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官庁・団体 Archive

消費者庁、えがおに措置命令

消費者庁は3月30日、健康食品通販大手のえがおに対し、景品表示法に基づく措置命令を下した。ネット上のバナー広告からリンクしたランディングページ(LP)の一部で痩身効果を表示し、これが「優良誤認」にあたると判断された。えがおは昨年5月、今回の命令の対象となった黒酢商品の表示について、公正取引委員会の調査を受けて自主的に表示を見直していた。

対象となったのは、主力商品の「えがおの黒酢」。2013年3月から昨年5月末にかけて、展開していたLPの一部で「タンスの奥のジーンズが出せた」「人より効果が出にくい私。最初からアミノ酸を使ってたら...」などと表示。運動や食事制限を行わず、商品を摂取するだけで痩せられるかのように表示していた。

 消費者庁は「不実証広告規制」の規定に基づき、合理的根拠の提出を要求。えがおは、商品の主要成分などに関するデータなど根拠資料を提出したが、表示の裏付けとなる合理的根拠とは認められなかった。えがおは商品と同様の設計の黒酢食品を使ったヒト試験も行っている。ただ、試験は食品摂取と運動による機能を確認したもの。ウェブ表示は、運動を伴わない商品だけの機能のように受け取られると判断された。

 表示していた約2年半のウェブでの商品売上高は、1億1400万円。「えがおの黒酢」の売上高全体の約1%ほどにしか当たらない。措置命令の対象となったLPからの新規客の流入を踏まえると、問題となった広告による商品売上高はより小さなものになる。

 不当表示に至った原因については「ウェブ広告の管理体制が十分でなかった」(同社)とする。広告は、テレビと紙媒体を中心にウェブでも展開。ただ、ウェブ広告は複数のクリエイティブをスピーディーに効果検証できる強みを活かし、担当部門の責任で出稿を管理していた。より上部の会議体で可否を判断する紙やテレビと管理が異なっていた。

 えがおでは、公取委の九州事務所から調査を受けた5月以降、自主的に表示の見直しを実施。ウェブサイト上にお詫びを掲載していた。また、広告の管理体制強化を目的に専任の「コンプライアンス室」を発足。すべての広告表示を一元管理しチェックする体制を構築していた。全社員を対象にした勉強会も実施。景表法をはじめ表示関連法規や違反事例の研修に取り組んでいた。

 ここ数年の健食に対する取締り動向をみると、消費者庁の措置命令は明らかにダイエット対応の健食に偏っている。

ユーコー 措置命令巡りメーカー提訴も、「表示主体」巡る判断で企業間対立へ

 4月から景品表示法に課徴金制度が導入される。その中で、これまでよりいっそう深刻な問題として浮上するのが「表示主体者」を巡る問題だ。制度の対象ではないものの、1月末に措置命令を受けた雑貨通販のユーコーは、処分を巡り対象となった製品を製造した家電メーカーの丸隆と法廷闘争に発展しつつある。課徴金制度の導入を受け、これまで以上にさまざまなリスクへの対応が必要になる。

 課徴金制度では、3年を上限に対象商品等の売り上げの3%を課徴金として納めなければならない。課徴金額が150万円未満となる場合は対象にならない。

 1商品への依存度が高い単品通販の場合、課徴金額が高額になる可能性があり、事業の存続が危ぶまれる事態に発展しかねない。一方、多くの商品をラインアップする総合通販や雑貨通販の場合、単品通販よりリスクが大きいのが「表示主体者」を巡る問題だ。その判断は、これまで度々物議を醸してきた。

 過去には、JALUXの企画したレトルトカレーの産地表示を巡り、商品を扱って排除命令(現在の措置命令)を受けたセシールとベルーナが損害賠償を求める訴えを起こしている(07年、請求棄却で決着)。アパレル関連でも衣料品卸の八木通商の供給していたズボンを巡り、販売5社が八木通商とともに排除命令(同)を受けたケースがある。前者は、「卸元」が処分対象にはならず、後者は対象。ただ、いずれも販売者は、確認義務を怠ったとして処分された。

 景表法の性格上、判断がその都度分かれることは避けられない。だが、課徴金で「表示主体者」の問題はより深刻になる。

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091.jpg 1月末、消費者庁の措置命令を受けたユーコーは、これを巡るメーカーの対応を不服として提訴を検討している。措置命令の対象となった商品は家電メーカーの丸隆製の「PM2・5対応プラズマ空気清浄機」(税抜9980円)。2014年5月末から4カ月(広告表示は1カ月)で約2700万円を売り上げていた。ユーコーのケースは、制度導入前であり、金額も少額であるため課徴金の対象にはならない。だが、制度が始まれば、事業者間で対立に発展するリスクはより高まる。

 「表示主体者」は一義的に販売者とされるケースが多いものの、メーカーや卸の関与を示す証拠がある場合、その判断が変わる。ユーコーでは丸隆の「商品企画書」(=画像(上))などをもとに広告を制作。制作した広告も丸隆の担当社員と、当時の代表(現在の矢吹好永社長の父)の確認を得た上で掲載したとしており、広告の確認書面(=画像(下))に代表の記名もある。「家電製品の機能は、健康食品などと異なり専門性が高く、表示に対するメーカーの依存度が高い」(石田社長)というのが主張だ。

092.jpg 一方の丸隆は、「広告は通販会社のノウハウであり、出せる限りの資料は出した」(矢吹社長)と、主張は対立する。

 「商品企画書」は消費者庁も確認しており、その上で「表示主体者」をユーコーと認定している。民事であれ、メーカーの関与を示すにはより強い証拠が必要。ただ、石田社長は、「(責任の一端はあったと)謝罪があるべき」と、感情的なもつれから係争に発展しつつある。仮に"課徴金"が加われば、こうした対立はより増加することが予想される。

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 別のリスクもある。商品管理の問題だ。

 今回、措置命令の対象になった空気清浄機は、新聞広告で21畳の広さまで「PM2・5」や「防ダニ」、「除菌」、「抗ウィルス」、「花粉」「たばこ」に対応するかのように表現していた。だが実際、"21畳対応"のデータは、「PM2・5」に関する資料のみ。花粉などに関する機能は、丸隆にフィルターを納めていた村田製作所が5~10リットルの狭い空間内で行った試験データのみだった。このことが"表示のかい離"とみられた。

 ただ、現実的に販売者がすべての試験を行うのは難しい。「PM2・5」に対する機能を確認するテスト費用は「20万円前後」(矢吹社長)。ほかの試験を行った場合、製品分析を行う分析センターは、「たばこの消臭機能であれば、日本電機工業会が定めた規格があり10万円前後。ただ、花粉やウィルスは高度な設備が必要になるためうちでは受けてない」と話す。

 というのも、「花粉などは粒子が大きいため集じん機能を調べようとしても床に落ちてしまう。どういった試験環境でやれば空気中に漂わせることができるか難しい」(同)ためだ。仮にやったとしても「花粉」など各試験に15~20万円。商品企画書やユーコーの広告に表示された性能を確認しようとすると100~150万円ほどの費用が必要になる計算になる。多くのトライアル商品を回しつつ事業運営する中では現実的な投資とはいえない。

 とはいえ、一定レベルで機能を表示して売れ筋を見極めなければ、追加投資の判断が行えないジレンマを抱えることになる。今後事業者は、課徴金を意識しつつ、多くの商品と向き合うことを迫られる。

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 一方、ユーコーの処分に行政のある執行担当官は、内容の是非は別として「社会性がない」と指摘する。販売期間はわずか1カ月、さらに数年前の広告を今更ながら引っ張り出してきて処分しているためだ。今後も行政は「表示主体者」で難しい判断を迫られる。ただ、課徴金は事業者に大きな負担を強いるもの。行政も運用に対する説明責任と社会へのメッセージ性が問われることになる。

村田園  処分取消し求め提訴へ、原材料表記巡る措置命令で

 6-1.jpg消費者庁と公正取引委員会事務総局九州事務所は3月10日、お茶の通販を行う村田園に対し、景品表示法に基づく措置命令(優良誤認)を下した。販売するお茶の表示で原材料があたかも日本産であるかのように表示。一方、村田園は、命令の内容を不服として処分取り消しを求める訴訟を提起する予定としている。

 村田園は、ホームページで「一括表示の原材料表記はJAS法を順守して適切なパッケージ表記に努めた」「原材料原産地もお客様から問い合わせがあった場合は包み隠さずお答えした」などと説明。措置命令については「法的に対処するべく検討している」としていた。

 措置命令に不服がある場合、事業者は、行政不服審査法に基づき、処分から60日以内に異議申し立てを行える。また、行政事件訴訟法に基づき、処分から半年以内であれば処分取り消しを求めて提訴できる。

 処分の対象になったのは、「容器包装」の表示。商品は、通販等で展開する主力商品「村田園万能茶(選/粋)400グラム入り」(=㊨画像) など4商品。「阿蘇の大地の恵み」「どくだみ、柿の葉、とうきび、はと麦、甜茶、くま笹、あまちゃづる......」などの記載とともに、日本の山里を思わせる風 景のイラストを記載することによってあたかも原材料が日本産であるかのように表示していた。実際は、「大麦」や「どくだみ」の一部以外の原材料は外国産 だった。

 6-2.jpg通販や店頭販売で展開。2009年7月から昨年12月頃までこうした表示を行っていた。期間内の売上高は把握できていないが、 卸で展開する「大阿蘇万能茶(選/粋)400グラム入り」と合せ、4商品の1年間の売上高は10億7000万円(14年5月から昨年4月)だった。通販売 上高がおおよそ5割を占める。民間信用調査機関の調べによると、村田園の売上高(14年4月期)は、前年比0・2%減の16億3900万円だった。

 現行法では、加工食品について、基本的には原料原産地を表示する義務はない。加工食品が輸入品であれば原産国の表示が必要になる。

 食品表示法では、複数の品目を指定して、加工食品でも原料原産地の表示を求めている。「緑茶」も対象品目だが、今回の商品は、「緑茶」でないため食品表示法上は対象になっていない。

  村田園は5月初旬をめどに新パッケージの商品の販売を始める考え。措置命令の内容に不満があるものの、結果的に顧客に誤認を与える可能性があるという指摘 を受けたとして、ホームページにお詫びを掲載している。今回の件について、「現在係争中のため、裁判所の判断を待って適切な対応を取る予定。ただ、お客様 に誤認を与える可能性があるという消費者庁からの疑義の提起があったことを真摯に受け止め、現在、パッケージの変更に着手している」(同社)とした。


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トクホ調査会報告書案、規制一辺倒の提言

消費者委員会の「特定保健用食品(トクホ)等の在り方に関する専門調査会(以下、調査会)が、規制強化一辺倒の報告書案をまとめる方向で調整を進めている。健康増進法の改正に踏み込む提言について、2月に行われた第6回会合で寺本民生座長は「難しい」と明言していた。だが、報告書案では一転、健増法に「不実証広告規制」を導入すべきなど、法改正が必要な提言を盛り込んでいる。

報告書案は3月3日の第7回会合で示された。3月16日の次回会合で報告書案をまとめ、消費者委の了承を得た上で消費者庁にトクホ制度の見直しを要望する。

 報告書案は、大半を規制強化に向けた提言が占める。

 トクホの広告は、「許可表示」の一部を切り出した"言い切り型"のキャッチコピーで消費者に過度が期待を抱かせていると指摘。消費者意向調査もこれを裏付けているとした。「いわゆる健康食品」の広告も過度な期待を抱かせているとした。

 是正に向けた提言の一つが、健増法の見直し。「不実証広告規制」を導入すべきとした。また、4月から同法の「勧告・命令権限」が地方に移譲されることを受け、「著しく事実に相違する表示」の"著しい"に関する具体例を示し、判断基準を明確にすることも求めた。

 トクホ制度運用に関する通知である「特定保健用食品の審査等取扱い及び指導要領」(指導要領)の見直しも求めた。「許可表示」を超える効果をイメージさせる広告を一切禁止することなどを盛り込む考え。「容器包装」と「広告」のより厳密な一致を求めていくものとみられる。

 ほかに日本健康・栄養食品協会が運用する自主基準も「遵守に至っていない」と指摘。「公正競争規約」を設けるなど、今後の工夫を期待するとした。

 制度・運用面では、有効性や安全性が客観的に担保されたトクホの価値を高めるため、「条件つきトクホ」がトクホ制度として存在する必要性があるか、検討すべきとの提言を行う。

 「再審査制」は、消費者委による2011年の提言で、再審査手続きに対する取り組みが求められている。これを受け、事業者が収集すべき研究報告や健康被害情報といった知見、報告方法を示す文書を出した。だが、これまで事業者から届出はなく、再審査に至ったケースはない。報告書案では、再審査制が有効に機能しているか、早急に検証すべきとの提言を乗り込む。

 また、トクホの試験データの質向上を図ることを目的に「UMIN試験登録システム」への登録を明確に求めるよう「指導要領」の見直しを求める。

 一方、規制緩和につながるとみられるのは、規格基準型トクホに関する部分のみ。規格基準型の適用範囲を拡大に向け、定期的に検討する仕組みを確立すべきとの提言が盛り込まれただけだ。

経済産業省 カード情報非保持化へ、通販サイトの安全性強化

 経済産業省などによる「クレジット取引セキュリティ対策協議会」は2月23日、クレジットカード取引における、セキュリティーの強化に向けた実行計画を取りまとめた。これによると、ネット販売関連では、加盟店は通販サイトにカード情報を保持しないための取り組みを推進するほか、保持する事業者にはクレジットカードのセキュリティー基準である「PCI DSS」への準拠を求める。また、不正利用を防ぐために、加盟店は本人確認サービス「3Dセキュア」など、多面的・重層的な対策を導入する。

 同協議会は経産省のほか、通販関連では楽天やヤフー、カタログハウス、三越伊勢丹ホールディングス、ヨドバシカメラなどが委員となっている。

 まず、カード情報の保護については、加盟店のカード情報を非保持化する取り組みを進める。決済代行事業者(PSP)を利用するネット販売加盟店におけるカード決済システムは、カード情報が加盟店のサーバーを通過する「通過型」と、通過しない「非通過型」に分かれる。通過型は、加盟店のシステムにカード情報が保存されることがあるため、外部からの不正アクセスなどで情報を盗まれるリスクが高い。一方、非通過型はカード情報がPSPのサーバーを通過して処理されるため、加盟店からの情報漏えいが発生するリスクは低い。

 そのため、新規のネット販売加盟店には非通過型の決済システム導入を推奨するほか、すでに通過型システムを使っている加盟店については、自社サイトにカード情報を含む決済情報等のログが蓄積されるなど、システム的な課題を認知できていないケースもあることから、カード会社やPSPが加盟店に注意喚起し、システムログ等の消去や非通過型システムへの移行を求める。その上で、カード情報を保持する場合はPCI DSSへの準拠を要求する。

 実行計画では、通販サイトにおけるカード情報の非保持化や、保持する場合のPCI DSSへの準拠について、2018年3月末までに対応を求めている。該当する加盟店にとっては、セキュリティー対策に一定のコストが必要となる。

 また、窃取したカード番号による「なりすまし購入」対策については、加盟店が多面的な対策を導入する。3Dセキュアなど本人認証に関しては「セキュリティー対策の一つであり、義務付けるものではない」(協議会事務局の日本クレジット協会)として、それ以外にもセキュリティーコードの入力、過去の取引情報などに基づいた属性・行動分析による不正取引の判定、犯罪組織などの配送先情報をデータベース化することによる商品配送の防止など、さまざまな対策を行う。

 カード番号と有効期限を入力するだけで買い物ができる通販サイトはまだ多く残っており、加盟店契約業務会社(アクワイアラー)やPSPを通じて加盟店に対応を求める。「対策が事業者まかせになっていた部分もあるので、協議会において実行計画を推進するための進捗管理の体制を作る」(日本クレジット協会)。本人認証については、消費者がパスワードを失念した場合に購入機会を逸する恐れがあるほか、通販企業にとっては、そもそも支払いまでの工程が長引くため購入率が落ちる懸念がある。

 現在、国際ブランドでは「3Dセキュア2・0」が検討されており、一律のパスワード入力ではなく、属性・行動分析からリスクが高いと判断された買い物にだけ入力が求められる形式になるという。実行計画でも、「2・0」が開始された際には、早期に導入できるよう検討を進めることが明記された。

 加盟店における不正利用防止対策についても、18年3月末までに導入を求める。その際は、複数の対策導入が望ましいとする。「3Dセキュアを導入せず、犯罪組織などの配送先情報をデータベース化することで対策している事業者もあるが、さらなる対策を講じていただきたい」(同)という。

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