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媒体研究(紙・電波) Archive

アットシェルタ  店舗とECで在庫共有化、オムニチャネルの基盤確立

 4-1.jpgアバハウスインターナショナルの子会社でネット販売を手がけるアットシェルタは、リアル店舗とECの在庫共有化に乗り出している。

 アバハウスグループでは従来から顧客のIDやポイントは店頭とECで共通化しているほか、2014年3月にはショップブログの進化版「アバハウスショップポータル」を開設。同サイトでは展開するブランドの新作案内やニュース、店頭販売員のコーディネート紹介といったブログ機能にとどまらず、店舗に商品を取り置きできるサービスを会員限定で始めている。

 加えて、昨年10月中旬からはタブレット端末を活用したEC在庫利用システムを靴ブランド「ピシェ」の実店舗でスタート。店頭ではサイズや色違いの欠品が生じやすいため、ネットと在庫を連携することで、店頭で欠品してもネット用の在庫から購入者の自宅に届けるか店舗で受け取れるようにし、機会ロスの低減を図る。

 同システムは店頭スタッフがiPadで接客しながら利用するが、店頭会員、EC会員ともに自宅住所などの情報は登録されているため、ログイン画面だけ会員本人に入力してもらう形だ。決済については、注文確定後にショップのレジで会計処理するため売り上げは店舗に計上され、返品・交換も店頭で対応することになる。
 
 同じブランドの商品であれば、店頭で扱っていないアイテムもウェブ在庫があれば購入でき、「店頭スタッフのアドバイスを受けながらECで購入しているイメージ」(木村保行社長)で利用できるのが特徴だ。
 
 セール時期はサービスの対象外だが、店頭でのEC在庫利用は順調に増えており、店舗間の在庫移動件数は半減しているという。今年2月からは服のブランドにも導入するが、店頭にipadを設置していない一部のブランドは3月から始動する予定だ。
 
 また、同システムは接客履歴や他店舗在庫も把握できるため、接客ツールとして活用できるようにブラッシュアップしていく考え。
 
 一方、自社通販サイト「アットシェルタ」(=画像)での店頭在庫活用も今年1月末にスタートした。EC在庫がなくなっても実店舗に商品があれば引き当てて販売し、売り上げはECに計上されるが、昼間は商品の動きが多いため、引き当て作業がエラーにならないよう、原則、午後9時以降に引き当てる仕組みとする。
 
 つまり、リアル店舗とECの在庫共有化により、日中は売り上げの大きな店舗側がEC在庫を含めて店頭で販売。店舗の営業時間外はECが店舗在庫も活用することで、「在庫が24時間眠らないようにする」(木村社長)という。
 
 店頭在庫の利用については全ブランドを対象にしているが、まずは都内の店舗からスタートして結果を見ながら順次、エリアを広げる計画だ。また、店頭在庫を引き当てる場合は商品の横持ちが発生するため、通常よりも商品発送が遅れることになる。同社では、物流センターから近い実店舗を優先するものの、引き当てが同じ店舗に集中しないように設計しているようだ。
 
 昨今、アパレル業界では店頭よりもECの方が売り上げを伸ばしやすい環境にあり、アバハウスグループでも生産数の多いアイテムについてはECへの在庫配分を高め、上位品番の販売量を伸ばしていく考え。また、店頭とECの相互で在庫を活用し合う取り組みが始まったが、今後は利用状況などを分析することで、新しい在庫の持ち方や一元管理に向けたステップとなりそう。
 
 なお、14年にスタートした商品の取り置きサービスについては、従来の電話依頼に比べて手間をかけずに申し込めるようになった分、申し込み件数は増えているものの、成約率は電話よりも低いことが課題だ。そのため、現在の取り置き期間は1週間だが、今後は会員ランクの低いユーザーは期間の設定を短くし、延長するには何らかのコミュニケーションを必要とすることも検討しているようだ。

千趣会、大人カジュアルの新媒体

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千趣会は1月26日、大人向けカジュアルを提案する3つのオリジナルブランドを中心としたファッションカタログを創刊した。ベルメゾンの中心顧客である30代後半~40代女性で、子育てが一段落して職場復帰や自分自身のライフスタイルを再び楽しむ"セカンドデビュー層"を主要ターゲットに、トレンドをとり入れながら無理なく着こなせる等身大の大人カジュアルを提案。ウェブサイトと年5回のカタログで80億円の売上高を目標とする。

新カタログの「CASUAL CLIP(カジュアルクリップ)」2016春号(画像=A4判・172ページ、発行部数約180万部)は、友人とのランチ会や家族旅行など生活の幅広いシーンで着用できるデザインを重視し、ターゲット層が衝動買いをしたくなるようなカジュアルアイテムを、スタイリングを中心に提案するのが特徴だ。

 同社によると、昨今、30~50代女性の普段着の主流はカジュアルテイストであることから、新媒体ではコンセプトを"大人カジュアルの今がある"とし、花柄やレース使いなどでカジュアルフェミニンを意識した「ラトリエ ラフィネ」と、デニムやパンツなどのアイテムを軸に都会的で女性的なミックスカジュアルを提案する「ナウクローゼット」、エレガンスさと旬のカジュアル感を合わせたカジュアルエレガンスが特徴の「グランコントロ」の3つのプライベートブランド(PB)を立ち上げた。

 投入アイテムは、ニットやブラウス、カットソーといった軽衣料が中心で、各PBのコンセプトに合せたデザインやパターンで提案。服だけでなく、ファッショングッズや大人の女性向けのデザインや体型に合わせて開発したインナーも各ブランドで展開していくほか、大きいサイズのファッションカタログ「ラ・フィット」でも専用サイズを展開する。

 創刊号(春号)の型数はナショナルブランドを含めて295型、4月発刊の夏号では325型、6月の盛夏号は159型、9月の秋冬号は420型、11月の厳冬号は190型をそれぞれ展開する予定だ。

 価格帯は3ブランドともニットやブラウス、カットソーが税別3900~4900円、ワンピースは3900~5900円、パンツは3900~4900円、ジャケットは5900~7900円、コートは9900~1万5000円というお手頃価格ながら、「いまのマーケットにはない大人っぽいデザインで、素材や縫製も安心できる大人カジュアルを発信していく」(村井恵子・商品開発本部アウター開発部アウター開発1チーム)としている。

 同社では、カタログの創刊と同時に「カジュアルクリップ」のネットショップも開設。ウェブでは各ブランドの世界観が感じられるよう、ブランドごとに誌面に掲載する全身コーディネートの一覧を見せるほか、ネットだけで紹介する着こなしや人気アイテムランキングなどを掲載。日常のコーデやアイテム選びの参考になるコンテンツを随時アップしていく。

 また、スタイリング提案や商品の詳細情報についてはトルソー使用を極力減らし、着用画像を採用することで着用感や着こなしがリアルに伝わるよう工夫する。

ライフスタイルデザインの「ラファブリック」 渋谷にオーダーメードECで常設店

041.jpg ネット関連ベンチャーのライフスタイルデザインは1月16日、東京・渋谷の本社オフィス1階に、男性用のスーツやシャツなどを自由にカスタマイズできる通販サイト「ラファブリック」の常設店を会員向けにプレオープンした。本格オープンは同月23日で、同社が常設店を開設するのは初めて。

 「ラファブリック」は"個性を着よう"をコンセプトに、生地とデザインを豊富な種類から選べるほか、最大15カ所を採寸することで細かいサイズ調整もできる男性向けのカスタムオーダーECだ。全国のアパレル工場と提携し、中間流通を省くことで日本製のカスタムオーダーであっても、例えばシャツは6800円から、スーツは2万9800円から購入できるようにした。

 今回、オープンした「ラファブリック・リアルストア渋谷」(画像)は、作り手の縫製工場と使い手である消費者の想いが交差する存在を目指して"交差点"をテーマに展開。オーダーメードのこだわりを伝えるパネルの設置に加え、メード・イン・ジャパンの生産現場を映像で配信する。一方、敷居の高い従来型テーラーの雰囲気とは異なる解放感を意識した店作りを心がけており、商品も価格帯ごとにコーナーを分けて見せている。

 店内では、専門のスタッフが顧客一人ひとりに服を購入する際の悩みや好みのサイズ感を聞きながら採寸を行うほか、手持ちの服に合わせた着こなし提案などもする。採寸したサイズデータはクラウドに保存されるため、次回の買い物時にはオンラインで簡単に同じサイズの服を購入できるという。

 また、店頭ではiPadで接客することで、顧客が通販サイトを利用する際の操作性も確認。ユーザビリティーの改善点などを吸い上げ、同じビル内にあるオフィスで迅速に対応する。

 同社によると、「ラファブリック」は昨年秋以降、ユーザビリティーの改善や商品企画の強化などから顧客の4割がリピーターになっているという。また、秋以降に法人向けの無料出張採寸サービスを始めたり、東京モノレール浜松町駅ビル内に期間限定店を約2週間開設したこともあり、オンラインだけでなくリアルの場でも新規客を開拓しているようだ。

 同社では「スーツ、シャツ業界の古い価値観を塗り替えたい」(森雄一郎CEO)としており、今後も空港やカフェなどでのポップアップストア開設を計画。普段は量販店や百貨店などで既成品を購入しているデジタル世代をメーンターゲットとしてとり込む。また、オリジナルの生地を使った機能性の高い商品の開発も視野にあるほか、新規取引先工場を開拓して商品カテゴリーの拡充も図る考えだ。

アイ・アンド・ティー 東京・亀有に実店舗、酒類・医薬品や100円商品販売

 4-1.jpg家電の通販サイト「EC―JOY」を運営するアイ・アンド・ティーは昨年12月、東京都葛飾区に実店舗を開設した。1階では食料品や飲料・種類、医薬品を扱うほか、2階は100円ショップとした。同社では通販サイトでも家電製品以外の取り扱いを強化しており、ポイント連動などのオムニチャネル戦略も進める方針だ。

 店舗の名称は「JOY!STORE」(=写真)。葛飾区の亀有に自社ビルを取得し、1階と2階に店舗を構えた。開設費用は、物件取得費や内装費などを合わせて約3億円。「EC―JOY」は家電を中心に扱っており、同社の2014年12月期の売上高は約67億円。価格比較サイト「価格.com」を使い、安値をアピールすることで急成長した。同社は当初、システム開発からスタートしたこともあり、内製の通販システムを強みとしているが、近年は家電の価格競争激化や運賃値上げ、さらには集客の導線となっている「価格.com」のクリック課金の単価が上がっていることなどから、日用品の品揃えを強化している。

 同社の高橋英太社長は店舗開設の狙いについて「小売りサービスの基本に戻り、他社がやっていないことをやりたいと思った」と話す。利便性を考え、倉庫のある埼玉県三郷市と、佐川急便の拠点がある東京都江東区の中間にあたる亀有のビルを買収し、1・2階を店舗とした。1階には酒や飲料、食料品のほか、医薬品も扱うため、医薬品登録販売者をカウンターに配置。さらに、2階は「近隣にはコンビニエンスストアしかなく、集客効果がある」(高橋社長)ことから、100円ショップとし、喫茶コーナーも設けた。これらの雑貨類はネットでも販売しているが、他の通販サイトでは扱いのない、デザイン性の高い商品なども売っているという。酒販免許は取得し、仕入れルートも新たに開拓した。

 POSレジのシステムも自社で制作した。コスト削減のほか、「スマートフォンとの連動など、内製であれば柔軟な対応もできる」(同)。今後は通販サイトと店舗のポイント連動のほか、サイトで注文した商品の店舗受け取りサービスといったオムニチャネル関連の施策も実施する。

 まだ亀有駅前でのビラ配り程度で、大掛かりな宣伝は行っていないが、オープン後の客足については「まずまずではないか」(同)。年間の売上高目標は1億円。今年中には店舗の収支をトントンにしたい考えだ。

 今後の店舗展開については「まずは売れ行きをみてから。ただ、実店舗をどんどん増やす時代だとは思っていないので、良い物件があれば考えたい」(同)とする。

 通販サイトでも酒類や医薬品の取り扱いを予定しており、店舗との連動を進める。「酒類や医薬品通販の場合、家電のような『最安値を1円くぐる』というほどの価格競争はないため、商機はあるのではないか」(同)。家電と比較すると利幅の高い商材であることから、価格競争を仕掛けることで売り上げ増につなげる狙いだ。

好調・集英社の通販戦略㊦ 「エクラ」の通販が復調へ

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前号に引き続き、集英社が手がける通販事業の好調要因などを見ていく。
 同社は、40~50代女性向けの雑誌「エクラ」に紐付いたメーンの通販カタログ「エクラプレミアム」が再び成長軌道に乗っている。同カタログは、雑誌本誌の部数が伸びていることから安定した売り上げを計上してきたが、前期は大ヒット商品が出にくくなっていた。

 というのも、「エクラ」を冠した通販も9年目に入り、顧客年齢層が上がっていく中で、従来のボリュームゾーンを維持する目的で起用するモデルを含めて若返りを図ったこともあり、一時期は売り上げが伸び悩んだが、継続顧客のニーズに合わせた編集企画やモデル起用によって「完全復活した」(同社)という。

 10月号では50代モデルの黒田知永子さんと著名なスタイリストを前面に打ち出した企画「スタイリスト佐伯敦子の知永子スタイル6days」を巻頭で展開。リラックス感がありつつも上品な着こなし提案が受け、一般的な50代女性にはコーディネートに迷うようなロングシャツや黒のスニーカーに加え、高額なかごバッグなどの反応が非常に良かったようだ。

 一方、14年秋に1億円を売る大型企画が成功し、コア事業に成長した「LEEマルシェ」については、雑誌「LEE」11月号で44ページにわたる通販企画「今までで一番スゴいLEEマルシェ」(画像)を展開した。

 当該号の巻頭企画では、スタイリストの福田麻琴さんが監修し、三陽商会が同企画用に作った一生モノのロングトレンチコート(7万9000円)を販売。福田さんによる、一着のトレンチでオン・オフや男性的にも女性らしくも着回せるテクニックの紹介に加え、青森の工場を訪ねて縫製の技術を紹介するなど読み物ページにも力を注いだ結果、200着以上を売る企画となった。

 集英社によると、「LEEマルシェ」は「エクラプレミアム」よりも客単価が低いものの、良質の商品を丁寧に提案したことや、スタイリング写真の出来栄えの良さもあり、「商品に納得できれば高額でも買ってもらえることが分かった」(同社)とする。

 トレンチコートの好調や、メルマガ経由の販売も寄与し、当該号は約1億1000万円を受注。「LEEマルシェ」の過去最高売り上げを更新したという。

 また、同社では新規顧客の開拓などを目的に、ファッション商材以外にも品ぞろえの幅を広げている。7月上旬にはスーパーの成城石井と集英社の通販サイト「フラッグショップ」がコラボし、同サイトで女子が好むビールを提案する取り組みを試したほか、カタログギフトのリンベルと「エクラプレミアム」との企画にも着手。10月号でギフトコンシェルジュの裏地桂子さんが厳選したエクラ別注を含むスイーツ13点を販売したのに続き、16年1月号では"おせち"にも挑戦する。集英社では"おしゃれ"をキーワードにカテゴリーを広げていくことは「エクラプレミアム」の読者にとって有益と判断。コンテンツ
のひとつとして"おしゃれな食"にも取り組む考え。

 なお、同社は16年5月期に通販売り上げ55億円(前年比約22%増)を掲げており、順調に推移しているようだ。 

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