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媒体研究(ネット・モバイル) Archive

ルミネ  お急ぎ便の利用は約1割に、店頭在庫のEC活用も開始

 5-1.jpgルミネは、2018年3月期を最終年度とする中期経営計画においてEC売上高100億円を目標に掲げ、実店舗との連携を深めながら通販サイト「アイルミネ」(=画像)の強化に本腰を入れている。

 前期(16年3月期)の取り組みとしては、実店舗を持つ強みを生かした施策を実施。昨年4月に主要取引先のアーバンリサーチとタッグを組み、ECの欠品対策として店舗在庫を引き当てる「店舗お取寄せ」を始めたほか、通販サイトで気になった商品をリアル店舗で試着できる「店頭取り置きサービス」をスタートした。

 両サービスは「アーバンリサーチ」のルミネ池袋店でテストし、利用状況や運用面を検証して昨年8月に新宿店と有楽町店に広げ、11月からはルミネ全館を対象に、「アーバンリサーチロッソ」や「KBF」などアーバンリサーチがルミネで展開する全ブランド約20ショップに拡大した。

 「店舗お取寄せ」は売り上げを店頭に計上することでショップの協力を得ており、受注件数も順調に推移していることから、ルミネではアーバンリサーチ以外のブランドにも広げたい考え。一方の「店頭取り置きサービス」は当初、1週間の取り置き期間を設けていたが、利用者が来店せずに売り逃しにつながるケースもあることから、期間を3日間に短縮。ブランド側と相談して今後の方向性を決めるという。

 配送面では、昨年4月に送料無料ラインを従来の1万円から3000円に引き下げたほか、前日の午後1時~翌朝5時59分までの注文分をその日の午後6時~9時に届ける「お急ぎ便」を始めた。「お急ぎ便」は首都圏のアイルミネ会員限定のサービスで、350円の利用料を期間限定で無料化したが、顧客満足度を高める目的などから無料化を継続中で、現状、出荷件数の約1割が同サービスを利用している。

 ECの新客開拓に向けては館と連携し、ルミネカードの新規入会時に「アイルミネ」で使えるクーポンを付与したり、ルミネのLINE公式アカウントの友だち限定で、ECに新規会員登録するとクーポンをプレゼントするキャンペーンを展開したこともあり、EC会員は1年間で約12万人を獲得して53万人(16年3月末)に拡大した。

 優良顧客向けの施策でも今年2~3月にクーポンを配布。7万人を対象にクーポンの金額や利用期間などを細かくセグメント分けして付与したところ、40%以上が利用するなど効果が高い販促施策となった。

 こうした取り組みにより、前期のEC売上高は前年比20・6%増の48億6000万円となったが、当初計画の50億円には若干届かなかった。

 今期は訪問者数および顧客数、アイテム数、各ショップの売り上げの拡大などに努める方針だ。

 訪問者数の拡大に向けては基本的なウェブマーケティングを強化するほか、クーポン施策などでメルマガ会員を増やしてパーソナルメールからの集客増を図る。また、LINEアカウントとECの会員IDを連携したユーザーへのメッセージ配信システムを導入。顧客接点の拡充に加え、サイト上の行動分析に基づいたメッセージ配信を行っていく。

 MD面では、主要顧客層である30代~40代女性の満足度を高めるため、当該層向けファッションブランドの取り扱いを強化する。同時に、リピート購入が期待できる商材としてコスメに着目。実店舗ではルミネカード会員向けの10%オフキャンペーンに合わせてコスメを購入する顧客が多いことから、ECでも強化商材としてとり込む。

 アイテム数は前期末の約5万点に対し、今期は7万5000点、来期は10万点を目標とする。EC売上高は中計最終年(18年3月期)の100億円達成に向け、今期は70億円規模を目指す。

TSIグループのEC戦略は?㊦ TSIECストラテジー、各ブランドでアプリを展開

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TSIホールディングス傘下のTSIECストラテジーは今期(2107年3月期)、グループの経営戦略に沿ってオムニチャネル化を加速するほか、海外展開にも本格着手する。

 オムニチャネル化については、6月中に同社管轄でECを展開する各ブランドの通販サイト(O2Oサイト)が出そろう予定で、次のステップではブランドごとのスマホアプリをスタートする。

 展開ブランドの顧客は30代後半から40歳くらいの層が多いものの、すでにEC売上高に占めるモバイル比率は60%程度で、80%近くに上るブランドもあるという。そのため、前期はスマホサイトの利便性改善などに努めることでも売り上げを伸ばしており、今期はスマホファーストの開発・運用を加速。各ブランドのアプリはECだけでなく、ポイントカード機能やブランドサイトの役割も担うことになる。

 アプリは6月から順次、スタートし、ファストメディアが開発した、専門的な知識がなくても簡単にアプリを制作できるサービス「yappli(ヤプリ)」などを採用。今期中に10~15ブランドでリリースを予定する。

 アプリにはチャット機能も実装しており、ECでも店頭でもアプリがコンタクトポイントになるほか、店頭受け取りや問い合わせを含めてアプリひとつで完結するため、顧客の利便性も高まるという。

 アプリ運用に際しては、グループのブランドの中でも突出してEC化率が高く、アプリも先行する「ナノ・ユニバース」の事例も共有している。

 また、オムニチャネル化の推進に合せてマーケティングオートメーションを導入し、顧客ごとにより緻密な接客を徹底する。前期からモール型の自社通販サイト「ミックスドットトウキョウ」ではウェブ接客ツール「カルテ」などをテストしており、成果のあるツールはO2Oサイトにも実装していく。

 一方、O2Oサイトで先行実施するケースもある。欧米で普及しているソーシャルメディアの画像プラットフォーム「オラピック」を今春夏シーズンに「プロポーションボディドレッシング」や「フリーズマート」など4ブランドに実装する計画で、店頭スタッフのスタイリング画像を商品詳細ページに反映させるツールとして活用するほか、顧客の投稿画像をアップできるようにすることも検討しているようだ。

海外展開に着手

 また、今期は自社ECやモールを活用した海外展開にも乗り出す。

 前期の後半からはグローバル展開を前提に、クラウド型のグルーバルECプラットフォーム「デマンドウェア」を、サンエー・インターナショナルが手がけるブランド「ジルスチュアート」や「ヒューマンウーマン」「ヴィヴィアンタム」など5ブランドのO2Oサイトに採用している。

 同ECプラットフォームは運用上の安定度が高いほか、グローバル展開の際に国ごとの事情をシステムに反映できるため、開発のスピードやコスト面で有利という。また、運用にウェブ制作会社を介さなくて済むこともメリットとなる。

 TSIECストラテジーでは、デマンドウェアを使った直営EC(O2Oサイト)での海外展開に加えて、現地のECモールへの出店を計画。パイロットブランドを数ブランド設定して出店し、テストを行う。

 すでに、中国の富裕層向けECモールの「SECOO(セクー)」では前期末にトライアルを開始。「ナチュラルビューティー」や「ピンキー&ダイアン」など4ブランドの商品を卸しており、初速としてはまずまずの状況という。

 今夏には、中国の大手ECモール「天猫国際(Tモールグローバル)」に出店するとともに、直営での越境ECを並行して展開する考え。(おわり)

TSIグループのEC戦略は?㊤ O2Oサイトがけん引役に

051.jpg TSIホールディングス傘下のTSIECストラテジーは、グループEC戦略のけん引役としてブランド単位のオムニチャネルサイト(O2Oサイト)を強化・拡充するのに加え、ポイント機能付きのブランドアプリ開発のほか、越境ECや海外ECモールへの本格出店などに乗り出す計画だ。

 TSIグループは、実店舗については構造改革に伴うブランド廃止や店舗閉鎖などで減収傾向が続いているが、2016年2月期のグループEC売上高は前年比7・9%増の196億8400万円と堅調で、今後も安定成長を目指している。

 成長のけん引役として期待しているのが、商品の店頭受け取りや取り寄せ(試着予約)、店舗在庫の確認などができるブランド単位のO2Oサイトで、前期はECストラテジー管轄でECを展開するブランドのうち14ブランドのO2Oサイトを新たに開設し、O2Oサイトは25サイトまで拡大した。

 同社によると、O2Oサイトの開設ラッシュとなったのは、基幹システムの刷新で新サイトを立ち上げやすくなったことに加え、2年前に先行実施した5ブランドのO2Oサイトの成果をしっかりと検証ができたことが大きいという。

 とくに、「マーガレット・ハウエル」と「ナチュラルビューティーベーシック(NBB)」(=画像)というテイストや価格帯が異なる主力ブランドを先行して開設したところ、ECと実店舗を併用する顧客の購買単価は、どちらか一方の販売チャネルだけを利用している顧客に比べ、前者のブランドではプロパー期で約2・7倍、セール期は約3倍に、後者もプロパー期で約2・5倍、セール期は約2・7倍となり、ブランドに触れてもらえる時間が多いほど購買額が高まる傾向が得られたことをグループ内で共有し、前期のO2Oサイトの開設ラッシュにつながったようだ。

 グループのブランドを横断的に扱うモール型の自社通販サイト「ミックスドットトウキョウ」とは異なり、O2Oサイトではブランドごとの集客施策が奏功したことや、各ブランド事業部と店舗のECに対する意識が変化したこともあり、前期のO2Oサイトの売上高は予算比で40%増と好調に推移。「新規開設したすべてのブランドで成果が得られた」(柏木又浩社長)とする。

東京スタイルのブランドも着手

 一方、モール型の「ミックスドットトウキョウ」については、テストマーケティングを行うためのプラットフォームと位置付け、ウェブ接客ツールの「カルテ」など、新規のソリューションやアプリケーションを導入してトライ&エラーを繰り返し、成果が出たツールをO2Oサイトに移植している。

 加えて、モール型サイトでは前期、ウェブ広告やアクセス解析など外部サービスが発行するHTMLタグを管理するタグマネジメントに注力。「タグやフィードをしっかりと使えないECは成功確率が上がらない」(柏木社長)とし、バックヤードの精度向上に努めた。

 また、顧客を5階層に分け、ウェブ上でも上位顧客を大切にする姿勢を明確にしたことなどもあり、「ミックスドットトウキョウ」の前期売上高も予算比で約30%増となり、マイナスとなった月はなかったという。

 今期は、残りのブランドについてもO2Oサイトの開設を推進。6月までに東京スタイルが手がける「ヴァンドゥー・オクトーブル」や「ピンキー&ダイアン」など5ブランドを含む6ブランドでスタートする。また、一部のブランドでは、あえてネットでは販売しない店頭限定品を展開。店頭受け取りを促すことで、客数の少ない実店舗の来店促進策としてO2Oサイトを活用することにも挑戦する。
(つづく)

コックス、デジタリゼーションを推進

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イオングループで衣料品専門店を展開するコックスは、成長戦略の一環として"デジタリゼーション"を掲げ、ネットとリアルの相互送客に力を注ぐほか、EC限定ブランドの開発や他社商材の販売にも乗り出すことで新たな客層を開拓し、EC強化につなげる。

 同社は2011年6月に、展開するブランドの商品がすべて購入できるモール型の自社通販サイトを開設。物流センター内に撮影スタジオを設け、ささげ業務などを内製化してEC事業をスタートした。その後、13年にショップブログを開設したほか、14年3月には実店舗とECでポイントを共通化。昨年9月には自社ECとアプリの商品ページに店頭の在庫状況が確認できる機能を実装するなど、シームレスなコミュニケーション環境を整えてきた。

 自社EC以外では、14年3月に主力ブランドの「イッカ」を「ゾゾタウン」に出店したのを皮切りにファッション系ECモールとの取り引きを拡大させている。

 同社では、自社ECの開設と同時にささげ業務を始めた強みを生かし、最近では他社モールに掲載する写真を自社撮影の画像に積極的に切り替えているほか、自社ECではブランドイメージを最大限に出すためにランディングページを強化している。また、EC用の写真を店頭のポップにも活用するなど、ささげ機能を資産として有効活用している。

 今期は、4月にショップブログを刷新し、商品マスターとの連携を開始。ブログの下に自社ECの商品画像を表示して、気になった商品はECの商品ページからそのまま購入できるようにした。また、管理画面ではブログ経由の訪問客数やEC購入額を把握できるようにし、販売員の意識改革にもつなげているようだ。

 既存顧客の定着化に向けては6月から、EC会員を対象に1to1マーケティングを本格始動。購入履歴に基づいた個別のメルマガ配信を強化することで、メルマガ経由のEC売上高を前期の約18%から今期は30%を目標に据える。

 10月には自社ECのフルリニューアルも計画。同社では自社ECにおけるスマホ経由の購入率が13年度の35%に対し、14年度は53%、15年度は68%まで高まっていることから、今回の全面刷新を機にスマホサイトを優先したページ作りに転換し、検索機能の拡充などユーザビリティーの向上に力を注ぐことで収益性の向上を図り、前期は微増にとどまった自社ECを成長軌道に乗せる。

 他社モールについても、自社ECとの在庫一元化に取り組むことで効率化を図る。

 同社によると、中期的には自社ブランドだけでなく、取り扱い品目を拡大することで新たな客層を開拓することも視野にあり、モール型ECのプラットフォームを利用してさまざまな商品やサービスを扱いたい考え。

 また、EC限定アイテムなどは展開しているが、今後はEC専用ブランドの開発を検討するほか、「ECからスタートして実店舗を構えるケースも出てくるのでは」(武田竜弥デジタリゼーション営業部部長)とする。

 なお、同社の16年2月期のEC売上高はモール経由の販売が好調だったこともあって前年比71・9%増の約10億円に拡大。今期は同約50%増を目標とする。

マガシーク  キュレーションメディア始動、消費者の"欲しい"瞬間を演出

 5-1.jpgマガシークは、4月14日からキュレーションメディア「MagaCafe(マガカフェ)」(=画像)を本格始動している。

 同社では、消費者が欲しいと思う瞬間を演出し、解決することをミッションとしている。従来は雑誌が欲しい瞬間を演出し、通販サイト「マガシーク」が解決の場となってきたが、雑誌離れに加えて出版社もECに取り組むなど、雑誌との関係性が変化しており、同社としても"欲しい"を演出する仕掛けが必要で、「マガカフェ」の取り組みはその一環という。

 「マガカフェ」は服を売る場所ではなく、ファッションマガジンとして独立した世界観で読んでもらいたいことから、通販サイトと別ドメインで展開している。

 配信する記事はキュレーションメディア「4meee!(フォーミー)」を手がけるロケットベンチャーが担当するが、同社が抱えるキュレーターには事前にテーマや商材、トレンド情報などを伝え、記事は両社で二重にチェックすることで質を保ちながら、毎日8本程度の記事を配信する。

 ファッション系メディアは競合も多いが、マガシークのMD担当者が早い段階で吸い上げてきたトレンド情報などをキュレーターに提供できる強みを生かし、情報の鮮度と量を含めてEC運営企業にしかできないキュレーションメディアとして差別化を図る考え。

 記事はファッションに特化しているが、同社の主要顧客層は30~40代女性でライフステージが多様化する年代でもあるため、反響を見ながら美容や旅行、グルメなどにも広げるとともに、「マガカフェ」で20代への接触を増やし、若い層の開拓にもつなげる。また、アプリ化も検討していく。

 「マガシーク」で扱うアイテムは記事内の「販売サイトをチェック」ボタンから商品ページに誘導。「マガカフェ」経由の売り上げにこだわる一方、「メディアは面白くなければ存在価値がなく、一定の中立性は必要」(高松貴宏マガシーク事業本部UX・マーケティング部長)とし、通販サイトで扱いのない商品を紹介するケースもある。

 記事は「マガシーク」のフェイスブックとツイッターの公式アカウントでも配信。従来であれば通販サイトで扱う新作の紹介やキャンペーン告知が中心だったが、記事をタイムラインに流すことで、「いいね!」数やシェア数に大きな変化はないものの、PVやリーチ数が上昇しているという。

 新規読者の開拓はロケットベンチャーのノウハウを活用。SEOを意識したタイトルや記事構成で集客につなげる。

 一方、「マガカフェ」の検索性については改善が必要で、フリー検索や話題のキーワードから選ぶことはできるものの、1日当たり8本程度の記事を更新していることから、カテゴリーやシーン別などでも検索できるようにしたい意向だ。

 また、「マガカフェ」に掲載した商品の欠品対策も課題のひとつ。記事を読んで商品に興味を持った読者をがっかりさせないことは大事で、がっかり体験の積み重ねは「マガカフェ」の価値低下にもつながることから、ロケットベンチャーの協力のもと、運用面での工夫や改善を図る。

 今後、キュレーションメディアとしての力が増してくれば、記事掲載できる強みを生かして、通販サイトの取引先ブランドに在庫を多く積んでもらう交渉にもつなげたい考え。現状では通販サイトの強化品番について、通常であれば1~2週間かかる記事作成を約3日で更新できる体制を整えつつあるようだ。

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