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機能性表示「解禁」と「規制」 暗転する新市場② 大詰め迎えた調査

 6-1.jpg「葛の花由来イソフラボン」を含む機能性表示食品(以下、葛の花)をめぐる騒動は、十数社を対象に調査が進んでいるとみられる。販売者、製造元である東洋新薬の責任はどう判断されるのか。

行政対応に変化

 風向きが変わったのは8月初旬、「葛の花」を扱う一部事業者のもとに法的拘束力のある「不実証広告規制」による根拠資料の提出が求められてからだ。期限は約2週間。調査を受けた企業の関係筋が明かす。

 「これまで製造元の東洋新薬に消費者庁が関心を示すことはあまりなかった。だが一転、東洋新薬の表示への関与や(販売者に示していた)"営業資料"の提出を求められた」という。真意は不明だが、消費者庁の調査の有無に「受けていない」(6月5日時点)と否定していた東洋新薬も、時同じくして「お答えすることができない」(8月1日時点)とニュアンスが微妙に変化している。

「主体者」は誰か?

 景表法における広告の「表示主体者(責任者)」は一義的に販売者だ。メーカーから得た資料や説明を信じて表示しても多くは責任を免れない。

 景表法が消費者庁に移管される前の2004年、公正取引委員会は百貨店のそごうのほか2社に対する排除命令(現在の措置命令)を下している。納入業者の「タラバガニ」との説明を信じ広告したが、実際は「アブラガニ」だった事例だ。そごうは当時「納入業者が説明した」と釈明したが、責任を免れなかった。

 一方、メーカーが販売者向けに示していた資料が原因となった不当表示で、メーカーが責任を問われたケースもある。その事のみで「表示主体者」にはならないが、資料に基づく表示をメーカー側が認識していた場合、「例外的にメーカーの販売者向け表示が規制される」と、消費者庁審議官(現・公取委経済取引局長)を務めた菅久修一氏は景表法を解説した著書で述べている。個別案件で判断は異なるが、東洋新薬の営業資料(本紙1617号既報)も同様の位置づけにあるものといえる。

 実際の例は12年、丸紅畜産に対する排除命令。販売者に卸す際の包装で国産鶏肉として原産地を表示していたが、外国産鶏肉だったケースだ。

 当時、販売者は処分されなかったが、メーカーと販売者が表示を協議していた場合、双方が「表示主体者」になりうる。当事者間で表示責任者を定める契約をしていても、そのこと自体が景表法上の判断で特段の意味をなさない。

"供述"を重視か


 東洋新薬は、営業資料の中で「関連法規に抵触するため販促物への使用を控えて欲しい」「資料の記載内容を(略)保証するものではない」などとしている。

 ただ、前段で示したようにこうした断り書きは景表法上は意味をなさない可能性がある。

 関与を判断するには、販売者の供述、これを裏付ける根拠資料が不可欠になる。ただ、認定は容易ではない。調査対象は十数社。「東洋新薬の営業資料を信じてやったのに」と恨み節を吐く事業者もいれば、「自主的な判断で表示した」として「お詫び社告」を掲載する事業者など各社の対応もまちまちだからだ。

 景表法と運用が近い独禁法では、談合やカルテルなど関係者の"供述"が重要になることが多い。調査をスムーズに進める背景にあるのが「リーニエンシー」という課徴金減免制度だ。制度は、公取委による調査開始前、談合等を自ら申告、調査協力した企業に対して課徴金の免除・減額を行うもの。先着順に「全額免除」「50%減額」などと適用する。

 「リーニエンシー」ではないが、景表法にも課徴金の減免制度がある。運用も消費者庁に公取委から多くの職員が出向している。不実証広告規制、課徴金制度を背景に消費者庁が調査を進める中、8月に入ってからの変化に「まず販売者の処分を確定した上でその上(東洋新薬の可能性)を見ているのではないか」(元行政関係者)といった見方も聞かれる。責任が東洋新薬にまで及べば、処分の影響はさらに大きなものになる。 (つづく)


国民生活センター、健食で9件の肝障害 トクホの青汁で発症事例も

国民生活センターは8月3日、健康食品を摂取して薬物肝障害を発症した事例が9件あったと発表した。医師による情報提供窓口で受け付けたもの。このうち1件で、特定保健用食品(トクホ)の粉末青汁が含まれていた。消費者庁や厚生労働省、日本通信販売協会、日本健康・栄養食品協会などに情報提供した。

情報提供のあった9件は、医師による情報提供窓口「トラブルメール箱」に2014年8月から今年7月までに寄せられたもの。9件の内訳は女性が7件で男性が2件。すべての患者が40代以上で、1か月以上にわたって医療機関で受診。3件が入院していた。

 肝障害を発生した9件のうち、3件は健康食品と医薬部外品を併用し発症し、6件が健康食品のみを摂取して発症したケースだった。また、1件はトクホの粉末青汁で発症したものだった。国センは、血液検査や使用状況などをもとに診断した医師による情報提供で、医師からのアドバイスも参考にして因果関係について判断した。

 情報の内容は「トクホの粉末青汁を脂質異常症の改善を目的に1回服用したところ、腹部に不快感。13日後に寒気、15日後に頭痛。検診で肝障害を認め34日間入院した」、「倦怠感や褐色尿などを訴えて受診。血液検査の結果から急性肝障害と診断した。2~3か月前から3種類の健康食品を使用しており、摂取を中断したことで血液検査結果の値が減少。サプリメント3種に対する血液検査で陽性となったため薬物性肝障害と診断した」とする情報提供があった。これらは、重大事故情報として消費者庁に報告されているという。

 このほかに「尿が濃いことを自覚して受診。血液検査結果で肝細胞の異常を示す値が上昇していた。摂取していた健康食品が原因の薬物性肝障害と考えた」、「10年前からに数種類の健康食品を摂取。総合感冒薬1日分を摂取した約2週間後に腹部の不快感あり。血液検査の結果、使用していた健康食品1種類と総合感冒薬が原因と考えられた」とする情報があった。

 国センは、類似の情報提供が複数あり、重症化する恐れがあるとして消費者に注意喚起した。薬物性肝障害の「倦怠感」や「黄疸」など症状が持続する場合に、医療機関を受診するよう呼びかけた。

健食被害公表の実態は? 
医師の「診断」垂れ流し

 検証は「行っていない」「(健食が原因)らしい、という表現が一番近いかもしれない」。健康食品の摂取による薬物性肝障害の可能性を指摘した国民生活センターの発表は、あいまいな説明に終始した。要は、医師から寄せられた情報を鵜呑みにし、垂れ流したということだ。注意喚起の必要性は否定しないが、「あまりに安易」と指摘する声が複数の事業者から上がっている。

 医師からの事故情報受付窓口「ドクターメール箱」に寄せられた情報は今年7月までの約3年で1
79件。うち9件が健食の摂取による「薬物性肝障害」と診断された。トクホの粉末青汁が原因と疑われる事例、複数の健食を摂取したり医薬品と健食を併用していたケースが紹介された。ただ、中には10年以上、健食を摂取。ある日感じた腹部の不快感から発症が確認され、健食1種と風邪薬が原因と診断されたものもある。

 だが、本当に健食が原因か、因果関係は判断していない。判断が難しいとはいえ、事例の客観的検証、深掘りも行わず、医師の「診断」をただただ重視した。なぜ検証しないかも「厳密な判定は(各種)委員会などでやるのかもしれないが、そこまではしていない」と答えとも言えない回答をするのみだ。

 事例には、発症後の血液検査で健食に含まれる成分がアレルギーの陽性反応を示したものもある。

「(陽性だから)100%原因とは言えないが、因果関係を判断する一つの試験」とも説明した。ただ、「だから健食に気をつけて」と言われても、自らがどういった物質にアレルギー反応を示すか知らない消費者も多い。「気をつけて」と言われても気をつけようがないわけだ。

 そもそも健食に特異的な事例か、検証を伴わず公表すれば風評被害につながる。突然公表したタイミングも「事例が集まり、(参考意見を求めた医師も)一義的に消費者に認識を持ってもらいたいと言われたので注意喚起すべきと考えた」とするが、「(健食でも)発症頻度は稀だが起こりうる」という発表に、消費者系メディアからも「消費者がどう行動したらよいかわからない」といった声が聞かれた。「政策提言はないか」との質問もあったが、せめて「医薬品の被害救済制度のようなものが必要」ぐらいのことを言うべきではないか。どっちつかずの公表は今後に課題を残すものだ。


東京都のネット監視 356社の表示に改善指導、「水関連」も初の監視

 東京都が例年行っているインターネット広告の監視事業で7月25日、景品表示法に基づき356事業者の357件の不当表示に対する改善指導を行った。健康食品関連の不当表示が圧倒的に多かった。今年は初めて「水関連商品」の広告表示も監視対象に加えた。

 「優良誤認のおそれ」「有利誤認のおそれ」を含む違反の総件数は357件。「健食」が141件を占めた。「水関連商品」は31件、「化粧品」は29件だった。健食の不当表示は例年、ほかの商品カテゴリに比べて多い傾向にあるという。

 「優良誤認のおそれ」は294件。「健食」が125件、「化粧品」が27件、「水関連商品」が26件で、誇大な効能効果をうたう表示が多かった。

 健食では「5日間で確実に痩せる」「飲むだけで痩せやすいカラダをサポート」など、化粧品では「シワ・シミ・ハリなど様々な老化サインを保湿することで改善します」「朝起きると実感できる、マイナス15歳肌」といった表示があった。水関連では「体を活性化させ、代謝を促進しますので、シミ・たるみ・ダイエットなどにも効果的です」「業界最高水準の水素濃度!」といった表示があった。

 「有利誤認のおそれ」は140件。美容関連サービスや各種教室の割引キャンペーンの表示が目立った。「今なら特別価格!」「入会金0円キャンペーン」などと期間限定で適用される割引と見せつつ、キャンペーンが継続し、通常価格や入会金等の実態がない表示だった。ほかに「過大な景品類の提供のおそれ」のある表示が12件あった。

 都では年間2万4000件のネット広告・表示の監視を行っている。結果を受け、消費者庁のほか、日本通信販売協会、日本健康・栄養食品協会など関連する業界団体10団体とネット関連事業者6社に表示適正化に向けた要望と行った。

 要望した業界団体は、ほかに、日本広告審査機構、インタラクティブ広告協会、化粧品公正取引協議会、全日本健康自然食品協会、国際栄養食品協会、日本健康食品規格協会、日本エステティック業協会、日本エステティック経営者会。要請企業は、グーグル、ヤフー、楽天、DeNA、KDDI、NTTドコモ。


福島県 EC大手3社と連携、クーポン・CMなど販促強化

 6-1.jpg福島県が県産品のネット販売事業を強化する。楽天、アマゾンジャパン、ヤフーの3社と連携し、各社仮想モールに特設ページを設置。クーポンを発行するなど、県産農林水産物を販売するにあたり、キャンペーンを実施する。また、県内の事業者が各社仮想モールに出店する際には、出店料の助成をするほか、ストアページ制作の支援なども行なう。

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日健栄協、健食の広告相談に港区の元職員採用

 日本健康・栄養食品協会(日健栄協)が7月から始めた健康食品の広告相談に、港区みなと保健所で長年、健康増進法の指導にあたっていた元職員があたる。健増法は昨年から指導が急増。中でも、みなと保健所は指導実績で群を抜いていた。いまだその運用や指導の実例は少なく、精通する職員の登板が注目されそうだ。

 日本健康・栄養食品協会の「表示・広告相談室」の責任者に7月1日付で港区みなと保健所の元職員である田村米子氏が就任した。健増法はまだ指導実績が少なく、事業者の理解が遅れている。「何を相談したら、と思わず、無料期間にぜひ試してみてほしい」と呼びかける。

 田村氏は、1980年に入区。主に保健所に勤務し、成人の健康教育や健康診断に付随した健康指導、特定給食施設(社員食堂など)の栄養管理指導にあたってきた。管理栄養士。そのキャリアで最も長い経験を積んだのが健増法に関する相談と指導だ。

 「みなと保健所」が健増法の指導実績で飛びぬけている背景は03年、健増法に虚偽・誇大広告の取締りに関する規定が盛り込まれた時期までさかのぼる。

 当時、厚生労働省は、「健康日本21」を推進。これを受け、港区では04年に区民の健康づくりに向けた行動指針「健康みなと21」を策定した。その中で着目したのが健増法。薬機法をベースに制定された健増法はその規制対象を「何人も」とし、販売事業者だけでなく、媒体社、広告代理店も含む。港区では、民放キー局や大手広告代理店が本社を置く特有の状況を踏まえ、媒体社指導に力を入れ始めた。

 保健所は、地域の健康づくりに関わる幅広い住民サービスを手掛ける何でも屋。その特性上、一つの業務でキャリアを形成しにくい。だが、区の方針もあり、以来、十数年に渡りほぼ専任で健増法の相談、指導にあたった。昨年3月、港区みなと保健所健康推進課栄養指導担当係長で同区を定年退職。再任用を経て、7月1日付で協会の健康食品部技術参与に就任した。

 転機は、昨年4月の第4次一括法の施行。健増法の権限移譲により、港区も「健増法の『執行(指導)』と『相談』を同一部署が行うことがなじまない」(田村氏)と事後規制に転換。「職権探知」による指導に力を入れ、媒体社と距離を置くようになった。そうした中、協会が行う広告相談が「販売事業者や媒体社の新たな"事前相談"の受け皿になれば」(同)と話す。

 協会の事業も製造・品質面のサポートが多い。一方で販売事業者の多くも加盟。「過去に職員の育成や外部のコンサルタントの活用も考えたが事業化できず、良い巡り合わせ」(青山充事務局長)と経緯を説明する。

 有料相談は、アドバイスが法規定に基づく紋切型になる懸念もある。だが、「個々の状況やレベルに応じて法律の理解を深めてもらえる対応に努めたい」(同)と話す。

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