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媒体研究(紙・電波) Archive

集英社 実店舗ビジネスを強化へ、システム投資や専任チームも

 集英社は、ファッション通販サイト「フラッグショップ」の実店舗展開を強化する。年内をメドに自社ECと店頭顧客の一元管理に向けたシステム投資を行う。また、実店舗の運営強化を図るために専任のチームを立ち上げ、オペレーションや接客などの充実につなげる。出版社が展開するリアル店舗のあり方を追求することで集客や収益化の多角化にも取り組んで常設店開設の布石とし、「3年後には通販部門の売り上げの10%を実店舗で獲得したい」(同社)としている。

 同社の店舗展開については、昨年は「フラッグショップ」の開設10周年を機に東名阪の商業施設でそれぞれ2週間~1カ月の期間限定店をオープンしたほか、今年は2月23日~8月2日までの半年弱にわたって東京のルミネ新宿ルミネ2に実店舗を出店した。

 同店では集英社のオリジナルファッションブランドだけでなく、「フラッグショップ」で扱う取引先アパレルのアイテムも充実させたほか、店内に4~5のコーナーを設け、各コーナーのテーマに沿ったMDを展開。3~4週間ごとにテーマと商品を入れ替えた。また、スタイリストや人気モデルを招いたイベントに加え、化粧品メーカーを誘致した短期間のインショップ展開を行うことで顧客の来店頻度を高め、継続的に売り上げを確保することを目指した。

 半年弱のルミネ新宿出店では、MDや物流などオペレーションの部分にはメドをつけたが、店舗とEC顧客の一元管理体制が不十分で、サービスのシームレス化には課題が残った。また、同商業施設に入る他店舗と比べて坪当たりの売り上げは悪くなかったようだが、「満足度はない」(同社)とする。一方、「店舗があることで選択肢も増え、さまざまな提案ができる」(同)とし、実店舗の伸びしろも同時に感じた半年だったという。

 そのため、店舗展開強化に向けて今年中をメドにシステム投資を行い、顧客の一元管理体制を整える。また、ルミネ新宿店では多くのスタッフが通常業務と兼務していたため、店舗専任チームを設ける考えで、リアル店舗に関して知見のある人材の採用にも着手する。ルミネ新宿店では店頭接客を販売代行業者に任せきりだったことも反省材料で、専任チームが販売代行との連携を深め、課題を共有することで接客精度の向上につなげる。

横浜に新規出店

 同社は9月21日、そごう横浜店3階シーガルコート(売り場面積約40平方メートル)に「フラッグショップ」の店舗を出店する。雑誌「LEE」などの読者が多いエリアであることや、通販顧客も東京と横浜が多いことから出店を決めた。まずは半年間の計画だが、長期出店も念頭に置いている。

 懸案のシステム面と組織面は新店を運営しながら整備を進める方針で、早期に課題解決できるかがポイントとなりそう。

 そごう横浜店では、人気雑誌「LEE」や「マリソル」「エクラ」のコーナーを設けるほか、デザイナーズブランドを扱う通販サイト「ミラベラ」のコーナーもリアル店舗では初めて本格展開し、知名度を高める。

 また、リアルの売り場においても"情報発信型ショップ"として定期的にスタイリストや人気モデル、エディターなどファッションのプロをゲストに呼んでイベントを開催。イベントの第1弾として、9月22日には通販誌「フラッグショップマガジン」最新号の表紙モデルを務める高垣麗子さんのトークイベントを行う。また、12月には、集英社の編集者で女子ひとり旅(ひとりっぷ)の指南本も出版する、ひとりっPさんのイベントや販売コーナーも展開する予定だ。

サン・クロレラ 専用デバイスを家庭に設置、飲用通知・見守り機能でサポート

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 健康食品の製造・販売を行うサン・クロレラが専用デバイスを使い、商品の継続利用を促す取り組みを始めている。デバイスを通じて商品の「飲用通知」を行うだけでなく、家族への「見守り通知」、顧客フォローまで行うもの。同様のサービスを展開する企業はまだ少ないとみられる。今年7月から提供を開始。近い将来、1万台の導入を目指している。

 新サービスは、「oneness(ワンネス)」。月額3700円(税抜)で専用タブレットとディスペンサー(=画像)をレンタルし、シニアの生活習慣をサポートする。

 各家庭に設置した専用機器は、別途購入したサン・クロレラ製品の飲み忘れ防止に向けた「飲用通知設定」ができる。あらかじめ時間と飲用量を登録することで、自動的に商品が用意される仕組み。商品は2種類まで設定できる。想定するのはサプリメント形状の商品だが、飲料も飲用通知のみなら利用できる。

 毎日の飲用のたびに家族など設定した相手にメールが届く「見守り通知機能」も搭載。シニアの一人暮らしなど、離れて暮らす家族や親族の不安解消につなげる。通知がない時に家族が警備会社を派遣できる「駆けつけサービス」もオプション(利用料は設定中)で加入することができる。このほか、ヘルスケア関連の事業を展開するSMSと共同開発した認知機能のトレーニングプログラムも搭載している。

 サービス展開にあたり、認トレ協会の指導員の認定を受けたコンシェルジュ5人(スーパーバイザー1人含む)からなる専任の顧客対応部門も組織。顧客からの問い合わせにタブレットを使った映像電話で対応する。

 現在、3カ月の無料期間を設けるなどして展開。「徐々に利用者が増えている段階」(同社)と、導入数は非公表だが、既存顧客へのダイレクトメールや対面で販売している。

 サン・クロレラは、新聞広告やウェブサイトを通じ新規顧客を獲得。全国に約30の拠点を持ち、広告の反響を受けて各エリアの担当者が顧客を訪問するなどしてフォローを行っている。

千趣会 グルメの通販冊子を発刊、SNS映えや時短グルメで自家需要を開拓へ

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 千趣会は8月30日、グルメカテゴリーで自家需要の開拓を狙った通販冊子「あなたの知らないベルメゾングルメ」(タブロイド判・8ページ、配布予定数15万部)を新たに発刊した。食品の通販市場は堅調な伸びを示しているが、同社ベルメゾン会員のグルメ購入者は2割程度にとどまっていることから、当該領域の認知を図るとともに、休眠客の掘り起しにつなげる。

 今回、同冊子を主管したギフト事業部のグルメチームは、中元・歳暮や母の日、父の日、おせち(※ディズニーおせちを除く)用の通販冊子などを展開しており、中元・歳暮といった儀礼ギフトは一定の売り上げ規模があるものの、同市場は縮小傾向にあり、今期(2018年12月期)からは自家需要の開拓を強化する。

 新媒体はフルタイムで働く女性や、健康に気を使いながらも美味しいものを食べたい女性などをターゲットとし、第1号では47点を掲載。巻頭では、ワケありのお買い得スイーツが盛り付け方やトッピングをアレンジするだけでSNS映えするオシャスイーツ企画を展開する(画像)。

 中面では通販サイトでユーザー評価が高いスイーツとパンの特集に加え、子持ちや働く女性向けの時短グルメ、ファミリー向けに大容量のグルメなどを、終面では大阪の老舗焼き肉店「大同門」による牛の部位食べ比べセットなどを提案する。

 これまで、通販サイト「ベルメゾンネット」のグルメカテゴリーは幅広い品ぞろえを重視し、目的がはっきりしたユーザーには都合が良かったが、ふらっと訪れた人には探しづらい部分もあったため、今回、ウェブで評価の高いグルメなどを紙媒体として展開することで訴求力を高めるとともに、グルメ商材の認知拡大も図る。

 「あなたの知らないベルメゾングルメ」の第2号は10月26日の発刊を計画。東京・大田市場で扱う果物や、年末の需要をにらんだカニなどを販売する予定で、バイヤーなどが取材した内容も盛り込み、売り手が見えるように工夫する。

 来期の発刊計画は未定だが、「あなたの知らないベルメゾングルメ」はターゲット層に即した品ぞろえとしつつも、第2号まではテストも含めやや商材の幅が広いようで、今後の購買動向を見極めながら、ページ構成やMDを修正し、19年度は少なくとも隔月で発刊できるようにしたい意向だ。

 千趣会は中期経営計画で専門店集積型の事業モデルを推進中で、グルメも強化領域として期待しており、ギフト事業部のグルメチームではスイーツや健康にもメリットがある食品、チルドや冷凍で届ける安心・安全の惣菜などを強化することで自家需要を開拓する。加えて、ベルメゾンオリジナル商品の開発にも着手し、他社のグルメ商材と比べて優位性のあるアイテムを展開したい考え。

【新生・京都きもの市場の戦略は?】 リアルの場で顧客接点拡大、着物のメディアサイト開設

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 着物のネット販売を手がける京都きもの市場は、8月1日にグループ会社で和装品の卸を手がけるタナカゼン商事と、着物の展示販売事業を行う京都シルクを吸収合併し新生・京都きもの市場としてスタートしたのを機に、通販サイトと実店舗事業、展示販売事業の3チャネルの連携を強化して成長につなげる。

 京都きもの市場では、すでに昨年8月から京都シルクの営業部隊を段階的に京都きもの市場の展示会チームに転籍させるなど、3社統合の準備を進めていたという。

 展示販売会は、京都シルク時代には小規模会場も含めて年間500回以上開催してきたが、今後は回数を絞り、従来よりも1・5倍~2倍の売上高が見込める展示会を増やすなど、効率運営につなげる。

 前期(2018年7月期)から京都きもの市場主催の展示会を増やしてきており、とくに都内など顧客分布の多いエリアではメルマガやウェブを介した通販顧客へのアプローチを強化。事前にウェブ上で時間帯別の来場予約を受け付けることで、来場者一人ひとりをしっかり案内できるようにしている。

 地方の展示会では、従来からのチラシやDMを活用した集客施策に加え、EC顧客への告知も行うことで地方会場の来場者数も増えているようだ。

 実店舗は、京都店と銀座店、福岡天神店に加え、今年3月に大阪梅田店と名古屋栄店を開設して5店舗体制になった。大阪、名古屋の新店は、オープン初月は開店セールもあって出だし好調だったが、安定した売り上げを確保するのには認知も含めて時間がかかるため、周辺地域にチラシを配布したり、リアルイベントも開催しながら来店者数を増やし、早期に単月黒字を目指す。

 同社では、着物を着用して楽しめるイベントを開くことで顧客接点を増やし、消費者の安心感や信頼感の醸成につながっていることから、他店の成功事例を横展開することも多いという。昨年11月に開設した福岡天神店でもイベントを積極的に開催しており、規模はまだ小さいものの顧客が定着しつつあるようだ。

 人気イベントは(着物着用時の)ヘアーセットのレクチャーや食事会、伝統芸能や和文化の体験会、コーディネート関連のワークショップなどで、着物を着る機会そのものを求めている顧客も多いという。

 今後はフェイスブックやインスタグラム、ツイッターなどのSNSを強化する。福岡天神店でLINE@をテストして消費者の反応が良かったため、銀座店でも5月に開催した都内の大型展示会に合わせてLINE@をスタート。LINE@の登録者には銀座店に来店すると帯留めをプレゼントする特典を設け、銀座店への送客も図った。

 一方の自社通販サイト「京都きもの市場」については、5店舗に広げた実店舗や展示販売会への送客を強化していることで純粋なEC売上高は若干弱含んでいるものの、EC会員を増やさないとリアルへの送客効果も薄れるため、「EC単体で勝負できるように事業の再強化が必要」(田中敬次郎社長)とする。

 そのため、ECで売り切れる商材、企画を強化するとともに、EC売り上げの貢献度を評価制度に盛り込むなどして担当者のモチベーションを高める。

 今期(19年8月期)は商品と集客の両面で取り組みを強化する。商品面では、ECと店舗、展示会それぞれの収益構造に適した品ぞろえにブラッシュアップを図る。集客面では多用しているチラシに代わる集客ツールの確立を目指す考えで、SNSやウェブコンテンツの強化に加え、ポスティングなども試す。

 6月上旬には、メディアサイト「きものと」を開設(画像)。オウンドメディアとして展開するが、あまり販売面を意識せずに、まずはブログやコラム、イベント、レッスン情報などを発信して着物に興味のある消費者との接点拡充に努める。

パル 店頭販売員を軸にEC強化、時代に合ったスタッフ育成へ

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 総合アパレル企業のパルは、店頭スタッフを基軸にしたウェブコンテンツの充実化やオムニチャネル戦略を推進することで、自社通販サイト「パルクローゼット」および店頭への送客力を高めている。

 同社の前期(2018年2月期)EC売上高は前年比52%増の110億2100万円と初めて100億円を突破した。とくに主力販路のゾゾタウン経由が約72億円(77%増)、自社ECが約20億円(48%増)と大きく伸びた。

 前期はECの販売計画に沿って在庫確保を徹底したほか、予約販売の活用や、販売好調商品については追加生産の判断を早めて迅速に再販できるように努めた。また、販売スタッフを起用した商品着用画像を自社で撮影・掲載する取り組みが本格化して2年目を迎え、各ブランドの世界観が正しく伝わっていることもECの伸びにつながったという。

 自社スタッフの活用については、昨年12月に人気の3ブランド「カスタネ」と「フーズフーチコ」「ルイス」の店頭スタッフが最新コレクションを着用して京都を旅するコンテンツを発信(画像)。ブログなどのフォロワー数が多いスタッフを中心に撮影旅行を行った。

 例えば、「カスタネ」のスタッフは自転車を借りておしゃれなコーヒー専門店やヴィンテージショップを訪ねたり、嵐山で人力車に乗ったり、竹林を散歩するなど、さまざまな京都を見せながらシーンごとのスタイリングを紹介した結果、同コンテンツは約10万人が訪問し経由売り上げが300万円を超えたのに加え、スタッフのフォロワー数も増えた。

 今期は、さらにスタッフに照準を当て、さまざまなブランドの人気スタッフが今着たいスタイリングを提案するコンテンツ「スタイル.」を今春からスタート。動画を使った手法も試している。

 今後は地方自治体などとタッグを組むことも視野にあり、コンテンツを同社スタッフが活躍できる場としてだけでなく、プロモーションとしても機能させたい考えで、すでに「カスタネ」が格安航空会社の「ピーチ」と組み、ブランドのスタッフが沖縄や台湾を旅行するコンテンツを展開したケースもある。

 また、今年3月には店頭スタッフからの要望で、ライブ配信事業者のショールームと組んだライブコマースにメンズブランド「ルイス」で挑戦しており、今後は自社通販サイト内でライブコマースを展開することも検討している。

コーデ画像経由の売上を評価へ

 パルでは、「今の時代に合った店頭スタッフを育成することで、店舗や販売員の価値を高めたい」(堀田覚WEB事業推進室室長)とし、ECでも自社スタッフを前面に打ち出す。

 6月には実店舗の販売員を軸にオムニチャネル化を推進するツール「スタッフスタート」を活用し、店頭販売員が自ら発信できるプラットフォームとして自社アプリを刷新。元々のアプリは店のブログとEC掲載商品を発信していたが、新たにスタッフをフォローできる機能を追加し、スタッフが投稿する情報をタイムラインで見られるようにした。

 これまでも自社のブログと、ファッションコーディネートアプリ「ウェア」のフォロワー数に応じてスタッフに特別手当てを支給してきたが、「スタッフスタート」では販売員が投稿したコーデ写真経由のEC売り上げが可視化できるため、今後はEC売り上げの貢献度も評価に加えていく方針のようだ。

 現状、ブログを含めたSNS利用のノウハウを共有するための勉強会を定期的に開いているが、今後も自社スタッフが店頭とECの垣根を越えて積極的にかかわるコンテンツを量、質ともに高めることで、コーデ経由売り上げを伸ばすとともに、スタッフに資産が貯まる仕組みを大事にする。

 インフラ面では、今年6月に自社通販サイトと実店舗の在庫情報を一元化。自社ECで実店舗の在庫を確認できるようにし、実店舗にも来店しやすい仕組みを作った。顧客のID・ポイント連携はこれからで、1~2年以内にはオムニ化を完成させる計画だが、店頭とEC双方の在庫引き当てなども含め、実際の消費者ニーズや費用対効果などを見極めて時期を判断する。

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