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ジン・コーCEOに聞く「オリジナルスティッチ」の成長戦略は? カスタムメード市場を開拓、プラットフォーム事業も始動へ

 
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カスタムシャツの通販サイト「オリジナルスティッチ」を運営するオリジナル社は、カスタムシャツの受注から生産、配送までの仕組みを一括で提供するプラットフォーム事業が近く本格始動する見込みだ。また、スマホ撮影だけでお気に入りのシャツと同じサイズのシャツが簡単に作れる新機能を搭載するなど、テクノロジーを武器にカスタムシャツ市場の開拓を加速する。同社のジン・コーCEOに成長戦略などについて聞いた。

 ――昨年の実績は。

 「『オリジナルスティッチ』の会員数は世界で40万人を超えるなど順調に伸びた。そのうち日本は15万人強で、残りのユーザー数の8割程度が米国だ。会員数は日本、世界ともに前年に比べて約40%増だった。リピート率も70%程度と高い水準で推移している。当社ではカスタムシャツECに不安を感じる消費者のために、サイズが合わなかった場合、最初に届けたシャツの返品は不要とし、無料で一着作り直している。このリメイク率も昨年は上期に比べて下期は半減した」

 ――半減した理由は。

 「初回購入時にいかに最適サイズのシャツを届けるかが大事になるが、このアルゴリズムを昨年は何度か修正した。当社では作り直しする際、初回のシャツのどの部分が合わなかったかを聞いており、そうしたデータを蓄積しアルゴリズムに反映することで、よりピッタリくるシャツを初回から提供できるようになった。リメイク率は会社の経営にとって大事だが、顧客満足度を高める上でも非常に大切だ」

 ――リメイクの対応期間は。

 「従来、商品到着後30日以内であれば仕立て直しを行っていたが、1月からは期間を1年間に延長した。シャツが本当に自分にフィットしているかを判断するにはもっと期間が必要という顧客インサイトを反映した」

 ――昨年は「ボディグラム」やプラットフォーム事業の開始など話題が目白押しだった。

 「お気に入りのシャツをA4用紙と一緒にスマホなどで撮影すると、そのシャツと同じサイズ、シルエットのシャツが簡単に作れる新機能『ボディグラム』を昨年8月に発表したが、必ずしも評判が良いわけではない。技術的にチャレンジングな部分が多く、万全なスタートにはならなかった。格段に進化したバージョン2を開発中で、今年中に公開できると思う」

 ――プラットフォーム事業は。

 「カスタムシャツのECに必要なすべての機能を提供するプラットフォーム事業を昨年3月に発表し、アパレルメーカーやECが初めての企業、小売自体が初めての企業など幅広い業種、商材の企業から予想以上に多くの反響があった」

 ――カスタマイズのECトレンドがきている。

 「『オリジナルスティッチ』を創業した5年くらい前から予想していた波だ。カスタマイズECは既製品を販売するECとはノウハウが異なる。サイトの作り方だけでなく、サプライチェーンの問題もある。注文を受けてから工場に発注する商売であっても、原材料をどのタイミングで仕入れるかなどは難しく、こうしたノウハウが日本のアパレルに刺さった。また、市場分析を含めて世界にリーチできる部分も評価してもらっている」

 ――プラットフォームの導入のされ方は。

 「導入先が『オリジナルスティッチ』ブランドでカスタムシャツを販売するケースもあれば、当社ブランドとは切り離して、導入企業のブランド名でシャツやその他のアパレル商材のカスタムECを展開することもある。今後、シャツに限らず、日本で販売されるアパレル商材のカスタムECのかなりの部分が当社のプラットフォーム経由になると期待している」

 ――「オリジナルスティッチ」ブランドのシャツを販売する企業のメリットは。

 「日本でカスタマイズできるアパレル商材のECは少なく、既存顧客に新しい体験を提供できる。その際、当社ブランドの展開であれば、時間とコストをかけずに事業を始められる。導入先が自社の通販サイトでジャケットやジーンズ、靴などのアパレル商材を販売しているのであれば、品ぞろえのひとつとしても当社のカスタマイズシャツを薦められる」

 ――プラットフォームの提供開始時期は。

 「第一弾の導入先は当社にとっても非常に大事になるため慎重に進めてきたが、早ければ1月中にもローンチできる。第一弾の導入先は有力企業で、『オリジナルスティッチ』ブランドのシャツを展開してもらうことになっており、サービスがスタートするとシャツの生産枚数は少なくてもこれまでの2~3倍になるのではないか」

 ――プラットフォーム事業ではシャツの販売にこだわらない。

 「当社サイトの『オリジナルスティッチ』は当面、シャツのブランドとして展開するが、プラットフォーム事業はシャツにこだわらない。さまざまなアパレル商材に対応して米国の特許を取得している。もちろん、メンズとレディースのどちらにも対応できる

 ――今後はKPIも変化しそうだ。

 「『オリジナルスティッチ』ブランドのシャツ販売枚数というよりも、プラットフォームを使って販売するカスタムメードのシャツやアパレル商材がマーケットでどれくらいのシェアを獲得できるかを重視する」

 ――今年、重点的に取り組むことは。

 「ソフトウェアの開発を加速したい。ソフトウェアを改良すると、プラットフォームの導入企業すべてがメリットを享受できる。サイジングはアルゴリズムを改良することで精度をさらに高める。デザインや生地などのカスタマイズ部分は、顔と手首の写真を撮影するだけで被写体に合うシャツの色や形が分かるアプリ『スタイルボット』の本格ローンチを含めて使いやすさを追求する。サプライチェーンは、できるだけたくさんの世界中の工場と連携することで汎用性を高めていきたい」

ナノ・ユニバース アプリをネイティブ化、ストレスを与えないEC専用アプリに、店舗送客機能も実装

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TSIホールディングス子会社でセレクトショップ運営のナノ・ユニバースは12月11日、スマホアプリをリニューアルした。購入に至るまでの表示速度にこだわったECアプリに改修したほか、実店舗への送客につながる新機能を搭載するなど、リアルとネットの併用を促す仕掛けを本格化する。

 同社では今回、ブラウザを介して動作する一般的なウェブアプリから、スマホ端末の処理で動くスピーディーな表示を実現したネイティブアプリに刷新した。

 従来から同社アプリは特集などのコンテンツ制作に力を注いでおり、アクセス数も順調に伸びていたが、消費者が欲しいと思ってもアプリ内でウェブが立ち上ってスピーディーに購入できなかったため、ネイティブアプリ化することでストレスなく買い物ができるようにした。

 速度の面では、4G携帯で商品検索などを行う場合、「ナノ・ユニバース」のスマホサイト(ウェブブラウザ)では結果が表示されるまでに3秒程度かかるが、新アプリは2秒以下と速く、閲覧ページ数の多いECでは大きな差が生じるという。

 また、今回の改修に合わせてチャットの利便性も高めた。新アプリでは各商品ページに問い合わせボタンを配置。ユーザーがどの商品を見ながらボタンを押したかを運営側は把握できるため、利用者は気になる商品の説明をすぐに受けられる。

 まだチャット利用の母数は少ないものの、「接客できる利点がある」(越智将平経営企画本部WEB戦略部長=写真)ことから、問い合わせボタンを押したユーザーの購入率はサイト全体の平均値よりも10倍程度高いという。

 今後はチャット利用者の増加に合わせて人材の確保を検討。将来的には社内ルールを整備した上で、店頭スタッフのアイドルタイムを有効活用してチャット対応を強化し、人事評価に反映できるようにしたい意向だ。

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 一方、新アプリには実店舗の売り上げに貢献できる機能も実装した。アプリではお気に入り店舗(マイストア)を1店舗設定でき、当該店に行く前にマイストアボタンを押すと、過去にお気に入り登録した商品のうち、同店に在庫のあるアイテムだけが一覧表示される。

 店舗在庫は以前から通販サイトでも確認できるが、各商品の詳細ページからそれぞれ確認する仕組みで、アプリではマイストアボタンで一気に閲覧できるため手間がかからない。
 加えて、スマホのGPS機能を活用し、ユーザーがマイストアボタンを押さなくてもお気に入り登録した商品がマイストアにあれば、利用者が当該店の近くに来たタイミングでプッシュ通知を行うことで来店を促す。

 通知には「○○店にあなたのお気に入り商品があります」とシンプルに表示し、これを開くと在庫のあるお気に入り商品が一覧で確認できる仕組みで、現状は店舗から200メートル以内に近づくと知らせる設定のほか、利用者にストレスを与えないため、同じ内容の通知は1週間以内には送らないという。

 さらに、新アプリでは実店舗への送客効果が見込める割引クーポンも発行する。通常、通販サイトで発行するクーポンはクーポンコードで制御し、利用者がカートでコードを入力すると安くなるが、実店舗では使用できない。同社はECだけでなく、店舗も含めた顧客購買情報に基づくさまざまなクーポンを発行。店頭でクーポンを使う場合は対象のバーコードを表示し、販売スタッフが読み込むことで使用できる。

 人口減少に伴う国内ファッション産業の縮小は避けられず、アパレルEC市場は伸びているものの、ナノ・ユニバースはすでにEC化率が約4割に達し、ECの成長で店舗の減少分を補う他のアパレル企業とは状況が異なるため、「既存顧客のロイヤルカスタマー化が間違いなく大事になる」(越智部長)とする。同社ではスマホで事前に下調べをしてから店舗に来店した顧客は店頭購入率が大幅に上昇することが分かっており、とくに店頭とECの併用客を増やすことで成長をとめない体制を築く。

 この数年は店頭からECへの誘導を重視してきたが、店舗起点でECを利用するようになった顧客をもう一度店舗に送客することが"伸びしろ"になると判断。新アプリで後押しする考え。

UUUM、動画コマースに参入 10代が集まる売り場目指す

5-1.jpg ユーチューバーのマネジメントなどを手がけるUUUM(ウーム)は12月8日、お宝と出会える通販サイト「MUUU(ムー・ドットコム)」をスタートし、開設直後からユーチューバーのグッズが完売するなど10代を中心に好評を得ているようだ。

 同社はHIKAKIN(ヒカキン)や東海オンエア、はじめしゃちょー、水溜りボンドといった人気ユーチューバーを数多く抱え、月間の合計動画再生回数は昨年8月に30億回を記録。動画広告収入と企業からのタイアップ広告料が収益の柱だが、所属ユーチューバーを起用した物販を本格化することで、第3の柱として自社ECを育成したい考え。

 現状、「ムー・ドットコム」では、人気ユーチューバーの限定グッズのほか、テレビ離れが進む若年層と相性の良いアイテムを、同社所属のユーチューバーが動画で紹介する形で販売している。
 各動画の尺や内容などの構成面は基本的にユーチューバーに任せることで各自の持ち味を発揮してもらうとともに、視聴者が違和感なく見られるようにしている。ユーチューバーは自身のユーチューブチャンネルにそのほかの動画と同様にアップし、通販展開する商品の動画は「ムー・ドットコム」へのリンクを貼って誘導。通販サイトでも同じ動画が視聴できるほか、商品の詳細情報を記載して購入を促す。

 所属ユーチューバーは多くのチャンネル登録者やSNSのフォロワーを持つため、同社では外部のウェブ広告を使わずにサイト集客できるのが強みのほか、「ユーチューバーのファンは粘着力が強く、ECとしてのポテンシャルは高い」(松山奨執行役員)という。 実際、約260万人のユーチューブチャンネル登録者を抱える東海オンエアの「ムー・ドットコム」限定オリジナルポストカードセット(税込1080円)を12月中旬に販売したところ即完売し、通販サイトやユーチューブチャンネルのコメント欄、ツイッター上で再販売を望む声が多数上がり、再販を決定したケースも出てきている。

 同社では、ユーチューバーのインフルエンス力や同社が主催するユーチューバーの祭典「U―FES.」などのリアルイベントを通じて若年層にリーチできる利点と、「ムー・ドットコム」でしか買えない商品を企画・販売することで、「圧倒的に10代が集まるECのプラットフォームを目指す」(松山執行役員)とし、月間数千点単位で商品を展開できるようにしていくという。

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 今期(2018年5月期)は、食品やコスメ・美容系、ファッション商材、玩具などターゲット層に響く商品の幅を広げる。その際、各商品ジャンルに強いユーチューバーを起用することで、説得力を高める。また、ユーチューバーの限定グッズを強化するほか、ユーチューバー自身が手がけるD2C型のオリジナルブランド(オンラインSPA)も計画する。

 加えて、メーカーとタイアップし、「ムー・ドットコム」の限定フレーバーや限定パッケージといった専用品の販売も含め、マーケティングツールとしても活用してもらえるようにする。

 来期には、10代が買い物をするウェブ上の売り場として一定の規模感を目指す考えで、スマホアプリの開発を急ぐ方針だ。

 また、日本のユーチューバーを好む外国人もいるため、台湾や中国向けの販売体制も整備していくという。

※写真は松山奨執行役員㊧と附田良徳ライブ・エンタテイメントユニットグループリーダー

TSI ECストラテジー アプリのネイティブ化に着手、表示速度や安全面に強み

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 TSIホールディングス傘下のTSIECストラテジーは、グループの自社EC強化と顧客の利便性向上を図るため、決済までアプリ内で完結するネイティブアプリ化を各ブランドで進める。

 TSIグループは前期(2017年2月期)の後半から今期初めに各ブランドで、ブラウザで簡単にアプリを制作できるサービス「ヤプリ」を使ったスマホアプリを相次いで始動。スマホでもストレスを感じずに商品カタログやルックブックなどを閲覧でき、顧客基盤となるメンバーズカード機能のある「ヤプリ」を第1弾として採用した。

 アプリの利用者を増やすため、店頭販売員の啓蒙活動に力を注ぎ、各ブランド店舗の協力を得ながら顧客接点をモバイルに集中。アプリはEC機能に特化せず、メンバーズカード機能を持たせたことで使用頻度が高まり、既存の会員証カードからアプリへの移行が順調に進んだという。

 TSIECストラテジー管轄の会社集計では、前期のモバイル購入比率は70・7%、そのうちアプリ経由は6・1%だったが、今第2四半期はモバイル購入比率が74・3%、アプリ経由は14・2%に拡大。「ヤプリ」を活用したアプリの成果が短期間で出た。

 アプリ展開の第2弾は、ブラウザを介して動作する一般的なウェブアプリから、スマホなど端末の処理で動くネイティブアプリ化を進める考えで、表示速度の速さやセキュリティー対策などに強みを持つ米プレディクト・スプリング社のモバイルコマース用プラットフォームを日本で初めて採用。まずは「ナチュラルビューティー」や「ピンキーアンドダイアン」などグループの6ブランドを展開するモール型の「東京スタイル公式オンラインストア」が18年1月初旬にネイティブアプリをスタートする。

 米社のプラットフォームはアップルの決済サービス「アップルペイ」がモジュールとして実装されているため、タッチID(指紋認証)でのログインや決済に対応。ユーザーが購入を決めてから決済までのスピードが格段に速くなるという。日本では現在、決済代行会社がモジュール開発を進めており、東京スタイルのネイティブアプリでアップルペイが利用できるのは春頃の見込み。

 アプリ運営者が顧客のカード情報を持たないため、ユーザーは安心して、しかも楽に決済できるため、日本でもモバイル系スマートペイの活用は増える見込みだ。

 新アプリは支払い方法でカード決済を選んでも、カメラマークをタップするとカメラが起動し、利用者がクレジットカードを撮影するだけで必要な情報を自動的に読み込むが、この場合も運営者側にカード情報は記録されない仕組みで、「セキュリティーの主導権は運営者ではなく、消費者にあることが大事になる」(柏木又浩社長)としている。

 アプリの検索窓の横にバーコードマークがあり、カメラ機能を使って気になる商品のタグを読み込むとECの商品ページに遷移するため、お気に入り登録すれば自宅でゆっくり検討できる。

 TSIでは東京スタイルを皮切りに、春までにさらに4つのネイティブアプリ化を計画。「ローズバッド」と「パーリーゲイツ」のほか、「マーガレット・ハウエル」もしくは「MHL」の3ブランドでアプリを刷新するのに加え、「ナチュラルビューティーベーシック」や「フリーズマート」などサンエー・ビーディーが手がける6ブランドの通販サイトを2月1日に「BDモール」として統合し、2月末~3月初旬にはネイティブアプリもローンチする。

 TSIグループはネイティブアプリ化による表示速度の改善や、タッチIDやカメラ機能などによる快適な買い物体験を提供することで、EC売上高に占める自社ECの比率向上にもつなげる。

ヤフー 「ECを国内1位にする」、2020年代初頭までに、グループ全体で拡大へ

5-1.jpg 「2020年代初頭に楽天やアマゾンを超える国内No.1のECサービスになる」。ヤフーで仮想モール「ヤフーショッピング」やネット競売「ヤフオク!」などのEC関連事業を管轄するコマースグループを統括するグループ長の川邊健太郎副社長は12月7日に報道陣などを集めて開催した会合で自社が展開するECサービスの目標についてこう宣言した(写真)

 現状、「ヤフーショッピング」などのEC関連の流通総額は前期決算終了時点では5000億円弱に対し、先を行く競合の流通総額は2兆円超と彼我の差は大きい。わずか数年でこの差をどう埋め、前に躍り出られるか。具体的な戦略やその高い目標に到達するための勝算について、「ヤフーショッピング」などを統括するショッピングカンパニー長の小澤隆生執行役員はグループ全体の"カード"を組み合わせ、ビジネスを多層化することでトップに躍り出ることが可能になると解説する。小澤氏曰くヤフーが属するソフトバンクグループは「携帯電話キャリアとEC、検索、メディア、決済・金融、会員組織(※有料会員「ヤフープレミアム」)という6つを持った世界で唯一の企業グループ」とした上で、単独の事業で収益を見るのではなく、これらの6つの事業をうまく組み合わせた戦略を採っていくことがポイントだと話す。

 例えば今年からソフトバンク(SB)の携帯電話契約者を、「ヤフーショッピング」での商品購入時のTポイントの付与率を一般ユーザーの5倍とするなど様々な特典を付けている「ヤフープレミアム」の会員とみなし、さらにポイント付与率を増やして10倍の10%とする試みを始めたが、これにより、SBユーザーの購入率が大幅に伸び、流通総額の大きな押し上げにつながるなど「まずキャリアとショッピングモールをくっつけてみたら相当うまく行った」とした上で「これまでは各事業がそれぞれ収益を追いかけていて有機的にできなかったが、これからはまだ4、5つはある"カード"を活用していきたい。これまでヤフーは『ヤフーショッピング』で売った瞬間だけで儲けようとする手足を縛って戦っているような状態だったが、上下を含めて儲かればよいはず」という。

 つまり、有店舗小売業が小売りでは儲けが出ていなくとも決済・金融事業や不動産事業などの別事業で全体で収益化していることや、アマゾンが戦略的な価格で客集めを行う直販での収益はあまりなくとも、「マーケットプレイス」からの手数料やECとはまったく異なるクラウドサービス「AWS」で稼ぎ出した利益を使い、会社全体を成長させていることと同様に、コマース事業もグループの他の事業の収益化に貢献するための1つのカードという考え方で「全部ひっくるめて収益が成り立っていればよいはず。単体で赤字黒字と論ずるのは意味がない」とし、ECの金の流れを活用して決済・金融事業を展開したり、それらのデータをフィードバックして広告事業にも活用することで会社全体の事業戦略にも結びつけることもできるという。

 また、「現状、端末や通信環境など3キャリア間で差別化できる要素は少ない。究極的にはキャリアが儲かっていればよいと考えれば、SBユーザー10%ポイント付与のような一見、不経済な施策ができる。SBを使う意味の1つに『ヤフーショッピング』があり、それによりSBの契約をやめる人が減り、新規で利用する人も増えればそれでいい」とし、現在のSBの個人契約者が約2000万人程度で仮定した上で「仮に1人が年間20万円購入して頂ければ流通総額は4兆円でトップになれる」とSBユーザーへの優遇措置を高めていわばSB利用者用の会員制ECにしてしまっても競合よりも前に立てる可能性もあるという。

 ただ、もちろん、それだけでなく、"他の手"による流通総額拡大策も進める。「アマゾンや楽天になくヤフーにあるものは間もなく100万を突破するであろう出店者数。この100万のマーケッターとどのような試みができるのか。例えばリアルの物流拠点として見てもすごいことができそうだ。これからいろいろと取り組んでいきたい」と意気込みを語った。

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