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【張本貴雄社長に聞く 分社化、新体制での今後の戦略㊤】 CROOZ SHOPLIST、中長期で売上高1000億円へ、「ユーザー評価」を露出に反映

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 EC事業などを手がけるクルーズは3月14日に主力事業であるファッションECモールの「SHOPLIST(ショップリスト)」事業を会社分割して、100%子会社であるCROOZ SHOPLISTを新たに設立した。ファストファッションに特化して顧客開拓を図り、着実に成長曲線を描く同モールの今後の戦略について、新会社社長に就任した張本貴雄氏(写真)に話を聞いた。

 ――今回、子会社化したことでの変化やメリットとは。

 「基本的には変わらないというのが正直なところ。ただ、クルーズグループのビジョンとして100人の経営者を生み出していくミッションがあるので、自身もグループの役員として全うしなくてはいけない。ショップリストの中長期ビジョンは『500万人のユニーク購入者×年間購入単価2万円』で、売り上げ1000億円を目指している。実際に500万人以上の訪問者は来ているので、そこで100%購入してもらえれば確実に達成できる」

 ――昨年からショップリスト内で行っていた新規事業のEC支援サービスも本格化していく。

 「ショップリストのシステムをそのまま外部提供する新会社のCROOZ EC Partnersでは、他社のプロモーションから物流などすべてを支援している。自分たちが実際にサイトを運営していきたという強みがあり、また、これまで成長してきた中でフェーズごとに合わせたノウハウを提供することができる。この事業はこれからの柱になることが期待できる」

 ――ショップリストでスローガンとしていることとは。

 「立ち上げ当初から『世の中のインフラをつくる』ということをビジョンに掲げてきた。よく例えるのが『電車』で、決められた時間に来て乗れば確実に目的地に着けるが、そのことに対して人は特別な感謝などを抱かず当たり前に利用している。感謝を持たないということは日常的に使っていてそれが自身の生活の一部になっているということ。自分たちもそのような当たり前を作りたい」

 ――出店者向けのカンファレンスでは毎年キーワードを発表している。

 「まず、17年のキーワードが『ユーザーギャップゼロ』だった。これは開設5年でかなりのブランド数と売上高を作ることができた。その一方で売り上げ先行型で来た分、『写真と印象が違う』『サイズが合わない』といったユーザーギャップが起きることも一部であった。ECはいくら新規をとっても、既存の積み上げがないと成長しない。リピートを得るためにギャップを埋める作業が必要だと感じ、17年度は整備の年と位置付けた」

 ――具体的に取り組んだこととは。

 「この1年間、様々な指標をもとにユーザー評価を緻密に計算して見える化し、商品の露出頻度などを変えていった。結果、17年度は第3四半期までで2回目転換率がある程度改善できたので、第4四半期では広告宣伝を復活してまた売り上げを伸ばすことができた」

 ――ユーザー評価の仕組みとは。

 「様々な細かい指標から成り立っているが、例えば配送遅延率、欠品率、レビュー、新商品の投入型数などがあり、それらの項目をもとにユーザー評価を算出している。出店者にはその評価内容を毎月提示しており、最優先で改善すべき課題が分かるようにしている。やはり出店者も改善すべき内容が分かれば改善してもらえる。仮に配送遅延が起きるようであれば、『全SKUを1ピースずつでも当社の倉庫に入れておいてもらうことで改善しましょう』という形で一緒に解決していく。そうしていくことでユーザーギャップが埋まり評価が上がっていく」

 ――ユーザー評価が上がることのメリットは。

 「顧客が商品検索した際にユーザーギャップのない商品から上位に表示される仕組みがある。また、ユーザー評価が高い出店者はメルマガのほかにサイト上で発信している『ブランドニュース』という枠で新商品情報や商品づくりの背景などをアピールすることもできる。ショップリストは広告があるモールではなく、露出の枠をお金では買えないので、(露出機会を増やすためには)質を高めていってくださいという方針。実際にユーザー評価が上がった店舗は売り上げが大きく変わっている」

 ――今期は「サーチ×ファインド×バイ」をキーワードとしている。

 「現状25万型商品・130万SKUを展開しているが、今のECは画像で探す時代。『探しやすい体験を提供して好きな商品に最短で出会える』ということをテクノロジーで解決するということが今年のテーマ。AIを使った画像検索は7月頃から試験的に開始する予定。リアルで買い物している時に気に入った商品を撮影してその画像を使って(近い商品を)検索できるようなイメージ。

 当然、「ユーザーギャップゼロ」も並行して進めていく。『サーチ×ファインド×バイ』はあくまでも手段であり、時代と共に変わっていくもの。この両輪を上手く回して行けるプラットフォームになりたい」(つづく)


【ジオシス・プライベート・リミテッド Qoo10新体制の現状と今後㊦】 新規出店の拡大路線へ、認知度向上へマーケティング強化

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 前号に引き続き、今年5月に米eBay(イーベイ)に買収されたジオシス・プライベート・リミテッド(旧・ジオシス)が運営する仮想モールのQoo10について、新たに戦略担当本部長に就任した滋炫具(写真=ジャヒョン・グ)氏に、今後の運営方針や日本のEC市場の展望などについて話を聞いた。

                    ◇

 ――日本のEC市場では楽天市場やアマゾンなど、既存の大手仮想モールが大きく先行している。対抗に向けては。

 「彼らと同じ戦略では無理だと思う。我々だけができるところ、今はまだシェアが小さいからこそできるようなところに集中していきたい。小さいだけに伸びしろは十分にあると考えている。

 特に我々の場合、韓国やアメリカにもプラットフォームがあり、Qoo10の取引高の数十%はすでに海外からのものとなっている。この割合は同業他社に比べても非常に高い数値だと思う」

 ――モールのレイアウトやUIなどを大きく変える予定は。

 「Qoo10はグローバルな会社で、プラットフォーム(の作り)について日本に十分なローカライズができていない部分もあったと思う。今後はUIやユーザーエクスペリエンスを日本の顧客視点に合わせた仕組みにする作業も必要になるだろう」

 ――今後、出店者に向けた施策でテコ入れしていく内容とは。

 「イーベイのブランドもありマーケティングも強化を図っていく中で、より大きい規模の企業の出店開拓を狙っていきたい。まず内部では営業部隊の組織を変えていく可能性がある。今までは既存の出店者の販売をどう伸ばすかにフォーカスしていたが、今後は『拡大』をキーワードに新規出店者を広げることに注力していく。

 また、これまではQoo10のブランドマーケティングはほとんど行っておらず、利用者以外の認知度が低かった。これからは積極的に行っていきたい」

 ――ブランド認知はどのような形で広げていくのか。

 「具体的な内容についてはまだ決まっていないが、例えば現在の韓国の『Gマーケット』では、K―POPの中でも特に人気の高い男性グループなどを起用してテレビやネットを通じた規模の大きなマーケティングを行っている。日本で同じ内容になるかは分からないが、ブランディングに力を入れないと新しい顧客を開拓することは難しいという認識がある」

 ――そのほか、組織構成などで変わっていく点などはあるか。

 「人数も社員も今年は大きく変わらないと思う。開発などにいるスタッフが増える可能性はあるが、そのほかのメンバーの数などは現状の日本にいるスタッフたちで行くと思う。とにかく今あるメリットをどう生かしていくかを最優先で考える時期なので、具体的なビジョンや目標などは来年以降に明確にできるだろう。方向性として『営業の拡大』と『マーケティングの強化』の2つが大きな柱となることは間違いない」(おわり)


【ジオシス・プライベート・リミテッド Qoo10新体制の現状と今後㊤】 日本EC市場の伸びに期待、若年女性起点にレンジ拡大

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 今年5月に米eBay(イーベイ)に買収されたジオシス・プライベート・リミテッド(旧・ジオシス)は、仮想モール「Qoo10」の新体制の構築に向けた準備を着々と進めている。同月にはイーベイ・コリアで現地最大手の仮想モール「Gマーケット」の運営にも携わっていた滋炫具(写真=ジャヒョン・グ)氏がQoo10の戦略担当本部長に就任。日本よりも先行してイーベイ傘下となった韓国のGマーケットでの成功体験をもとに、今後、日本で展開していく運営方針や取り組み計画について具氏に話を聞いた。

 ――イーベイのビジネスモデルとは。

 「オンラインマーケットプレイスとしてバイヤーとセラーをつなげている。昨年のグローバルでの取引高は約10兆円、この内アジアの割合は25~30%。これまで日本では輸出しか行っておらず、その規模はまだ中国などに比べて小さい。しかしながら成長率では毎年30~40%程度で伸びている」

 ――日本よりも先行している、韓国ではどのようなビジネスモデルを展開しているのか。

 「韓国ではGマーケットとオークションの2サイトを主に運営しており、2サイトの取扱高は約1兆5000億円。マーケットシェアは15~20%近くあり、現地最大手のEC企業となる。

 韓国は小売りに占めるECの割合が他国に比べて非常に高く、15~17%とも言われており、日本と比較して2倍程度の規模があると見られている。これはネットの普及が早かったことに加え、国土や人口集中といった要因からロジスティクスの環境でも非常に有利な条件にあったことがECが盛んになっている理由だと思う」

 ――韓国のEC市場での日本商品の評価は。

 「イーベイでは日本の仮想モールと提携して一部商品の輸出販売や個人企業の商品販売などを行っているが、統計を見ると日本のドラッグストアで扱っているコスメ、薬をはじめ、ファッションアイテム、ゴルフクラブ、スポーツウェア、食品などが売れている。食品ではこんにゃくゼリーのほか、醤油、ラー油といった調味料なども人気で、単価が高いものでもよく出ている」

 ――今回、イーベイが日本のQoo10事業を買収した理由は。

 「アジア市場展開の一つとして、日本に魅力を感じた。元々、ジオシスの株式の40%の持ち分があって、その残りを買い上げた形となる。現在の日本のEC化率は低いので、まだまだ伸びると思う。小売り市場全体の伸び率はそこまで高くはないが、EC市場は毎年10~20%程度ずつ伸びている。その中で一部のシェアを取るだけでもかなりの規模が見込める。

 Qoo10が今すぐメジャープレイヤーになれるということではないが、特定の顧客に対して特定のバリューを提供できるニッチプレイヤーとしての意味が今はあると思う。そこからシェアを徐々に伸ばしていくことでメジャープレイヤーへの道は開けていく。そのポテンシャルがあると考えて日本の市場に入った」

 ――今後の日本での戦略について。

 「Qoo10が持っている一番のメリットは20~30代の若い女性が顧客層の7割、8割を占めているということ。女性を顧客ベースに持っているのでそれを増やしていくと年齢のレンジも上げて行けるし、男性客も獲得することができる。これが反対だと難しいと思う。まずは今のコアターゲットに向けてどのようなバリューを提供できるかを考えていかなくてはならない。ファッション、コスメなど20~30代に人気のあるカテゴリーをより強化していく戦略をとることになると思う。

 ファッションの中でも色々なカテゴリーがあり、例えば既存のラインよりも高いブランド商品などに段階的に広げてアプローチしていく可能性もある。今までのように安価なアイテムを中心に売るというイメージからは離れたいとも思うが、それでも、良い商品が一番お得に手に入るというイメージはそのまま維持したい」  (つづく)

インスタグラム、ショッピング機能を導入 フィード投稿で商品画像に「価格」や「説明」など記載可能に 通販サイトへのリンクも

zozo.jpg 写真投稿型SNS「インスタグラム」は6月5日から、日本において「ショッピング機能」を導入した。同機能を導入したネット販売事業者らのインスタグラムではフィード投稿した商品の画像に「商品名」や「商品説明」「価格」が記載されるタグつけと当該商品を販売する通販サイトへのリンクをはることができるようになり、フォロワーをスムーズに当該商品の購入を促すことができるようになるという。なお、同機能の導入にあたって利用料は徴収しない。

  「ショッピング機能」はすでに米国では昨年3月から導入しているEC事業者向けの機能で、利用者はフィード投稿の商品画像に商品名や価格を表示でき、その場でユーザーに商品を訴求できることに加えて、フィードから直接、通販サイトに遷移させることもできるため、購入を促すことも可能になり、「インスタグラム」の活用がこれまでのブランディングから直接的な販促策としても活用できるようになるとみられる。
 
 6月5日からは運営するインスタグラムのアカウントが「ビジネスプロフィール」であり、実際にネット販売を行っている事業者であれば管理画面上の「設定」にある「ショッピング機能」を追加することで同機能が利用できるようになる。利用料金については「現状はマネタイズしていない」(同社)として無料で利用できるが、利用の際には実際にEC事業を行っているのかなどの審査があるようだ。
 
 同機能の本格導入にあたって、日本のユーザーの反応などを探るために、1~2週間前からスタートトゥデイやベイクルーズなど6社が各公式インスタグラムなどでテスト導入を始めており、順調な手ごたえを見せているようだ。
 
 スタートトゥデイでは「インスタグラムはブランディングの形成という位置付けだったが、ショッピング機能により、ひとつの販売チャネルとして活用できることを期待している。商品の詳細ページから購入リンクへの遷移率は思った以上で、ユーザーの購入モチベーションと、ショッピング機能のユーザビリティの高さを感じた」(ZOZOTOWN EC事業本部EC推進部・SNS担当の井上沙紀氏)などとしている。

船橋屋 ツイッターでドラマ配信、若年層開拓しEC送客へ

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 くず餅などを製造・販売する老舗和菓子屋の船橋屋ではSNSを活用した新規顧客の開拓が進んでいる。

 昨年12月初旬から今年1月にかけてPR関連会社と連携して実施したのが、船橋屋を舞台にしたツイッタードラマ「家族になれたら」の動画配信。毎週水曜日と土曜日の午後10時に、1回2分の全10話を5週間に渡って、同社や出演者のツイッターアカウント限定で公開したという。

 俳優の渡辺哲さんやてんちむさん、八木将康さんなどが出演しており、くず餅職人の親方とその娘との親子模様を描いた家族ドラマとなっている。船橋屋本店の製造現場や店舗などがそのままドラマの現場となっており、実際に同社の屋号やくず餅も様々なシーンで登場している。

 ドラマ宣伝に向けては実店舗でPOPを配置し、新たにフォローしてくれた顧客に対してのノベルティグッズプレゼントなどを実施していった。「制作スタッフも映画を撮っているような人たちで、ツイッターの中だけでは勿体ないような見ごたえのあるものだった」(同社)と語るように、そのクオリティの高さから大きな反響を呼び、再生回数は30万件以上を突破。

 同社のツイッターのフォローワー数も以前は月平均10人程度だったが、12月は1500人以上に増加し、コーポレートサイトの検索数も以前の150%まで拡大した。特にこれまで課題としていた若年層への認知拡大が進んだという。

 ECへの送客に向けた取り組みとして、ドラマと並行してツイッター内では通販サイトのURLなどを明記した広告配信を行ったほか、リツィートによるくず餅のプレゼント企画などを実施。結果的に通販サイトでは、放送開始翌月の1月の売上高が前年同月比6・7%増と伸長し、それ以降も数カ月間で前年同月以上の売り上げを記録することができた。

 今後のツイッタードラマの活用について、現時点では正式には決まっていないものの、今回とはまた別の切り口で活用することも模索。発酵食品であるくず餅には乳酸菌が含まれており、健康面から訴求できるような認知拡大の内容でもできると考えている。「若者に身近なツイッターからドラマを通じて行うくちコミ活用の最新版。出演者の方もフォローワーを多く抱えていて、今回それぞれのアカウントから配信して拡散できたので、当社を知らない層にも見てもらえることができた」(同)とした。

会社HPと通販サイトを統合へ

 また、今年上半期でのインスタグラムを活用した販促活動としても、バレンタインの特集企画を実施。合計5万6000人のフォローワーを抱えるインフルエンサー4人を起用したプロモーションでは、それぞれのアカウントでくず餅と、別ブランド「船橋屋こよみ」の限定商品であるチョコレート入りの最中の商品紹介を行った。その結果、通販サイトのバレンタイン特設ページの流入客数が前年同期比167%増、2商品合計の通販売上高は同36%増となった。

 そのほかにもフォトコンテストやクイズキャンペーンを実施し、投稿からの拡散効果が見られたようだ。

 なお、同社ではSNSを起点にブランド認知が進んだことで、特にコーポレートサイトへの訪問者数が増加している。これを通販集客に結びつけるため、今期中をめどに2つのサイトを統合して運営することも計画している。

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