示で届出を行っていた「葛の花」を含む機能性表示食品に対するもの。摂取するだけであたかも容易に痩身効果が得られるかのように表示していたとして「優良誤認」を認定された。15年の機能性表示食品制度の導入以降、機能性表示食品に対する処分が下されたのは初めてだった。

 通販関連ではほかに昨年12月、不当な二重価格を行っていたとしてアマゾンジャパンに景表法に基づく「有利誤認」が認定された。実態の伴わない「参考価格」を表示、割引率を不当に吊り上げていたと指摘された。

 今年3月には、テレビ通販大手のジュピターショップチャンネル(JSC)に対する景表法に基づく「有利誤認」も認定された。テレビ通販番組で販売したテレビや、冷凍カニについて番組で紹介する当日から一定期間、「特別価格」で表示していた価格が不当な二重価格と判断された。二重価格表示の問題は、過去の販売実績と比較されるケースが大半だが、JSCに対する処分では、"将来の価格"(特別価格によるセール終了後)に「通常価格」で販売する期間が短く、不当と判断された。


事件調査の剛腕起用

"イケメン上席"はアマゾンから「一本」


【執行件数増加の背景は?

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 消費者庁による景品表示法の執行件数は過去最高の50件に上った。「葛の花」の一斉処分も背景もあるが、件数増加の背景には執行体制の強化に向けた人事施策の面からも窺える。公正取引委員会で主に事件畑で鳴らしてきた大元慎二氏(写真㊤)の表示対策課課長の起用だ。一方で、もう一人気になるのが、ある"イケメン職員"の存在だ。

 その職員がおおやけの場に登場したのは、アマゾンの参考価格「サバ読み」事件の会見が最初とみられる。職員の名は、笠原慎吾氏(写真㊦)。表示対策課で上席景品・表示審査官を務める。「会見のニュースを見て、細眉の端正な顔立ちが気になり内容が頭に入ってこなかった」(業界関係者)。当時、そのイケメンぶりが気になった業界関係者も少なくない。

 そもそも「上席」とはどういう役職か。行政機構の上では、課長より下に位置するものの課長補佐よりは上。室長と並ぶ「初級管理職」の位置づけだ。

 公取の場合、独占禁止法の執行を担う審査局は第一審査から第五審査に分かれる。各審査に「審査長(課長級)」と「上席」を配置。それぞれ調査ユニットを持ち、事件規模によって構成人数の変動はあるものの各ユニットが調査にあたる。

 
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消費者庁は「上席」の役職自体、創設間もなく設置されたというが、課長との役割分担はその都度変わる。会見で目にするようになったのはここ最近。報道発表は、事件を担当した班のトップが行うのが通例であり、「上席」が一つのユニットを持ち、事件調査にあたるようになったとすれば、当然、執行件数も増えるだろう。

 大元課長は、公取時代、景品表示監視室長を務め、独占禁止法の「カルテル」事件などを調査する審査局犯則審査部の第二特別審査長も経験している。「景表法の事件調査には絶対の自信を持っている」(公取関係者)というのがその人物評。「葛の花」の機能性表示食品初処分に踏み切り、これに絡み、「食品で痩せるはあり得ない」と断言した自信もそのあたりからくるのだろう。

 一方の笠原氏は、公取では数少ない国際畑出身ともいえる。その洗練されたイメージそのままに、ワシントンのアメリカ大使館にアタッシェとして赴任。米司法省やFTC(米国公正取引委員会)との連携、情報収集などを担当してきた。外資系のアマゾンの違法認定もその経験が活きたかもしれない。

JADMA 健康被害対応で指針、業界団体で初、運用もサポート

 日本通信販売協会(=JADMA)が「サプリメント摂取による体調変化に関する申し出対応マニュアル」を策定した。消費者からの申し出に適切に対応するために、企業が最低限整備すべき事項を定めたもの。3月22日に行った「サプリ塾」で公開した。これまで業界団体が具体的な対応マニュアルをまとめた例はなく、策定は健食業界で初めて。会員以外にも広く公開し、活用を促すことで企業の対応力の底上げを図る。

 「対応マニュアル」は、消費者からの申し出に対応する体制の整備や、対応窓口の告知、法令・行政対応、返金・返品対応など6項目についてまとめた。厚生労働省で医薬品の「重篤副作用疾患別対応マニュアル」の策定委員を務め、薬物性肝障害に詳しい神代龍吉久留米大学教授が監修。策定にあたり、厚労省や消費者庁、国民生活センター、消費者団体の助言も得た。

 整備すべき体制として、社内部門間の役割分担や、販売者と製造者が異なる場合の消費者対応、賠償に関わる責任の所在の明確化を求めた。また、学会報告など最新の知見に基づく判断を行うための情報収集、相談窓口担当者の教育訓練、専門的知識と持つ担当者や医師・薬剤師等の助言が得られる体制の構築など企業が平時に行うべき対応を整理。電話相談窓口の名称や電話番号などを製品パッケージに目立つよう記載することも求めた。体制整備を自社で確認できる31項目の「チェックリスト」も作成した。

 実際の対応面では、「本人・家族・医療従事者」など申し出者の確認や、症状の軽重を問わない摂取中止の案内など「ヒアリング項目」を整理。企業が行うべき申し出内容の記録や保存、評価など「対応フロー」や、「ヒアリング項目例」「記録フォーム例」も併せて示した。申出内容の重篤度や因果関係の評価は、医療機関や学会、行政機関の情報を参考にし、外部の専門家の監修を受けることが望ましいとした。

 申し出内容を評価する際に、重篤な体調変化や、拡大のおそれがある体調変化があった場合、医師等の専門家の意見を聞いた上で、必要に応じて保健所や消費者庁など行政機関に報告を行うことも求め、「重篤な健康被害」の具体的を示した。また、返金や返品の要求、治療費の請求に対する企業側の姿勢も触れた。

 ただ、申し出内容の重篤度は判断が難しい面もある。今後、JADMAでは実際の運用を通じて「対応マニュアル」の改定を行っていく考え。また、会員企業に寄せられた申し出に対し、医師等の専門家が所属する学会と連携して因果関係の客観的評価を適切に行うためのサポートを行う。行政機関への報告の必要性など判断に関するアドバイスも行う。これら協会の役割も明記した。

 今後もセミナーなどを通じて実際の相談業務における活用事例を示していく。学術団体と連携して、因果関係を客観的に判定する仕組みの構築も目指す。

【韓国EC市場レポート by CAFE24⑥】 「ガールズルール」10代向けに自社EC、年商2億円を達成

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 EC発ティーンズブランド「ガールズルール(www.girlsrule.jp)」は、Kポップのアーティストやアイドル好きの10代をターゲットにアパレル販売を手がけています。同社は、韓国アパレルに対する関心が少しずつ目立ち始めた2014年、日本に本格参入。17年には年商2億円を達成し、そのうち日本での実績が大部分を占めています。

 「ガールズルール」は、ファッショントレンドの発信地「SHIBUYA109」にも出店するなど、認知度向上に力を入れています。特に、昨年同店で開かれた期間限定のポップアップショップ「Today is Seoul」が好評を得たことで、今年3月再オープンが決まったようです。

 「ガールズルール」を率いる金・ヒジンCEOは、日本滞在中に韓国文化に対する若年層のニーズを確認したと言います。同時期は、インフルエンサーとして活躍した「オルチャン」(「顔」を意味する「オルグル」と「最高」を意味する「チャン」を組み合わせた単語)が日本の10代からも注目を集めた時期でした。実際「オルチャン」は、韓国10代のファッションやメイクに大きな影響を与えた存在でもありました。

 これを機に金CEOは、日本の10代に向けて韓国ファッションを伝えることを目指し、グローバルECプラットフォーム「cafe24」で、自社ECサイトを開業しました。メインターゲットの10代向けにサイトのデザインや決済、配送システム提供に取り組みました。特に、10代の利用率が高いコンビニ支払いを導入したことで、売り上げが80%増加したと説明しています。

芸能人着用ブランドも展開

 
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「ガールズルール」は日韓若年層の両方を満足させる商品提案に力を入れています。

 例えば、消費者が日本で手軽に購入できるアイテムより、なるべく日本のメーカーが扱っていないマンツーマンTシャツやブラウスなどのオリジナル商品をサイト上に提示しています。

 最近、Kポップアイドルへの関心が徐々に高まっていることで、彼らが着用したアパレルアイテムも人気を集めています。「ガールズルール」は「芸能人着用ブランド」の商品ページを作成、若年層のニーズに対応し、自社ECへのアクセスを誘導しています。

SNSを集客手段として活用

 
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金CEOは、日本市場での認知度向上に向けSNSチャネルを積極的に活用しています。SNSで情報やコンテンツに接することが多い10代の特徴を踏まえ、LINEやインスタグラムなどを運営しています。

 これを通じて、顧客とのコミュニケーションに取り組んだ結果、Twitterフォロワー数16万人、インスタグラムのフォロワー数やLINE、WEARの登録者数がそれぞれ9万人、8万人、5万人を確保できたと言います。

 「多くの方々がブランドの立ち上げ当初から関心を持ってくださり運が良かったと思います。有名芸能人やファッションブロガーたちが弊社商品を着用したことから口コミが広がり、自然にリピーターも増えたと思います」(金CEO)

 今後も「ガールズルール」は、自社ブランディングの一環として自社EC運営に力を入れて行く予定です。同時に、ポップアップショップ開催など販路拡大も行い、顧客との接点を増やしていくことを目指しています。

 また、日韓市場で培ったアパレルやECに関するノウハウや競争力を基に、今年中に台湾市場参入も検討しています。現在、台湾向け越境ECサイトを構築していて、台湾10代の多彩なニーズにも積極的に対応する計画を立てています。
(おわり)


東京都の高齢者相談 「ネット通販」増加続く、7000件超のペースで推移

8-2.jpg 東京都の消費生活センターに寄せられる60歳以上の高齢者相談で、「インターネット通販」に関する相談の増加が続いている。13年度に約4000件だった相談件数は15年度以降7000件を突破。17年度上半期も前年同期比で5・6%増と過去最高を更新している。3月9日、都が公表した過去5年間の高齢者相談の分析結果から明らかになった。

 高齢者相談は、例年3万9000円前後で推移する。16年度は前年度比4・7%減の約3万7000件と減少したが、17年度上半期は前年同期比0・9%増の1万8543件と再び増加傾向に転じた。
 販売形態別の傾向では、「通販」が最も多い。

 17年度上半期に絞ってみると、60歳以下を含む全相談件数は、5万9528件。このうち、「通販」に関するものは約35%。「店舗購入」「訪問販売」を抑えトップになっている。高齢者相談に絞ってみても「通販」が約30%を占めトップ。世代別では「60歳代(7553件)」で約40%を占め、「70歳代(6447件)」でも約27%と最も多い。「80歳代以降(4543件)」では、約14%。「店舗(約21%)」「訪販(約24%)」の相談割合が多くなっている。

 14年度以降の商品・役務別の高齢者相談で例年多いのは、有料サイト利用料や架空請求など「デジタルコンテンツ」や「アダルト情報サイト」など。屋根工事など「工事・建築」関連も多い。「健康食品」は16年度以降、上位10位にランクイン。16年度は1034件、17年度上半期は455件と前年を下回る傾向で推移している。「健康食品」の相談を世代別にみると「60歳代」「80歳以上」で上位10品目の相談商品に含まれている。

 14年度以降の高齢者の相談内容の傾向で顕著なのは、「インターネット通販」に関する相談が高止まりの傾向にあること。14年度に4042件だった相談件数が15年度以降、7232件(高齢者相談全体の約19%)、7427件(16年度、同約20%)、3794件(17年度上半期、同約20%)で推移する。17年度通期では過去最高を更新する勢いだ。

 「インターネット通販」の高齢者相談で多い商品・役務は、やはり「デジタルコンテンツ」関連や「アダルト情報サイト」関連のもの。60~80歳代の各世代で1位、2位を占める。ただ、「健康食品」も119件(3%)に上り、各世代の上位10品目の相談商品に入っている。

 加齢による疾病等で判断が困難は「判断不十分者」の相談は年間1200件~2300件。17年度上期は前年同期比6・9%増の663件と増加。「健食」は上位10品目で3番目の相談数だった。

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