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企業動向 Archive

アマゾンジャパン「『アマゾンビジネス』開始から1年」 法人向けECに手応え、売上・客数は「予想通り」

アマゾン表.jpg 「売り上げ、顧客数ともに当初の予想通り、順調に伸びている」。アマゾンジャパンは昨年9月20日からスタートさせた企業のオフィスや工場、病院などで使用される各種の消耗品などを販売する法人・個人事業主向けのネット販売「アマゾンビジネス」の現状について明らかにした。同社によると2015年から同事業をスタートさせた米国を中心に現在、8カ国で展開中の「アマゾンビジネス」の顧客数および売上高は8カ国合計で「数百万社、100億ドル超のビジネス規模まで拡大している」(米アマゾンのスティーブ・フレイザーAmazonBusiness担当バイスプレジデント)とし、実数は非公開としながらも日本でも開始から1年で「当初の予想通り順調」(石橋憲人AmazonBusiness事業本部長)同事業の売上高および利用する顧客事業所数は右肩上がりで成長しているようだ(=別表)。

 「個人事業主から非常に大きな企業まで幅広く活用頂いている」(石橋本部長)と短期間で一定の顧客企業を獲得できた理由について、日本の商習慣にあわせ月末締め、翌月末払いの請求書払いへの対応や物品の購買プロセスの見える化、通常価格より安価に販売する法人価格の設定などを挙げている。

 石橋本部長によると請求書払いの利用率は「アマゾンビジネス」を展開する8カ国中で最も高く「年商300億円以上の企業の7割が請求書払いを選択している」という。日本の商習慣と合致していることに加えて、突発的に必要となった物品の購入時でも社員個人が「アマゾンビジネス」を利用して当該物品を購入することでこれまでのように社員による建て替え払いでなく、まとめて請求書払いが可能となることで経費の見える化や都度購入に伴う経理処理の手間をなくし、利用企業にとって物品購入だけでなく購買プロセス全体のコスト低減につながっており、それらをメリットと感じる企業が多いようだ。また、一部の対象商品で導入された通常価格よりも値引きした法人価格の設定も好評なよう。

 「アマゾンビジネス」の強みをさらに強化するため、新たな試みを進める。8月から一部商品で「検収払い」への対応を開始。従来まで商品の発送時点で請求書を送付していたが、実際に商品が届き、企業が現物を確認する"検収"を終えてから請求書を発送するものでこれも顧客事業からの要望を受けて開始したもの。また、7月末からは「オンライン入札リクエスト」という新機能を導入した。ある商品を一定数以上購入する際、ボリュームディスカウントを販売事業者に販売ページから要請できる機能で、当該商品の購入数を入力して「依頼する」というボタンをクリックすると、当該商品を「アマゾンビジネス」で出品する全事業者に通知され、48時間以内にそれぞれ販売価格を回答するというもの。「お客様から常に様々な声を頂いている。1つ1つ対応しサービス向上を図っていきたい」(石橋本部長)とし、今後も「アマゾンビジネス」の機能強化を進める考え。また、詳細は明らかにしていないが10月下旬からはこれまで「アマゾンビジネス」の全顧客に実施していた送料無料化をやめ、すでに米、独のアマゾンでは実施中の「アマゾンビジネス」専用の有料会員制度「Businessプライム会員」を日本でもスタートさせる意向(本紙1667号で既報)。いよいよ本気で拡大フェーズに移行するとみられる「アマゾンビジネス」の今後の展開が注視されそうだ。

【ユニクロの松山真哉部長に聞く AI接客アプリの狙いとは?㊦】 質問対応精度が大幅向上、「パーソナライズ」も強化へ

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 前号に引き続き、ユニクロが手がけるAIによるチャット接客機能「UNIQLO IQ(以下IQ)」を本格導入したアプリに関して、開発の中心となったグローバルデジタルコマース部の松山真哉部長に、今後の展望などについて話を聞いた。
                     

 ――IQはどのような使われ方が多いか。

 「着こなしや、旅行用途など利用シーンに関すること、体型の悩み解決、トレンドなど、相談内容はある程度バリエーションが決まっている。

 実店舗スタッフの場合、例えば顧客に『旅行に行く』と言われたら、一言『どこに行くのですか』と聞き返して暑い地域や寒い地域などその答えに応じた提案をする。IQでは最初、質問されたらすぐに"正解"を提示するものだと考えていたが、この『一言聞く』という当たり前の過程が漏れていたことに気づいた。今は、聞き返すことで答えの的を絞っている」

 ――そのほかに利用者ヒアリングなどを通じて新たに実装したものは。

 「盲点だと思ったのが、当初はチャット画面内ですべて(の質問応対を)完結することがいいと考えていた。しかし、商品が決まった後に色やサイズを選ぶ時は、ECの方が見やすくて選びやすいという意見を頂き、(必要に応じて)チャットからECに飛ばす導線も設けるようにした」

 ――商品数も多いので、「表記ゆれ」の問題にはどう対応しているか。

 「コラボレーション商品も多いので意識して登録するようにしており、あとはAIで学習する形。例えば正式名は『Uniqlo U』だが、デザイナーはルメール氏なので、そこは両方で対応できるようにしている。当初は50%の質問に答えられなかったという話があったが、こうした表記ゆれの問題1つをとっても毎日積み重ねて修正していったことで、7月下旬の時点ではそれが6%まで抑えることができた。常に10%以下をキープできるようになってきたと思う」

 ――今回の新機能の認知拡大に向けたPRは。

 「ユニクロアプリ自体、一つのブランドとしては国内でもかなりの大きな会員基盤を持っているので、まずはそこに向けてオウンドメディアを通じて伝えている。アプリ会員、オンラインストア、メルマガなど発信できる場がたくさんあるので、分かりやすく地道に説明している。先日、インスタグラマーを招いて開催したIQの発表会の様子も、朝のテレビ番組などで取り上げてもらったことで、その日は前週の2倍ほど利用者が増えた」

 ――これまでのIQの成果について。

 「例えばチャットボットだけでなく、カスタマーセンターでも人の手によるチャット対応を今年3月から始めているが、5月の時点で問い合わせの半数以上が(従来までの電話やメールによるものから)チャット経由にかなり切り替わった。

 また、5月時点での問い合わせへの対応数で言えば前年5月と比べて、約2倍の量に対応できるようになった。これはチャットボットが活躍していることもそうだが、人によるチャット対応が電話応対に比べて6~7割の時間で済んでいるため、スピーディーなことが背景にある。このように自分たちが思っていた以上にチャットシフトが進んでいると思う」

 ――EC購入を後押しするような効果は。

 「具体的な数字の話は言えないが、先ほどのように色やサイズを選ぶ際は、ECに誘導する仕組みを持っているので送客効果はあると思う」

 ――今後、より顧客のパーソナライズな部分に踏み込むような追加機能は。

 「例えば、以前買った商品に関連した商品や、気になる商品を登録している『お気に入り』に応じたコーディネート提案なども今は行っている。実店舗でスタッフが以前に買った商品を覚えていて接客するようなイメージで、ポップアップで商品画像をただ出すよりも、チャットを通じた対話の中で言葉として提案していく方が受け入れやすいのではないか。今後も、こうした顧客行動に基づいた提案は増やしていこうと考えている」

 ――現状のECの課題とは。

 「1つは実店舗との融合。大手仮想モールさんとの違いとしては実店舗の基盤を持っていることなので、そことの融合を進めることは当然大事なこと。2つ目はグローバル展開。このIQも含めて、世界中に一番良いものを展開していくこと。3つ目が、コミュニケーション。ECは買い物チャネルだけではなく、これを見てブランドを知り、買い物の前後にも見てもらうというメディアとしての役割がある。また、顧客から直接フィードバックが得られる接点でもある。今はここで商品レビューを多く集めていくことにも取り組んでいる。自分たちでモノづくりをしている会社なので、それを基に商品開発を進めることができるということ」
(おわり)


イケア・ジャパン EC構成比5%超に、ソファなど家具類が好調

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 スウェーデンのインテリア販売企業のイケアグループの日本法人であるイケア・ジャパンは8月29日、都内で事業説明会を開催し、EC事業の売上高構成比が全体の5%を超えたことや、2020年までをメドに東京都心部で新業態の実店舗を開設することなどを明らかにした。

 事業説明会の冒頭、ヘレン社長(画像)は「現在、購買への大きな変化の波が押し寄せている。イケアのビジネスに関しても今後3年間で大転換していく」と説明。昨年4月に開始したEC事業では家具や雑貨などを販売しており、EC事業の売上高構成比が全体の5%を超えたことなどを語った。

 ECでは家具の購入比率が高いようで、中でもソファが一番の売れ筋商品となっている。今後は、サイトへの新機能導入なども含めてテコ入れを図る考え。「オンラインは日々伸びており、誰しもがオンライン・オフラインの両方で買い物をする」(ヘレン社長)と語っており、成長中のECと実店舗の両面で顧客を開拓していく施策を強化することを示唆した。

 また、20年までをメドに東京都心部で開設予定の新業態の実店舗については、具体的な地区や店舗サイズ、他の小売り企業で一般的となっているウェブと連動したオムニチャネル型店舗となるかなど、詳しいことは一切明かしておらず、詳細は年内ごろまでに発表する予定。「都心部の店ならではの顧客に求められるサービスに応えられるような内容で現在検討している」(同)と述べるにとどまった。

 なお、2018年8月期の業績については、「ポジティブな成長を見込んでいる」(同)とし、その要因としてEC事業の成長が大きく寄与しているとした。

プラ製品の販売を中止

 そのほか、環境問題の観点から、使い捨てストローや袋といったプラスチック製品を今後、全世界で販売を中止することも明言。加えて、昨年1月に開始した下取り還元サービスについては、これまでに1万4630件の申し込みがあり、5730件の家具を下取り。その内81%の家具を再販したことも報告した。

 また、創業75周年を迎えたことから商品展開も広げており、今後「アディダス」や「レゴ」といった他のブランドとのコラボレーション商品なども発売する計画。

【ユニクロの松山真哉部長に聞く AI接客アプリの狙いとは?㊤】 対話から新しい購買体験、ECを「副業」から「本業」へ

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 ユニクロは7月、AIによるチャット接客機能「UNIQLO IQ(以下IQ)」を公式アプリに本格搭載し、新たな購買体験の提供に乗り出している。EC誘導をはじめ、膨大な対話の積み重ねが有用なマーケティングデータとして活用されることも見込まれる。アプリ開発の中心となったグローバルデジタルコマース部の松山真哉部長に詳しい話を聞いた。

 ――この数年間、ユニクロの中でECを取り巻く環境が変化している印象を受ける。

 「会社で『有明プロジェクト』を進めていく中で、大きくは3つのことを実現しようとしている。1つはオンラインとオフラインを統合した新しい購買体験をつくること。2つ目がデジタルやテクノロジーを活用しながら、顧客の要望を即、商品に反映させる仕組みをつくること。3つ目は、そうしたことを実現するために働き方自体を変えていかなければならないため、こうしたオフィスを作ってワンフロアで1000人が一緒に働くことで変えていくということ。

 IQに関しては、1つ目の『新しい購買体験』を提供するための取り組み。そうした意味では、私たちはECというものは正直ずっと副業という位置づけで、メインである実店舗を支えるという考えだったが、これからはそれを本業化していくということ。今は人材もそうだが、このオフィス自体も下が倉庫になっており、そこからECの荷物を配送するという物流設備面での投資もかなり行っている」

 ――ハード面以外の投資については。

 「今は例えば支払い方法の多様化という点で『後払い』や『Apple Pay』の導入。また、実店舗のレジで清算した商品をECから送るといったサービスや、コンビニ・店頭受け取りも行っており、今はかなり利用が伸びてきている。これに加えて新しい購買体験として今回の『チャットショッピング』を新たに提供することになった」

 ――チャットショッピングに注目した経緯は。

 「今は、実店舗で買うという行動から、ECでの購入になり、それがモバイルベースになるといった流れがある。その中で現在消費者に一番使われているコミュニケーションツールが『LINE』や『Facebookメッセンジャー』といったチャット形式のインターフェースとなっている。そうした背景から、対話をしながらショッピングができるという購買体験を提示したかった。いつも(ページを)開いて頻繁にメッセージを確認するなど、日常で一番時間を使っているツールだと思う」

 ――顧客とコミュニケーションを図る機能は当初から意識していた。

 「有明プロジェクトもそうだが、常に双方向のコミュニケーションを図って、何か要望を聞いて商品に反映したり、改善したりして『このように変わりましたよ』と伝えていくサイクルを作っていきたいと考えている。顧客との一番身近な接点となるモバイルアプリを、そうした場にしていきたいと思っていた」

 ――運用は専任チームが行っているのか。

 「カスタマーセンターのチームの1つに位置付けていて、担当者数名が専任者として取り組んでいる。もちろんプロジェクトとしては開発など様々な部署も関わってくる」

 ――AIの基になる教師データについては試験運用を開始した昨年9月から作っていたのか。

 「まだ、利用実績がない段階ではある程度憶測で作っていた面もあるが、その大元もカスタマーセンターへの問い合わせ履歴やFAQなどでのデータをベースにしている。象徴的なこととして、(顧客からの質問は)フリーテキストで入力することができるが、初めはその質問の約50%に答えることができず、自分たちが想定している使い方とはまったく違うと感じた。そこで、専任チームが毎日ログを見て教師データをどんどん作っていく作業を愚直に行った。

 また、何カ月に1回か、IQの幅広い世代の利用者の方に集まってもらいグループインタビューを行っている。そこでの話し合いに基づいて機能改善している。さらに、月に1回の月度朝礼の後などで、CS表彰を受けているような実店舗スタッフに定期的に時間をもらって、普段顧客から受けている質問内容や満足された対応事例をヒアリングして反映させている」(つづく)


ピーチ・ジョン アプリの立ち上がりが好調、スムーズな購買で離脱解消

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 ピーチ・ジョンは、7月に行ったアプリの刷新後の立ち上がりが好調に推移している。刷新初日からアプリの売上を計上し、課題となっていたカート画面の離脱の解消に寄与したようだ。また、実店舗では3割の顧客がレジでアプリを利用して会員情報を提示しているなど、顧客との接点拡大につながっているという。アプリの来年3月末時点の月間アクティブユーザー数(MAU)は前期比78%増を目指す。

 刷新したアプリは「ピーチ・ジョン公式アプリ」。永久的にログイン状態を保持し、ログインから決済、購入完了までをスムーズに行えるようにした。また、店舗で発行したカード番号を入力すると店舗での購入履歴の閲覧できるほか、バーコード検索などができる。

 刷新は17年4月に立ち上げた部署「カスタマーデライト向上インフラ推進部」で手掛けた。通販の会員数拡大に限界があることや、顧客とのコミュニケーションがメルマガ中心になる中で、時代の変化に合わせた"顧客感動"の視点でインフラ整備を進める組織と位置付けている。

 アプリの刷新は、オムニチャネルの実現を目指して行った。中心顧客層の20代~30代の通販サイトを利用する既存顧客が迷わない操作性や違和感のないデザインを目指した。「アプリを使い続けるユーザーは、ブランドを好きな人」(カスタマーデライト向上インフラ推進部同課課長の宮澤雅行氏=写真㊦、左)とし、購買体験における楽しさも重要だったという。

 アプリの開発は機能だけでなく、細部までこだわった。商品検索画面では、「ブラジャー」や「パンティ」などカテゴリー検索をビジュアルから選択できるようにした。アプリ用に撮影したものを採用し、優しい色合いで商品やブランドへの興味を喚起する。

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 起動時に表示するエントランス画面は、カタログ発刊とともにスタートするシーズンにあわせてビジュアルを変更。ユーザーがアプリを立ち上げる楽しみを演出した。

 さらに商品画像のお気に入り商品を登録するハートを押すと、エフェクトが発生するように工夫。データのローディング中のアニメーションは桃をデザインした。アプリを使うユーザーが驚く仕掛けを盛り込んだ。

 好調な立ち上がりは、スムーズな購買体験が奏功したようだ。また、レジでの声掛けなどがアプリの利用促進に貢献したとみる。今後もアプリの機能強化を図る方針で、アプリ限定の施策や、来店に応じて特典を付与する仕組みも検討するようだ。「将来的にはアプリは会員数を伸ばせるチャネルへ育成したい」(クリエイティブ部WEBデザイン課課長兼カスタマーデライト向上インフラ推進部同課尹永淑氏)とした。

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