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企業動向 Archive

ライオンの山崎久生ウェルネス・ダイレクト事業本部事業企画部長に聞く、今期2ケタ増収を確保、100億突破、制度活用で再成長

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ライオンが特販事業本部傘下にあった通販事業を事業本部として独立させた。2015年を初年度とする中計で新規事業として成長を求められる中、今期(16年12月)は、売上高が前年比20%前後の増収(本紙推計で116億円前後、ギフト通販を含む)で着地する見通し。数年ぶりに100億円の大台を突破する。成長の背景を山崎久生ウェルネス・ダイレクト事業本部事業企画部長に聞いた。



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ファンケル化粧品 「無添加」接点を転換、共感マーケで新規接点を創出

031.jpg ファンケル化粧品が新規顧客へのコミュニケーションを大きく変えている。主力スキンケアで「無添加」の価値を前面に打ち出すこれまでのプロモーションを転換。30~40代女性の共感を集める漫画家とのコラボレーションや、くちコミなど周囲の評判を高めることで接点のなかった顧客との接点創出を図っている。

企業スタンスの価値発信変える

 主力スキンケア「アクティブコンディショニングEX」は昨年9月にリニューアル。以降、新規獲得を強化している。

 1年目は「無添加」が生み出す価値である"自活力(肌が自らきれいになろうとする力)"をキーワードにコミュニケーション。女性誌を中心に広告展開を進めた。

 一方で課題も生じた。従来のプロモーションは、企業スタンスで伝えたい価値を発信する構造になっていたことだ。

 "自活力"は「安心・安全」や、肌への優しさなど、そもそもコンセプトに共感してきたコア層には響く。ただ、これまでファンケルへの関心が薄かった層には具体的な機能が分かりづらく、購入まで至らない顧客がいると分析した。

30代女性支持の漫画家とコラボ

 課題を踏まえ、2年目を迎えた今年9月からのプロモーションでは、対象となる潜在顧客の間口を広くとる。"30代あるある"などをテーマにした漫画でその世代の共感を集める漫画家、東村アキコ氏が描く「東京タラレバ娘」とコラボレーション。キャンペーンサイトやSNSなどウェブ、交通広告、雑誌などメディアミックスで展開した。

 伝えたい機能は、30~40代女性の悩みである「ハリ」や「弾力」をサポートすること。この機能を代弁するキャラクター「おアゲ」を描き起こしてもらい、これを軸にコミュニケーションを展開した。「肌が、下りのエスカレーターに乗ってしまった」「信じたくないが、下がってきた気がする」など下がってきた肌の心理をつくようなコピーで肌を上げることをサポートすることをイメージさせる。

話題や評判をSNSで拡散

 フェイスブックやLINEなどSNSの活用が広がる中、そこで評判や話題に上がるスキンケアとなることも目指した。

 「東京タラレバ娘」とのキャンペーンサイト(=画像(上))では、「自分の肌状態」や「(ショッピング、焼肉など)テンションが高まる行動」など複数の質問に答えることで回答に応じて肌診断や「東京タラレバ娘」のタッチで描かれた自分のキャラクターが作れるジェネレーター(プログラムの生成を行うもの)を展開。回答に応じた4コマ漫画(=画像(下))も生成され、遊びながら自然にスキンケアや会社に関心を持ってもらうことを狙った。

 「@cosme」などくちコミサイトでの評価も目指した。美容ブロガーに商品を使ってもらうなどくちコミ評価を増やし、過去、圏外だった「化粧水」ランキングでは10位以内に表示されることも増えている。こうした購入の後押しをするプロモーションを集中して展開した。

主力スキンケア2ケタ近い伸び

 ジェネレーターの利用増でSNSはフェイスブックのシェア件数が想定以上に上がるなど成果も出ている。また、ウェブや折り込みチラシで展開する通常のレスポンス広告の獲得効率も前年の水準を超えて高まっている。

 「アクティブコンディショニングEX」の売り上げは前年比2ケタに近い伸長率で推移。新規獲得顧客は計画比2ケタ増で伸びている。こうして獲得した顧客にファンケルの美容理論や「無添加」の価値・機能を伝えるコミュニケーションを展開していく。

 来年には「東京タラレバ娘」のドラマ化も決定。企業側から一方的なアプローチで行う"商品ありき"のプロモーションではなく、ターゲット世代の女性の共感を呼ぶマーケティングを強化していく。

ブランド〝進化〟へ、オルビスの挑戦㊦ カタログを刷新、「個の集結」からテーマに一貫性

 オルビスによるブランド戦略の刷新。顧客コミュニケーションで大きな役割を果たすことになるのが通販カタログ「hinami(ひなみ)」だ。9月号から媒体特性に合わせて役割を明確化。ブランドの世界観の打ち出しを意識していく。


編集方針を変更役割を明確化

 かつてのカタログは1ページごとに販売目標を立て、担当者を決めて編集していた。いわば「個の集結」。読み物としてのリズムよりページごとに主張し合う原因になっていた。データやグラフを多用したり、薬事法に抵触しない表現に頭を捻らせ「逆に安っぽい広告になってしまうジレンマもあった」(同社)という。ブランド再構築を象徴する「ORBIS=U(オルビスユー)」の発売以降、中心顧客層の年齢も徐々に高まっている。より美容感度が高く購買力のある層と継続的な関係を構築していく上でも割引施策中心の結びつきではなく、ブランドの世界観への共感が必要だと考える。

 こうした背景から9月号から編集方針を変更。個々の販売チャネル・媒体特性の役割を見極め、施策全体で販売していく体制に変えた。

 デジタルでもブランドコミュニケーションは意識する。ただ、「メールやSNSはどうしてもスピード感や要点を押さえた情報発信が必要」(同)。一方のカタログは購入の有無に関わらず、多くの顧客に月1回届く。最も購買以外のコミュニケ―ションに可能性を持った媒体といえる。


"商品ありき"から魅力的な読み物に

 カタログは前半が特集企画など読み物。後半が商品カタログで構成する。これまで"商品ありき"の編集だった誌面もテーマに一貫性を持たせる。

 例えば昨年の10月号。中高齢層向けの「ORBIS=U encore(アンコール)」を訴求。巻頭では「『重力ライン』ケア、始めよう!」と打ち出し、巻末でも機能面を細かく紹介するなど複数ページに渡り特集を組む。ただ、読み進めると次にくるのは「キレイな人はやっている『温活』の真実」という企画。保温性のあるソックスや入浴剤を紹介するなど、ページごとに企画は分断されていた。

 一方、今年の9月号は「変わる人は、美しい」がテーマ。「色の冒険で『新しい顔』を楽しむ(メイクで変わる)」、「丁寧なケアが生み出す『新しい肌』(肌を変える)」、「美しさと健康の決め手!『骨盤ケア』(からだを変える)」といった企画で読み物としての面白さを維持しつつ、リップやスキンケア、補整下着といった商品をさりげなく紹介する。商品カタログも、これまでは機能を細かく紹介。ただ、情報量が多過ぎるとの仮説から絞り、掲載商品は従来から1・5倍ほどに増やした。


「情報を見ていない」という仮説

 「ただブランドを傷つけていくだけ」。オルビスがブランド戦略の強化に舵を切る背景には、ここ数年の市場の変化がある。

 かつてカタログ通販全盛の時代、顧客は毎月届くカタログで"仮想ショッピング"を楽しんだ。当時は総花的に幅広く情報を集められるカタログに価値もあった。

 だが、今では通販広告もさまざまな肌悩みで訴求し、あらゆる企業が「新規成分」「独自成
分」など化粧品や健康食品の機能を競い合っている。

 ネットを見れば美容やファッションの情報があふれ、そうした中でSNS世代と呼ばれる若年層は"誰かに勧められていいと思えば購入する"など商品や情報を吟味しなくなっている。その中で、機能やインパクトで短期的な売り上げを追うのではなく、カタログでは企業のものづくりに対する姿勢やコンセプト、ブランドの世界観など情報に独自の価値を持たせ顧客と結びつくことを目指す。  (おわり

アマゾンジャパン "ロボット棚"導入で効果、出荷作業の効率アップ

 2-1.jpg「人が棚に商品を取りに行くのではなく、棚が人のところまで持ってくる?」──。アマゾンジャパンは12月6日、今夏から稼働を開始した同社の新たな物流拠点で最新の"物流ロボ"を導入した「アマゾン川崎フルフィルメントセンター(FC)」を初めて公開した。

 川崎FCはすでに米アマゾンなどで導入されている注文データに応じてピッキング担当者のもとまでロボット付き商品棚が自ら動き、従来よりも効率的なピッキングが可能になる可動式商品棚「アマゾンロボティクス」(=画像)を日本で初導入した拠点で実数などは明らかにしていないが「従来の拠点でよりも少ない人数で仕事をこなしており(ピッキング効率は)相当よい」(同社)と出荷作業の効率化やそれに伴うコスト削減で一定の効果を上げている模様。今後も他の物流拠点へも"ロボ"の導入を検討しているようだ。

 今年8月に稼働を始めた川崎FC(所在地・川崎市高津区北見方3‐14‐1、総床面積・約4万平方メートル)に導入した「アマゾンロボティクス」は"ポット"と呼ばれる約2メートル30センチ程度の四方商品棚とその棚を下から支えて(約340キログラムまで積載可能)、秒速約1・7メートルの速度で動かす"ドライブ"と呼ばれるオレンジ色の機械からなる可動式商品棚で、米アマゾンが2012年に物流ロボットの開発会社を買収、その後、物流拠点に順次導入を始めた「キバ・ロボット」をベースとしたもの。なお、日本では川崎FCが初導入となるが、米国や欧州のアマゾンでは導入が進んでおり、現在までに19の物流拠点で運用されているという。

 「アマゾンロボティクス」の利点は従来の物流センターでは一般的なピッキングの流れ、つまり、注文データに応じて、担当者が当該商品が在庫されている固定の棚からピッキングする形ではなく、必要な商品を在庫した"棚"が自ら動き、ピッキング担当者は基本的には定位置から動かず、棚出しでき、ピッキングの作業効率を大きく高められる点だ。

 川崎FCでは3階にある「AR(※「アマゾンロボティクス」の略)フロア」と呼ばれるスペースに複数台(台数は非公開)の"ロボ"を導入し、床にある専用のバーコードで自らの位置情報を把握しながら24時間、縦横無尽に動き回っている。「ARフロア」は"ロボ"が稼働するエリアを中心としてその周辺に「ステーション」と呼ばれるスペースをいくつか点在させ、作業員がそこに集まってくる"ロボ"に倉庫に入荷した商品の"棚入れ"と顧客から受注した注文データをピッキングする"棚出し"を行っている。

 棚入れはベルトコンベアで搬送されてきた荷受けした商品を"ロボット棚"に在庫する作業で、作業員が在庫する商品のデータをバーコードで読み取ることで当該商品の大きさや数などから、収納すべき"ポット"をシステムが判別して、自動的に最適な"ロボ"が作業員の下に来て、かつ商品のサイズなどから判断し、「この商品を入れる棚はこの場所がよい」という指示をモニター画面上で示す。作業員はそれらを参考にしながら棚の中に商品を収納し、データを紐付ける流れだ。

 なお、"ロボ"に在庫可能な商品サイズは「最大でみかん箱サイズくらいまで」(川崎FCセンター長の吉田憲司氏)。ただ、川崎FCは大型商品を扱う拠点ではないため、基本的に同拠点で扱う商品はすべて在庫できるという。

 棚出しは顧客からの受注データに応じて自動的に注文商品が在庫された棚の中から最も早く作業員が待つ「ステーション」に行くことができる"ロボ"が最も効率的なルートでやってくる。この"ロボ"の棚に在庫されているピッキングすべき商品の収納場所、数、商品写真などがモニター画面上に表示され、作業員はそれにしたがって、ピッキングし、専用の容器に入れ、作業を終えると商品を梱包するエリアへベルトコンベアで自動的に搬送される形だ。

 「当社の一般FCでは固定の棚に在庫が収められ、注文が入ると人が取りにいくという作業を行う形になるが、川崎FCでは"AR"を導入することで人が棚に取りにいく代わりに棚が自分で来てくれ、出荷までの処理時間の短縮や効率化につながっている」(吉田氏)とし、具体的な効果の指標などは明らかにしていないが"ロボ"の導入で「数字はお話できないが、(ピッキングなどの作業の効率は従来FCに比べ)相当、よくなっている。このFCの作業量を通常FCでこなそうとした場合にはもっと人が必要になるがある程度の人員でできていることを考えれば」(吉田氏)とする。

 日本においても一定の成果を見せた「アマゾンロボティクス」。「詳しくは決まっていないが、もちろん成長を続けている会社なので(これからも"ロボ"の導入は)考えている」(吉田氏)とし、同社では今後も「アマゾンロボティクス」を他の物流拠点にも導入していきたい考えのようだ。


ブランド〝進化〟へ、オルビスの挑戦㊤ ブランド戦略を刷新、20年に売上高700億円に

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オルビスがブランド戦略を刷新する。2012年から行ってきたブランド再構築にめどをつけ、これを象徴する新シリーズ「ORBIS=U(オルビスユー)」は年間約40億円を売る基幹製品に成長した。来年1月には、創業から成長期を支えた「アクアフォース」(画像)シリーズを刷新。前年を上回る30億円の売り上げを目指す。事業全体では、2020年に15年比で約24%増となる700億円の売り上げを目指す方針を掲げた。

「アクアフォース」前年比30%増へ

 「アクアフォース」の前期(15年12月期)売上高は約25億円。前年比約30%増(本紙推計、1月23日の発売から期末まで同期間内の単純比較)の売り上げを目指すとみられる。

 新「アクアフォース」(洗顔料、化粧水、保湿液の3品、税抜1300~1700円)では20代の獲得を強化する。

 化粧品事業全体の中心顧客は30代後半。14年に発売した「オルビスユー」は30~40代、15年に発売した「オルビスユーアンコール」は40~50代向けに提案。2シリーズで100億円近い売り上げに達しているとみられ、"卒業ブランド"として離脱する中高齢層に歯止めをかけ、継続的な関係を築く。

 一方、「アクアフォース」のコア層は20代後半から30代前半。新シリーズではターゲット世代を引き下げ、"プレ・オルビスユー世代"となる20代の獲得を意識していく。早くから若年層と接点を築き、長いレンジでつきあっていくことを目指す。

ブランド独自の価値で結びつく

 顧客とのつながり方も変える。

 拡大期は店舗出店などマス化を進めた結果、ブランドの希薄化や収益性の悪化を招いた。12年から始めたブランド再構築では、「商品価値の向上」とポイント制度の刷新など「コミュニケーション変革」を軸とするブランド再構築を推進。前期売上高は、前年比8%増の約563億円で着地している。

 今後、ロイヤリティの高い顧客との関係構築を目指す取り組みを今以上に加速。お得感など「価格」、「機能」だけでなく、ブランド独自の世界観で結びつくためのブランド戦略を進める。

 1月には、社長直轄の「ブランド戦略室」(阿部直子室長)を設置。これまで事業部単位に留まっていたブランド管理を横串で見る体制に変えた。女性の社会進出で働き方や生き方が多様化する中、「ひとりひとりの明日を、美しくひきだす。」というブランドの提供価値も定め、自分の価値観にこだわる個々の女性の美しさを引き出すブランドとなる決意を示した。

ポイント制などオムニ化推進

 統一感のあるブランドメッセージの発信に向け、まずはオムニチャネル化の実現を目指す。来年秋をめどに通販と店舗の相互利用を実現。顧客の利便性を高める。

 2000年に始めた店舗展開は当初、通販に不安を抱く層や商品を試したい女性の受け皿としていた。補完的な役割に留まり、独自のポイント制度を導入していた。一方、通販は、即時割や商品券の付与など割引施策を実施。このことが収益性の悪化を招いた反省から14年、「コミュニケーション変革」の中でポイント制度に切り替えている。

 通販と店舗の一元化、ブランド戦略は購入比率の多くを占めるスマートフォンを軸に展開する。現在、通販事業全体の6割をウェブ経由の売り上げが占める。このうちスマホ経由は半数以上に上る。顧客情報の一元管理など通販で培ってきた「顧客識別力」を活かし、個々の顧客に合せたキャンペーンや情報提供など「1to1コミュニケーション」を展開していく。SNSも活用する。

 店舗も売場としての役割に加え、ブランド発信やブランド体験の場としての役割を強める。これまではテスターの設置などに留まっていた。今後はイベント実施や地域・エリアの特性に合せた店舗設計なども選択肢の一つと考える。年間180万部発行するカタログは、ブランディングを念頭にその役割を見直していく。
(つづく)


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