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消費者庁「打消し」調査 実質的な"マニュアル"、「動画広告」重要な内容「音声」で

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 広告の「打消し表示」をめぐり、消費者庁が新たに実態調査を行った。昨年7月の調査に続くもの。結果から「動画広告」においては、重要な内容の「音声」等による表示を求め、新聞等の「紙面広告」では強調表示と一体の表示を求めた。景品表示法の観点から誤認する可能性の高い事例の詳細を示しており、実質的な"マニュアル"と言えるもの。行政による「打消し表示」の監視はますます厳しさを増しそうだ。

 6月7日に公表した「広告表示に接する消費者の視線に関する実態調査」で示した。動画広告、紙面広告、ウェブ広告(スマートフォン)で景表法違反のおそれがある事例を示す。

 昨年7月に行った実態調査(前回調査)は、アンケート回答者の主観的判断が影響する余地が大きかった。今回は"視線の動き"を、アイトラッキング機器を使って調査。客観的な実証を目的としている。

 とくに踏み込んだのが「動画広告」。時間の制約がなく自由に見ることができる紙面やウェブに比べ、認識できる情報量に限界があり、個人差が生じにくいためだ。機械的な計測で効果的な調査が行いやすい。

 前回調査でも「打消しの表示時間が短い」「強調表示と音声に注意が向く」など留意点を示したが、適法・違法の判断基準はあいまいだった。今回はより具体的に事例を示した。

 今回調査では、「動画広告」(15秒)に含まれる情報量を4タイプに分けて分析した。
 例えば、「打消し」が文字のみで示され、「強調」が文字と音声で表示される画面(=画像(上))。「強調表示」に注意が向き、「打消し」は誰も認識できなかったという(対象者17人中0人)。これに人物の「画像」が構成に加わった場合(=画像(下))も同様の結果。景表法上、問題となるおそれがあるとする。

 
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いずれも「打消し」「強調」「画像」「音声」など複数の情報が同一画面に混在。この場合、「強調表示」の隣接した箇所に同程度の文字の大きさで商品選択に関わる重要な情報(=打消し表示等)を表示することを検討すべきとする。「音声」や「画像」に注意が向けられ「打消し」を把握できない傾向も強く、重要な内容を「音声」で示すことも検討すべきとした。

 「動画広告」を流す媒体の違いに言及していないが、今年5月にはスマートフォンに絞り「打消し表示」の調査も行っている。その中で「動画広告」の留意点も示されており、スマホではより厳格に誤認の可能性を排除することが求められるとみられる。ほかに長尺(75秒)の「動画広告」の分析を行った。

 新聞等の「紙面広告」の「打消し表示」の実態を調査したのも初めて。前回調査でも紙面広告を含む全般的な留意点は示したが、広告内で表示される体験談の「打消し表示」をめぐり、新聞広告を調査に使っていただけだった。今回は表示箇所の違いによる誤認の可能性を詳細に渡り調査した。

 事例では、「全額返金」という「強調表示」に対し、「未開封に限り」という条件を紙面隅の一括表示の中で表示。調査結果から時間的制約がなくても離れた箇所に注意が向かないとして、「打消し表示」を「強調表示」と一体で認識できるようにする必要があるとした。隣接した箇所に表示する場合も「強調表示」との文字もバランスが悪かったり、小さい文字、異なる字体、色の場合は誤認を招く可能性があるとして景表法上問題となるおそれがあるとした。

 「ウェブ広告」も改めて調査したが、すでに今年5月の調査で留意点を示しており、今回調査は、これを客観的に裏付ける内容だった。

森永乳業の通販サイト 最大3万人のカード情報流出、旧サーバーにぜい弱性、不正利用2千万円に

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 森永乳業は6月4日、同社の「健康食品通販サイト」から流出した個人情報は、最大で約9万3000人分になると発表した。このうち、クレジットカード情報が流出したのは最大2万9773人、カード情報以外の個人情報のみが流出した恐れがあるのは最大で6万3049人。また、現時点で約300件、約2千万円分の不正利用被害が発生していることから、顧客に補償する方針。

 同社では5月9日、カード情報流出の恐れがあるとして第三者調査機関に調査を委託したことを公表していた。流出したカード情報は、番号、名義、有効期限。セキュリティーコードは含まれていない。また、カード情報以外の個人情報は、氏名、住所、電話番号、ファクス番号、メールアドレス、性別、職業、生年月日、配送先、受注情報。

 当該通販サイトでは昨年10月16日にサーバーの入れ替えを実施。今年6月の割賦販売法改正を見据え、通販サイトにおけるカード情報の非保持化対応を目的としたものだった。入れ替え後の現行サーバーには不正アクセスによる情報流出の痕跡やぜい弱性はなかったが、旧サーバーのバックアップデータを調査したところ、旧サーバーのぜい弱性を悪用して不正アクセスが行われた可能性が認められた。ぜい弱性の内容については「非開示」(広報部)としている。

 旧サーバーに関しては、2012年のサイト立ち上げ後、14年に安全性を高めるために入れ替えを実施。その後、17年3月のぜい弱性診断でぜい弱性が発覚、修正していたものの、今回悪用された恐れがある、別のぜい弱性は発見できなかったという。

 カード情報を含む個人情報が流出した恐れがあるのは、15年1月7日~昨年10月16日の期間にカード情報を入力して商品を購入した顧客。カード情報以外の個人情報が流出した恐れがあるのは、12年1月22日~昨年10月16日に商品を購入した顧客(15年1月7日~昨年10月16日にカードで購入した顧客は除く)。今回の調査では、不正アクセスによる情報流出の有無を含めて範囲を特定することが難しかったため、サイト開設からサーバー入れ替えまでに登録した顧客が対象となる。

 同社では5月9日から、その時点で情報流出の恐れがあった、昨年1月10日~今年4月24日の期間にカードで購入した顧客約2万3000名に、メールと書面で連絡。6月4日からは対象となる顧客にメールと書面で順次知らせる。カードの再発行に関わる手数料は同社が負担する。

 現行サイトについては、今回の調査でぜい弱性について問題がないことが確認されているものの、ぜい弱性診断の頻度を高めるなど、さらなるセキュリティー強化策を実施した上でカード決済を再開するとしている。

【売れるネット広告社とFID 「コンバージョン」なき論争㊦】 「オリジナル」か「知財」か、見解相違に冷めた声も

 「確認画面でアップセル」の商標をめぐり法廷外論争に発展した売れるネット広告社(以下、売れるネット)とFID。和解となっても主張が平行線を辿る背景には、この商標に集約されたマーケティング手法が「オリジナル」か「知財」かという法的根拠の有無が見解の違いに表れている。

 「確認画面でアップセル」という商標の侵害を判断する場合、まずこれが商標権上の「商品等表示」(識別性のある商品・サービス)に該当するか、という点が争点になる。これにFIDは「確認画面でアップセルを行うという機能を営業ツール等の『説明文』で示すだけでは『商品等表示』にあたらないと和解協議の中で明らかにされた」とする。和解にあたり侵害がないことを認めることを求めており、和解内容は「商標権・著作権侵害はない」となっている。

 だが、売れるネットの見解は「違法なのに和解したというロジックではおかしいから。(侵害の)最終的な判断は下されていない」というもの。確認画面でアップセルを行う手法は05年に開発。「当時の企画書やランディングページ(LP)も残っており、100%確実」と"オリジナル"であると自負する。同様の手法を他社が使用することが許せなかったのだろう。

 もう一つの争点はFIDのLP等制作ツール「侍カート」で作ったLPが売れるネットのものに酷似していたとして著作権侵害を訴えた点。FIDは「争点にすらならなかった」という。実際にLPを制作したのは通販会社であり、そもそも訴えるべき対象が異なるためだ。

 この点、売れるネットも争点とはならなかったことに「間違いない」と認める。ただ、「FIDのツールは同じものができるもの。その点が許せなかった」とする。

 「確認画面でアップセル」を行う手法は、確かに売れるネットの"オリジナル"であるかもしれない。商標登録していることからも開発への強い思いが表れている。ただ、訴訟となれば問題は別。あくまで法的根拠の有無が判断されることになる。

 では、なぜ和解決着の道を選んだのか。これに売れるネットは、「FIDが『確認画面でアップセル』を変更・削除したため目的は果たした。パクリ文化が横行する業界への問題提起が目的。削除・変更を条件に和解に応じてあげた」とする。

 一方のFIDは「「互いに気持ちよくビジネスを行うため、嫌だというのであれば変更しようと。係争を続けても互いに生産性がない。これを勝訴と主張したいのであればそれもよいが、裁判上の判断は別」と和解した経緯を話す。

 法廷外で和解をめぐる互いの主張が平行線を辿る中、複数の通販事業者からは「だったら判決で明確にすればよかったのに」と、冷めた声が聞こえてくる。和解となった以上、その内容がすべて。解釈は各社に委ねられるが、和解後も互いの主張を喧伝し合うことは、両社にとってプラスになりそうもない。

 売れるネットは確認画面でアップセルを行う機能で近く特許を取得するという。「違法でないなら削除・変更したものを戻してもらっていい。業界をけん引するリーダーとして権利の不当な侵害には断固たる姿勢で臨む。取得後に改めて提訴も検討する」とも話す。「確認画面でアップセル」をめぐる問題はまだ緒を引きそうだ。
(おわり)


ベルーナ 若年層向け事業強化へ、仮想モールのシステム開発

 ベルーナでは、20~30代向け衣料品通販の「リュリュ」を強化する。ネット販売を伸ばすために、ネット専用商品を増やすほか、昨年から展開している仮想モールを強化する。同社の主力事業である総合通販事業においては、中高年向けの「ベルーナ」は好調に推移、事業全体では増収となったものの、リュリュは減収だった。他社商品の取り扱いも拡大することで、若年層向け事業をテコ入れする。


 リュリュの2018年3月期売上高は、前期比11・5%減の65億9400万円だった。リュリュでは昨年から他社ブランド商品の取り扱いを始めており、夢展望やマキシムの「神戸レタス」など30前後のブランドが出店している。現在、来年4月をめどに、仮想モールのシステム開発を進めており、出店店舗数は70~80まで拡大する予定。

 ネット専用商品に関しては受注構成比が拡大しており、2017年1~3月には6・7%だったものが、18年1~3月には15・7%まで増えた。19年3月期は定番商品の拡充などを中心にラインアップを増やす。

 専門通販事業では、化粧品のオージオが売上高は前期比23・2%増の67億5400万円、営業利益が同16・6%増の7億3200万円と好調に推移。卵殻膜系化粧品などが成長をけん引した。また、台湾向けの越境ECについては、売上高が17年3月期の3000万円から18年3月期は1億4000万円まで拡大、単月黒字も確保した。19年3月期の売上高は4億円を見込んでいる。

 一方、ベビー用品やギフトのベストサンクスは苦戦。売上高は前期比14・3%減の21億9300万円、営業損益は2億7000万円の赤字(前年同期は1億8400万円の赤字)で、5期連続の赤字となった。これを受けてベルーナでは事業の収益化を断念。「売却も検討したが、ベストサンクスには固定資産があるため、営業停止がコスト面で最も効率が良い」(安野清社長)として、今年度上半期をめどに営業を停止する。ベストサンクスは、レモールのベビー事業とギフト事業を承継したもので、14年2月にベルーナが子会社化していた。

 アパレル店舗の売上高は、前期比13・1%増の56億2600万円、営業損益は2億5700万円の黒字(前年同期は5億300万円の赤字)だった。コスト構造の見直しを進めたほか、不採算店を閉店。また、直近のトレンドを反映させた店舗専用商品の割合が拡大したことで、既存店売上高が同31・8%増と好調に推移、事業全体でも2桁増収となった。店舗数は17年3月期末の64店から18年3月期末は59店に減ったが、19年3月期末は90店となる予定。

 同社では4月から、衣料品通販において購入額によらず送料を請求するようにしたほか、食品通販やワイン通販などでも送料を値上げした。影響について安野社長は「まだはっきりとはわからないが、ゼロではないだろう。商品力強化とネットの充実でカバーしたい」としている。

スマホの「打消し表示」 消費者庁が監視強化へ、「強調表示」と同じ色・背景を

12-11.jpg スマホの「打消し表示」は、「強調表示」と同様の大きさ、色、背景色で。消費者庁が景品表示法におけるスマートフォンの「打消し表示」監視を強化する。画面サイズの小ささから表示を見落としがちなスマホの特徴を捉え、パソコン以上に「強調表示」とのバランスを求める。5月16日に公表したスマホの「打消し表示」に関する実態報告書で明らかにした。

 スマホは、PCに比べ画面サイズが小さく、縦長のページ構成になる。アコーディオンパネル(クリックで開閉する表示)を用いた表示も特徴。情報を拾い読みしたり、下にスクロールしなければ表示されない情報を見落としがちになる。これら特徴を捉え、消費者庁は景表法違反のおそれのある事例と、スマホで求められる「打消し表示」の事例を公表した。

 とくに注意すべきポイントは、「アコーディオンパネルにおける打消し表示」「コンバージョンボタンの配置箇所」「強調表示と打消し表示の距離」「打消し表示の文字の大きさ」「打消し表示の文字とその背景の色・模様」「ほかの画像等に注意が引きつけられるか」の6項目。これら要素から、景表法違反を総合的に判断する。

 アコーディオンパネルのクリック後に表示される「打消し表示」は見落とされがちな傾向にある。「強調表示」やほかの表示で重要性に気づかない場合、景表法上問題となるおそれがある。

 このため「強調表示」に近接した箇所に配置。「打消し表示」と一体として認識されることを求めた。クリック前のラベル表示の場合、消費者が必ずタップするよう工夫することも必要という。

 「強調表示」と申込等のコンバージョンボタンと同一画面に表示され、「打消し表示」が離れていることで気づかない場合も景表法上問題となる場合があるとする。「強調表示」とコンバージョンボタンを同一画面に表示する場合は、同時に「打消し表示」を認識できるようにすることを求める。同一画面の表示が難しい場合も、スクロールした際に認識できるようにすることが必要という。

 「打消し表示」の文字の大きさや色、背景色とのバランスでも留意点を示した。「強調表示」に比べ目立たない色で気づかないものである場合は、景表法上問題になる。

 このため「打消し表示」を同一画面にあるほかの表示と比べて注意をひく大きさにすることを求めた。文字の色も「強調表示」と「打消し表示」の色や背景色を統一し、一体と認識できるようにすることを求めた。

 実態調査は、20~60歳の男女1000人を対象に、ウェブアンケート調査やグループインタビューを行った。

 スマホでは、表示画面をスクロールして下まで読まない層が約4割に達した。飛ばし読みや途中でスクロールをやめる傾向がみられた。「打消し表示」を見落とし、誤認したまま購入した消費者も約4割に達していた。

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