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好調ネット販売企業の研究、メンズスタイル、売上高3倍の伸び、"間違いない"衣料品を提案

メンズアパレルのネット販売を行う企業の中でも今とりわけ勢いがあるのが、通販サイト「MENZ―STYLE(メンズスタイル)」を運営するメンズスタイル(本社・東京都渋谷区、宇賀神政人社長)。サイトでは約600アイテムの商品を取り扱い、ほとんどが仕入れ商品。主要な顧客層としては学生が4割、26歳までの社会人が4割で、客単価は平均で1万3000円程度と高めだ。
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 「外さないファッション」をうたい文句とし、ターゲットとなる顧客層を完全に絞り込み、価格訴求ではなく他社より割高であっても、"間違いない"商品を提供するというのが同社のスタンスだ。

 例えば、ポロシャツであれば同じ商品でも同業他社の2倍の価格帯を設定する。同社によると「メンズスタイルで買えば安心という保証書を出しているようなもの」(宇賀神社長)とし、「コーディネートを含めた提案で、絶対に格好いいものをお届けするという自信を持っている」(同)。

 同社は2007年3月の設立以後、うなぎ上りに売上高を伸ばしている。初年度5600万円だった売り上げは、次年度に1億9000万円、前期(10年2月期)が5億3000万円と、毎年約3倍の伸長率を示している。現在では月商1億円のペースを維持しており、今期(11年2月期)の売上高は15~21億円を見込んでいる。

 その「商品力」や「提案力」を武器に急成長を遂げる同社。宇賀神社長が「メンズスタイルは私の世界を反映させている」と話すように、商品のセレクトや撮影時のモデルなどをすべて社長自身がこなす。

 「22歳までファッションが好きじゃなかった」と宇賀神社長。当時は1000円以上の洋服を買う気持ちが分からなかったという。「その時のダサかった自分があるから、洋服に興味がない人の気持ちも分かる」(同)。そうした経験をベースに、仕入れをすべて一人でこなし"これを着ればまず間違いない"という安心感を提供する。その結果、顧客のリピート率も高くなるというわけだ。

 設立時は、手頃な価格帯でセンスの良い商品を提案するようなファッション雑誌の立ち上げを考えていたが、起業資金が80万円だったため、紙媒体ではなくネット販売という形態を選択。現在でも単にネットを通じて商品を販売するだけでなく、「モテたい男性を後押しする」というコンセプトでサイトを制作している。今後もデートコースや料理、カフェの紹介といったコンテンツを増やし、サイト内を充実させていく構えだ。


ギルト・グループ、前年比4倍で売上推移、上位客向けセールなど開始

招待制の通販サイトを運営するギルト・グループ(本社・東京都江東区、桑野克己社長)の会員数が45万人を突破し、売り上げ面でも今期(10年7月~11年6月)は、前年同月比で3倍~4倍弱で推移するなど好調だ。8月からは、重要顧客向けの限定セールを開始して好評を得ているという。米国で先行して事業化するグルーポン系サイトの開設も視野にあるようで、11年6月期は前年比3倍の販売計画に対し、同4倍を目標に顧客の囲い込みに向けた取り組みを加速する。

同社ではこれまで、「goo」を運営するNTTレゾナントとパートナーシップを結んで同サイトから消費者を招待したり、ヤフーのファッション総合サイトでは、ヤフー会員から寄せられた着こなしの相談にギルトが回答するコーナーを設けるなど、露出の機会を増やしてきたことなどが奏功し、今年8月時点で45万人の会員を獲得した。

 これと同時に、コスメなど、顧客層に合わせて商品カテゴリーを拡充してきたことが、売り上げの拡大につながっているようだ。

 今年8月には、重要顧客を対象に、ハイエンドな商品をシークレットセールで販売する取り組みを始めて成果を上げているという。

 具体的には、購入実績で上位1%の顧客に対し、メルマガなどで特別セールの情報をアナウンス。対象者は通常通りログインすることで、一般会員向けには表示されないセールに参加できる仕組みを作った。

 第1弾は、海外の高級婦人服をとり上げ、約30万円の商品を10万円代で割引き販売して「予想以上に売れた」(桑野克己社長)。

 上位1%の顧客を対象にしたにもかかわらず、特別セールの売り上げ規模は通常のセール1回分の50%を消化し、手応えを掴んだ。

 ブランド側でも、通常よりもさらに限定された消費者に向けて高額な商品をセール販売できる場として関心が高いようだ。ただ、同社では新たに開始したセールは「重要顧客のCS向上の一環」(同)としており、月1回のペースで、取り扱いブランドを変えて実施する考え。

 今期は、すでに米国のサイトで対応している「iPad」について、日本でも今秋にはサービスを開始する。

 また、本国ではニューヨークとボストンに限定してサービスを開始しているグルーポン型ビジネス「ギルトシティ」の日本版も検討しているようで、参入企業が相次ぐ同市場でもギルトが存在感を示せるのか、その動向にも注目が集まる。




好調ネット販売企業の研究「アイエスアイ」 〝マスク需要〟取り込む、防災用品専門サイトを運営


052.jpg 9月1日は防災の日。地震対策用品や非常食など、日ごろはあまり意識しない防災関連商品を購入するという人が増える時期だ。

 こうした需要を取り込んで売り上げを伸ばしているのが、アイエスアイが運営する防災用品専門サイト「レスキューネット」。特に、昨年は新型インフルエンザの流行もあり、マスクなどの対策用品が良く売れて売り上げは前々年の倍近く伸びたという。サイトを管理する、マーチャンダイジング本部、商品企画チームマーチャンダイザーの千葉健一氏は「すぐにマスクを手に入れたいという顧客が多かったが、他のサイトは在庫切れになることが目立った。当サイトは納期遅延がなかったのが良かったのではないか」と分析する。

 アイエスアイの主力事業は、クレジットカードビジネスのコンサルティングだ。レスキューネットを立ち上げたのは2006年のこと。ただ、もともとカード会社のポイント交換用商品の仕入れや配送のほか、メーカーが自社のカード会員向け冊子などで手掛ける通販の下請けを手掛けていたこともあり、自前の配送センターを持っていたという。

 レスキューネットのほか、消防関連のアパレルやグッズを販売する「レスキュースクワッド」も運営しており、ポイント関連事業も含めると、通販事業は全売上高のうち約4割を占めるまでに成長している。

 防災用品を販売することになった理由について、千葉氏は「ネットでも競合が少なく、業界がやや特殊なためチャンスがありそうだったから」と説明する。防災用品はホームセンターなどに行かなければ手に入らず、重量がある商品が多いため、通販に向いている。さらには誰もが必要な商品であることから、潜在需要が見込めるというわけだ。

 千葉氏は防災士という民間の資格を所有していることもあり、顧客からの電話やメールによる問い合わせに対応することがしばしばだという。例えば、地震対策用品に対する質問。家の間取りや周囲の環境などを聞いて、何が必要かを的確にアドバイスする。必ずしもすぐの売り上げにつながるわけではないが、千葉氏は「防災関連の啓発活動も重要なこと」と強調する。

 自社サイトのほか、楽天市場、ヤフーショッピングにも出店しているが、法人は自社サイト、個人や仮想モールと顧客層は色分けされている。法人需要に関しては、昨今、大規模な災害時に事業を早期復旧するためのプランであるBCP(事業継続計画)が注目されていることもあり、堅調に推移しているという。

 良く売れている商品は非常食関連。乾パンだけではなく、豚汁、肉じゃが、ハンバーグなど、バラエティー豊かな非常食を揃えているのが大きいようだ。また、消防士用の手袋も人気商品のひとつ。消耗品ということもあり、消防士が利用している。

 今後は、自社サイトを改良することで、購入率の上昇につなげる。具体的には、個人と法人の入り口を分けることで、LPO(ランディングページの最適化)対策を行う予定だ。また、防災関連用品を初めて購入する顧客に対する、ナビゲーション的なコンテンツの作成も考慮している。

アイスタイル 新コンテンツを提供、「美白」など専用ページを自動生成

051.jpg くちコミサイト「@cosme(アットコスメ)」を運営するアイスタイルは8月12日、ユーザーの関心に合わせてトップページが表示される新コンテンツの提供を始めた。情報社会の進行でユーザーの関心が多様化していることに対応するもの。サイトの利便性を向上させ、訪問者数を増やす狙いだ。

 新コンテンツは、「美白」や「毛穴ケア」「ニキビ」など、各ユーザーの関心事に合わせてトップページが自動生成されるもの。各ページには、関連するくちコミや商品、ランキング、Q&A、専門家のコメント、外部のブログ、メーカー情報ページなどが集約されて表示される。

 こうしたトップページは、「アットコスメ」内における検索キーワードや、ユーザーがくちコミやQ&Aの際に入力した「タグ」、「効果(アイスタイルが用意するキーワードから入力時に選択するもの)」を基に生成される。

 例えば、「美白」や「爽快感」といったキーワードを入力するユーザーが多ければ、「美白トップページ」や「爽快感トップページ」が生成される仕組みだ。ポータルサイトを中心に構成される、いわゆる"ツリー型"のサイトではなく、ユーザーの関心事を中心として関連情報がひもづいている。

 自動生成されるサイトは、「パウダーファンデーション」や「30代乾燥肌」「香り」など、関心事に合わせて無限に想定される。ただ、検索件数の多い「毛穴ケア」など一部のコンテンツは、使いやすさを考慮してアイスタイルが独自の編集を加える。将来的には、会員登録を行ったユーザーが、自らの関心事に合わせて、一定のカスタマイズを加えることができるよう改善することも構想している。

 アイスタイルが新コンテンツを提供する背景には、インターネットの普及など情報社会の進行に合わせてユーザーの関心が特定ブランドの商品情報に限定されず、化粧品の機能や肌の悩みなど多様化してきたことがある。

 新コンテンツは、外部検索ツールからのアクセスにも配慮した導線の設計がされており、ユーザーは「アットコスメ」を介さずとも、自らの関心事に応じた情報を得ることができる。以前は、ポータルサイト内で検索して情報を収集する必要があった。

 一方、従来からあるポータルサイトも継続して運営していく。

スタートトゥデイ 委託販売型ブランド強化、取扱商品拡充しCS向上

 スタートトゥデイは、主力の通販サイト「ゾゾタウン」において、買取り販売で取り扱っているブランドのテナント化(委託販売方式)を進める。在庫リスクを軽減し、買取り方式では扱えなかった品番を拡大することで消費者の満足度を高めるほか、1品番当たりの在庫供給量を増やすことで売り上げ拡大につなげるのが狙いだ。

 この一環として、9月1日には婦人衣料の「イランイラン」やバッグの「マンハッタンポーテージ」など人気が高い16のファッションブランドを一斉にテナント化する。

 従来、各ブランドの商品はスタートトゥデイのバイヤーが買い付け、「ゾゾ」内のオリジナルセレクトショップで販売していた。このため、在庫リスクを考慮して、各ブランドの商品ラインアップや取り扱い商品の奥行きは必ずしも十分とは言えず、消費者のニーズに応えきれないケースもあったようだ。

 今後、16のブランドがそれぞれひとつの店舗として展開することで、商品政策は「ゾゾ」からブランド側に移行するため、単独でのメルマガ配信や受注販売を実施しやすくなるほか、アイテムをフルラインアップで展開するなど、自社で商品コントロールができるようになる。

 こうした取り組みと並行して、スタートトゥデイではOL系、銀座系、ギャル系など、従来の「ゾゾタウン」とは異なるターゲット層を狙ったブランドの開拓や、海外ブランドの誘致も進める方針。

 同社では今期(2011年3月期)、全事業で555億円の商品取扱高を計画しており、そのうち委託販売方式での取扱高は前年比62%増の409億円まで拡大させたい意向だ。

《通販 4号 05面 09》

ジェネレーションパス、通販開始3年で売上高12億円へ

5kata.jpg 家具やインテリア、日用雑貨などのネット販売を手掛けるジェネレーションパスが、通販サイト「リコメン堂」の売上高を大幅に伸ばしている。開始3年目に当たる2009年12月期の売上高は前年比200%以上増の7億5800万円。今期も12億円超えは確実の状況だ。開始からわずか3年でここまで事業を拡大させたのは「どこでも売っている商品」を中心に取り揃えた豊富な品ぞろえにある。

 同社ではヤフーショッピングや楽天市場などの仮想モールへの出店のみで、自社サイトは運営していない。元々、同社は記念写真のCD・DVD加工業務などを手掛けており、岡本社長自身もネット販売業務の経験がなかった。始めた経緯も「(通販は)非常に拡大しているマーケットだったので、我々が参入しても邪魔者扱いはされないだろう」(岡本社長)というなんとも控えめな発想からだった。

 自社で製造せず、賞味期限も気にしない商品として、まずは家具・インテリアを取扱商品として選択。国内メーカーを回って、仕入れルートを確保していった。

 商品の多くは他の通販サイトや百貨店、専門店などの実店舗でも売れている定番品が中心。「当社でも販売させてもらうことは、メーカーからすれば『ワンオブゼム』なのでリスクもない。そのため、すんなり仕入れに応じてくれた」(同)と説明する。現在では寝具や収納家具、照明器具など合計20万アイテム近くを販売するまでになった。

 サイト内では季節商品を集めた特集コーナーなどは設けるが、安売り企画はほとんど行わず、会員制度なども設けていない。「無茶な値引き合戦で適正な利益率が確保できなくなると、その商品を売る人間はいなくなってしまう。それではメーカーを苦しませるだけ」(同)とし、価格戦略による顧客誘導を行わない方針を貫いている。

 その一方で、マーケティング分析は徹底している。次のヒット商品を探すことも重要だが「売れた商品をさらに売る」ということに重点を置き、サイト内の20万アイテムをアクセス数や顧客層などを細かくデータ化し、効果的なSEO戦略を立てて成果を挙げている。今夏のヒット商品は温度調整素材を使用した「清涼寝具」。昨年、試験的に販売した時に、取り扱い数が少ないながらも売れ行きが好調だったところに目を付け、今年本格的に販売。猛暑の影響もあって大ヒット商品になった。1日平均で100点以上、多い時は500点も売れたという。

 今後の課題は、取り扱いアイテム種類の拡大。特に食品の販売に力を入れていく考えだ。7月には洋菓子メーカー「クレマモーレ」のイタリアンジェラートを発売。ネット販売としては同サイトが初の取り扱いとなる。その他にもクッキーや生鮮食品などの取り扱いを検討中。来月には都内の有名商店街と連携して、食品や酒類、腕時計など加盟店舗の商品を販売することも決まっている。

 「近年はコンビニなどの台頭で低迷しているが、商店街は伝統ある(優良な)仕入先をたくさん抱えている。それらの商品力を活かしていきたい」(岡本社長)とする。今後、海外展開なども視野に入れながら、さらなる事業の拡大を目指す。

リトルアンデルセン、ショーでファン獲得

4kata.jpg 子供服のネット販売を手がけるリトルアンデルセンは8月7日、都内の商業施設で子供服のファッションショーを開催した。

 今年で4回目の開催となった「東京トップキッズコレクション」は、同社が運営する通販サイト「キッズオンライン」の取り扱いブランドなど22のブランドが参加。キッズモデルによるウォーキングを中心に1時間程度のイベントを行った。

 ショーのモデルを務めるのは同社サイトの顧客で、モデルになるには指定の期間内に同社サイトで商品を購入してエントリーする必要がある。

 イベントがメディアで紹介されたり、ショーの参加をきっかけに出演ブランドのモデルになるケースもあるため、回数を重ねるごとにモデルへの応募件数が増加。昨年の700人に対し、今年は全国から約1150人のエントリーがあり、そのうちの175人がモデルとしてショーに参加した。

 今回からジュニアのアパレルが初登場するなど出演ブランドが増えたこともあり、前回よりもモデルは60人増やしたという。

 また、イベント会場のロビーでは、出演者以外の子供を対象にした撮影会も行っているため、オーディションで落選した子供や、その家族もショーを見にくる傾向が強く、モデル応募時の商品販売と入場チケットの販売増により、「イベントの採算性は改善されている」(同社)という。

 なお、会場となった東京ミッドタウン(港区)には1日2回公演で約1700人が来場。撮影会を行っていることもあって子供の多くは同社がネットで販売するブランドの服を着用しており、こうした仕掛けも売り上げを押し上げる要因となっているようだ。

ドクターシーラボ、モデルオーディションを開催

5men.jpg 化粧品通販のドクターシーラボがモデル募集を始めた。8月上旬から、15~25歳の女性を対象にネットや雑誌で告知。グランプリ獲得者は同社のテレビCM出演やファッションイベントのモデルに起用される。モデル募集を通じて、若年層をターゲットとした化粧品のサンプルを応募者に配布。また、選考段階で応募者に配布した化粧品の感想を自身のブログに記述するように促し、くちコミ効果を生む仕掛けも実施。新規顧客獲得も狙う考え。

 ドクターシーラボが開催するのは「ラボラボモデルオーディション」。人気ファッションイベント「ガールズアワード」との共催という形で、8月上旬から国内在住(国籍不問)で身長160センチ以上の15~25歳の女性を対象に「ガールズアワード」のサイト(=画像)やファッション誌などを通じて告知。希望者は必要な書類を郵送、または専用サイトなどで申し込むと、1次審査(書類審査)、2次審査(面接など)を経て、9月18日に開催される「ガールズアワード2010」で最終審査を実施。グランプリ獲得者(1人を予定)はハワイ旅行(ペア2人旅行券)のほか、ドクターシーラボが今秋以降に放送するテレビCMに出演できる。また、次回の「ガールズアワード」にモデルとして出演できるなどの特典が得られるという。

 ドクターシーラボはモデルオーディションを通じて、話題作りや同社の商品を魅力的にアピールできる優秀なモデルを獲得したい狙い。これに加えて、モデル募集を通じた新規顧客獲得を進めたい狙いもあるようだ。

 同社は「LaboLabo(ラボラボ)」という若年女性向けの化粧品ブランドを展開中だが、モデル募集対象である15~25歳は「ラボラボ」の見込み客とも言える。この応募者全員に「ラボラボ」のトライアルキットをプレゼントすることで無料サンプルを効率的に配布できることになる。なお、同社では8月25日までの募集締切日までに約1000人程度の応募が集まると見込んでいる。

 また、1次審査では強制ではないが、「ブログを開設している方はLaboLaboトライアルキット使用後の感想をお書きください」と応募者に呼びかけ、各自のブログによる「ラボラボ」のくちコミの発生を誘発。応募者だけでなく、応募者のブログを閲覧する同世代の女性にも「ラボラボ」のアピールを狙う。なお、1次審査通過者には全員に「ラボラボ」の本商品を贈与するという。

 モデルに応募するような美的感度の高い層に対して、効率的にサンプルの配布ができるなどの利点を生かし、モデルの確保はもちろん、優良な見込み客の新規顧客化も進めたい考えのようだ。

好調ネット販売企業の研究28──コーボー・ホールディングス 

 5-2.jpgインターネット広告代理事業などを展開するコーボー・ホールディングスが運営する漫画の通販サイト「大人買いジェイピー」が好調に推移している。単巻での取り扱いはせず、全巻をまとめて販売する手法を採用。再販制度の関係などから全巻であっても定価での扱いだが、高い客単価に支えられ着実に売り上げを伸ばしている。



 同社は2年前に通販サイト「大人買いジェイピー」を開設。"ニッチ"な領域で、ある程度の売上規模が見込め、比較的身近な商材であることから漫画を全巻まとめて販売する通販サイトに着手した。今ではヤフーの「ヤフー!ショッピング」や楽天の「楽天市場」など合計5つの仮想モールにも出店している。

 自社サイトと仮想モールを合わせた売上高は、初年度で1億2000万円程度だったが、前期(2010年3月期)は3億円、今期(11年3月期)は5億円を見込んでいる。

 主要な顧客層は25~40歳で男性が6割で女性が4割。客単価は1万5000円程度と高めだ。

 女性の顧客が多いのが特徴だが、そのうち6割は男性向けコミックを購入するという。同社では「以前、彼氏が読んでいたり、映画などメディア化されたため読むといった傾向があるのでは」(古城社長)とみている。加えて、書店で漫画を全巻買った場合の持ち運びの手間や、男性コミックを店頭で購入する恥ずかしさといった問題を解消できることも寄与しているようだ。

 現在、取り扱っている漫画は約2000タイトル。人気を集めているのは集英社が発行するジャンプコミックスの作品で、中でも「ワンピース」「ナルト」「ブリーチ」など映画化された作品が売れ筋だ。

 また、NHKの大河ドラマ「竜馬伝」の影響で「お~い!竜馬」や、パチンコのCM放送があった「花の慶次」もよく売れているという。

 同社は6月末にクーポン券の共同購入サイト「GOTi(ゴーチ)」を開設し、ツイッターなどのソーシャルメディアを駆使したくちコミで販売につなげている。「ゴーチ」を運営する中で吸い上げたマーケティング手法を「大人買いジェイピー」にも応用していく考えで、「ツイッターのリアルタイム性を活かしたサービスやコミュニティ作りを進め、売り上げ拡大につなげたい」(同)としている。

 「書籍という商材は差別化を図るのが難しいため、マーケティングで違いを出していきたい」(同)とし、主力のネット広告代理事業で培ったノウハウなども武器に、今後は電子書籍との連携も視野に入れつつ「徐々に成長させていく」(同)考えだ。


ケンコーコム 医師向けに個人輸入代行、米子会社通じ展開

 5-1.gifケンコーコムは米国の子会社を通じ、医師向けの国内未承認医薬品個人輸入代行サービスを開始した。これまで医師が治療に必要な国内未承認の医薬品を使う場合、自ら当該医薬品を扱う業者を探し、個人輸入の手続きをしなければならないケースが多かったが、同サービスの展開で医師の負担を軽減。既に流通している疾病医薬品が日本で承認され、使用できるまでのタイムラグ(ドラッグ・ラグ)の解消につなげる。

 
 今回のサービスは、医薬品輸入代行を行う米国の子会社モンゼンコーポレーション(モンゼン=本社・カリフォルニア州トーランス)を通じて展開する。モンゼンは今年3月に設立したケンコーコムの100%出資子会社(資本金11万米ドル)で、CEOには、米国でコールセンター業務等を手掛けるケンコーコムUSAの保科貴枝氏バイスプレジデントが就任。今年6月には、米国カリフォルニア州医薬品卸売販売許可を取得している。
 
 サービスは医師および医療機関に限定した会員制で、会員登録には医師免許のコピーなど必要書類の提出が必要になる。取り扱う医薬品は、ワクチンや皮膚科美容領域使用薬、がん治療薬などで会員登録した医師がモンゼンのサイト等を通じて医薬品を注文すると、モンゼン側で海外業者への発注、厚労省および経産省への輸入承認申請、通関、配送などの作業を手配する。
 
 実際の医師からの注文受け付け、および代金決済はモンゼンの日本支店が担当する形で、会員登録から医師に医薬品を届けるまでのリードタイムは2週間程度になるという。今後、シンガポールの子会社にモンゼンが扱う個人輸入医薬品のロジスティクス機能を持たせ、最短5日で届けられるようにすることも検討していく。

好調ネット販売企業の研究、フジヤエービック、 ユーストリームで販促、

音響・映像の関連用品を販売しているフジヤエービック(本社・東京都中野区、大月浩司郎代表取締役)では、ユーストリームやツイッターなどの新たなツールを利用した販促活動を展開し、売り上げ拡大につなげている。
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 同社は、CDやDVDを扱うソフト部門と、業務用映像機器・音響機器を取り扱うハード部門の2事業に分かれている。都内にある実店舗での在庫もあわせて、取り扱いアイテムは、2事業合計で2500点程度。本格的な音響・映像機材が多いため、価格は数万円以上のものが多数を占める。

 現在の通販事業は、3年ほど前に本格稼動させた自社サイトでの販売が中心。一部、音楽・映像関係の専門雑誌に広告を掲載し、電話でも注文を受け付けている。

 近年は、若者のCD離れやデジタル化の影響でソフト部門の業績が伸び悩んでいたため、業務用ヘッドホンやビデオ関連機材の拡充を進め、ハード部門でのテコ入れを図っている。

 そのため、ユーストリームの登場は映像関連用品を扱う同社にとっては大きな追い風だった。ユー
ストリーム用の映像制作機材の売り上げが、今年に入り大きく増加。「ワイヤレスマイク」が20~30個以上売れた月もあったという。

 もちろん、映像機材を販売するプロとして、自分たちがユーストリームを活用することも当初から考えにあった。今年の春から1つの販促ツールとして映像配信を開始。配信しているのは、年に数回、都内で2000人以上の顧客を集めて商品紹介などを実演している自社イベントの「ヘッドホン祭り」の様子。仕入先のメーカも多数参加しており、新商品のプロモーションにもなっているという。

 全国的に専門店が少ないことから、ハード部門の顧客は、東日本や九州など地方にも数多く散らばっている。同社は「当日参加できない遠方の顧客が、このイベントの様子を見ることができるようになった。今年秋にも同様の企画を行うので配信したい」(営業部部長)とする。

 また、ツイッターに関しては、09年の8月から、グループ会社のフジヤカメラ店と同時期に開始した。「ただ単に商品紹介をつぶやくだけでは面白くない」(同)と考え、映像・音響業界の裏話や商品の中身に使われている素材の凄さなど、消費者が普段知り得ることのできない内容を中心につぶやいている。反応は上々で、販売者の人となりや会社の雰囲気を伝えることに一役買っているという。

 同社の2010年6月期のネット販売事業の売上高は前年比9%増の2億200万円。今期も約10%増の2億2000万円を見込んでおり、その取り組みは着実に成果に現れているようだ。


専門家に聞く ヤフーとグーグル、検索で連携での通販事業者への影響は?

"ヤフー依存"のEC事業者は要注意、小手先では難しいグーグル対策

 ヤフーは7月27日、検索サービスでグーグルと提携すると発表した。年内をメドに、検索エンジンと検索連動型広告配信システムをグーグルのエンジンとシステムに切り替える予定だという。搭載される検索エンジンが変わる以上、「ヤフーの検索サービス」に対して、新たな対策が必要になる可能性は高そうだ。検索エンジンマーケティングに詳しいアウンコンサルティングの棚橋繁行取締役兼常務執行役員(=写真)にネット販売実施企業に与える影響と採るべき対策について聞いた。
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――今後、ヤフーの検索対策はどうすべきか。

 SEO(検索エンジン最適化)のベースはリンクされている数などいくつかの要素で検索順位が決定されるなど、対象エンジンによって多少の差異はあるが、基本は同じだ。ただし、これまでヤフーの検索は『リンク集』を作り、リンク数を増やすなど簡単な対策で検索結果を上位にできた。一方、グーグルの場合は精度がしっかりしており、付け焼刃の施策では簡単には上位に表示されにくい。なので、グーグル対策は手間とコストがかかる。そういったことで現状、ヤフーの検索対策のみしか実施していないEC事業者は多いのではないかと思う。無論、これまでは日本最大のポータルサイトであるヤフーを押さえておけばいいと割り切ることもできたが、今後は、グーグルのエンジンがヤフーの検索サービスに採用される以上、グーグル対策は避けて通れなくなるだろう。

――ヤフーの検索対策しかしていない通販事業者は、とりあえず何からすればよいか。

 まずは事態の把握だ。現時点でグーグル検索で自社サイトの検索順位がどのくらいの位置にいるのか、関連キーワードを入力して、把握しておいた方が良い。その上で実際にどういった対策が必要でどうやればよいのか、投資の規模などを調べておく必要がある。また、アクセス解析を入れてあれば、現状、ヤフー検索から流入がどれだけあって、グーグル経由はどうなのかなどの現状把握は必要。ヤフー経由の流入が大半でグーグル経由の流入がヤフーよりも著しく少ない場合は抜本的な対策と新たなコスト負担がかかってくる可能性がある。

――どういうことか。

 先ほどこれまでのヤフーの検索対策は比較的、簡単だといった。例えば、SEOでは非常に重要であるサイトへのリンク数を増やすために、リンク集を作って、リンクさせたりすると、検索順位が上がるが、こういう意図的な対策はグーグルでは意味がないどころか、かえってマイナスになる。こういったマイナスになるリンクをはずさなければいけないが、SEO代行業者などに対策を任せているサイトはどこからリンクさせているのかわからないところも多そうで混乱が起こりそうだ。

 あとはやはり、対策の費用だ。『ヤフー対策』を専門にやるSEO業者の料金は月々数千円、数万円と格安だ。これは繰り返しになるが、対策が比較的、簡単だからだ。ただ、グーグルのSEOは手間がかかるので、その分、業者にお願いすればコストもかかる。

――検索連動型広告については。ヤフーの「スポンサードサーチ」はグーグルの「アドワーズ」に吸収されるのか。広告主はグーグルのアドワーズからヤフーにも出せるようになる?

 それはない。スポンサードサーチは残したまま、裏側の仕組みにアドワーズのテイストが入ってくるはず。ヤフーに検索連動型広告を出したければ、ヤフーのスポンサードサーチに申し込みが必要だ。

――リスティング広告の出稿際のガイドラインは同じになる?

 それもないだろう。ガイドラインはあくまでも、各社の考えが反映される。システムが同じだから、検索順位のロジックとか、数字集計のロジックなどでアドワーズの仕組みが反映されるだけで、ガイドラインも同じになることはないはずだ。特にヤフーはこれまでも厳しかったし、掲載基準は変わらないと思う。

――広告料金はどうか。

 裏側のシステムが同じになることで、ヤフーとグーグルの検索連動型広告料金の乖離は少なくなるかもしれない。単価を決めるロジックが一緒になるので。ただ、ヤフーがグーグルの検索エンジンを採用したからといって、ヤフーの利用者数は変わらない。むしろ、使い勝手が良くなり増えると思うので、キーワードによっては高くなったりする可能性はある。


広がるツイッターの通販活用「DGコミュニケーションズ編」 〝前フリ〟で関心高め紹介、RT重ね送客数を拡大

241.jpg増加する企業のツイッター活用。自らアカウントを開設する例は多いが、ゼロから始める場合、フォロワー数の拡大には相当の手間と時間がかかる。内容も単純な商品紹介などに留まる場合が多く、戦略的に展開している例はそれほど多くはないのが現状だ。こうした中、DGコミュニケーションズはツイッターを使った健康・美容に関わるプロモーション代行を展開。1万を超えるフォロワー数と、「ゆるい」ツイートによるユーザーとの親密な関係を強みに企業の販促を請け負っている。



 ツイッターアカウント「tanotame(タノタメ=タノシーナ・タメスーノ)」を開設したのは2009年8月。以前、同名の健康食品・スキンケア化粧品のお試し通販サイトを運営しており、その中でツイッターも使って商品紹介を行っていた。ただ、一方的な情報提供に終始しており「あまり盛り上がらなかった」(Webソリューショングループ・藤井智美プロデューサー)という。

 以降、11月に通販サイトを休止。ツイッターは同じ形で続けている状態だったが、今年1月につぶやき担当を藤井氏に変更して「ゆるいツイート」をしていたところ、フォロワーがじわじわと増加。現在は1万4000人を突破した。8割が女性で、20~30代が中心だ。

 「タノタメ」で請け負うのは、タイムセールなどでのサイトへの送客やモニター募集、イベント告知などのプロモーション。個人の色が濃い「ゆるい」ツイートを通してユーザーと親密な関係性を構築するのが特徴だ。

 例えば、UVケア商品を紹介する場合は数日前から紫外線予防の話題をする。並行してクライアントの見学なども行い、現場から写真を投稿。数日前から「いろいろな前フリをしてストーリーを作り」(同)、関心を高めてから紹介するわけだ。写真を使うのがコツで、実況中継感が高まる効果がある。「ツイッターのURLのリンクはクリック率が高い」(同)とし、効果的に活用することで関係性を高めている。

 キモはキャンペーンで割引価格やサンプルなどを提供したユーザーに、使用感をツイートしてもらうこと。その感想をリツイート(RT=引用)したりされたりすることで、より広範なユーザーに伝わり、さらなる送客が図れる仕組みだ。キャンペーン自体は一週間もあれば終わるが、終了後もRTによる送客は続くため、1カ月程度を必要な期間とみている。その後、使用感や送客数などを分析してデータを企業に提供する流れだ。

 料金は一つのキャンペーンにつき30万円程度。今後は公式サイトの開設やサービスのアウトソーシング化なども検討しており、より注力して展開していく構えだ。

好調ネット企業研究26「アールオーエヌ」 ダーツ用品7000点、技術講座やセール、サイト訪問に直結

242.jpg ダーツ用品などのネット販売を手掛けるRON(=アールオーエヌ)の売り上げが好調に伸びている。2009年度の売上高は、ごく一部の取り扱いであるメンズコスメやアパレル、ペット用品のネット販売事業とあわせて、前年比約20%増の8億9000万円。会社創設の2004年度以降、毎年右肩上がりで推移している。

  売り上げが好調な最大の要因はその品ぞろえにある。主力であるダーツ用品の通販サイト「S― DARTS(エスダーツ)」では、ダーツの矢やフライト(羽部分)、ボード、ケース、ユニフォームなど関連商品を7000アイテム以上取り揃えている。同社では「ダーツ用品に特化して通販を行っているサイトはおそらくウチだけ。それが大きな強みだ」(EC事業本部EC1部)とする。

  定番商品のフライトは300~500円程度。国内製品ではなく、ニュージーランドや中国、イギリスといった外国製品を仕入ることで価格を抑えている。商品によっては国内製品の半値程度で仕入れることができる。

  顧客層は20~40代の男性が中心で、初心者から経験者まで幅広い。ゲームセンターなど大型レジャー施設などの法人需要も多く、顧客比率は個人向けと半々の割合。

 7、8年前にダーツブームが起き、その影響で日本でもプロ選手が増加した。大会数が増えたこともあり、法人需要の底上げにもつながっている。繁忙期は7、12月のボーナスシーズン。玩具業界とほぼ同じ動きだという。

  同サイトの中では、顧客の囲い込み策として、様々なイベントを開催。不定期に行う割引セールに加え、プロ選手のブログや動画を使ったダーツ講座、姉妹サイトとして全国のダーツスポット検索などもある。社内には自前の動画撮影用のカメラや簡易的なスタジオもあり、テレビディレクター経験者の社員を中心にコンテンツ制作を行っている。

  7月13日にはクイズコーナーを試験的に開始。ダーツに関する問題を毎日1回掲示し、回答を集めている。すでに200件ほどの回答が集まるなど利用率も高いため、今後、集計して高得点者を対象に特典を与えることも検討中だ。同社では「買い物だけで終わるサイトにしたくない。中で楽しんでもらう仕組みがなければ、顧客の訪問機会は増えていかない」(同)とする。今年度は利用者の更なる増加を見込んでおり、売上高も12億円を目指す。

  同社は、今年2月に本社を移転。社内の物流倉庫スペースも旧社屋の平屋200坪から2階建て400坪まで拡大した。将来的な物量増加にも対応するための移転だという。ダーツ関連商品の配送に関しては、佐川急便、その他の事業ではヤマト運輸を使用している。ダーツは精密パーツや高級品も多いため、配送追跡を徹底させている。

  海外への展開も視野に入れており、1、2年後をめどに香港や韓国向けのサイトを開設する予定だ。「近年、ダーツブームがアジア圏を中心に広まっており、多くの需要が見込める。中国については、まだ物価が低いため検討はしていない」(同)とした。

好調ネット販売企業の研究 ベティーロード――高級時計が毎年2桁増

5kata.jpg 婦人向けの海外製高級腕時計などの販売を手掛けるベティーロードの通販事業の売り上げが毎年2ケタ増を続けている。2009年はヤフーショッピングのカテゴリー別「ベストストア大賞」も受賞。通販サイト「ベティーロード」の認知度向上とともに事業拡大にもつながっているようだ。

 同社の通販は自社通販サイトと、ヤフーショッピング、楽天市場で展開。通販事業開始当初の2001年ごろには雑誌などの紙媒体も利用していたが、掲載商品の在庫切れの際の対応などに難があり、現在はネット販売のみを行っている。

 開始から3年が経過したころには、ヤフーショッピング、楽天市場での販売からくちコミで評判が徐々に広がり、売り上げも前年比2ケタ増を続けるようになったという。昨年度の通販事業全体の売上高は前年比10%増の約12億円。同社では「リーマンショック以降、購入単価は下がったが、客数が増加している」(IT事業部WEB統括)と分析。今年も2ケタ増を目指している。

 商品数も、この5年間で倍以上となる約1500点まで増加した(新品、中古、アンティークの3カテゴリー合計)。

 メンズ商品とは違い、ワンアイテムが突出して売れるということはなく、様々な種類の商品が、色やデザインなどで選ばれることが多いという。最近は芸能人がブログなどで紹介した商品に人気が集中する傾向にあり、流行の移り変わりも早い。現在の売れ筋は20万円前後の商品。特にカジュアルな大き目のサイズの腕時計に人気があるようだ。

 高額商品を通販で取り扱うことから、同社ではとにかく顧客に信用・信頼を与えることに重点を置いている。何よりの強みは実店舗の存在で、何か問題があれば店で直接対応してもらえるというのが、顧客に安心感を与えている。

 もちろん、サイト内での工夫も怠らない。その1つが「ひと気」を出すこと。顔が見えない通販であるため、サイト内には、販売員が顔写真付で商品紹介するコーナーを常時設置。来店経験のない通販顧客に、まず、自社の雰囲気やコンセプトをアピールすることに注力している。商品画像の掲載方法についても、基本の3カットに加え、全体像やアップ、女性モデルに装着させて使用感を分かりやすく伝えるように心がけた。「男性は事前に商品を決めて買いに来るが、女性はその場でモノを見て雰囲気などで判断してから買うことが多い」(同)とし、商品ページの細かい気遣いが購入行動につながっていると考えている。

 顧客へのアフターフォローとしては、5年前から行っている「安心パック」が好評だ。中古やアンティークは、商品コンディションが購入前の顧客に十分に理解されないこともある。このため、たとえ「印象が違った」などの顧客都合でも一定条件さえクリアしていれば、無償で返金・返品ができるようにした。

 現在、同社では年に4回程度の割引セールや不定期の季節特集企画などを実施し、顧客の獲得に努めている。今後はモバイル版のテコ入れやツイッター、ミクシーによる販促、スマートフォンでの展開も視野に入れ、更なる顧客開拓を図る考えだ。

シップス、自社サイトの差別化推進

5men.jpg 大手セレクトショップのシップスは、今年6月に開設した自社通販サイトが先行セールの実施などで消費者の支持を得ている。これまで、ネット販売の多くを依存していた「ゾゾタウン」など他社サイトとの差別化を図るとともに、実店舗との連携を強化することで顧客満足度の向上につなげる。

 同社は小ロット多品種型のMDが特徴。シーズンのピーク時にはネット販売だけでも3000~4000型の商品を扱うため、写真撮影や採寸などに手間がかかるとして、これまで関係の深かったスタートトゥデイ子会社にフルフィルメント業務を委託し、6月18日に自社通販サイト「シップスオンラインショップ」を開設した。

 シップスでは、開設時の顧客獲得策として他社サイトよりも1週間前倒しで夏のセールを実施。その結果、「ゾゾ」からの顧客は全体の20%程度で、大部分は実店舗の顧客や新規のネットユーザーを獲得したようだ。

 自社サイトへの集客策としては、先行販売や限定商品を定期的に投入し、商品の奥行きを持たせる。
 また、他社サイトでは展開していない40歳前後をターゲットにしたレディースブランド「サシリー」の取り扱いを始める考えで、従来のネット販売では獲得できない年齢層もターゲットにする。

 一方、店舗連動では、自社通販サイトの開設時から店舗在庫表示システムを導入し、商品のカラーとサイズを選択すると実店舗の前日までの在庫状況が分かるようにした。通販サイトで欲しい商品が完売していたり、商品を手にとって見たい消費者の店頭誘導につなげる。

 また、自社サイトでは店舗スタッフが各自の一押しコーディネートを紹介。販売スタッフが実際に顔を出して紹介することで、ブランドや最寄りの店舗を身近に感じさせる工夫をしている。

 今後は、実店舗にiPadを導入し、通販サイトのコーディネートや店舗での欠品商品などをカタログ代わりに見せる取り組みも始めたい意向だ。

 同社のネット販売売上高は、他社サイトも含めて前期(2010年2月期)は17億円で、これは全社売り上げの8%。今期は、20億円を越える見通しで、うち自社通販サイトでは1億5000万円を計画する。

グルーポンがやって来た㊦ 企業間で早くも優劣、エリア展開で新規獲得狙う

 5-2.jpg飲食店などの割引クーポン券を、制限時間を設けてネットで共同購入するビジネスがスタートして3カ月が経過しようとしている。「グルーポン」と呼ばれるこのビジネスモデルは参入障壁が低いことから早くも10社を越す企業が参入しており、まだまだ参加企業は増える気配を見せる。今のところ各社とも東京エリアでの展開が中心だが、首都圏以外でのエリア展開を加速させ他社に先んじて顧客の囲い込みを図りたいところ。目まぐるしく変化する「グルーポン」サービスはどうなっていくのだろうか。


 
 「異常ですね、このスピード感は」。6月23日に「GOTi(ゴーチ)」でグルーポンビジネスに参入したコーボー・ホールディングスの古城剛社長は開始後1週間経った状況をこう語る。

 グルーポン型ビジネスの特徴はツイッターなどソーシャルメディアを活用した"くちコミ"だが、そこで重要になってくるのがスピード。ユーザー間のリアルタイムな情報伝達が1日1クーポンを売り切るカギとなり、次々と新しいクーポンを投入してユーザーのくちコミを仕掛けなければならない。

 一方で、新たな企業が参入するスピードも速い。7月7日にはECナビが子会社を通じて「グルピ」というサービス名でグルーポンビジネスに参入。他に学生が起こした企業2社も7月から同様のサービスを開始した。

 類似したサービスに乗り出す企業が後を絶たない背景として参入障壁の低さが挙げられるが、それは同時に撤退する際のリスクが少ないということも意味する。

 ある参入企業のトップは「今すぐ撤退してもマイナス面はほとんどない。関係者に謝るだけ」と打ち明ける。別の企業トップも「大手が参入してきたので、早い段階で身を引くことも考えないといけない」と語る。

 このように激化する競争を生き残る上で重要になってくるのが営業力。サービスを提供する店舗の開拓をどの程度進められるかがクーポンの質を左右し、結果的にユーザーの評価につながるからだ。

 ネットプライスらの出資で設立したディールメートの小川卓也COOは「営業やプロモーションのコストをどの程度負担できるかといった企業の体力が重要になってくる」と予測する。

 実際、すでにいくつかのサイトで販売が一時的に中断するケースが出てきており、関係者らは「時流に乗って始めたが、クーポンが手配できなくなっているのではないか」とみている。

 こうした中、「Piku(ピク)」で国内で最初にグルーポンビジネスに乗り出したピクメディアはベンチャーキャピタルからの投資を受けて得た潤沢な資金を武器に、エリア展開を押し進めている。「大事なのはスピード。止まってはいけない」(森デイブ社長)という方針のもと、年内に大阪と福岡に拠点を構える予定だ。

 「KAUPON(カウポン)」を展開するキラメックスの村田雅行社長も「ビジネスモデルで差別化を図るのは難しい。早い段階で全国展開を行い店舗とユーザーを獲得したい」と顧客の囲い込みを進める狙いだ。

 "異常な"スピードで拡大する「グルーポン」型ビジネス。すでに企業間で優劣が現れ始めているようだが、今後は参加企業間の合従連衡や大手企業の参入の可能性もあり、まだまだグルーポンを取り巻く状況は変化していきそうだ。通販展開を行う上でもこのビジネスモデルは参考になる部分があるのかもしれない。
(おわり)

ナラカミーチェ マルチチャネル戦略を加速、ネット販売で楽天に出店

 5-1.jpgシャツ・ブラウスを製造・販売するナラカミーチェは、通販関連事業のマルチチャネル戦略を加速する。とくにネット販売では、「楽天市場」での販売をスタートしたばかりだが、アマゾン、ヤフーでの展開も視野に仮想モールの可能性を探る。一方、通販企業のカタログに別冊を挟み込んで新規顧客の開拓を推進。比重の高いテレビ通販に偏り過ぎない事業運営を目指すことで、今期(2011年3月期)は通販関連で全社売り上げの10%を確保する。


 



 同社は、主力ブランド「ナラカミーチェ」の自社通販サイトを開設して1年が経過。ネットを通じた販売に一定の手応えを掴んだとして、新たに大手仮想モールでの展開を模索。7月1日には「楽天市場」に出店した。

 これまで、仮想モールでは、並行輸入の商品や中古商品が販売されてきたこともあり、「ナラカミーチェとして"オフィシャル店舗"を構えることで、正確なブランドイメージを打ち出したい」(鈴木尚貴取締役)とする。

 そのため、トップページは楽天のテンプレートを使わず、企業イメージを損なわないようにした(写真)。夏のセール時期に開設したこともあり、当面は自社サイトと商品面での差別化はしないという。

 ナラカミーチェでは今後、アマゾンやヤフーへの出店も検討。「仮想モールでは売ることに徹する」(同)考えで、そのための見せ方などを検証していく。

 自社通販サイトについては6月末にリニューアルし、新たに店舗スタッフが商品を紹介する動画コンテンツを作成するなど、モールとの差別化にも着手している。

 一方で、新規顧客開拓の一環としてロイヤルステージが発行する富裕層向け通販カタログ「ロイヤルステージ」の8月発刊号(約60万部)に6ページの別冊を挟み込んで同送してもらう取り組みも始める。

 別冊の掲載アイテムはシャツ5型で、価格帯は1万6800円~3万円弱。ナラカミーチェを知らない消費者にも分かりやすいよう、商品だけでなくブランドについてもページを割いて紹介するという。

 現状、通販関連事業では、住商グループのジュピターショップチャンネル(JSC)を通じたテレビ通販が好調。店頭の販売実績を検証し、JSCの顧客層に合わせた商品選定が奏功し、平均9割という高い消化率を達成しているという。

 ただし、マルチチャネル戦略を加速するにはネット販売やカタログ通販による下支えが不可欠として両事業領域を強化。ナラカミーチェでは、全社売上高約40億円のうち、今期は通販関連で10%の4億円を見込んでおり、将来的には売上高の3分の1を確保したい意向だ。 

ペット商品通販サイト展開の狙い③、ヤマトロジスティクス、ペット以外でも展開構想


「TSS」活用の新たな販路、ノウハウなど蓄積へ

「トゥデイ・ショッピング・サービス」(TSS)の仕組みを活用し、メーカーや通販事業者に短時間配送や同梱の機能を備えた新たな販路の提供を目指すヤマトロジスティクス(YLC=本社・東京都中央区、山内雅喜社長)。その第1弾となるペット関連商品の通販サイト「ペットライフサポート」では、展開拡大に向けた取り組みを積極化しているが、さらに他のカテゴリーでも、同様のサービスを提供していくことを視野に入れる。

 「ペットライフサポート」では、これまで中部地区を中心に行ってきた告知活動を関東地区でも開始。現状、同サイトは物販が中心だが、YLCでは今後、動物病院やペットホテルとの提携、保険の取り扱い、葬儀の対応などトータル的なサービスを用意し、「サイトを覗けば、ペットに関する問題を解決できるようにしたい」(星野芳彦常務執行役員)とする。

 「ペットライフサポート」は、まだテストの位置付けで、展開の拡大に動き出したばかりだが、YLCが構想しているのは、ペット以外のカテゴリーでの「TSS」を活用した同様の展開。イメージとしては、カテゴリーごとに独立したサイトを設け、「消費者の生活に密着した商品やサービスが揃ったサイトが幾つもある」(同)といった形だ。

 この取り組みでYLCが重視するのは、「TSS」を商品同梱のインフラとして機能させること。

 「TSS」では、対応物流拠点に商品を在庫する形だが、同一の対応物流拠点に在庫する複数商品を同じ顧客が注文した際に同梱して発送すれば、1事業者当たりの配送コスト負担を軽減でき、顧客の利便性向上にもつながる。メーカーや通販事業者に対し、仮想モールや自社通販サイトに加えた新たな販路として提案を進める上でも、同梱するほど安いコストで利用できるというスキームが確立できれば、大きな訴求ポイントになるわけだ。

 既に「ペットライフサポート」でも同梱を行っているが、将来的に取り扱いカテゴリーが広がった場合には、美や健康といったテーマを設け同梱する商品をコラボレーションすることを構想。そのためのノウハウの蓄積を進めていく。

 カテゴリー特化型の仮想モール的なサイトを幾つか作りメーカーや通販事業者に新たな販路として提供する。これがYLCの描く青写真だが、サイトの運営については課題もある。

 YLCの主眼は、「TSS」のスキームを活用し、物流や商品配送、決済などを連携させたサービスを提供することで、「(YLCとして)物販を行う考えはない」(星野常務執行役員)。ただ、同梱商品のコラボレーションなど、YLCがある程度サイトの運営に関与する必要もあり、仮想モール運営事業者的な役割を担うことにもなる。この部分については、YLCでも微妙な問題と捉えており、「ヤマトグループとして考えていかなければならない」(同)とする。既存の通販事業者や仮想モール運営事業者との兼ね合いもあり、慎重に対応を検討していく構えだ。

 YLCの「TSS」を活用した取り組みには、まだ解消すべき課題はあるが、新たな販路として定着すればネット販売への参入や顧客満足度の向上を検討するメーカー、通販事業者等にとってメリットは大きい。今後の展開が注目されるところだ。

(おわり)

グルーポンがやって来た㊤、2カ月で10社が参入、拡大するクーポン共同購入


ネットを使ったクーポン券の共同購入サービスがにわかに脚光を浴びている。「グルーポン」型サービスなどと呼ばれるこの新たなビジネスモデルは、ツイッターやSNSといったソーシャルメディアを活用し"くちコミ"によってユーザーを集め、飲食店などのクーポン券を共同購入するという仕組みだ。4月にサービスが開始されるや、その参入障壁の低さから各社が続々と参入。ネットプライスらが設立した企業が同様のサービスを開始するなど7月1日時点で参入企業は10社を数える。盛り上がりを見せる「グルーポン」ビジネスの状況を見ていく。
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グルーポン型サービスの仕組みはシンプルだ。飲食店やエステ、レジャー施設などを通常価格の約50%以上の割引率で利用できるクーポン券をネット上で販売。1~3日程度の制限時間を設定し、一定数以上の購入者が集まった場合に限り取引が成立する。

 売り上げ金額の一部をサイトの運営者が手数料として徴収する。クーポンを提供する店舗側にとっては、ブランドを損ねることなく短期間で大量の集客を見込めるのがうまみとなる。

 特徴はソーシャルメディアを使った集客方法。設定販売数をクリアするためにユーザーがツイッターでクーポン情報をつぶやき、他のユーザーのつぶやきを引用するリツイート(RT)と呼ばれる機能を使ってさらにくちコミを拡大させる。このように集客に際してコストが発生しないため参入障壁が低いビジネスモデルと言える。

 もともとは、2008年11月に米国のGroupon(グルーポン)社が始めたのがきっかけ。同社は創業から2年未満の間で300億円を超える売り上げを叩き出したという。

 こうした成功を背景に同種のビジネスモデルが世界的に広がりを見せ、4月20日にはピクメディア(本社・東京都杉並区・森デイブ社長)が日本で最初となる「Piku(ピク)」を開始。次いで5月にはキラメックス(同・東京都千代田区、村田雅行社長)が「KAUPON(カウポン)」で参入した。6月に入ってから8社が参加するなど約2カ月で10社が参入している。

 グルーポン型サービスの競争は急速に白熱の度合いを強めており、ネットプライス(同・東京都品川区、佐藤輝英社長)とデジタルガレージ(同・東京都渋谷区、林郁社長)が設立したディールメート(同・東京都千代田区、佐藤輝英社長)が6月17日に「Qpon(キューポン)」という名称で同様のサービスを展開。「ネットプライスで10年間蓄積したギャザリング(共同購入)のノウハウを活かす」(小川卓也COO)と意気込みを見せる。

 これに対し、競合他社は「大手の参入でグルーポンというサービス形態が広く認知される」としつつも「今後は営業面を強化し、質の高いクーポンを提供しないといけない」と勝ち残りを目指す。

 さらに6月末には、グルーポン型サービスに特化したシステムパッケージが販売されるなどますます競争が激しくなる気配を見せる。

 参加企業の増加に伴い、クーポンの種類も飲食店を中心にホテル、エステサロン、陶芸教室、米、格闘技の観戦、ふとんのクリーニングなど多岐にわたる。

 クーポンの販売に際しては都道府県ごとにエリアを区切り、各エリアにつき1種類のクーポンを取り扱う仕組みだが、現在のところ、クーポンを利用できる店舗のエリアは東京に集中しており、各社ともエリアの拡大を急いでいる。(つづく)


ペット商品通販サイト展開の狙い② ヤマトロジスティクス 展開拡大カギ握る療法食

042.jpg ヤマトロジスティクス(YLC)が運営するペット関連商品の通販サイト「ペットライフサポート」。「TSS」の仕組みを活用した短時間の商品配送、同梱などの機能を備える新たな販路としてメーカーや通販事業者に活用してもらうことを狙い開設したものだ。現状、サイトのアクセス数が1万5000件、売り上げについては月商100万円にすることが当面の目標という段階だが、今後に向けた「第2フェーズの準備を進めている」(星野芳彦常務執行役員)という。

  「ペットライフサポート」では現在、約650品目の商品を展開。ペットフードやペットシートなどが販売の中心となっている。これに対し、YLCが第2フェーズとして準備を進めているのは、ペット用療法食の強化。サイトのコンセプトでもあるペットの健康管理支援の拡充を狙ったものだ。

  療法食は肥満や糖尿病といった症状の予防や進行を抑制するための商材。ペットの高齢化に伴い、健康を気遣う飼い主の間でもニーズが高まりつつあるが、主な購入場所は、動物病院や専門家のいる一部のホームセンターなどに限られているという。

  ネット販売での療法食の展開は、飼い主の利便性向上にも寄与することから、YLCでも以前から着目。「単にモノを売るのではなく、ペットの健康管理を支援する」(星野常務執行役員)展開手法の構築に取り組んできた。

  YLCが構想する療法食の展開手法は、飼い主が検査キットで採取したペットの唾液などを提携する動物病院に分析してもらい、ペットの状態に適した商品を提案するという仕組み。過去に動物病院関連の物流を手掛けていた経験などもとに考案したもので、既に専業メーカーと共同で専用の検査キットの開発も進めている。今後、検査キットの投入時期を睨みながら療法食の品揃えを拡充していく考えだ。

  YLCが療法食に力を入れる理由は、「ペットライフサポート」の展開を拡大する上で同商材がポイントになると見ているためだ。現状、同サイトはリピーターの獲得が課題だが、継続利用商材の療法食が軌道にのれば、この課題の解消にもつながる。さらにリピート顧客の基盤が整えば、「『クロネコメンバーズ』(宅急便の個人会員組織)向けにサービスを提供することもできる」(同)などヤマトグループとしての連携も可能となり、ひいては同サイトに参加するメーカーや通販事業者の拡大も期待できるわけだ。

 「TSS」の仕組みを活用した「ペットライフサポート」の展開で、メーカーや通販事業者に新たな販路の提供を目指すYLC。売り物は短時間の商品配送と同梱サービスだが、利用事業者のコストメリットが期待される同梱サービスを定着させる上でも、飼い主のニーズに対応した商品の拡充は不可欠になる。YLCとしては、療法食を足掛かりに「ペットライフサポート」を軌道に乗せ、次の展開へとつなげる考えだ。(つづく) 

好調ネット販売企業の研究24「スワロースポーツ」 品揃え武器に拡大、在庫管理システム導入

041.jpg ネット販売の利点の一つとして、売り場面積に制約のある実店舗では扱いづらい商品でも販売できる、というものがある。ただ、どのショップも条件は同じだけに、裏を返せば品揃えでは差別化するのは難しいということ。専門性を発揮した品揃えや商品の見せ方がいかにできるかがカギとなってくる。

 野球用品を専門に販売するスワロースポーツは品揃えを武器に売り上げを伸ばしている。「野球関連の商品ならすべて取り扱う」(ウェブスタッフの門野豊氏)という意気込みで商材を拡大。現在は約2万2000アイテムを販売している。

  ミズノやSSKといった有名メーカー以外も網羅しているのが特徴で、子供に用具を買い与える親といった初心者から、高校野球や草野球など日常的に野球を楽しむ人たちまで、顧客層は幅広い。  

 2010年8月期のネット販売売上高は、前期比約16%増の2億4400万円前後となる見込みだ。「最近まで顧客管理も行っていないなど、アナログ的な運営をしていた」(同)が、新たな通販システムを導入。アイテム数が1年前の8000前後から飛躍的に伸び、売り上げ増につながっている。

  門野氏は「顧客とコンタクトを取るための間口が広いのが強み」と話す。同社の場合、中高生の硬式野球用品、社会人を中心した軟式の草野球の用品、そして野球のユニフォームが3本柱。かつてはフラッグシップモデルを中心に取り扱い、顧客もメーカーで指名買いするようなコアな層がメーンだった。しかし、最近は取扱商品も増加し、「息子が野球部に入ったので、グラブが必要になった」というような初心者のニーズも取り込めるようになったという。

  同社がネット販売を開始したのは、1996年のこと。当時はスポーツ用品全般を扱っていたが、本格的に力を入れ始めた01年以降は野球に特化、売り上げを伸ばしている。これまでコンピューターによる在庫管理を行っておらず、「効率が非常に悪く、納期遅れなどでトラブルとなるケースもあった」(門野氏)という。今後は夏にも在庫管理システムを導入する予定だ。

  同社は自社サイトのほか、楽天市場やヤフー!ショッピングにも出店しているが、仮想モールではプロモーションをほとんど行ってこなかった。在庫管理システムや物流代行の導入により効率化を進め、こうしたプロモーションやサービス面にもリソースを投入したいという。

  現在、顧客が商品をより選びやすいサイトにするため、取扱商品のジャンル分けの細分化を進めている。門野氏は「商品数もさらに増やし、野球用品では他を寄せ付けない存在になりたい」(同)と意欲的に話す。

広がるツイッターの通販活用⑨ カタログハウス編

5kata.jpg 老舗の通販企業であるカタログハウスはツイッターを顧客とのコミュニケーションツールとして主に活用。また、最近ではメルマガ代わりの販促ツールとしても活用を強化している。6月から約3カ月間、同社の主力通販雑誌「通販生活」で23年間の長きに渡って、ロングセラーとなっている制汗パウダー「ビフレデー」の販促キャンペーンを実施。比較的、高額な本商品の購入を促すため、小型の無料サンプルを作り、希望者に配布する試みを始めたが、サンプル配布の口火を切ったのが「ツイッター」からだったようだ。

 カタログハウスがツイッターを開始したのは今年4月から。メルマガの購読者数の伸びが頭打ちとなってきたため、新たなコミュニケーションツールを探している中、特別な費用もかからず、手軽。また、利用者が増え始めてきたことから、「カタログハウス」としての公式アカウントを取得して、通販サイトの更新情報の「つぶやき」からスタートした。

 現状ではサイトの更新情報はもちろん、顧客からのちょっとした商品に関する質問などをツイッター上で回答。また、商品の販促ツールとしても活用しているようだ。

 同社ならではのツイッターの使い方と言えるが、同社ではいわゆる「フォロー返し」は行なっておらず、「フォローしている」のは顧客ではなく、「社員」のツイッターだ。

 カタログハウスとしてのアカウントに加え、社員によるツイッターでもより気軽に顧客の質問に答えつつ、また、日常会話にさりげなく、同社のお奨めの商品を記述。通販サイトへの誘導なども少しずつではあるが、始めているようだ。

 そんな同社がツイッターを販促ツールとして、本格的に活用し始めたのが6月から開始した制汗パウダー「ビフレデー」の販促キャンペーンでの活用だ。同商品は同社でも長きに渡って販売し、売れ続けているロングセラー商品。同商品を再び拡販しようと、「7日分」の小型無料サンプルを作成。通常商品だと8400円(120グラム入り)と制汗剤としては比較的高額であるため初回購入の、きっかけとして、無料サンプルを希望者に配布する試みだ。

 このキャンペーン自体はネット上でのバナー広告や一般紙での広告、カタログハウスの実店舗などを絡めて、約3カ月間、実施するものだが、キャンペーンのスタートはツイッターを使って開始。6月16日の午前11時から、カタログハウスのツイッター上で「キャンペーン開始をお知らせします。このアカウントをフォローしてくださっている皆様(まだの方は、フォローして)先着150名様に「制汗パウダー ビフレデー」のお試しサンプルを無料進呈!」とつぶやきを。また、ツイッター上で、「ビフレデー川柳」という同商品にちなんだ5・7・5の川柳を募集、優秀者には本商品をプレゼントする試みも実施。すぐに予定していた無料サンプルは配り終えるなど好調に推移。フォロワーもキャンペーン前の約850から数日で1000近くまで増えた。

 同社のツイッターを担当するNet通販事業部の上條篤事業部長代行は「まだ、手探り状態」というが着実にツイッター活用は実を結び始めているようだ。

アマゾン、メーカー向けにサンプリング事業

 アマゾンジャパンは6月17日、メーカー向けに商品サンプリング事業を開始した。発売前の新商品をアマゾンの一部の優良顧客に事前に送付し使用させ、意見や感想などをアマゾン内のカスタマーレビューとして投稿させるもの。米・英のアマゾンではすでに実施中。アマゾンのカスタマーレビューは消費者にとって購買時の大きな参考となっている。アマゾンではレビューの影響力を活かして、新たな収益源を構築したい狙いだ。

 開始したのは「Amazon Vine(ヴァイン)先取りプログラム」。

 他のユーザーから評価される質の高いカスタマーレビュー(商品に関する感想や意見)をアマゾンで投稿する「ベストレビュアー」の中からアマゾン側が「ある基準」(同社)をもとにメールなどで事前に「ヴァイン」に招待。参加を了承したレビュアーが「メンバー」となり、毎月、メンバー向けメールマガジンに企業からのサンプル品が記載、その中から試したい商品を選び、商品が到着後、感想などをアマゾン内に「カスタマーレビュー」として投稿する流れ。なお、一般レビューとの混在を防ぐため、「ヴァイン」によるレビューには専用マーク「Vineバッジ」が併記される。

 依頼主のメーカーは「ヴァイン」を利用することで本格販売前に消費者の反応などがレビュー内容から事前に把握できるメリットに加え、そのカスタマーレビューによるくちコミ効果などで販促などにも活かせるようだ。ただ、どの「メンバー」がどの商品のレビューを書くか、どんな内容にするか、いつ書くかは「メンバー」の自由でユーザー主導となるようだ。

 メーカーが「ヴァイン」を利用して未発売商品や新商品のサンプルをまくためには、アマゾンとの取引があることが前提。取引とは「アマゾンに商品を納入していること」であり、「マーチャント@」や「マーケットプレイス」などアマゾンで出店や出品を行なっている企業は「現状では対象外」(同社)としている。

 メーカーなど「ヴァイン」の依頼主はサンプル品となる商品本体のほか、アマゾンに利用料を支払うようだが料金については「商品ジャンルや数などでケースバイケース」(同)と明らかにしていない。サンプリング可能な商品については「食品以外」(同)。詳細は不明だが初回のメンバー向けメルマガには「本やCD、洗剤、鍋、掃除機など」(同社)が各メーカーから出されたようだ。

 アマゾンでのショッピングももちろんだが、リアルでの買物でも「アマゾンのレビュー」を購入決定の参考する消費者は多い。アマゾンでは「レビューの影響力」を活かし新たな収益源としたい狙いのようだ。

広がるツイッターの通販活用⑧ ウェブクルーコモディティーズ編

 5-2.jpgつぶやきで競売──。海産物の通販サイト「サイバラ水産」を運営するウェブクルーコモディティーズは、ツイッターを活用して"競売"を展開している。フォロワーとのやりとりを通じ、ツイッター上で商品価格を下げていくリバースオークションを実施。ユーザーが参加できる競売の面白さと、つぶやきによるくちコミの拡大により、通販サイトの認知度向上に寄与しているようだ。ツイッターを通じた新規客獲得が見込めることから、これまで期間限定で展開していた競売は6月から毎週水曜日の定期開催とした。

 ツイッターを開始したのは5月10日。ツイッター上で販売価格を値下げする競売イベント「叩き売り」を目的にアカウントを取得し、5月18日から6日間、期間限定イベントとして催した。

 「叩き売り」では同社がツイッター上で販売価格をつぶやき、フォロワーは更新される販売価格を見ながら、購入を決めることができる。出品商品は1商品、数量は1個のみで、受注を獲得した段階で終了となる。

 ツイッターを担当する重田晃明eコマース事業部マネージャーは「リアルタイムでユーザーの反応を得られることが、町の魚屋さんとお客さんの距離感に似ている。ユーザーとの近さを活かして、魚市場のセリの賑わいを演出できると考えた」とその狙いを語る。

 6日間のイベント開始前後で累計フォロワー数は約2倍に増加。イベント開始から約1カ月後の6月15日時点のフォロワー数は872人となった。競売参加者のつぶやきを通じて、参加者をフォローする第三者に認知度が向上。ツイッター経由での新規客獲得につながっているようだ。

 成功の理由をユーザーのワクワク感を喚起したこと。「叩き売り」で更新される価格に対して、フォロワーから「迷うなあ」「もう一声!」などの期待感を示す返信があるという。同社はこうしたつぶやきを見ながら値下げを実施。「誰が入札するか」「いつ値下がりするか」などの期待や緊張感をフォロワーと共有。こうした参加感の喚起がフォロワーの拡大につながっているようだ。

 また、くちコミの波及による新規フォロワーの開拓にも奏功。イベントに参加したフォロワーから、次回開催を期待するつぶやきがあるという。そのつぶやきを見た第三者が通販サイトを訪れ、ツイッター上に「面白そうなイベントやってます」などと新たなつぶやきを発生させるなど、通販サイトの認知度が向上した。

 また、イベント終了後には次回の競売商品を告知。フォロワーから寄せられる調理方法や商品特徴などの質問に回答するなど、カスタマーサポートとしてもツイッターを活用。「我々が気付かなかった訴求ポイントに気が付くこともある」(重田氏)とし、商品ページの説明を充実させているようだ。

 「叩き売り」は3人の担当者で運営しており、自社アカウントのつぶやきと入札の確認、ユーザーのつぶやきの監視に役割を分担。運営の負担は大きいものの「モニター前にいるユーザーの"じりじり感"を見ながら値下げしていくため、自動化はできない」(重田氏)としている。

ヤフー、「テレビ版」仮想モール開始、動画使い「テレビ通販」風に訴求

 5-1.jpgヤフーは「テレビ版」仮想モール事業を開始する。6月16日、インターネット対応テレビ向けサービスに仮想モール「ヤフー!ショッピング」を追加。PC版同様に全出店店舗の商品を閲覧・購入できるほか、テレビの特徴を活かし、動画による商品紹介も開始。店舗側が用意した動画をオンデマンドで24時間視聴できるもので、「テレビ通販風」に電話注文も行える仕組みだ。ヤフーのテレビ向けサービスの利用者は、現在30~40代男性が中心。今後、同サービスを通じて50~60代の女性など、テレビ通販に親和性の高い層を開拓していきたい考えだ。

 テレビ版「ヤフー!ショッピング」は、ネット対応テレビに搭載されたDTVブラウザ向けのサービス。開始時はシャープの「アクオス」や東芝「レグザ」日立「Wooo」などを対象とし、将来的にはDTVブラウザを搭載する全てのテレビにサービスを提供する。

 トップページでは、PC版と同様にカテゴリや検索ボックスから商品を検索することが可能。最大の特徴は動画による商品紹介で、トップページ中央で出店店舗が「おすすめ商品」を紹介する動画コンテンツを掲載。サムネイル形式で30本まで紹介する。

 動画配信の対象店舗は自社でテレビ通販を展開している店舗で、動画は各店舗が作成したものを活用する。サービス開始当初は「ディノスヤフー店」や「プライム」「コメリドットコム」「saQwa(サクワ)ヤフー店」など6サイトの動画、約50本を配信。健康器具や食品の動画が多く、配信時間は「視聴者が飽きない10分程度が目安」(R&D統括本部・菅泉尚史プロデューサー)。当面は一カ月単位で動画を入れ替えていく予定だ。なお、動画配信にあたり費用は発生しない。

 商品の受注はQRコード経由でモバイルで対応するほか、「テレビ番組風に」(同)画面上に注文用の電話番号を表示し、ユーザーが電話すると各店舗のコールセンターにつながる仕組み。コールセンターを持たない店舗はQRコード経由のみで受注する。また、現在は電話受注ではユーザーに「ヤフー!ポイント」は付与しないが、今後、付与する仕組みを構築する方針だ。

 ネット対応テレビは近年増加傾向にあるものの、テレビ版ネットサービスの利用はあまり進んでいないのが現状。ヤフーではPCサイトや「テレビ版ヤフー!ショッピング」のトップページなどで告知していき、利用増につなげたい考えだ。

広がるツイッターの通販活用、良品計画、ブランド認知拡大に一役

フォローワー限定セールも

良品計画(本社・東京都豊島区、金井政明社長)は、自社ブランドの宣伝活動や通販サイト「ネットストア」の会員囲い込みに向けて、ツイッターの活用を進めている。
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 同社では、2009年10月22日から、トップページのリニューアルにあわせて開始。開始に当たっては迷いもあったという。効果が想定できないことや、作業負荷増のリスクなど必ずしもプラスになることばかりではないとの意見が社内で出ていたのだ。

 そのため、開始の前に担当部署内で、ある決まり事をつくった。「せっかくつぶやくのだから、商品についてだけではなく、会社の様々な事業の内容紹介も踏まえてつぶやいてみよう」(web事業部)という。花のネット販売を行う「Flower MUJI」や、住宅ブランドの「無印良品の家」など、他サービスの認知拡大へのツールとしてもツイッターを活用することで、その利用メリットの幅を広げることを狙ったのだ。

 実際にこの取り組みは効果があった。毎週金曜日に「花」に関するつぶやきを行うと翌日以降、ネット販売、実店舗ともに花商品の売れ行きが向上。「家」に関しても、つぶやき後に資料請求が増える傾向が出たという。

 ネット販売の中でツイッターの影響力の凄さを思い知らされたのが、今年2月17日に行った、フォ
ローワー対象のキャンペーンだ。

 同キャンペーンは、フォローワーの1万5000人突破を記念して実施。アウトレット通販サイトの「ファクトリーアウトレット」の特別セールを開催前日にツイッター上で告知し、フォローワーを対象に4時間限定で行ったものだった。

 告知をしたセール前日には、通常の10倍近いフォローワーが来るなど、大きな反響を呼んだ。同社では「これまでのウェブ更新とは、顧客との距離やアクセス数が全然違った。リアルタイムならではの緊張感があった」(同)とする。

 今年5月14日時点でのフォローワーの数は約2万9000人。「この数字が多いか少ないかは判断が難しいが、リツイートの内容を見てもポジティブな意見が多い。とにかく、販促ツールとして大きい効果があると思う」(同)とツイッターの役割について語った。今後も同社では、ツイッターを活用して、ネットストア内限定のセール告知や事業紹介など定期的に行っていく方針だ。

アマゾンジャパン「iPhone」に対応、撮影画像で商品検索など開始

撮影したモノの画像で商品を検索。アマゾンジャパン(本社・東京都渋谷区、ジャスパー・チャン社長)は6月2日から、「iPhone」などの高機能携帯電話で同社の通販サイトが利用できる仕組みを始めた。専用のアプリを無料公開、利用者が本などの対象物を撮影した画像を元に商品を検索する「フォト検索」や購入した商品を受け取れる最寄りのコンビニを探す「コンビニ検索」などの機能を設けた。スマートフォンに対応した機能の拡充で売上高拡大を狙う。
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アマゾンジャパンがiPhoneの利用者向けに無料公開した専用アプリは「AmazonモバイルiPhoneアプリ」(写真)。すでに米アマゾンでは08年12月に公開しているアプリの日本版。
 
利用者はアップルの「App Store」で無料ダウンロードでき、iPhoneやiPod touchでアマゾンのWEBサイトと同様にネット販売ができるほか、新たな商品検索機能として「フォト検索」などの商品検索も利用できる。

 「フォト検索」とはiPhoneのカメラ機能で書籍などの商品を撮影し、当該画像を送信するとアマゾンが販売する商品データベースから、同じ商品、または類似した商品を検索結果に表示する仕組み。米アマゾン傘下のスナップ・テルが開発した画像のマッチング技術を用いた「自動検索」と米アマゾンではすでに導入済みの「Amazonメカニカル・ターク」と呼ばれる個人の登録ユーザーによる「人力検索」を組み合わせたもの。

 「フォト検索」はまず撮影画像を元に自動検索で商品を検索、該当がない場合、人力検索に移行するようだ。同社によると書籍やCD、DVDなど「表紙にテキスト(文字情報)がある場合、自動検索で商品が検索される可能性が高い」(同社)ようで、その場合の検索時間は数秒。

 自動検索で見つからない場合は、人力検索に移行し、「メカニカル・ターク」に登録する「個人ユーザーが撮影画像を元に人力でアマゾンの商品データベースから撮影画像に近い商品を探す」(同)。その場合は10~20分程度、検索結果の表示にかかるようだ。

 iPhone端末のGPS(全地球測位システム)情報を利用し、現在地から商品を受け取ることができる最寄りのコンビニエンストトアを簡単に探すことができる「コンビニ検索」も設けた。出張先での利用などを想定しているようだ。

 アマゾンジャパンは08年8月にiPhone向け専用サイトを開設。利用者からの要望が増えてきたため、今回、日本でも専用アプリの公開に踏み切った。エクスペディア携帯など他のスマートフォンへの対応は利用者からの要望が増えれば検討するとしている。



広がるツイッターの通販活用⑥・イマージュ、狙いはファンづくり、イベント積極実施

イマージュ(本社・高松市、沼田憲孝社長)が、ツイッターを活用した女性ユーザー向けのイベントを積極的に開催している。4月に、結婚式のお祝いコメントをつぶやくと、抽選で同社のパーティードレスをプレゼントするという企画を実施したのを皮切りに、6月までに計3回開催。異業種とのコラボにも積極的で、同社のブランド力向上にツイッターが一役買っているようだ。
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 同社が本格的な取り組みを開始したのは、今年3月29日にツイッターの公式ナビゲーター「twinavi(ついなび)」の公認企業アカウントとなってから。4月24日には、ついなびと連動して、同日に結婚披露宴をする新郎新婦に対する、お祝いのツイート(つぶやき)をした利用者に、同社からプレゼントをするという企画を行った。

 ツイートを担当する、イマージュ事業本部販売促進課の小宮明子氏は「値下げ情報の発信など、販促視点だとメールマガジンと同じになってしまう。ツイッターはファンづくりには最適なツールだし、もっと違うことができるのではないかと考えた」と狙いを説明する。

 続いて5月18日には、「居酒家 土間土間」とコラボし、当選者には同店のコースが割引になるだけでなく、イマージュのファッションアイテムをプレゼントするというイベントを実施。さらに23日には、同日が「ラブレターの日」であることにちなみ、好きな人への想いを伝える内容でツイートした利用者の中から抽選で5名に下着セットをプレゼントした。

 プレゼント企画の場合、利用者から同社アカウントへのフォローが必須となる。ラブレターのイベントでは、関連するツイートは約300、フォロワーは150程度増えたという。小宮氏は「若い女性以外からの反応もあるなど、予想より反響は大きく、企画の広がりがあった。今後も女性の悩み解消や、応援するような企画をツイッター上で開催したい」と話す。フォロワーは現在約1100人。ついなび経由で来訪するケースも多く、これまで同社のことをあまり知らなかったユーザーも多いという。

 ただ、プレゼント目当ての利用者は、当選しないとすぐにフォローをやめてしまう可能性が高い。そのため、フォロワー全員にダイレクトメッセージ機能で返事をし、イマージュからもフォローを行う。1日のツイートは3回程度。担当者の人柄が分かるような内容にしたり、商品紹介も単なるセールの告知ではなく、話し言葉や雑感を混ぜるなど、親しみを抱いてもらえるよう工夫を重ねている。

 今期からツイッターなど、ソーシャルメディアの本格活用を開始した同社。ブランド力の向上に役立てたい考えだが、実際の売り上げにはどうつなげていくのだろうか。小宮氏は「ツイッターの利用者は買い物目的ではないので、すぐに結果を出すのは難しい。ただ、企画を積み重ねることでフォロワーが増えていけば、イマージュのファンも多数生まれ、販売にもつながっていくのではないか」と期待する。


楽天の「楽天ブックス」、ⅰPad用アプリで通販、電子雑誌掲載商品が仮想モールで購入可能に

楽天(本社・東京都品川区、三木谷浩史社長)は5月28日、運営するオンライン書店「楽天ブックス」で、アップル社の多機能情報端末「iPad(アイパッド)」で閲覧した電子雑誌内の商品を購入できるサービスを開始した。同日提供を開始した雑誌の一部無料閲覧アプリ「チラよみ」のサービスの一環。購入可能商品数は順次増やしていく予定としており、利便性を高め利用率向上につなげる。
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同サービスは、携帯端末向けユーザーインターフェースの開発などを手がけるヤッパ(同・東京都渋谷区、伊藤正裕社長)の技術を活用するもの。

 「チラよみ」で閲覧できる一部の電子雑誌内の掲載商品をクリックすると、仮想モール「楽天市場」の検索結果ページに移動して商品を購入できる仕組み。購入対象商品数は1誌あたり1~10点で、今後、順次拡充していく計画だ。

 「チラよみ」に参加する雑誌は36誌。そのち「GINGER」「グッズプレス」など7誌で、掲載されている商品を購入できる。電子版を閲覧できる雑誌の紙媒体版を「楽天ブックス」で購入することも可能。




広がるツイッターの通販活用――花工房編

5kata.JPG フラワーギフト通販の花工房では、ツイッター独自の仕組み「リツイート(RT=他ツイートの引用)」を活用した企画などで売り上げと認知度の拡大を図っている。フラワーギフトにとって最大の"かき入れ時"である「母の日」に焦点を合わせ、同社アカウントのフォローで割引するキャンペーンや、RTでプレゼントが当たる抽選イベントを実施。母の日需要の増加を図った。キャンペーンで、期間中の対象商品の売り上げは10%程度伸長。ただ、結果自体は「期待ほどではない」(綿引一昭社長)と捉えており、改善を重ねて「有効な販促ツール」に育てる構えだ。

 同社は、4月27日から5月4日までの「母の日需要」期間に、通販サイト「エーデルワイス 花の贈り物」内で「フォロー割」を展開。同社のアカウントのフォローで対象商品から300円割り引くというもので、初日の4月27日からツイッター上のみで告知を開始。自社で持っていた複数のアカウントで、一日に四―五回程度、時間をずらしてつぶやいた。

 対象商品は今年から始めた産直企画の「カーネーション」で、「売れ行きが伸び悩んでいた」(同)ためキャンペーンの対象に選定したという。

 キャンペーン期間中に出荷した数は約900点。注意事項欄にコメントを入れずに購入したユーザーも含まれるため、ツイッターの正確な効果のほどは不明だが、「一〇%ぐらい売り上げが伸びたイメージ」(同)だ。

 さらに、この「フォロー割」を前提に、目玉企画として開催したのがRTを利用した「抽選プレゼント」イベントだ。

 「フォローしてくれた方は300円引き」という文言の入ったツイートをRTすることで抽選に参加できる企画で、当選者2名には特別商品の「抱えきれない花束」をプレゼント。花束は「開花すると大きく見える」(同)ユリを中心に作成した。

 また、花束は「フォロー割」の利用者の伸びに合わせて豪華にする特典も。「10人の利用で1割」量を増す仕掛けにした。

 同キャンペーンは、合計百二十九件のRT(応募)があった。ただ、初日はRTが多かったが、その後徐々に下がっていき、全体の伸びは「思ったほどではなかった」(同)という。今後は継続的にRTされる仕掛けを工夫するなど改善し、「第2、3弾につなげたい」(同)考えだ。

楽天、アメリカでネット販売

 楽天は米国でネット販売事業に進出する。5月20日、完全子会社の楽天USAを通じて、米のネット販売事業者「Buy.com(バイ・ドット・コム)」を約230億円で買収することで合意。楽天USAの完全子会社にして「楽天市場」の機能やノウハウを注入する考えだ。楽天では今年度中に10カ国に進出する計画を打ち出しており、今回の買収もそうした一環。アマゾンやイーベイなど大手がひしめく"本場"で果たしてどのような戦略を進めるのか、注目が集まりそうだ。

 楽天は2008年5月に台湾で「台湾版楽天市場」を開始して以来、タイ、中国への参入を発表しており、今回の「バイ・ドット・コム」買収は、仮想モール展開の海外四拠点目。「米国は既にアマゾンやイーベイがあるので、ゼロからより有力なパートナーと組むのが最善」(楽天)と判断した。

 楽天側から取締役などを派遣する予定だが、バイ・ドット・コム側の主要な経営陣は留まる方針。社名やブランド名は米国での知名度を考慮して当面、変更する予定はないという。サイトデザインの変更も「未定」(同)としている。

 「バイ・ドット・コム」は、約1400万人の顧客基盤を持つネット販売事業のほか、北米や欧州を中心に、出店店舗を募りネット販売を行うマーケットプレイス事業も並行して展開する。09年12月の売上高は約57億円で、同時期に行われた調査では、「米国のオンラインストア部門で九位」(同)という。

 ネット販売事業の取扱商品は約500万アイテムで、コンピューターや家電を中心に、書籍、アパレル、宝飾品などを多く取り扱う。マーケットプレイス事業は現在、約千社が出店している。

 今後の詳細は不明だが、ポイントやカードなど「楽天市場」で培った機能やサービス、運営ノウハウを「現地の事情に合わせて」(同)「バイ・ドット・コム」に注入する見通し。同社が持つ顧客データベースも組み合わせ、マーケットプレイス事業を強化する。

 また、日米間の商品の相互供給も計画。未定だが、お互いのサイト内に専用コンテンツを設置して商品を販売する形式などが考えられるようだ。

広がるツイッター活用「ケンコーコム編」 ユーザーニーズ読み違い?継続利用伸び悩み

 5-2.jpg4月からツイッターを活用した体重管理の新サービス「キロクンダイエット」を開始したケンコーコム。老若男女を問わず幅広い層が興味を持つダイエットにスポットを当てたコミュニティ系のサービスだが、ユーザー数が伸び悩んでいるようだ。

 「キロクンダイエット」は、ユーザーが自分の体重を入力(任意)し、付随したコメントをつぶやくというもので、物販とは切り離したコミュニティサービスとして展開。

 ユーザーのつぶやきは、その日に食べた食事、あるいは行った運動などダイエットに関連したものが中心で、これにキャラクター「キロ子ちゃん」に扮したケンコーコムのスタッフがダイエット継続のための励ましのコメントなどを返す仕組みだ。

 同社としては、ダイエットを起点にランニング仲間などユーザー同士のグループでコミュニティを盛り上げていくことを構想。この前段階としてつぶやきに対するリアクションが必要と考え、「キロ子ちゃん」を通じたフォローを入れる形にしているが、実際には継続的に使用しているユーザーが少ないという。

 要因として、自己申告型の"緩い"体重管理ツールであるため、途中で離脱するユーザーが少なくないことなどが考えられるが、同社が重視しているのは、コミュニティの内容と実際のツイッターユーザーのニーズが合致していないのではないかということ。

 現状、「ツイッターのメーンユーザーはマーケッターなどネット関係のアーリーアダプター」(マーケティング部・原田直美マネージャー)。30代男性が多く、仕事もバリバリしているため、「公開ダイエットをするほど困っている人が少ないのではないか」(同)と見る。
 
 既存のブロガーやアフィリエイターを「キロクンダイエット」に引き込む手法もあるが、使い勝手等の面でツイッターは、まだ女性を中心とする同社のブロガーやアフィリエイターには壁が厚い。
 
 ツイッターの通販活用の布石となる「キロクンダイエット」だが、「このままのサービスでユーザーを増やしていくのか、新しい付加サービスを提供していくのか、試行錯誤しているところ」(同)だという。 (つづく)

KDDI 30代女性向けに通販サイト──秋から電話受注も開始

 KDDIとTBSの通販子会社、グランマルシェ(GM)は5月17日、30~40代女性向け通販サイトを新設した。通販ノウハウを持つGMが事実上の通販業務を手がけ、美容健康商材や小物を中心に「au公式通販サイト」として訴求する。KDDIは本業の補完から通販を強化、すでにスタイライフと同様の形で連携している。今秋からは電話受注にも対応するなど通販拡大に本腰を入れ始める。

 新設したのは「au one la Select」。30、40代の女性層をターゲットに開始時点では雑貨や健康・美容グッズ、食品、アクセサリー、鞄など7カテゴリ、約2000商品を取り扱う。

 販売主はKDDIだが、商品調達やサイト運営、物流業務など実務はTBSの通販子会社のGMが担う。両社間での収益の振り分けについては「公表していない」(KDDI)としている。

 サイトはPCおよびモバイルで開設。モバイルではau公式サイトとしての展開のほか、ドコモなど他キャリアの携帯からもアクセス可能。決済はカードや代引のほか、auの電話料金と一緒に支払える「まとめてau支払い」にも対応するという。

 集客は携帯電話キャリアの公式通販サイトとしてauのポータル上にメニューを設けて、auユーザーを誘導するほか、「EZニュースフラッシュ」などの各種の自社広告媒体で告知する。

 今後は「プロモーションを多角的に展開する」(KDDI)としており、ネット上だけにとどまらず、紙媒体やテレビなど他の媒体を使った販促策を実施するものと見られ、それらプロモーション策と連動させるために、キャリアが行なう通販としては珍しく「今秋をメドに電話受注も開始する」(同)としている。

 KDDIは近年、本業の補完事業として通販を強化。複数の通販事業者が出店する公式仮想モール「au Shopping Mail」を中心にしつつ、一定の売上高が期待できそうな有望なジャンルやターゲットに関しては今回のようにパートナー企業と連携して別通販サイトを展開。昨年9月にはスタイライフと組み、20代女性向けブランド通販サイト「au one Brand Garden」を開設している。


広がるツイッターの通販活用「IMJ編」 POP活用し商品へ誘導

5b1.jpg アイ・エム・ジェイが運営する「ヴィレッジヴァンガードオンライン」では、その独特のPOPを活かして商品への誘導やイベントの開催などを行っている。ヴィレッジヴァンガードから送られてくるユニークな商品詳細データを基に、商品への興味を喚起させるツイート(つぶやき)を投稿。面白さで人気を集めたツイートの中には、リツイート(他人のつぶやきの引用)が重なり多くのクリックを記録したものもあるなど、商品と通販サイトの認知度向上に貢献しているようだ。

  同サイトがアカウント「vgvd」でツイッターを開始したのは2009年8月。開始時は「スタッフの日常のつぶやき」が中心で、「ヴィレッジのコアユーザー」のみにフォローされている状態だったが、ツイッター公式ナビゲーターサイト「ツイナビ」登録以降、フォロワーが増加。以来、本腰を入れ始め、「POPのようなツイートで商品を紹介する」形になった。

  最大の特徴は、「ヴィレッジの特色が出たツイート」。「耳かき界のトップランナー」「もしもヴィレヴァンがホテルを作ったら?」など、「オッ、と思わせる」(EC事業本部・谷道育絵氏)ものが多く、クリックを誘発する。例えば「ダメ人間育成毛布」というツイートは、POPの面白さが好評でリツイートが重なり、1,000近くのクリック数を記録したという。

  ツイートはあまり長くせず「ひとことでパッと見せる」(同)。また、あえて商品名を出さないことで興味をより喚起しているようだ。対象になる商品は"らしさ"が出せる「ネタっぽい商品」(同)が多い。投稿数は1日10回程度で、PC閲覧率の高い夜が多いという。

  こうした普段のつぶやきと並行して、ツイッターを活用した"ライブ"イベント「SCHOOL OF POP」も開催。商品をひとつ設定し、フォロワーからPOPの「ネタ」を募るものだ。

  4月に開催したイベントでは、1時間にわたりユーザー間で話題を共有できる「ハッシュタグ」を使ってツイートを収集。ユーザーの投稿にスタッフが「つっこみ」を入れるなどして盛り上げた。リツイートなどで広まった結果、700件近い投稿があったという。優秀なネタは実際にPOPとして採用するなどし、ユーザーの"ファン化"につなげていく考えだ。


ネットプライスドットコム 中国進出の支援事業強化、〝実店舗でのテスト販売〟開始

 ネットプライスドットコムは中国進出を目指す日本企業向けに、中国の実店舗で自社商品のテスト販売ができるテストマーケティング支援事業を始める。中国で小売店舗を展開する清川と組み、日本企業の商品をテスト販売。販売実績や消費者の反応をフィードバックすることで当該企業の中国進出の事前検証や販売戦略の立案を支援する。今後も中国で店舗展開する企業と連携し、日本の商品をテスト販売できる売り場の確保を進める考え。

 中国での販売実績のない商品は有名ブランドを除き、現地の中国バイヤーは仕入れに慎重。また、中国特有の事情で店舗展開も日本のように簡単ではないという。そのため、日本の中小規模の企業が中国展開に際して、自社商品の知名度を高めるべく、リアル展開を希望しても難しいケースがあったようだ。

 ネットプライスドットコムは中国で寝具や衣類などの自社商品を販売する小売店舗を展開する清川と連携。清川は6月上旬にオープン予定の「上海外灘店」でテスト販売の専用スペースとして15の棚(高さ30センチ、横40センチ、奥行き35センチ=1枠)を用意。日本企業が自社商品をテスト販売できる仕組み。なお、テスト販売を希望する日本企業からは棚代2―5万円と、人件費1,000元(約1万3,000円)、販売手数料(非公開)を徴収する。今後、反応を見ながら他の7つの店舗でも開始する予定だ。また、ネットプライスドットコムは清川以外にも中国に店舗を持つ企業との連携を随時、進める予定としており、テスト販売できる「売り場」の確保を進める計画だ。

 ネットプライスドットコムは昨年4月からアリババと組み、日本企業の中国での物販支援事業「中国向けオンライン貿易サービス」を始めているが、同サービスを利用する顧客企業から面倒な商標権や衛生許可証の申請依頼、商品のブランディング支援、中国で売り上げを伸ばすための販売協力などの要望が多く、今年5月から商標登録など申請代行、翻訳に加え、今回の実店舗を活用したマーケティング支援など中国で物販を行う際に必要な各種業務を代行、支援を開始した。

広がるツイッターの通販活用――カヤック編

052.jpg 「RT(リツイート)されたら当選率が上がります」。

  カヤックが運営する絵の測り売りサイト「アートメーター」では、ツイッターのリツイート(RT)を利用した"ツイッター限定おねだりキャンペーン"でフォロワー数の拡大を実現している。RTとは、他人のツイート(つぶやき)を引用して投稿する機能。引用されたツイートは自分のフォロワー以外の多くのユーザーの目に触れるため、場合によっては一気に情報が拡散することもある。同社ではこうした特性を活かしたキャンペーンを実施し、サイトの認知度向上に結びつけている。

  同サイトがアカウント「artmeter」でツイッターを始めたのは2009年10月。もともとは商品の新着情報を流していたが、ツイッターに合わないと考え方針を変更。ブログへの誘導や特集情報などを投稿する形にし、「売り上げへの寄与」から「サイトの認知度向上」へとツイッターの目的をシフトした。

  そうした方針を具体化した施策が、12月に開始した「総額10万円 Twitterでつぶやいてアート作品をもらおう!」(=画像)。参加者の中から当選した10人に絵をプレゼントするキャンペーンだ。

 サイトで扱っている1万円以下の絵の詳細ページに「サンタにお願いする」ボタンを設置し、ユーザーに好きな絵を1点、選択してもらう。選択後、ユーザーのツイッターページ投稿欄に絵のページのURLと投稿用文章が表示される仕組みだ。

  特徴は「RT」を活用した仕掛けで、「RTされた数」を当選率に反映。「いい絵だよね」と他ユーザーからRTされた数が多ければ、そのぶん当選率も高まるわけだ。RT数が拡大すればキャンペーンとサイトの認知度も高まるため、ユーザーとサイトの両者にメリットがある仕掛けといえる。

  キャンペーンでは、約150件の投稿が寄せられた。同アカウントのフォローが参加条件のため、投稿数と同数のフォロワーが得られたわけだ。

  3月からは別の「リクエスト」イベントも開始しており、こちらも順調にフォロワー拡大に寄与している。今後はツイッターを「顧客対応の1つとして活用していきたい」(同社冨田佳月子店長)考えだ。(つづく)

デジタルダイレクト 通販サイトを再開、情報流出から9カ月ぶり

051.jpg GMS大手のイオンの通販子会社、デジタルダイレクト(DD)は4月26日付で昨年の通販サイトへの不正アクセスに伴う個人情報漏えい事件で休止していた通販サイトを再開させた。個人情報流出を受けて、昨年8月から、楽天やヤフーなど仮想モール出店サイトを除く本サイト「saQwa(サクワ)」は約9カ月に渡って運営を休止してきた。再開に当たってはイオン子会社にサイトの構築を委託し、「セキュリティ面は万全を期した」(西谷社長)としている。今後、ネット販売の強化を進めていく考え。(企業動向面に関連インタビュー)

 4月26日から再開させたDDの通販サイトは「saQwaネットショッピング」。昨年、「SQLインジェクション」と呼ばれる外部からの不正アクセスを受けクレジットカード番号を含む個人情報流出が発覚して以降、同サイトの運営を休止。その後、親会社が三菱商事(現在も株主)からイオンに移った関係からイオンの子会社、イオンビスティにサイト刷新に伴うサイトの再構築を委託。抜本的なセキュリティ対策を講じたサイトとして4月26日から再開させたもの。セキュリティ対策としては今後、定期的に第3者のセキュリティ専門会社による脆弱性診断なども実施していくとしている。

 同社は自社運営の通販サイトを休止してきた景況で前期(2010年3月)は大きく業績を落とす見込み。

 今後は遅れていたネット販売事業を強化。強みである食品などの商材の充実やイオンの顧客へのアプローチなどでネット販売の売上高を拡大させていきたい考えだ。

アビステ、お手頃アクセで若年層つかむ

5kata.jpg アクセサリーや時計などの輸入販売を展開するアビステ(本社・東京都港区、長尾義人社長)は通販事業の強化に取り組んでいる。2008年4月のPC版通販サイト「アビステウェブショップ」の開設に続き、09年10月にはモバイル版も開設。実店舗とは異なる若年顧客層の獲得に乗り出した。
 同社はホテル内を中心に150以上の実店舗を抱えており、婦人向けファッションアクセサリーを販売している。通販事業の開始は二十年以上前で、テレビショッピングや紙媒体などに出品。現在の通販事業全体の売上高は、年商約60億円のうち約5~10%を占めている。
 ネット販売への進出は、顧客からの要望がきっかけだった。同社の実店舗の顧客層は、ホテル内の出店が大半ということもあり、50~70代の富裕層が中心。そのため、ファッション雑誌などで紹介された商品に興味を持った若年層顧客が、気軽に買いにいけるような店舗環境ではなかったという。そこで2年前から通販サイトを立ち上げ、アクセサリーやストラップといった「スワロフスキー」の小物のネット販売を開始した。

 一番の売れ筋商品は3000円台の動物ストラップ。同社では「実店舗では縁起物の亀やふくろう、通販サイトではかわいいクマやブタ。顧客層で売れ筋の違いがはっきりと分かれている」(業務課)と分析する。

 不況の影響で高級ジュエリーの購入を手控えた消費者が流入してきたこともあり、20代後半~40代前半の女性を中心に順調に売り上げが拡大。ネット販売のみの売上高は非公表だが前年比で10%以上増加した。品ぞろえも、当初は三百アイテム程度だったが、今では二千五百アイテム以上を取り扱うようになった。価格帯は3000円~10万円となっている。

 同社は「不況でもファッションを買いたいという独身女性は多い。当社の平均単価は一万円程度なので、今の世相の中でその欲求を満たせているのではないだろうか」(同)とする。

 ファッションに敏感な女性顧客が多いため、サイトデザインには強いこだわりを持っている。ページは白をベースにして、アンティーク調の額縁の中に商品を掲載。複数のデザイン会社と協議を重ね、簡素なテンプレートではなく、カラフルな商品を目立たせるためのデザインにしたという。

 通販サイトの顧客囲い込み策としては、会員向けの優待制度に力を入れている。サイト内のセール情報やメルマガ配信に加え、昨年末には表参道店舗でのイルミネーション見学イベントを開催。抽選で会員を招待し、一般開放していないショールームでパーティーを行なった。「普段は顔の見えなかった顧客と会えたことで、非常に距離が近づいた。昔からのファンの方と情報交換もできたので勉強になった」(同)という。

 4月末にはサイト開設2周年記念イベントを行う予定。ネット販売限定商品を企画し、ツイッターやブログなど実店舗と連動させたPRを行っていく方針。

レナウン、SNSと連動する通販サイト

5men.jpg アパレル大手のレナウン(本社・東京都品川区、北畑稔社長)は4月20日、販売チャネル拡大の一環として自社通販サイトを開設した。ブランドのHPや先行して開始したコミュニティーサイトとの連動を図り、店舗も含めた集客アップにつなげる。初年度2億円、2年後5億円の売上が目標。

 同社が開設したのは「R(アール)オンライン・ザショップ」(写真)。商品展開や品ぞろえは実店舗と同じタイミングで実施し相互誘導を目指す。

 開設当初は、主力の「ダーバン」や「シンプルライフ」「エンスウィート」「アーノルドパーマータイムレス」など六ブランドとメンズアンダーウエア、レディスレッグウエアなどを取り扱い、順次、ブランド数を拡充する。

 通販サイトでは、新着や推奨商品、人気アイテムなどの検索のほかギフトなどを切り口にした特集も組む。また、「Rコンシェルジュ」としてスタッフによるファッションアドバイスも行う予定。

 基幹ブランドの「ダーバン」では2月10日にコミュニティーサイトを開設。コーポレートサイトとコミュニティーサイトが有機的に連動することでブランドロイヤルティーが向上し、「店舗との双方向で消費者の誘導効果があった」(同社)とする。

 今回これに通販サイトが加わったことでさらに消費者との接点が増え市場にフィットした物作りの推進や優良顧客の獲得につなげたい意向だ。

 同社では、5月にコーポレートサイトのリニューアルも予定。大手アパレルの中では、自社通販サイトの立ち上げが遅れていたレナウンだが、ようやくウェブ戦略を実施するインフラを整備し、新規顧客の開拓とともに、"消費者に近い"企業への脱皮を図る。

日本緑茶センター 不況がハーブに追い風、海外製のお茶など550品目

 5-2.jpgお茶やハーブ、関連食品などの輸入・販売を手がける日本緑茶センターは、不況を背景にハーブ関連商品の売り上げを伸ばしている。補完的に開始した通販事業が、現在では顧客誘引の重要な窓口となり、会員数も順調に増加している。

 同社は2003年6月に自社サイト「ティーブティック」を開設して、通販事業を開始した。卸先の百貨店業界などの低迷に加え、地方客からの要望もあり、小売事業を補完する目的として簡易的に始めた。

 開設当初のサイト訪問客は一日数人程度で、売り上げも数千円だった。しかし、口コミで評判が広がり、現在では30代以上の女性を中心に、一日350人以上が訪問。会員数も毎年10%程度の割合で増加し、2000人を超えた。
 
 訪問者数の増加にあわせて、取り扱い品目も拡大した。3月26日現在で、海外製のティーバッグやお茶菓子など合計550品目以上を取り扱っている。通販事業の売上高は非公開だが、全社売上高約27億円の内の数%を占めており、着実に成長しているという。

 不況下でも業績を伸ばす最大の理由は、取り扱う商材にある。同社のメーン商品は、ドイツ製のハーブティー「ポンパドール」やハーブを原料とした塩「クレイジーソルト」。

 同社では「ハーブは『ティー』でもあり『薬』でもあると考えている。不況の影響で、癒しやリラックス効果をハーブに求める人が増えているのではと感じる」(総務部)とする。

 近年のお茶市場は、日本茶や紅茶は縮小・横ばいで推移しているが、ハーブティーだけは微増傾向にある。不況がハーブの追い風になっている状況だ。

 最近ではお茶単体だけでなく、お茶菓子とのセット注文も増加しており、自社で運営するレストランのパティシエが開発した「ティーロードキャラメル」も人気商品となっている。

 今後の目標は購入単価の向上。現在の平均購入単価は5000~6000円程度だが、中長期的に7000円以上に挙げることを目指している。そのために、ケース販売での値引きや、ページ内のショッピングカートの付近に季節商品などを掲載して「ついで買い」を促し、購入品数のアップを狙う。また、社員のお勧め商品や仕入れ担当者の現地見学の様子をブログやツイッターで紹介することも検討している。
 
 同社は「通販は可能性を秘めている事業。このご時世なので急拡大は難しいが、顧客の声を聞きながらじっくりやっていきたい」(同)と展望を語った。

ケンコーコム 体重管理で新サービス、ツイッターの活用で投稿に励ましも

 ケンコーコムは4月7日から、ツイッターを活用した新サービスとして「kilokun diet(キロクンダイエット)」の展開を始めた。ユーザーが投稿した体重情報やつぶやきに対し、予め設定されたキャラクターがコメントを返すという体重管理ツールで、幅広い層が気軽に利用できるコミュニケーションの場として育成していく考えだ。

 「キロクンダイエット」で投稿できるのは日々の体重情報とそれに関連したつぶやきで、実際の体重だけではなく体重の増減分の入力も行えるようにしている。

 ユーザーからの投稿に対しては、「kilokochan(キロコちゃん)」「kilominesan(キロ美ねぇさん)」「kilotakun(キロタくん)」「kiloaniki(キロ兄貴)」といったキャラクターを通じ、同社のスタッフが励まし等のコメントを返す。投稿したユーザーの属性等に応じてキャラクターを使い分けると見られるが、現段階では厳密な運用ルールは設けておらず、「ユーザーとのコミュニケーションの中で、キャラクターも成長していく」(広報室)という。また、物販とは切り離した、健康関連のコミュニケーションとして展開していく考えだ。

 ダイエット補助食品等を扱う通販では、商品の継続利用促進策として電話やメールを使った支援サービスを手掛けているところも少なくないが、今回、ケンコーコムが「キロクンダイエット」の展開を始めたことにより、ツイッターの活用を積極化するダイエット補助食品通販事業者も出てきそうだ。
 

"長寿"企業の軌跡と挑戦、タキイ種苗 下

創業175周年の「節目の年」を迎え、105年の歴史を誇る通販事業において大きな「変革」に乗り出したタキイ種苗(本社・京都市下京区、瀧井傅一社長)。従来のリピート客中心の戦略を継続しながらも、高齢化の進行などの社会背景を重視。近年需要が拡大している「ベランダ園芸」ジャンルを強化するなど、これまで関わりの薄かった初心者など「ライト層」の開拓に踏み出している。


サイトを大幅に
刷新、9月メドにコミュニティ性導入へ                       

 こうした新規開拓の取り組みで、同社が今後、最も重要とみているのが「ネット販売」の強化だ。通販サイト「タキイネット通販」の開設は2003年。通販売り上げに占めるネット販売の比率は現在は約20%で、「最近は年率20―30%で伸びている」(タキイ種苗・特販事業部佐藤直樹部長)と好調だ。
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 ネット販売の傾向として、客単価はカタログ客に比べ若干低いが、ネットはカタログより受注処理がしやすく、コスト削減にもつながるため、「できるだけネットで注文して欲しい」(同)という思惑がある。そのため、カタログでは3000円未満の購買の際は200円の送料がかかるが、通販サイト経由の購買では3000円未満でも無料とし、「入りやすさ」を重視した仕様にしている。

 同社ではこうした土壌の上に、新規層開拓のいわば「急先鋒」としてネット販売の活用を進めていく。例えば、「ベランダ園芸」ジャンルの強化については、カタログでは「失敗しないやり方」などの特集を組んで裾野を広げていることは前回触れたが、通販サイトでも同種の専門コーナーを設置するなどし、カタログ客と同様のサービスを展開している。

 また、詳細はまだ不明だが、今年の9月をメドに大幅なサイトの刷新に着手する。通販サイトの中心的な顧客になる層を具体的に仮定し、そうした層の関心を集めると思われるサイト仕様に変更。どのような層を具体的に想定しているのかは「非公表」(同)だが、これまでのリピート客である「マニア」な層ではなく、「ライト層」に向けた作りになることは間違いないようだ。

 全貌は不明ながら、対象が変わるため、情報発信の仕方もそれに伴って変えるもよう。一例を挙げると、サイトの滞留時間を長くするため、これまでは皆無だった質問掲示板など「コミュニティ性のあるもの」の設置が可能性としては高く、「ひとつの要素として考えてはいる」(同)という。

 例えば人気の野菜・果物ジャンルでいえば、「こうやって食べたら美味しいですよ」という情報を栽培方法と同時に提供することが「アマチュアユーザー」にとっては重要であると見ており、そうした栽培後のシーンにまで踏み込んだ情報発信を行っていくようだ。

 また、ネット以外の新規開拓策としては、会員制度「タキイ友の会」で行っているのとは別に、一般客を対象に新聞などで告知して勉強会を開催。最近では、ニーズの多い「野菜の育て方」をテーマに催し、約500人が集まった。こうした、いわば一般的な水準より園芸に関心の高いユーザーが集まった場で積極的に会員化のアプローチを行うことで、効率的に新規会員が獲得できると捉えている。今後も、ガーデンショーなどの社外イベントへの出展を通し、新規開拓を進めていく考えだ。
 


フジテレビなど"服"のイベントを通販連動へ、「ガールズアワード」海外の消費者も販売対象に

フジテレビジョンとガールズアワード実行委員会は、5月に都内で開催するファッションイベント「ガールズアワード2010」をネット販売と連動させる。来場者にはモバイル通販サイトを通じて商品購入を促すほか、PC用サイトを近く開設してイベントに登場するアイテムを先行販売する。また、来年以降、東アジアでのイベント開催を計画することから、同地域の消費者を販売ターゲットにしたフルフィル体制を佐川グループやアッカ・インターナショナルと組んで展開する。
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「ガールズアワード」は音楽とファッションを融合したイベント。藤井リナさんなど人気モデルが登場するファッションショーのほか、アーティストのライブやボーカリストを発掘するオーディションも行う。

 "渋谷から世界へ"をテーマに掲げる同イベントでは、今回から通販連動型へと拡大し、4月27日に開設する通販サイト「ガールズアワード・オンライン」で、ステージやブースに登場するアイテムを購入できるようにする。

 通販サイトはアッカ・インターナショナルが構築。商品の写真撮影や保管・発送など一連のフルフィル業務を同社が請け負い、販売事業者となってサイトを運営する。

 配送面では、アッカとタッグを組む佐川グループが全面協力。「ガールズアワード」は今後、東アジアの開催を計画していることから、佐川グループの国際ネットワークを活用して東アジアの消費者にも商品を届けられる仕組みを構築したという。

 サイトへの集客は、フジテレビがイベントのミニ番組を4月から放送して通販サイトも紹介するほか、ファッション情報専門チャンネル「ファッションTV」や渋谷の街頭ビジョンなどでもCMを流し、ネットでもショーの商品が購入できることをアピールする。

 ファッションショーには「サマンサタバサ」や「ジョイアス」「セシルマクビー」など若い女性に人気のブランドが多数出演するほか通販企業としてニッセンも参加する。

 なお、同イベントは5月22日に東京・渋谷の代々木競技場第一体育館で開催。10代―20代の女性を中心に1万5千人の来場者を見込む。



好調ネット販売企業研究・ブックオフオンライン 要望取り入れ機能拡充、倉庫拡張で売り上げ増へ

042.jpgブックオフコーポレーションの子会社でネット販売を手掛けるブックオフオンライン(BOO)は4月上旬にも通販サイトを刷新する。検索機能や指定した商品の値下げに合わせて、通知のメールを受け取れる機能を拡充。あわせて横浜市内の倉庫も拡張する予定だ。同社の2010年3月期の売上高は、前期比約30%増の22億円となる見込み。刷新によりさらなる売り上げ増を目指す。

  同社では07年8月にネット販売を開始。会員は月間3万人ペースで増えており、2月時点で約83万人となっている。売上面でも、昨年月商2億円に到達したほか、単月黒字化も達成。ブックオフグループの店舗では、平均月商約1億円の「秋葉原駅前店」が最大の売上高のため、ネット販売が事実上の"稼ぎ頭"となっているわけだ。また、店舗とは違い単品管理を行っているのも大きな特徴となる。

  これまで通常の商品検索と、巻数の多いシリーズの小説や漫画などをまとめて購入できる「オトナ買い」の検索が分かれていたが、今回の刷新でこれを統一。結果を表示する画面の右側に、セット販売の商品をまとめて出す形とした。また、希望する商品が入荷した際に送る「入荷お知らせメール」も、「オトナ買い」に対応した。

  購入したい商品の価格が下がった際に送る「値下げお知らせメール」についても、これまでは値下げするたびに通知していたが、希望する価格まで下がった場合にメールを送る「価格指定機能」を追加。「ユーザーの買いたい価格」が把握できるため、値付けに活かせるというメリットもある。

  こうした機能拡充は、ユーザーの要望を取り入れたもの。昨年2月にサイト内に匿名型の意見フォームを設置。注文後に使いづらい部分などを気軽に指摘できるようにした。また、スタッフブログやツイッターでも積極的にユーザーと交流し、意見を受け付けているほか、BOOについて記事で触れたユーザーのブログにスタッフがコメントを付けるといった活動も続けている。

  刷新にあわせて倉庫のスペースも拡張。1日の訪問者数はユニークユーザーで約5万人だが、購入率を高めるには「消費者が欲しい商品の在庫をそろえることが最重要」(マーケティング部)。刷新と品ぞろえの充実により、50%の増収を目指す。

  今後の課題はモバイル関連。現在、携帯電話向けのサイトは開設していないが要望は強く、例えば「『入荷お知らせメール』をパソコンではなく、携帯電話で受け取り、そのまま購入できるようにしてほしい」という声が多いという。サイトの開設も含めて「今期中には取り組みたい」(同)としている。

〝長寿〟企業の軌跡と挑戦・タキイ種苗(上) 新ジャンル開拓に着手、「べランダ園芸」でライト層取込みへ

041.jpg 老舗種苗メーカーのタキイ種苗が通販事業の"変革"に乗り出した。同社では、今年が創業175周年の「節目の年」。これを機に、105年目となる通販事業について、ユーザーが高齢化する今後を見据え、従来のリピーター中心の戦略から初心者などのいわゆる「ライト層」の開拓・育成に舵を切る。その一環として、近年、急速に需要が高まっている「家庭園芸」分野の充実を図るほか、新規開拓には不可欠として、ネット販売の抜本的な改革も計画。9月をメドに通販サイトを刷新し、「情報発信の仕方を変える」(特販事業部・佐藤直樹部長)考えだ。開始した1905年から、105年間にわたり続いてきた通販事業の「秘訣」と、次代を見据えた戦略を追った。

  まず、同社の現在の通販事業に目を向けると、同事業の売り上げは前期約30億円。チャネルはカタログと通販サイトで、売り上げの中心をカタログが占めている。通販サイトは03年から着手しており、現在のサイトの受注比は20%程度となっている。  顧客層は60代以上が大半で、その多くを占めるのは男性だ。同社には、年会費1,980円で月刊誌や割引を受けられる「タキイ友の会会員」と「ネット販売会員」の2種類の会員制度があり、会員数は2種類合計で20万人程度。どちらの会員にもカタログを送付する仕組みだ。

  カタログは、基幹の「花と野菜ガイド」は6月と11月の年2回発行。ページ数は約300ページで、商品数は常時3,000アイテムを掲載する。これに加え、他のカタログも補完的に年3回発行。時期的な問題で掲載しきれなかった商品や通常より安いセール商品などを掲載する。これらを総合した全カタログの発行部数は150万部になるという。

  長期間にわたり顧客をつなぎとめてきた理由のひとつが、このカタログ上での工夫だ。カタログを制作するうえで、特に商品写真を重視。撮影は「1番いい時期を選んで行うのが大前提」(特販事業部・佐藤部長)で、現物との色の差が出ないことに注意する。顧客のほとんどは、商品に詳しい「マニア」なリピーター。「色」で手抜きをすれば、商品到着後に「思っていた色と違う」とクレームが付く可能性が高いためだ。同社では時間をかけて色校正も複数回行い、現物との差を埋めていくという。

  また、リピーター向けの戦略では、送料面での取り組みも特徴的な施策のひとつ。同社では3,000円以上の購入で送料無料としているが、それ以下の購入でも、送料は一般的な通販の水準より低い200円に設定。こうした料金体系もサービスの一環と捉えており、「サービス低下のイメージ」(同)が着く値上げは、当面は予定していないようだ。

  こうした細かい工夫を積み重ね、顧客と良好な関係を続けてきた通販事業だが、高齢化の進行などの社会背景を踏まえ、今後は新規層の獲得が必要と判断。リピーター中心の戦略から、これまであまりターゲットにしていなかった初心者層などの開拓に目を向ける。

  そのための戦略のひとつが、近年、巣ごもり消費の影響などで需要が拡大している「家庭園芸ジャンル」の強化だ。同社の売れ筋は「野菜・果物」などの「食べ物系」だが、これらは意外に初心者には扱いが難しく、「失敗も多い」(同)。そこで、カタログ内では、分かりやすく説明するためイラストを多めに入れるほか、「失敗しないやり方」などの特集企画を近年、積極的に実施。また、「プランター栽培に最適」というアイコンを合致する商品に入れるなどし、「ベランダ園芸」というトレンドをアピールする。幅広く商品を訴求し、利用の裾野を広げる構想だ。(つづく)

IPサイマルラジオはラジオ通販に恩恵をもたらすか?

5kata.jpg 3月15日、関東・関西地区のAM・FM・短波ラジオがパソコンから聴取できる「IPサイマルラジオ」の実用化試験配信がスタートした。初日はアクセスが殺到し、つながりにくい状態になるなど話題を呼んでいる。

 同サービスは、在京ラジオ7局と在阪ラジオ6局、電通などが会員となっているIPサイマルラジオ協議会が提供するもので、専用サイト「radiko」に接続すると、実際の放送とほぼ同時に聴くことができる。

 対象となる地域は首都圏の1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)と関西の2府2県(大阪、京都、兵庫、奈良)。首都圏はTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、ラジオNIKKEI、InterFM、TOKYO FM、J―WAVE、関西では朝日放送、毎日放送、ラジオ大阪、FM COCOLO、FM802、FM OSAKAが聴取可能。対象外の地域から聴くことはできない。配信は8月末までの期間限定で、半年後の実用化を目指す。

 radikoにアクセスすると、各放送局のアイコンの下部に「listen now!」というボタンが表示される。このボタンをクリックすると、別画面としてプレーヤーが表示され、ラジオの音声が流れる仕組み。

 プレーヤー画面には再生・停止ボタンやボリュームバーのほか、「トピックス」として放送局から提供する情報リンクが表示される。首都圏の各局では、通販サイトへのリンクも設けており、放送中に紹介された商品をすぐに確認し、購入することが可能だ。

 パソコンさえあれば無料で聴取できるため、若年層など新たな聴取者の掘り起こしが期待できそう。ラジオ通販に関しては「すぐに効果が出てくるということはない」(文化放送開発センター)。ただ、客層が高年齢層に偏りがちなラジオ通販にとって、聴取者層が広がり、ネットからも商品が購入しやすくなるのはメリット。本格展開を開始し、サービスが若年層にも根付けば、これまでとは違った商材の販売やアプローチも可能になりそうだ。

ネットプライス、「タイムセール」サイト開設

5men.jpg 10年越しのサイト開設へネットプライス(本社・東京都品川区、佐藤輝英社長)は4月6日、タイムセール専門のサイトを立ち上げる。同社は既存の通販サイトでタイムセールコーナーを設けているが、売り上げと購入者数が大幅に拡大。タイムセールサービスの成長を受け、独立したサイト新設に踏み切る。初年度で10億円の売り上げを見込んでおり、ギャザリング(共同購入)に次ぐ主軸事業に育てる。

  新サイトは「24value.com(ニーヨンバリュードットコム)」。4月末にモバイル版を開設し、5月末にはスマートフォン向けの対応も行う予定。

 これまでの特化コーナー「24(ニーヨン)バリュー」と同様、24時間と12時間限定で毎日タイムセールを開催。連日全商品が入れ替わる。取扱商品数は1日当たり150アイテムを予定しており、種類もブランド品、ジュエリー、時計、化粧品、訳ありフードなど多様な商品を取り揃える。

 既存のコーナー「24バリュー」と同じく、ネット通販市場最安値に挑戦するサービス「底値宣言」を実施。「他サイトの方が安い」という投稿があった場合、調査の上で条件に合えば販売期間中に同価格に値下げする。

 サイト新設の背景には、タイムセールサービスの好調な拡大がある。同社が2007年に通販サイト「ネットプライス」と携帯版サイト「ちびギャザ」でタイムセールコーナー「24バリュー」を開始。約3年でサイト全体の売り上げの約2割を占めるまでに成長した。10年2月の同コーナーの売上高は前年同月比37%増、購入者数も同41%増と拡大している。

 こうした成長を受け立ち上げる新サイト。同社の佐藤社長は「節約疲れしているユーザーにワクワク感を提供する」と意気込む。目指すのは究極の"ウィンドウショッピング"サイトだ。

 ユーザーの「楽しくショッピングしたい」というニーズを満たし、一方で商品を提供するサプライヤーには時間限定のためブランドイメージを壊すことなく余剰在庫を処分できるという「うまみ」を提供する。

 2000年に「ギャザリング」の名称で、国内で最初に共同購入のネットサービスを展開した同社。10年越しで新設するサイトをギャザリングに次ぐ主軸事業に成長させる考えだ。

ジェイアイエヌ 「JINS」眼鏡通販サイト、商材の「ハードル」に対処

 眼鏡ブランド「JINS」の製造・販売を行うジェイアイエヌが自社通販サイトを強化している。扱う商材の関係からネット販売ではまだまだ普及が進んでいない眼鏡。同社では独自のサイト運営により眼鏡特有の課題に対処している。同業他社が自社通販サイトの開設に踏み切る前に、ネット販売での顧客獲得や運営ノウハウといった側面で「先行者利益」を狙う。
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 同社は2007年9月に通販サイト「JINS(ジンズ)オンラインストア」を開設した。現在、サイト上で取り扱う眼鏡は約2000種類。扱う商品の数や種類などは実店舗と同じという。主要な顧客層は20~30代。会員数やネット販売の売上高などは「まだ公表できる段階ではない」(同社)とするが、「確実に伸びている」(同)という状況だ。

 とはいえ、同社は「眼鏡という商材ならではのハードルがある」と指摘する。例えば店舗で購入する場合はその場で目の「度数」を計測し、その数値から目の状態に適したレンズを選ぶ。ネット販売ではこうした手続きを踏めないため同社も工夫をしている。

 まず、サイト上に目の度数を入れる欄を設け、それに合わせたレンズを作るというもの。度数は眼科の処方箋や眼鏡屋の保証書などに記載された数値を入力すればいい。使用している眼鏡を同社に郵送すればその眼鏡から度数を計測してレンズを作るというサービスも行っている。

 実際に眼鏡を掛けた時の"見た目"が分からないというのもネットならではの問題。これに対しては「モバイル試着」というサービスを提供する。商品ページのQRコードを読んでモバイルから自分の顔写真を送ると、眼鏡を着けた合成画像を確認できるという仕組みだ。

 また、全国に68店を展開する実店舗も大きな強みとなっている。ネットで商品を購入した場合でも全国の店舗で無料の調整サービスを実施しているため、安心して購入できるというわけだ。
 
 3月1日にはトップページを刷新。独自のキャラクターがネットで眼鏡を購入する際の仕組みを分かりやすく説明したり、度数やサイズについて具体的に解説する。「サイトの使い方をビジュアルで楽しく説明する」(同)ことを心掛けたという。

 このように自社サイトを強化している同社だが、同業他社ではネット販売に慎重なところも少なくない。実際、同じく低価格眼鏡店「Zoff(ゾフ)」を展開するインターメスティックは「今のところネットでの通販は考えていない」という。直接「フィッティング」ができないため、眼鏡の掛けやすさや見やすさの面で顧客に満足してもらえないとの判断からだ。

 デザイン的な要素に加えシビアな使用感が求められる眼鏡はネット販売で取り扱いづらい面があり、ヤフーや楽天などの大手仮想モールを含めてもまだ少ないのが現状。

 これに対しジェイアイエヌでは競合各社が尻込みしている間にネット販売の運営ノウハウを確立し、「先行者利益」を得たい考え。「眼鏡のネット販売は定着していないが、我々が注力することで新しい文化を根付かせたい」(ジェイアイエヌ)とする。眼鏡のネット販売という「新しい文化」が定着するのか、今後に注目したい。

楽天  バイト求人サイトを開設、出店企業のニーズに対応

 楽天は3月3日、「楽天市場」に出店する店舗と楽天会員を対象にしたアルバイト求人サイトを開設した。同社では昨年12月、ネット販売に特化した正社員のマッチングサービス「楽天仕事紹介」を始めているが、店舗側が求める雇用形態や募集職種にさらに踏み込むことで、出店企業の成長を後押しする。
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 新サービスの「楽天バイト」は、専用ページに企業が募集する職種や雇用条件などを掲載。サービスに登録した求職者は携帯電話で求人情報を閲覧し、自ら申し込むことができる。
 
 昨年、スタートした「楽天仕事紹介」は通販サイトの店長やウェブデザインなど専門性の高い職種を想定しているのに対し、「楽天バイト」は専門知識をそれほど必要としない業務が中心で、企業が求める2つの求人ゾーンに対応する。

 運営主体についても、「楽天仕事紹介」は厚労省から有料職業紹介事業者の許可を取得した楽天仕事紹介が企業と求職者のマッチングまで行うが、「楽天バイト」は楽天本体が運営。"求人広告費"を徴収する形をとり、仲介業務までは踏み込まない。
 
 「楽天バイト」の料金プランは、大量採用を計画する企業に適した「月額固定プラン」と、採用が決まるまで費用が発生しない「採用課金プラン」の2種類。
 
 固定プランは採用人数にかかわらず、10案件(8万円)から500案件(200万円)までの12段階を設定。楽天グループで使える「楽天スーパーポイント」を求職者にボーナスとして付与することができ、事前に任意で設定する同ポイントが大きいほど検索結果の上位に表示する仕組みだ。

 課金プランは掲載数に制限はなく、採用が確定した場合のみ、人数に応じて"広告掲載料"を徴収する。掲載料は7000円~6万1000円までで、例えば、7000円の場合は求職者への2000円分のボーナスが含まれており、固定制と同様にポイントが高いほど検索上位に表示する。

 「楽天スーパーポイント」を呼び水に求職者が集まるかは未知数だが、募集件数はサービス開始直後に66件の応募があり、「楽天仕事紹介」の出だしよりも評価は高そう。ただし、これはアルバイトという雇用形態のハードルが低いことも影響していると言えそうだ。


 



好調ネット販売企業の研究、フジヤカメラ店 メーカー仕入品2000点掲載、会員制廃止でアクセス数増加

カメラや周辺機器の販売を行うフジヤカメラ店(本社・東京都中野区、大月浩司郎社長)は、2007年からネット販売を本格的に開始。これまで通販事業で主体としていた紙媒体では扱いきれなかった商品販売や、新しい顧客の獲得を目指している。

 同社の通販の歴史は古く「戦後当時はカメラ雑誌がいくつかあり、その中で広告を掲載して、地方向けに郵便を使って販売していた」(大月社長)とする。

 ネット販売を始めたきっかけは、グループ会社の「ジャックロード」や「ベティーロード」での腕時計ネット販売の成功事例が大きかったという。毎年右肩上がりで成長する状況に注目し、2001年に開設していた、商品紹介や中古カメラの買い取り案内が主体だった自社サイトを、07年に大きくリニューアルした。

 ネット販売は実店舗と比べて顧客層が若く、最近の傾向として若い女性が増えた。カメラ付き携帯が広く普及したことで、手軽に撮影を楽しむ新しい世代が育成されたという。

 取扱商品は大半が新品で、「ニコン」や「PENTAX」といった大手メーカーのカメラ本体、周辺機器など約2000点、中古商品は約100点。100円のパーツから200万円以上する高額レンズなど、幅広い価格帯の商品を取り揃えている。

 2009年8月期の売上高は実店舗を含めて50数億円。通販事業の比率はその内の22―23%で、ネット販売の比率は約8%を占める。2010年8月期の売上高はほぼ横ばいの見込みで、通販事業比率は25%程度に増加すると予想。ネット販売比率も10%程度に伸びると考えている。

 業界の慣例もあり、これまで通販サイトでは、販売価格を会員だけにしか公開していなかった。しかし、他の通販サイトが乱立するという時流もあり、今年2月には会員制度を廃止。会員登録なしでも、価格を閲覧できるようにサイト内容を変更した。その結果、アクセス数は2―3割以上伸びた。

 「ネットであれば常に最新の在庫・商品情報が更新できる。リアルタイム性のニーズは高まっていると感じる」(同)とする。

 ここ数年の平均購入単価は、不況の影響をあまり受けることもなく、8万円程度で推移している。他の通販商品よりも高額であるため、配送には細心の注意を払う。梱包作業は自社倉庫で専任スタッフが行い、幅広い商品に対応するため独自サイズのダンボールを仕入れている。

 また、商品購入と同時に、顧客へ配送日時や補償案内を添えたメールも自動配信。中古商品に関しては、万が一不具合があった場合、着払いで商品を受け付けて、修理やメンテナンスを行う仕組み。「継続して気持ちよく購入してもらうために、返品についてのハードルは年々下げている」(同)とした。

 今後の展開としては、海外への販売を検討。新品商品や海外で取り扱っていない周辺機器を中心に、中国や欧州向けの通販サイトを開設していくことも考えている。


別所直哉事務局長に聞く、最大の「ネット業界団体」設立の狙いとは? 「団体の意見」が不可欠、3月に1回目WG立ち上げ具体策検討へ

 eビジネスの拡大を目的に、2月22日に楽天やヤフーなどが中心となって設立した「eビジネス推進連合会」。その中核には、苦杯をなめた医薬品通販規制問題に代表される過度の行政介入に、団体として対抗していく思惑があるようだ。会員数が1600社を越えるなど順調に規模が拡大する中、どのようなビジョンを描いているのか。同連合会の別所直哉事務局長に話を聞いた。
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まず、改めて設立した経緯を伺いたい。

 「今までeビジネスの推進について声を上げる母体がなく、それぞれの会社ごとで発言しているのが現状だった。そうした中できっかけとなったのが、医薬品の通販規制。あのときも各社が個別に声を上げたが、それがばらばらに声を上げているように見られてしまった。そこで、団体を作り、共同で声を上げていくことが必要なのでは、という話が出て『eビジネス推進のための企業の集まりを作ろう』となったわけだ」

 設立趣旨から考えて、活動内容は政策提言が中心となるのか。

 「政策について課題があれば、団体として意見を申し上げていきたい、というのが重要な活動の一つ。ただそれだけではなく、いろいろな会社にご参加いただいているので、自分たちでeビジネスを推進していく活動もできれば、と考えている」

 医薬品規制問題では、結果的に行政サイドの思惑通りの方向に至ってしまった。そこで個別に対応するのは効果的ではない、と感じたわけか。

 「たぶん同じ想いを抱いている企業は多数あるはず。問題が起きるごとにその都度集まって活動するより、ベースになる団体があったほうが、安定的に活動できる。どのような規制が出てくるかなどはまだ分からないが、ただ、全体的には医薬品規制と同じようなことがいつ再び起きても不思議ではない状況だ、という危機感を皆さんお持ちだと思う」

 具体的にはどのような対応策を描いているのか。

 「それは個別の案件ごとに考えていくべきだと思うが、ベースにあるのはeビジネスの重要性をできるだけ多くの方に理解していただく、ということだ。ネット関連産業の振興は、諸外国では成長戦略の要に据えていること。日本の中でも、きちんと考えていかないといけないだろう。その前提に立ち、どういう枠組みが望ましいのかを行政側にも考えていただければ、不合理で不当な規制ができる素地は減っていくのではないか」

 そのあたりの理解を得られるのはまだ時間がかかりそうだが。

 「何もやらないで理解が深まっていくわけではないので、今までの理解以上に理解していただくために、いろいろなことをやっていく必要がある。どういうアプローチにするか考えつつ、できるだけ理解してもらえるように行動していく、というのが我々の働きかけの要諦になっていくだろう」

 具体的にはどのようなアプローチの仕方を考えているのか。

 「具体的な案はこれから決めること。今後、ワーキンググループ(WG)を開いていく中で、いろいろな方に座長をやっていただき、その方々に考えていただければ」

 WGの活動内容や規模の構想は。

 「全体図はまだ見えないが、当初は3つぐらいの分野を考えていて、できれば多様多彩なテーマがでてくるといいと思う。まだ座長や参加企業などは何も決まっていないが、できれば3月中にはひとつ目のWGを立ち上げたいと、今準備しているところだ。会員には具体的な課題を挙げていただくのが1番ありがたい。そして手を挙げていただいた方に座長になっていただくというイメージだ」

 今後の展開は。

 「eビジネス推進のための環境整備を進めていく。自分たちでできることはやるし、政策としてやっていただきたいことは働きかけていく。働きかけをするとき、相手から見て『eビジネスを代表している団体』と見られるように活動していきたい。直接的な利害関係がある会社が単に意見を言っているだけ、と見られるのが非常に残念なこと。そうではなく、団体として国のために意見を言っていると見られるようになっていきたい」






通販各社の動画活用最前線 JSC〝いつでも番組見れる〟、シーラボ、メークの仕方動画で

 通販企業各社の「動画」を活用した販促策が活発化している。テレビ通販大手のジュピターショップチャンネル(JSC)は双方向テレビサービスを利用して、視聴者がテレビで「過去の通販番組」を好きな時に視聴できるサービスを開始。化粧品通販のドクターシーラボはスキンケアやメイク方法を説明する動画をPCとモバイル上で配信し始めた。

 通販企業の動画活用は現状、「通販番組」という動画コンテンツをすでに持つテレビ通販事業者が通販番組をサイト上などで2次活用し、配信する形などが多いが、JSCではそれらと並行して、双方向テレビサービスなどこれまでとは異なる動画の使い方を展開。また、ドクターシーラボの試みのように動画で直接、商品を訴求する形ではなく、商品の使用方法を説明する目的など様々な動画の使い方を進めている通販企業も増えている。今後も通販に動画を活かす試みは活発化していきそうだ。

 ジュピターショップチャンネルは3月1日から、過去に放送した通販番組を視聴者が好きなときにいつでも視聴できる「SHOPオンデマンド」を開始した。

 ジュピターテレコム(JCOM)が同社のケーブルテレビに加入してネットに接続している約150万世帯の加入者向けに実施している映画やドラマ、アニメなど様々な番組をいつでも視聴できるVOD(ビデオオンデマンド)サービス「JCOMオンデマンド」を通販企業としては初めて活用し、JSCは過去の番組を二次利用。視聴者はJSCが放送した過去2週間分の番組をいつでもリモコン操作で視聴、商品を購入できる仕組み。また、見たい商品をカテゴリ別に検索して該当する番組を視聴することもできるという。

 「SHOPオンデマンド」は「JCOMオンデマンド」専用画面から視聴できるだけでなく、JCOMのコミュニティチャンネルで放送中のJSCの番組を見ながら、当該番組の横に表示されるデータ放送経由でも「SHOPオンデマンド」を視聴できる。放送から通信(VOD)へのシームレスサービスは民間の放送サーボスでは国内初だという。

 JSCでは今回の試みで生番組を見逃したり、「もう一度、番組を見てから商品を購入したい」というライブ放送ならではのマイナス点を払拭。潜在需要の喚起を図る考えのようだ。

 ドクターシーラボも2月25日から動画を活用した販促を開始している。同社のPCサイトやモバイルサイト上の「シーラボTV」内にスキンケアやメイク方法についての解説動画をアップ。自社化粧品の正しい使用方法を伝えることで、既存顧客の囲い込みなどに活かす試みと見られる。

 まずは累計1,500万個を販売している同社のヒット商品「薬用アクアコラーゲンゲルスーパーモイスチャー」を中心に化粧水やクレンジングなどの商品の使用方法を動画コンテンツとしてアップした。

 なお、動画コンテンツの導入に当たってはPC向け動画配信サービス「Brightcove(ブライトコーブ)」、携帯電話向けの動画配信には「MobaVio(モバビオ)」を活用したとしている。

 通販企業の動画を用いた試みは進んできており、テレビショッピングさながらにPC上での「動画ショッピング」のほか、例えば、テレビ通販大手のオークロンマーケティングなどは、商品購入者に当該商品の組み立て方法などを説明した動画を携帯電話のeメールで送信する試みなど「取り扱い説明書」代わりに動画を活用している。今後、デバイスや普及でますます通販企業による動画活用は進んでいきそうだ。

ルック ネット販売事業に本腰、仏社買収でノウハウ活用

051.jpg 中堅アパレルのルックは、ネット販売事業に本腰を入れる。2月下旬に自社通販サイトを本格オープンしたのに加えて、フランスの衣料品ブランドの日本事業を買収し、同社が運営するネット販売事業のノウハウも活用する。ルックでは、主力販路の百貨店などで客足が鈍る中、新たな販売チャネルとしてネット販売事業を強化・育成する方針で、自社通販サイトだけで初年度(2010年12月期)2億円、3年後には6億円の売り上げを目指す。

 同社が運営する「LOOK@e―SHOP(ルック・アット・イーショップ)」は、昨年12月18日にパソコン版、今年1月8日にモバイル版がプレオープンしている。

 サイト開設時は婦人衣料ブランドの「スキャパ」「ポール&ジョー」「ポール&ジョー シスター」のほか、バッグ・雑貨の「マリメッコ」「イルビゾンテ」を加えた5ブランドでスタートしたが、「メルマガ会員も予想以上に増えており、手応えを感じている」(同社)としており、2月26日には3ブランドを追加投入し、計8ブランドで本格オープンした。

 新たに通販サイトで展開するのは「プラス ホテル バイ ケイブロス」「リンク イット オール」「アメリカンレトロ」の婦人衣料3ブランドで、今後も順次、ブランドを拡充し、通販サイト限定の商品も投入する計画だ。

 ルックでは、ネット販売を新たな"売り場"として活用。「従来にないファンを獲得することで、収益に結びつけたい」(同社)とする。

 また、ルックはこのほど、フランスの衣料品ブランド「APC(アーペーセー)」を日本で展開するAPCジャパンの全株式を親会社のAPCSAS社などから取得し、完全子会社化した。

 APCジャパンの売り上げ規模は20億円強(09年12月期)だが、そのうちの10%をネット販売が占めていることから、ルックでは自社のネット販売事業の強化にもつながるとしている。

 ルックが展開するブランドは婦人衣料が主体。一方の「アーペーセー」はメンズラインも展開しており、新しい顧客層の取り込みにも期待している。年内はインポート商品を扱うが、11年春夏シーズンからは日本に合わせた商品展開に乗り出すことで、売り上げ拡大につなげる。

靴製造販売のリーガル、ネット会員1万人に 返品対応も

5k.jpg 靴の製造・販売などを手がけるリーガルコーポレーションは、自社通販サイト「シューズ・ストリート」を活用して、実店舗だけでは実現できなかった、新たな販路開拓やブランド宣伝に取り組んでいる。

 同社の通販事業はネット販売のみで、2002年3月に同サイトを開設。紳士靴の「リーガル」に加え、兄弟ブランドの「ケンフォード」や婦人ブランド「ナチュラライザー」など600デザイン、カラーバリエーションも合わせると合計1200アイテム以上の商品を取り扱っている。昨年には、初めてのネット販売限定商品、「レニカ サドルシューズ(2色の組み合わせ靴)」も発売した。

 同社では「ネット販売開始でサイト整備が進み、消費者の目に触れる機会が増えた。婦人靴など、リーガル以外のブランド認知にもつながる」(小売事業統括部eビジネス課)と説明。販売だけではなく、ブランドの宣伝効果も強く狙っている。

 そのため、ネット販売の顧客対応は、実店舗並みに行うよう細心の注意を払っている。その一つが返品対応だ。

 靴は通販では取り扱いが難しい商材の一つでもある。最大のネックが、サイズの細かさ。靴は衣服とは違い、サイズの種類が0.5センチ刻みと非常に細かく、実際に履いてみないと最適のサイズが分からないことが多い。

 仮にサイズが大きすぎた場合に、店頭ではその場で中敷を入れたりすることができるが、対面できない通販ではどの部分が緩いのか細かく把握できず、対応が非常に難しい。

 そこで同社では、常に「交換は当然」というスタンスで顧客対応に当たっている。開封した商品であっても、購入直後であれば最大十回まで返品を受け付け、場合によっては実店舗でのサイズ調整のサービスも行う。

 「何回も交換されると利益的には厳しい。しかし、靴の通販である以上、顧客の要望を当然と考えなくてはいけない」(同)と、返品対応の重要性を語る。

 また、サイトを運営する上で、高級ブランドとしてのイメージを崩さないページデザインも心がけている。

 特集ページは極力作らず、バナーに関しても商品写真ではなく季節の花の写真を使うなど、商品販売を主眼にしたような派手なサイト作りは行っていない。

 新入学・新社会人向け紳士靴や婦人向けのドレス系パンプスを中心に、売り上げが伸びる三月についても、大々的なキャンペーンページは設けていない。「『ショッピングサイトらしくない』と言われると、こちらの意図が成功していると感じる」(同)とする。

 その結果、ブランドイメージを守りながら、ネット販売は開設以来、順調に成長。2010年3月期の売上高は、約1億3千万円で、来期の売上高は2億円を予定している。

 同サイトの会員数も2月12日現在で、約1万人を突破。今後の通販事業拡大については、あくまでも慎重な姿勢で、卸販売事業、小売販売事業との兼ね合いを見ながら、バランスのとれた戦略展開を図っていく方針だ。

サルースと夢展望、春商戦は部屋着が好調

 アパレルのネット販売2社の春商戦が順調な立ち上がりを見せている。ルームウェアやワンピースなど、トレンドに左右されにくく独自性を打ち出したアイテムを中心に展開。立ち上がりは低価格帯が奏功し安定した受注を獲得しているようだ。不況の影響でトップシーズン前の買い控えがあったことから、前年好調だったパンプスなどが苦戦する傾向にある。春商戦全体ではオリジナルアイテムの充実により他社との差別化が図れるかどうかがカギとなりそうだ。

 サルース(本社・大阪市、木下秀夫社長)の春商戦は12月から開始。前年と同時期の開始となるが、取り扱いアイテム数は前年と比べて30アイテムを縮小。アパレルは前年と比べて、50アイテム減らし350点とした一方、靴は20アイテム増やして50アイテムをラインアップした。

 主力アイテムはフリンジ付きスウェードウエスタンブーツやパイル地のルームウェア、花柄のワンピースなど。価格帯は900~4500円の低価格帯とした。

 サルースは商品の投入時期が早いため、早期割引やポイントアップのキャンペーンを実施。複数商品の買い控えによる客単価の低下があったものの、主力のブーツやワンピースが順調に推移。トレンド感やオリジナリティが奏功し順調な立ち上がりとなった。

 夢展望(本社・大阪府池田市、岡隆宏社長)の春商戦は例年通り2月から開始。取り扱いアイテム数を前年同期と比べて10%増やし、1000型を提案した。トレンドに左右されにくいワンピースを主力とし、中心価格帯は2480円で提案した。

 サルースと夢展望で好調だったのはルームウェア(部屋着)だった。巣篭もり需要の拡大により部屋で過ごす時間が増えたことを背景に、デザインの可愛らしさや価格の安さを理由に受注を獲得しているようだ。

 一方、両社で動きの鈍かったアイテムはパンプスだった。今春商戦では消費の鈍化や積雪などの天候が影響したもよう。前年の春商戦と異なり、シーズン前に購入するユーザーが減少する傾向にあるようだ。

 サルースでは今春商戦について低価格競争がさらに激化すると予想。トップシーズンに向けてカットソーやパンプスなどの定番商品を強化するほか、オリジナル性のある商材を提案する方針だ。

ジャックロード 高級腕時計を値ごろ価格で提供、中国など海外進出も視野

 5-2.jpg高級腕時計などの販売を手がけるネクストトゥエンティワンが運営するメンズ腕時計通販サイト「ジャックロード」が着実に売り上を伸ばしている。2009年はヤフーショッピングの「アクセサリー部門賞」、楽天市場の「ジュエリー・腕時計ジャンル賞」を受賞するなど注目度も高い。

 同社は実店舗とネットでアンティークや中古、新商品の海外製高級腕時計を販売。08年度の売上高は、姉妹店の婦人腕時計通販サイト「ベティーロード」との合計で約80億円(実店舗含む)。通販事業はその内の約4割を占める。豊富な品ぞろえと、並行輸入品専門店ならではの値ごろ価格が評判となり、毎年2ケタ成長を維持している。

 取扱商品は、ロレックスやオメガ、カルティエなど常時1000点以上。メーカーからではなく、香港や欧州など海外の販売店のセール品を直接仕入れることで、定価よりも安く販売することができる。

 「当社は安売り店なので、海外販売店のセール品をいかにタイミングよく見つけるかが重要。あくまでも『受け身』の仕入れ体制」(大月亮太郎部長)という。
 
 同社が通販を本格的に開始したのは01年の楽天市場への出店から。当時、ブランド時計がブームだったこともあり、売り上げが大きく拡大。03年にはヤフーに出店、05年には自社サイトでの販売を開始した。

 ネット販売以前は、カタログ通販なども行っていたが「掲載商品が在庫切れになった時の対応が難しく、今はネット販売のみで通販を行っている」(同)とする。

 不況の影響で平均購入単価は一昨年前からやや下がったものの、現在の売れ筋商品は20―30万円台が中心。高額商品を通販で購入してもらうために重要なのが信頼性で、「ヤフーや楽天市場での表彰実績も信用につながるが、それ以上に実店舗を持っていることが大事」(同)と説明。通販事業だけの運営ではなく、顧客と対面できる実店舗持つことで信用を与えているという。

 また、実店舗では通販顧客のアフターケアも行っており、購入後の破損や定期メンテナンスは、店舗に送ればすぐに対応できる仕組みになっている。

 配送に関しては、補償サービスの限度額が違う物流事業者を使い分け、30万円以下の商品をヤマト運輸、30万円以上の商品を佐川急便で送っている。

 5年前からは、全商品の配送・代引き手数料無料も実施。「不思議なことだが、30万円以上購入する方でも、わずか1000円の送料が無料になることに敏感だ」(同)とし、顧客に与える「無料」効果の高さを挙げる。

 今後、同社では、アンティーク商品の人気が高いアジア圏やイタリアなど、海外向けの自社サイト開設を予定。特に中国の顧客は国内よりも購入単価が高いため、同国への販売を強化する方針だ。

ニューヨーカー 店頭の生きた情報提供で、自社通販サイトが好調

5-1.jpg トラッドスーツなどを製造・販売するニューヨーカーは、昨年11月に本格オープンした自社通販サイトが好調だ。店舗スタッフによる商品コメントなどが好評のほか、初回購入商品の返品送料を無料にするなどで新規顧客の獲得と売り上げ増につなげている。当初は本格展開から半年後に会員1万人を目標としていたが、1月末時点で約1万1000人を獲得。売上高も当初計画の3倍となる1億円程度まで拡大しているという。


 

 同社は、販売チャネルの拡充を目的に通販サイト「ニューヨーカーオンラインストア」をオープン。店舗との相互補完を図りながらネット販売を強化する。
 
 通販サイトでは、店舗スタッフのコメントを商品詳細ページに掲載。一般的な商品の説明に加えて、店頭で得た"生のコメント"をサイトに反映させることで「消費者との距離を埋めている」(同社)という。
 
 また、トップページに掲載する商品写真の上部には「新商品が入荷しました」などのメッセージが吹き出し風に次々と表示される"ライブメッセージ"機能を採用。これがサイトの訪問者には目新しく、詳細ページへの誘導に一役買っているようだ。

 サイト訪問者に購入を促す仕組みとしては、「初回購入分の返品送料無料」の施策が効果を発揮。初めての利用者の返品送料を同社が負担することで、「ネット販売への抵抗感を払拭したい」(同)とする。同社では、商品の発送時に返品用の配送伝票も同梱している。

 また、商品の梱包自体にもこだわっており、透明度の高いポリエチレン製フィルムに、商品をたたみ直して包装し、空気圧を調整できる緩衝材で商品を固定する。こうした配送品質への意識がリピーターの獲得にもつながっているという。

 通販サイトへの誘導面では、アフィリエイトやSEO対策も本格化させているほか、実店舗でも通販サイト開設のフライヤーを配布。一方で、実店舗への誘導策として、ネット会員に「お気に入り店舗」を登録してもらい、当該店舗のイベント情報などを個別にメルマガで配信する。

 同社の顧客層は30―40代の男女がメーン。通販サイトの客単価は2万数千円と衣料品のネット販売では高めだ。

 現在、通販サイトでは既製品のスーツを扱っているが、今後はオーダースーツにも対応させたい考え。とくにメンズのオーダースーツの需要は高く、サイト利用者の女性比率が高いことから、男性顧客へのサービス強化にもつなげる。

  

好調ネット販売企業の研究 コージィコーポレーション モバイル注力で急拡大

子供服製造販売のコージィコーポレーション(本社・大阪市中央区、〓林更次社長)のモバイル通販事業が急拡大している。ビッダーズへの出店や販促強化など昨年から力を入れているが、すでにモバイル経由の売り上げがパソコン経由を上回っており、今年1月には楽天市場の「ショップ・オブ・ザ・イヤー2009」で、キッズ・ベビー・マタニティ部門のジャンル大賞とともに、モバイル賞を受賞している。

 同社は全国に子供服を販売する店舗「スターベイションズ」を展開し、自社で製造した商品を販売している。ネット販売の開始当初は自社サイトのみの運営だったが、現在は閉鎖しており、楽天市場を中心とした仮想モールに同名店舗を出店している。

 昨年からはモバイル通販に注力している。同社の顧客はギャル系などの若い母親層が多く、パソコンの保有率はあまり高くないものの、携帯電話での買い物に抵抗感がない。6月にはビッダーズに出店したほか、楽天市場内に出稿する広告を、モバイルサイトに誘導するようにした。

 以前はパソコン経由の購入とモバイル経由の購入の比率はほぼ半々だったが、現在はモバイルの比率が六割超まで上昇。今年5月には自社のモバイル通販サイトをオープンする予定で、モバイル比率は今後も増える見込みだ。

 ウインターセールを開始した昨年12月23日には、通販売り上げが5700万円超を記録するなど、モバイルが牽引(けんいん)する形で業績は好調に推移している。2010年8月期の通販売上高は前期比78・3%増の18億2200万円を予想。同社の積高之専務取締役は「(全社売売上高に占める通販の比率は)2割程度が理想だろう」と話す。

 通販の顧客が多い地域に店舗を出店するという形で積極的な出店を行っており、通販の伸長が実店舗の拡大につながるという好循環が生まれている。ただ、店舗で商品を見てから通販で買うというケースが増えており、「店の売り上げにつながらないため、現場のモチベーションが落ちる」(積専務)という弊害もあるようだ。

 昨年12月には新たな取り組みとして、アバター(ネット上の自分の分身)用のアイテム提供を開始。アバターアイテムとして、通販サイトで販売する自社の商材をイラスト化して提供しているのが特徴だ。「今年5月発売までの全商品をアイテム化しており、商品発売と同時にリリースする」(同)という。商品をイラスト化するには手間とコストが必要になるが、企画段階のイラストをそのまま立体化することで手間を省いている。今後開設する自社サイトと連動することで、販促効果を高めていく。


 急速に成長したことから、物流などのフルフィルメント関連の整備も課題となっていた。昨年には社内に撮影スタジオを設け、サイトで使う写真を撮影する体制にしたものの、商品撮影やデータ作成などが膨大な量になったことから、現在は商品撮影代行サービスを活用している。また、物流も昨年9月に「楽天物流サービス」に変更。積専務は「いずれは自社・委託は問わず、中国に物流拠点を持つ形にしたい」と話す。

DeNAとワールド 衣料品仕入れサイト始動、通販向け販売条件を明記

5 1.jpg ディー・エヌ・エー(DeNA=本社・東京都渋谷区、南場智子社長)とアパレル大手のワールド(同・神戸市中央区、寺井秀蔵社長)は1月28日、アパレル特化型の法人向け仕入れサイトをオープンした。専門性の高い仕入れサイトとして、ワールドがオリジナルのアパレルブランドを投入するほか、通販企業の利用を想定した「販売条件」を商品ごとに記載しており、アパレル商材を扱うネット販売企業の新たな仕入れ先として注目を集めそうだ。

新たに開設した「バイヤーズクラブ」は、通販企業を含めた小売りが「バイヤー」、商品を提供するメーカーが「サプライヤー」として参加するBTOBサイトで、衣料品やファッション雑貨、什器・ハンガーなどを扱う。

 両社は、サプライヤーから販売手数料(6―八%)を徴収することで、サイトを運営。今月末には、サプライヤー数1650社、バイヤー数も7200社程度に拡大する見込み。現時点での取扱商品数は6万四1000点程度だ。

  サプライヤーには、ワールドをはじめ、東京ソワールやフジボウアパレル、エスマイルなどの有力企業も参加。とくに、ワールドは当該サイト専用のブランド「ビーニー」を立ち上げるなど、サプライヤーとしても存在感を示している。

 「バイヤーズクラブ」では、動画入りコンテンツをトップページに設定。開設時はワールドの「ビーニー」で代表的な八型をモデルが着用してポージングする動画を見られるようにしたほか、取扱商品をシーズンやキーワードごとに編集する「特集コーナー」も設置してバイヤーに提案した。  

バイヤーは、こうした特集ページ以外でも、購入したいアイテムの価格帯、対象年齢、商品テイストなどを選択することで、絞込み検索ができる。  

また、新サイトでは、取扱商品ごとに、"販売条件"の項目を設け、「ネット販売」および「掲載画像の転載」がそれぞれ「可」か「不可」を明記している。つまり、両項目ともに「可」な商品であれば、サプライヤーに問い合わせなくても、卸価格で仕入れた商品について、写真を撮り直さずに自社の通販サイトで販売できることになる。  

このため、小規模な通販企業を中心に、アパレル商品をネットで仕入れ、通販サイトで販売する事例も増えそうだ。  

今後は、規模の小さなサプライヤーの参加をにらんで、ワールドは商品の撮影代行も行う計画という。  

なお、ワールドとDeNAは個別に仕入れサイトを展開してきたが、新サイトの開設に伴い、ワールドの衣料品仕入れサイト「ダブルウイン」は二月末に閉鎖し、サプライヤー、バイヤーともに新サイトへの移行を完了する。

 DeNAが展開中の総合仕入れサイト「ネッシー」では、登録サプライヤーの中からアパレル企業を新サイトにも参加するよう促しているという。

楽天 中国で仮想モール開始へ、百度と合弁会社設立

 楽天は中国でネット販売事業に参入する。1月27日、中国の検索サービス最大手の百度と、仮想モール運営を目的とした合弁会社を設立することで合意。当局の許認可を前提に、今年の後半をメドに中国版「楽天市場」を開設する見通しだ。海外でのモール展開は台湾、タイに続く3拠点目で、百度の集客力を活用し中国最大規模の仮想モールを構築したい考えだ。まずは中国国内の事業者が出店対象となるが、将来的には日本の出店店舗の商品の販売も検討していくという。インターネットユーザーが世界で最も多い中国で成功を収めることで、海外でのモール展開をより加速させたい思惑のようだ。

 設立する合弁会社では、中国国内での仮想モール事業を主力事業として展開する。会社名や設立時期は不明だが、所在地は百度本社がある北京が有力だという。出資総額は3年間で総額約43億円で、出資比率は楽天が51%、百度が49%。代表者は楽天から派遣する予定だ。

 楽天では、百度の中国国内における知名度や集客力の高さを有力と判断。「百度の中国での検索シェアは6割強あり、消費者へのリーチは圧倒的」(楽天広報)とし、自社のECプラットフォーム技術や運営ノウハウを組み合わせて「中国最大規模の仮想モールを作りたい」(同)考え。

 開設する仮想モールの名称や開設時の出店店舗数、商品ジャンル、売り上げ目標などについても、現段階では未定。出店店舗は中国のネット販売事業者を対象としているが、将来的には日本の「楽天市場」との連携も視野に入れているとしており、日本の出店店舗の参加も促していく構想だ。

 楽天では、08年5月に台湾で地元企業と合弁会社を設立し「台湾版楽天市場」を開始。09年9月にはタイ最大の仮想モール「TARAD.com」を運営するタラッドドットコムを子会社化し、同モールに「楽天市場」の機能やノウハウを注入するなど、アジアでの仮想モール展開を近年積極的に推し進めている。アジア初進出となった台湾でのモールの現状については「順調」としているが、ただ、中国は日本の通販企業の参入が近年増加しており仮想モールも多く、今後、競争がより激化する可能性が高い。そうした中で果たして思惑通り最大規模のモールを実現することができるか、今後の動向に注目が集まりそうだ。

伊勢丹 百貨店版ネットスーパー〝ネット・デパ地下〟開始、受注当日に個人宅へ配送

051.jpg 伊勢丹はこのほど、百貨店版のネットスーパー事業を直営の2店舗で開始した。雨天時や営業時間内に来店できない顧客、高齢者などの利便性を向上させるのが目的。ネットで受注した商品をその日のうちに届ける取り組みは百貨店では初めて。まずは食材や菓子、酒類など約3,000品目でスタートする。両店舗とも、当面は1週間で50件以上の受注を目指すとともに、問題点などを洗い出し、事業環境が整えば対応する店舗を広げたい意向だ。

 同社が始めたのは「伊勢丹ネットデパ地下」。1月19日に相模原店(神奈川)、同月20日に府中店(東京)でスタートした。同社の通販サイト「I ONLINE(アイオンライン)」とは別サイトで運営する。

 今回、新サービスを開始した両店舗は、昨年4月に営業時間を従来の午後7時半から7時までに30分短縮したこともあり、営業時間内に来店できなくなった顧客や、高齢者、子育て中の母親などを囲い込むことで、CS向上と売り上げ拡大につながると判断した。

 同サービスを利用できるのは店舗の近隣に住む消費者で、相模原店が町田市全域と相模原市東部、府中店は府中市、調布市、国立市の全域がそれぞれ対象。近隣地域には、折込チラシで新サービスの開始を告知したという。

 注文は前日の午後4時半から当日午後3時10分までのオーダーを当日中に顧客の自宅に届ける。

 相模原店の場合、第1便が前日午後4時半―当日午前9時半までの受注分を午後2時―同4時に、第2便は11時10分までのオーダーを午後4時―同7時、第3便は午後1時10分までの受注分を同6時―同9時、第4便が3時10分までを同7時―9時までに届ける。

 両店舗とも、ウェブ担当者2人が受注業務を担い、食品売り場の担当者にピックアップの指示を出して店頭商品を確保するため、ネット販売用の在庫は持たない。

 スタート時の取り扱いは「デパ地下」で扱う生鮮食品や乾物、飲料、惣菜、菓子類など幅広く、約3,000品目。ただし、実店舗では10万点以上の商品を扱っており、順次、対象商品を拡充する計画。
 
 仕組みはネットスーパーと同じだが、「ギフト用の菓子やケーキ、老舗店の惣菜といった商品面と、ラッピングなどのサービス面で違いを出したい」(同社)とする。

 サービスの利用には送料と買い物代行手数料が別途必要で、送料は6,300円以上で無料。配送はヤマト運輸を利用し、常温、冷蔵・冷凍で温度管理して、商品を届ける。

 ネットスーパーはイオンやイトーヨーカ堂といったGMSで事業化が加速しており、百貨店も同様のビジネスに乗り出したことで、顧客の囲い込み競争が熱を帯びそうだ。


楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2009  総合1位は爽快ドラッグ

 005.jpg  楽天(本社・東京都品川区、三木谷浩史社長)は1月12日、都内で「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2009」を開催。総合グランプリに、健康関連商品や日用品を取り扱う爽快ドラッグのサイト「爽快ドラッグ」が選ばれた。2位に上新電機、3位にケンコーコムの通販サイトが輝き、健康関連商品サイトが1位と3位を獲得した。「巣籠もり需用」を取り込んで人気を集め、不況による低価格志向や新型インフルエンザ対策商品の需要増も追い風となった。

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ルック 自社通販サイトを開設、販売チャネル拡充に本腰

51.jpg中堅アパレルのルック(本社・東京都目黒区、牧武彦社長)は、販売チャネル拡大の一環として今年2月をめどに自社通販サイトを本格オープンする。これに伴い、1月1日付けで新たに通販担当部署を設置。昨年秋にスタートした大手テレビ通販への商品投入を含めて、通販関連事業を強化する。
 
  2月に本格始動するのは「LOOK@e―SHOP(ルック・イーショップ)」。昨年12月中旬にプレオープンしており、同社がライセンス契約を結んでいる海外ブランドを中心にファッションアイテムをそろえる。     
   バッグや雑貨では、フィンランドの人気ブランド「マリメッコ」や、革製品を展開するイタリアブランド「イルビゾンテ」を投入する。

  衣料品では、「ポール&ジョー」や「SCAPA(スキャパ)」を展開。プレオープンのイベントとして衣料品をセール販売している。  

 ルックでは、昨年9月からQVCジャパンを通じた婦人服の販売もスタート。ビーズ刺しゅうデザイナーの田川啓二氏とのコラボで新ブランドを立ち上げ、番組で販売している。  

 アパレル各社は、客足の鈍い百貨店などの実店舗以外に販路を拡大している。同社もネット販売を開始することで、新たな顧客層の開拓を狙う。

ユナイテッドアローズ アバターアイテムを提供、新規顧客の集客のい活用

261.jpg 大手セレクトショップを展開するユナイテッドアローズはこのほど、アバター(ネット上の自分の分身)用のアイテムをネットコミュニティーに提供し、自社通販サイトへ誘引する取り組みを始めた。アバターを利用する若年層のブランド認知度を高め、ネット販売や実店舗の集客、購買につなげる。仮想世界でのブランディング効果を見極め、とくにネット上で消費者を回遊させる仕組みを試す。

  同社は、展開するブランド「グリーンレーベルリラクシング」の販売プロモーションの一環として、「Yahoo!アバター」とNTTドコモの「iアバター」、KDDIの「au oneアバター」の計3サイトに対し、アバター用にアニメーション化したアイテムを提供する。

 各サイトでは、期間限定で同社の提供アイテムを使ったファッションコンテストを開催し、入賞者にはアバターアイテムのトロフィーなど限定品をプレゼントすることで、参加者を募っている。

 各コミュニティーに通販サイトへのリンクをはり、アイテムを気に入った利用者が直営の通販サイトで実物を購入してもらえるようにする。

 また、モバイルの「iアバター」と「au oneアバター」では、コミュニティー内で配布するクーポンを実店舗で提示すると、割引や限定ノベルティーをプレゼントするキャンペーンを実施、店舗誘導にもつなげる。

 「グリーンレーベルリラクシング」は、メンズ、ウィメンズ、キッズ、マタニティーなどを展開。20代後半から30代をメーンに、顧客層は幅広いのが特徴。

 アバターを利用する20代前半の新しい客層の囲い込みを狙っての取り組みだが、実際には「若年層のほか、主婦層の利用も多い」(同社)ようで、想定外の効果も期待できるとしており、各サイトの利用状況や集客効果などを見極めた上で、今後もプロモーション手法として活用できるか判断する。

 同社は、09年9月に自社通販サイト「ユナイテッドアローズ・オンラインストア」を開設。KDDIとスタイライフの「auブランドガーデン」にも通販サイトをオープンするなど、ネット販売を強化している。

 なお、今回のプロモーション実施に当たっては、アバターアイテムの企画・製作を手掛ける花咲けピクチャーズと協業している。

千趣会 購入過程の「比較・検討」を強化へ、「ベルメゾン・ラボ」新コンテンツ投入

051.jpg 千趣会はネット等の次世代サービスの研究サイト「ベルメゾン・ラボ」の新コンテンツとして、12月9日から「お気に入り」に保管した商品画像のコーディネイト機能等を強化した「お気に入りコレクション」をオープンした。ネットでは、気になる商品を「お気に入り」に取り入れ、「比較・検討」するという行為が定着しているが、今回の取り組みで、買物の起点となるお気に入りの新たな機能を確立、顧客の需要喚起につなげる構えだ。

 「お気に入りコレクション」は、「ベルメゾンネット」で顧客が「お気に入り画面」を基点にサイト上で行動していることに着目したもの。リスト型に商品を表示する従来の形ではなく、新たな切り口の機能に対する潜在ニーズがあると判断し、コーディネイトを切り口とした今回の新機能を投入した。
 
 今回の取り組みで対象にしたのは、20代後半女性向けのファッションカタログ「ファッションプラス」の09年冬号に掲載する178アイテムで、「ベルメゾン・ラボ」内に専用ページを開設。使い方は、まず専用ページに表示された商品画像の「コレクションに追加」ボタンで「お気に入りコレクション」に登録。専用ページ下部ボタンから「お気に入りコレクション」を呼び出し、画面下部に表示される商品画像を木目調の画面エリアにドラッグ&ドロップして配置する。
 
 商品の配置は自由にでき、画面右下に配置した商品の合計金額を表示。商品画像をクリックすると、商品説明や価格も表示され、商品特徴や価格に応じてコーディネイトを変えることもできる。
 また、作成したコレクションは、名前をつけて保存することができるほか、メール送信も可能。単なる登録機能だけではなく、「仕事」や「旅行」など利用シーンに応じたコレクションの管理、あるいは、友人等と共有できるようにすることで、新たな買物の楽しみ方を提案する。
 
 長引く景気の低迷で、総合通販各社は苦戦を強いられているが、千趣会では、一着で何通りもの着回しができる商品がファッション分野の売れ筋となっているという。これに対し同社は、デザインや価格などを十分に吟味し、本当に必要な商品を選んで購入する傾向の表れと分析。「コーディネイト」「比較・分析」を切り口にした「お気に入りコレクション」を賢い買物の支援ツールとしていくことも視野に入れる。

楽天 ネット販売の人材紹介業開始、出店企業の人材不足解消へ

 楽天は12月3日、ネット販売に特化した人材紹介事業を始めた。「楽天市場」に出店する店舗などに向けて、ウェブデザインや商品の受発注業務など通販サイトを運営するのに必要な人材を紹介することで通販企業の成長を後押しする。同社では、ネット販売専門の人材紹介サービスを足掛かりにし、第二フェーズではグループと提携するホテルやゴルフ場向けにもIT知識者を送り出す計画で、最終的には幅広い人材紹介ビジネスに拡大させたい考えだ。

 新サービスの「楽天仕事紹介」は、企業の求人依頼と求職者の登録を受け付け、両者のマッチングを行う。求職者には無料でサービスを提供し、求人企業から紹介手数料を受け取る仕組み。

 具体的には、専用のウェブページに企業が募集する職種や雇用条件などを、求職者は希望職種や経歴などを記入してエントリーする。登録データをもとに、両者の条件に見合う相手を推薦する。求職者は、検索機能を活用して自身で企業を探すこともできる。

 契約に結びついた場合、求職者には楽天グループのサイトで使える「楽天キャッシュ」5万円分を付与することで、登録を促進する。

 楽天によると、地方のネット販売企業などは人材を募集しても求職者が集まらないケースがあり、ネット販売専門の求人ニーズが高いと判断。一企業では採用できなくても、楽天の知名度で人材を確保できるのが強みとする。

 同社では新サービスの事業化に当たり、運営主体となる楽天仕事紹介(同、小林正忠社長)を今年9月15日に設立し、12月1日に厚生労働省から有料職業紹介事業者の許可を取得している。

 「今回の新事業は、適材を適所に紹介するサービス。売り上げなどの数値目標は設けず、当面はマッチング精度の向上に努める」(小林正忠常務兼楽天仕事紹介社長)とする。

 ただ、同サービスのベースとなる求職者の確保について、現状では楽天グループ会員へのメール配信などによる告知に限られており、実際にどれくらいの登録者を集められるかは未知数だ。

 一般的に離職者が少ないとされる12月にサービスを開始したこともあり、実際にマッチング案件が出てくるのには時間がかかりそうだ。

 楽天では昨年5月、「楽天市場」の出店企業向けに「楽天物流サービス」を開始するなど、店舗の売り上げ拡大を側面から支援する事業を強化している。ただし、物流支援サービスについては自社で倉庫などは持たず、物流企業と提携してそのアセットなどをベースに展開しているのが現状とみられる。

 今回の人材紹介事業は、企業買収や事業提携の形をとらず、新会社を立ち上げるという"ゼロ"からのスタート。まずは「楽天市場」の店舗向けで実績を積み上げ、その後は旅行サイトの「楽天トラベル」や、ゴルフ場予約サイト「楽天GORA」の顧客企業向けにも水平展開して規模拡大を図る構想だけに、第一フェーズでの取り組みに注目したいところだ。

ギルト・グループ 取り扱い商材を拡充へ、家電や宿泊プランも視野

 招待制の通販サイトを運営するギルト・グループは、米国での成功事例をベースに主力のアパレル以外へと取り扱い商材の幅を広げている。今年11月にはデザイン家電を販売したほか、今後はスキンケア商品も計画。来年以降には米国でも展開する旅行サイトの構築も検討しており、物販以外のオンライン需要も取り込んで、会員数と売り上げの拡大につなげたい考えだ。

 同社は、米国発の招待制ファミリーセールをサイト上で展開する企業。今年3月に通販サイトを開設して以降、米国本社を上回るスピードで会員を増やしており、今年11月には24万人を突破したという。

 しかし、来年末までに会員100万人、5年以内に売上高500億円を目標に掲げる同社。米国で先行する商品ジャンルを日本でもテスト的に販売・検証し、これまでメーンだったアパレル以外にも取り扱い商材を広げたい意向だ。

 11月には、デザイン家電の「アマダナ」ブランドを販売して一定の成果を得たようだ。今後、スキンケア商品のテスト販売も計画しており、顧客層にマッチした"品ぞろえ"を進める。

 物販以外でも、米国では旅行やホテルの宿泊プランを提案する企画ページを構えており、日本でも同様の展開ができるか検討を進めている。
 

プライム CDのネット販売開始、HMVとのアフィリエイトで

 プライム11月20日から自社通販サイト内でCD・DVDの取り扱いを開始した。音楽CDなどの販売を行うHMVジャパンとのアフィリエイト(成果報酬)リンクで同社が販売する売れ筋の国内盤CD・DVDなど約20万点を掲載。実際に商品が売れた場合、HMVから同社に成果報酬が支払われる仕組み。サイトのトラフィックの有効活用による新たな収益源確保が狙いと見られる。今後、音楽のイメージに合わせた自社商品の提案など販促にもつなげていきたい考え。

 プライムは自社通販サイト「プライムショッピング」内に「CD・DVD」の専用ページを開設。アフィリエイト提携したHMVのCD・DVDを掲載する。商品だけでなく、HMVが作成した音楽関連のニュースや売れ筋ランキングなどのコンテンツなども併せて掲載した。

 アフィリエイトでの連携に併せて、プライムはHMVの通販サイト「HMV ONLINE」にバナー広告を掲載。新規顧客の獲得も図る。

 プライムではまずは自社顧客に「CD・DVDコーナー」開設をPRするため、ポイント倍付けキャンペーンを実施。11月20日から12月25日までにプライムを経由してHMVの商品を購入したユーザーには「HMVポイント」を通常の2倍付与する。

 また、HMVに出稿しているバナー広告経由でプライムの商品を購入したユーザーにはHMVのギフト券500円分を付与する予定。

 今後、音楽を聴くシーンに合致する商品の提案など、プライムの既存商品の販促にも役立てていきたい考え。

スクロール グルメ検索サイト開設、食品通販参入も検討

 スクロール(旧ムトウ)がネット販売関連のサービスを強化している。11月10日には、通販サイト支援事業のEストアーと提携し、食品専門の検索サイトを開設。将来的には食品通販にも乗り出す考えだ。また4日には、衣料品の通販サイト「RAPTY(ラプティ)」に動画による商品紹介サービスを導入。画像では表現しづらい商品の素材感や着用場面などをアピールする。スクロールでは、新サービスの導入により、主力の20―30代女性の購買意欲を高めたい考えだ。

 食品専門の検索サイトの名称は「FOODS!FOODS!FOODS!(フーズ!フーズ!フーズ!)」。検索可能な商品は約8万3,000アイテム。スクロールの総合サイトから誘導する。

 Eストアーのサービスを利用し、食品を販売している約1,500店の商品が検索できる。商品は各サイトから購入する仕組み。なお、手数料収入の有無などは明らかにしていない。

 20―30代女性が対象。商品ジャンルを拡大することで、通販サイトの集客力を高める狙いがあるほか、消費者の需要を把握することで、将来的には食品通販の開始も検討する。

 同社では現在も米や健康食品などを販売しており、過去には頒布会を行ったこともあるが、本格的に食品通販を手掛けたことはない。参入する際には、食品通販企業との提携なども視野に入れている。

 4日には動画による商品紹介サービスも開始した。対象となるのは、パンプスやワンピースなど二10商品。動画の作成は外部に委託した。モデルが商品を着用して動いている映像や、ワンピースの襟元・裾のデザイン、着用時の後ろ姿など、商品の特徴をクローズアップした映像を配信する。

 静止画では分かりにくい、着用時のイメージなどを、動画を用いて表現することで、購買意欲を高める狙いだ。また、商品の気になる部分を拡大して表示する機能も備えた。

 購入率の上昇が見込めるほか、購入者からの「イメージが違う」といったクレームを減らすことで、返品率を下げる効果も期待できる。今後は対象商品を拡大するほか、より長い時間の動画の配信も検討する。

大地を守る会 非会員向けにネット販売、初回購入促し宅配へ誘導

 食材の宅配を行う大地を守る会は11月9日から、宅配商品のネット販売を開始した。これまで決まった曜日に商品を届ける宅配事業を展開してきたが、ライフスタイルの多様化で会員制のビジネスモデルに馴染まないユーザーが多いと判断。会員外でも購入できるネット販売でお試し購入の機会を増やし、新規客獲得につなげる。通販ユーザーへはインセンティブを付与し宅配へと引き上げる考え。年明け以降に宅配への引き上げ策や広告展開などを本格化する計画。

 開始したのは「大地を守る会のウェブストア」。農薬不使用の米や野菜、国産飼料で育成した畜産物や化学調味料不使用の加工食品など3,000点を販売する。3,500アイテムを扱う会員制宅配と同様の品ぞろえとした。

 商品は千葉県習志野の自社物流センターから出荷し、ヤマト便で届ける。リードタイムは注文日から最短6日で、配送曜日と時間を指定できる。通常の配送料金は地域と温度帯で異なり0―1,400円に設定した。

 新規客向けの「お試しセット」は1,490円―2,490円の3アイテムを提案。初回購入者向けの特典として、送料を390―490値引きする。これにより関東のユーザーの初回購入は送料無料となる。

 これに先駆けて、10月下旬から「ブログ大地を守る」を開始。同社が開催する料理教室や収穫祭、フードマイレージなどの情報を紹介する。これまでカタログや商品同梱チラシを通じて紹介していた取り組みを、自社サイトで公開し、ネット販売利用顧客の理解深耕を図る考えだ。

QVCジャパン 携帯で〝生番組〟を配信、24時間リアルタイムで売上と視聴機会の拡大へ

011.jpg 通販専門放送を行うQVCジャパンは11月1日から、モバイル通販サイト上でテレビ通販番組の配信を開始した。ユーザーは同社がテレビで放送する通販番組を携帯上でもリアルタイムに視聴できるようになる。同社によると、総売上高の約2割を占めるネット販売の売上高は毎年2割増で推移。中でもモバイル通販売上高は大きく伸びているという。訴求力の高い通販番組を携帯サイトでも配信することで、番組視聴機会の獲得とモバイル売上高の拡大を図る狙い。

 QVCが11月から開始したモバイル通販サイト上での通販番組配信サービスは「モバイルQ!LIVE」。同社がCS専門放送で24時間、放送するテレビ通販番組をモバイルサイト上でも視聴可能とするもの。

 通販番組の視聴を希望するユーザーは無料の動画再生アプリをダウンロードすると、テレビで放送する通販番組映像をライブで視聴できる。また、サイト上の番組表や商品詳細ページから番組ごと、商品ごとのビデオオンデマンド方式で過去1カ月以内に放送した通販番組も視聴できる。

 ライブ放送の配信に対応するのはNTTドコモとソフトバンクモバイル。パケット通信のデータ量に関するルールがあるauはライブ放送配信はなく、番組・商品ごとの動画配信のみとなる。

 今回の映像配信のため、アクアキャストが提供する携帯電話向け動画配信サービス「メディアキャストムービー(MCM)」を通販企業としては初めて本格導入した。一般的にモバイルで動画配信する場合、ドコモの動画配信技術「iモーション」などを活用するが、この場合、映像配信の上限は1分程度。QVCは過去にも「iモーション」を使った映像配信を行なった実績があるが「配信できる映像が短く、また手作業で画像をアップしなければならず遅れがち。視聴者のニーズや作業負担を考えて休止した」(同社)としている。

 MCMの場合、モバイル上でスポーツ中継などにも使用される独自映像配信技術のため、高精細な映像を高速かつ、QVCのような24時間の長尺な映像配信もできる。QVCはMCMの導入で自動的にテレビ通販番組映像を携帯電話上で配信でき、リアルタイム性や作業負担軽減も可能となるようだ。

 QVCによると、同社の総売上高に占めるネット販売売上高は2割で、およそ150億円程度と推定される。このうちのモバイル売上高は明らかにしていないが「特にモバイル通販の伸びは高い」(同社)とする。これまでモバイル通販サイトでは映像配信は基本的に実施しておらず、静止画による商品紹介を実施してきたが、訴求力の高い「動画」を付加することで、モバイル経由での売上高拡大を図る。また、持ち運びが可能なモバイル上での番組配信で「いつでも自由に番組を見て頂ける」(同社)として、番組視聴機会の拡大も図る狙い。

サンエー・インター 無店舗事業の在庫一元化、商品の売り逃し回避へ

 アパレル大手のサンエー・インターナショナルは、年内をめどにネット販売を中心とした無店舗事業の在庫をEC事業の責任者が一元管理する。自社通販サイトや衣料品ECモール各社への供給源を一本化することで好調サイトへの商品投入を迅速にし、「売り逃し」を回避する。最終的には、商品画像や詳細情報なども同社が提供。通販サイトの「見せ方」に一定の基準を設けることで、ブランドの持つ世界観を統一したい考えだ。

 同社は、「セレクソニック」など2つの直営通販サイトを運営。自社通販サイトの売上高は09年8月期に前年比46.1%増の19億円強に達するなど好調で、その要因は「店頭と同じタイミングで商品を投入できるようになったこと」(安藤慎一郎EC戦略事業部長)とする。

 前期は商品写真の撮影スピードを改善する取り組みなどに注力したが、今期は売り上げ増を目指して機会ロスの回避に照準を定める。この一環として、在庫管理体制の刷新に踏み切る。

 まず、無店舗事業の商品在庫はEC戦略事業部で一括管理し、そこから自社通販サイトや衣料品ECモールなどに商品を投入する。従来は、各サイトの担当者の裁量で商品を確保していたが、改める。年内に完全移行する計画だ。

 在庫管理面だけでなく、商品の詳細説明やコメント、衣料品のネット販売に不可欠なサイズ情報なども、同社ブランドを扱う各サイトに提供する方針という。また、商品供給先の理解も得ながら、最終的には商品画像などのビジュアル面の一元管理も視野にあるようだ。

 そもそも、アパレルの売り場は、異なる百貨店のインショップでも店頭のレイアウトや商品展示の仕方などはブランドごとに統一されているのが一般的。同社では、ネット販売においても使用する写真や商品へのコメントなど「売り場」を構成する素材の一定の統一感を求めたいとする。

 同社製品を販売する通販サイトにとっては、他社サイトとの差別化が図りにくくなる一方、これまで時間と手間をかけてきたアパレル商材の写真撮影や画像処理などの作業から解放されるメリットがある。

 アパレル大手が自社で通販サイトを開設し、直営の売り上げ規模が伸びてくれば当然ながら出てくる問題でもあり、今後の動向が注目されるが、消費者への配慮を第一としたブランディングのあり方が求められそうだ。


JALUX iフォンでカタログ閲覧、通販の認知度向上に期待

011.JPG JALUXは通販事業の強化を進めている。その一環として、先月からアップル社の携帯端末「iPhone(アイフォン)」と「iPod touch(アイポッドタッチ)」向けの電子カタログ配信サービスを開始。画面上での操作が容易なアイフォンの特性を活かし、携帯端末での商品の閲覧性を高めた。まずはテスト的に機内誌のダイジェスト版を配信しており、ユーザーの反応を見ながら次回以降の展開につなげる構想だ。現在までの同サービス経由での売り上げは不明だが、「当初の想定以上の利用数」(JALUX三浦雅彦通販企画部長)としており、通販の認知度向上や新規客の獲得に期待する。

   同サービスは、携帯端末向けユーザーインターフェースの開発などを行うヤッパと提携し、同社のデジタル書籍技術を組み込んだもの。カタログの顧客の中心である30―40代の男性層とアイフォンのユーザー層が合致すると判断し、サービス展開に着手した。

 配信しているのはJALUXの機内誌「JAL SHOP」のダイジェスト版となる「FLIGHT SHOP 2009年秋号」で、セール品を除いたカタログの全商品を掲載。

 同カタログを選択した理由については、「オリジナル商品が多く最もJALUXの特徴が出るため」(同)としている。カタログの内容は新カタログの発行と同時に自動更新される。

 電子カタログは、アップストアからJALUXのアプリケーションをダウンロードして利用する。カタログ画面に指で触れることで、ページの移動や商品画像の拡大・縮小などが容易に行えるのが特徴。商品の注文は、「アイフォン」は電話機能を活かし、買い物ページに記載の電話番号を押すとコールセンターに電話がかかる仕組みとなっている。

 同サービスは、開始から約1カ月が経過。電子カタログ経由の注文件数は不明だが、アプリのダウンロード数は「半月で5―600件」(同)という。

 次回は10月末に「FLIGHT SHOP」最新号の配信を予定。他のカタログの配信についても検討はしており、「いずれ出る可能性もある」(同)としている。

 アイフォンでの電子カタログ配信サービスは、国内では今年7月に千趣会が女性ファッションカタログ」で開始している。商品の閲覧がしづらいという携帯端末特有の課題をクリアする取り組みとして、今後同様の事例が増加する可能性は高そうだ。

  

DeNA ワールドと仕入サイト開設、バイヤーズクラブ来年1月にも稼動

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は来年1月末をメドに、総合アパレルメーカーのワールドと共同で、衣料品特化型の法人向け仕入れサイトを開設する。両社は個別に仕入サイトを展開中だが、システム開発などに強いDeNAと国内トップの衣料品メーカーとして衣料品仕入れサイトを運営してきた実績を持つワールドが組むことで、「アパレルのネット仕入れ」における国内最大シェアの獲得を目指す。

 

 来年1月末に開設するのは「バイヤーズクラブ」。小売り業者が「バイヤー」、商品を提供するメーカーが「サプライヤー」として参加、商品仕入取引を行なうマーケットプレイスとなる。仕入可能な商材は有力ブランドの衣料品や雑貨、ノベルティ用商品、什器・ハンガーなど。ワールドは「バイヤーズクラブ」用の独自ブランドを開発。サプライヤーとしても当該商品を供給する予定。スタート時点ではバイヤー、サプライヤーともに初期登録料やシステム利用料などは徴収せず無料。

 

 ワールドは昨年から新規事業として「W―WIN(ダブルウイン)」という名称の衣料品特化型仕入れサイトを展開中。「バイヤーズクラブ」の立ち上げで「ダブルウイン」は来年2月に閉鎖。「バイヤーズクラブ」には「ダブルウイン」のサプライヤーやバイヤーを移行させる形となる模様。

 

 これに加え、DeNAが展開中の国内最大規模の法人向け仕入れサイト「ネッシー」と相互リンク。ネッシーに登録しているサプライヤーの中からアパレル関連企業を「バイヤーズクラブ」にも登録するよう誘導。また、バイヤー登録している小売事業者にも新サイトの利用を促す。

 

 両社共同の仕入れサイトを立ち上げることで、DeNAはワールドも持つ需要の高い有力ブランドの取り扱いを、ワールドはDeNAのシステム開発力などで仕入れサイト運営ビジネスを強化したい狙い。国内最大規模の仕入れサイトを運営するDeNAと有力アパレルメーカーが構築するマーケットプレイスはネット販売事業者にとっても新たな仕入先として注目する価値はありそうだ。

 

ライトオン 自社通販サイト開設へ、PB商品で顧客開拓強化

 カジュアル衣料チェーン大手のライトオンは、11月中旬に自社通販サイトを開設する。同社では200811月から「アマゾン」の通販サイトを通じて主力のジーンズなどをネット販売してきたが、新たに直営サイトを立ち上げることで実店舗との相乗効果の最大化などを図る。初年度は34億円の売り上げを確保したい考えだ。

 通販サイトでは、エドウインなどナショナルブランドが中心の店舗型商品構成を改め、自社のプライベートブランドを約80%まで高めることで、新規顧客の獲得につなげる。ナショナルブランドについても、ネット販売向けの別注商品を中心に展開する計画だ。

 また、全国で展開する約500の店舗との連携を強化し、通販サイトで注文した商品は最寄りの店舗でも受け取れるようにするという。

 今後は、ネット会員の情報を自社で管理できるため、メルマガやDMなどを活用した販促も積極的に行う考え。

 ライトオンでは1年弱をかけて自社通販サイト開設の準備を進めてきた。先行して出店した「アマゾン」では新規顧客の獲得を目指したものの、「アマゾン」経由の過半数が従来の店舗顧客で、当初計画よりも顧客数の純増にはつながらなかったようだ。

新連載・伊勢丹の挑戦① ネット用に仕入れ開始、〝量〟売るためにフルフィル委託

 伊勢丹のネット販売が新たなステージに突入した。ナショナルブランド(NB)のファッションの取り扱いを開始、初めてネット販売向けに在庫を確保する体制を整えた。それに伴って数量が増加する商品画像やフルフィルメントについては、外部企業に委託。従来よりもターゲット層を拡大し、"量"の販売に挑戦する。

 94日、伊勢丹新宿店メンズ館と同じ商品を取り扱うサイト「イセタンメンズオンラインショップ」を開設した。これまでも、新宿店の店頭商品をサイト「アイオンライン」でネット販売してきたが、取扱商品は限定的で、ましてや一館丸ごと対応したのは今回が初めてとなる。

 「イセタンメンズオンラインショップ」はそれまでの伊勢丹のネット販売とは一線を画す新たな挑戦だ。まずひとつは、バイヤー(買い付け担当者)がネット販売向けに数量を確保するようになった。以前はあくまでも店頭向けの在庫量の中から、その一部をネットでも販売していたにすぎなかった。

 というのも、「アイオンライン」はファッションアイテムの中でも最も"尖った"商品だけを扱う売り場と位置づけている。そのため、他のサイトでも購入できるNBのファッションは取り扱わず、追加発注ができない(量産体制にない)希少性の高いアイテムのみを扱っていた。だから、ネット販売向けに量を確保することがそもそもやりづらかったわけだ。

 一方、「イセタンメンズオンラインショップ」では量産体制にあるNBのファッションも取り扱う。「アイオンライン」の対象顧客は主にハウスカードを持つ実績顧客だが、「イセタンメンズ―」ではファッションが好きなネットユーザーでかつ好みが同サイトと合致する層とし、ネット販売の対象顧客を広げている。NBを扱うことで、商品も対象顧客も"量(パイ)"を広げた。

 次に、新サイトでは商品画像やフルフィルメントについて一貫したオペレーションを持つ専門会社へ業務を委託している。「アイオンライン」の場合は新宿店の館内にスタジオを持ち、撮影やピッキングを行っていた。しかし、商品はそもそも店頭在庫のもので、数も少ないため、撮影のために長時間まとめて借りることは難しく、効率的とはいえなかった。

 「イセタンメンズ―」では、通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイの子会社スタートトゥデイコンサルティングに委託。"量"を売っていくことを前提に、質を保って大量に捌くことができる同社を選んだ。(次回以降の連載は本紙掲載

スタートトゥデイ、男性向け雑貨を強化 新サイト立ち上げメンズコスメも販売

090917_net.jpg スタートトゥデイは910日、通販サイト内に、主に男性をターゲットとしたインテリア雑貨や下着などを扱う、セレクトショップを開設した。同社が男性向けにライフスタイルに特化した売り場を開設するのはこれが初めて。一般的に、女性をターゲットとしたインテリア雑貨店は多いが、男性向けは少なく、会員の約半数を占める男性からの要望も高かった。洋服だけでなく、インテリア雑貨でも高感度なブランドを取り揃え、他社との差別化を図る。

 新しく立ち上げたのは「ZOZOHOME(ゾゾホーム)」。通販サイト「ゾゾタウン」内の新コンテンツとなる。

 セレクトショップで当初はおよそ11ブランド、約30アイテムで開始。自社販売(仕入れ販売)にて展開する。品ぞろえは男性用下着のほか、男性向け基礎化粧品、バスグッズ、洗濯用品、キャンドルなど。女性向けは男女兼用商品を充実させることで対応する考え。

 中心価格帯は5,000円。例えば「ペパーミントヘアーシャンプー」(税込3,150円)、「天然系ボディクリーム」(同4,200円)、デニム用の柔軟剤配合の洗剤(同2,940円)などで、広く流通している市販商品よりも高価格帯となる。

 ゾゾホーム限定の別注商品や、ゾゾホームのみで販売する新ブランドを取り揃える。具体的には、ストリートファッションブランドの「ステューシー」の別注ルームシューズや、紳士用パジャマや下着を展開する「ブルインク」「ネイバーフッド ブランドー」はゾゾホームのみでの販売になる。

 「ゾゾタウン」の会員の約半数は男性で、男性向け雑貨取り扱いの要望が高かった。洋服にこだわりのある男性は、部屋の香りやスキンケアに対する関心も高い傾向があるという。洋服同様に、"高感度"なブランドを取り揃え、他社のとの差別化につなげる。

GyaO、「ヤフー動画」と統合し映像配信サイト開設 TV局と連携、映像販売も

090910_Gyao2.jpg ヤフー子会社で映像配信サービスなどを手がけるGyaOは97日、「ヤフー!動画」と「GyaO」を統合した新たな映像配信サイトを開設した。無料配信サイトと有料販売サイトの2つを展開するもので、これまで取りこぼしていた20代などの若い層を対象にサービスを提供し、2010年中の黒字化を目指す。今後はヤフーの各サービスとの連動を計画。通販関連では、ヤフーショッピングから通販番組への誘導なども視野に入れているようだ。

 開設したのは、約1,300番組を無料配信する「GyaO!Presented by Yahoo!JAPAN」と、約1,400番組を有料配信する「GyaO!ストア Presented by Yahoo!JAPAN」。それぞれ、映画やドラマ、アニメ、音楽映像などを配信する。

 テレビ局との連携を強めているのが特徴で、既にフジテレビジョンと日本テレビ放送網がGyaOに出資。フジテレビジョンでは有料サイトへの「フジテレビ On Demand」の出店などを行っている。今後、各局との連携をより強化し、放送直後の番組のオンデマンド配信などを展開していく考えだ。

 収益形態は有料サイトでの課金と広告料。広告枠は、映像を視聴しながら広告を閲覧できる「インタラクティブビジョン」や、トップページに通常より大きいサイズのバナーを出す一社提供型の「トップジャック」などを用意する。広告主はナショナルクライアントの出稿を想定している。

 今後は、ヤフーの各サービスとの連動も予定。まだ構想段階だが、例えば「ヤフーショッピング」から「GyaO!」のショッピング番組への誘導などが考えられるとしている。

ユニクロ秋冬商品、CM映像見ながら購入へ 新コンテンツ9月4日開設、ムックも発売

090903_median.jpgユニクロは秋冬向け商品の販促で、テレビCMとネット販売の連動や、雑誌の活用を強化する。テレビCMは828日から放映しているが、94日からはテレビCMの映像に商品購入のリンクを設けた新コンテンツをウェブ上に開設する。ネット販売ではトータルコーディネートされたCMの臨場感そのままに購入することができる。また、ブランドムック(=写真)を915日から、コンビニや書店などで販売する。

モデルで女優の杏さんを起用したテレビCMを828日から全国の地上波で放映。『「UNIQLO COLLECTION東京(WOMENS)」篇』(30秒)として、杏さんを含め18人の女性モデルが登場するファッションショー形式で商品を紹介している。

94日に開設する新コンテンツはこのCMの映像に商品購入のリンクを設ける。ランウェイにいるモデルを選択すると、モデルがクローズアップされて着用しているアイテムの通販ページへダイレクトに飛ぶことができる仕組み。

また、ブランドムック「UNIQLO2009FALL/WINTER COLLECTION」(A4判変型、84㌻、オリジナルトートバッグの付録付き、税込880円)を915日、宝島社の「e‐MOOK」シリーズから出す。商品を紹介するページはあるが、ムック専用の受注番号などは設けず、店舗や通販サイトへ誘導する。

日本では書店やコンビニで販売。海外では、このブランドムックをベースに、英語、仏語、中国語に対応した冊子を作り、ニューヨークやパリなどグローバル旗艦店などで無料配布する。ファッション性を高め型数も広がった秋冬商品を、世界に向けて発信するのが狙い。


連載・千趣会が構想するネットビジネスとは① ブランドの縛りから脱却、販売手法や商材、ベルメゾンと一線画す

千趣会は、ネットを機軸にした新たな事業基盤の構築に本腰を入れている。この一環として、71日付で「EC事業開発部」を新設し、カタログ通販をベースにした「ベルメゾンネット」と一線を画した新たなネットのビジネスモデルの開発を推進。来春をメドに事業展開に乗り出す計画だ。現段階では具体的に決まったものはないが、今後、どのような方向性で顧客に新たな価値を提供するビジネスを展開していくのかを探った。

「EC事業開発部」は、東京事業本部内に設置したもの。7人の編成で、部長にはデジタルメディア部長だった中山茂氏が就く。現在の状況としては、「まだ動き出したばかりで、何も具体的なことは決まっていない」(中山部長)だが、計画レベルでは既に50以上の新規ネットビジネスの案が出ているという。

「EC事業開発部」で検討するネットの新企ビジネスは、物販だけではなくサービス系のものも含み、BtoCだけではなく、BtoBあるいはBtoBtoCまでも守備範囲とする。事業テリトリーとしては幅が広いと言えるだろう。その中で、一つのコンセプトとなっているのは、「ベルメゾン」の事業展開と明確に線引きをすることだ。

現在「EC事業開発部」では、出てきたプランを整理し優先順位をつけている状況だが、中には物販のプランで、今「ベルメゾン」で扱っていない商品を売ろうという、すぐにでも実現できそうな内容のものもある。だが、「単にターゲットと商品を変えるというものは、我々の範疇には入っていない」(中山部長)という。

物販も新たなネットビジネスのターゲットではあるが、現在扱っていない商品でも、今後「ベルメゾンネット」が進化すれば、その仕組みで販売できる時期もくる。このため、「『ベルメゾンネット』に近いところでビジネスを立ち上げても意味がない」(同)わけだ。

「EC事業開発部」の使命は、「ベルメゾンネット」と全く異なるビジネスモデルを構築することだが、物販に関して言えば、"何を売るか"よりも"どう売るか"ということが焦点になる。実はこの売り方の部分、「ベルメゾン」の中で、なかなかできていなかった課題でもある。その理由の一つがブランディングとの兼ね合いだ。

例えば、ギャザリングやオークション。既にネットの販売手法として定着し、利用者も拡大しているが、「ベルメゾンネット」の中で展開しようと考えた場合、「価格が一日のうちに何度も変わるようなものを扱うのはブランディング的に問題がある」(同)。オークションの場合、出品者と落札者間でトラブルが起きれば、ブランドイメージを損ねる懸念もあるわけだ。

また、顧客の価格志向が強まっている現状を考えれば、いわゆる"訳あり商品"のニーズもあるが、「ブランド的に少し違う」(同)など、扱う商材にも制約が加わっていた。

カタログ事業の過半を占める「ベルメゾンネット」だが、こうした状況を見る限り、強固なブランドであるがゆえに、なかなか思い切った施策が打ち出せないというジレンマがあったわけだ。その意味では、「EC事業開発部」で開発する物販の新規ビジネスは、「ベルメゾン」ブランドの制約を超えたところでの事業展開を構想していると言っていい。

来春から着手する新規ビジネスは具体的に決まっていないが、既に出ているプランの中から幾つかを並行して進める見込み。「マーケティングの方法や売り方などは、『ベルメゾンネット』と全く別の仕組みを構築する方向性で動いている」(同)状況で、「ベルメゾン」のモデルと明確に棲み分けができる新規ビジネスの開発を進める考えだ。同時に「ベルメゾンネット」への還元も視野に入れており、「将来『ベルメゾンネット』が進化すれば、我々が手掛けるサービスをどこかのタイミングで融合することもあり得る」(同)という。同部署の取り組みは、全社的な業容の拡大、さらに既存事業の強化という点からも重要になる。(次回以降の連載は本紙で


ギルト・グループ、売上計画の1.5倍で推移 モバイル版など利便性を重視

会員制通販サイトを運営するギルト・グループは、サイト開設5カ月で会員数が20万人を突破。売り上げも当初計画の約1.5倍と好調に推移しているようだ。7月にはモバイル通販サイトを開設するなど、新規顧客の囲い込みとユーザビリティー向上に向けた取り組みを強化。来年末までに会員100万人、5年以内に売上高500億円を掲げるが、配送面のスピードアップや取り扱い商品の拡充などにより、「目標を前倒しで達成したい」(桑野克己社長)とする。

同社は、米国発の〝招待制ファミリーセール〟をサイト上で展開する企業。高級ブランドを直接買い付けることで、最大5070%引きで販売する目新しさが受け、顧客数を増やしている。アパレルを中心に期間限定販売することにより、不況の影響から在庫に苦しむ高級ブランドも面目が保てるという新しい仕組みを日本に持ち込んだ。

オープン当初は誰でも会員になれたため、想定以上に会員が増加。セール開始後すぐに品切れするケースが相次いだことから、一週間で本来の招待制に移行した。

今年7月には、モバイル通販サイトを立ち上げたほか、従来はクレジットカード払いだけだった決済手段に代引きサービスを追加。また、顧客が気に入ったブランドのセール開催日を逃さないよう、デスクトップにセール日時のアイコンを表示するカレンダー機能を加えるなど、ユーザビリティーを重視した取り組みを推進している。

現在、平日午後3時までの受注分は当日発送しているが、「会員の満足度を高めることが第一」(同)とし、午前中の受注分は当日着とするサービスなども検討していくという。

また、売り上げ拡大を狙うにあたり、「どこかのタイミングで商材の幅を広げる必要はある」(同)としており、アパレルや服飾品以外の商材についても、顧客ニーズに沿う形で取り扱いを検討することになりそうだ。

同社が取り扱う商品の選定基準は「高品質かつファッションをリードしていくブランド」(同)で、日本で知名度が低くても同社バイヤーが認めるブランドを販売。これまでに販売したブランド数は80にのぼる。

企業イメージなどを考慮し、セール時のブランド紹介ページにデザイナーの紹介をするほか、ブランドによっては商品を着たモデルのランウェイ動画などを見せるなど、ブランドごとの世界観を演出するよう心掛けているという。

しかし、8月下旬には〝会員制〟を売りにした競合サイトが開設することもあり、顧客に支持され続けるにはブラッシュアップは不可欠。今後、商材の拡大も予想される中、バイヤーの充実も含め、日本の消費者にマッチした商品展開を加速できるか、MD面に注目が集まる。

ユニクロ、ウェブカレンダーで販促 通販機能強化で送客向上へ

uniclo.jpgユニクロ(本社・山口市、柳井正社長)は09年8月12日から、ネット上で無料配布する自社オリジナルのウェブカレンダーの第2弾を発表した。第1弾にはなかった、カタログ機能を充実させ通販サイトへの送客を強化した。ウェブカレンダーの制作は国内外へのブランディングが目的だが、一覧性のある商品訴求により購買意欲を高め、販売にもつなげたい考え。

 

開始したウェブカレンダーは「UNIQLO CALENDAR(ユニクロカレンダー)」第2弾「夏編」。第1弾と比較して映像・音楽を全面刷新するとともに、販促機能を追加した。

具体的には、トップ画面に季節商品を一覧で紹介するコンテンツ「ITEM(アイテム)」ボタンを設置。複数の季節商品が画面を流れていくように表示され、カタログ機能を持たせた(写真)。商品を特定すれば、通販サイトの商品詳細ページへ遷移するダイレクトリンクを実装した。 

映像は日本の九都市でロケを実施、"日本の夏"を感じられる内容とし、音楽はアーティスト「ファンタスティックプラスティックマシーン」によるオリジナル楽曲を起用した。

また今回から、スクリーンセーバーとしても利用できるように改良。ブログを持たない人などの利用を増やしたい考え。

同社ではユニクロカレンダーを四季の映像、音楽、ユニクロの商品画像が融合した「新感覚のエンタテイメント型カレンダー」と位置づけている。第1弾は09年6月10日にネット上で発表。公開2カ月で閲覧のあった国は207カ国、閲覧回数は3200万超、ブログパーツの設置数は1万7710となり、短期間で世界中に広がっているという。

 


GLSジャパン、会員制の通販サイト開設 高級衣料品など格安販売

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GLSジャパンは827日、会員制の通販サイトを開設する。アパレルやコスメ、ジュエリー、ホテルの宿泊などライフスタイル全般の商品を2日―4日間限定のセール価格で販売する。世界的な景気低迷の影響から海外アパレルブランドなどの多くは在庫処理に悩んでおり、ブランドイメージを壊さない販売チャネルとしてメーカーと消費者を結びつける。

新たに開設する「グラムール セールス」は、入会費などの費用がかからない会員制の通販サイトで、会員になるためには既存会員からの招待を受けるか、同社の発行するコードが必要。

会員には、セール開始の2日前にメールでセール情報を告知。セールは、会社勤めのOLなどが自宅に戻っている午後759分からスタート。数量限定で、商品がなくなり次第、終了する。

セール価格は、アパレル商材なら市価の5070%オフ、コスメは3050%オフ程度となるもよう。

通販サイトの開設当初は輸入物を中心にラグジュアリーブランドを取り扱うが、順次、カジュアルブランドも投入する。

また、モバイルサイトも同時に開設し、まずはセールの告知手段として活用し、11月末をめどにモバイルサイトからも購入できるようにする。

通販サイトで取り扱うブランドの企業イメージを考慮し、トップページにはブランドごとのバナーを設置。各ブランドの専用ページで買い物をしてもらう。

また、セールの予告メールには動画によるプロモーション(約30秒)を掲載し、ブランドのイメージビデオを見られるようにする。

通販の仕組みだけでなく、占いコンテンツやマガジンなど、サイト内で一定の時間を過ごせる「プライベート・ショッピング・コミュニティーを目指す」(同社)いう。

会員制の通販サイトでは、米ギルト・グループが今年3月に日本の通販市場に参入し、アパレル商材を中心にセール販売している。GLSジャパンでは、商品をライフスタイル全般に広げるほか、通販だけにとどまらない幅広いコンテンツを用意することで差別化を図る。

 会員はオープン時に5万―10万人、2011年までに100万―150万人を目標にする。

東急ストア、ネットスーパー事業参入 楽天のインフラ活用、楽天会員などの〝若い層〟開拓へ

東急ストアは今秋、ネットスーパー事業に参入する。楽天グループのネッツ・パートナーズが運営するネットスーパーモール「食卓.jp」に出店し、店舗で扱う生鮮食料品や加工食品などを、サイトで受注しユーザー宅に配達。まずは東急田園都市線神奈川県沿線エリアの3店舗でサービスを開始し、今後は東急沿線全域までサービスを拡大する考えだ。初年度は同事業で57,000万円の売り上げを目指す。

 101日から開始するのは「東急ストアネットスーパー」で、主に40代の子育て女性や高齢者の利用を想定する。配達地域は東急田園都市線神奈川県沿線エリアを予定。対象店舗は101日に宮前平店で開始し、以降は順次、藤が丘店、田奈店で実施していく計画だ。

 取扱商品は、生鮮食料品や一般食品、惣菜、酒類、生活用品など約4,200品目で、販売価格は実店舗と同一価格となる。

注文は24時間受け付け、配送時間は午前9時半までの注文は午後12時半―2時半、12時までの注文は午後3時―5時、午後2時半までが午後5時半―7時半の3区分。配送形態は常温、冷蔵、冷凍の三温度帯別に管理して配送する。決済方法はクレジットカードと代引きで、配送料金は、注文合計金額が5,000円以上の場合は315円、5,000円未満は525円となる。

楽天への出店手数料は、売り上げの3%と「楽天スーパーポイント」分の1%。出店費用は1店舗につき100万円で、2店舗目から25万円。システム使用料は月額10万円としている。

東急ストアでは楽天をパートナーに選んだ理由として、「スピードとプラットフォーム、先行事例があること」(東急ストア・木下雄治社長)と説明。また、「我々が取りきれていない30代以下の若い層を開拓できる」(同)としている。

アシェット婦人画報社、9月に通販サイト開設へ 雑誌「ELLE」と連動 住商とともに通販拡大

 アシェット婦人画報社は9月28日、発行する女性ファッション誌「ELLE JAPON(エル・ジャポン)」と連動した通販サイトを開設する。当該誌の編集者が雑誌の世界観を元に高級ブランドや新進ブランドの商品、ウェアや靴、カバン、アクセサリー、下着などを紹介、販売する。同社は今年1月に住友商事と資本提携に合意。雑誌と連動したネット通販事業を強化するとして、今年9月をメドに雑誌「ELLE」と連動した通販サイトを新設する計画だった。

新設するのは「ELLE SHOP」。取り扱うブランド数は雑誌「ELLE」で紹介する高級ブランドを中心に100程度を予定。平均商品価格は25000~3万円程度となるようだ。

ターゲットは「ELLE」の読者を想定。毎号の「ELLE」に通販サイトでの取扱商品を紹介するページを設けるほか、「ELLE」の情報サイト「ELLE ONLINE」からもリンクさせる。また、サイト開設に先駆け、8月28日から雑誌と情報サイトで告知を開始。同時にメルマガ会員の登録も開始する。

アシェット婦人画報社は今年1月に住友商事との資本提携に合意。住商は同社株式34%を50億円前後で取得。住商は株式取得後、通販事業の経験者など5人を役員として派遣。Eコマース部門を新設し、アシェット社が発刊するファッション誌と連動させた各ECサイトを軸にネット販売事業を行う計画を進めてきたようだ。今回の「ELLE SHOP」はEC事業の第一弾。今後、同様の形で各雑誌の名を冠した通販サイトを立ち上げ、同事業の拡大を図っていく考えだ。

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