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企業動向 Archive

楽天とヤフー 「アマゾン転売」を禁止

「在庫を持たず、事業者がアマゾンで代理購入した商品を直接消費者に配送」という転売手法を、大手仮想モールが規制していることが分かった。楽天は、他モールのURLしか書かれていない梱包物を禁止したほか、代理購入による転売が発覚した場合は厳しい措置を講じる。また、ヤフーも無在庫で転売している店舗は休店させている。

 一昨年頃から、「楽天市場やヤフーショッピングで商品を購入したのに、アマゾンから商品が届いた」という消費者の声がネット上で散見されるようになっている。これは、転売事業者が実際には商品を仕入れずに仮想モールに出店し、アマゾンで販売している商品を登録。消費者から注文が入ってから、アマゾンでその商品を無断で代理購入し、消費者の住所に価格入りの納品書が同封されないギフト扱いで発送する、といった手法を使った商売。自社では商品を仕入れることなく転売している。アマゾンでの販売価格よりも、仮想モール店舗での販売価格を高くすることで利ざやを稼いでいるとみられる。

 事業者がアマゾンにも出店している場合、「FBAマルチチャネルサービス」を使えば、アマゾン以外の販路で扱う商品の出荷や在庫管理をアマゾンが代行する。ただ、ギフトには対応しておらず、ギフトで届いた場合は、アマゾンで代理購入した可能性が高い。

 当該店舗の方が価格は高いが、仮想モールが実施するポイントセール時などは、アマゾンで買うよりも得になるケースも考えられる。ただ、個人情報を別の事業者に渡している問題があるほか、初期不良など商品に瑕疵があった際にどうするのかという問題もある。

 楽天では2月2日、他の仮想モールが記載されたものや、自社サイトのURLだけが記載されている(自社の楽天市場店URLと併記されていない)梱包物や同梱物を使うことをガイドラインで禁止。4月30日までは猶予期間となるが、以降はルール違反を犯した際に点数を付与し、累積点数で罰則を課す「違反点数制度」の対象となる。

 「楽天で注文したのにアマゾンのダンボールで商品が届いた」といったユーザーの声が同社にあり、これに対応したという。同社でも「アマゾンでの代理購入による転売」で商売している店舗が存在することは把握しており、発覚した場合は退店も含む厳しい措置を講じる。明確に実態が把握できない場合も、アマゾンのロゴが入ったダンボールを使う事業者にはペナルティーがある。

 一方、ヤフーでもこうした事業者を規制しており、判明した場合は休店させているという。

鶴見知久社長に聞く、スクロールの今後の行方は? 「紙のビジネスは非効率」 個人向けカタログ通販から撤退

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スクロールは2月28日、通販サイト「スクロールショップ」と「ブリアージュ」を閉鎖する。ブリアージュについてはカタログ通販も終了する方針で、今後は生協向けブランドとして特化する。すでに2016年度は家具・雑貨カタログ「生活雑貨」も発行しておらず、事業運営を子会社に移行している。今後、化粧品や健康食品、ブランド品などの個人向け通販は子会社が手掛け、スクロール本体は生協向け事業に注力する。鶴見知久社長に聞いた。

個人向け通販事業においてカタログ通販をやめる理由は。

 「一言で言えば非効率的なビジネスだから。紙のカタログを発行して、インターネットでも注文を取るという形態は、もはや個人向け通販では成立しない。少なくとも、当社程度の顧客リスト数だと、効率化にも限界がある。当社のカタログ発行数はもともと200万~300万部程度であり、これを50万部まで絞り込んでも採算が合わないということになれば、撤退せざるを得ない」

 中高年女性向け衣料品を扱うブリアージュは4年前に立ち上げた事業だが、当初は好調に推移しているとしていた。

 「立ち上げ当初は顧客拡大期として、ボトムラインを気にせず投資することができたので、アクティブ会員の獲得は計画以上の数字となった。ただ、その投資を続けながら会員を増やすという段階に至っては、紙のカタログという存在が効率化を阻害していた」

 中高年層であれば紙のカタログに親和性があると見込んだ部分もあったと思うが。

 「年齢はあまり関係なかった。最終的には当社が提案する商品の価値というものが、予想していたよりも顧客に受け入れられなかったということに尽きる。コストを費やしてカタログを発行し、回収するというビジネスモデルに関して、効率を高められず、さらにはそのモデルにマッチした顧客開拓についても、採算が合わなかった」

 生活雑貨については。

 「カタログは廃止しているが、事業運営は子会社のスクロールR&Dに移行しており、ネット型ビジネスとして再スタートした」

 F1層向け通販からも14年に撤退しており、今後アパレル事業は生協向けに特化し、本体のスクロールでも個人向け通販は扱わない。

 「そういうことになる。個人向け通販は効率化の波に飲まれてスクロール本体からは無くなった。その一方で、子会社ではネット販売を中心に個人向け通販が存在感を高めている」

 1月30日には化粧品ブランド「24hコスメ」を展開するナチュラピュリファイ研究所を買収したが、今後のM&A方針について。

 「大きなくくりでいえばネット販売、商材でいえば化粧品・健康食品重視ということになる。他にも、ソリューション関連において、物流システムやプロモーションに関わる会社がM&Aの対象となる。ネット販売についても、当社が得意とする分野であれば商材を選ぶつもりはない」



千趣会・今期の重点施策は? ベルメゾンの構造改革断行

 千趣会は、2016年12月期に通販が全セグメントの中で唯一、赤字となったことを受けてテコ入れを強化する。

 通販セグメントは主力のベルメゾン事業が不調なため、今期は構造改革に重点を置き、「(ベルメゾン事業は)減収を覚悟で過去最大のカタログ部数削減に着手する」(星野裕幸社長)とし、とくに苦戦しているファッション系の媒体を統合することになるようだ。

 千趣会では、「1年近く前に企画を固め、自社で在庫を抱えて販売するというカタログのビジネスモデルは将来が見通せない」(同)として縮小する方針で、カタログを好むユーザーには、よりスペシャリティの高い媒体に絞って展開することでレスポンス率を高める。

 一方、前期はネット受注件数比率が通期で初めて80%を超えたものの、カタログ依存の体質が抜け切れていないため、「ネット企業らしい業務フローにできるだけ早く切り替える」(同)とする。

 一環として、これまで消化率の低い商品はカタログの業務フローの中で値下げしていたが、1月1日付けの組織変更により、ECの販売部隊が機動的に価格を変更して売り切る体制とした。

 今冬は、あったかインナーの「ホットコット」や、毛布や掛け布団などを展開する「とろける」シリーズなどが好評だったが、在庫を抑え過ぎたこともあり、欠品が相次いだ。新しい組織では商品カテゴリーごとに品ぞろえと在庫管理の責任の所在を明確化。ネット需要期の在庫コントロールを徹底して消化率改善と売り逃し防止に努める。

 また、ネットでも支持される通販を目指し、MD面ではカテゴリーごとに品ぞろえのバランスをとっていく。これまでは売り上げの約7割を占めるオリジナル商品にこだわり過ぎた部分があり、オリジナルで作れない商品カテゴリーは品ぞろえが薄くなるなどの弊害があったようで、消費者の要望に応えられる魅力的な売り場を目指す。

 ファッション分野を中心に不足する商品群は、ナショナルブランドで品ぞろえを補完。その際、主要顧客層である"育児ママ"というターゲットを明確にしたMDを組み、「ベルメゾンとしてのセレクト感をしっかりと出していくことが大事」(星野社長)とする。

 一方、中長期経営計画で新たなターゲット層に設定したシニアへのアプローチについては、このほど100%子会社のフィールライフを設立。JFRオンラインから「大丸・松坂屋 通販販売カタログ」を軸としたシニア女性向けの通販事業を譲り受け、3月から運営を始める。

 当該事業の中心顧客は70歳前後で、通販カタログが有効な年齢のため、ベルメゾンで長年培ったノウハウも活用できる。また、ベルメゾン会員と比べて客単価が高いこともあり、「チャンスは十分にある」(同)とする。実際、前期は大丸松坂屋百貨店でも展開するオリジナルファッションブランド「ケイカラット」の商品を提案し、よく売れたという。

 加えて、千趣会は百貨店による販促支援を前提に同事業を継承したようで、百貨店カード会員へのアプローチを行いたいほか、将来的には百貨店外商顧客へのアプローチもあり得るとしている。

 新会社のフィールライフではカタログ発行部数の適正化を図るほか、JFRオンライン時代の物流やコールセンター、システムなども順次、千趣会の持つインフラに切り替える方針で、それらがすべて完了すればコスト構造は大きく改善されるという。

変わる表示規制、忍び寄る「保健所」の監視③ 変わるロジック、健康イメージ「全体印象」で監視

 健康食品が最も注意すべき表示関連法は、薬機法(旧薬事法)と景品表示法だ。だが、健康増進法も消費者庁への移管以来、「広告」を判断する3要件のうち「商品名の表示」を絶対条件とせず、「顧客を誘引する意図」をより重視するよう"景表法仕様"に変わっている(本紙1592号既報)。以降、運用のしやすさが格段にアップしている。

与えられた役割

 健康食品を監視する各法を横並びでみると、薬機法は医薬品的効果の暗示など「NGワード」が明確だ。景表法も「優良・有利誤認」を規制するなどその対象が明確。事業者も禁止事項が判断しやすい。その反面、「いわゆる健食」が得意とする"健康イメージ"のようなあいまいな表現の監視は行いにくい。そこで健増法の役割として重視されたのが「全体印象」の監視だ。健増法と景表法の一体的運用は、消費者庁に「食品表示対策室」が設置されて以来の課題とされてきた。消費者庁は、いかにしてその執行スキームを作りあげたのか。

イメージの監視

031.jpg 昨今、景表法処分が相次ぐダイエット健食の「痩身効果」と、昨年3月に行われたライオンの「トマト酢生活」に対する健増法適用を比べると分かりやすい。

 ダイエット対応の健食を飲んで「○週間で○キロ痩せました」というのは、景表法の「不実証広告規制」で取り締まりやすい。ダイエットは「食事制限や運動を行うことなく痩せることはない」というのが専門家の確定的評価。行き過ぎた表現をすれば事業者が根拠を提出しても十中八九認められない。

 一方、景表法の弱みは莫とした健康イメージからくる誤認を取り締りにくいことだ。「トマト酢生活」は、血圧の低下作用の科学的根拠が認められているれっきとした「トクホ」。「『血圧低下作用』といったところで国がその根拠を認め、『50・60・70・80代の方に朗報』などそれ以外の表現もこれが"著しく優良か"というと該当しない」(行政の元執行担当官)。

 一方、健増法の特徴は「診療の機会を逸する」など国民の健康に影響を与えるものについて「著しく誤認」するものを取り締まることができる。「50・60~」「薬に頼らず食生活で血圧対策」といった複数の表示からくる全体的な印象が"医者いらず"を想起させるとして健増法の要件に合致した。

指導中心の運用

 健増法の運用で断トツの指導実績を持つみなと保健所の担当者は「やはり有名人を使って若々しいイメージで訴求すると、無名の方が勧めるより効果的。有名人や疾患を抱えた人が"これ飲んでます"みたいなものは誤認を与える可能性が
高い。使い方によっては誇大広告になる」と話
す。

 問題はその指導に法的根拠があるか、という点だ。「指導担当は事件担当より違法性の判断基準が低い」というのが前出の元執行担当官の見方。指導を受けた事業者は「行政訴訟に発展したら行政側が違反を立証しうる論拠をもてるのか」と行政指導の乱発に警戒感を持つ。

 ただ、健増法の執行ステップは法的拘束力のない「勧告」、これに従わない場合、拘束力を持つ「命令」となる。行政指導、勧告段階では事業者は究極的に従う必要もない。いわばプレッシャーとしての運用だ。「法的拘束力のない指導を訴訟で争うのは難しい」(元執行担当官)と話すように、手軽に誇大広告に対する表示是正が図れるわけだ。

 「消費者庁からは指導に力を入れて、と言われている」(ある保健所の担当者)というが、厳密な認定を必要としない指導中心に運用を拡大していく狙いがあるとみられる。そうなると全国に480もの監視網を持つ保健所の存在が絶大な威力を発揮してくることになる。(つづく)

変わる表示規制、忍び寄る「保健所」の監視② 切り離された"薬事"

 健康増進法の「虚偽誇大広告の禁止」に基づく執行権限の移譲後、消費者庁はその迅速な運用を目的に指導指針を改定した。以来、保健所による指導が活発化しているがそれにはワケがある。「広告の定義」が大きく変わったのだ。


健増法では「ダメ」

 「消費者庁からは"薬機法(旧薬事法)に引っ張られすぎー"と。でもなぜと。薬機法には広告と判断する『3要件』がある。商品名がないなら、それは表現の自由じゃないかと」。保健所で健康食品の監視を行うある担当者はこう振り返る。

 担当者が言う3要件とは、薬機法上の広告の定義のこと。「顧客を誘引する意図」「特定の商品名の表示」「一般人が認知できる」という要件をもって広告とみなすものだ。だが、健増法上の広告の定義は異なるという。どういうことか。


消えた3要件

 「過去に商品名がなく、(健食原料の)機能をうたうものがあった。でも表示するような機能の科学的根拠はある。"それなりの根拠だし、企業広告だからいいか"と思ったら、だめだと。それが健増法を運用する上での大きな違い」(前出の担当者)という。

 実際、健増法の「虚偽誇大広告の禁止」を巡る三つの指針を見比べてみると、03年、厚生労働省が策定した当時のまま残る一つ(※1)を除き、昨年6月に改定した「健食留意事項(※2)」など2つの指針では「顧客を誘引するための手段として行う(もの)」を広告とする判断が示され、そこに3要件の記載はない。すべての指針から3要件が消えたわけではないものの、「広告の判断は薬事ではなく、むしろ景表法の考え方が反映されている」(同)と話す。


健増法で「拾える」


 厚生労働省関東信越厚生局管区内の執行担当官を集めて行われた研修会では消費者庁がもう一つ、重要な見解を示している。「企業広告」の定義だ。

 内容は、『企業のイメージ向上を目的としたもので自社商品とまったく関係のない、例えば環境問題等への取り組みなどを広告すること』というもの。一方で、『(広告に)商品名がなくても消費者がその会社が製造している商品であることを容易に認知できれば、当然、その会社の商品と関連づけ、結果としてその広告には顧客を誘引する効果が認められる。よってそのような広告は商品広告とし、根拠がなければ健康の保持増進効果を表示してはいけない』としている。出席者によると、消費者庁はすでに14年頃、こうした見解を示していたという。

 薬事法は、商品名がないことをもってこれを広告とせず、一切見ない。だが、健増法ではその抜け穴をついて誇大な表現をする広告を拾えるというわけだ。


溢れる「商品広告」


 消費者庁に尋ねても広告の定義は「(薬事法と)異なる」とする。実際、その解釈に近いものとして昨年3月、消費者庁が景品表示法に基づく措置命令を下したココナッツジャパンを例に挙げる。商品の販売サイトのリンク先で認知症やガン予防をうたっていたもの。処分は景表法だが、程度の差こそあれ「商品」と切り離しつつ、巧みに消費者に訴求する広告は巷に氾濫している。

 保健所の担当者は「例えば乳酸菌を扱っている会社が商品名を出さず機能をうたい、『企業広告だから』と。確かに薬事はクリアしている。けれど乳酸菌などは○○社の××菌と、独自の菌名がそのまま商品名になっているところもある。そうなるとまさにあの商品を連想させるじゃないかと。そこに顧客を誘引する狙いがあれば商品名がなくても科学的根拠がなければアウト」と、健増法上の解釈を話す。

 科学的根拠も「例えばヒトを対象にした立派な論文がある。けれど機能を得るには5リットル食べないといけない。商品名のない広告なら5リットル必要だろうが、薬事の観点からは得られた研究成果ならウソじゃないじゃんと。でも健増法上『商品広告』にあたれば、もっと食べなきゃというのは根拠といえない」。



 これまで表示規制法といえば「何人も」を対象に疾病の予防など明らかなNGワードを規制する薬機法、「表示主体者」を対象に課徴金を導入した景表法だった。だが、保健所など地方自治体のスケールに合わせ、両法からこぼれ落ちる広告に対応可能な健増法という新たな取締り手法が確立したことで、健食の規制対象の範囲は大幅に広がる。 (つづく


※1 食品として販売に供する物に関して行う健康保持増進効果等に関する虚偽誇大広告の禁止及び広告適正化のための監視指導等に関する指針

 健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について

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