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媒体研究(ネット・モバイル) Archive

【日本トイザらス EC事業の成果と今後㊦】 サイトのリッチ化に本腰、「コミュニティー」をフックに集客

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玩具などを販売する日本トイザらスでは、これからの課題としてサイトコンテンツのさらなるリッチ化をひとつのテーマに挙げている。

 昨年度を商品別で見るとゲーム機やベビー用品など高額商品の需要を獲得できたことから顧客単価の上昇が見られた。18年度の市場についても引き続き成長することが見込まれているが、近年は配送料金の値上げが進んでいることもあって、以前と同水準の伸び幅を確実に確保することは厳しくなると見ている。そのため、「今までは(通販サイトで)『売る』をメインにしていたが、今後はマインド的な部分でのサービス提供強化にシフトしていくような取り組みになっていく」(eコマース本部の西原慎祐シニア・ディレクター)と説明。

 具体的には決済サービスの多様化やコミュニティページづくりなど顧客目線での利便性の改善に着手していく。特にコミュニティページは情報提供を通じて顧客との接点が拡大すると考えられ、すでにベビーカーやチャイルドシートなどで開始している商品解説ページの「セレクトガイド」(画像)機能などに近いものをイメージしている。

 一般的にベビー関連商品についてはスペック説明以上の情報を求める顧客が多いことから、運営する専門店の「ベビーザらス」などでも得た接客ノウハウを生かしつつ「知育玩具」といった解説が必要なアイテムを中心に深堀りしたページを作り込む考え。現状では通販サイトとは別のドメインではなく、一体化したページづくりを検討している。

 玩具がメインの通販サイトであるため、プレゼント需要という視点ではクリスマス、誕生日など購入機会は限られている。コミュニティページをフックに、イベントがない時期でも頻度高く集客ができるようなページ作りを目指す。

 また、カスタマーレビューのテコ入れとしては、関連キャンペーンの定番化を図っていく。現状ではまだレビューがあまりついていない商品も全体の数%あることから、期間限定で行っているレビュー投稿に応じたクーポン付与などについて、条件やインセンティブ内容を変えながら、通年で行うことを検討。カスタマーレビュー数の拡大でSEO対策を図り、トラフィックの増加につなげていく。

 そのほか商品施策では昔からの定番アイテムの売り上げが好調なことから引き続き品ぞろえを充実する考えで、並行して自社ブランド商品による差別化も実施。通販サイトでのプロモーションや見せ方は商品のアップデートと共に頻度を高めてファン獲得を目指す。(おわり)

【日本トイザらス EC事業の成果と今後㊥】 実店舗と在庫連携強化、欠品解消で物流工程も効率化へ

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 玩具などを販売する日本トイザらスでは物流費高騰に伴う負担を軽減するため、商品配送の効率化や実店舗とECでの在庫連携などを強化している。

 まずは実店舗で商品が欠品している際に、店内の専用カウンターのタブレットなどで通販サイトの在庫を確認してその場で注文できるサービス「ストア・オーダー・システム」(画像)を拡充。これまでは利用対象を自転車やベビーカーといった大型商品中心に絞っていたが、昨年5月からは全商品で対応するようにした。店内に配置するタブレットについても各店舗2台以上配置するようにしていった。

 また、通販の物流センターに在庫がない商品について、実店舗の在庫から顧客に出荷する「シップ・フロム・ストア(SFS)」サービスについても昨年7月より対象アイテム数を以前の7~8倍まで拡充している。通販の物流センターに在庫がなくても実店舗に在庫がある限り、通販サイト上では「在庫あり」となるため、100%に近い形で欠品率の改善が進んだという。

 SFSに関しては、顧客がいる近隣の実店舗から出荷する仕組みであるため、特に同社の通販物流センターがある兵庫県神戸市と千葉県市川市から離れた地域にいる顧客にとっては、商品がより速く届くといったメリットも生まれている。

 これらの実店舗との在庫連携施策は、欠品率をなくすといった効果だけでなく、昨今の配送料の値上げ問題への対応にも大きくつながる。

 同社では昨年より3辺サイズ合計で2メートル以上を超える自転車やベッド、大型遊具といった一部の大型商品について、一律送料を1950円から6000円に値上げしている。しかし、顧客の近隣店舗からの配送案件が増えたことで、地域によっては物流センターからの顧客への配送よりも物流コストが大幅に軽減できるため、大型商品を除いた商品についてはまだ値上げをせずに済んでいるという(現状は1回の受注につき4900円以下の場合は送料590円)。「物流事業者の値上げは大きく影響を受けたが、当社の強みとして全国に約160の実店舗がある。顧客を近隣の(送料がかからない)実店舗に誘導していくことは大事になる」(eコマース本部の西原慎祐シニア・ディレクター)とする。

 大型商品については送料値上げの影響で今年度は苦戦が見られるものの、今年から通販サイトでの告知を見て実店舗で買い物する顧客に対して割り引きするようなサービスを数回実施するなどテコ入れを図っている。

受け取り先も拡大図る

 そのほかにも自社内での物流スキームだけでなく、仕入れ先であるメーカーとの物流連携も強化する。メーカー(の倉庫)から顧客に直接配送するもので、以前から500アイテム程度を対象に取り組んでいたが、今後は拡大を図っていく。同社の物流センターを経由せずに送れることから顧客にとっては配送リードタイムが短くなり、同社にとっても物流工程の短縮によるコスト削減効果が得られるという。

 また、通販購入商品を近隣の実店舗で受け取れる「イン・ストア・ピックアップ」も並行して強化。これまであまり実施していなかった店頭受け取りに関するプロモーションを積極化し、利用を促していく。

 関連して、受け取り先についても自社の実店舗だけでなく、コンビニエンスストアでの受け取り先エリアを拡大していくことを目指す。さらに、今年度上期中にはヤマト運輸の営業所での受け取りを開始する考えで、郵便局での受け取りや駅前の宅配ロッカーの活用なども今年中の開始を視野に入れている。「不在時の再配達など、配送業者の作業負荷をいかにして減らしていくか。顧客とのタッチポイントを広げていけるかだと思う」(西原シニア・ディレクター)とした。

 元々、通販を行う有店舗企業にとって、「店頭受け取りサービス」自体は自社の実店舗に集客するひとつの戦略という意味合いがあったが、現在では物流費の高騰に伴い、そういった視点も変化。自社の拠点にこだわらず、顧客とのタッチポイント拡大を図ることで集客以上のメリットが生まれるという考え方ができているようだ。(つづく)


【日本トイザらス EC事業の成果と今後㊤】 品ぞろえ拡充し増収増益、通販サイトの接客機能に磨き

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 玩具などを販売する日本トイザらスではEC事業が好調に推移している。2017年度のEC事業は増収増益となり、4年連続で売り上げが拡大した。売り上げ伸び率でも、通販サイト訪問者数でも前年を上回る成果を挙げている。

 成長を支えた要因の一つとして、まずはアイテム数の拡充がある。実店舗と同じアイテムをECでも取り扱えるようになったほか、ネット限定商品の取り扱いも拡大。「商品登録が実店舗に追いつくようになった。16年度の春はまだできていなかったが、現状ではほぼ100%をカバーできている」(eコマース本部の西原慎祐シニア・ディレクター)とする。

 そして、昨年6月に実施したサイト刷新の効果も大きく、パーソナリゼーションのツールとして顧客が住んでいる地域の天候に応じた個別のページ表示機能を開始。具体的には雨の予報地域に対して傘や合羽といったレイングッズをページトップのバナーで表示(画像)。また、夏シーズンで晴れ予報の地域に対してはUVケア商品やサングラス、浮き輪などを同様の形式で表示して、バナーから購入ページに誘導していった。レイングッズについては、このツールの効果もあって前年比二桁増の売り上げとなったようだ。

 今のところは天候別での訴求だが、今後は気温、湿度、紫外線などより細かい条件から個別に商品を提案できるような機能にしていく考え。

 商品選びのサポートとしては、ベビーカーやチャイルドシート、抱っこひもといった使い方の説明が必要な商品について「セレクトガイド」ページを導入。商品の特性や特徴、使用上の注意といった実店舗の接客でもよく受ける問い合わせをベースにしたアドバイス情報を専用ページにまとめたほか、メーカー別・対象年齢別に適した商品の選び方などが分かるようにもなっている。導入効果は上々で、対象商品の売り上げを前年比で全体平均以上に伸ばすことができた。

 顧客対応に関連しては従来からのコールセンターに加えて、昨年11月より「LINE」上でAIが問い合わせに回答するサービス「LINEカスタマーコネクト」を開始。利用者は「キャンペーン・クーポン」「配送」など大枠から質問内容を選択し、その後AIによるLINE上でのやり取りで解決に導いていくという。1カ月に1000件程度の利用率で、今後、質問内容によっては適宜人が対応する仕組みも取り入れる考え。

商品画像でも見せ方に工夫

 SEO対策に向けては、商品説明やタイトルが検索で重視されるということもあって、商品コンテンツのリッチ化を進めている。昨年からはこれまで1行のみだった商品解説文などは3行以上に増量。並行して画像や動画の種類も拡充を図っている。仕入れ先のメーカーからの提供画像はなるべく複数枚にするよう協力を求めたほか、自社での撮影機会も増やしている。

 以前はアパレル商品中心に自社で撮影を行っていたが、現在は玩具商品でも対応。必要に応じてサンプルを取り寄せたり、一部では360度撮影ができる画像コンテンツも導入するようになった。

 画像撮影では特に人物を入れ込むことを重視。商品説明文のリッチ化を進めているものの、商品サイズや利用イメージ、色合いなどは一目でわかる表現が求められているため、時には自社の社員の子供などもモデルに起用して商品画像を作成している。「マットの広さやぬいぐるみの大きさなどはパーツだけで見せても伝わらない。人物を見せたり工夫して、パッケージにはない通販サイト専用の画像を用意している」(同)とした。

 コンテンツのリッチ化を進めたことに加え、レコメンドの精度を高めて電池や付属商品のついで買いを訴求できたこともあり、一件当たりの買い上げ点数が上昇。結果的に、前年よりもコンバージョンが高まったようだ。(つづく)


トゥ・ディファクト 新顧客層の開拓を強化、「ゾゾ」「LINE」を活用

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 大日本印刷(DNP)グループで書籍のネット販売を手がけるトゥ・ディファクトが通販サイトの新規顧客の獲得を進めている。ファッション通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を活用した販促や、無料通信アプリ「LINE」とのID連携などを開始。運営する通販サイト「honto(ホント)」(=画像)の主要顧客層である"本好き"以外の層に対してリーチを図るのが狙いだ。

 トゥ・ディファクトは3月8~31日の期間、「ゾゾタウン」で5000円以上を購入した顧客のうち先着100万人を対象に、「ホント」で使える電子書籍1000円分のクーポンを配布する「ZOZOオマケ」を実施。これまで接点がなかった層へのアプローチを狙ったものだが、同社によると「順調に新規客を獲得できた」(ハイブリッド事業企画部)という。

 3月27日には「LINE」とのID連携を開始。「LINE」のIDを持つユーザーはLINEアカウントを用いて「ホント」のサービスを利用できる。

 SNS経由でログインができる「ソーシャルログイン」の機能としてはすでに「ヤフー」や「フェイスブック」、「グーグル」との連携を行っていたが、幅広い世代に使われている「LINE」を追加することで利便性向上と、顧客接点の強化を狙った。その結果、連携開始からすぐに「LINE」経由のログインが行われており、トゥ・ディファクトでは手ごたえを感じている。

 「ホント」の会員獲得策は、丸善やジュンク堂書店などDNPグループの書店と連携して、レジで地道に提案するケースが多い。そうして獲得した会員の多くは"本好き"の層が占めることになる。同社では新たな層を掘り起こすべく、「ゾゾ」や「LINE」といった属性が異なる会員組織の活用や連携を強化している。

 その一方で、主要顧客層をにらんだ取り組みも着実に進めている。4月2日にはブックレビューコミュニティサイト「ブクログ」とサービス連携を開始。ユーザーがID連携を行うことで「ブクログ」と「ホント」それぞれの新規会員登録やログインが手軽に利用できるようになる。

 このように新たな顧客層の開拓と並行しコア層の利便性アップにも動く同社。現在450万人の「ホント」会員をさらに底上げし、売り上げ拡大につなげたい考えだ。

【三陽商会 EC事業の成長戦略は?㊦】 自社ECの検索機能など改善、外部モールへの出店も加速

 三陽商会は今期(2018年12月期)、EC事業の成長に向けて顧客接点の拡大や自社通販サイト「サンヨー・アイストア」の利便性向上などに取り組む。

 消費者との接点を増やす施策では、4月中をメドに独自のウェブメディア「サンヨー・スタイル・マガジン」を開設する予定で、ブランド横断型のファッションコンテンツを毎月30程度発信して自社ECへの新規送客や既存顧客のリピート化につなげる。

 また、外部のファッションECモールへの出店を加速して新たな客層にリーチを広げる方針で、ストライプインターナショナルの「ストライプデパートメント」と三井不動産の「アンドモール」には3月から、「伊勢丹オンラインストア」をはじめとする三越伊勢丹のECモールや丸井の「マルイウェブチャネル」には4月から順次、出店を進める。新規の外部モールとは機会ロスなどのリスクを回避するためデータ連携を前提に出店する。

 三陽商会の前期EC売上高約50億円のうち、自社ECは37億円と全体の7割強を占め、他のアパレルと比べて自社EC比率が高く、外部モールを通じた販売については新規出店を強化することで"伸びしろ"は大きいと見ており、外部EC経由は前期の13億円に対し、今期は20億円を計画する。

 また、同社ではヤマトホールディングスが都内の商業施設「アトレ大森」で今年1月から始めたファッション通販サイトの商品の受け取り・試着や返品ができるサービス「フィッティングステーション」にもスタート時から参画して消費者とのタッチポイントを増やしている。

 一方、EC事業の軸となる自社ECのユーザビリティー向上にも本格着手。前期上期までにゲスト購入機能や楽天ID決済に対応したが、今年2月には自社EC上で気になる商品と、過去の購入アイテムや手持ちの服とのサイズ比較ができるバーチャサイズ社のサービス「サイズをチェック」を導入したほか、今後は検索性などの使い勝手を追求し、サジェスト(入力補助)機能を導入するほか、レコメンド機能についてもAIを活用し画像検索で類似アイテムを表示する複数のツールを上期中にテストする。三陽商会ではスマホ利用者の拡大に伴ってライトユーザーの訪問者が増えていることから、「商品と出会いやすくすることが大事」(安藤裕樹IT戦略本部ウェブビジネス部長)とする。

 また、同社はライフスタイル型ストア事業の強化に乗り出しており、一環として、家具やインテリアのネット販売で成長しているベガコーポレーションと今年2月に業務提携。ECチャネルでの取り組みもカギになると見られ、まずはベガのインバウンド型越境ECサイト「ドコデモ」を通じた自社ブランドの海外販売を始める考え。

 ベガは買いやすい価格帯のインテリアや家具を企画・製造し、通販サイト「ロウヤ」などで販売しており、百貨店の売り場が主力のファッションブランドを展開する三陽商会とは取り扱い商材の価格差があるものの、「組み合わせの妙でシナジーが生まれる」(杉澤幸毅執行役員)と見ている。

 同社によると、昨今の消費者は服や雑貨、インテリアなどライフスタイルに欠かせない商品を購入する際、お金の使い方はすべての商材で同水準ではないことから、「価格はミックスでいい」(同)と判断。加えて、ベガは「楽天市場」など競争が激しい総合ECモールでも商品とコンテンツ、マーケティング力をベースに売り上げを伸ばしており、「縦売りできる商材を開発できるノウハウは、とくにECでは重要」(安藤部長)としている。

 両社は今後、新たなライフスタイルブランドの共同開発なども含め幅広く協業を検討していく考えのようだ。(おわり)

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