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媒体研究(紙・電波) Archive

アーバンリサーチ 店舗連動型の次世代EC開設、チャット機能も実装

 4-1.jpgセレクトショップを運営するアーバンリサーチは、実店舗連動型の通販サイトをオープンしたり、既存通販サイトで店頭取り寄せサービスを新たに始めるなど、リアルとネットの垣根を越えた取り組みを加速している。

 同社は3月1日、表参道ヒルズ店と連動した次世代型のオンラインストア「URBS(アーバンリサーチバイヤーズセレクト)」(=画像)を開設した。"バイヤーズセレクト"の名の通り、新サイトは表参道ヒルズ店と同様、国内外を問わずに同社バイヤーが厳選した好感度なブランドを扱う。

 品ぞろえや在庫を店舗とECで統一し、当該店舗のスタッフが受注業務や商品発送、返品対応を行うのが特徴で、専用サイトにはチャット機能を搭載して店舗のスタッフと消費者が直接やりとりできるようにした。

 同社は台湾でショールームストアと台湾版の通販サイトを開設しており、ショールームストアのスタッフが店頭接客とEC運営を行う取り組みで成果を上げていることもあり、新サイト「URBS」でも表参道ヒルズ店のスタッフがサイト運営する事業モデルに挑戦する。

 サイト開設時の取り扱い商品数はまだ少ないが、品ぞろえは表参道ヒルズ店と完全に一緒にし、在庫も一元化するため、個人商店が仮想モール店を運営するのに近い形で、「リアル店舗が生き残るためのひとつのビジネスモデルとして成功させたい」(坂本満広WEB事業部部長)とする。

 サイト開設に当たっては、店頭経験者から選抜したEC業務専属スタッフとサブスタッフを表参道ヒルズ店に1人ずつ配置。専属スタッフは店頭業務のついでではなく、チャットや受注、商品発送、返品対応などEC業務に専念する。

 また、同社は昨年10月、東京支社にもWEB事業部を設置し、ウェブデザイナーとカメラマンを配置したほか、支社内に撮影スタジオも開設しており、新サイトではWEB事業部が商品撮影などの"ささげ業務"やサイト構築などを担当する。

 今後、新サイトの運用状況を検証した上で、チャット機能などを既存の自社通販サイト「アーバンリサーチオンラインストア」に移植することも視野にあるようだ。現状、チャットサービスは店舗の営業時間に合せているが、今後は夜間対応も検討しており、「なるべく社内で人材を育てたい」(坂本部長)という。

 また、「URBS」はASPで作った簡易的なサイトで、自社の会員サービス(URクラブ)を受けられない分、10%のポイント還元や送料無料などの特典を設けた。


店頭取り寄せサービス開始


 一方、主力の「アーバンリサーチオンラインストア」でもリアルとの連携を深める。昨年8月からは、同社が展開するブランドを総合的に扱う「アーバンリサーチストア」の全8店舗を対象とした店頭取り置きサービスを会員向けにスタートした。店頭取り置きは、ウェブ上で気になった商品を試着予約できる機能で、商品詳細ページにある「このアイテムの在庫がある店舗を探す」ボタンをクリックし、「取り置き申込」ボタンが表示されている店舗での取り置きが可能だ。

 運用面については、取り置きボタンが押されると店舗スタッフが在庫を確認し、当該商品を確保して利用者にメールを送っているため、店舗側にも少なからず負担がかかっている。同サービスは利用件数が多いことから、今後は運用フローを見直すなどして店頭の負担軽減を図りたい考え。

 また、16年3月4日からは、同社が手がける各ブランドの人気商品などを販売するコンビニ型セレクトショップ「アーバンリサーチメイクストア」の全12店舗を対象にした"取り寄せ"サービスも始めた。

 これまでは店頭にある在庫を取り置くサービスだけだったが、「メイクストア」はトラフィックの多い立地に開設した小規模店舗で、展開商品数や在庫も少ないため、通販サイトで扱う商品を当該店舗に取り寄せられるサービスを開始。通勤や通学の途中で試着したり、受け取れるようにした。

 大々的な告知はしておらず、「取り置き」ボタンと同様に「取り寄せ」ボタンを商品詳細ページに追加しただけだが、テスト段階から利用があり、顧客ニーズを感じているという。

 アーバンリサーチによると、衣料品ECモールではなく、直営の実店舗やECに来店してもらうには理由が必要で、「気になる商品を送料無料で最寄りの店舗で確認できたり、受け取りたいといったニーズに応える環境作りは非常に大事」(坂本部長)としている。

三越伊勢丹、ストーリー仕立ての新型通販番組をスタート

三越伊勢丹は4月5日、新規事業開発の一環としてテレビ東京系列のBSジャパンでドラマ仕立てのテレビ通販番組の放映を始める。テレ東とは三越伊勢丹通信販売が生活情報番組「L4YOU!(エル・フォー・ユー)」で通販を行うなど縁が深いが、今回の取り組みに同社は参画しておらず、"百貨店発"のプロジェクトとして展開。「消費者のライフスタイルや価値観が変化しているため、提案の仕方も変えていく必要がある」(三越伊勢丹)とし、価格訴求型ではないテレビ通販に挑む。

三越伊勢丹が始める通販番組は「真夜中の百貨店~シークレットルームへようこそ~」。BSジャパンと協業してこれまでの一般的なテレビ通販番組とは一線を画し、百貨店店舗でのリアルなエピソードをもとにしたストーリードラマを通じて視聴者の共感を喚起。メッセージ性のある商品背景価値を併せて伝えることで、上質な暮らしを送るビジネスパーソンを中心に囲い込む。

 番組は声優で俳優の大塚明夫さんが主演を務める。伝説のコンシェルジュである精霊(大塚さん)が真夜中のデパートに特別な客をひとりだけ招く設定で、毎回、テーマとシチュエーションの異なる客が登場し、その悩みから人生を切り開く商品をエピソードを交えて紹介。番組の最後にウェブと電話販売を案内するスタイルだ。

 取り扱うアイテムは三越伊勢丹の限定商品を中心に、バイヤーがセレクトした商品を季節やオケージョンに合わせて提案する。婦人・紳士向けの雑貨や衣料品、リビング用品、食品など幅広く、1回の放送でひとつの商品を深堀りして紹介。初回はファッション雑貨を予定している。

 放映時期は4月5日からの全26回で、毎週火曜日の午後11時~11時半まで。商品の注文は電話と三越伊勢丹の通販サイトで受けるが、初回放送分は電話注文のみとなる。三越伊勢丹では電話注文専用のダイルを用意。百貨店本部内もしくは外部企業に委託する。ウェブチャネルについては既存の通販サイトに番用の特設ページを開設し、新規客を開拓してEC強化にもつなげたい考え。

IROYA 〝色〟が切り口の売場が好評、東急東横店に旗艦店開設

042.jpg 色を切り口としたキュレーションコマースを手がけるIROYA(イロヤ)は事業開始から2年が経過し、色でアイテムを提案するというコンセプトが定着してきているようだ。

 同社は毎月ひとつの色に絞って商品を紹介。自社通販サイトと実店舗の「IROZA(イロザ)」で販売している。リアルではこれまでにポップアップストアを10店舗以上展開してきたが、2月25日には東京・渋谷の東急百貨店東横店西館1階に旗艦店を開設するなど注目度が増している。

 同社が事業を始めたのは2014年3月で、ひとつのコンセプトに沿って品ぞろえする提案型店舗の"コンセプトショップ"がまさに出始めた時期だった。運営面の課題などを理由に大手がコンセプトショップの運営から早々に離脱する中、同社は通販サイトと期間限定店の2本柱でコンセプトの定着化を図り、期間限定出店した各商業施設で販売実績を残したことが、百貨店での常設店開設につながったようで、色を切り口に品ぞろえを変える同社の取り組みは「検証段階からアクセルを踏むフェーズに入ってきた」(大野敬太社長)とし、常設店の開設により、商品とマーケティングの両面でデータ活用の精度を高める。

 同社では期間限定店を展開する際、出店する商業施設の他店の品ぞろえやテイストなどを見極めた上で差別化できるのが強みだ。この2年間で取引先ブランドは約500社に拡大しており、出店フロアや区画に雰囲気やテイストを寄せながらも、他店とは異なるブランドを扱い、顧客属性を意識したMDを組む。

 以前は大手セレクトショップでもハイスペックで特徴的な高単価商品などがあったが、いまは多くの店舗が一般受けしやすくスペックダウンした商品を自社で開発する傾向が強く、消費者が望んでいる"選ぶ楽しみ"を十分に提供できていないことも同社にとって追い風となっている。

 取引先ブランドからは販売実績のほか、特定のブランドの世界観が出ないことで、ターゲット層以外の消費者にもリーチできる点を評価されているようだ。

 これまでのポップアップストア展開ではさまざまなMDを検証してきたが、アパレルの比率を抑え、雑貨の構成比を上げると回転率が高くなる傾向があり、昨年11月に約2週間出店した東急東横店でのポップアップでも同様の品ぞろえで成果が出たという。

旗艦店では他店との協業も

 同社ではウェブとリアルを行き来しやすい環境作りにも注力。14年11月に始めた「お店に取り寄せサービス」の利用が着実に増えてきているようで、リアル店舗で実際に商品を確認したいニーズに加え、販売スタッフと会話をしながら商品を購入したい常連客も多いようだ。

 また、提案する色は毎月変わるが、ECでは過去の色もアーカイブのように残るため、店頭で展開している商品の色違いや、過去に店頭で販売したアイテムをECで見つけて店頭に取り寄せる消費者がいる一方、店頭で見た商品の色違いをネットで購入するといった「IROZA」ならではのショールーミングの動きも起きている。

 毎月打ち出す"色"については検索トレンドに加え、ECでは月ごとに売れる色の傾向が異なるため、そうした販売実績などを考慮して決めている。また、これまでポップアップショップで提案する色とECで打ち出す色は別だったが、旗艦店の開設に伴って同じ色を打ち出していくことにしている。

 旗艦店では、「IROZA」で扱うブランドとの連動企画を実施。第一弾では東急東横店にも出店するライフスタイルブランド「オルタナティブ」との共同キャンペーンを実施。2月25日~3月9日の間、両店舗で使える500円引きのクーポンを購入者に配布するなど、店頭での買い回りを促進するほか、通販サイトでもコンテンツ連動企画を展開する。

 今後、常設店では東急百貨店が持つ売れ筋の色のトレンドや商品カテゴリーとの差分を見せていく考えで、「出店するフロア全体に馴染むのではなく、特質化した部分を表現できれば、百貨店内でのクロスセルにもつながるのでは」(大野社長)とする。

千趣会・新媒体「カジュアルクリップ」の戦略は?㊦ 3つのPBが本格デビュー

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前号に引き続き、千趣会が創刊した大人カジュアルを提案するファッションカタログ「カジュアルクリップ」について見ていく。

 同媒体では、千趣会がこれまでに展開してきた衣料品カタログで人気のテイストや、世の中のテイストを分析した結果、今回が本格デビューとなるプライベートブランド(PB)の「ラトリエラフィネ」と「ナウクローゼット」「グランコントロ」の3ブランドを中心に打ち出すことにした。

 これらは、千趣会が進めるPBの強化方針に沿ったもので、昨年秋に基幹ブランドの「ベルメゾンデイズ」がデビューしており、基幹ブランド以外で個性を持ったPBもしっかりと打ち出すことで、ネットで検索されるようにしていく。

 「カジュアルクリップ」の中では3つのPBをメーンに、婦人靴のPB「べネビス」やナショナルブランドも掲載している。今後は、ファッショングッズや大人の女性向けのデザインや体型に合わせて開発したインナーも各ブランドで展開していくほか、大きいサイズの媒体「ラ・フィット」でも専用サイズを本格展開する。

 3つのPBのうち、「ラトリエラフィネ」は大人かわいいがキーワードで、フレンチフェミニンをベースにした服を展開する。「ナウクローゼット」はヘルシーで女性的なカジュアルスタイルのデニムやパンツを中心に提案する。「グランコントロ」は百貨店で買い物をする消費者を意識して、エレガンスをベースにカジュアルをかけ合わせ、クールで洗練されたエレガンスカジュアルを発信。3ブランドとも着やすいカジュアルをベースにしながら各ブランドの個性を出していく。

 3つのブランドが確立されればカタログだけではなく、「毎月新商品を投入してネットで大きく成長させたい」(村井恵子・商品開発本部アウター開発部アウター開発1チーム)としている。

 価格帯は3ブランドとも共通で、ニットやブラウス、カットソーが税別3900~4900円、ワンピースは3900~5900円、パンツは3900~4900円、ジャケットは5900~7900円、コートは9900~1万5000円で展開する。

 創刊号の代表的なアイテムは、「ラトリエラフィネ」は花柄やレース使いが強く、とくにレースのプルオーバータイプが新鮮な「前身レース使いプルオーバーシャツ」や、パンツの裾にワンディテールを加えたものが目玉で、リボンのようなモチーフをアクセントにした「裾デザインクロップドパンツ」などが人気だ。

 「ナウクローゼット」はパンツなどが強いが、カジュアルなのに女性らしいという部分を大切にしている。デニムやカットソーパンツといったカジュアルアイテムを軸に、シャツやテーラードジャケットといったきれいめアイテムをアクセント的にそろえる。また、デニムの新しい形として仕掛けているのがデニムのワイドパンツで、モニターカタログで人気だった。

 「グランコントロ」はVネックのカットソーからストライプやチェック柄がのぞく重ね着風のトップス「フェイクレイヤードカットソープルオーバー」の人気が高い。一枚で着られるほか、少し長めの後ろ裾がおしりまわりをカバーしてくれる点が受けているようだ。

 「グランコントロ」は他の2ブランドよりも少し年齢を高めに設定しているため、「おしりなど下半身のシルエットが気になる女性に向けてパンツでファンを作っていきたい」(村井氏)とする。パンツの特徴として、後ろ股ぐりにカーブをつけ、長めに距離をとり、ヒップラインをすっぽり包むことで安心して履けて、きれいなシルエットが作れる点をパンツの基本設計にしている。実際、狙い通りにパンツでファンを獲得しているという。

 千趣会はトレンドをとり入れながら無理なく着こなせる等身大の大人カジュアルをウェブサイトと年5回発刊のカタログで提案し、80億円の売上高を目指す。(おわり)

千趣会・新媒体「カジュアルクリップ」の戦略は?㊤ タンスにない商品を開発

041.jpg 千趣会は1月26日、大人の女性にカジュアルスタイルを提案するファッションカタログ「カジュアルクリップ」を創刊した(本紙1543号4面で既報)。

 同カタログは千趣会の中心顧客でもある"セカンドデビュー層"という、子育てが一段落して職場復帰したり、自分の時間が持てるようになって第二の人生を送り始めた30代後半から40代女性に向けたカタログだ。

 以前から当該層向けの媒体は展開しているものの、ベーシックな商品が中心だった。ただ、近年はベーシックの商品ばかりでは大きく売り上げを伸ばすことは難しく、消費者のタンスにないもの、目新しいアイテムが求められているという。

 そこで、ベーシック寄りになっていたMDをガラッと変え、「新しいトレンドも入れながら、お客様がパッと見て『可愛い』と思ってもらえる商品をスタイリング中心に見せるカタログにした」(村井恵子・商品開発本部アウター開発部アウター開発1チーム=写真)。

 同社によると、気負わずに自分らしい服を好むセカンドデビュー層はカジュアルスタイルが好きで、ファッションに対するチャレンジ精神は旺盛なものの、ライフスタイルや体型の変化もあって今まで着ていた服が似合わなくなったり、欲しくても予算的に買えなかったりしているという。とくに、世の中のカジュアルな服はデザインが子供っぽく、縫製や素材も安っぽくて恥ずかしく感じているようだ。

 こうした状況を受けて、新媒体の「カジュアルクリップ」では、お手頃価格であってもデザインが大人の女性向きで、素材や縫製も安心できる"大人カジュアル"を発信。「私自身も含めて、ターゲット層と同じ年代のスタッフが等身大で欲しいアイテムを追及した」(村井氏)とする。

 同社では、新媒体は枕元に置いてもらい、明日のコーディネートを考えるときに読み返してもらえるようなスタイリング提案のお手本となるカタログを目指す。

 そのため、単品売りの中でもスタイリングをしっかりと見せ、ウェブとの連携を強化する。創刊号の巻頭では、本格デビューとなる「ラトリエラフィネ」と「ナウクローゼット」「グランコトロ」という3つのプライベートブランド(PB)の紹介に加えて、通販サイトとの連携を打ち出しており、ネット限定で、ブランドごとにカタログで掲載中の全身コーデを一覧できたり、カタログには未掲載のスタイリストと組んだコーデ提案や、ジャンル別のランキングを毎日更新していることを説明している。

 同社によると、スタイリング提案を重視するために制作会社と自社の制作チーム、開発部隊がこれまで以上に密になってカタログ作りを進めており、開発スタッフも着用モデルの起用や、時計など小物のコーディネートもチェックし、各ブランドのコーデの統一感を出している。

 新媒体ではファッションアイテムのきれいな柄や色味も大事にしており、創刊号ではミモザイエローやスカイブルー、ローズマリーグリーンといった春色カラーを提案するページを設け、アイテムやコーデを提案。事前のモニターカタログではとくに人気の売り場だったという。また、各PBの中でも価格訴求力の高いアイテムを全色、モデル着用カットで見せる企画ページでは、ブランドの垣根を超えたミックスコーデを紹介している。(つづく)

《通

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