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媒体研究(ネット・モバイル) Archive

トゥ・ディファクト 新顧客層の開拓を強化、「ゾゾ」「LINE」を活用

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 大日本印刷(DNP)グループで書籍のネット販売を手がけるトゥ・ディファクトが通販サイトの新規顧客の獲得を進めている。ファッション通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を活用した販促や、無料通信アプリ「LINE」とのID連携などを開始。運営する通販サイト「honto(ホント)」(=画像)の主要顧客層である"本好き"以外の層に対してリーチを図るのが狙いだ。

 トゥ・ディファクトは3月8~31日の期間、「ゾゾタウン」で5000円以上を購入した顧客のうち先着100万人を対象に、「ホント」で使える電子書籍1000円分のクーポンを配布する「ZOZOオマケ」を実施。これまで接点がなかった層へのアプローチを狙ったものだが、同社によると「順調に新規客を獲得できた」(ハイブリッド事業企画部)という。

 3月27日には「LINE」とのID連携を開始。「LINE」のIDを持つユーザーはLINEアカウントを用いて「ホント」のサービスを利用できる。

 SNS経由でログインができる「ソーシャルログイン」の機能としてはすでに「ヤフー」や「フェイスブック」、「グーグル」との連携を行っていたが、幅広い世代に使われている「LINE」を追加することで利便性向上と、顧客接点の強化を狙った。その結果、連携開始からすぐに「LINE」経由のログインが行われており、トゥ・ディファクトでは手ごたえを感じている。

 「ホント」の会員獲得策は、丸善やジュンク堂書店などDNPグループの書店と連携して、レジで地道に提案するケースが多い。そうして獲得した会員の多くは"本好き"の層が占めることになる。同社では新たな層を掘り起こすべく、「ゾゾ」や「LINE」といった属性が異なる会員組織の活用や連携を強化している。

 その一方で、主要顧客層をにらんだ取り組みも着実に進めている。4月2日にはブックレビューコミュニティサイト「ブクログ」とサービス連携を開始。ユーザーがID連携を行うことで「ブクログ」と「ホント」それぞれの新規会員登録やログインが手軽に利用できるようになる。

 このように新たな顧客層の開拓と並行しコア層の利便性アップにも動く同社。現在450万人の「ホント」会員をさらに底上げし、売り上げ拡大につなげたい考えだ。

【三陽商会 EC事業の成長戦略は?㊦】 自社ECの検索機能など改善、外部モールへの出店も加速

 三陽商会は今期(2018年12月期)、EC事業の成長に向けて顧客接点の拡大や自社通販サイト「サンヨー・アイストア」の利便性向上などに取り組む。

 消費者との接点を増やす施策では、4月中をメドに独自のウェブメディア「サンヨー・スタイル・マガジン」を開設する予定で、ブランド横断型のファッションコンテンツを毎月30程度発信して自社ECへの新規送客や既存顧客のリピート化につなげる。

 また、外部のファッションECモールへの出店を加速して新たな客層にリーチを広げる方針で、ストライプインターナショナルの「ストライプデパートメント」と三井不動産の「アンドモール」には3月から、「伊勢丹オンラインストア」をはじめとする三越伊勢丹のECモールや丸井の「マルイウェブチャネル」には4月から順次、出店を進める。新規の外部モールとは機会ロスなどのリスクを回避するためデータ連携を前提に出店する。

 三陽商会の前期EC売上高約50億円のうち、自社ECは37億円と全体の7割強を占め、他のアパレルと比べて自社EC比率が高く、外部モールを通じた販売については新規出店を強化することで"伸びしろ"は大きいと見ており、外部EC経由は前期の13億円に対し、今期は20億円を計画する。

 また、同社ではヤマトホールディングスが都内の商業施設「アトレ大森」で今年1月から始めたファッション通販サイトの商品の受け取り・試着や返品ができるサービス「フィッティングステーション」にもスタート時から参画して消費者とのタッチポイントを増やしている。

 一方、EC事業の軸となる自社ECのユーザビリティー向上にも本格着手。前期上期までにゲスト購入機能や楽天ID決済に対応したが、今年2月には自社EC上で気になる商品と、過去の購入アイテムや手持ちの服とのサイズ比較ができるバーチャサイズ社のサービス「サイズをチェック」を導入したほか、今後は検索性などの使い勝手を追求し、サジェスト(入力補助)機能を導入するほか、レコメンド機能についてもAIを活用し画像検索で類似アイテムを表示する複数のツールを上期中にテストする。三陽商会ではスマホ利用者の拡大に伴ってライトユーザーの訪問者が増えていることから、「商品と出会いやすくすることが大事」(安藤裕樹IT戦略本部ウェブビジネス部長)とする。

 また、同社はライフスタイル型ストア事業の強化に乗り出しており、一環として、家具やインテリアのネット販売で成長しているベガコーポレーションと今年2月に業務提携。ECチャネルでの取り組みもカギになると見られ、まずはベガのインバウンド型越境ECサイト「ドコデモ」を通じた自社ブランドの海外販売を始める考え。

 ベガは買いやすい価格帯のインテリアや家具を企画・製造し、通販サイト「ロウヤ」などで販売しており、百貨店の売り場が主力のファッションブランドを展開する三陽商会とは取り扱い商材の価格差があるものの、「組み合わせの妙でシナジーが生まれる」(杉澤幸毅執行役員)と見ている。

 同社によると、昨今の消費者は服や雑貨、インテリアなどライフスタイルに欠かせない商品を購入する際、お金の使い方はすべての商材で同水準ではないことから、「価格はミックスでいい」(同)と判断。加えて、ベガは「楽天市場」など競争が激しい総合ECモールでも商品とコンテンツ、マーケティング力をベースに売り上げを伸ばしており、「縦売りできる商材を開発できるノウハウは、とくにECでは重要」(安藤部長)としている。

 両社は今後、新たなライフスタイルブランドの共同開発なども含め幅広く協業を検討していく考えのようだ。(おわり)

【三陽商会 EC事業の成長戦略は?㊤】 顧客統合が百貨店にも拡大、自社ECで他社商材販売へ

 三陽商会は、EC事業を成長戦略の柱のひとつとして、商材や顧客接点の強化・拡充などに努め、2018年12月期のEC売上高は前期の約50億円から65億円に引き上げる。

 前期のECについては、自社EC売上高が37億円、他社モール経由が13億円で、それぞれ前年から20%弱伸びたほか、自社ECの割合が74%と他のアパレルに比べて高い比率で推移している。

 主力の自社ECは実店舗と連動した会員獲得が奏功し、前期末時点で会員数が50万人を突破した。同社は16年9月に店頭とECで顧客情報およびポイントの統合を始動し、主力の売り場である百貨店でも対象店舗を広げ、昨年12月に三越伊勢丹グループでも三陽商会の会員制度「サンヨーメンバーシップ」が利用可能になり、ほぼ全店に導入。同社ブランドと親和性の高い層に通販サイト「サンヨー・アイストア」としてもリーチできるようになり、新客獲得を下支えした。

 加えて、自社ECだけで実施していたポイントキャンペーンなどの販促が実店舗との共通施策として実施できるため、両チャネルで相互送客が進んできているようだ。

 また、自社ECの欠品時に店舗在庫を引き当てて販売する「お取り寄せ購入」サービスがEC売り上げに貢献している。店頭販売員へのEC啓発活動や評価制度の浸透もあり、自社EC売上高に占める同サービスの割合は10%前後で推移。自社ECの拡大に伴って金額も増えている。

 他社モールについては、影響力のある「ゾゾタウン」が実施する施策に左右される部分も大きいが、ブランドクーポンやタイムセールなどの販促施策をうまく活用したことで、売り上げを伸ばしたブランドも出てきている。

 今期は、自社ECで扱う商材の拡充に着手する方針で、EC専用ブランドの販売や、「サンヨー・アイストア」で他社商材を販売するモールビジネス化などに取り組む。

 同社はブランドの多くが百貨店を主販路とし、EC市場では高価格帯の商品が大半を占めるため、既存ブランドだけではEC利用者のニーズに応えきれないと判断した。また、構造改革に伴って複数ブランドを廃止しており、品ぞろえを厚くするためにもEC専用ブランド「ル ジュール」を昨年9月にスタートした。

 同ブランドは16年に休止した婦人服ブランドをEC専用に転換したもので、大きな投資をしなくても迅速に立ち上げられる利点があった。

 ターゲット層は従来と同じ20代半ばから30代の働く女性に設定する一方、EC専用ブランドとしてウェブビジネス部が主導権を持ち、データなどを活用しながら商品を企画するほか、EC利用者が買いやすい価格に抑えて展開する。

 自社ECでは商品の原価率をある程度高めても利益が得られるため、オリジナル商品だけでなく、ターゲット層が好む商品の買い付けも行っており、「ル ジュール」ではバッグやアクセサリー、アロマディフューザーなどの雑貨も提案する。

 自社ECのモールビジネス化についても既存客との親和性をベースに品ぞろえを広げ、売り場の魅力を高める狙いで、新たな商品・サービスを提供できるプラットフォームを構築する。第1弾としては昨年12月に時計のセレクトショップ「ノルディックフィーリング」の商品を期間限定でテスト販売し、クリスマスのギフト需要に時計がマッチしたこともあって予想以上に売れたという。

 今期は、アンケートなどで得た自社会員の購入意欲が高い商材をテスト販売したり、三陽商会が展開する「マッキントッシュフィロソフィー」や「ポール・スチュアート」といった人気ブランドでは衣料品以外のサブライセンス商品もあるため、こうした商品の販売も視野にある。 (つづく)

エニグモ AI活用を本格化、構築・運用に今期2億円投資

 CtoC仮想モールの「バイマ」を運営するエニグモでは今期(2019年1月期)より、ビッグデータとAIを活用した新たなマーケティング施策を本格化する。顧客ごとに最適なクーポンやポイントを付与するもので、構築・運用費用として2億円を見込んでいる。

 前期(18年1月期)は増収となったものの、韓国の連結子会社解散に伴う特別損失や、国内のウェブメディア事業子会社の株式売却に伴う減損損失などを計上したことで減益となっている。

 主力のバイマ事業については引き続き成長が続いており、ファッション情報を記事形式で発信して、商品画像のクリックからバイマに送客するオウンドメディアサイト「スタイルハウス」が新たな流入経路として機能。同サイト経由でのバイマ新規会員数は前期比31%増、総取扱高では同30%増となった。

 また、テレビCMを軸とした新たなマーケティング施策を前期の下期より試験的に開始している。予算1億円弱を使い、2つのセールを起点とした合計5日間のスポットCMを実施。アプリ限定の500円均一セールと、アメリカ買い付けのアイテムが現地価格より割安で購入できるセールで訴求した結果、第4四半期の新規登録会員と総取扱高が四半期ベースで過去最高値を記録した。

 今期はこのマーケティング施策を更に本格化する考えで、これまで人力で行ってきた顧客特典の配分作業などについてAIを使って効率と精度を向上させる。具体的には顧客に応じたクーポンの配布量やポイント発行数、付与するタイミング・範囲などの組み合わせを自動化する考え。同施策の構築・運用予算については2億円を想定しており、アクティブ会員数の増加と1人当たりの購入件数向上を図っていく。

 そのほか、2月5日にはバイマのアプリを刷新。ホーム画面は日々更新されるバイマの最新トレンドが確認できるデザインにしており、検索についてもお気に入りの検索条件の保存作業を簡素化したことで検索ページへのアクセスを改善した。

 また、中古品買取サービスについても、即時の下取り割り引きサービスを今期中に開始する予定。バイマで購入した商品であれば即時査定・承認し、新たにバイマでの購入を希望している商品から値引きする内容を想定している。

 さらに、昨年10月に韓国版を売却し、英語版に会員を移行して一本化した「グローバルバイマ事業」についてもテコ入れを行う。移行後の一時期はアクティブ率や一人当たり購入金額が低下したものの、香港での会員数が前期比240%増、アクティブ率が同24%増、となるなどマーケットが伸長。今期は香港で得たノウハウを使って同じアジア圏内での顧客拡大を図り、同事業での単月黒字化を目指していく。新規関連サービスへの投資も含めて、同事業でもサービス増強に関する2億円の投資を行う計画。

 なお今期の個別業績については売上高が前期比12%増の47億8000万円、営業利益が同2%増の17億4000万円、経常利益が同2%増の17億4000万、当期純利益が同84%増の12億円、バイマ総取扱高(決済手数料を含む)では同13%増の419億5000万円を見込んでいる。

【有力メーカーのEC戦略 日本HP㊤】 モバイル刷新で集客拡大、店頭での「お試し」企画も好評

5-1.jpg パソコンやプリンター、その他周辺機器の製造・販売を行う日本HPは、昨年よりモバイル版通販サイト(画像)の刷新を図ったほか、リアルを活用した接点からのファン化も進めている。特に新規の顧客開拓で大きな効果が見られるなど、EC事業の拡大につながっているようだ。

 同社では昨年の夏から秋にかけてモバイルサイトの強化を進め、UI改善やSEO対策、モバイル限定キャンペーンなどを実施した。並行して品ぞろえについてもミドルエンド~ローエンド付近の価格帯のラインアップをそろえるなど、モバイルユーザーと親和性の高い「価格」と「機能」の比較がしやすい製品群を充実させていった。「以前のようにモバイルサイトで情報を取得して後にPCサイトから購入するという流れから、モバイルサイトだけですべて完結できるような導線にしていった」(同社)とする。

 元々、同社では顧客がPCをカスタマイズ購入できるサービスが特徴となっており、通販サイトでは製品スペックの解説など細かい情報表示が必要だった。表示面積の少ないモバイルサイトでは、昨年よりそれを簡素化したつくりを取り入れて購入しやすくしていったという。刷新以降はモバイル経由の販売が大きく伸びたという。

 オムニチャネル戦略に関しても進展があった。近年はPCメーカー業界全体で量販店での販売に力を入れる傾向があり、同社でも昨年からは店内に「タッチ&トライ」として、リアルで商品に触れられるエリアを開設。20万円近い高単価のノートPCやゲーム製品(ゲーミングPC)の「OMEN(オーメン)」などについて実際に試すことができる企画を始めた。

 結果的にタッチ&トライを開催した実店舗エリアにいる顧客からの購入が、ネットリアルともに拡大。店頭での接点をきっかけに販売拡大効果が見られたため、今後は通年企画として行い、特にプレミアム製品についてはタッチ&トライができる店舗情報を積極的に発信して誘導していくという。「色味や使い方などは実際に触れないと分からない。ECだけでは難しいが、リアルイベントならではの"体験"から訴求ができる」(同社)とした。

継続して顧客との接点持つ

 現状、買い替えサイクルが7年とも言われているPC製品の場合、メーカーとしては次の商品を購入されるまで顧客接点が中々生まれないことが悩みとなっている。そうした中で「モノ売り」から「コト売り」のような視点を持って、購入した後の顧客に対しても、使い方などさまざまな提案を継続的に行うことでエンゲージを強めていくことが鍵となってくる。

 通販サイトでの情報発信はもちろん、前述のリアルでの商品使用体験を通じた提案などは競合他社との差別化策として欠かせないものとなるようだ。

 そのほか、顧客対応に関しても、以前はECのコールセンターについてECに関する内容のみで対応していたが、現在は商品情報や他の売り場に関する内容など、よりコンシェルジュ的な対応ができるように組織の再編成を進めている。関連して、試験的にチャット対応サービスも開始しており、顧客が通販サイトで探しながらその場で質問ができるようなニーズに対応していく。(つづく)


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