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官庁・団体 Archive

消費者庁の健食ネット監視、336社389商品に指導

消費者庁が四半期ごとに行う健康食品のネット広告監視事業の運用を変えた。これまでは四半期ごとに「疾病の治療・予防関連」「ダイエット関連」など検索するテーマを設定してきたが、2016年度は年間を通じて複数のテーマで検索する運用に変更。健康食品を扱う336事業者の389商品の表示について改善指導を行った。今年度も同じ運用でネット監視事業を行う予定という。

ネット監視事業は、四半期ごとにロボット型全文検索システムを用いてキーワードによる検索を行うもの。期間中に検索した数千サイトを目視で監視。健康増進法に基づく「虚偽・誇大広告等の表示の禁止」の観点から改善指導を行う。

 これまでは、四半期ごとにテーマを変えていた。よく扱われるのは、「がん」や「動脈硬化」「糖尿病」など疾病の治療・予防を目的とする効果があるかのような表現、「疲労回復」「記憶力」「免疫力」など身体の組織機能の増強・増進を目的とする効果があるかのような表現、「ダイエット」や「発毛」「美白」など身体を美化したあり、皮膚や毛髪を健康に保つことに資する効果があるかのような表現など。16年度は、これら3テーマについて年間を通じてさまざまなキーワードを設定して監視した。ほかに「機能○○食品」など保健機能食品とまぎらわしい表示を行う商品の監視が行われるケースもある。四半期ごとのテーマ変更では、設定するキーワードによって監視件数にばらつきがでていたため運用を変えて平準化を図った。

 16年度の指導件数の内訳は、「いわゆる健康食品」が330商品。脂肪燃焼や新陳代謝の向上、女性ホルモンの活性化に働きかけて美白や美肌、更年期障害の軽減に関する表現があった。農産加工品など「加工食品」は32商品。活性酸素の働き抑制、抗酸化作用によるがんや動脈硬化の予防に関する表現があった。お茶など「飲料」は27商品。心臓病や動脈硬化、高血圧等の予防に関する表現、インフルエンザや花粉症に関する効果の表現などがあった。

 事業者が出店するショッピングモールの運営事業者にも表示適正化に向けた協力を要請。改善件数は264事業者の294商品(1~3月に指導した66事業者の89商品は要請中のため除く)。3事業者が扱う3商品は、要請後も改善がみられないため個別に調査を行っている。

 運用を変えたほか、検索キーワードが異なるため単純比較はできないが、15年度の指導件数は400事業者の501商品で、年間の指導件数は減少した。

売れるネット広告社 アップセル機能の商標巡りカートASPのFID提訴

 通販支援を手がける売れるネット広告社が5月8日、ショッピングカートASPを提供するFIDが商標権などを侵害したとして差し止めを求め福岡地裁に提訴した。購入の申込確認画面におけるアップセルを巡るもの。627万円の損害賠償を請求した。

 売れるネット広告社は、ウェブ通販広告の申込確認画面におけるアップセル機能などを持たせたASP「売れるネット広告つくーる」を開発、2011年から販売している。争点になっている機能は、確認画面におけるオファー施策でサンプルなどから本商品購入、定期購入を促すもの。サービス名である「確認画面でアップセル」を商標登録している。

 この商標権をFIDが無断使用したサービスを展開しているとして、不正競争防止法に基づく差し止めや著作権侵害、商標権侵害に基づく差し止めで提訴した。売れるネット広告社によると、FIDは、同社が提供する「侍カート」のサービス概要を示すサイトの情報ページやウェブ広告で「確認画面でアップセル」という言葉を無断で掲載してきたという。「侍カート」を使って制作できるランディングページ(LP)のレイアウトやデザインも酷似しており、著作権の観点からも侵害があると主張している。

 売れるネット広告社は、これまで少なくとも3回に渡り警告を行ってきたが、FID側に誠実な対応はみられず、「(「売れるネット広告つくーる」の)メイン機能であり、無断流用をやめるよう和解を図ったが聞き入れる様子が見受けられない」として提訴に至った。現在、FID以外にも複数のカートシステムを対象に同様の機能を持つシステムがないか調査を行っているという。一方、FIDでは、提訴に対し、「事実確認中のため正式なコメントは出せないが、確認の上追って見解を公表する」としている。

 商標権侵害では、システムに確認画面におけるアップセル機能を持たせていること自体は問題にならないとみられる。一方、「確認画面でアップセル」と全く同じ文言を使用していない場合でも、サービスの説明、デザインなどからその類似性や識別性が争点になる可能性はある。

 確認画面におけるアップセル機能は、「売れるネット広告つくーる」が強みとする機能の一つ。LPではなく、オファー訴求に最適なタイミングを考え確認画面にアップセル機能を持たせた。無料モニターから本商品、商品の追加購入、定期申込みなどさまざまな訴求の設計が行える。現在、「確認画面でアップセル」で特許を出願している。

消費者庁 マイケアを指導、関節サプリなど「優良誤認」の疑い

 6-1.jpg消費者庁が今年初め、健康食品通販を行うマイケアに景品表示法に基づく行政指導を行っていたことが分かった。アイケアや関節ケアに対応した健食の広告表示に「優良誤認」のおそれがあると判断された。指導を受けてマイケアでは表示管理を徹底していく。

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「トクホの大嘘」の真実㊦ 「新潮砲」空砲か?

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週刊新潮の真骨頂といえば政治スキャンダルだ。それが「トクホの大嘘」という新潮におよそ似つかわしくない企画に手を出した狙いは何か。

「確実に売れる」

 「ここ数年、健康ネタは週刊誌のトレンド。というのも主要読者層は、週刊現代・ポストが60代、週刊新潮・文春が70代。高齢者におなじみのもの、ということで健康雑誌になりつつある」。雑誌メディアに詳しいフリーライターが明かす。

 「週刊誌も苦境に立たされ何かやらなければいけないという中、昨年、週刊現代が『医者に出されても飲んではいけない薬』という企画をやった。部数が伸びた、というほどではないが右には上がったと。それで続報を打ち続けた」(同)。

 その内容は端的に言えば、アンチ医薬品の医師を登場させ、極端な危害事例を引きあいに"薬に殺される"と批判を展開するもの。その構図は、アンチ健食の面々を集めた「大嘘」と同じだ。「薬以外で口に入れるもの叩きといえば健食やトクホ。週刊現代の流れで企画されたのでは」(同)という。

 布石もある。週刊新潮は今年1月、健康・医療ネタを再録して「ドクター週刊新潮」というムック本を発行した。当時、これに関わった関係者が"なんで出したの"と聞くと「確実に売れるから、と言っていた」(週刊誌関係者)という。要は、商業主義に立った企画だったわけだ。

群盲象を評す

 週刊誌業界でキラーコンテンツ化する健康・医療ネタ。ただ、その内容はお粗末なものも少なくない。週刊現代の企画も「薬や成分名など初歩的な間違いが目立った。製薬業界もまともに相手にするのがあほらしいと放っておいた」(前出のライター)という。「大嘘」はどうか。

 「(新潮さんが)オリゴ糖についてちょっと教えてもらえませんか、と。あんな書かれ方すると思わないから一番分かりやすい、素人受けする資料を出したんだよね」。記事で指摘を受けた日本オリゴの担当者が答える。

 引用されたのは、オリゴ糖を摂取した時の試験データ。記事では日本健康・栄養食品協会で要職に就き、"健食のサポーター"を自任する唐木英明氏が摂取前後の糞便量の変化に意味がないことを指摘、効果がないかのように印象づける。被験者が7人であることも「規模が小さすぎる」「比較対照群がない」と、唐木氏が質の低さを喝破したと伝える。読者はさぞ不安に感じたことだろう。

 だが、紹介された試験はそもそも糞便量の変化を見るのが目的ではない。記事でも指摘するように糞便量は個人差があるため、客観的に分析できる善玉菌等の量の変化を見ることが主眼。試験もその後の臨床試験につなげる一環で行われ、より多くの被験者や比較対照群を設けた試験などこれ1報ではない。多角的な検証を欠くわけだ。これには、業界関係者から「象のしっぽを握って蛇と言うようなもの」「結論ありきで都合のよいところをつなぎ合わせた」と指摘がある。

黙して語らず

 シニアには小難しい内容な上、書かれた企業も「問い合わせはほとんどない」とそっぽを向かれた今回の企画。ただ「反響の薄さとは別に広告クライアントにもなる一部メーカーは激怒していた」(業界関係者)といった話も聞こえてくる。

 読者には伝わらず、広告主からも見放されるなど裏目に出ては心中穏やかでいられない...。巷では「文春砲」が評判だが、「大嘘」を放った新潮砲は、さながら"空砲"ではなかったか。週刊新潮の記事担当デスクに特集の狙いや「週刊現代」の企画との関連性、客観性を担保する十分な人選かを尋ねたが、「自分の立場で言えるのは、記事に書いたことが全てということだけ」と話すのみだ。

 とはいえ、週刊誌の健食叩きは今後も続くだろう。「週刊誌がシニアに軸足を移している意味ではいずれ機能性表示食品もあるし、しばらくこのトレンドは続く」(前出のライター)と見るからだ。

 だが、日健栄協は「コメントの予定はない」と、黙して語らず。業界7団体で構成する健康食品産業協議会も「体制を固め、理論武装しないと揚げ足をとられる」と悠長に構え、「日健栄協が動くなら協力するが差し置いてはできない」と、どっちが舵取り役か分からない状況。そんなトホホな団体に依存してよいかを考えるきっかけ程度にはなったかもしれない。
(おわり)

「トクホの大嘘」の真実㊥ ミスリードする学者達、「フードファディズムと同じ扇動」

 「トクホの大嘘」には多くのアカデミアがコメントを寄せた。だが読者の多くはその素性を知る由もない。いかにして「大嘘」の"ウソ"は作られたのか。

正当な範疇?

 「先生は一部(根拠が)弱い論文を持ち出して全体を『悪』とするのは違うと。ただ、(記事は)ある種正当な範疇だと。誰か反論記事を書いてくれないかな、とも言っていた」(日本健康・栄養食品協会関係者)。先生、というのは東京大学名誉教授にして日本学術会議元副会長、食の安全・安心財団理事長を務める唐木英明氏のこと。「大嘘」にコメントを寄せた一人だ。

 会話が交わされたのは、日健栄協が3月末に行った機能性表示食品の届出手引書のお披露目の席。というのも唐木氏は協会内「ガイドライン研究会」座長を務め、前出関係者によれば「協会と関係が深く、業界の指導的役割を果たしている」からだ。

 だが、誌上では「世にはびこるインチキな健食のシェアが減るなら、わずかとはいえ根拠があるトクホの登場に消極的に賛成してきた」と後ろ向きなコメント。「根拠論文に問題のあるものが存在するのも事実」と、協会会員でもある日本オリゴ、日本ケロッグのトクホを公然と批判した。そもそも記事にコメントを寄せたのはどんな面々か。

懐疑派の集まり

 まずは学者から。難消化性デキストリンに「脂肪吸収抑制効果はない」と断じた山本啓一千葉大学名誉教授は「グルコサミンはひざに効かない」の著書で知られ、「トクホにほぼ効果はない」とした高橋久仁子群馬大学名誉教授は、「フードファディズム」(食品が健康に与える影響を過大に信じること)という言葉を日本に紹介した人物。以来これを唱え続け、サプリに頼らず栄養を過不足なく摂る食生活の重要性を説く。

 だが、同じアカデミアからも「(高橋)先生は"サプリなんて"と全否定するが、食品の栄養素自体が変わり、現実問題補助するものは必要。その事は先生も分かっているはず」「『大嘘』といたずらに消費者をミスリードする記事に加担することこそ先生が嫌うフードファディズムと同じ扇動」といった声が上がる。

 科学ジャーナリストの植田武智氏は、食の安全・監視市民委員会(FSCW)の運営委員を務め、トクホや機能性表示食品制度の厳格化を主張する急先鋒。同じく科学ジャーナリストを名乗る渡辺雄二氏は、人工甘味料の危険性を訴えたが「食品添加物の危険性を煽る本で儲けている方。科学を歪曲し、間違ったことも平然と書く」「人工甘味料の安全性はすでに世界の食品安全関係者で共有されている」といった評がある。これだけ懐疑派が集まれば、トクホの冷静な議論など行えるわけがない。

うかつな行動

 そんな懐疑派と共にコメントを寄せたのが冒頭の唐木氏だ。輝かしい経歴の持ち主だが、最近では天下り問題で話題になった阿南久氏が主宰する消費者市民社会をつくる会が開いた「『機能性表示食品』をつっこむ会」に参加したりその動きは無軌道。ただ、これは今に始まったことではない。

 BSE問題の時には、これを中立公正な立場で議論すべき食品安全委員会の専門調査会座長代理という立場ながら、利害関係にある米国の食肉輸出連合会が発行する米国牛の安全パンフレットの監修者として顔写真入りで登場。連合会PR事務局と同じ所在地で「食の安全・安心を考える会」を発足させていた。国会でも問題視され、食安委委員長からは注意、FSCWからは罷免要求されている。同じ「食の安全」を追求する立場のFSCWも「立場・問題で色々と変わる人」(神山美智子代表)と、その人物像を語る。

 再び失態を演じたわけだが、当の本人は「記事がどういうトーンか、(批判的)じゃないかという恐れはあったが、聞かれたのは論文の読み方。自分は健食のサポーターであると伝えた上でコメントした」と弁明する。だが「誰か反論を」と呑気なことを言う前にうかつな言動を避ける必要があったのではないか。

 会員企業を名指しされた日健栄協は「今回の件でとくに唐木氏と連絡を取っていない」と話すのみ。協会の要職に就く違和感にも「あれは機能性表示食品関連。記事はトクホについて。トクホでは直接の関係性はなく今後も付き合う」と意味不明な説明をする。

 専門的見地から議論が期待されるアカデミアが「トクホの大嘘」と消費者に誤った印象を与えかねない特集に安易に利用されたことは問題だろう。業界関係者からは「そんな方に業界をサポートしていただかなくてけっこう」と辛らつな指摘が上がっている。(つづく)

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