Home > 媒体研究(ネット・モバイル) Archive

媒体研究(ネット・モバイル) Archive

TSIグループのEC戦略は?㊤ O2Oサイトがけん引役に

051.jpg TSIホールディングス傘下のTSIECストラテジーは、グループEC戦略のけん引役としてブランド単位のオムニチャネルサイト(O2Oサイト)を強化・拡充するのに加え、ポイント機能付きのブランドアプリ開発のほか、越境ECや海外ECモールへの本格出店などに乗り出す計画だ。

 TSIグループは、実店舗については構造改革に伴うブランド廃止や店舗閉鎖などで減収傾向が続いているが、2016年2月期のグループEC売上高は前年比7・9%増の196億8400万円と堅調で、今後も安定成長を目指している。

 成長のけん引役として期待しているのが、商品の店頭受け取りや取り寄せ(試着予約)、店舗在庫の確認などができるブランド単位のO2Oサイトで、前期はECストラテジー管轄でECを展開するブランドのうち14ブランドのO2Oサイトを新たに開設し、O2Oサイトは25サイトまで拡大した。

 同社によると、O2Oサイトの開設ラッシュとなったのは、基幹システムの刷新で新サイトを立ち上げやすくなったことに加え、2年前に先行実施した5ブランドのO2Oサイトの成果をしっかりと検証ができたことが大きいという。

 とくに、「マーガレット・ハウエル」と「ナチュラルビューティーベーシック(NBB)」(=画像)というテイストや価格帯が異なる主力ブランドを先行して開設したところ、ECと実店舗を併用する顧客の購買単価は、どちらか一方の販売チャネルだけを利用している顧客に比べ、前者のブランドではプロパー期で約2・7倍、セール期は約3倍に、後者もプロパー期で約2・5倍、セール期は約2・7倍となり、ブランドに触れてもらえる時間が多いほど購買額が高まる傾向が得られたことをグループ内で共有し、前期のO2Oサイトの開設ラッシュにつながったようだ。

 グループのブランドを横断的に扱うモール型の自社通販サイト「ミックスドットトウキョウ」とは異なり、O2Oサイトではブランドごとの集客施策が奏功したことや、各ブランド事業部と店舗のECに対する意識が変化したこともあり、前期のO2Oサイトの売上高は予算比で40%増と好調に推移。「新規開設したすべてのブランドで成果が得られた」(柏木又浩社長)とする。

東京スタイルのブランドも着手

 一方、モール型の「ミックスドットトウキョウ」については、テストマーケティングを行うためのプラットフォームと位置付け、ウェブ接客ツールの「カルテ」など、新規のソリューションやアプリケーションを導入してトライ&エラーを繰り返し、成果が出たツールをO2Oサイトに移植している。

 加えて、モール型サイトでは前期、ウェブ広告やアクセス解析など外部サービスが発行するHTMLタグを管理するタグマネジメントに注力。「タグやフィードをしっかりと使えないECは成功確率が上がらない」(柏木社長)とし、バックヤードの精度向上に努めた。

 また、顧客を5階層に分け、ウェブ上でも上位顧客を大切にする姿勢を明確にしたことなどもあり、「ミックスドットトウキョウ」の前期売上高も予算比で約30%増となり、マイナスとなった月はなかったという。

 今期は、残りのブランドについてもO2Oサイトの開設を推進。6月までに東京スタイルが手がける「ヴァンドゥー・オクトーブル」や「ピンキー&ダイアン」など5ブランドを含む6ブランドでスタートする。また、一部のブランドでは、あえてネットでは販売しない店頭限定品を展開。店頭受け取りを促すことで、客数の少ない実店舗の来店促進策としてO2Oサイトを活用することにも挑戦する。
(つづく)

コックス、デジタリゼーションを推進

5-1.jpg
イオングループで衣料品専門店を展開するコックスは、成長戦略の一環として"デジタリゼーション"を掲げ、ネットとリアルの相互送客に力を注ぐほか、EC限定ブランドの開発や他社商材の販売にも乗り出すことで新たな客層を開拓し、EC強化につなげる。

 同社は2011年6月に、展開するブランドの商品がすべて購入できるモール型の自社通販サイトを開設。物流センター内に撮影スタジオを設け、ささげ業務などを内製化してEC事業をスタートした。その後、13年にショップブログを開設したほか、14年3月には実店舗とECでポイントを共通化。昨年9月には自社ECとアプリの商品ページに店頭の在庫状況が確認できる機能を実装するなど、シームレスなコミュニケーション環境を整えてきた。

 自社EC以外では、14年3月に主力ブランドの「イッカ」を「ゾゾタウン」に出店したのを皮切りにファッション系ECモールとの取り引きを拡大させている。

 同社では、自社ECの開設と同時にささげ業務を始めた強みを生かし、最近では他社モールに掲載する写真を自社撮影の画像に積極的に切り替えているほか、自社ECではブランドイメージを最大限に出すためにランディングページを強化している。また、EC用の写真を店頭のポップにも活用するなど、ささげ機能を資産として有効活用している。

 今期は、4月にショップブログを刷新し、商品マスターとの連携を開始。ブログの下に自社ECの商品画像を表示して、気になった商品はECの商品ページからそのまま購入できるようにした。また、管理画面ではブログ経由の訪問客数やEC購入額を把握できるようにし、販売員の意識改革にもつなげているようだ。

 既存顧客の定着化に向けては6月から、EC会員を対象に1to1マーケティングを本格始動。購入履歴に基づいた個別のメルマガ配信を強化することで、メルマガ経由のEC売上高を前期の約18%から今期は30%を目標に据える。

 10月には自社ECのフルリニューアルも計画。同社では自社ECにおけるスマホ経由の購入率が13年度の35%に対し、14年度は53%、15年度は68%まで高まっていることから、今回の全面刷新を機にスマホサイトを優先したページ作りに転換し、検索機能の拡充などユーザビリティーの向上に力を注ぐことで収益性の向上を図り、前期は微増にとどまった自社ECを成長軌道に乗せる。

 他社モールについても、自社ECとの在庫一元化に取り組むことで効率化を図る。

 同社によると、中期的には自社ブランドだけでなく、取り扱い品目を拡大することで新たな客層を開拓することも視野にあり、モール型ECのプラットフォームを利用してさまざまな商品やサービスを扱いたい考え。

 また、EC限定アイテムなどは展開しているが、今後はEC専用ブランドの開発を検討するほか、「ECからスタートして実店舗を構えるケースも出てくるのでは」(武田竜弥デジタリゼーション営業部部長)とする。

 なお、同社の16年2月期のEC売上高はモール経由の販売が好調だったこともあって前年比71・9%増の約10億円に拡大。今期は同約50%増を目標とする。

マガシーク  キュレーションメディア始動、消費者の"欲しい"瞬間を演出

 5-1.jpgマガシークは、4月14日からキュレーションメディア「MagaCafe(マガカフェ)」(=画像)を本格始動している。

 同社では、消費者が欲しいと思う瞬間を演出し、解決することをミッションとしている。従来は雑誌が欲しい瞬間を演出し、通販サイト「マガシーク」が解決の場となってきたが、雑誌離れに加えて出版社もECに取り組むなど、雑誌との関係性が変化しており、同社としても"欲しい"を演出する仕掛けが必要で、「マガカフェ」の取り組みはその一環という。

 「マガカフェ」は服を売る場所ではなく、ファッションマガジンとして独立した世界観で読んでもらいたいことから、通販サイトと別ドメインで展開している。

 配信する記事はキュレーションメディア「4meee!(フォーミー)」を手がけるロケットベンチャーが担当するが、同社が抱えるキュレーターには事前にテーマや商材、トレンド情報などを伝え、記事は両社で二重にチェックすることで質を保ちながら、毎日8本程度の記事を配信する。

 ファッション系メディアは競合も多いが、マガシークのMD担当者が早い段階で吸い上げてきたトレンド情報などをキュレーターに提供できる強みを生かし、情報の鮮度と量を含めてEC運営企業にしかできないキュレーションメディアとして差別化を図る考え。

 記事はファッションに特化しているが、同社の主要顧客層は30~40代女性でライフステージが多様化する年代でもあるため、反響を見ながら美容や旅行、グルメなどにも広げるとともに、「マガカフェ」で20代への接触を増やし、若い層の開拓にもつなげる。また、アプリ化も検討していく。

 「マガシーク」で扱うアイテムは記事内の「販売サイトをチェック」ボタンから商品ページに誘導。「マガカフェ」経由の売り上げにこだわる一方、「メディアは面白くなければ存在価値がなく、一定の中立性は必要」(高松貴宏マガシーク事業本部UX・マーケティング部長)とし、通販サイトで扱いのない商品を紹介するケースもある。

 記事は「マガシーク」のフェイスブックとツイッターの公式アカウントでも配信。従来であれば通販サイトで扱う新作の紹介やキャンペーン告知が中心だったが、記事をタイムラインに流すことで、「いいね!」数やシェア数に大きな変化はないものの、PVやリーチ数が上昇しているという。

 新規読者の開拓はロケットベンチャーのノウハウを活用。SEOを意識したタイトルや記事構成で集客につなげる。

 一方、「マガカフェ」の検索性については改善が必要で、フリー検索や話題のキーワードから選ぶことはできるものの、1日当たり8本程度の記事を更新していることから、カテゴリーやシーン別などでも検索できるようにしたい意向だ。

 また、「マガカフェ」に掲載した商品の欠品対策も課題のひとつ。記事を読んで商品に興味を持った読者をがっかりさせないことは大事で、がっかり体験の積み重ねは「マガカフェ」の価値低下にもつながることから、ロケットベンチャーの協力のもと、運用面での工夫や改善を図る。

 今後、キュレーションメディアとしての力が増してくれば、記事掲載できる強みを生かして、通販サイトの取引先ブランドに在庫を多く積んでもらう交渉にもつなげたい考え。現状では通販サイトの強化品番について、通常であれば1~2週間かかる記事作成を約3日で更新できる体制を整えつつあるようだ。

「PCボンバー」、売上減も店舗閉鎖などコスト削減で増益確保

051.jpg 家電、パソコンなどを取り扱う通販サイト「PCボンバー」の売上高が落ち込んでいる。2013年2月期の約277億円をピークに年々減少しており、16年2月期は約140億円となったもようだ。近年はこれまで出店していなかった仮想モールに店舗を開設するなど、販路を拡大。17年2月期は売上高の回復を目指す。

 PCボンバーは、価格比較サイト「価格.com」からの集客が中心。安値戦略で業績を拡大してきた。エコポイント商戦のあった10年以降も売り上げを伸ばしていたが、13年2月期をピークに売り上げが減少。近年、業績が低迷する家電メーカーは生産台数を絞っており、同店のようなネット専業に流れる安価な商品の台数が減っている。また、価格.comにおける、1クリックあたりに発生する課金の単価が上がっていることも響いている。

 そのため同店では、管理コストの見直しを進めた。通販サイトで注文した商品の店舗受け取り拠点としていた、東京都台東区の本社にあった実店舗を閉店。本社も同区内の別のビルに移転した。また、以前は大阪や仙台、博多といった各地の営業所ごとに通販サイトを開設、拠点で独自に仕入れた商品の価格情報を価格.comに掲載していたが、これも取りやめた(商品の仕入れは継続)。現在は、PCボンバーのほか、クレジットカード決済に対応した「PCボンバーSMART」に絞っている。

 また、販路を拡大するために仮想モールへの出店を開始。まず、14年4月にはアマゾンジャパンの「アマゾンマーケットプレイス」に店を出した。さらには楽天の「楽天市場」、ヤフーの「ヤフーショッピング」、リクルートライフスタイルの「ポンパレモール」にも出店している。この中でも、アマゾンについては、価格.comユーザーとは毛色の違うユーザーが取り込めており、一定の成果が挙がっているようだ。

 物流でもコスト削減を進めた。以前は都内の自社倉庫から出荷していたが、現在は社外の倉庫にアウトソーシングしている。「これまで固定費だった部分が変動費になったことで、人件費がかなり削減できている」(同店今井浩和常務)。

 16年2月期の売り上げについては、約140億円で、前期から減収となったもよう。ただし、利幅の大きい商品の取扱や、コストを削減したことなどにより利益率は向上し、増益となっている。17年2月期については「増収増益を目指したい」(同)という。

 同店では、中古商品も取り扱っており、買い取り価格の検索や買い取り依頼ができるサイト「買取けんさく君」(=画像)を運営している。ただ、大手の中古家電買い取りサービスに比べると、ユーザーの認知度はまだ低いのが実情。買い取り価格での優位性を確立することで、周知を進めたい考えだ。中古の販売は新品販売に比べて利幅が大きいことから、今後も強化していく考え。

 また、年内には通販サイトに新システムを導入する予定。現在、スマートフォン向けサイトはパソコン向けサイトを自動で変換しているだけだが、専用サイトを用意する。また、仮想モールとの在庫自動連携も導入することで効率化を進める。現在実施していない、通販サイトで注文した商品の店舗受け取りについても、仕組みは新システムにも組み込む予定で、「いずれは店舗受け取りを復活させたい」(今井常務)とする。


イケア・ジャパン  東京23区で通販開始、船橋店の商品をメールで受注

 5-1.jpgスウェーデンのインテリア販売企業イケアグループの日本法人であるイケア・ジャパンは4月24日、実店舗の「IKEA船橋」(千葉県船橋市)において千葉県と東京23区を対象とした通販サービスを開始した。

 開始したのはメールで注文できる「メールショッピングサービス」(=画像は利用イメージ)で、購入対象商品は同店舗で取り扱う食料品を除いた家具や生活雑貨など合計8900種類。顧客が同社のウェブサイトで商品を選びショッピングリストを作成して、PDF形式に保存したリストを専用の申し込みサイトを使って送信する仕組み。

 受注から発送までのオペレーションに関して当面は既存の部署で行う予定。同店の「カスタマーリレーション部門」を中心に注文メールに対応し、その後実店舗での購入・配送手続き代行などを手がける「ピックアップ代行サービス」のスタッフが倉庫から注文商品をデリバリー部署に回して発送するという。利用料金は商品代金とオーダー手数料の500円、配送料金など。部屋搬入や組み立て、カーテン加工のサービスは別途料金が必要となる。

 同サービスは2014年に福岡県内の「IKEA福岡新宮」店舗で福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島、山口(離島を除く)を配送対象に開始し、翌15年には仙台市内の「IKEA仙台」店舗でも東北6県および北海道を対象に始めていた。今回は4月24日のIKEA船橋のリニューアルに伴って開始したもので、千葉県と東京23区が対象となる。

 物量の多い首都圏で開始するのは今回が初めてとなるが「これまでも新生活シーズンで多くの物量を捌いていたのでまったく問題ない。商圏にいる顧客に対して、買い忘れた際の再来店といった手間がなく気軽に購入できる仕組みとしてスタートした」(同社)としている。

< 3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13

全ての記事一覧

Home > 媒体研究(ネット・モバイル) Archive

Amazon出品サービス
Search
Feeds

△ ページtopへ