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企業動向 Archive

フィールライフの貝原利顕社長に聞く、紙媒体の立て直しと中期ビジョンは?㊤

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千趣会100%子会社として新設されたフィールライフは、3月1日付けで旧JFRオンラインが手がけていた「大丸・松坂屋通信販売カタログ」の事業を承継して本格的に始動した。フィールライフは利益体質の構築を急ぐとともに、主軸のファッションカテゴリーを中心に売り場の改善を図るほか、従来よりも少し若い層の開拓や単品通販への挑戦なども見据える。同社の舵取りを担う貝原利顕社長に、足もとの課題や中期ビジョンなどについて聞いた。


──社長就任の心境と意気込みは。

 「1年ほど前からJFRオンラインに出向していたため、厳しい経営環境にあることは承知していた。社名こそ何度も変わってきたが、『大丸・松坂屋通信販売』という屋号には歴史があり、新会社の社長として背筋が伸びる思いだ。ただ、あまり気負わずに、お客様のことをじっくり考えて取り組むべきことを迅速に行っていきたい

──組織・人員面は。

 「60人強の人員でスタートしたが、実は6割弱が大丸松坂屋百貨店からの出向者で、千趣会からは4割強になる。事業承継が急な話だったこともあり、既存顧客へのサービスをとめないためにも事業を熟知しているスタッフが必要だった。とは言え、千趣会グループとして事業承継する以上は千趣会からも相応のメンバーが不可欠で、いまの構成となった

──改めて、カタログ事業の特徴や強みは。

 「お客様については質の高い顧客が多いと感じる。70代前半が中心顧客のため、徐々に外出する機会が少なくなっていく中で、『カタログがないと困る』と言うお客様がいたり、『今まで通りがいい。変えないでほしい』という声もある。基幹カタログの『いい服・いい暮らし』は日本製の商品が比較的多く、素材や縫製を含めて品質は高い。食品の媒体『おいしさ自慢』も、百貨店屋号とのシナジーもあり、素材を生かした商品、本当に美味しい商品が多いことは強みだ

──JFRオンライン時代は減収がとまらなかった。

 「千趣会から出向する前は基幹カタログを年間25回発刊していた。カタログ事業は媒体を出すのに一番費用がかかる。利益が出ていないのに、売り上げの回復を目指してカタログをばらまいていた。これでは利益は出ないし、同じお客様に高い頻度でカタログを送り続けても離反を招くだけ。まずは利益面の改善を優先して、昨年の途中からは平均月1回に発刊回数を絞っている

──今期については。

 「発刊回数などは基本的に大きく変えない。利益体質の構築と並行して、MDなど事業の本質的な部分を強化していく必要がある。ただ、現状では顧客の購買情報などが蓄積し切れておらず、データマーケティングが行いづらい環境にある。物流や受注処理を含めた基幹の仕組みの高度化が喫緊の課題だ

──新聞の活用など新規開拓については。

 「カタログ通販の畑で育った身としては、程度は別にして新客開拓をとめてはダメだと思っている。ただ、ご高齢のお客様が多いとは言え、カタログだけで展開していくのは限界があり、中長期的なEC戦略を含めて考えていく必要がある

──媒体の再編や新媒体の計画などは。

 「アンケートを見る限り、いまの媒体を急激に変えると想定以上の離反を招く可能性もあり、ドラスティックに変えるべきではない。一方で顧客の高齢化は進むため、少し若い層の開拓には新しいカタログの発刊を考えていきたい」 (つづく)


ニッセン 〝大きいサイズ〟専門モール、売り場集約し利便性向上

 ニッセンは4月6日、大きいサイズに特化したファッションのネット販売モールを開設した。同社商品以外にも、国内39ブランドの商品を買えるようにした。これまで分散してきた大きいサイズアパレルを集めたモールを作り、さまざまなブランドの商品を比較しながら購入できるようにする。経営再建中のニッセンでは、大きいサイズなど特殊サイズアパレルに注力しており、モール開設を大きいサイズアパレル市場の拡大につなげるとともに、新たな収益源にする狙いだ。

 モールの名称は「Alinoma(アリノマ)」。ニッセンでは大きいサイズアパレルブランドとして「スマイルランド」を展開。同社のレディースアパレルが売り上げを落とす中で、同ブランドは売り上げを拡大しており、大きめサイズ通販の市場では圧倒的なトップとみられる。

 新モールは大きいサイズアパレルに特化したもので、東京スタイルやオンワード樫山、ラ・クープ、ストライプインターナショナル、エドウイン、イトキン、フランドル、ニッセンなどが参加。開設時点ではLサイズから最大10Lサイズまで、全39ブランドの商品が購入できる。サイト運営はニッセンが行う。目標とする流通額は非公表。

 大きいサイズアパレルを一つの売り場に集約し、買い回りしやすくすることで、単価やライフタイムバリューの向上を狙う。また、これまで大きいサイズアパレルの販売チャネルは分散しており、ターゲットとなる消費者にとっては商品が選びにくい状況だったことから、同社では「マーケットとしては成長の余地がある」とみており、モール開設により市場規模拡大や新規顧客開拓を見込む。

 また、大きいサイズ展開がないブランドや、3L程度までしか展開していないブランドに対しては、サイズアップ商品企画の提案や、生産受託によるサイズアパレル拡大を計画する。

 同日には、東京都港区の六本木ヒルズで、サイト開設を記念したPRイベントを開催。タレントのダレノガレ明美さん、お笑い芸人のバービーさん、お笑いコンビ・おかずクラブのほか、モデル15人によるファッションショーが行われた。

ニッセンHD脇田社長に聞く

「事業を大胆に変革」

022.jpgニッセン親会社のニッセンホールディングス・脇田珠樹社長(=写真)にモール開設の狙いを聞いた。

――ニッセン以外の商品も販売することになるが、需要を食い合う恐れはないのか。

 「その可能性は当然あるが、大きいサイズアパレルが揃った場を設けることで消費者に来訪してもらえるようになれば、結果としてパイは広がる。そうなれば、今までニッセンに見向きもしなかった消費者にも買ってもらえるようになる。クローズかオープンかという検討はしてきたが、ニッセンにとってクローズであることの利点は、消費者からすると不便でしかない。さまざまなブランドの大きいサイズアパレルが一つのサイトで比較できれば、それに勝る利便性はない」

――大きいサイズアパレル市場は成長の余地があるとのことだが、どの程度まで広がると見ているか。

 「LLサイズ以上衣料品を買う消費者の年間購入額と、それ以下のサイズを買う消費者の年間購入額を比較した場合、後者は2・5~3倍ほど多い。商品さえあれば需要は顕在化すると思っている。現状、LL以上衣料品の市場規模は約2000億円だが、これが3000億円になっても3500億円になってもおかしくない」

――モールを開設することで、ニッセンの売り上げも増え、さらに手数料収入も得られる。

 「そうだ」

――オリジナル商品の展開など差別化のポイントは。

 「現状、商品単体では差別化要因は薄い。まずは一覧性があり、アリノマに来れば商品が揃うという、売り場としての利便性が差別化要因。そこでしっかり消費者が集まれば、『これまで3Lまでしか開発していなかったが、アリノマには4Lまで提供しよう』というブランドが出てくるかもしれない。ブランドがやらなければ、当社が企画するなど、パートナーシップが生まれることもありうる。こういった形で、少しずつ独自の領域を広げていく」

 「大きいサイズアパレルを購入したい消費者が集まる場を作ることが重要だ。『ニワトリが先か卵が先か』という話にもなるが、そうなれば、ブランドもアリノマに対して商品を提供できる体制になってくる。それの繰り返しだろう」

――集客策は。

 「まずはアリノマの存在を知ってもらうことが重要。サイトの認知度を高めながら、ブランド数を拡大してきたい。そうなれば利便性が高まり、購入する消費者も増えるので、積極的にウェブ広告などで集客したい」

――リピート購入してもらうための施策は。

 「商品が充実しないとリピートはしてもらえない。ポイント制度の導入やモールとしてのセールなども考えたい」

――大きいサイズアパレル以外の衣料品事業はどうする。

 「今ある事業の中で、強みがあるカテゴリーは残して強化していく。これまでのように幅広く品揃えしていた『総合通販』というよりは、『専門通販の集合体』に変わっていく。その中で、よりネットにシフトしていく。カタログは決して悪ではないが、制作期間に1年以上かかってしまうため、ビジネスモデル的に世の中の変化に追いつけない。これを解決するには、ネットの売り場を主戦場として、カタログは販促媒体として残す。これまでとはカタログとネットの主従関係を逆転させる。発行規模についても、部数・ページ数ともにかなり縮小する」

――これまで取り組んできたことの延長線上にみえる。

 「もっと大胆に変革する。今まではやってきたつもりでも、結果としてほとんどできていなかった。既存のビジネスモデルにとらわれていたし、全体の事業モデルを変えないといけない。今回、セブン&アイ・ホールディングスの完全子会社となり、構造転換できるチャンスが生まれたので、大胆に事業全体を変えたい」

2016年度トクホ市場 6400億円で横ばい推移、通販市場は16%増で過去最高

 2016年の特定保健用食品(トクホ)の市場は、前年比1・1%増の6463億円だった。昨年横ばい推移にとどまったトクホの通販市場は再び拡大。同16・7%増の283億円となり、過去最高を記録した。構成比は4・4%と各流通の中で最も低い。日本健康・栄養食品協会(=日健栄協)が4月3日に発表した。

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「トクホの大嘘」の真実㊤  「大嘘は言い過ぎ」、消費者の問合せ「ほとんどない」

 2-1.jpg週刊新潮が2週に渡り「トクホの大嘘」と題し、トクホの効果を疑問視する記事を掲載した。難消化性デキストリン(以下、難デキ)の根拠論文などを挙げ、「トクホは国とメーカーによる壮大な消費詐欺」「脂肪吸収抑制はインチキ」と断じる。だが、記事にコメントを寄せるお歴々を見ると「健食否定派」のオンパレード。トクホ批判に「反響ないから」と、消極姿勢を見せる業界団体の腰砕けにも批判の声があがる。


「効果なし」断定も

 まず、記事を振り返りたい。記事は大きくトクホの効果の問題、根拠論文の質の問題、安全性の問題の三段構えの構成。一部論文をアカデミアなどに批判させた上、トクホ全体を指して「大嘘」と断定し、広告の誇大ぶりも指摘している。

 インパクトがあるのは、難デキに「脂肪の吸収を抑制する効果はない」と断定した部分。論文から、摂取群と比較対照群で排便量に2倍の差があるように見えるものの、排出されなかった脂肪量の差はわずか1・2%と山本啓一千葉大学名誉教授のコメントとともに紹介。同じく体脂肪に作用するケルセチン配糖体も摂取群と比較対照群の10・30平方センチという腹部脂肪面積の差も実際の変化は微々たるもの、と高橋久仁子群馬大学名誉教授のコメントで指摘している。作用メカニズムを検証する論文の質の問題にも切り込み、安全性はトクホにも多用される人工甘味料をあげ、科学ジャーナリストを名乗る渡辺雄二氏のコメントから健康被害の疑念が払しょくできないことを指摘している。


「針小棒大」に語る

 ただ、「大嘘」とまで断じてしまうことは議論を呼びそうだ。

 業界からも「データは決してネガティブなものではなく、効果も『どれだけ抑えれば良い』という話じゃない。より効くものじゃないと意味がないという話になるが、極端に効くものは逆に安全性の問題がある」(企業A社の研究職)、「あらゆる食事内容、状況を反映させた試験は現実問題できないのが研究の限界。こうした議論は起こるが統計的に有意差が出たことは尊重されるべき」(業界団体関係者)といった声が上がる。中には、「根拠の弱い論文を見つけてきて全体がインチキと針小棒大に語っている。『大嘘』は言い過ぎで虚偽誇大表示」(企業B社の研究職)といった声もある。


大反響?

 「大反響!」と銘打って第2弾を報じたものの、名指しで指摘を受けた企業への問い合わせは「ほとんどない」(キリン)、「それほどない」(サントリー食品インターナショナル)、「数件の問い合わせはあったが、国の許可を受け手順を守って販売していると伝えている」(アサヒ飲料)といったもの。「記事に対するコメントの予定はない」と声を揃える。

 すぐに反応したのは、難デキトップシェアの松谷化学のみ。「数字をいじくって見られているが、効果、作用メカニズムの信頼性に問題はない」とコメント。ただ、問い合わせがわずかであることから「当初抗議も考えたが、現状のままであれば収束に向かう」と話す。

 「メーカーと組んだ消費詐欺」と指摘された消費者庁も「とくに一部週刊誌の記事にコメントすることはない。トクホは消費者委員会、食品安全委員会などで専門家の意見を聞いて有効性・安全性を確認している」と、制度の適切性を説明。消費者に混乱が広がる懸念には、「記事を受けて、ということではなく(制度を)知らない人もいるので消費者教育はしなければいけない」と話すにとどめる。

 とはいえ、記事には注意が必要だろう。というのも記事にコメントを寄せる面々の素性など、多くの消費者は関心を持たないのだから。それこそ記事でも指摘される「バイアス」が生じかねない懸念があるからだ。   (つづく

リアルマックス、動画や商品説明で差別化

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リアルマックスは、ゴルフクラブやゴルフ用品の通販サイト「アトミックゴルフ」を運営している。2016年9月期の売上高は22億円に達するなど、業界での存在感を高めており、楽天市場の「ショップ・オブ・ジ・エリア(SOA)2016」中国・四国エリアに選ばれた。4年後には年商50億円を目指している。

 中古ゴルフクラブのフランチャイズ店からスタートした同社が、楽天市場に出店したのは2002年頃。ヤフーのネット競売「ヤフオク!」における中古クラブ販売でネット販売に参入した同社だが、楽天ではスタートからわずか3カ月で月商1000万円を達成したという。

 「当時は価格競争がそこまで激しくなく、価格を下げてたくさんの商品を掲載した点が成長の要因ではないか」(同社取締役本部長の槇田晴吾氏)。朝日ゴルフ用品のオリジナル商品を中心に、コストパフォーマンスの良い商品を多数取り扱うことで、売り上げを伸ばした。ネットの安売り店であることから「有名メーカーからは嫌われたこともあった」(同)が、あまり有名でないブランドの商品は、店舗で取り扱いが少ないことから、優先的に仕入れることができたという。

 現在は、新しいモデルの1つ前のモデル、つまり「型落ち」品を中心に取り扱っている、新モデルに比べると、すでに価格が落ち着いていることもあり、値下げ競争に巻き込まれることが少ないためだ。また、取り扱い商材のうち、クラブの比重が非常に高いのも特徴となる。メインの商材は、クラブやキャディーバッグなどをセットにした初心者用セット。近年はセット内容に関してメーカーから提案を受けることもある。「以前はゴルフ用のアパレルやゴルフグローブ、ゴルフボールなども多く扱っていたが、単価の低いものは取り扱いをやめるなど、かなり品数を絞った」(同)。

 例えば、クラブとグローブを同時に注文した場合、グローブの在庫がなければメーカーに発注しなければならないので、発送が遅れる。アパレルなどは利益率という面では高いが、単価は低い。出荷の数を減らし、注文単価を上げることで配送効率を高めているわけだ。ネット販売開始当初は80%が注文を受けてからの発注だったが、現在は80%が在庫商品を販売。価格競争に巻き込まれにくい商材をバイヤーが仕入れているという。

 競合との差別化という点では、商品に対するバイヤーのコメントや、クラブの説明動画、試打動画など動画掲載も積極的に行っている。また、購入客向けサービスとして、買ったクラブで試打した動画を送ってもらい、ワンポイントアドバイスをするといったものも考えているという。配送面では東京に物流センターを開設する予定で、全体の約40%を占める関東圏の顧客への配送日数が削減される。

 最近はネットでクラブを購入する消費者が増えているが、ゴルフ市場全体を見た場合、縮小傾向にある。「小規模なブームはあるがすぐに収束し、特に若い人たちはゴルフをやらない。ゴルフ場利用料が下がり、年配者がゴルフに行く機会は増えたが、クラブの売り上げは増えていない」(同)。ただ、クラブの価格も安くなっているため、ゴルフを始めやすい状況にはなっているという。

 そのため、同社では近年、レッスンスタジオを開設し、ゴルフ人口を増やすための取り組みも行っている。レッスンスタジオの会員向け優待などアトミックゴルフとのコラボレーションや、アトミックゴルフ顧客を集めてのゴルフコンペなども考えている。

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