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企業動向 Archive

ベルーナ ヤマトの運賃改定受け今秋にも送料値上げへ

 ベルーナの2018年3月期総合通販事業における営業利益は、前期比約9%減の40億5000万円となる見込み。ヤマト運輸の運賃値上げを受けて、秋から送料値上げを行うほか、コスト削減を実施するものの、減益となる見通し。連結では他の事業がカバーし、同19・5%増の130億円と増益を見込むものの、カタログ通販やネット販売の収益減は避けられない見通しだ。

 同社では現在、1回の注文額が税別5000円以上の場合は送料無料、同5000円未満の場合は同390円の送料を徴収している。ヤマト運輸の運賃値上げがある秋頃から、送料を100円前後値上げする予定。なお、送料無料となる購入額は据え置く見通しだ。

 総合通販ではニッセンが24日、1回の注文額が同5000円未満の注文の場合、同390円の送料だったものを、同490円に値上げしている。ベルーナも値上げとなれば、他の総合通販会社が追随する可能性もありそうだ。

 ベルーナの安野清社長は「(運賃増は)送料値上げだけではなく、売り上げ増やコスト削減でカバーしていきたい」と話した。総合通販事業以外でも、食品やワインなどを販売する専門通販事業への影響も懸念されるが「具体的な話が来ていないので対応はこれからだが、同様の施策でコストを吸収したい」(安野社長)とした。

 17年3月期の連結業績は、売上高と経常利益は予算を上回ったほか、営業利益も予算をほぼ達成した。主力の総合通販事業では、CVR(受注転換率)上昇に向けて実施した、通販サイトや集客の効率改善、ネット専用商品投入といった施策が功を奏した。ネット専用商品については、17年3月期は売上構成比で6%だったが、今期は12%まで高める方針。ネット専用商品を大幅に拡充することで、CVR向上を見込む。

 近年、新規出店を続けてきたアパレル店舗については、今期は不採算店の閉鎖を行うことで、前期末の64店から54店まで減らす計画。売上高は前期比約3%増の51億2000万円で微増となるが、営業損益はトントン(前期は5億1000万円の赤字)となる見通し。「一気に店舗を増やすと問題が出てくるので、今後の成長性をキープするために今期は踊り場としたい」(安野社長)。

 専門通販事業では25日、化粧品のオージオ、健康食品のリフレ、ベビー用品のベストサンクスの商品を中国向けに越境ECでの販売を開始した。香港の越境ECソリューション企業・Azoya Internationalの仕組みを使ったもので、新たに開設した通販サイトでは7900点の商品を扱う。

 「天猫国際」などの仮想モールではなく、自社通販サイトを開設した理由について、ベルーナ経営企画室の宮下正義課長は「テストマーケティングのため、モール出店に比べてリスクが少ない取引形態を選んだ」と説明している。

 今期の連結業績は、売上高は前期比9・5%増の1600億円、営業利益は同19・5%増の130億円を見込む。同社では、前期からスタートした3カ年の経営企画において、19年3月期の売上高目標を1600億円、営業利益目標を160億円としていたが、売上高については1年前倒しで達成する見通しだ。

ヒラキ「通販復調を支えた裏側」㊤ カタログ配布効率見直し、テレビCMへの投資に転換

031.jpg 靴の企画・販売などを手がけているヒラキでは、紙媒体の効率化やマス広告からの新規顧客の開拓、リアル店舗の強化など様々な角度で靴販売のテコ入れを図っている。2015年3月期より2期連続で減収減益となっていた通販事業だが、17年3月期は増収増益に転じるなどその効果が表れた。通販事業の復調を支えた昨年度からの取り組みを振り返ってみる。

 同社ではこれまで、子供向けのカタログとしてレギュラー展開していた「ひらきっず」を、昨年4月より全世帯向けのカタログ「エキサイティングプライス」に統合して1冊250ページで家族全員をフォローする内容へと刷新した。当初は統合によって、子供向け商品が埋没して見えにくくなるという懸念もあったが、統合後に子供商品の購入が落ち込んだ話は聞かれないという。

 加えて、昨年度から顧客への配布セグメントも見直している。同社では既存顧客の内、1年以内の購入者に通常版カタログを隔月で送付しているが、その内、年1回購入者で直近半年以上の購入が無い顧客に対しては、通常版のカタログではなく販促商品を中心としたダイジェスト版カタログ「ベストセレクション」(100ページ)を送付するように切り換え。購入実績に応じたアプローチを行うようになった。

 結果的にダイジェスト版に変えても通常版と比べてレスポンス率は大きく変わらず、カタログ費用についても通常版の4割強程度に抑えられるというメリットが得られたとする。

 また、新聞での折り込みチラシに関しても2014年度から廃止し、昨年はウェブでのくちコミ促進に切り替えている。昨年4月より開始した「LINE@デジタルチラシ」では1年間でフォローワー数を8万人まで拡大。画像投稿SNSの「インスタグラム」においても商品コーディネート投稿でクーポンを付与する企画などを定期的に開催した効果もあって、フォローワー数が5000人を超えるまでに成長した。

 そのほか、新規顧客の獲得に向けて全国の食品スーパーや100円ショップなどに設置しているリアルでのカタログ配布戦略についても、昨年度は約1万6000カ所に200万部で実施。「1店舗あたりに配布するカタログ部数を、その店舗の集客力や過去のレスポンス率を見極めた上で振り分けるようにした。配布効率を高めたことで無駄がなくなっている」(向畑社長)とした。

 これらのカタログ統合や配布効率の向上効果によって削減できたコストは、テレビCMへの費用に投資。前期のCMでは通販サイトのPRを中心とした内容で、関東、関西などの大都市圏で放映した。今期については更にCM放映地域を拡大しており、4月には関東・関西・福岡・広島、5月には東海・北海道でも放映した。今後秋冬シーズンに向けても主要商品の宣伝を中心に大都市圏で放映する計画。

 運用効率を高めたことで紙媒体関連のコストが節約され、マス広告への投資が強化できる体制ができた。実際に17年3月期の宣伝広告費自体は前年と比べて増減がなく、当初の予算内で実施できているという。

 結果的に17年3月期の通販サイトへの訪問者数については前年比17%増、ウェブでの受注件数は同12%増、通販全体での新規顧客数では同8%増となるなど大きな効果をもたらした。
 なお、通販カタログについては効率化は進めるものの、廃止せずに今後も継続する考え。カタログを見ながら、注文の時だけウェブを利用するという顧客層も多くいると想定しており、「カタログの重要性は認識している。純粋なウェブだけからの注文は半分ないのではと見ている」(同)との見解を示した。
(つづく)

アデランス 中国で越境EC展開へ、日本で人気の美容機器主力に

 3-2.jpgアデランスが中国市場で越境ECを始めた。5月15日、中国の京東集団が運営する越境ECモールに出店。日本でも人気の高い美容機器をはじめヘアケア商品を販売していく。

 中国製品の品質トラブルなどを背景に化粧品やヘアケア商品でも「安心・安全」や品質の高さを求める傾向が強まっていることから参入を決めた。中国の許認可を必要とせず、迅速な市場参入が可能な越境ECモールで展開する。

 出店したのは京東集団が運営する「京東全球購(JD Worldwide)」。30代以上の男女をターゲットにシャンプーやトリートメント、育毛剤などのヘアケア商品や美容機器を販売していく。出店開始時点では43商品を扱う。

 主力は日本でも人気の高い美容機器「ビューステージベガス プレミアム」(税込6万2640円)。アイケアやフェイスケア、ヘアケアに対応した専用の美容液とセットで使うと7~8万円ほどになるため、越境ECモールのユーザーの中でこれら商品を購入できる上位中間層の獲得を進めていく。

 京東集団が運営する「京東全球購」は、アリババグループの越境ECモール「天猫国際(Tモール・グローバル)」に次ぎ、中国の消費者向けECで第2位のシェアを持つ。今回、「京東全球購」を選択した理由は「『天猫国際』の出店基準が高いため」(同社)としている。

 アデランスは、これまでも中国国内で20店舗(昨年12月末時点)を展開。男女オーダーメイドウィッグの販売や、増毛、育毛サービスを提供してきた。また、既製品のレディメイドウィッグを百貨店を中心に展開している。ヘアケア商品や美容機器の展開で中国国内で売り上げの拡大とブランドの認知向上を図る。

アマゾンジャパン 詐欺にチャン社長が言及、対応措置実施を明言

2-1.jpg 「アマゾンは詐欺を容認しません」──。アマゾンジャパンは運営する通販サイト内で行う仮想モールサービス「Amazonマーケットプレイス」の出品事業者ら約600人を集めて5月19日に都内で開催した「Amazonセラーカンファレンス2017」で、悪質業者が出品した安価に値付けした商品を購入しようと手続きをした利用者から実際には商品は送らずに、個人情報を取得するなどのいわゆる"アマゾン詐欺"について、同社のチャン社長が公式の場で初めてコメントした。

 同カンファレンスの冒頭、挨拶のために登壇したジャスパー・チャン社長(=㊨写真)は「先だってからの報道について一言、お話させて頂く」とした上で「アマゾンは詐欺を容認しません。アマゾンは不正を行う販売事業者に対し、迅速に措置を講じています。これからも不正を行う販売事業者から『Amazonマーケットプレイス』を守り、販売事業者と購入者からの信頼を維持するために休むことなく対応を強化してまいります」とし、"アマゾン詐欺"に関し、すでに何らかの対応を行っていることを明らかにした。

 "アマゾン詐欺"とは海外の出品事業者が人気商品などを市場価格よりも格安に設定して「Amazonマーケットプレイス」に出品。実際に注文があっても商品は送らず、注文客から氏名や住所などの個人情報を不正にだまし取る行為などを指す。もっとも商品の代金はアマゾンが返金保証をしており、また、詐欺業者にクレジットカード番号が流れることもなく、騙された顧客が実害をこうむることはないが、訳の分からない業者に自分の個人情報が流れてしまった不安やそれが悪用され、知らぬ間に今度は詐欺商品の販売者になってしまったり、別の詐欺行為に使用される可能性などもあり、特にそうした行為が目立ち始めた4月ころから様々なメディアに取り上げられ、問題視されていた。

 問題が表面化した以降もアマゾンジャパンでは詐欺行為やその対応策についてことさら言及せず、そのためか、利用者の間では不安からアマゾンでの買い物を控える動きも一部では出ていたようで、アマゾンで商売を行う出品事業者からは「(「アマゾン詐欺」の報道後)売れなくなった」との話も出てきており、出店者からは「死活問題になりかねない。アマゾンは対応策やコメントなどをすぐに発して消費者の不安を取り除くべきだ」との声などもあがっていた。

 なお、チャン社長が同カンファレンスで言及した「不正を行う販売事業者に対する措置」の具体的な内容に関しては「(対応措置を)実施していることは間違いないがセキュリティの観点から詳細はコメントできない」(同社)としている。

 2-2.jpg同カンファレンスでは「Amazonマーケットプレイス」など出品関連事業などを管轄するセラーサービス事業本部を統括する責任者である同事業本部長に、3月から就任した欧州などのアマゾンで出品事業の責任者などを務めてきたジヤ・ゲンチェレン氏(=㊨写真)が登壇し、「(来日して)まだ数カ月しか経っていないが、東京が大好きになった。日本全国の皆様(出店者)と仕事できることをとても楽しみにしている」と出品事業者に挨拶した。なお、2014年から約3年間に渡って、セラーサービス事業本部本部長を務めてきた星健一氏は3月付で新規ビジネス事業本部長に就任したという。異動の理由については「通常の異動で特別な理由はない」(同社)としている。

セレクチュアーの村瀬社長に聞く「百貨店傘下入りの狙いと今後」㊦

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前号に引き続き、セレクチュアーの村瀬賢俊社長に、運営する自社通販サイトの「アンジェ web shop(以下、アンジェ)」の今後について聞いた。

 今期(2017年12月期)のセレクチュアーの売上見込みは。

 「今期売上高は5・2%増の14億円を目指す。京王百貨店で新しい売上を獲得することと、『アンジェ』での売り上げ拡大がプラスの要因と予想している。『アンジェ』は、母の日商戦において、前年比20%増の売り上げを見込んでおり、売り切れによる機会ロスを解消する。商品カテゴリーではキッチン用品が好調で、高額なキッチン家電が伸びている」

 進めている施策はあるか。

 「ペルソナを見直した。30代の小さな子供を持つ母親をターゲットとしているが、子供の成長とともに平日の時間の使い方や休日の過ごし方、興味を持つことなどが変わる。そうした変化を捉えて、新しい提案をしたい」

 「アンジェ」について課題として感じている点は。

 「『アンジェ』は、リピート率が高く既存のお客様に支えられている。ヒット商品があって、母の日や季節のイベント商戦では、大きな売り上げを確保できている。

 一方で、既存のカテゴリーだけでは将来的に頭打ちになる恐れがある。例えば、デザイン家電は好調だが買い替え頻度は高くないため、『アンジェ』の既存のお客様とリピートで繋がる商品が必要になる。『母の日』などの大型イベント以外に売り上げのヤマを作ることも考えていかなければならない。今後、既存顧客のライフスタイルに合わせて新しい提案を行うことと、新しい顧客を開拓することが重要だ」

 新規客の開拓はどうすすめるか。

 「SNSやニュースサイトなどの外部メディアを活用していく。すでに複数のメディアでコラムを配信しているほか、『インスタグラム』や『LINE』を通じた情報発信も行っている。強みとなっている写真の世界観を活かして、新規顧客の流入につながっている」

 他に進めている施策は。

 「社内公募を行い、新規客の開拓や、新しい商品カテゴリー、既存客の集客策などをテーマにして、若手メンバーからアイデアを募る。スタッフはお客様と年令層が似ているなど親和性が高いことも強みのひとつ。メンバーからお客様の求めていることに近い意見が出ることや、新しい視点でのアイデアが出てくることを期待したい。社内投票を行い、評価の高いものはプロジェクトチームを立ち上げて事業化計画を作ってもらう」

 京王百貨店傘下に入る前は、クックパッドの子会社として通販サイト「エブリディキッチン」を運営していた。

 「『エブリディキッチン』は4月20日に、『アンジェ』のキッチンカテゴリーに統合した。クックパッドにレシピを投稿し、レシピで興味を持ってもらったユーザーに、調理グッズなどを紹介してきた。レシピを軸としているので、購入に転換するまでの時間はかかる。だが、公式キッチンのフォロワーが1000人を超えるなど、料理に関心が高い濃いユーザーとの接点ができた」

 キッチンカテゴリーは好調だが、全体における位置付けは。

 「キッチン用品は強いカテゴリーだと思う。クックパッド傘下で得た、レシピの提案やグッズを使った見せ方のノウハウは、商品ページや、コラムに応用している。今後はさらに強化して、購入者に購買特典としてレシピを付けることも検討したい。ただ、キッチンばかりが強くならないように、他カテゴリーの強化も進めていく。ファッションやギフトも他社との差別化を図る強い領域だと思う。キッチンに負けないカテゴリーを複数作って、サイト内の回遊性を高めていきたいと思う」
(おわり)

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