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企業動向 Archive

在京キー局の前期TV通販売上高、ディノス・セシールがトップ、グランマルシェも順調な着地

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在京テレビキー局5社が手がけるテレビ通販事業の前期(2017年3月)の業績が出そろった。リオ五輪開催や番組編成上の都合で通販番組の休止や目減りなど前年よりも放送枠が減ったところが多かったものの、番組構成の工夫や売れ筋商品の投入で各社とも概ね前年並みの売上高を確保できたようだ。各社の前期のテレビ通販事業の状況について見ていく。

4期連続増収維持3期続けて首位に

 在京キー局が手がけるテレビ通販売上高で前期に首位に立ったのはディノス・セシール。4期連続での二桁成長とはならなかったものの、増収を維持し、キー局5社では唯一、100億円を超え、3期続けて首位をキープした。

 総売上高である1154億2200万円(前年比3・5%減)に占める通販売上高は1079億6700万円(同3・7%減)でこのうち、テレビ通販売上高は前年比0・2%増の126億5500万円だった。

 8月開催のリオ五輪の関連番組の放送などの影響で主力の平日午前枠の休止などもあったが、運動器具「3Dエクサウェーブ」や掃除機「ダイソン」など売れ筋商品などを軸に順調に売れ行きを伸ばした。平日午前枠のほか、深夜枠など他の通販枠も堅調な売り上げをあげた。また、戦略商品などで行う送料無料化や即時配送などの販促策も前期のテレビ通販の売上拡大に貢献した。

午後枠減もネット受注増でカバー 

 グランマルシェの前期の総売上高は前年比9・7%減の125億8200万円。このうち、ラジオ通販(約12億円)やカタログやDMなどの紙媒体通販(約6・6億円)、ネット販売(約11億円)、店舗事業などその他(約9億円)を除いたテレビ通販(「テレビ通販」の約71億円と「系列局との共同通販事業」の約18億円との合計)売上高は同5・9%増の89億円(本紙推定)だったようだ。前期は上期までは午前枠のほか、午後枠、深夜枠、土曜昼枠といったレギュラー枠は総じて前年実績を上回るなど順調に推移していたが、下期から編成上の都合でTBSの昼の情報番組の放送時間が前倒しとなった影響で、当該番組に紐付く平日午後枠が10月からなくなったことで同枠の売り上げは通期では4割減に。この番組編成の変更は同社がTBS系列局と行う共同通販事業にも影響し、複数局で編成の都合上、通販枠が減ることになり、同事業の売上減に響くことになった。

 ただ、期初から着手した通販サイトの大幅刷新の効果や仮想モール「楽天市場」への出店効果でネット受注比率が大幅にアップし、特に土曜昼枠や深夜枠などで取りこぼすことなく受注につなげることができたほか、仮想モール経由での新規顧客の獲得も相当量あったもようで、これらのネット経由の売り上げ増が通販枠の目減り分などをカバーし、テレビ通販全体では前年を上回った。

主力枠の目減り 巻き返すも届かず

 日本テレビ放送網の前期の通販売上高は前年比4・5%減の84億4100万円だった。期初から平日午前の主力枠が紐付く月~金の帯情報番組自体が金曜日の放送がなくなり、通販枠も金曜日を失ったことが減収の主因。また、リオ五輪開催に伴う番組休止も影響した。下期に入り、詳しい説明が不要な売れ筋商品の紹介時間を短縮し2商品を紹介する構成とするなど主力枠で新たな訴求方法を試みたり、特に下期から放送時間が増えた深夜枠でも人気商品をランキング形式で訴求して売れ筋商品を軸に売り上げを伸ばすなど、かなりの巻き返しを図り、上期時点では2割減だった減収幅を縮めたものの、放送枠の目減りをすべてカバーするまでには至らなかったようだ。

主力枠縮小も土曜枠や特番で増収に

 ロッピングライフの前期の総売上高は前年比6・6%増の88億8800万円。このうち、番組グッズなどのネット販売を含めた通販売上高は同4・7%増の80億8200万円だった。昨年11月から主力の平日午前枠が編成上の都合で各曜日とも放送時間が従来よりも2分間短縮。また、リオ五輪関連番組の放送などで主力枠が年間6回程度、休止となるなど通販枠自体は目減りしたものの掃除用布巾「パルスイクロス」などの売れ筋商品を軸に売り上げを積み上げ、枠減少分をカバーし同枠単体でも前年比で増収に。加えて、通常は平日のみの放送となっている主力通販枠が紐付く番組本編のスペシャル版が土曜日にも放送する際、同番組内に設けられる通販枠「土曜枠」も年間4回放送したことや今年1月に数年ぶりに通販特番を実施したことなどで増収となった。

早朝枠など順調も番組休止響き減収

 テレビ東京ダイレクトの前期の売上高は前年比2・8%減の80億5600万円。このうち、自社通販売上高(同4・0%減の49億4200万円)と通販枠の販売や管理などを行う通販提携事業売上高(同0・5%減の30億8500万円)をあわせた通販関連事業売上高は同2・7%減の80億2700万円だった。

 期初から編成上の都合で日曜の早朝35分枠が5分枠になったことに加えて、リオ五輪関連番組などで主力枠が通期では5回程度の休止に。また、空梅雨など季節要因も重なり、売り上げが伸び悩んだものの、リオ五輪実施に伴い増えた深夜早朝枠のテレビ視聴者を効果的に掴み、放送量を増やした早朝枠が特に夏から秋ごろまで売り上げを伸ばしたほか、BSジャパンと共同で上期まで行っていた通販番組「ものラボ」なども一定の貢献を見せたが、トータルでは前年実績を下回った。

スクロール 中期計画を下方修正、通販不振で前期は減収減益に

 スクロールは、2019年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画を下方修正した。19年3月期の連結売上高は、16年3月期比14・6%増の720億円、連結経常利益は同42・3%増の30億円を目指すとしていたが、17年3月期の目標数値が未達に終わったことから、最終年度の連結売上高は650億円、連結経常利益は20億円にそれぞれ下方修正する。

 主力の通販事業において、売り上げ拡大が見込めなくなり、効率を維持して利益を確保する戦略に転換したことが下方修正の要因となる。

 スクロール本体では前期、家具・雑貨通販「生活雑貨」を子会社であるスクロールR&Dに移行したほか、シニア向け個人通販事業「ブリアージュ」を終了した。これにより、個人向け通販に関しては本体では扱わず、化粧品や健康食品、ブランド品などのネット販売を子会社で手がける形となった。

 17年3月期のアパレル事業は、前期比17・2%減の201億4300万円で大幅減収となった。今後、アパレル事業など、スクロール本体が手掛ける通販事業は、生協向けを中心としたB〓B〓C事業に絞られるが、収益力が低下していることから、効率化を進める。生協組合員の需要に応えるためにMDを強化。組合員約1000人と対話する仕組み「1000人モニター制度」を活用し、商品や企画にあわせた少人数のグループで組合員を対話することで、商品企画に反映させる狙い。

 「前期はカタログの発行部数を約30%削減した。サプライチェーン・マネジメントの効率化、販促の効率化、商品力強化で、通販事業の利益を回復させたい。前期にさまざまな効率化に努めたことで、今期はスクロール本体の通販事業でも計画通り収益が見込めるのではないか」(堀田守会長)。また、今期は新たにOTC医薬品の取り扱いも予定している。

 子会社が手がける、個人向け通販事業では、化粧品を強化。今年1月には、「24hコスメ」を手掛けるナチュラピュリファイ研究所を買収。5月19日には「TV&MOVIE」を展開するT&Mを子会社とする予定。T&Mの16年5月期売上高は1億4900万円だった。取得価額は5億6500万円となる。両ブランドともに、藤田真規氏が立ち上げたもので、24hコスメは20~30代、TV&MOVIEは40代50代が主なターゲットとなる。

 化粧品子会社・豆腐の盛田屋が販売する「豆乳よーぐるとぱっく玉の輿」においては、インバウンド需要は減退しているものの、生協向け販売と中国現地法人での販売が好調に推移。中国向けには、越境ECサイトでの販売も強化している。

 健康食品販売の北海道アンソロポロジーでは、医学生物学研究所から「食の科学舎」を買収し、北海道ブランド食品事業の展開を始めた。同事業は、豆やカボチャ、ジャガイモなどをピューレにした保存食などを販売している。

 最近大きな問題となっている配送料値上げについては「通販事業は生協による宅配なので影響はない。ただし、ソリューション子会社のスクロール360については、ネット販売企業の配送を請け負っている関係上、配送コスト増はマーケットに大きなインパクトを与えるため、同社にも影響が出るのではないか」(堀田会長)と懸念を示した。

 なお、17年3月期の連結業績は、売上高が前期比6・8%減の588億6400万円、営業利益は同35・8%減の12億4200万円、経常利益は同35・9%減の13億5000万円、当期純利益は同71・8%減の6億7200万円だった。化粧品のインバウンド需要が減少したことや、スクロール本体における個人向け通販撤退が影響し、減収減益となった。

セレクチュアーの村瀬社長に聞く「百貨店傘下入りの狙いと今後」㊤

031.jpg 通販サイトを展開するセレクチュアーは昨年10月に、京王百貨店に傘下入りした。ネット販売のノウハウの共有を目指し、セレクチュアーの社長に、京王百貨店で法人外商部長を務めていた村瀬賢俊氏が就いた。セレクチュアーは京王百貨店とどう連携し、事業を拡大していくのか。村瀬社長に今後の方針を聞いた。(聞き手は本紙記者・兼子沙弥子)

「お客様のいる場所に出向く」、「アンジェ」の表現力で商品を伝える

――京王百貨店の傘下に入った経緯は。

 「百貨店各社は店頭が苦戦しネット販売を強化しているが、ネット販売はギフトが中心だった。ギフト以外の売上げの拡大が課題となる中で、セレクチュアーと一緒にやりたいと考えた」

――セレクチュアーに対して京王百貨店はどう見ているのか。

 「セレクチュアーは小売業の原則に基づいたビジネスモデルを継承していると思う。買取仕入で商品を調達し、自社でリスクをとって売り残さないように販売している。品ぞろえや商品の見せ方、メルマガでの接客など小売の基本をしっかり行っており、結果として定価もしくはそれに近い価格でお客様に受け入れて頂いている。百貨店ECを考えた時に、今後、生き残るモデルだと思った」

――セレクチュアーのノウハウをどう生かすのか。

 「まずは7月に京王百貨店の通販サイト『京王ネットショッピング』内で、セレクチュアーの通販サイト『アンジェ web shop(以下、アンジェ)』の一部商品を紹介する。8月には百貨店で行う優良顧客向けの催事で『アンジェ』で人気のデザイン家電やキッチン家電を紹介する。『アンジェ』が強みとする品ぞろえや見せ方、コミュニケーションのノウハウを活用して、百貨店のお客様に新しい商品の紹介やシーンの提案を行いたい。『アンジェ』で表現していたことを百貨店のお客様に見てもらい、その場で商品を触って体験してもらうことを考えている」


――百貨店とネット販売は顧客層が違うが、どう考えるか。

 「『アンジェ』では30~40代の女性が中心で、百貨店はその上の年齢層の方が中心。百貨店のお客様に提案する場合に、『アンジェ』とは違った表現が必要になるだろう。百貨店にいるお客様に、『アンジェ』を受け入れてもらう工夫をしていきたい。しかし、百貨店のお客様を強引に『アンジェ』に呼び込むことは考えていない」

――相互送客は積極的に考えていない。

 「入ってくる間口を広げたからといって、すぐに売り上げを拡大できるものではないというのが正直な感想だ。間口を広げてお客様が来てくれるのを待つのではなく、重要なのは、お客様がいる場所にこちらが出向いていき、新しい商品やシーンや世界感をどんどん提案すること。その時に、『アンジェ』のノウハウは活かせると思う」

――将来的に店舗の常設も視野に入れるか。

 「倉庫に在庫を持ち販売する『アンジェ』のモデルは、出店時のメリットになる。百貨店は、売り場面積を広く取り商品をしっかりと紹介したいと考える傾向があるため、店頭で受注し発送するモデルも考えられるのではないか」(つづく)

アマゾンジャパン 「Amazonフレッシュ」の行方 ㊤

 3-1.jpgアマゾンジャパンが4月21日から、精肉や鮮魚、野菜など生鮮食品の販売を始めた。「Amazonフレッシュ」という名称で同社の有料会員向けに別途、月会費税込500円を徴収し、まずは都内6区限定で、展開中のスピード配送サービス「プライムナウ」の配送網を活用し、受注後最速4時間で顧客宅まで配送する。アマゾンの自社仕入による直販のほか、「人形町今半」など有力店ら27店舗がそれぞれ精肉や鮮魚、和洋菓子などを販売する外部事業者による出店販売も展開する。アマゾンの生鮮品通販の本格参入で競合となる既存の食品宅配事業者やネットスーパー各社からは「脅威になる」との声の一方、「いかにアマゾンとは言え、軌道に乗るかは未知数」との声も出ている。アマゾンの生鮮品通販の行方はいかに。

 「Amazonフレッシュ」は野菜や果物、鮮魚、精肉、乳製品といった生鮮品・食料品など約1万7000点を中心にキッチン用品や健康・美容用品、ベビー用品、ペット用品などの日用品・雑貨なども展開し、合計約10万点を年会費税込3900円を徴収した有料会員「アマゾンプライム会員」に対してさらに別途月額税込500円を徴収した会員に行なう配送サービス。アマゾンの既存のPC、モバイルサイトやアプリから注文を受け付ける。

 「Amazonフレッシュ」ではアマゾンがオイシックスなど複数の連携先から調達・仕入れした生鮮食品などを販売するほか、他社との差別化の観点から週2回、契約農家などから仕入れたとれたての野菜や果物、当日朝に加工したての鮮魚などを販売する「新鮮市」などの試みも展開する。「"新鮮市"では新鮮さに満足頂けなかった場合、カスタマーセンターに連絡頂くと代金を返金する『鮮度保証』を実施したり、万一、満足いく商品が届けられない場合は無料で代替品を届ける試みも行っていく」(Amazonフレッシュ事業本部・荒川みず恵リテール事業部長)という。

 加えて、人気店や有名店などの外部の出店者の商品も販売。「人形町今半」(精肉)や「魚の北辰」(鮮魚)、「パティスリーモンシェール」(洋菓子)、「船橋屋」(和菓子)などスタート時点では27店舗が「専門店グルメ」として出店し、合計約1000商品を販売する。なお、出店条件や出店料などについては「非公開」(同社)としているが、関係筋によると商品販売時に手数料として一定額と配送料を1件につき120円程度をアマゾン側に支払っている模様。

 商品は食品の種類ごとに最適な温度で保管可能な専用設備を設置した神奈川・川崎の物流センター「アマゾン川崎フルフィルメントセンター(FC)」を拠点に配送する。受注を受けると同拠点で梱包の上、顧客が商品受け取った際に、どれを冷蔵庫に入れればよいかなどが分かりやすいよう常温はグレー、冷蔵は緑、冷蔵は白と取っ手の色を変えた紙袋に包み、保冷剤入りの専用ボックスに入れ、同拠点から1時間以内配送などスピード配送を行う「プライムナウ」の専用拠点(東京・豊洲)に運び、そこから「プライムナウ」の配送員が顧客宅まで配送する仕組み。

 「専門店グルメ」の出店者の商品は受注後、出店事業者が自ら川崎FCまたは出店事業者の商品納入の利便性などを考慮してアマゾンが都内に設けた専用の商品納入受取の中継拠点まで運び入れ、アマゾンが直販商品とまとめて配送する。

 配送は顧客が注文時に指定した午前8時から深夜12時まで2時間刻みの時間帯で顧客宅まで指定の時間帯に配送する流れ。ちなみに正午12時までの受注分までは午後4時の配送枠に間に合うため、最速4時間で配送で配送できる。ただし、「横持ち」が発生する出店者の商品については対象外であらかじめ川崎FCに在庫しているアマゾンの直販品のみ。ただ、出店者の商品も当日配送に対応しているものもあるよう。複数の出店者によれば商品の納入形態として、翌日の配送を前提とした「午後4時までの納品」と当日の配送を前提とした「午前10時までの納品」が各出店者側で選択できるようになっており、「午前10時納品」を選択した出店者の商品は当日配送が可能となるが受注受付締切時間は午前中の早い時間帯となるようだ。

 なお、商品1点から配送するが、配送料は税込500円を徴収する。1回の受注額が税込6000円以上の場合、送料は徴収しない。また、配送時に顧客に商品を渡せなかった場合は、当該商品は持ち帰ってキャンセル扱いとするようだ。

 「Amazonフレッシュ」はスタート時点では東京都の港・千代田・中央・江東・墨田・江戸川の6区の一部地域で展開する。準備は整い次第、対象エリアを広げていくとしており、世田谷区と豊島区にある「プライムナウ」専用拠点も近く活用を始め、近々にも都内全域や都内周辺エリアにも拡大していく模様だ。

 サービス開始後の販売状況について某出店者によると「開始から数日たつが、まだ注文は数件程度。開始前にはアマゾンの担当者が『それなりに(受注は)来ると思う』といっていたが、今は『ゼロからのスタートなのでこんなもんだと思います』と言っていた(笑)。これからPRもしていくだろうし、エリアも広げていくだろうから期待したい」としている。

 「Amazonフレッシュ」は2007年から米アマゾンでスタートし、昨年6月には英アマゾンでも開始しており、日本は3カ国目となる。当初、日本での展開は3月27日から都内全域で展開する意向があったようだが、様々な不具合で開始時期がずれ込み、展開エリアも絞り込んだようだ。ともあれようやく開始にこぎつけたECの巨人、アマゾンが仕掛ける生鮮品販売。その行方について既存の食品宅配事業者やネットスーパー各社からは様々な声があがっている。  (つづく)


フィールライフの貝原利顕社長に聞く、紙媒体の立て直しと中期ビジョンは?㊦

 2-1.jpg前号に引き続き、千趣会100%子会社のフィールライフの貝原利顕社長に「大丸・松坂屋通信販売カタログ」の課題や新しい取り組み、中期ビジョンなどを聞いた。


──カタログの立て直しに向けて取り組んでいることは。
 
 「カタログはファッションとリビング、食品の3カテゴリーを展開しているが、事業としてはファッションがしっかりしないとダメだ。ドラスティックに中身を変えなくても、買いやすさや伝え方の部分などで取り組めることはある。すでに着手していることとしては、字の大きさや商品のスペック、写真など売り場としての整理整頓を行い、必要なものを分かりやすく伝えるようにしている。従来はカタログによって文字の大きさやフォント、余白の使い方などがバラバラだった
 
──千趣会のカタログ制作ノウハウを生かす。
 
 「30~50代女性がメインの千趣会と、70代前半が主要顧客の当社では、読み物の共通項として合致する部分はもちろんあるものの、われわれの世代がおしゃれだと思うカタログ、買いたいと思う誌面を作っても、70歳前後の顧客に響かないことは多々ある。実際に、昨年は少し誌面を修正したら、売り上げが大きく落ちるという経験もした。統一感があり過ぎてもダメで、少しごちゃごちゃ感というか、大阪の天神橋筋商店街や東京の巣鴨地蔵通り商店街のような雰囲気が必要だと感じる。社内では、常に千趣会側に寄って媒体を作ることはやめようと言っている。われわれの世代が『良いな』と思ったら、千趣会のカタログに寄っていることが多い
 
──顧客の高齢化を見据えた取り組みなどは。
 
 「現在の中心顧客よりも少し若い層をとり込む場合は、新しい媒体を作ってリーチすることになるだろう。グループのミッションとしても、千趣会の『ベルメゾン』を卒業したお客様に当社からアプローチしたり、自社の離反客にも周知を図る必要がある。新聞広告の活用なども考えなければいけない。Jフロントリテイリング側の組織会員などへのアプローチは従来から行っており、今後も継続的に取り組んでいきたい
 
──商品面で新しい取り組みなどは。
 
 「食品については、原価は高くても特徴を出しやすいカテゴリーでもあるので、新しい商材にチャレンジしていきたい。例えば、4月末発行の5月号からは『想いやり習慣』というカタログ冊子をスタートし、特色ある野菜ジュースの『トロトロ果肉入り人参ジュース』などを販売する。以前から野菜ジュース自体は扱っているが、単品系で商品としての顔で売っていくものは少なかった。『想いやり習慣』は体に良く、美味しくて毎日続けられる食品を厳選して掲載する媒体となる
 
──機能性の高い食品も視野にあるのか。
 
 「当社は高齢のお客様が多く、健康を気にしている。元々が百貨店の利用者で、良い商品にはお金を惜しまない方が多い。差別化できる商品でファン化を図り、定期的に購入してもらうことは事業としてもメリットがある。そのため、『トロトロ果肉入り人参ジュース』などを足がかりにして、成果が得られれば、健康食品の取り扱いを含めて単品通販にも挑戦できればいい
 
──中期的な会社の姿は。
 
 「JFRオンラインとして最後の決算となる2017年2月期は売上高が約93億円だった。この数年で大きく落としているが、ずっと100億円以上の売り上げがあった。利益体質の構築を最優先に考えるが、ファッションや食品を中心に成長軌道に乗せ、なるべく早い段階で100億円台に戻したい」  (おわり)


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