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官庁・団体 Archive

DeNA問題 他サイト軒並み非公開、東京都"本庁依頼"の背景は

 ディー・エヌ・エー(DeNA)がキュレーションメディアの記事の信憑性を疑われ、全10メディアを非公開にしたいわゆる"DeNAショック"を受け、ほかのキュレーションメディアも軒並み非公開に踏み切る事態に陥っている。「東京都が同様の他サイトへの対応も検討」という報道の影響もあり、多くの運営者が安全策を取っているためだろう。ただ、キュレーションメディアを介した広告手法の問題は複雑。都のみで解決できる問題でもない。着地点はどこにあるのか。

 東京都は11月28日、DeNAが運営する「WELQ(ウェルク)」の記事を問題視し、来庁を依頼した。都議会議員の音喜多駿氏の指摘を受けたものだ。

 都によると、ある化粧品に「アトピー性皮膚炎に効果のある」といった記載があり、記事から販売サイトへの誘導が行われていたためだという。記載は薬機法(旧薬事法)に触れる可能性があり、記事と広告主の関係性など「ウェルク」の仕組みを聞くためだ。

 ただ、キュレーションメディアの運用は、企業によってさまざま。「ウェルク」も会員登録した一般のライターや社員、企業が依頼した外部ライターが書くケースもある。一般人が純粋なくちコミとして書くことも考えられる。

 薬機法上、広告とみなす要件は3つ。「顧客を誘引する意図」「特定の商品名の表示」「一般人が認知できる」があることだ。その上で医薬品的効果の暗示があれば違反(未承認医薬品の広告の禁止)となる。特定の商品名、販売サイトへのリンクなど3要件を満たした上で「アトピーに効く」といえば、当然、薬機法違反の疑いは濃くなる。通販企業が自社サイトへの誘導を目的に運営していた場合もそう判断される可能性が高い。

 ただ、違反とならないケースもある。純粋なくちコミとして購買意欲をそそる意図がない場合だ。これは広告と判断されない。「表現の自由」があるためだ。これを無視してまで、なんでも取り締まることは難しい。あくまで記事の掲載者の意図、広告の判断や金の流れなど個別に判断する必要がある。来庁依頼も、仕組みを知り、違法性があるかを判断するため。都も「キュレーションメディア自体を否定するつもりはない」とする。こうしたビジネスモデル全体のあり方に関する議論となれば、総務省などとの協議も必要になる。

 とはいえ、多くのキュレーションメディアで薬機法上、問題となる記載が氾濫しているのも事実。運営も媒体社だけでなく、通販企業が独自に立ち上げるケースもある。広告主として関わり、新規獲得を進める通販企業もいる。世の中のキュレーションメディアに対する見方が変わる中、業界として、ガイドライン作成など自主規制を行う必要性に迫られそうだ。


八幡物産、届出を再度撤回 来秋、「製品臨床」で届出めざす

機能性表示食品制度のガイドラインを巡り、混乱が生じている。八幡物産は11月25日、機能性表示食品として販売する「北の国から届いたブルーベリー」の届出を撤回。消費者庁の助言を受け、表示根拠の弱さを自主的に判断したものだが、ガイドラインに根拠の強弱を明確に判断できる基準は示されていない。届出者や消費者庁で見解が分かれ、こうした状況が受理の遅れにも影響しているとみられる。

 「北の国から届いたブルーベリー」(=画像)は、ビルベリー由来アントシアニンを機能性関与成分に"目の疲労感"に関する表示を行っていた。同じ商品での撤回は2度目。過去の撤回を含めいずれも「研究レビュー」で評価していた。すでに「製品を使った臨床試験」による評価に着手。来年秋の再届出を目指す。

 ただ、今回の撤回で浮上したのが、機能性評価の判断を巡る問題だ。機能性を評価する際の判断には、機能性関与成分を摂取した群の「群内比較(同じ群による摂取前後の比較)」と「群間比較(プラセボ群と摂取群の比較)」がある。八幡物産が確認できたのは前者のみ。消費者庁が行った研究レビューの質に関する検証事業、消費者庁の助言を受けて「群内比較のみの有意差」で機能を表示することは困難と判断した。
 ただ、そもそも届出ガイドラインに書かれているのは、「その評価が総合的な観点から肯定的といえるか『トータリティ・オブ・エビデンス』の観点から判断せよ」というだけ。「群内が駄目で群間はよい」とは書かれていない。

 消費者庁はこれに「あくまで届出者の判断」として、群内比較が駄目との助言は行っていないとする。ある企業の研究担当者も「(今回の研究レビューで)群内比較の有意差を科学的根拠とするには弱い」との見方を示しており、「届出制」のため、根拠の強弱は企業の自主判断になる。

 ただ、制度に詳しい別の関係者は、八幡物産と同様、群内比較で届出を行っている商品も「6件ほどある」という。どの程度の群内比較までが許されるか、判断が難しい面もある。ただ、消費者庁はより明確にガイドラインで示すかについて「現時点で即答できない」としている。
 八幡物産は、昨年8月に「北の国から届いたブルーベリー」を届出。ただ、機能性評価に採用した論文のうち1報が届出要件の"査読付き"でなかったことから一度、届出を撤回。昨年12月に表示する機能を3つ(ピント調節力の改善、目の疲れの自覚症状、目の乾きの改善)から「目の乾きの改善」を除く2つに絞り、研究レビューによる評価で再度届出を行っていた。

 2度目の届出は昨年10月に受理されたが、その後も日本アントシアニン研究会(事務局・東京都文京区、矢澤一良会長)が届出資料に疑義を指摘。届出に使った論文に記載されている原料と、製品に使う原料の「同等性」を疑問視していた。

 今回の撤回理由は、研究会から指摘された「同等性」とは異なるもの。研究会からの抗議もその後はないという。

 研究会は、学識経験者のほかに複数の原料メーカーが会員となるなど、「アントシアニン」の認知の一翼を担い、参加企業の利益を代表する側面もある。両者間のトラブルを巡っては当時、八幡物産や商品に使う原料メーカーが所属しないことから「研究会会員と非会員という立場の違いからくる感情的な対立や意思疎通の難しさが影響しているのでは」(業界関係者)といった指摘もあった。

東京都の健食広告分析 定期トラブルを注視、健食ウェブ広告相談が最多

 東京都は、2016年度の「広告」に関する相談分析で健康食品に関する相談が「断トツで多い」(東京都消費生活センター相談課)として、健食に関する相談を取り上げた。「広告」それ自体の問題を指摘するもの。とくに健食の「定期購入」に関する問題点が指摘されており、現在、消費者委員会で継続されている消費者契約法の改正議論にも影響する可能性がある。

 「広告分析」をみると商品に関する相談は、計4147件寄せられている。このうち「健康食品」は614件。約15%を占める。商品ごとの分析では、分析した9媒体のうち「新聞」「折込」「雑誌」「テレビ」「ラジオ」「電子(ウェブ)」で健食に関する相談が最も多かった。

 中でも「ウェブ」は、約2400件の相談件数のうち、健食が下位を大きく引き離し、2位(四輪自動車)の約4倍となる400件超の相談件数に上る。

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 これを受け、都では各「広告」にみられる傾向を分析している。ただ、そのいずれにおいても「定期購入」に関するトラブルの問題点を指摘。とくに多いのは「ウェブ広告」における健食の相談。414件のうち、「継続」「定期購入」といった単語が出てくる相談が263件、「お試し」「初回無料」「初回数百円」「送料のみ」といった単語が出てくる相談が181件だった。商品は、酵素食品やダイエットやバストアップサプリ、乳酸菌、すっぽんエキスなどが多いという。

 ほかの媒体は、たとえば「新聞広告」に関する65件の相談のうち、「『初回限定』や『お試し』『○○に効く』といった広告をみて"1回のつもりで注文したところ定期購入になっていた"といった相談が18件寄せられた」としている。「折込広告」は30件中8件が定期に関するもの。「『お試し』『サンプル』を頼んだはずが定期コースになっていた」といった相談があった。

 「雑誌広告」は16件中6件、「ラジオ広告」も8件中5件が「定期解約を希望したが『最低3カ月継続』と言われた」など定期に関する同様の相談だったとする。「テレビ広告」は34件中22件が定期購入に関するもの。ただ、その内容は、「飲んで体調が悪くなった際の中途解約」、「記載はあるものの消費者が定期購入のCMと思わなかった」などとなっており、考査の影響か一定レベルで表示が行われている様子がうかがわれた。

JFRオンライン 公取委から勧告と指導、下請代金の減額などで

 JFRオンラインは11月11日、公正取引委員会から下請代金支払遅延等防止法(下請法)に基づく勧告と指導を受けた。

 同社は2014年7月~15年12月の間、下請事業者に対し商品販売時の値引き額の一部および宣伝媒体制作にかかる費用の一部について、それぞれ「買先負担額」「媒体製作費協賛金」として仕入れ代金から減額したことが、下請法第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)の規定に違反すると判断され、減額分の923万944円を今年7月までに下請事業者9社に返還した。

 また、14年6月~15年12月の間、カタログの受注期間終了後に下請事業者に対して行った返品が同項第4号(返品の禁止)の規定に違反すると判断され、返品した商品代金相当額の3億3313万138円および下請事業者が負担した返品送料などを10月までに13社に支払った。

 さらに、14年7月~15年12月の間、顧客から返品された未使用の商品を再販売するための再包装などの費用を「商品リユース代」として下請事業者に負担させたことが同条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)の規定に違反すると判断され、該当する金額39万132円を10月までに13社に支払ったという。

 同社は、下請事業者への発注に際して交付する書面に、下請事業者が給付する商品の内容(発注数量)などを記載していなかったことが下請法第3条(書面の交付義務)の規定に違反するとして指導を受けたほか、下請事業者への返品に備えて仕入れ代金の一部を「保留高」としてあらかじめ留保したことに伴い、本来はJFRオンラインが支払うべき期日よりも1カ月以上遅れて仕入れ代金を支払ったことが下請法第4条第1項第2号(下請代金の支払遅延の禁止)の規定に違反するとして指導を受け、これにかかる遅延利息は10月までに支払った。
 
 今回の件を受け、親会社のJフロントリテイリングは「今回の勧告と指導を真摯に受けとめ、内容を役職員全員に周知、徹底を図り再発防止に努める」とした上で、「当社グループで下請法をはじめとする法令遵守に関する社内研修やモニタリング体制の一層の強化と充実を進め、コンプライアンス経営を徹底する」としている。

消契法専門調査会、「広告」の検討再開へ

消費者契約法の見直しで、「勧誘」要件のあり方を検討し、広告に勧誘を含むかどうかの議論を行う。広告が勧誘に当たるとされれば、消費者は広告を見て誤認したとして取消を主張できるようになる。論点を巡って、消費者委員会の消費者契約法専門調査会は11月7日の28回会合で議論し、参加した委員の合意があった。裁判例や消費者相談の分析や事業活動への影響などを踏まえ検討を行う。

検討課題については、契約締結の過程に関する規律について「勧誘要件の在り方」と「不利益事実の不告知」、「困惑類型の追加」に加え、「合理的な判断をすることができない事情を考慮して契約を締結させる類型」を挙げた。また、契約条項に関する規律では、「平均的な損害の額の立証責任」や「不当条項の類型の追加」、「条項使用者不利の原則」についての検討をすすめる。

 検討は裁判例や消費者相談の事例の収集と分析を行った上で問題点を明確にしていく。事業活動に対する具体的な影響を踏まえた上で検討を進める。事業者側からは「1つ1つの論点を丁寧に議論したい。改正する場合の条文を示してもらい、これに対して事業者としてどのような影響が出るのか述べたい」、「相談事例は量的なデータがある方が分析しやすいと思う」、「広く事業者の意見を聞くべき。影響を受ける業界がプレゼンを行うことも検討してほしい」などと、議論の進め方について要望した。

 一方で、消費者側の委員からは「事業者には事業活動への影響について、数字を出すなど消費者が納得する形で具体的に説明してほしい」とする声もあった。

 成人年齢引き下げに伴って「合理的な判断をすることができない事情を考慮して契約を締結させる類型」の見直しを求める声は多かった。もともと高齢者被害の救済を背景に検討課題となっていた経緯を踏まえ「対象が広くなる。トラブルの性質が異なる。高齢者被害の救済を念頭に置くべき」などとする意見があった。

 このほか、「消費者概念の在り方」や「断定的判断の提供」、など4項目については、検討の必要性を踏まえて判断する。

 次回は11月24日に開催する予定。今回挙げた論点を個別に議論する。

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