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アリババ、美容機器5社と提携 データ活用し新商品開発

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アリババグループは8月3日、運営する越境ECサイト「天猫国際」において、MTGや日立製作所など、日本の美容機器メーカー5社と提携したと発表した。アリババの保有するビッグデータや、中国消費者の消費行動・習慣データをメーカーに提供し、共同で中国向けの新製品開発を行い、天猫国際で販売する。

提携したのは2社のほか、ヴォーグインターナショナル、アーティスティックアンドシーオー、ヤーマンの計5社。天猫国際で販売されている提携企業の商品は、より充実したアフターサービスを提供するようにしていくほか、「アジア美容機器研究室」を設立、アリババのビッグデータを活用することで、より中国消費者のニーズに合致した美容機器製品を開発する。

 天猫国際ゼネラルマネージャーの劉鵬氏は「中国における1億人の『新中間層』は美容や健康、観光などに興味がある。これに伴い、日本からの越境ECのトレンドにも変化があり、これまで人気だった粉ミルクや紙おむつだけではなく、高級美容機器、生鮮食品、ワイン、ペットフードなどが新たな人気商品となっている」と越境ECの現状を説明。天猫国際における美容機器の昨年1年間の売り上げは、前年比6・4倍となっており、特にMTGの「リファ」は中国人女性に絶大な人気があるという。

 こうした中で、日本の人気美容機器の代理購入や並行輸入も目立っている。「これら販路の商品は正規品ではなくアフターサービスもないため、消費者に不安を与えている。天猫国際では、消費者に安心・安全な商品を提供できる環境づくりに努めている。メーカーとともに市場を守り、消費者のニーズを研究することでより良い商品を提供していく」(劉鵬氏)。

 また、MTGの中島敬三常務取締役は「リファとMDNAスキンの2ブランドは、天猫国際を独占ECチャネルとして販売している。天猫国際との取り組みを開始したことで、海外売り上げは前年比400%、中国売り上げは同1600%まで伸びた。同時に模倣品との戦いも続いているが、天猫国際との今回との取り組みを通じて、正規品を買うことが重要だということを消費者に訴えていきたい。美容機器は大きな可能性を秘めており、アジアだけではなく北米や欧州でも喜んでもらえるはずだ」などと述べた。

 メーカーでは、天猫国際の強みについて「ナンバー1であること、ブランド・顧客育成を重視している点」(MTG中島敬三常務)、「規模と顧客データの分析力はずば抜けている」(日立家電中国の香月隆志社長)などとみており、アリババの持つデータを活かすことで中国向けのMDを強化したい考えだ。

コーエン 着こなし画像が購入を後押し、ドメイン統合で売上2倍に

 カジュアルウエアを展開するコーエンのEC事業が好調だ。2017年1月期の自社ECと他社モール経由の販売を含めたEC売上高合計は前年比約30%増に、自社通販サイト「コーエンオンラインストア」単体の売上高は同1・5倍程度に拡大している。

 他社モールについては、とくに「ゾゾタウン」や「楽天ブランドアベニュー」「dファッション」が大きく伸びた。昨今はクーポン施策などで売り上げを伸ばすブランドが多い中、コーエンは買いやすい価格帯の商品を展開しているため、定価販売を重視。EC利用者の嗜好を反映した商品作りを昨年から今年にかけて強化していることで、他社モールでのヒット率が高まったようだ。

 自社ECでは、昨年8月に実店舗と顧客情報を統合し、ポイントも共通化。これまで店頭ではポイントプログラムがなかったことや、両チャネルの会員統合によってメールでアプローチできるユーザー数が増えたこともあり、店頭顧客のEC利用につながった。

 また、会員統合と同時に、会員証機能とEC機能を備えたネイティブアプリをスタート。ダウンロード数が順調に伸びているのに加え、プッシュ通知での情報発信が可能になったことで、リピート率も着実に高まっているという。

 実店舗との連携面では、従来から自社ECで店頭在庫を確認できるが、気になる商品を近くの店舗に取り寄せて試着できるサービスの導入などもオムニチャネルの観点から検討している。

 また、同社では店頭販売員が新作の着こなしなどを紹介する人気コンテンツの「スタッフスタイリング」が自社ECのコンバージョン率上昇に一役買っている。同コンテンツはテスト段階で、全店舗が運用に参加しているわけではないが、ECではサイズ感に不安を感じる消費者も多いため、スタッフの身長と着用サイズも記載することで、EC利用者の背中を押す効果もあるようだ。

 今年4月には、それぞれ異なっていた自社ECとブランドサイト、ブログ、採用サイトのドメインを統合。分散していたトラフィックがひとつになったことでセッション数が大きく伸びており、統合後の自社通販サイトの売上高は前年比2倍で推移するなど想定以上の効果が出ている。

 ドメイン統合に合わせて、自社通販サイトでは送料無料ラインを従来の7200円から5000円に引き下げたほか、予約品以外のゲスト購入も可能にするなど、サービス水準を高めた。

 今後、自社ECでは画像やコンテンツのさらなるブラッシュアップに加え、オムニチャネル施策を推進するための機能強化やスタッフ教育の充実、デジタル上でのユーザーアプローチ強化と中身の精査、ウェブ・SNS上での露出増などに取り組む考え。今期(18年1月期)のEC売上高合計は前年比30%超の成長を計画しているが、自社ECの好調推移もあって達成の確度は高そうだ。

クラウンジュエルの宮澤高浩社長に聞く 「ゾゾユーズド」急成長の背景は㊦

 5-1.jpg前号に引き続き、クラウンジュエルの宮澤高浩社長(=写真)に急成長の背景などを聞いた。


──査定業務の効率化も大事になる。

 「査定のノウハウを持つスタッフもいるが、経験がない人でも判断できるように独自の自動査定システムを運用していて、アルバイトの査定スタッフを増やして買い取りの増加に対応している

──昨年11月に「買い替え割」を始めた。
 
 「『ゾゾタウン』で商品を購入する際、過去に購入した商品から『下取りに出したいアイテム』を選択すると、その場で下取り金額分を割り引くサービスで、利用者は購入商品と一緒に届く下取りアイテム送付用のバッグに、下取り商品を詰めて送るだけだ
 
──新品と古着を同じ売り場で販売するサイトならではの発想だ。
 
 「『ゾゾタウン』で一次流通に取り組む強みを生かしている。新品の販売時期や定価、当時の人気度合、売れた数などさまざまなデータがあるため、買い替え割では利用者から古着が届く前に買い取り価格を提示できる。従来は買い取りバッグを開けるまで何が入っているか分からなかったが、買い替え割は『これを買い取ります』というオファー式で、『ゾゾユーズド』で販売が見込める商品だけを対象に価格を提示している。そのため、引き取った時点で利益を確保できることが大きい
 
──新品の販促にもつながりそうだ。
 
 「買い取り割は『ゾゾユーズド』の仕入れをしつつ、『ゾゾタウン』の新品が値引きになるため、消費者にとってはもちろん便利だし、商品が売れやすくなるという意味では『ゾゾタウン』やブランドさんにとっても価値があるのではないか
 
──買い替え割の利用状況はどうか。
 
 「『ゾゾユーズド』の買い取り商品のうち、買い替え割経由の買い取り分が4割程度になっている。実際の商品を確認する前に下取り価格を提示しているが、サービス開始前にしっかりとテストを行い、未回収率や買い取り品のコンディションによるロス率も加味して値決めをしている
 
──買い替え割は商品の見せ方も違う。
 
 「『ゾゾユーズド』のサイトでは、例えばトップスはハンガー掛けの画像とモデル着用画像の2種類があるが、モデル着用画像を使っているのは買い替え割の商品で、『ゾゾタウン』で新品を販売したときの商品情報とコーディネートを含む画像を再利用しつつ、新品の発売時期や定価、商品のコンディションなどを記載している。これまで古着で実現できなかった着用画像のハードルを越えられるのは大きい
 
──新品の画像を再利用することで購入者からクレームはないのか。
 
 「『このアイテムは古着商品です』という注意書きはもちろん、各商品のコンディションについて、数回使用した程度のきれいな商品は『A』、使用感が少ない商品は『B』などと記載しており、トラブルは生じていない。新品の画像を使うことで古着のコンディションが伝わらないのではという議論が社内でもあったが、問題は起きていない
 
──買い替え割以外の商品についても業務フローが変わる可能性も。
 
 「変えていかないといけない。買い替え割の商品と同様にコーディネート画像を付けることなどはあり得る
 
──急成長で倉庫の保管能力などに余裕はあるのか。
 
 「千葉県内の物流施設『プロロジスパーク習志野3』の4階1フロアを利用しているが、まだ拡張できる。古着は縦積みで売る商売ではなく、回転率が大事だ。また、買い替え割は撮影やデータ入力の手間が省けるため、効率化につながっている。必要な業務は検品くらいだ。買い替え割経由の買い取り商品のシェアが増えれば増えるほど物流は軽くなる
 
──18年3月期の売上高は4割増しの180億円を見込んでいる。
 
 「けっこう攻めた数字だと思っている。よく、『ゾゾタウンと一緒に展開していれば自然成長するでしょ?』と言われるが、『ゾゾタウン』に売り場があることで新客を開拓できたのは最初の2年くらいの話。今は討って出ないと新客は獲得できない。その背景には、フリマアプリの登場もあるだろうし、『ゾゾタウン』ユーザーの属性も昔とは変わってきた。以前は本当にファッション好きが集まっていたと思うが、今はマス化している
 
──中長期的なターゲットや新たな挑戦は。
 
 「リユースファッションが当たり前になるようにしたいという思いで、お客様に喜んでもらえることにはどんどんチャレンジしていきたい。当社として500億円くらいは目指したいという思いはある」    (おわり

クラウンジュエルの宮澤高浩社長に聞く 「ゾゾユーズド」急成長の背景は㊤

 5-1-2.jpgスタートトゥデイ100%子会社のクラウンジュエルは、ファッション通販サイト「ゾゾタウン」内で展開するブランド古着専門店「ゾゾユーズド」が高成長を続けている。足もとでは、ユーザーがゾゾで新品を購入する際に古着の下取りを申し込むことで新品アイテムが割引となる「買い替え割」が仕入れ全体の約4割を占めるなど、調達面で貢献している。同社の宮澤高浩社長(=写真)に、事業環境や急成長の背景などについて聞いた。


──不用になったファッション商材を買い取ったり、販売するサービスが増えている。

 「フリマアプリの定着で古着の売買が大衆化してきているのは感じるし、新規参入もあるが、それぞれのサービスによってニーズの発生のさせ方が異なっている。当社のように古着を丸ごと買い取るサービスは"お片付け需要"に強い。片付けは誰もが喜んで行うものではないし、重たい思いをしてまで店舗に古着を持って行っても残念な値段を提示されることは少なくないが、『ゾゾユーズド』は自宅にいながら簡単に不用になった服を片付けられる

──他社サービスは。

 「フリマアプリは、どちらかというと不用な物がお金になるサービスで、しかも、けっこうカジュアルな商品まで手軽に売れるメリットがある。ブラケット創業者の光本さんが始めたサービス『キャッシュ』の場合はすぐにお金が欲しい人向けのサービスというように、同じ土俵にいるように見えて異なるサービスだ

──古着を買う消費者の視点ではどうか。

 「買う側からすると、『ゾゾユーズド』で買うのも『メルカリ』さんで買うのも楽天さんや店頭で買うのもそんなに差を感じないため、売り場としての勝負はし烈になるが、各社が切磋琢磨してサービス水準も上がればもっと便利になり、古着市場の拡大につながる

──どこまでが競合になるのか。

 「消費者が古着を買うことに抵抗がなくなると、価格帯が近いファストファッションと古着のどちらを選ぶかということになる。そのため、古着であってもしっかり価値を伝えたり、トレンドを押さえた服が入りやすい場づくりが大事になる

──「ゾゾタウン」の平均商品単価が下がっているが、古着のお得感は失われていないのか。

 「お客様は『ゾゾタウン』だけで買い物をしているわけではなく、ファストファッションも含めて世の中のブランドの価格帯をちゃんと分かっている。世の中のファッション商材と比べて『ゾゾユーズド』の価格や品ぞろえに価値を感じてもらえるかが重要だ

──前期の売上高は前年比61・8%増の128億円強となった。

 「リユースバッグを開発した15年以降、買い取りが非常に増えていることが増収の一番の理由だ。古着を買い取る際のキットを従来の段ボールからポストに入るサイズのバッグにした。利用者が家を空けていても受け取ることができ、梱包用のテープも使わずに服を詰めて送るだけという簡単なステップにした。前々期は、調達力を高めることに重点を置いて商品を集めるだけ集めたが、商品選定が不十分だった。前期は、買い取りの基準をどこに置くかに神経を使った。当たり前のことだが、お客様が欲しいと思う商品を買い取って、適正な値段を付けて販売するということを地道に続けた。商品力が高まれば、売り上げも伸びる

──ユーズドで売れる商品の特徴は。

 「基本的に、売れる商品は新品を扱う一次流通とほとんど変わらない。一次流通で売れたアイテムは二次流通でも売れるし、一次流通で売れなかった商品は二次流通でも売れない。当社としては売れる商品を仕入れ、それがいくらで、何日以内に売れたかということを突き詰めていくことが大事で、昨年はこのサイクルがうまく回った

──前期は利益面も大きく改善した。

 「前々期は経常損失、当期純損失ともに1億円強を計上したが、前期は経常利益が11億円強、当期純利益が7億円強となった。買い取りがものすごく伸びた前々期は、社内のスタッフだけでは間に合わず、一部で外部企業を使ったものの負荷がかかり過ぎて業務効率が悪化した。そのため、ユーザーからの買い取りを制限しながら、オペレーションを組み立て直した。前期はオペレーションの改善と、売れる商品を利益が出る水準で買い取ることに専念したことが利益に大きく貢献した」 (つづく)

フライミー 家具のECで売上倍増、地道な交渉でブランド開拓

 5-1-1.jpg家具のネット販売を展開するフライミーが好調だ。通販サイト上では多くのブランドのアイテムを取りそろえており、幅広いテイストや価格帯でのラインアップが評価され、直近数年は売り上げが倍増している。

 同社は自社通販サイト「フライミー」(=画像)を運営する。サイトを開設したのは2012年2月。同社によると、そもそも家具業界ではブランドイメージを損なうことなく商品を発表したり販売する場が少なかったようだ。同社では1社ずつまわってそうした課題を解消する新しい売り場として「フライミー」を提案した。

 地道な交渉の末、多くのブランドが直接取引に応じ、オープンの段階で肝になるブランドは集まっていたという。現在では取扱ブランド数は400以上にのぼり、2万点以上の商品を展開している。

 通販サイトでは同業他社が扱っていない商品を販売しているだけでなく、小売店には陳列されていないようなプロ仕様の商品も掲載。通販サイトの見せ方は一般消費者をにらんだBtoC向けだが、飲食店や宿泊施設、オフィスなどBtoB経由の受注も増えており、設計事務所や内装会社が同サイトをカタログ代わりに使うこともあるようだ。


"無色透明"でサイトを運営

 様々な商材の中でも家具は大きいため、店舗に陳列しても坪効率が悪く回転率も良くない。そのため家具業界では以前からカタログ販売が多かった。昨今ではウェブでも買いやすくなった。

 経済産業省の調査によると家具やインテリア業界のEC化率は15年時点で16%超と、衣料品の9%よりも高い。その意味では家具のネット販売市場にはポテンシャルがあると言えるかもしれない。

 もっとも、商品のテイストや価格帯が異なるブランドが互いに共存することは簡単ではない。にもかからず、「フライミー」には多くのブランドが正規の取引先として参加している。

 鍵は同サイトのデザインコンセプトにある。それは、整理整頓された"透明な箱"であるということ。各ブランドの世界観を表せるようにサイトは無色透明でカラーを打ち出さず、解釈は顧客に委ねるというスタンスに徹している。

 こうしたサイト運営の姿勢がブランド側からも支持され、豊富な品ぞろえにつながっている。その結果、通販サイトに訪れる顧客が増えるという好循環を生み出しているようだ。

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