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国民生活センター、失禁パンツをテスト、「吸収量」表示で改善要望

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国民生活センターは5月19日に、失禁パンツの商品テスト結果を公表した。12銘柄を調査した結果、広告に記載している吸収量よりも大幅に少ない量で外側の衣服までしみ出す可能性があることが分かった。消費者庁に対し、景品表示法上の問題があるとして指導するよう求めた。過去に、失禁パンツの「吸収量」表示ついて景品表示法の措置命令が下されていた。通販での取り扱いが多く、商品テストの影響がありそうだ。

商品テストは複数の消費者センターの商品テスト依頼行ったもの。2002年に失禁パンツに関する商品テストを実施して以降も、年間数件の依頼があったという。

 失禁パンツに関する消費者相談件数は2011年度以降156件。購入形態は「通販」が131件で84%を占め、店頭が10件で6・4%。相談内容は吸水性や肌触り、返品に関するものが多かった。相談のピークは失禁パンツで措置命令が出た14年度で49件。15年度は29件と減少したが、商品に起因する相談があり、表示が分かりにくいことなどを踏まえてテストを行うことにした。

 商品テストは12銘柄を対象に実施。立位では吸収量の表示があった6銘柄で表示量以下の量でしみ出し、3銘柄で表示量までしみ出さない個体があった。吸収量表示がない3銘柄でも10~35ミリリットルでしみ出した。洗濯を繰り返すと新品よりも少量でしみ出した。

 座位でのテストでは、しみ出さない個体があった3銘柄と表示吸収量のない3銘柄を対象に実施した。3銘柄が表示吸収量よりも少ない量で染み出した。表示吸収量の表示がない銘柄は立位より少ない量で染み出した。

 失禁パンツを扱う事業者は今回の商品テストについて、「『吸収量』の表示がターゲットになったのではないか」と指摘する。テスト対象の9銘柄で商品包装やサイト上に「吸収量」を表示。さらに、参考品におむつ型紙パンツなどを選んだ。

 失禁パンツを巡っては2014年に消費者庁が新光通販に対して措置命令を下した。表示された吸収量を下回る量で尿が漏れ出すとして景品表示法違反にあたるとされた。これ以降、各社で「吸水量」の表示を見直し、失禁の程度を示す「軽失禁」や「軽度の尿失禁」などの表示に変更する動きが広がっていた。

 先の事業者は「表示の変更を決める前に、商品を媒体に掲載することが決まった。変更前の商品が一部で販売されており、これがテストの対象になった」という。通販向け卸を行う別の事業者は「パンフレットでは失禁の程度の説明に変えたが、通販サイトでは『吸収量』を勝手に表示する取引先がある」とした。

JADMA調査15年度通販市場  1.6%増の1兆5626億円

 
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 日本通信販売協会(JADMA)の売上高月次調査集計によると、対象約140社の2015年度(15年4月~16年3月)の総売上高は前年同期比1・6%増の1兆5626億8300万円だった(=表参照)。「衣料品」「家庭用品」「通信教育・サービス」がマイナスだったものの、「雑貨」や「食料品」が好調だったことから前年を上回った。



カテゴリー別に見ると「衣料品」が同6・9%減の3042億1700万円となり、4月を除いたすべての月でマイナスとなるなど全カテゴリーの中で最も減少。「家庭用品」は同5・7%減の2316億9000万円で、6~7月を除いてマイナスだった。

  「雑貨」全体は同8・1%増の6956億5000万円。すべての月でプラスとなり、二桁成長も4回記録するなど好調に推移した。このうち、「文具・事務用 品」は同12・8%増の2999億6600万円で、年間を通じてすべての月でプラス成長。12月以外のすべてで二ケタ成長を記録するなど好調に推移し、全 カテゴリーの中でも最大の増加率となっている。「化粧品」は同6・9%増の1891億9200万円で、同じくすべての月でプラスとなった。両項目を除いた 「雑貨」は同2・9%増の2065億4200万円だった。

 「食料品」全体は同3・8%増の2647億8900万円と好調に推移。このうち、「健康食品」は同3・6%増の1897億2500万円で、すべての月でプラスとなった。健食以外の「食料品」は同4・3%増の750億6400万円だった。

 「通信教育・サービス」は同6・9%減の366億100万円となり、「衣料品」と並び、全カテゴリーの中で最も減少。2、3月は16%以上のマイナスを連続で記録するなど低調だった。「その他」は同7・8%増の297億3600万円だった。


3月は2・4%増

 なお、2016年3月度(単月)の主要140社の通販総売上高は、前年同月比2・4%増の1356億9100万円だった。「通信教育・サービス」「衣料品」などが低調だったものの、「雑貨」が好調だったことにより全体ではプラスとなっている。

 項目別に見ると、「衣料品」が同8・1%減、「家庭用品」が同5・5%減。「雑貨」全体は同11・1%増、このうち「文具・事務用品」は同12・6%増で全項目の中で最も増加した。「化粧品」は同8・0%増で、両項目を除いた「雑貨」は同12・1%増だった。

  「食料品」全体は同0・6%増で、このうち「健康食品」は同2・2%増、健食以外の「食料品」は同4・9%減。「通信教育・サービス」は同16・1%減と なり全項目を通じて最も減少。「その他」は同10・6%増だった。また、1社当たりの平均受注件数は8万1062件(回答107社)だった。

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積み残し課題検討会 宮島氏が「法制化」提言、枝葉末節の議論に大所高所から反論

 消費者庁で検討が進む機能性表示食品制度の「対象範囲拡大」が"ゼロ回答"となる恐れが出てきた。4月末の第4回会合も反対派のペースで議論が進行。もっとも市場性のある「ビタミン・ミネラル」が対象とならない可能性がある。よくて「脂質」や「糖質・糖類」まで。ただ、これは昨年4月の制度開始時の設計上のミスを正す、いわば微修正に過ぎない。否定的見解で一貫する消費者サイドに序盤戦で議論が煮詰まる中、日本通信販売協会から検討会に参加する宮島和美理事から法整備を求める意見が飛び出した。

〝ゼロ回答〟の恐れ

 検討会は序盤戦を終え、業界は明らかに劣勢だ。対象化の議論が進むのは、「食事摂取基準に規定される栄養成分等(ビタミン・ミネラル、糖質・糖類、脂質、たんぱく質等)」。ただ、ビタミン・ミネラルの過剰摂取に関する懸念を示した食品安全委員会の「いわゆる『健康食品』に関するメッセージ」で示された安全面の懸念、食事摂取基準を前提に整備された「栄養機能食品」との混同の恐れなど整合性の観点から対象化は時期尚早との意見が強い。

「座長」も反対派?

062.jpg "劣勢"は当然の結果でもある。検討会メンバーは17人。このうち昨年の食事摂取基準改定に関わった委員が2人(寺本民生座長、佐々氏敏氏)、「メッセージ」策定に関わった委員が6人(梅垣敬三座長代理、合田幸広氏、吉田宗弘氏、河野康子氏、迫和子氏、戸部依子氏)。

 業界サイドを除き過半を占め、検討会を仕切る座長、座長代理からして対象化に懸念を持つ陣容だ。これら委員に自らが関与した「メッセージ」の自己批判を求め、対象化をめざすこと自体無理がある。

 第4回会合では「糖質・糖類」の一部は「一定の条件下で対象化も可能では」(吉田委員)といった意見も出た。ただ、「糖質」等は本来、制度導入の段階で"栄養素との作用の違い"を前提に制度に使用可能な成分(表㊨)にされるべきだったもの。「範囲拡大」の成果とは言い難い。

反対派を追認


061.jpg 消費者庁の狙いも透けてみえる。第4回会合では「議論にあたっての基本的な考え方」と題する3項目の留意点を提示。その中で「関連諸制度や関連行政機関の知見との整合性を考慮すべき」と触れた。「関連する諸制度」とは栄養機能食品のこと、「関連行政機関の知見」は「メッセージ」などを指す。反対派の意見を追認するような内容に「これでは(範囲拡大を)やりませんと言っているのと同じ」と傍聴者の一人は落胆する。

「法制化で合意を」

 そんな中、第4回会合では、宮島委員から「(個々の栄養成分の精査など)各論も大事だが『サプリメント法』が制定されるべきと思う。きちんとした法律のもとで運用されることが大事」との発言があった。その真意を巡り、さまざまな声があがっている。

 ある傍聴者は「突然の発言で真意が分からなかった」と漏らす。

 一方、別の傍聴者は「法律がないから46通知などさまざまな規制との整合性が度々俎上に上がる。『届出制』にも関わらず実質『審査』のような運用もされる。その都度ひと悶着起こり遅々として制度が浸透しない。検討会で法制化の合意を形成すべき」と、同調する。

 実際、届出を行った企業は「以前は通った届出文言が今では通らない」など、消費者庁の判断基準のあいまいさを指摘する。運用実態が「審査」に傾くのも法整備が不十分で裁量が入り込む余地が大きいからだ。

                                ◇

 「法制化」という大局的な視点は、その突破口になる可能性がある。

 政府は、制度の目的にを「健康長寿社会の延伸」と「成長産業の育成」の両立と明確にしている。だが検討会の議論はこれに逆行。「栄養機能食品」との整合性など枝葉末節にこだわり、新制度の確立に向けた議論は一向に進まない。

 「法制化」議論の中で国の健康・栄養政策を明確にし、これまで場当たり的に整備してきた諸制度の見直しを進める必要があるのではないか。法制化の合意形成で継続的な議論の土台をつくる必要がある。


規制改革会議の森下竜一氏に聞く「検討会の行方と新制度の評価」

「対象拡大」が大前提、〝どう入れるか〟を議論すべき

063.jpg 機能性表示食品制度導入のキーマンとして規制改革会議委員を務める森下竜一大阪大学大学院教授に新制度の評価を聞いた。(聞き手は本紙記者・佐藤真之)

――「対象成分の範囲」を議論する消費者庁の積み残し課題検討会をどう見ている。

 「当然、範囲を拡大するべきだと考えている」


――消費者サイドの反発も根強い。

 「消費者サイドの反発は、あまり認識していない。もともと範囲を拡大する観点での検討会だと認識している。消費者の理解をえられるように、どのように制度に入れるかが議論のポイントのはずだ。『関与成分が不明確なもの』は漢方も同じ。医薬品として品質管理できているものを入れない理由が分からない」

――漢方や「栄養機能食品」(栄機)で扱えばよいという意見もある。

 「『機能性表示食品』はあくまで健康の維持増進の立場から扱うものであるし、漢方の新規承認として、という話とは全く筋が違う。また、国が管理し、厳密な機能性評価で定型文を表示する『栄機』とは設計が異なる。新たな知見、根拠が得られているのであれば企業責任で表示すればいい。それに実態として『栄機』は自主認証で全体の把握が難しい。届出を行い、情報公開される新制度の方が透明性は高い。消費者にとっても、そちらの方がメリットは大きい」

――規制改革会議としてこれまでの議論をどう見ている。

 「(範囲拡大とならなければ)当然、会議でも議論させてもらう。ただ今の会議体は7月まで(※)。メンバーの留任・変更は決まっていないが、いずれにしても重点的なフォローアップ案件として申し送りしたい」

――改善すべき点は。

 「生鮮食品の受理はわずか3商品。もう少しスムースに届出が行えるよう次回の制度改定でサプリメントと別枠にして、実情に応じた制度にすべきだと考えている」

――制度の評価は。

 「産業界、消費者サイドともウィンウィンになったのではないか。企業は機能が表示でき、情報公開されることで消費者団体はその内容をチェックできる。透明性が増したのは間違いない。議論を行う素地ができた」

 「ただ今の制度運用は届け出のはずなのに、実質『審査』になっていないか危惧している。判断基準もあいまいに思える。しかも受理にかかる時間が遅い点は危惧している。制度の本来の趣旨である『企業責任』のベースに基づいて考えるべき」

――「チアフル酵母」の届出撤回を巡る問題の見解は。

 「(届出の撤回が)仕方ないとは思わない。食品に含まれる成分でもあり、46通知の規制対象から新制度は除外されている。46通知の『専ら医薬品リスト』から外すことを検討してもよい成分もあり、次の規制改革会議では食薬区分の見直しも申し送り事項としたい。制度の狭間の問題を解決しないといけない」

――受理件数(300件)に対する評価は。

 「少なすぎる。年内に1000商品は必要ではないか」

 ※規制改革会議は、7月の参院選後、新たな会議体として発足する予定。


健康食品産業協議会  社団化も"緩やかな連帯"

 6-1.jpg健康食品産業協議会が4月、一般社団法人化した。長く業界団体の乱立が続いた健食業界は、統合に向けたスタートラインに立ったといえる。ただ、協議会の運営本格化はまだこれから。現在は、寄り合い所帯に過ぎず、業界関係者からは「団体としての実態がない」「社団化がゴールではない」といった声が聞こえてくる。今年度、具体的な活動実績と団体一本化に向けた取り組みを進めることができるかがカギになる。


 協議会は2009年、業界8団体が"任意団体"として立ち上げた。それから7年、社団化は、団体一本化が前進した証といえる。4月25日の設立式典には、加藤勝信一億総活躍担当相、山東昭子参議院議員、板東久美子消費者庁長官らが来賓として招かれた。各団体の代表も参加し盛況だった。ただ、実態としては「業界総意」の看板を掲げた"連絡会"の域をまだ出ていない。

 事務局は、業界最大規模の日本健康・栄養食品協会(日健栄協)内に間借りしている状況。運営も専任は1人。今回、理事も協議会に参加する業界団体から選出したが、「『(理事の数に設定した)15人の枠内で各団体から自由に出して』ということになった」(協議会関係者)という。協議会に直接、企業が加盟する状況になく、運転資金も参加団体が拠出する。

 業界関係者からは「各団体の代表をホストにして連合組織にしているのは改革の途中を意味する。これをぶった斬って新組織にするぐらい自律した強い意見を持ってまとめる力がないと」「他団体を解体して一つになるのか。各団体とも思惑があり、まだ二転三転必要」といった指摘がある。

 日健栄協が機能性表示食品の届出企業を集めた新組織を模索し始めるなど新たな動きもある。トクホ同様、確かに届出企業を取りまとめる団体は必要。ただ、新組織を巡ってもこれを画策する団体や人物が複数いる。新組織が立ち上がれば、新たにパワーバランスの問題も浮上する。

 機能性表示食品の「広告自主基準」を巡っても、協議会が分科会で策定する一方、日健栄協もこれとは別に研究会を立ち上げ、会員社の要望を吸い上げていた。最終的に基準策定には至ったが、現在の組織は各団体兼任の理事で構成。今後、組織としての実態を形づくっていかねばならない。

 協議会は今年度、社団化の周知と具体的な活動内容の検討、経費確保の方策を練る。業界7団体の"看板"ではなく、団体一本化に向かえるかが試される。



 協議会理事は11人。任期は2年。昨年4月、会長が再任されたため、来年3月末に改選する。理事は左記の通り。

 代表理事=関口洋一(健康と食品懇話会顧問、日本水産)、理事=青山充(日本健康・栄養食品協会事務局長)、松本薫(全日本健康自然食品協会事務局長)、原孝博(健康と食品懇話会会長、協和発酵)、泉澤勝弘(薬業健康食品研究会、エーザイ)、天ケ瀬晴信(AIFN理事長、日本アムウェイ)、末木一夫(同専務理事)、臼杵孝一(CRN JAPAN理事長、ユーエスキュア)、廣田欣也(同理事、BTC)、駒村純一(サプリメント・エグゼクティブ会議代表、森下仁丹)、河原有三(同事務局長、森下仁丹)。

消費者庁・強権路線の破綻③ 特商法国会審議に影響も、〝天下り要求〟火消しに走る

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「破綻」とは、物事が成り立たなくなることを意味する。であれば規制官庁たる消費者庁が本来備えるべき真摯さを忘れ、その強力な権限で企業に見返りを求めれば、それこそ"破綻"の危機に瀕しているといえないか。消費者庁は3月、執行部門の課長補佐級の職員が規制対象の企業に"天下り"を要求していたことが発覚した。加えてこの違反を庁自ら認定できず、再就職等監視委員会が違反の事実を公表した。

トップタイ

 「消費者庁は農林水産省と並びトップタイ」
。消費者庁担当のある記者はこう話す。職員による天下り要求のことだ。2012年に発足した監視委はこれまで計6件の違反行為認定を行っている。このうち消費者庁は2件を占める。まず問題を振り返りたい。

 この職員は執行部門に在籍した12年から14年、複数の企業に「あと2年で定年退職」などと発言、利害関係企業に天下りを要求していた(=表)。

 昨年10月、消費者庁自ら監視委に報告、調査を始めた。ただ、執行の実務で中心的役割を果たす人物でありながら庁自ら違反認定できなかったことに監視委が納得せず、調査に乗り出した。在職中、人事課に再就職規制を再三照会、また再就職先の公表(課長補佐級は公表)が避けられる再任用後、等級を落とし天下り交渉を具体化させたことにも「利害が見えやすく確信犯的。求職を窺わせる十分な証拠を入手しながら積極的に解明しなかった」(監視委)と、消費者庁の対応を批判した。

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 昨年10月には長官自らの違反行為も発覚した。阿南久前長官(写真)が退職前に雪印メグミルクの企業倫理委員会委員に就くことを約束したことだ。この件を受け、板東久美子長官は、「結果を重く受け止め、再発防止を組織として考える」と話していたが、その舌の根が乾かぬうちの出来事だった。

浮上する「M氏」

 発端となったB社への天下り要求は12年8月から12月初旬。この間に行政処分を受けたため絞り込みが可能だ。処分は景品表示法が11件、特商法が8件。複数社から「うちにそんな話はないが執行権限を振りかざしておいてひどい」といった声が聞かれたものの連絡のとれない企業もあり、確定には至っていない。ただ、特商法絡みである企業が浮上している。

 加えて、この職員も特商法を所管する同庁取引対策課に所属した「M氏」であるとの話が広がっている。消費者庁に近いある関係者は、「取引対策課の課長補佐として執行を担当していた」と話し、別の関係者も「確証は持てないが、取引対策課と聞いた」と漏らす。

 A社は行政指導のため端緒が掴みづらい。が、なぜこれほどまで情報が出てこないのか。前出の関係者は「消費者庁がこの件を巡り火消しに走っている」と話す。どういうことか。

 「件の職員が関係した特商法はまもなく参議院で改正審議が始まる。非常に重要な時期だが、この職員の問題が炎上すれば改正審議が吹っ飛びかねない」というのだ。冒頭の記者は「発表は内閣府。そちらからやれとは言われた」と話すが、結果として報じたのも共同通信と朝日新聞のみだ。

規制官庁の"軽さ"

 当事者はどう答えるか。特商法を所管する取引対策課に「M氏」の確認を求めたが「この件は人事課が担当」と取材に応じてもらえなかった。人事課の回答が難しい改正審議への影響を聞きたいと説明しても「人事課」の一点張り。人事課は「名前を聞いても答えられない」と口を閉ざす。

 ということでかつて庁を代表する立場にいた阿南前長官にも見解を聞いてみた。

 自らの違反は「もともと消費者団体所属の時代に雪印メグミルクの外部委員会に参加しており、また来てくれと。だから再就職と思ってない。説明も受けておらず、河野太郎大臣も『民間の人が知らないのは当たり前。説明しなかった庁側に責任がある』と言ってくれた」との見解。一方で今回の件には、「その方の場合は自分から。私の場合は向こうから要請があった」「国家公務員の人は意識をもってもらう(必要がある)」と違いを強調しつつ指摘。消費者庁にも「民間は任期2、3年でまた再就職しなければならない。民間登用するなら十分説明すべき」と注文をつけた。
 違反は、在職中に判明すれば懲戒処分。利益誘導など不正行為が伴えば退職後でも3年以下の懲役など刑罰が科される非常に重いものだ。阿南氏は12年から2年間、消費者庁の代表を務めた。その人物をもってこの見識。まじめに職務を全うする職員は浮かばれないが、消費者庁の存在意義が問われている。
(④につづく、前回の②はこちら


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