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企業動向 Archive

セレクチュアーの村瀬社長に聞く「百貨店傘下入りの狙いと今後」㊤

031.jpg 通販サイトを展開するセレクチュアーは昨年10月に、京王百貨店に傘下入りした。ネット販売のノウハウの共有を目指し、セレクチュアーの社長に、京王百貨店で法人外商部長を務めていた村瀬賢俊氏が就いた。セレクチュアーは京王百貨店とどう連携し、事業を拡大していくのか。村瀬社長に今後の方針を聞いた。(聞き手は本紙記者・兼子沙弥子)

「お客様のいる場所に出向く」、「アンジェ」の表現力で商品を伝える

――京王百貨店の傘下に入った経緯は。

 「百貨店各社は店頭が苦戦しネット販売を強化しているが、ネット販売はギフトが中心だった。ギフト以外の売上げの拡大が課題となる中で、セレクチュアーと一緒にやりたいと考えた」

――セレクチュアーに対して京王百貨店はどう見ているのか。

 「セレクチュアーは小売業の原則に基づいたビジネスモデルを継承していると思う。買取仕入で商品を調達し、自社でリスクをとって売り残さないように販売している。品ぞろえや商品の見せ方、メルマガでの接客など小売の基本をしっかり行っており、結果として定価もしくはそれに近い価格でお客様に受け入れて頂いている。百貨店ECを考えた時に、今後、生き残るモデルだと思った」

――セレクチュアーのノウハウをどう生かすのか。

 「まずは7月に京王百貨店の通販サイト『京王ネットショッピング』内で、セレクチュアーの通販サイト『アンジェ web shop(以下、アンジェ)』の一部商品を紹介する。8月には百貨店で行う優良顧客向けの催事で『アンジェ』で人気のデザイン家電やキッチン家電を紹介する。『アンジェ』が強みとする品ぞろえや見せ方、コミュニケーションのノウハウを活用して、百貨店のお客様に新しい商品の紹介やシーンの提案を行いたい。『アンジェ』で表現していたことを百貨店のお客様に見てもらい、その場で商品を触って体験してもらうことを考えている」


――百貨店とネット販売は顧客層が違うが、どう考えるか。

 「『アンジェ』では30~40代の女性が中心で、百貨店はその上の年齢層の方が中心。百貨店のお客様に提案する場合に、『アンジェ』とは違った表現が必要になるだろう。百貨店にいるお客様に、『アンジェ』を受け入れてもらう工夫をしていきたい。しかし、百貨店のお客様を強引に『アンジェ』に呼び込むことは考えていない」

――相互送客は積極的に考えていない。

 「入ってくる間口を広げたからといって、すぐに売り上げを拡大できるものではないというのが正直な感想だ。間口を広げてお客様が来てくれるのを待つのではなく、重要なのは、お客様がいる場所にこちらが出向いていき、新しい商品やシーンや世界感をどんどん提案すること。その時に、『アンジェ』のノウハウは活かせると思う」

――将来的に店舗の常設も視野に入れるか。

 「倉庫に在庫を持ち販売する『アンジェ』のモデルは、出店時のメリットになる。百貨店は、売り場面積を広く取り商品をしっかりと紹介したいと考える傾向があるため、店頭で受注し発送するモデルも考えられるのではないか」(つづく)

アマゾンジャパン 「Amazonフレッシュ」の行方 ㊤

 3-1.jpgアマゾンジャパンが4月21日から、精肉や鮮魚、野菜など生鮮食品の販売を始めた。「Amazonフレッシュ」という名称で同社の有料会員向けに別途、月会費税込500円を徴収し、まずは都内6区限定で、展開中のスピード配送サービス「プライムナウ」の配送網を活用し、受注後最速4時間で顧客宅まで配送する。アマゾンの自社仕入による直販のほか、「人形町今半」など有力店ら27店舗がそれぞれ精肉や鮮魚、和洋菓子などを販売する外部事業者による出店販売も展開する。アマゾンの生鮮品通販の本格参入で競合となる既存の食品宅配事業者やネットスーパー各社からは「脅威になる」との声の一方、「いかにアマゾンとは言え、軌道に乗るかは未知数」との声も出ている。アマゾンの生鮮品通販の行方はいかに。

 「Amazonフレッシュ」は野菜や果物、鮮魚、精肉、乳製品といった生鮮品・食料品など約1万7000点を中心にキッチン用品や健康・美容用品、ベビー用品、ペット用品などの日用品・雑貨なども展開し、合計約10万点を年会費税込3900円を徴収した有料会員「アマゾンプライム会員」に対してさらに別途月額税込500円を徴収した会員に行なう配送サービス。アマゾンの既存のPC、モバイルサイトやアプリから注文を受け付ける。

 「Amazonフレッシュ」ではアマゾンがオイシックスなど複数の連携先から調達・仕入れした生鮮食品などを販売するほか、他社との差別化の観点から週2回、契約農家などから仕入れたとれたての野菜や果物、当日朝に加工したての鮮魚などを販売する「新鮮市」などの試みも展開する。「"新鮮市"では新鮮さに満足頂けなかった場合、カスタマーセンターに連絡頂くと代金を返金する『鮮度保証』を実施したり、万一、満足いく商品が届けられない場合は無料で代替品を届ける試みも行っていく」(Amazonフレッシュ事業本部・荒川みず恵リテール事業部長)という。

 加えて、人気店や有名店などの外部の出店者の商品も販売。「人形町今半」(精肉)や「魚の北辰」(鮮魚)、「パティスリーモンシェール」(洋菓子)、「船橋屋」(和菓子)などスタート時点では27店舗が「専門店グルメ」として出店し、合計約1000商品を販売する。なお、出店条件や出店料などについては「非公開」(同社)としているが、関係筋によると商品販売時に手数料として一定額と配送料を1件につき120円程度をアマゾン側に支払っている模様。

 商品は食品の種類ごとに最適な温度で保管可能な専用設備を設置した神奈川・川崎の物流センター「アマゾン川崎フルフィルメントセンター(FC)」を拠点に配送する。受注を受けると同拠点で梱包の上、顧客が商品受け取った際に、どれを冷蔵庫に入れればよいかなどが分かりやすいよう常温はグレー、冷蔵は緑、冷蔵は白と取っ手の色を変えた紙袋に包み、保冷剤入りの専用ボックスに入れ、同拠点から1時間以内配送などスピード配送を行う「プライムナウ」の専用拠点(東京・豊洲)に運び、そこから「プライムナウ」の配送員が顧客宅まで配送する仕組み。

 「専門店グルメ」の出店者の商品は受注後、出店事業者が自ら川崎FCまたは出店事業者の商品納入の利便性などを考慮してアマゾンが都内に設けた専用の商品納入受取の中継拠点まで運び入れ、アマゾンが直販商品とまとめて配送する。

 配送は顧客が注文時に指定した午前8時から深夜12時まで2時間刻みの時間帯で顧客宅まで指定の時間帯に配送する流れ。ちなみに正午12時までの受注分までは午後4時の配送枠に間に合うため、最速4時間で配送で配送できる。ただし、「横持ち」が発生する出店者の商品については対象外であらかじめ川崎FCに在庫しているアマゾンの直販品のみ。ただ、出店者の商品も当日配送に対応しているものもあるよう。複数の出店者によれば商品の納入形態として、翌日の配送を前提とした「午後4時までの納品」と当日の配送を前提とした「午前10時までの納品」が各出店者側で選択できるようになっており、「午前10時納品」を選択した出店者の商品は当日配送が可能となるが受注受付締切時間は午前中の早い時間帯となるようだ。

 なお、商品1点から配送するが、配送料は税込500円を徴収する。1回の受注額が税込6000円以上の場合、送料は徴収しない。また、配送時に顧客に商品を渡せなかった場合は、当該商品は持ち帰ってキャンセル扱いとするようだ。

 「Amazonフレッシュ」はスタート時点では東京都の港・千代田・中央・江東・墨田・江戸川の6区の一部地域で展開する。準備は整い次第、対象エリアを広げていくとしており、世田谷区と豊島区にある「プライムナウ」専用拠点も近く活用を始め、近々にも都内全域や都内周辺エリアにも拡大していく模様だ。

 サービス開始後の販売状況について某出店者によると「開始から数日たつが、まだ注文は数件程度。開始前にはアマゾンの担当者が『それなりに(受注は)来ると思う』といっていたが、今は『ゼロからのスタートなのでこんなもんだと思います』と言っていた(笑)。これからPRもしていくだろうし、エリアも広げていくだろうから期待したい」としている。

 「Amazonフレッシュ」は2007年から米アマゾンでスタートし、昨年6月には英アマゾンでも開始しており、日本は3カ国目となる。当初、日本での展開は3月27日から都内全域で展開する意向があったようだが、様々な不具合で開始時期がずれ込み、展開エリアも絞り込んだようだ。ともあれようやく開始にこぎつけたECの巨人、アマゾンが仕掛ける生鮮品販売。その行方について既存の食品宅配事業者やネットスーパー各社からは様々な声があがっている。  (つづく)


フィールライフの貝原利顕社長に聞く、紙媒体の立て直しと中期ビジョンは?㊦

 2-1.jpg前号に引き続き、千趣会100%子会社のフィールライフの貝原利顕社長に「大丸・松坂屋通信販売カタログ」の課題や新しい取り組み、中期ビジョンなどを聞いた。


──カタログの立て直しに向けて取り組んでいることは。
 
 「カタログはファッションとリビング、食品の3カテゴリーを展開しているが、事業としてはファッションがしっかりしないとダメだ。ドラスティックに中身を変えなくても、買いやすさや伝え方の部分などで取り組めることはある。すでに着手していることとしては、字の大きさや商品のスペック、写真など売り場としての整理整頓を行い、必要なものを分かりやすく伝えるようにしている。従来はカタログによって文字の大きさやフォント、余白の使い方などがバラバラだった
 
──千趣会のカタログ制作ノウハウを生かす。
 
 「30~50代女性がメインの千趣会と、70代前半が主要顧客の当社では、読み物の共通項として合致する部分はもちろんあるものの、われわれの世代がおしゃれだと思うカタログ、買いたいと思う誌面を作っても、70歳前後の顧客に響かないことは多々ある。実際に、昨年は少し誌面を修正したら、売り上げが大きく落ちるという経験もした。統一感があり過ぎてもダメで、少しごちゃごちゃ感というか、大阪の天神橋筋商店街や東京の巣鴨地蔵通り商店街のような雰囲気が必要だと感じる。社内では、常に千趣会側に寄って媒体を作ることはやめようと言っている。われわれの世代が『良いな』と思ったら、千趣会のカタログに寄っていることが多い
 
──顧客の高齢化を見据えた取り組みなどは。
 
 「現在の中心顧客よりも少し若い層をとり込む場合は、新しい媒体を作ってリーチすることになるだろう。グループのミッションとしても、千趣会の『ベルメゾン』を卒業したお客様に当社からアプローチしたり、自社の離反客にも周知を図る必要がある。新聞広告の活用なども考えなければいけない。Jフロントリテイリング側の組織会員などへのアプローチは従来から行っており、今後も継続的に取り組んでいきたい
 
──商品面で新しい取り組みなどは。
 
 「食品については、原価は高くても特徴を出しやすいカテゴリーでもあるので、新しい商材にチャレンジしていきたい。例えば、4月末発行の5月号からは『想いやり習慣』というカタログ冊子をスタートし、特色ある野菜ジュースの『トロトロ果肉入り人参ジュース』などを販売する。以前から野菜ジュース自体は扱っているが、単品系で商品としての顔で売っていくものは少なかった。『想いやり習慣』は体に良く、美味しくて毎日続けられる食品を厳選して掲載する媒体となる
 
──機能性の高い食品も視野にあるのか。
 
 「当社は高齢のお客様が多く、健康を気にしている。元々が百貨店の利用者で、良い商品にはお金を惜しまない方が多い。差別化できる商品でファン化を図り、定期的に購入してもらうことは事業としてもメリットがある。そのため、『トロトロ果肉入り人参ジュース』などを足がかりにして、成果が得られれば、健康食品の取り扱いを含めて単品通販にも挑戦できればいい
 
──中期的な会社の姿は。
 
 「JFRオンラインとして最後の決算となる2017年2月期は売上高が約93億円だった。この数年で大きく落としているが、ずっと100億円以上の売り上げがあった。利益体質の構築を最優先に考えるが、ファッションや食品を中心に成長軌道に乗せ、なるべく早い段階で100億円台に戻したい」  (おわり)


フィールライフの貝原利顕社長に聞く、紙媒体の立て直しと中期ビジョンは?㊤

2-1.jpg
千趣会100%子会社として新設されたフィールライフは、3月1日付けで旧JFRオンラインが手がけていた「大丸・松坂屋通信販売カタログ」の事業を承継して本格的に始動した。フィールライフは利益体質の構築を急ぐとともに、主軸のファッションカテゴリーを中心に売り場の改善を図るほか、従来よりも少し若い層の開拓や単品通販への挑戦なども見据える。同社の舵取りを担う貝原利顕社長に、足もとの課題や中期ビジョンなどについて聞いた。


──社長就任の心境と意気込みは。

 「1年ほど前からJFRオンラインに出向していたため、厳しい経営環境にあることは承知していた。社名こそ何度も変わってきたが、『大丸・松坂屋通信販売』という屋号には歴史があり、新会社の社長として背筋が伸びる思いだ。ただ、あまり気負わずに、お客様のことをじっくり考えて取り組むべきことを迅速に行っていきたい

──組織・人員面は。

 「60人強の人員でスタートしたが、実は6割弱が大丸松坂屋百貨店からの出向者で、千趣会からは4割強になる。事業承継が急な話だったこともあり、既存顧客へのサービスをとめないためにも事業を熟知しているスタッフが必要だった。とは言え、千趣会グループとして事業承継する以上は千趣会からも相応のメンバーが不可欠で、いまの構成となった

──改めて、カタログ事業の特徴や強みは。

 「お客様については質の高い顧客が多いと感じる。70代前半が中心顧客のため、徐々に外出する機会が少なくなっていく中で、『カタログがないと困る』と言うお客様がいたり、『今まで通りがいい。変えないでほしい』という声もある。基幹カタログの『いい服・いい暮らし』は日本製の商品が比較的多く、素材や縫製を含めて品質は高い。食品の媒体『おいしさ自慢』も、百貨店屋号とのシナジーもあり、素材を生かした商品、本当に美味しい商品が多いことは強みだ

──JFRオンライン時代は減収がとまらなかった。

 「千趣会から出向する前は基幹カタログを年間25回発刊していた。カタログ事業は媒体を出すのに一番費用がかかる。利益が出ていないのに、売り上げの回復を目指してカタログをばらまいていた。これでは利益は出ないし、同じお客様に高い頻度でカタログを送り続けても離反を招くだけ。まずは利益面の改善を優先して、昨年の途中からは平均月1回に発刊回数を絞っている

──今期については。

 「発刊回数などは基本的に大きく変えない。利益体質の構築と並行して、MDなど事業の本質的な部分を強化していく必要がある。ただ、現状では顧客の購買情報などが蓄積し切れておらず、データマーケティングが行いづらい環境にある。物流や受注処理を含めた基幹の仕組みの高度化が喫緊の課題だ

──新聞の活用など新規開拓については。

 「カタログ通販の畑で育った身としては、程度は別にして新客開拓をとめてはダメだと思っている。ただ、ご高齢のお客様が多いとは言え、カタログだけで展開していくのは限界があり、中長期的なEC戦略を含めて考えていく必要がある

──媒体の再編や新媒体の計画などは。

 「アンケートを見る限り、いまの媒体を急激に変えると想定以上の離反を招く可能性もあり、ドラスティックに変えるべきではない。一方で顧客の高齢化は進むため、少し若い層の開拓には新しいカタログの発刊を考えていきたい」 (つづく)


ニッセン 〝大きいサイズ〟専門モール、売り場集約し利便性向上

 ニッセンは4月6日、大きいサイズに特化したファッションのネット販売モールを開設した。同社商品以外にも、国内39ブランドの商品を買えるようにした。これまで分散してきた大きいサイズアパレルを集めたモールを作り、さまざまなブランドの商品を比較しながら購入できるようにする。経営再建中のニッセンでは、大きいサイズなど特殊サイズアパレルに注力しており、モール開設を大きいサイズアパレル市場の拡大につなげるとともに、新たな収益源にする狙いだ。

 モールの名称は「Alinoma(アリノマ)」。ニッセンでは大きいサイズアパレルブランドとして「スマイルランド」を展開。同社のレディースアパレルが売り上げを落とす中で、同ブランドは売り上げを拡大しており、大きめサイズ通販の市場では圧倒的なトップとみられる。

 新モールは大きいサイズアパレルに特化したもので、東京スタイルやオンワード樫山、ラ・クープ、ストライプインターナショナル、エドウイン、イトキン、フランドル、ニッセンなどが参加。開設時点ではLサイズから最大10Lサイズまで、全39ブランドの商品が購入できる。サイト運営はニッセンが行う。目標とする流通額は非公表。

 大きいサイズアパレルを一つの売り場に集約し、買い回りしやすくすることで、単価やライフタイムバリューの向上を狙う。また、これまで大きいサイズアパレルの販売チャネルは分散しており、ターゲットとなる消費者にとっては商品が選びにくい状況だったことから、同社では「マーケットとしては成長の余地がある」とみており、モール開設により市場規模拡大や新規顧客開拓を見込む。

 また、大きいサイズ展開がないブランドや、3L程度までしか展開していないブランドに対しては、サイズアップ商品企画の提案や、生産受託によるサイズアパレル拡大を計画する。

 同日には、東京都港区の六本木ヒルズで、サイト開設を記念したPRイベントを開催。タレントのダレノガレ明美さん、お笑い芸人のバービーさん、お笑いコンビ・おかずクラブのほか、モデル15人によるファッションショーが行われた。

ニッセンHD脇田社長に聞く

「事業を大胆に変革」

022.jpgニッセン親会社のニッセンホールディングス・脇田珠樹社長(=写真)にモール開設の狙いを聞いた。

――ニッセン以外の商品も販売することになるが、需要を食い合う恐れはないのか。

 「その可能性は当然あるが、大きいサイズアパレルが揃った場を設けることで消費者に来訪してもらえるようになれば、結果としてパイは広がる。そうなれば、今までニッセンに見向きもしなかった消費者にも買ってもらえるようになる。クローズかオープンかという検討はしてきたが、ニッセンにとってクローズであることの利点は、消費者からすると不便でしかない。さまざまなブランドの大きいサイズアパレルが一つのサイトで比較できれば、それに勝る利便性はない」

――大きいサイズアパレル市場は成長の余地があるとのことだが、どの程度まで広がると見ているか。

 「LLサイズ以上衣料品を買う消費者の年間購入額と、それ以下のサイズを買う消費者の年間購入額を比較した場合、後者は2・5~3倍ほど多い。商品さえあれば需要は顕在化すると思っている。現状、LL以上衣料品の市場規模は約2000億円だが、これが3000億円になっても3500億円になってもおかしくない」

――モールを開設することで、ニッセンの売り上げも増え、さらに手数料収入も得られる。

 「そうだ」

――オリジナル商品の展開など差別化のポイントは。

 「現状、商品単体では差別化要因は薄い。まずは一覧性があり、アリノマに来れば商品が揃うという、売り場としての利便性が差別化要因。そこでしっかり消費者が集まれば、『これまで3Lまでしか開発していなかったが、アリノマには4Lまで提供しよう』というブランドが出てくるかもしれない。ブランドがやらなければ、当社が企画するなど、パートナーシップが生まれることもありうる。こういった形で、少しずつ独自の領域を広げていく」

 「大きいサイズアパレルを購入したい消費者が集まる場を作ることが重要だ。『ニワトリが先か卵が先か』という話にもなるが、そうなれば、ブランドもアリノマに対して商品を提供できる体制になってくる。それの繰り返しだろう」

――集客策は。

 「まずはアリノマの存在を知ってもらうことが重要。サイトの認知度を高めながら、ブランド数を拡大してきたい。そうなれば利便性が高まり、購入する消費者も増えるので、積極的にウェブ広告などで集客したい」

――リピート購入してもらうための施策は。

 「商品が充実しないとリピートはしてもらえない。ポイント制度の導入やモールとしてのセールなども考えたい」

――大きいサイズアパレル以外の衣料品事業はどうする。

 「今ある事業の中で、強みがあるカテゴリーは残して強化していく。これまでのように幅広く品揃えしていた『総合通販』というよりは、『専門通販の集合体』に変わっていく。その中で、よりネットにシフトしていく。カタログは決して悪ではないが、制作期間に1年以上かかってしまうため、ビジネスモデル的に世の中の変化に追いつけない。これを解決するには、ネットの売り場を主戦場として、カタログは販促媒体として残す。これまでとはカタログとネットの主従関係を逆転させる。発行規模についても、部数・ページ数ともにかなり縮小する」

――これまで取り組んできたことの延長線上にみえる。

 「もっと大胆に変革する。今まではやってきたつもりでも、結果としてほとんどできていなかった。既存のビジネスモデルにとらわれていたし、全体の事業モデルを変えないといけない。今回、セブン&アイ・ホールディングスの完全子会社となり、構造転換できるチャンスが生まれたので、大胆に事業全体を変えたい」

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