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企業動向 Archive

オイシックスと大地を守る会 今秋に経営統合へ、自然食品宅配のトップに

 2-1.jpgオイシックスと大地を守る会は今秋、合併し経営統合する。2月末をメドに株式交換を行う予定で、オイシックスを一時的な親会社とし統合に向けた協議を進めていく。統合後の社長は高島社長が続投し、大地を守る会社長の藤田氏が会長に就く。オイシックスと大地を守る会の2015年度の合計売上高は337億2000万円となり、売上高223億円でトップだったらでぃっしゅぼーやを抜き食品宅配マーケットのトップ企業が誕生する。

 2月末にオイシックスを親会社とする株式交換を行う。大地を守る会株式1株に対し、オイシックス株261株を割り当てる。オイシックスの持つ自己株式26万42株を充て、残りは新たに発行する普通株式で対応する。株式交換後はオイシックスの高島社長と新宮歩執行役員が、大地を守る会の取締役に就く。一方、大地を守る会の藤田社長はオイシックスの取締役に就任する。オイシックスは上場を維持する。

 経営統合後は、既存のブランド「Oisix」と「大地を守る会」は存続する方針。オイシックスは中期成長戦略の中で「さまざま年代の幅広いニーズに対応し圧倒的ナンバーワンプレイヤーに成長する」としていた。40代以降の中心顧客層とする大地を守る会の顧客基盤を取り込み事業拡大を目指していく。

 一方で、大地を守る会はウェブを中心に30~40代の新規客獲得を進めてきたが、顧客の定着率に課題を残す。オイシックスのノウハウを活用し、新規客の獲得を強化するもよう。

 統合後の定期顧客数は「予想していない」(大地を守る会)としているが、昨年9月末時点の定期顧客数はオイシックスが約12万人で、大地を守る会が約10万人となるため単純に合算すると約22万人規模となる。ただ、業界関係者は「顧客の一部は重複しているとみられる。売り上げ規模に対して、顧客リスト数はそれほど大きくはならない」(食品通販A社)と予想する。

 新規客獲得については、30~40代の獲得に課題を持つ大地を守る会にとって、オイシックスのマーケティングノウハウの活用に期待する。食品通販を行うB社は「オイシックスはゲームを取り入れて、商品特長を生かした独特の商品名で興味を喚起しており、初回注文の申し込みまでの導線作りが上手」(担当者)と評価するためだ。

 ただ、ウェブで商品力を活かした新規客獲得を行う場合には、商品開発とマーケティングなどの関連する部門間の連携が不可欠。ウェブを強化している企業であっても、折込チラシやカタログを展開し成長してきた企業は、"紙"を重視する文化が根強く残っている場合が多い。ウェブを中心に部門間の連携を目指す中で、紙を重視しがちな企業文化が足かせになる可能性がある。このため、ウェブでの新規客獲得で一定の成果を得るまでに時間がかかる可能性がありそう。「まずはオイシックスのノウハウを活かして、通販サイトのページを見直しから着手していくのではないか。早期に購買率が飛躍的に上がる可能性がある」(同)とする声がある。

 一方で、経営統合で物流センターの運営やサプライチェーンの構築、資材調達などの共通化をすすめ、運営コストの効率化を図っていく。

リネットジャパングループ、東証マザーズに上場

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中古書籍・CD・DVDなどを販売する通販サイト「ネットオフ」などを運営するリネットジャパングループは12月20日、東証マザーズに上場した。公開価格の1830円に対し、初値は約93%上回る3530円に。初日の終値は3150円となっている。調達した資金は、主にシステムや物流センターに使う方針。

同社は「ネットオフ」の「ネットリユース事業」のほか、「リネット」ブランドで小型家電回収サービスを提供する「ネットリサイクル」事業を展開。2016年9月期の売上高は、前期比15・6%増の37億2900万円、営業利益は同31・8%増の1億5000万円、経常利益は同60・3%増の1億7100万円、当期純利益は同55・8%増の1億4900万円だった。

 売り上げの中心はネットリユース事業で、16年9月期の売上高は同10・0%増の35億400万円、営業利益は同14・5%増の2億2300万円。14年から開始したネットリサイクルの売上高は、同5・2倍増の2億2500万円、営業損益は7200万円の赤字(前年同期は8000万円の赤字)だった。

 単価の安い書籍を中心に扱うネットリユース事業では、トヨタ生産方式を導入したローコスト運営を展開。また、書籍のほかCD・DVD、ゲームソフト、服、バッグ、携帯電話、カメラ、楽器、フィギュアなど幅広いジャンルをワンストップで買い取る点や、年25回以上の高在庫回転、人気商品における同業他社以上の高価買取を強みとしている。

 一方、ネットリサイクル事業は13年4月施行の小型家電リサイクル法で許認可を取得。佐川急便とも提携している。データの取り扱いに不安を持つ消費者が多いパソコンを中心に、小型家電を宅配便で回収している。小型家電リサイクル法の認定免許があるため、一般廃棄物及び産業廃棄物処理について、全国約1700の都道府県・市区町村ごとの許認可が不要という特例を受けている。また、全国89自治体(うち政令市13)と提携、行政サービスの一環として広報誌やゴミ分別表などを通じて宅配回収の告知を進めている。

 同日、記者会見した黒田武志社長は「成長のドライバーとして期待しているのはネットリサイクル事業。売り上げはまだ小さいが、今期は黒字転換を見込んでいる」などと話した。

12月20日に東京証券取引所で記者会見した黒田武志社長(=写真)との一問一答は以下の通り。
 初値への感想は。

 「思っていた以上の初値となり、期待していただけるのは嬉しいが、その期待に応えなければいけないということで、身が引き締まる思いだ」

 書籍を中心として扱う通販サイトとしては、ブックオフコーポレーション子会社の「ブックオフオンライン」やエーツーの「駿河屋」などが競合となるが、優位性は。

 「本やゲーム、CD・DVDにおいては競合となるが、当社の特徴は総合戦略を取っていること。リユースの通販サイトはカテゴリー特化型が多いが、当社は本から始まりブランド品や服、フィギュアなどありとあらゆるものを買い取っている」

 最近はオークションのほか、「メルカリ」のようなフリマアプリの利用が広がるなど、C2Cも競合となっている。

 「C2Cについては、スマートフォン時代になる前からトライしていたし、関心を持っている。ただ、今から『メルカリ』を追いかけるのは難しいので、違うモデルにチャレンジしたい」

 アマゾンの「アマゾンマーケットプレイス」経由の売上高が全社売上高の約48%を占めている。手数料値上げなどのリスクをどう考える。

 「当初は自社サイトが売り上げの中心だった。今後は手数料にあまり影響を受けないようにするために、もう一度自社サイトをパワーアップしたい」

 2010年にカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と資本業務提携しているが、現在の関係はどうなっている。

 「CCCとは『Tポイント』で連携している。ただ、資本関係については、上場を視野に入れた際、ベンチャーキャピタルにCCC保有株を引き取ってもらい、現在は資本関係はない」

 O2O関連の取り組みは。

 「リユースの分野でもリアルとネットの融合というモデルが出てきているので、当社も新規領域として研究している」

ライオンの山崎久生ウェルネス・ダイレクト事業本部事業企画部長に聞く、今期2ケタ増収を確保、100億突破、制度活用で再成長

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ライオンが特販事業本部傘下にあった通販事業を事業本部として独立させた。2015年を初年度とする中計で新規事業として成長を求められる中、今期(16年12月)は、売上高が前年比20%前後の増収(本紙推計で116億円前後、ギフト通販を含む)で着地する見通し。数年ぶりに100億円の大台を突破する。成長の背景を山崎久生ウェルネス・ダイレクト事業本部事業企画部長に聞いた。



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ファンケル化粧品 「無添加」接点を転換、共感マーケで新規接点を創出

031.jpg ファンケル化粧品が新規顧客へのコミュニケーションを大きく変えている。主力スキンケアで「無添加」の価値を前面に打ち出すこれまでのプロモーションを転換。30~40代女性の共感を集める漫画家とのコラボレーションや、くちコミなど周囲の評判を高めることで接点のなかった顧客との接点創出を図っている。

企業スタンスの価値発信変える

 主力スキンケア「アクティブコンディショニングEX」は昨年9月にリニューアル。以降、新規獲得を強化している。

 1年目は「無添加」が生み出す価値である"自活力(肌が自らきれいになろうとする力)"をキーワードにコミュニケーション。女性誌を中心に広告展開を進めた。

 一方で課題も生じた。従来のプロモーションは、企業スタンスで伝えたい価値を発信する構造になっていたことだ。

 "自活力"は「安心・安全」や、肌への優しさなど、そもそもコンセプトに共感してきたコア層には響く。ただ、これまでファンケルへの関心が薄かった層には具体的な機能が分かりづらく、購入まで至らない顧客がいると分析した。

30代女性支持の漫画家とコラボ

 課題を踏まえ、2年目を迎えた今年9月からのプロモーションでは、対象となる潜在顧客の間口を広くとる。"30代あるある"などをテーマにした漫画でその世代の共感を集める漫画家、東村アキコ氏が描く「東京タラレバ娘」とコラボレーション。キャンペーンサイトやSNSなどウェブ、交通広告、雑誌などメディアミックスで展開した。

 伝えたい機能は、30~40代女性の悩みである「ハリ」や「弾力」をサポートすること。この機能を代弁するキャラクター「おアゲ」を描き起こしてもらい、これを軸にコミュニケーションを展開した。「肌が、下りのエスカレーターに乗ってしまった」「信じたくないが、下がってきた気がする」など下がってきた肌の心理をつくようなコピーで肌を上げることをサポートすることをイメージさせる。

話題や評判をSNSで拡散

 フェイスブックやLINEなどSNSの活用が広がる中、そこで評判や話題に上がるスキンケアとなることも目指した。

 「東京タラレバ娘」とのキャンペーンサイト(=画像(上))では、「自分の肌状態」や「(ショッピング、焼肉など)テンションが高まる行動」など複数の質問に答えることで回答に応じて肌診断や「東京タラレバ娘」のタッチで描かれた自分のキャラクターが作れるジェネレーター(プログラムの生成を行うもの)を展開。回答に応じた4コマ漫画(=画像(下))も生成され、遊びながら自然にスキンケアや会社に関心を持ってもらうことを狙った。

 「@cosme」などくちコミサイトでの評価も目指した。美容ブロガーに商品を使ってもらうなどくちコミ評価を増やし、過去、圏外だった「化粧水」ランキングでは10位以内に表示されることも増えている。こうした購入の後押しをするプロモーションを集中して展開した。

主力スキンケア2ケタ近い伸び

 ジェネレーターの利用増でSNSはフェイスブックのシェア件数が想定以上に上がるなど成果も出ている。また、ウェブや折り込みチラシで展開する通常のレスポンス広告の獲得効率も前年の水準を超えて高まっている。

 「アクティブコンディショニングEX」の売り上げは前年比2ケタに近い伸長率で推移。新規獲得顧客は計画比2ケタ増で伸びている。こうして獲得した顧客にファンケルの美容理論や「無添加」の価値・機能を伝えるコミュニケーションを展開していく。

 来年には「東京タラレバ娘」のドラマ化も決定。企業側から一方的なアプローチで行う"商品ありき"のプロモーションではなく、ターゲット世代の女性の共感を呼ぶマーケティングを強化していく。

ブランド〝進化〟へ、オルビスの挑戦㊦ カタログを刷新、「個の集結」からテーマに一貫性

 オルビスによるブランド戦略の刷新。顧客コミュニケーションで大きな役割を果たすことになるのが通販カタログ「hinami(ひなみ)」だ。9月号から媒体特性に合わせて役割を明確化。ブランドの世界観の打ち出しを意識していく。


編集方針を変更役割を明確化

 かつてのカタログは1ページごとに販売目標を立て、担当者を決めて編集していた。いわば「個の集結」。読み物としてのリズムよりページごとに主張し合う原因になっていた。データやグラフを多用したり、薬事法に抵触しない表現に頭を捻らせ「逆に安っぽい広告になってしまうジレンマもあった」(同社)という。ブランド再構築を象徴する「ORBIS=U(オルビスユー)」の発売以降、中心顧客層の年齢も徐々に高まっている。より美容感度が高く購買力のある層と継続的な関係を構築していく上でも割引施策中心の結びつきではなく、ブランドの世界観への共感が必要だと考える。

 こうした背景から9月号から編集方針を変更。個々の販売チャネル・媒体特性の役割を見極め、施策全体で販売していく体制に変えた。

 デジタルでもブランドコミュニケーションは意識する。ただ、「メールやSNSはどうしてもスピード感や要点を押さえた情報発信が必要」(同)。一方のカタログは購入の有無に関わらず、多くの顧客に月1回届く。最も購買以外のコミュニケ―ションに可能性を持った媒体といえる。


"商品ありき"から魅力的な読み物に

 カタログは前半が特集企画など読み物。後半が商品カタログで構成する。これまで"商品ありき"の編集だった誌面もテーマに一貫性を持たせる。

 例えば昨年の10月号。中高齢層向けの「ORBIS=U encore(アンコール)」を訴求。巻頭では「『重力ライン』ケア、始めよう!」と打ち出し、巻末でも機能面を細かく紹介するなど複数ページに渡り特集を組む。ただ、読み進めると次にくるのは「キレイな人はやっている『温活』の真実」という企画。保温性のあるソックスや入浴剤を紹介するなど、ページごとに企画は分断されていた。

 一方、今年の9月号は「変わる人は、美しい」がテーマ。「色の冒険で『新しい顔』を楽しむ(メイクで変わる)」、「丁寧なケアが生み出す『新しい肌』(肌を変える)」、「美しさと健康の決め手!『骨盤ケア』(からだを変える)」といった企画で読み物としての面白さを維持しつつ、リップやスキンケア、補整下着といった商品をさりげなく紹介する。商品カタログも、これまでは機能を細かく紹介。ただ、情報量が多過ぎるとの仮説から絞り、掲載商品は従来から1・5倍ほどに増やした。


「情報を見ていない」という仮説

 「ただブランドを傷つけていくだけ」。オルビスがブランド戦略の強化に舵を切る背景には、ここ数年の市場の変化がある。

 かつてカタログ通販全盛の時代、顧客は毎月届くカタログで"仮想ショッピング"を楽しんだ。当時は総花的に幅広く情報を集められるカタログに価値もあった。

 だが、今では通販広告もさまざまな肌悩みで訴求し、あらゆる企業が「新規成分」「独自成
分」など化粧品や健康食品の機能を競い合っている。

 ネットを見れば美容やファッションの情報があふれ、そうした中でSNS世代と呼ばれる若年層は"誰かに勧められていいと思えば購入する"など商品や情報を吟味しなくなっている。その中で、機能やインパクトで短期的な売り上げを追うのではなく、カタログでは企業のものづくりに対する姿勢やコンセプト、ブランドの世界観など情報に独自の価値を持たせ顧客と結びつくことを目指す。  (おわり

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