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企業動向 Archive

ニッセン、上場廃止の背景は① 「ブランド戦略」実らず 

「ニッセンホールディングス(HD)のカタログ販売やインターネット技術を高く評価しており、当社グループのリアルな店舗という強みと融合することで、新たなシナジー効果が生まれると判断し、提携した」。

 2013年12月、セブン&アイ・ホールディングス(HD)とニッセンHDによる資本業務提携締結発表の記者会見で、セブン&アイHDの村田紀敏社長(当時)はこう語り、ニッセンHD買収のメリットを強調した。しかし子会社化から2年半、ニッセンHDの業績は悪化する一方で、セブン&アイHD側が期待していたようなオムニチャネル関連における目立った成果は出ないまま、ニッセンHDは完全子会社化されることになった。

 ニッセンHDではこれまで、衣料品や家具などで「値ごろ感」を打ち出すことで店舗などへの優位性を保つ典型的な総合通販のビジネスモデルで成長してきた。消費者の間にも「安さのニッセン」というイメージは浸透していたが、SPA(製造小売業)の発展がこうした優位性を失わせた。安価で流行を取り入れた商品を随時投入できるSPAに対し、カタログ通販は商品企画から販売まで1年近いタイムラグが生まれてしまうからだ。

 ニッセンHDでは、ネット販売においても価格面での優位性を保つ戦略を仕掛けてきた。例えば04年秋には、消費税の総額表示を期に商品価格を一律5%値下げ。09年秋カタログでは前年秋カタログ比で平均10%価格を引き下げた。09年当時のニッセン佐村信哉社長は、本紙のインタビューに対し「ネットで強くなろうと思ったら、プライスリーダーにならなければいけない」などと語っていた。

 ただ、ネット販売を良く使う若年層女性からは「安っぽい」と受け止められがちだったニッセンの商品。ユニクロに代表されるSPAにはブランド価値という点で大きく引き離されていた。そこで10年からはブランドイメージの転換を図るべく、社内に戦略プランニング本部を設置。女優の香里奈さんをイメージキャラクターに起用したテレビCMなどを展開するなどの施策で「手ごろな商品を扱っている」というブランド観を確立、F1層のファン開拓を狙ったわけだ。

 だが、こうした戦略も実を結ばなかった。11年12月期決算のアパレル売上高は減収に。特にリピート率の悪化が深刻だった。ニッセンHD佐村信哉社長(12年1月当時)は、「ネットのライバルとの競争に負けている」と原因を分析。楽天市場やスタートトゥデイの「ゾゾタウン」などに「価格や品揃えで負けている」(当時の佐村社長)ことがリピート率悪化につながっていた。

 07年には投資会社のアドバンテッジパートナーズがサービスを提供するファンドを引受先に第三者割当を実施。一時は「他の大手総合通販との提携や合併を模索する動きも進んでいた」(業界関係者)という。他の大手総合通販に比べると財務体質は弱く、08年12月期には自己資本比率が14・2%まで低下。10年12月期は39・7%まで持ち直したものの、セブン&アイHDによる買収前となる13年12月期の自己資本比率は27・7%。その後は最終赤字が続き、今中間期は債務超過寸前まで追い込まれた。
(つづく)

ベルネージュダイレクト柿﨑社長に聞く、事業再編の成果と成長戦略は?㊤

 千趣会グループのベルネージュダイレクトは、昨年3月に雪印メグミルクが資本参加(33・4%)し、同年7月に旧主婦の友ダイレクトから社名変更して新たなスタートを切っている。機能性食品や出産内祝いギフトを強化する一方で、育児系のカタログ事業の中止や雑誌通販からの撤退など選択と集中を加速。「激動に次ぐ激動の数年だった」と振り返る柿﨑富久社長に、事業再編の経緯や成果、成長戦略などについて聞いた。



──会社の変遷を近くで見てきた。

 「私自身は主婦の友社の通販事業部時代から30年近く、当社の事業にたずさわってきた。1999年に主婦の友社から分離・独立して主婦の友ダイレクトになった際に企画部長、その2年後に役員となり、09年3月にJALUXの連結子会社となった後、12年6月に社長に就任した。JALUX傘下では両社が保有するインフラの共同利用でシナジーを発揮する構想があったが、顧客層や商品構成がまったく異なり、共同利用が進まない中でJALの経営破たんがあった

──筆頭株主が変わることに。

 「当時は当社も雑誌、カタログ事業が苦戦し、10年くらいからは赤字が続いていた。そこで、雑誌や産院ルートを通じた育児系通販をテコ入れし、復活を果たしたいという思いで千趣会の門を叩いた。結果的には、13年9月にJALUXが持つ当社株式51%を千趣会がそのまま引き継ぎ、翌年には主婦の友社などの保有分も含めて千趣会の100%子会社となった。すぐさま、約20人の合同チームを立ち上げ、育児系の雑誌とカタログを立て直すために千趣会の独自商品を扱ったり、ECのシステムを再構築してもらった。ただ、雑誌の部数が減っていたことやネット上の価格競争も激しく、成長軌道には乗れず、15年春夏号を最後にメイン媒体『トマ・トマ』をやめてカタログ事業から撤退した

──「トマ・トマ」は30年近く続いた媒体だ。

 「主婦の友社の育児誌、マタニティー誌の誌上通販が好調だったころは雑誌で獲得した顧客に『トマ・トマ』を送って成長してきた。昨年、主力事業として取り組んできたカタログからの撤退に伴って中期計画を策定したが最終号も振るわず、15年上期は大きな赤字となったため、再度、計画を見直し、15年下期に雑誌通販の中止も決めた

──具体的には。

 「育児系の雑誌通販は8月末で終了となるが、在庫の販売も含めて年内はサイトを残す。また、主婦の友社のインテリア系雑誌『プラスワンリビング』などをベースにした通販も当社が行っていた。雑誌に数ページの付録をつけ、年に数回、ムック本を出して刈り取るという取り組みをしていたが、これらも今年で撤退する

──一方で、雪印メグミルクとの関係性は。

 「昨年3月に資本参加した雪印メグミルクとは雪印乳業時代の01年に、『ベビーパラダイス』という産院で配布する育児媒体を出すときに当社を選んでもらった。その後、雪印乳業は子会社のビーンスターク・スノー(現雪印ビーンスターク)に粉ミルクなどの事業を移管したことで、当社の取引先はビーンスターク社となった。ビーンスターク・スノーは粉ミルクなどに加えて、機能性食品のドリンクなどを発売し始めたが、消費者向けの販売子会社を持っていなかったため、当社が通販業務を担うことになった。04年から機能性食品の販売を始め、その中にリピート率の高い『毎日骨ケアMBP』という商品があり、08年には新たに定期購入の仕組みを作った

 「ビーンスターク・スノーは09年にドラッグストアなど店頭での販売をやめ、当社の専売のような形となったことで売り上げがグッと伸びた。その後、機能性食品は順調に成長し、14年3月に雪印メグミルク本体に機能性食品事業部が立ち上がり、消費者向けの通販に取り組む際、当社と継続的にタッグを組むか、販売会社を自ら作るかという検討をしたようだが、最終的には継続契約を選択してもらい、資本参加もという流れになった

──転換点だった。

 「業務提携契約は雪印メグミルクと千趣会、当社の3社契約になっている。メーカーと総合通販大手が組むことは珍しいと思うが、当社がハブのような役割を担って機能性食品の事業拡大を目指す。現在、千趣会の主導で基幹システムのリプレイスを進めており、従来の総合通販から単品通販に寄ったシステムに切り替える。詳細は決まっていないが、ECの見え方も様変わりすることになるだろう。一方で内祝いギフトも好調のため、今後は機能性食品とギフトの2つが当社の主力事業となる。それ以外ではメディア営業(広告)やカタログ制作の受託、機能性食品の定期会員に毎月届ける会報誌『健幸美身(けんこうびじん)』も昨年の夏から手がけている」  (つづく ※㊦はこちら


千趣会 婦人靴「ベネビス」を刷新、百貨店9店舗でも販売

021.jpg 千趣会は、昨年4月に資本業務提携を結んだJフロントリテイリング(JFR)との協業の一環として、千趣会のオリジナル婦人靴ブランド「ベネビス」を刷新し、両社の共通プライベートブランド(PB)として8月31日から大丸松坂屋百貨店9店舗に売り場を設けるほか、千趣会のカタログや両社の通販サイトでも販売し、2016年下期の売り上げは千趣会が15億円、大丸松坂屋が2億7000万円の合計17億7000万円を目標に掲げる。

 共通PBについては、3月に千趣会の50代向け婦人服ブランド「ケイカラット」を刷新。百貨店顧客がより満足できる商品ラインを追加して大丸5店舗にショップを開設している。「ベネビス」はこの第2弾で、大丸松坂屋は「ベネビス」の刷新に当たり、オリジナル婦人靴の開発は同ブランドに集約している。

 「ベネビス」は、「足が痛いから職場では靴を履き替えている」という消費者の声を受け、89年に千趣会がオフィス用シューズブランドとして販売開始して以来、"女性のための足に優しい靴"をキャッチコピーに履き心地にこだわった靴の開発を続けてきた。今回の共通PB化では千趣会の顧客の声を形にするノウハウを生かしながら、さらに多くの消費者が満足できるように商品の価格とテイストの幅を広げた。

 新生「ベネビス」はカジュアルラインとエレガンスラインを用意。靴の特性に合わせて2種類のインソールと、すべての靴に歩行時の衝撃軽減機能を備えた高反発クッションを標準装備している。百貨店顧客に向けては新たに開発したインソールによって足のアーチ形成をサポートするプレミアムラインを投入する。

 店頭では、従来のカタログ商品を中心にプレミアムラインを組み合わせ、重層的な商品群を展開。また、サイズの幅と機能性を明確にしたビジュアルプレゼンテーションによってナショナルブランドとの差別化を図る。

 ネットでは"いつでもどこでも"に応えるチャネルとして全ラインを展開し、メール販促やタイムリーなクーポン配布で顧客接点の頻度を高める。カタログでは、全ラインの取り扱いに加え、着用シーンとコーディネートをイメージしやすい誌面で訴求する。

 販促面は、店頭では「ベネビス」を試着した全店合計で先着1000人に微妙なサイズ調整ができるジェルパッドをプレゼントするほか、新開発インソールやレザー、カラーなど7つのスペックから好みのブーツが作れる受注会を8月24日から実施する。

 リアル店舗については、8月31日に大丸の心斎橋店北館2階と京都店1階、神戸店1階、梅田店4階、東京店3階、札幌店2階、松坂屋の名古屋店南館地下2階と上野店本館2階、静岡店本館1階に開設する。また、千趣会の通販サイト「ベルメゾンネット」とカタログ、大丸松坂屋百貨店の通販サイト「クリック&コレクト」(※店頭取り扱い商品のみ9月13日に販売開始予定)でも販売する。

 店舗展開型数はエレガンスラインが47型、137フェイス、カジュアルラインが36型、109フェイス。価格帯は、パンプスでエレガンスのプレミアムラインが税別1万6000円~1万7000円、同スタンダードラインが8900円~1万4800円、カジュアルラインのシューズは8900円~1万4800円など。

 なお、千趣会の15年12月期における「ベネビス」の販売数量は45万足で、売上高は30億円。

セブン&アイHD 株式交換でニッセンHDを完全子会社化、経営再建を加速

 セブン&アイ・ホールディングスは8月2日、ニッセンホールディングス(同・京都市南区、市場信行社長)を11月1日付で完全子会社化すると発表した。セブン&アイHDでは、2014年にニッセンHDを連結子会社としていたが、ニッセンHDは3期連続で最終赤字となるなど業績は低迷。完全子会社化により、経営再建を加速する。

 セブン&アイHDは、議決権ベースで50・74%のニッセンHD株を保有。セブン&アイHD子会社であるセブン&アイ・ネットメディアとニッセンHDとの株式交換による完全子会社化となり、ニッセンHDの株主にはセブン&アイHD株を割り当てる。割当比率はセブン&アイHD株1に対し、ニッセンHD株0・015。セブン&アイHDの2日の終値で計算すると、ニッセンHDの1株は約64円相当。ニッセンHDは10月27日付で上場廃止となる。

 セブン&アイHDではニッセンHDの子会社化を「オムニチャネル化推進の一環」と当初は説明していたものの、昨年11月に開設した通販サイト「オムニ7」にはニッセンHDは参加しておらず、グループのオムニチャネル構想から事実上外れた格好となっていた。

 ニッセンHDでは、セブン&アイHDの子会社となった2014年12月期に、売り上げ回復を目指してカタログの発行回数を増やしたものの、主力子会社ニッセンの売上高は計画を大幅に下回り、赤字幅も拡大。これを受けて15年12月期はカタログ発行回数を減らすなど、経営方針が迷走していた。

 ニッセンでは大型家具事業からの撤退や希望退職募集などの経営合理化を実施。今期(16年12月期)はカタログの統廃合や刷新、「安さのニッセンから価値のニッセンへと変えたい」(市場信行社長)とし、MD改革も進めてきた。しかし、今期も不振が続いており、ニッセンHDの今中間期の純資産は6900万円で債務超過寸前だった。

 今後は大きいサイズアパレルなど、特殊サイズアパレルへのシフトを進める。「これまではニッセンHDの独立性を重視してもらっている部分があった」(ニッセンHD広報企画室)が、完全子会社化を機に、セブン―イレブン・ジャパンなどグループ企業間との相互送客の強化や、イトーヨーカ堂との共同商品調達なども行う方針。

楽天の「楽天市場」  広告の詳細効果を開示

 2-1.jpg楽天では、仮想モール「楽天市場」の出店店舗に対し、出稿した広告の効果開示を始めた。すでに4日からCPC(クリック課金型)広告においてレポートの提供を開始。いずれはディスプレー広告など、全ての広告について、店舗向けに効果を伝える方針だ。楽天市場ではこれまで、出稿した広告の詳細な効果を店舗には明らかにしていなかった。同社が方針を変えたことで、出店者のマーケティング戦略に大きく影響しそうだ。

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