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公取委 プラットフォーマー調査か、問題意識も「何も決まってない」

 アマゾンやグーグルなど巨大IT企業による寡占化が進む中、公正取引委員会がこれら巨大IT企業の実態調査に乗り出す可能性が出てきた。公取委は、これに「具体的なことは何も決まっていない」(経済取引局)とする。ただ、「確かにそういう業種(プラットフォーマー)に対する問題意識は持っている」(同)とも話す。一部報道によると、調査は年明け。公取委の狙いは現段階で不明だが、調査内容によっては競争環境に影響を及ぼす可能性がある。

 一部報道では、任意の調査を前提とするものの、巨大IT企業は取引先と秘密保持契約を結んでいることがあり、強制的に内容を開示させることができる独禁法第40条に基づく強制調査も視野に入れているという。

 通常、経済取引局が行う実態調査は、特定の業種、業態の取引慣行に注意を促したり、実態を把握する目的で行われる。任意調査で行うのが通例で、条文に定めのある第40条を使うには、より明確に独禁法上の疑いがあるなど狙いを絞る必要がある。

 最近では、2016年、液化天然ガス(LNG)の取引慣行や契約条件の実態調査で約40年ぶりに適用した。この時も、不透明な取引慣行の実態がありながら、守秘義務から実態が把握しにくく、第40条に基づく強制調査で明らかにした。供給者が需要者に第三者への転売を制限する「仕向け地制限」(受け取り場所を指定することで結果的に転売できないようにする条項)などの契約を把握する狙いがあった。

 ただ、今回、まだ公取委の具体的狙いは見えてこない。「単にプラットフォーマーの契約実態に関心があるから、というのでは適用できない。企業の反発も招く。これまで40年使われてこなかったのも任意で十分で必要なかったということもある」と話す元公取関係者もいる。

 今年3月、公取委は、アマゾンジャパンに独禁法違反(優越的地位の濫用)の疑いがあるとして立ち入り検査を実施。現在も審査が続いている。巨大IT企業による寡占化に高い関心を持っていることは間違いないが、審査を担当するのは審査局。実態調査などを担う経済取引局と所管も異なり、実態調査を実際の立入検査につなげたケースもないとみられ、関連性は低い。今後、公取委が何に狙いを定め実態調査に乗り出すか、注視する必要がありそうだ。

ケフィア投資問題 かぶちゃん農園も破産、ケフィア破産で資金繰り悪化

 食品や健康食品の通販を行うかぶちゃん農園が10月1日付で東京地裁から破産手続きの開始決定を受けた。民間信用調査機関によると、負債総額は約21億8600万円。9月に主要取引先のケフィア事業振興会が破産。その影響から商品の販売先を確保できず、資金繰りが悪化した。

 破産の理由について、「主要取引先であるケフィア事業振興会の破産に伴う自社のブランド力の失墜により、甚大な影響を被った。資金繰りの悪化が厳しく、事業継続が困難と判断した」としている。

 7月末には、サーバーメンテナンスを理由に通販サイトにおける顧客サービスを停止。休眠状態にあった。当時、かぶちゃん農園は、「(ケフィア事業振興会と関係がある)ということではない」と関連を否定。今後も事業を継続する意向を示していた。

 かぶちゃん農園は2004年に設立。市田柿などの製造、通販による販売などを行ってきた。民間信用調査期間の調べによると、17年8月期の売上高は、前年比約21%増の32億5900万円だった。

 今年9月に破産が明らかになったケフィア事業振興会は、かぶちゃん農園と関係が深く、通販で商品を購入した顧客を対象に「オーナー制度」と呼ぶ買戻し特約付の売買契約を勧誘。干し柿やメープルシロップ、ヨーグルトなどの商品のオーナーを募集していた。ただ、昨年夏頃から、支払いが滞りはじめ、一部顧客が返金を求め提訴する事態に発展している。

 グループで会員数が200万人超に上ることから、被害総額は1000億円に達するとも言われている。太陽光発電事業を行うかぶちゃんメガソーラーなど関連3社を含む負債総額は1053億円、債権者は3万人超に上る。

 7月には、「ケフィアグループ被害対策弁護団」(団長=紀藤正樹弁護士)が結成。これまでに約1600人、84億円の被害を確認している(今年8月末時点)。消費者庁も支払い滞納が少なくとも約2万人、計340億円に達すると公表している。

 弁護団は、ケフィア事業振興会の関連会社が70社近くに上ることから「資産の隠匿が強く懸念される」として、関連会社を含め、資産の保全や事業実態の解明など調査を求めていく方針。また、「代表者の鏑木秀彌氏の長男である武弥氏の破産申し立てがなされておらず、個人として自ら責任を負うことが明らかにされていない」として、勧誘が出資法違反にあたる可能性にも言及。警視庁に刑事告訴も行う方針を示している。


被害最多は朝日読者?

通販広告で「勧誘リスト」


 被害総額が1000億円に達するとも言われるケフィア事業振興会(以下、ケフィア)による投資勧誘は、通販業界で過去最大の巨額被害事件だ。なぜ被害拡大を招いたか。

 「読売、朝日に取引状況が明らかでないとのことで掲載させてもらえなくなった。中日とは広告責任者と関係が深く、広告を載せ続けられた」。ケフィアの破産が明らかになった今年9月、元従業員を名乗る男性から電話が入った。

 後述するが、この男性の認識と実際の出稿実績は異なる。ただ、ケフィアは、通販広告を勧誘のためのターゲットリストを集めるための手段として活用していた。最後まで「甘い汁(広告収入)」を得ていたのはどこか。

 新聞大手各社にケフィア、もしくはかぶちゃん農園を広告主とする出稿実績を尋ねると、朝日新聞の「今年5月」(同社広報部)が最長。ケフィアは、システム障害を理由に6月頃から一部顧客への支払いが滞っていたとされるが、直前まで広告掲載していたことになる。これに続くのが中日新聞の「かぶちゃん農園の通販広告は昨年3月が最後」(東京本社広告局)。以降は、間隔がだいぶ開き「13年5月」(読売新聞グループ本社広報部)、「12年5月20日付けの別刷り『日曜くらぶ』」(毎日新聞社社長室広報担当)、「12年4月」(産経新聞社広報部)だった。

 「オーナー制度」など事業実態を把握していたかは「投資勧誘は把握していない」と明確に答えた毎日新聞社以外、不明だが、いずれも掲載は通販の広告。「個々の広告掲載の是非は、弊社の広告掲載基準に基づいて判断。掲載の経緯や判断理由など個々の取引の内容は公表していない」(朝日)、「(ケフィア)を含め通販広告として厳正に審査していた。広告原稿は今後も同様に厳正に審査する」(中日)、「広告掲載の経緯は従来、公表していないが、当社の広告掲載基準に従って適正に審査」(読売)、「広告は当社の掲載基準に従って掲載している。個別の広告に関することはお答えしていない」(産経)、「弊社広告掲載基準に則り、適切に審査している」(毎日)と答える。

 一連の事件をめぐっては、朝日新聞が「『オーナー商法』は過去に何度も社会問題になっており、規制の抜本的な見直しを求める声も上がる」(9月28日付)などと報じている。ただ、自らの広告掲載基準の厳格化など、事件を受けた見直しは各紙とも明言していない。

 いち早く広告掲載を止めた産経新聞は専門家の言を借り、「投資には必ずリスクが伴う。事前に企業の事業内容や評判を調べるなど事前手段を講じるよう訴える」(9月3日付)と伝えるが、一番聞かせたい相手は朝日新聞ではないか。通販を手段として悪用する企業が現れる中、新聞各紙も目先の利益を追わず、慎重さが求められる。

厚生労働省 "権威の推薦"を規制、「学会認定」「医師監修」も標的

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 "権威の推薦"を巧みに使った化粧品広告(医薬部外品を含む)の表示規制が厳しくなる。厚生労働省は今年8月、都道府県等で広告監視を行う薬務主管課宛てに事務連絡を発出。その中で、「大学との共同研究」や「ビフォーアフター画像」に関する薬事法上の判断を示したためだ。"権威の推薦"を使った広告は市場に氾濫。法解釈の詳細を示す事務連絡を背景に監視を強化する。

広告基準改正「学会」を明記

 「医薬品等の効果については行政が責任を持って承認するのが薬事制度の根幹。なので『○○大学との共同研究』などというのは不適切」。薬事法の広告監視を担う監視指導・麻薬対策課の担当者はこう"権威の推薦"を切り捨てる。

 8月の事務連絡(医薬品等広告に係る適正な監視指導に関するQ&A)は、「○○大学との共同研究」「○○大学との共同研究から生まれた成分」といった表示が「医薬関係者等の推薦」にあたり、薬事法に抵触するとする。

 似た表示はほかにもある。例えば「○○学会の認定商品」といった表示。また、医師を会員とする民間企業が医師の評価に基づき、企業に「医師の確認済み商品」などのマークを付与するサービスもある。これにも「昨年9月の医薬品等適正広告基準改正の大きなポイントの一つは、『医薬関係等の推薦』に『学会』を加えたこと。学会の認証商品は論外。民間の認証も広告に使えば抵触する」(監麻課)と断じる。

「カネ積めば何でも言う存在」  

 「医師の監修」「医師と共同開発」との表示もあるが、「『医師』といっても毎年、国家試験で次から次へと生まれている。実際はピンキリで、金を積めば何でも都合を良いことを言う存在。当然問題になる」(同)と一刀両断。

 広告基準では、規制する「医薬関係者の推薦」について「医薬関係者、理容師、美容師、病院、薬局、公務所、学校、学会」を挙げている。公衆衛生の維持増進の観点から公務所等が指定する事実を広告することが必要な場合などは問題ない。

 規制は、医薬品や部外品、化粧品の広告に関するもの。健康食品は表示全体から「未承認医薬品」とみなされない限り、指導対象にはならない。ただ、今後、健食の表示規制に影響を及ぼすかもしれない。

効果「前後比較で可視化できない」

 もう一つ問題になるのが、使用前後の画像を比較する、いわゆる「ビフォーアフター画像」だ。昨年9月の基準改正で使用可能になったが、あくまで効果や安全性の保証表現を除いた場合。広告で「良い印象」と「悪い印象」のイラストを記載したり、異なる部位の写真の比較から効果を印象づける意図があれば指導対象になる。

 抜け道として、以前は異なる人物同士を比較する"別人比較"を行う企業も一部に存在した。だが、「本人同士ならまだ限度はあるものの(使用できるが)、別人であればなおさら誤解を招く」(同)と問題視する。

 とくに注意が必要なのが「シミ・ソバカスを防ぐ」といった効果を認められた薬用化粧品。"防ぐ"という表示が認められているが、「ビフォーアフター画像」で"防ぐ"といった効果を示すと指導対象になる。

 「『防ぐ』という効果表現は、(数十人、数百人を対象にした)臨床試験を行い、行政が表示を承認したもの。ただ、特定の人物の前後比較の画像を使った場合、その人物のどの部分に『防ぐ』効果が出たかは証明できない。たとえ同じ部位につけて変化が見られても人によって効果の程度は異なるし、効かない人もいる。体質の差もある。だから効果を承認されたからといって可視化して示すことはできないはず。薬(や部外品)による効果と言えるか分からないため短絡的に示すのはダメ」とする。

 同様に「ひび・あかぎれを防ぐ」といった効果が認められた薬用化粧品も問題になる。

だいにち堂VS消費者庁 「不実証」適用は違法か? 過去判例でも"適法"の判断

 だいにち堂は今年8月、消費者庁を相手取り、東京地裁に景品表示法の処分取り消しを求め提訴した。注目される争点は、広告の「表示」と「根拠」の整合性に加え、「不実証広告規制」適用の違法性がある。果たして、だいにち堂の主張は認められるのか。

説明なき適用は違法と主張

 「行政の措置命令書は『違法と判断した表示、根拠条文、以上。』で終わる。法運用に議論の余地があるのは確か」。景表法に詳しいある弁護士は、こう今回の係争をみる。

 だいにち堂は、「不実証広告規制」の適用が違法と主張する。「不実証―」は優良誤認を対象に適用される前提。消費者庁が前提となる広告表現の"優良性"の理由を示しておらず、説明がなければ事業者は、争う手段がない。よって「不実証―」の適用は違法であり、処分は取り消されるべきというものだ。

 主張の背景には、行政手続法の規定がある。行政は不利益処分を行う場合、事業者の権利保護の観点から「弁明の機会」の付与、「処分の原因となる事実」を具体的に示さねばならないとされているからだ。

 ただ、前出関係者は、だいにち堂の主張が認められるかには、懐疑的な見方を示す。過去に似た例として「(遮熱フィルムの表示で措置命令を受けた)翠光トップラインの取り消し訴訟でも同様の主張が行われ、退けられた例がある」からだ。

翠光トップラインも同様の主張

 2015年に措置命令を受けた翠光トップラインは、16年に処分取り消しを求め提訴。だが、17年に原告の請求を棄却する判決で決着した。

 当時、翠光トップラインは、消費者庁による「弁明の機会」の手続きを問題視した。付与にあたり、根拠と認めない理由が明らかにされないため「弁明を行うことが事実上不可能」と、その違法性を主張した。

 ただ、裁判では、「(措置命令書には)対象となる具体的な表示が記載され、優良誤認とみなされるとの根拠条文が示されている。また、根拠と認めないケースに関しては『不実証―』に関するガイドラインの中で言及されている」との理由から主張が退けれた。前出の弁護士が解説する。

 「一般的に『許認可』などは事業者が提出した情報だけで判断されるわけではなく、理由は説明されなければ分からない場合がある。けれど『不実証―』はまったく預かり知らぬ事情で決まったわけではなく、否定された内容は事業者が提出した根拠の範囲に絞られ、どういった根拠を提出したかは処分企業が一番分かっている」というのがその解釈。このため、今回も同様に手続きの違法性が認められる可能性は低いとみる。

"全体印象"の是非問う判例に

 翠光トップラインは、手続きの違法性に迫った主張を否定され、遮熱に関して提出した試験データも消費者庁の主張を全面的に受け入れ、ことごとく否定された。

 だいにち堂をめぐるもう一つの争点は、「ボンヤリ・にごった感じ」といった表現と根拠の整合性。裁判は、複数の表示からくる"全体印象"の是非を問うものとしても注目されるものだ。

 だいにち堂は表現を「抽象的。主観的な表現で印象に過ぎない」「成分(=アスタキサンチン)が一般的に目に良いと表現しているに過ぎない」と主張している。処分を前に、アスタキサンチンに関する動物試験、臨床試験のデータも提出していた。

 ただ、消費者庁が16年に策定した「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」では、不当表示の判断について「特定の文言や表現を一律に禁止するものではなく、表示全体の訴求内容により判断される」と示されている。また、商品は、「ヒト試験の論文に書いてある摂取量より、商品に含まれる成分量が少なかった」(消費者庁、当時)とされている。

 裁判の行方を待つことになるが、この点からも「表示」と「根拠」の整合性を主張するのは難しいかもしれない。

厚生労働省 化粧品広告で事務連絡、「大学と共同研究」効果の逸脱に

 厚生労働省は今年8月、都道府県等の薬務主管課宛て事務連絡で「医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A)」を発出した。化粧品や医薬品の広告で「○○大学との共同研究」などの表現が医薬品等適正広告基準の「医薬関係者等の推せん」に抵触するとの判断を示すもの。使用前後の画像を比較するいわゆる"ビフォーアフター画像"の引用に関する詳細の判断も示した。

 昨年行われた全国医薬品等広告監視協議会の結果を受けて作成した。

 共同研究に関する表現は、「○○大学との共同研究」「○○大学との共同研究から生まれた成分」といった広告表現が氾濫していることを受け、判断を示した。

 健康食品は、暗示的表現を含め、効能効果表現がなければ未承認医薬品の広告とみなされず、薬事法の指導対象にならないとした。化粧品の場合は、「医薬関係者等の推薦」に抵触するため、認められた効能効果の逸脱になるとした。

 効能効果について広告する場合、年齢印象をイラストや写真を使って表現する表現にも言及した。

 広告上で「良い印象」と「悪い印象」のイラストを並べて記載したり、異なる部位の写真で「良い印象」と「悪い印象」を記載し、製品の効果と結びつけて受け取られることを意図したものは、「効果や安全性の保証」と判断された場合、指導対象になるとした。

 昨年9月の医薬品等適正広告基準の改正では、使用前後の写真の使用が解禁された。ただ、効果を想起させたり、安全性の保証表現となるものなどは禁止されている。これを受け、8事例について具体的な判断を示した。

 化粧品や医薬部外品の染毛料(剤)で、使用前後の色を対比したり、洗浄剤(薬用)における肌が汚れた状態と洗浄後の肌の比較、化粧水やクリーム等(薬用)で乾燥した角層と保湿後の角層の図面を比較することは「原則、差支えない」とする。シャンプー(化粧品)で、フケがある頭皮写真と使用後の頭皮写真を比較するのも問題ない。

 一方、「メラニンの生成を抑え、シミ、そばかすを防ぐ」という効果が認められた薬用化粧品で、「シミ・そばかすのない肌」と「製品使用後に紫外線暴露してもシミ・そばかすが目立たない肌の写真」を使うことは、「防ぐ」という効果を使用前後の画像で表現することは不可能なため、「認められない」とした。「ひび・あかぎれを防ぐ」薬用化粧品も同様とした。

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