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媒体研究(ネット・モバイル) Archive

ジーフット、オムニ化施策で成果も、スマホアプリで顧客情報統合へ

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イオングループで靴専門店チェーンを展開するジーフットは、オムニチャネル施策をベースにEC強化を加速する。

 同社は、靴専門店の「アスビー」やイオンの靴売り場である「グリーンボックス」などを中心に約900店舗を展開。全国の店舗網とECを有機的に結び付けることで顧客の満足度向上につなげている。

 具体的には、通販サイトでは店舗の在庫状況を確認できたり、商品を最寄りの店に取り寄せて購入前に試し履きできるようにしているほか、実店舗では、ほぼ全店にiPadを導入。店舗の販売スタッフが端末を使って来店客が欲しい靴の在庫を確認したり、欠品時には商品をEC経由で店頭に取り寄せる客注システムを2014年からスタートしている。

 同システムの導入後も店舗ごとの利用状況に差があったが、昨年3月にデジタルシフト推進部を開設。啓蒙活動を行ったほか、経営トップからも客注システムを活用したオムニチャネル対応を店舗単位にまで発信したことで、店頭の意識も変化してきているという。

 実際、前期(16年2月期)のタブレット経由の注文は前年比6倍以上となる約2万件に拡大。今期も第1四半期(3~5月)で約1万件となるなど同システムの利用が進んでいる。

 同社の場合、客注サービスも店頭取り寄せも決済は店頭で行うため、売り上げは店舗に計上されるが、社内的にはEC側も店舗から手数料を得る仕組みとしている。

 今年6月には、店頭に設置した大型のデジタルサイネージを通じて店やECの在庫状況が分かる「ぴたトリ」サービスを大型店5店舗でスタート。来店客が自ら操作して気軽に商品を探せるようにしており、今後は約100店舗への導入を計画している。

 また、リアル店舗とECの連携強化に向けては、年内にもスマホアプリをリリースする予定だ。スタート時はクーポンなどをインセンティブにしながら店頭でダウンロードを促すキャンペーンを展開。アプリを通じて店頭とECの顧客情報を統合することも目的のひとつで、当初はEC機能のほか、お気に入り登録した店舗からの情報発信やクーポン配信機能などを実装するほか、イオンのお得・キャンペーンに合わせた割引特典なども検討。早期に100万~200万件のダウンロードを目指すという。

EC強化に本腰

 ジーフットの16年2月期における、店頭からの手数料を含まない純粋なEC売上高は前年比数%増の12億円弱で、全社売り上げに占めるEC化率は1・1%にとどまっているが、これを5~10%(50~100億円規模)に高めるのが当面の目標で、EC強化に向けて本腰を入れる。

 一環として、10月末を目指して自社通販サイトの大幅刷新を計画する。現在、「アスビー」と「グリーンボックス」「フェミニンカフェ」の主要3業態でECと情報サイトを別々に運営しているが、刷新時に統合するほか、通販サイトの入り口として「グリーンボックス」と「フェミニンカフェ」は残すものの、認知度が高い「アスビー」の仕組みに集約することにしている。

 また、これまでは十分ではなかったEC用在庫についても商品部と連携しながら専用在庫をしっかりと確保していく方針で、同時に客注システムの充実にもつなげる。

 一方、7月からはウェブの運用や販促などをアウトソーシングするという。EC運営の各業務を内製化する会社もあるが、同社では市場の変化のスピードに対応するためにも専門企業の支援が不可欠とし、スマホアプリを含めてシステム面のインフラは外部を活用。自社は品ぞろえや実店舗と連携したオムニチャネル施策などに注力する。

 また、今後の課題としては、物流倉庫の保管能力に限界が近づいていることから、EC強化に向けた品ぞろえや奥行きの充実、配送サービスの向上などと並行して、物流インフラについても次の一手を打つことになりそうだ。

楽天 店舗向けに一問一答、9月からの違反点数制で、優良店は優遇

 楽天では、仮想モール「楽天市場」で9月1日から開始する「違反点数制度」に関する店舗向けの一問一答を7月に公開した。これは、ルール違反や規約違反を犯した出店店舗に点数を付与し、累積点数によって罰則を課すというもので、6月に制度開始を通知して以降、店舗からは問い合わせが相次いでいた。

 河野奈保上級執行役員は「店舗からは制度に関する問い合わせをもらっており、過剰なほど不安になっている店舗もあるのは事実」とした上で、「具体的な事例を挙げた上で違反になるのかならないのか、といった質問がある」と明かした。これを受けて同社では、罰則の適用ルールについて社内で議論を進めている。

 「違反点数を付与することが目的ではなく、制度を設けることで運営を改善してもらうのが目的。グレーな行為を勝手にブラックと判断することはしない」(河野上級執行役員)。これまでの問い合わせを受けて、同社では店舗が閲覧できる一問一答のページを設け、よくある質問への回答を掲載した。今後も問い合わせ内容に応じてページを更新していく。「最近は店舗に厳しいことをお願いすることも多かったが、この制度に関しては店舗の意見をきちんと聞く。施行までの2カ月間で制度をブラッシュアップする。9月以降もおかしい部分が見つかれば直すし、グレーとブラックの境目が変化するようであれば柔軟に対応する」(同)。

 今回の新制度では「レビューに関する禁止行為」が定められており、「レビュー投稿を条件とした特典付与」も禁止となっているが、違反点数として35点が付与される。また、大型セール時に店舗が行っていた「同一商品複数登録」(違反点数は35点)や「不適切なランキング・受賞表示」(同)といった行為も禁止だ。これらは販促の一環として、現在も行っている店舗はかなり多いとみられる。「以前からモニタリングは実施しており、制度開始までの2カ月間は精度を高めていく。店舗が気付いていないケースがあるだろうし、警告のメールをできる限り送る。そこできちんと対応していただきたい」(河野上級執行役員)。

 また、「明細書の入れ違い」(違反点数は20点)のように、店舗のケアレスミスで発生することも考えられる行為については、「明らかに故意であると判断できれば即点数を付与することもありうる。ただ、発生件数が少なく、何らかの事情が考えられるものについてはヒアリングを行う」(河野上級執行役員)という。

 ただ、店舗にとってはケアレスミスでも、継続的に発生するような場合は、そもそもオペレーションに問題があることも考えられる。事業開発課兼店舗インキュベーション課の石角裕一シニアマネージャーは「こうした問題点が『見える化』されるような制度にした。交通違反でも多すぎれば免許停止になるのと同じことだ」と話す。

 一方で、優良店舗についてはモール内での優遇措置を進める。店舗には具体的な優遇措置はまだ説明していないが、モール内検索において上位に表示したり、ユーザーに優良店であることを示すアイコンを付けたりするといったもの。違反点数と優遇措置という両面からの施策を進めることで、店舗の質向上と流通総額増につなげる。

【エニグモの須田将啓CEOに聞く】 顧客のアクティブ化を推進

 5-1.jpgエニグモは運営するCtoC仮想モール「バイマ」について、昨年度にテレビをはじめとする大規模プロモーションで獲得した顧客に対して、今期はアクティブ化に向けたアプローチを強化していく。他社とも連携した集客スキームを構築するとともに顧客のパーソナライズ化を図る。今後の戦略について須田将啓CEOに話を聞いた。

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田中順一WEB営業部長に聞く「アダストリアのEC成長戦略」㊦

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前号に引き続き、アダストリアの田中順一WEB営業部長にECの成長戦略などについて聞いた。

 ウェブの海外販路については。

 「すでに一部で始まっているが、今期からの新3カ年計画では自社ECでの進出や現地ECモールへの出店も含めて本気で取り組む。年内に中国の『Tモール』に出店する準備をしている。ECは中国の方が進んでいるが、日本で取り組んできた当社の得意な部分として、例えば商品画像などは提供し、現地任せにはせずに二人三脚で取り組む。中国でリアル店舗を展開するブランドはすべてウェブ上にも売り場を構えることで、EC売り上げだけでなく海外事業全体の拡大につなげていきたい」

 440万人を超えた会員へのサービス提供のあり方は。

 「今年3月から『ドットエスティ・ユー』というパーソナライズメールのサービスを始めた。会員がカートに入れたままにしている商品や、お気に入り登録した商品の在庫が少なくなったとき、値下げしたときなどにメールで知らせる。4月からは『ドットエスティ・ユー』と『LINEビジネスコネクト』を連動させ、『ドットエスティ・ユー』のLINE公式アカウントのトーク画面を通じてリアルタイムでのコミュニケーションが図れるようになった。機会ロスも軽減でき、自社EC売り上げの底上げにつながっている」

 ビジネスコネクトとの連動状況は。

 「現時点で会員IDとLINEアカウントを連携している顧客は会員全体の10%程度だが、日々、連携数は増えている」

 次のフェーズは。

 「いま、メールやLINEでおススメするスタイリングや商品の精度を高めるためのアルゴリズムを開発していて、これが完成すれば、より各会員の好みに合った情報が送れるようになる。Aという商品の在庫が少なくなったタイミングでメールなどを自動配信するときに、『ちなみにBという商品はいかがですか』とレコメンドするBの提案精度も高めたい」

 会員数が伸びているが、「ドットエスティ」として心がけるのは。

 「自社ECで販売する各ブランドをしっかり育てるという考え方は変えないが、『ドットエスティ』のスケールメリットを生かす戦略についても考えていく。主役はあくまでブランドで、『ドットエスティ』はプラットフォーム基盤という立ち位置だ。その基盤にどういう武器を持たせれば各ブランドがさらに生きるかを考えていく。マルチブランドを持ち、リアル店舗がある強みを生かした会員メリットをさらに作り込む。その上で、すべてのサービスの見直しを図りたい」

 新しい集客モデルの構築については。

 「従来型の広告投下によるアプローチではなく、会員増に伴うCRMデータを蓄積し分析することで、自社のSNSなどを有効活用して導線を強化したり、他社との協業体制による集客なども考えられる。また、『ドットエスティ』は静的だが、ウェブのインタラクティブ化の流れもあり、もっとエモーショナルなサイト、衝動買いをしたくなるサイトに進化させたい。さらなる成長に向けてはこれまでとは違う視点が必要で、そういう意味ではタッグを組む企業も変わってくるだろう」

 他社ECモールの位置づけや役割は。

 「他社ECモールへの商品供給はこれまでに選択と集中を実施し、いまはほとんど『ゾゾタウン』で展開している。自社ECと他社モールでは顧客層も違うし、モールはメディアと位置付けて活用する。『ゾゾタウン』のランキング上位に自社ブランドのアイテムが掲載されれば宣伝にもなるため、モールでは売る商品を明確にし、縦に積んで売っていく」

 今後のEC成長率については。

 「新3カ年の計画としては19年2月期にEC売上高300億円以上を掲げているが、常に30%以上の成長を目標に取り組んでいる」 (おわり)

田中順一WEB営業部長に聞く「アダストリアのEC成長戦略」㊤

051.jpg3年で海外展開に本腰、店頭在庫のEC活用も視野

 アダストリアは、2016年2月期の自社ECと他社モール経由を含むEC売上高が前年比38・6%増の210億円となり、13年2月期の90億円から3カ年で約2・3倍に伸ばした。14年11月に旧ポイントと旧トリニティアーツのECを統合・刷新して誕生した自社通販サイト「.st(ドットエスティ)」の舵取りやECの成長戦略などについて、同社の田中順一WEB営業部長に聞いた。
(聞き手は本紙記者・神崎郁夫)


――前期までの3カ年でEC売上高が大きく伸びた理由は。

 「ECを伸ばすには、『ブランド力』と『開発力』『運用力』の3つが必要で、どれが欠けても数字は作れない。『ブランド力』は実店舗を含めた各ブランドの成長性で、ブランドに力がないとECも伸びない。『開発力』は自社ECに新しい機能を実装したり、インターフェイスを改善したりすること。『運用力』はそれらを生かすための"魂"とも言え、常にブランドの状態と開発状況に気を配りながらPDCAを回すことだ」

――3つの力の掛け算がECの成長には欠かせないということか。

 「商品をしっかり売るという観点で3つの掛け算は正解だった。合併したトリニティアーツのブランドを『ドットエスティ』のプラットフォームの中でPDCAをしっかり回す運用体制を組んでみて、各ブランドのEC売り上げが飛躍的に伸びたことからも、ショッピング機能としての方向性は正しかった」

――前期、自社ECの売り上げ拡大に貢献した取り組みは。

 「前期の自社ECは前年比約30%増だったが、例えば、開発面ではサイトのユーザビリティーを改善したり、決済手段を追加した。また、ウェブとリアルの会員制度統一などにも取り組んだ。運用面では、予約販売やヒット商品をさらに縦に売る仕組みを構築したり、自社ECで扱う17ブランドそれぞれの特性に合わせて商品写真を作り込んだりした」

――先行予約品やヒット商品を縦に積んで売るときのポイントは。

 「ウェブの特性を考慮すれば、早く商品を見せることと、企画ページを作り込むことで商品の価値を高めることが大切だ。そのふたつをセットにして取り組むことで、とくにおススメの商品をより多く購入してもらうことにつながる。最近では企画ページに動画をとり入れたりもしている」

――新規客の開拓と、既存客の定着化施策の現状は。

 「実店舗というタッチポイントがあることや、会員制度を統一したことで、新規ユーザーは店頭から入ってきている。また、新規顧客にリピートしてもらうためにも、購入後にスタイリング提案のフォローメールを送ったり、会員が保有する特典やポイント、クーポンなどの期限が切れそうなタイミングに確実にお知らせする仕組みなど、フォロー対策を強化している」

――今期からスタートした3カ年計画で重視する取り組みは。

 「新3カ年では、オムニチャネル化をテーマに実店舗と一体化したサービス提供に努めたい。また、ウェブの販路も国内にとどまらず、海外市場にも挑戦する。同時に、前期末の会員数が440万人を超え、リーチできる消費者が大幅に増えているため、『ドットエスティ』の会員メリットをもっと高めたい。3カ年の最終年に当たる19年2月期には会員数600万人以上が目標で、新たな集客モデルを構築していきたい」

――オムニチャネル施策の現状は。

 「実店舗とECのどちらで商品を購入してもポイントが貯まったり、過去の購入商品とサイズ比較ができる機能やレビュー投稿機能など、基本的にリアルとネットのどちらでも見られたり、参加できたり、使えるという機能を重視してきた。今後は、返品対応や自社EC欠品時の店頭在庫の引き当てなど、会員サービスの向上策と併せて質の向上に取り組んでいきたい」

――足もとの欠品対策は。

 「ウェブに投入する在庫量自体はECの成長に伴って増えている。自社EC欠品時の対策としては年初から、ある指数を決めた上でセンター在庫を引き当てる取り組みを始め、受注全体の約3%をカバーしている。消費者の『欲しい』という気持ちにできる限り応えることが大事だ。まずは取り組みやすいセンター在庫から手をつけた。店頭在庫の活用も視野にあるが、その時は売り上げ計上の仕方や評価制度も含めて構築する必要がある。ただ、消費者の方が先にオムニ化していて、顧客が求めるサービスは実現したい」(つづく)


《通

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