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企業動向 Archive

プラスの「暮らしのデザイン」〝住宅取得層〟対象に 配送サービスも強化

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大手オフィス用品メーカー、プラスが家具通販事業を強化する。8月26日に一般消費者向けの家具通販事業「暮らしのデザイン」のカタログを創刊。同社ではSOHO向け家具ブランドとして「ガラージ」を展開するほか、オフィス家具通販子会社としてオフィスコムを抱える。2018年度までに、家具通販事業全体で、現在の2倍となる売上高100億円を目指す。

プラスでは昨年12月にニッセンから「暮らしのデザイン」ブランドを譲り受けた。通販サイトも25日に本格オープンしている。オフィス家具事業は今後、市場の拡大が見込みにくいほか、近年は一般消費者向け家具とオフィス向け家具の垣根が低くなってきていることから、暮らしのデザインを強化することで、家具通販事業の拡大につなげる狙い。

 カタログは年2回発行予定で、価格は税込286円。発行部数は16万4000部となる。全国の書店・コンビニエンスストアで販売するほか、ニッセン時代の顧客についても、事業譲受時に本人の同意を得て個人情報を譲受した顧客に対し、カタログを送付する。

 暮らしのデザインは日本製の完成品家具を展開しており、価格帯はやや高めとなる。ニッセン時代は、「ニッセン」ブランドの家具事業との食い合いを恐れて展開していなかった、ファブリックやインテリア雑貨なども取り扱いを始めたため、商品点数は増えた。

 近年はネット販売を中心に価格競争が激化しているが、こうした値下げ合戦とは一線を画し、ターゲット層を絞り込む。これまでは30代後半から40代前半が中心層だったが、最近は住宅取得の年齢がやや早くなっているため、今後は30代前半をターゲットとする。「デザインはシンプルで飽きが来なく、長く使える天然木仕様の家具をアピールする」(流通事業本部暮らしのデザイン事業部加瀬信吾事業部長)。

 首都圏や地方の大都市の3LDK、広さは80平方メートル前後のマンションに済むユーザーを想定し、玄関からベランダまで、イメージをあわせて商品開発を行った。創刊したカタログでは、巻頭特集において、「12の新しい暮らし方」として、シーン別に世界観を統一して商品を提案している。

 サービス面では、大型家具における「無料家具引き取りサービス」や配達員2人による「開梱・組み立て無料サービス」を行う。家具配送に強い物流企業と提携することにより配送品質が向上。家具設置に慣れた配達員が設置することで、返品率の大幅な低減が期待できるという。サイズオーダー家具についても、工場直送で配送するため、横持ち運賃が減らせる。大型家具配送時のコスト増は通販企業にとって大きな問題となっているが、こうした取り組みでコスト削減を図るほか、単価増で吸収する。さらに、注文時の配達日指定も可能としており、配達できずに商品が返品されるケースも減る。

 今後は、来年早々にもスマートフォン向けサイトの立ち上げを計画。インテリア雑貨などを中心に訴求することで、20代ユーザーの獲得を狙う。こうした層を囲い込むことで将来の家具購入につなげる。また、住宅取得のタイミングを迎える消費者にブランドをアピールするため、提携先を模索する。


積み残し課題検討会、ビタミン議論大詰め

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機能性表示食品制度におけるビタミン、ミネラルの扱いがほぼ固まってきた。ビタミン等が単一で発揮する新た機能は現在の「栄養機能食品制度」の枠組みの中で検討を要望することで概ね合意。ビタミンとほかの成分の組み合わせで得られる機能は、「製品を使った臨床試験」による評価を可能とするかが今後、残された争点になりそうだ。

「機能性関与成分が明確でない食品」と分けてテーマ別に行われてきた「対象範囲拡大」を巡る積み残し課題検討会は9月1日、ビタミン等の検討の議論が大詰めを迎えた。ただ、業界側が提示した3つの提案のすべてで合意に至っていないことから、今後の会合でも改めて議論の場が設けられるとみられる。

 業界側の提案は3つ。一つは、機能性表示食品であっても「栄養機能食品」で定められた規定量のビタミンを含む場合、国が定める定型文に沿った「栄養機能」と、制度を使った「3次機能(栄養機能と異なる健康維持・増進に関する機能)」の併記を認めること。二つ目は、ビタミンやミネラル同士、ほかの機能性関与成分とビタミン等の組み合わせで得られる「3次機能」は制度の対象に加えること。三つ目は、ビタミン等の単一の新たな機能については「栄養機能食品制度」の枠組みの中で専門家による検討を行うことだ。

 現在、特定保健用食品(トクホ)は、ビタミン等を規定量含むことで「栄養機能」が表示できる。また、健康食品や一般食品も「栄養機能食品制度」を活用することで「栄養機能」の表示が可能。一方で、機能性表示食品は、規定量のビタミン等を含んでも「栄養機能」は表示できない。併記は業界側の"制度揃え"の観点から出てきた提案だ。

 これに消費者サイドの委員は反発。「(ビタミンと機能性関与成分が)並んで表示されると消費者がよりよいものと誤解し混乱する」(森田満樹委員)、「本来の製品が訴求する機能よりビタミンの機能が強調され、混乱にしかつながらない」(河野康子委員)といった発言があった。

 ただ、これには傍聴者からも「併記は当然(許される)と思った。栄養機能食品の骨子も規定量を含めば書けるというもの」「消費者の知る権利にも応えるべき」といった意見が上がっている。

 ビタミンとのコンビネーションで得られる「3次機能」の表示について、業界側は「栄養機能」の普及を図る栄養政策との混同が避けられるとの観点から対象化を求めている。

 これには、「栄養機能とは異なる考え方。現実的にコンビで得られる機能があるなら、製品を使った臨床試験で評価するもののみ認めてもいいとも思う」(合田幸広委員)、「実際はほとんどコンビで得られる機能はないのが実態」(梅垣敬三座長代理)と学術サイドでも意見が分かれる。

 今の機能性表示食品制度の機能性評価の方法は、「研究レビュー」と「製品を使った臨床試験」の二つ。上原明委員も「ビタミンは医薬品においても臨床試験をやって認可を得ている」と発言しており、今後、臨床試験など条件次第では認められる可能性もある。



ニッセン 上場廃止の背景は③ 大規模な合理化必至

ニッセン連載画像.JPG ついに上場廃止に追い込まれたニッセンホールディングス(HD)。売り上げも大幅に減少している同社だが、今後はどうなるのだろうか。
 
 7月からニッセンの通販サイトで買い物をした顧客に対し、全国のセブン―イレブン店舗で使えるドリンクの無料引換券をプレゼント、セブン―イレブンでソフトドリンクを購入したユーザーに対しては、ニッセンの通販サイトで使える200円引きクーポンを発行するキャンペーンを行っているが、ひとまずはグループ会社とのこうした共同販促を進めていくことになりそうだ。また、セブン&アイグループの電子マネー「ナナコ」の導入(ニッセンは共通ポイント「Tポイント」を採用)が進むかどうかも注目される。これまでは子会社化による目立った相乗効果が見えていなかっただけに、業績回復にはより密接な連携が不可欠だろう。
 
 ただ、ニッセンの不振は「さまざまな商材を品揃えして手頃な価格で売る」という、総合通販が採用してきたビジネスモデルそのものの行き詰まりが根幹にあるため、主力事業であるアパレルの抜本的な立て直しや合理化は避けられない。
 
 8月2日に公表したプレスリリースに記載された事業計画では、17年12月期から20年12月期にかけて、戦略商品の投入と販促効率の改善による顧客基盤の拡大と稼働促進、商品定番化とASEANを中心とした海外調達シフトによる原価の削減などを進めるとしており、20年12月期の売上高は1559億円(今期見込みは1279億円)、営業損益は31億円の黒字(同102億円の赤字)を見込んでいる。
 
 だが、この数字を額面通り受け取ることはできない。稼働顧客が減少し赤字が続いている状況で、主力商材である衣料品の競争力を早期に取り戻すのは極めて厳しいとみられるからだ。
 
 グループのオムニチャネル戦略から外された格好だけに、セブン&アイ・ホールディングス(HD)にとって、今のニッセンHDは"お荷物"というべき存在となっている。当初、セブン&アイHDが評価していたニッセンHDの顧客リストやビジネスモデルといったものは「まったく価値がなかったということだろう」(ある通販企業の幹部)。
 
 ニッセンHDの中で数少ない好調事業といえる、大きめサイズアパレル「スマイルランド」(画像はスマイルランドの通販サイト)は、レディースアパレルの売り上げのうち約20%を占めるまでに成長している。こうした特殊サイズアパレルに特化し、その他のアパレル事業は切り捨てられることも十分考えられる。
 
 先の通販企業幹部は「ギフトのシャディや特殊サイズアパレルなど一部の事業は残るだろうが、それ以外のカタログを中心とした通販ビジネスについては、リストラを進めながら数年以内に消滅するのではないか」と予測する。
 
 ニッセンHDでは8月25日、9月27日付での社長交代を発表した。市場信行社長とセブン&アイHD執行役員の永松文彦副社長ら3人が退任し、社長には脇田珠樹取締役が昇格。主力子会社ニッセンでも、市場社長が退き、羽渕淳執行役員が社長に就任する。

 ニッセンHDでは今回の社長交代について「経営責任を明確にした」(広報IR部)と説明。脇田氏はニチメン(現・双日)出身で、02年にサンダーバード国際経営大学院で経営学修士(MBA)を取得した。ニッセンにおいては、09年に戦略プランニング本部を立ち上げた際、本部長に就任。ニッセンブランドを再構築するための施策を進めていた。同氏は生え抜きではないだけに、大規模な事業整理をしやすい立場とみることができる。一方、羽渕氏は大きめサイズアパレルブランド「スマイルランド」を立ち上げた実績がある。
 
 今回の人事は、さらなる事業縮小と特殊サイズへの特化を示したものといえそうだ。大型家具事業撤退に続く、第2弾の大規模な経営合理化が近々待ち構えている可能性は高い。(おわり)

ニッセン 上場廃止の背景は② 家具撤退で稼働客大幅減

ニッセン連載用画像Web.jpg 2014年1月にセブン&アイ・ホールディングス(HD)の子会社となったニッセンホールディングス(HD)。だが、業績回復の兆しは見えなかった。

 カタログ通販企業の弱点といえるのが、「カタログの発行時期と販売する商品の季節感が合致していない」という点。ニッセンHDでは13年時点で、売り上げ不振の原因を「気候に合わせて必要な時期に必要な衣料品を買う傾向が進展したことが大きい。例えば、夏物の衣料品であれば、暑くなってからでないと買わなくなってきている」(広報企画室)と分析。そこで、カタログのページ数を減らす代わりに配布頻度を増やすことで、季節感のある商品を、カタログでも販売できる体制を目指した。
 
 しかし、この戦略は失敗に終わる。14年8月に発行した初秋号以降のカタログ発行回数を、従来の2回から3回に増やして売り上げ回復を目指したが、品揃えの不足やカタログ有効期間の重なり、閑散期となる盆休みにカタログを発行したことなどにより、14年下期の売り上げは計画を大きく下回り、販売固定費率も悪化した。
 
 14年末には社長が市場信行氏に交代。15年12月期はカタログ発行回数減少や不採算事業の整理・縮小を進めた。ページ数を減らした薄型カタログに転換し、カタログ発行回数を削減。F1層女性の獲得を狙った販促をやめ、ワーキングマザーとファミリー層にターゲットを絞った。これに伴い、主力ターゲットから外れるシニア向けカタログや和装カタログ、ハイティーン向けカタログなど整理・縮小した。
 
 15年8月には大規模な経営合理化を実施。ソファーやベッドといった大型家具事業から撤退。さらに、120人もの希望退職を募集した。大型家具事業では、破損防止のために配送時に2名体制で対応していたことや、原油高による配送原価高騰などにより、配送コストが大幅に増加しており、赤字が拡大していた。
 
 15年12月期の連結業績は、赤字幅がさらに拡大した。今期はカタログのビジュアルを一新し、ファッション雑誌を意識したスタイルとするなど大幅に刷新(画像は刷新後の2016年春カタログ)。これまで受注予測に使ってきたテストカタログと、新規顧客獲得を目的とした無料配布カタログを完全に廃止し、有料カタログにシフトした。

 さらに、「安さのニッセンから価値のニッセンへと変えたい」(市場信行社長)として、MD改革を打ち出した。セブン&アイグループのノウハウを活用した商品として「セレクト10」を開発。15年春の段階では、2000円以下の商品ラインアップが中心となっていたことから、同一価格帯に集中した品揃えを是正。今年の春カタログでは2000~2499円を中心価格帯として品揃えを厚くし、下は500円から上は4000円までカバーするなど「プライス構成を以前の三角形からヒシ形に変えた」(市場社長)。

 しかし、今期も不振は続く。ニッセンの月次売上高は、今年6月まで17カ月連続前年同期を下回った。2月には大型家具事業から撤退した影響で、家具とインテリア商品、アパレルを同時に購入していた顧客が離れ、想定以上に稼働客数が減少したという。ニッセンHDの今中間期の純資産は6900万円で債務超過寸前となった。

 さらに、ニッセンHDの資金繰りに重大なリスクが生じる可能性まで出ていたことから、6月初めにはセブン&アイHDに対し、債務超過リスクや銀行や取引先からの与信低下、資金繰りリスク等に対処するため、完全子会社となることを前提に、財務・事業の両面での経営支援を願い出たという。(つづく)

アスタキサンチン特許侵害訴訟 富士フイルムの請求棄却、特許庁審決背景に控訴へ

富士フイルムがディーエイチシー(DHC)が販売する化粧品の一部が特許を侵害していると訴えていた裁判で、東京地裁は8月30日、「特許は無効とされるべき」として富士フイルムの請求を棄却した。富士フイルムは「判決を不服として速やかに控訴します」とコメント。DHCは、「御社の質問には答えかねます」とした。

 裁判を巡っては、DHCが提訴を受けて特許庁に特許無効の申し立てを行っていた。これについて今年3月、特許庁は富士フイルムの特許を「有効」とし、審判費用の負担をDHCに命じる審決を下している。富士フイルムは特許庁の審決が「(今回の判決と)真逆の結論を示すもの」として控訴して争っていく。

 裁判は、DHCが販売する「DHCアスタキサンチン ジェル」と「DHCアスタキサンチン ローション」が富士フイルムが持つ特許を侵害しているとして2014年9月に起こしていたもの。富士フイルムは、商品の製造、販売の差し止めと、1億円の損害賠償を求めていた。

 富士フイルムは、従来の技術では安定的に化粧品に配合することが難しかったアスタキサンチンの安定配合に関する特許(「アスタキサンチンを含む分散組成物およびスキンケア用化粧料に関する特許」)を12年7月に取得。07年からこの技術を使った「アスタリフトシリーズ」を販売している。

 争っていたのは、この商品の「pH(ペーハー)」調整に関する部分。脂溶性であるアスタキサンチンは水に溶かしても一定期間を置くと分離してしまう。これを水に溶けた状態で保つには、製品のpH値を「5・0~7・5」の範囲にとどめる必要がある。

 富士フイルムが所有していたのは、アスタキサンチン以外のさまざまな化粧品成分を含め、pH値を範囲内に維持し、アスタキサンチンを安定的に化粧品に配合する技術。特許庁はこの技術の特許権を認めたが、地裁はその進歩性(先行技術に基づき簡単に行えないこと)を認めず、特許出願前にウェブ上で公開されていた発明を使って容易に発明できたと判断。特許が無効とされるべきとした。

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