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媒体研究(紙・電波) Archive

千趣会の「べネビス」 タッチポイント強化へ、立川高島屋SCに4カ月弱出店し常設店の布石に

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 千趣会は10月11日、百貨店と専門店が融合する商業施設としてリフレッシュオープンした立川高島屋S.C.東京都立川市)に、オリジナルの婦人靴ブランド「ベネビス」の実店舗を開設した(画像)。来年1月31日までの4カ月弱の出店となるが、販売状況によっては期間延長の可能性もあるようで、常設店への布石とする。

 千趣会の「ベネビス」は30年の歴史を持つブランドで、16年8月からはJフロントリテイリングとの共同ブランドとして運営。同社傘下の大丸松坂屋百貨店の実店舗に売り場を設けて百貨店顧客の開拓を進めてきたが、Jフロントの持分法適用関連会社から外れたことで共同ブランド化を解消し、8月までに百貨店の売り場(全8店舗)から撤退していた。

 ただ、百貨店顧客との相性は良く、靴という商品特性から店舗チャネルでの手応えをつかんでいたこともあり、キャラバン形式での期間限定店を展開しながら、常設店開設への足がかりを築きたい意向だ。

 立川高島屋S.C.の品ぞろえについては、カラーとサイズ展開の多さはもちろん、幅やつま先の形のバリエーションが豊富なパンプスをはじめ、百貨店の販売員にアンケートをとって履きやすさを追求したパンプスや、急いでいても走れるようソールに工夫を凝らしたサンダル、雨の日にも履けるパンプスなど、多数の商品を用意した。

 商品の見せ方では、来店客が靴を手に取ってもらえるよう、什器はメイン商品や季節商品など、その時の一押しの商品で構成するほか、店内へ入りやすいように極端に什器を置かず、ゆっくり試着できるよう広めの空間を確保した。

 メイン商材(マイパンプス)のために制作した専用什器も設置し、店頭ですぐに試着でき、サイズ感を選べる商品特性を来店客に分かりやすく伝える。また、ポップで機能別にシリーズを分けて陳列する。

 従来、「ベネビス」のポップアップストアは出店期間が1週間程度と短い店舗もあるが、立川高島屋S.C.では販売状況を踏まえた売り場改善の幅が広がるとしており、時期に合わせて商品や売り場、プロモーションの中身を変えることで常設店を意識した運営を行うことにしている。

 千趣会では、10月は百貨店を中心に他の商業施設でも短期間のポップアップ店を開設。10月2~8日はそごう横浜店(横浜市西区)、同月4~10日は京王百貨店新宿店(東京都新宿区)で開催したほか、同月16~31日はアトレ吉祥寺(東京都武蔵野市)、同月24~30日は富山大和(富山市)、同月25~31日に東武百貨店池袋店(東京都豊島区)でも展開する。

 同社では、靴という商品特性上、すでに通販を利用している顧客についても試着してもらい、履き心地の良さを体感してもらう考えで、既存顧客にも期間限定店を案内する。同時に、タッチポイントを増やして試し履きを促進する。その後、店舗の利用者にも通販で再購入してもらえる取り組みを進めていく。

 また、8月に閉めた大丸と松坂屋の実店舗も自社運営ではなく、詳細な課題が把握しにくかったため、今後は実店舗を自社運営することで課題を見える化し、成長につなげたい考え。


オットージャパン ライフスタイル雑貨を強化、基幹ブランドで専用媒体

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 オットージャパンは、ライフスタイル雑貨のカテゴリーを強化している。今秋シーズンから基幹ブランド「オットー」で食器や雑貨、美容アイテムなどを集めたカタログを創刊したのに加え、30~40代女性に向けたEC主軸のブランド「ファビア」の通販サイトでも、キッチン・ホームグッズやヘルス&ビューティー系などのアイテムを扱うコーナーを新設して既存顧客への提案の幅を広げ、買い回りを促す。

 同社が今秋シーズンに創刊したカタログは「オットースタイル」(画像(上)=A4判・16ページ)。昨年からライフスタイルカテゴリーの品ぞろえを増やした結果、顧客の買い物頻度が増え、「シーズンごとの購入金額が上昇するなどLTVが伸びた」(冨田晶子執行役員)ことから、当該カテゴリーのアイテムを集めたカタログを制作した。

 創刊号の表紙には画家クロード・モネの代表作でもある「ジヴェルニーのモネの庭の小道」を使用。モネの絵画と同様に彩り豊かで暮らしのエッセンスとなる世界の華やかな雑貨を同社バイヤーが厳選していち早く提案する。

 創刊記念の特別アイテムとして「エミリオ・ロバ」のアートフラワーや、「オットー」のローズ柄を美濃焼の食器にしたオリジナル商品を提案する。また、手織りのラタン製品をヨーロッパ風にアレンジしたインテリア雑貨「ブロンクス」のランドリーバスケットやバトラートレイなどを展開するほか、世界から集めた最新の美顔コスメや美顔器なども販売する。

 創刊号および次号(冬号)は発行部数も含めて上位顧客向けの要素が強いが、来春からは幅広い層に向けて本格展開を行う計画だ。

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 ライフスタイルカテゴリーを強化して「オットー」顧客のLTVが伸びていることを受け、働く女性に向けたファッションブランド「ファビア」でも今秋からライフスタイル商材の取り扱いを強化する。

 同カテゴリーは以前から取り扱いがあったもののテーマがはっきりせず、成果につながっていなかったことから仕切り直し、8月31日に「ファビア」の通販サイト内に新コーナー「ファビア・セブンデイズ・ストーリー」(画像(下))を開設した。

 同コーナーでは、「ファビア」の既存顧客への提案力を高め、ファビアがセレクトした日常の生活を彩ってくれるアイテムを働く女性の視点で曜日ごとに提案。例えば、月曜日は仕事モードのスイッチを押してくれるネオンカラーのメガネケースやポーチなどを紹介する。疲れがたまり始める水曜日には心と体をメンテナンスしてくれるルームスプレーやネックピローといった癒しグッズを提案する。

 まだ品ぞろえは少ないものの、今後は「ファビア」でしか手に入らない限定アイテムを展開していく考えで、「オットー」ブランドと同様に顧客のファン化につなげる。

ニトリHD アプリ起点にO2O加速、店舗の「ショールーム利用」歓迎

 ニトリホールディングスでは、かねてより掲げている2022年でのグループ売上高1兆円達成に向けて、国内事業ではO2Oの推進を重要テーマに位置付けている。有店舗企業が抱える"ショールーム化問題"についても前向きに捉えており、アプリなどを通じて顧客の購買行動の変化に対応できる体制を構築する。

 同社の通販事業は16年より2期連続で前年比30%前後での増収が続いており、今中間期(3~8月)についても同30・4%の増収を達成した。成長をけん引しているのは公式スマホアプリを起点とした実店舗との連携施策で、特に昨年度の上期から開始した来店客の通販利用を促す「手ぶらdeショッピング」が大きな効果を挙げている。

 同機能は来店客が実店舗で展示している購入希望の商品のバーコードをスマホなどで読み込み、その場で自社通販サイトの「ニトリネット」や店頭で配送・決済手続きをすることで、商品を持ち運ぶことなくそのまま買い物が完了できるというもの。スマホのカメラで写した写真にサイズをメモできる「サイズwithメモ」といった機能も合わせて使うことで、来店客のスムーズな購入をサポートしている。

 同アプリの会員数は8月20日時点で約190万人。また、今年1月~8月20日まででの手ぶらdeショッピングの利用件数は累計で1万1247件(通販購入が7771件、実店舗購入が3476件)となっている。

 そのほかにも、通販購入商品の店頭受け取りサービスも順調に利用者数が伸びているようで、今年1月~8月20日では7万5782件の利用があった。

 このように通販と実店舗との各種サービスの連携を高めた結果、相互送客が加速。新生活シーズンの準備に向けた同社最大の繁忙期である3月度だけで見ると、通販・実店舗の両方のサービスを何らかの形で併用した場合の商品購入金額が、今年は5年前の3月と比べて6倍以上に拡大したという。

 同社の場合、フランチャイズ店舗を持たず全ての店舗が直営店であることもあり、「実店舗をショールームとして利用してもらい、その後ネットで購入してもらうことは実店舗での作業が減ることにもなり歓迎すべきこと。様々な経費の抑制にもつながる」(白井俊之社長)としている。今後もどちらでも購入しやすい環境づくりを推進していくという。

ウェブ広告でも連携を強化

 そのほか、ウェブ広告についても実店舗と通販を組み合わせた顧客分析によるワントゥワンマーケティングに力を入れている。具体的にはデーターハブシステムを使い、通販サイトのログデータや購買情報、実店舗のPOS情報を一元管理。それらの情報を基に、アプリのプッシュ通知をはじめとする様々な媒体で顧客ごとにマッチングした広告を配信し、効率的な集客を図るという。

 これにより、前回購入商品との組み合わせで活用できるセット商品の訴求が行える一方、通販サイトへの自然来訪客や、すでにセット商品を購入済みの顧客に対しては広告配信を停止するなど、販促の効率性を高めた。

青山商事 今秋冬にEC連動店拡大

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 紳士服販売を手がける青山商事は、デジタルサイネージなどを活用して通販サイトの在庫とも連動させた実店舗「デジタル・ラボ」を今秋冬にも拡大する。店舗改装や新規出店を行い、既存店舗も含め合計で約10店舗まで拡大することが見込まれている。

 デジタル・ラボは自社通販サイトの在庫とつながった大型デジタルサイネージを複数設置しており、来店者が店内に陳列する商品に加えて、ネット上に展開するすべての商品を閲覧できるもの。タッチパネル式の画面操作で、電子カタログのように商品を探すことが可能。購入希望の商品については同ブランド・同サイズの商品を見本として店内で採寸。注文・会計処理については店内にあるタブレットで行い、後日、自宅などに配送する仕組み。現在のところ、売り場の面積が比較的小型の店舗を中心に主に東京での出店展開が進んでいるが、今後は地方などに波及する可能性もあると見られる。

 最近ではサイネージやタブレットの付近にテーブルや椅子を配置した形で専用スペースを確保するなど、同ツールで接客するための環境づくりを整えている。

 関連して、9月18日にはデジタル・ラボ1号店となる「秋葉原電気街口店」に、専用スペースに置かれたテーブル内に埋め込み式の大型タッチパネルを試験的に導入した。タブレットの機能をそのままテーブル大のサイズに拡大したもので、大画面をタッチしながらコーディネートを確認することができ、そのまま画面上の通販サイトのマイページで決済することも可能。店舗スタッフが接客時に使用するほか、来店者が自由に使うこともできる。

 具体的には「就活」「結婚式」など利用シーンから選択できるようになっており、画面上にはスーツ、シャツ、ネクタイを自由に組み合わせて変えられるシミュレーション画像が表示。店頭のサイネージでお気に入り登録した商品情報を反映することもできる。サイネージと同様に、同店舗に置かれていないすべての商品在庫から選択することができ、そのままカートボタンからの購入も可能となっている。

 サイネージが商品検索を主眼としている一方で、同ツールではコーディネート提案を大きな役割として期待している。商品の組み合わせ提案によるまとめ買いを促す効果も見込んでおり、導入直後から利用する顧客が見られるようだ。

 これまで店頭でコーディネートを見せる際は、スーツをテーブルに置いてワイシャツやネクタイを挟み込んで見せる形だったが、それをより実際の着こなしと近いイメージで分かりやすく見せることができ、実店舗の在庫に限らず幅広く選択肢を提案できるメリットがある。

 なお、同社では今年度から2020年度までの中期経営計画において、デジタル・ラボ店舗とECの合計売上高で67億円を目指している。17年度の合計売上高は22億円(ECが19億円、デジタル・ラボが3億円)、18年度の計画は28億円(同22億円、同6億円)で、19年度計画については40億円(同25億円、同15億円)、20年度計画についてはデジタル・ラボがECの33億円を上回る34億円を目指すなどEC以上の成長率拡大を見込んでいる。売り上げ成長に向けては、デジタル・ラボの拠点開拓が今後も続くと見られており、ECと連動した店舗設計の強化が重要課題となる。

 そのほか、EC分野でのテコ入れとして、利用者が拡大しているアプリを起点とした実店舗との連携を図る導線も強化。また、16年から開始している「シェアリング」サービスも、利用率の高い20~30代をターゲットに推進。モーニングやタキシードのラインアップで開始したところ17年度は売上高が約2億円となっており、今後も取扱商品の拡大や、会員組織と紐づいたサービス展開、レンタル専用ECサイトの開設などを行っていく。




集英社 実店舗ビジネスを強化へ、システム投資や専任チームも

 集英社は、ファッション通販サイト「フラッグショップ」の実店舗展開を強化する。年内をメドに自社ECと店頭顧客の一元管理に向けたシステム投資を行う。また、実店舗の運営強化を図るために専任のチームを立ち上げ、オペレーションや接客などの充実につなげる。出版社が展開するリアル店舗のあり方を追求することで集客や収益化の多角化にも取り組んで常設店開設の布石とし、「3年後には通販部門の売り上げの10%を実店舗で獲得したい」(同社)としている。

 同社の店舗展開については、昨年は「フラッグショップ」の開設10周年を機に東名阪の商業施設でそれぞれ2週間~1カ月の期間限定店をオープンしたほか、今年は2月23日~8月2日までの半年弱にわたって東京のルミネ新宿ルミネ2に実店舗を出店した。

 同店では集英社のオリジナルファッションブランドだけでなく、「フラッグショップ」で扱う取引先アパレルのアイテムも充実させたほか、店内に4~5のコーナーを設け、各コーナーのテーマに沿ったMDを展開。3~4週間ごとにテーマと商品を入れ替えた。また、スタイリストや人気モデルを招いたイベントに加え、化粧品メーカーを誘致した短期間のインショップ展開を行うことで顧客の来店頻度を高め、継続的に売り上げを確保することを目指した。

 半年弱のルミネ新宿出店では、MDや物流などオペレーションの部分にはメドをつけたが、店舗とEC顧客の一元管理体制が不十分で、サービスのシームレス化には課題が残った。また、同商業施設に入る他店舗と比べて坪当たりの売り上げは悪くなかったようだが、「満足度はない」(同社)とする。一方、「店舗があることで選択肢も増え、さまざまな提案ができる」(同)とし、実店舗の伸びしろも同時に感じた半年だったという。

 そのため、店舗展開強化に向けて今年中をメドにシステム投資を行い、顧客の一元管理体制を整える。また、ルミネ新宿店では多くのスタッフが通常業務と兼務していたため、店舗専任チームを設ける考えで、リアル店舗に関して知見のある人材の採用にも着手する。ルミネ新宿店では店頭接客を販売代行業者に任せきりだったことも反省材料で、専任チームが販売代行との連携を深め、課題を共有することで接客精度の向上につなげる。

横浜に新規出店

 同社は9月21日、そごう横浜店3階シーガルコート(売り場面積約40平方メートル)に「フラッグショップ」の店舗を出店する。雑誌「LEE」などの読者が多いエリアであることや、通販顧客も東京と横浜が多いことから出店を決めた。まずは半年間の計画だが、長期出店も念頭に置いている。

 懸案のシステム面と組織面は新店を運営しながら整備を進める方針で、早期に課題解決できるかがポイントとなりそう。

 そごう横浜店では、人気雑誌「LEE」や「マリソル」「エクラ」のコーナーを設けるほか、デザイナーズブランドを扱う通販サイト「ミラベラ」のコーナーもリアル店舗では初めて本格展開し、知名度を高める。

 また、リアルの売り場においても"情報発信型ショップ"として定期的にスタイリストや人気モデル、エディターなどファッションのプロをゲストに呼んでイベントを開催。イベントの第1弾として、9月22日には通販誌「フラッグショップマガジン」最新号の表紙モデルを務める高垣麗子さんのトークイベントを行う。また、12月には、集英社の編集者で女子ひとり旅(ひとりっぷ)の指南本も出版する、ひとりっPさんのイベントや販売コーナーも展開する予定だ。

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