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企業動向 Archive

スタートトゥデイ 採寸用ボディースーツ配布、データ取得しPB展開に活用

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 スタートトゥデイが11月末頃にスタートする自社プライベートブランド(PB)「ZOZO(ゾゾ)」の全容が少しずつ明らかになってきた。11月22日にPBで活用する採寸用ボディースーツ「ゾゾスーツ」(=画像)の無料配布受け付けを始めたことで、再び業界内外から熱視線を浴びている。

 「ゾゾスーツ」は、同社が昨年6月に出資したニュージーランドのソフトセンサー開発企業、ストレッチセンス社と共同開発した伸縮センサー内蔵の採寸用ボディースーツで、トップスとボトムスを着用し、スマホとブルートゥース通信で接続することで、身体の1万5000カ所が瞬時に計測され、当該データは「ゾゾタウン」アプリに保存できるという。

 スタートトゥデイでは、計測されたユーザーの体型データを活用することで、ファッションECの課題である「サイズの不安」を解消し、商品検索やレコメンド機能のさらなる充実につなげる。

 ゾゾスーツは通販サイト「ゾゾタウン」だけでなく、街頭やコラボ企業などを通じて無料配布するようで、同社の前澤友作社長は自身のSNSで「(ゾゾスーツは)体重計や体温計のように一家に一台の存在にします」とした上で、「世界中のお客様の体型を最も知り尽くした企業となり、そのデータを元に一人一人にピッタリの服を提供する、世界でも類を見ないファッション企業を目指します」と投稿している。

 前澤社長は10月30日の決算説明会の場でも、PBについて「科学やテクノロジーの力を駆使して"究極のフィット感"を実現するブランド」と説明。究極のフィット感を実現するのに不可欠なツールが今回のゾゾスーツということになる。

 近く商品ラインアップなどPBの全容が明らかになるが、同社では"超ベーシックなアイテム"と明言していることや、在庫を多く抱えない事業展開を模索していること、ゾゾスーツによって1万5000カ所の採寸情報が得られることからも、フィット感が得られるシャツやパンツなどを受注生産型で展開することが推測される。

 また、ゾゾスーツの採寸データを活用することで、同社のPBだけでなく、「ゾゾタウン」内での買い物がより便利になるサイズ検索やサイズ情報を元にしたレコメンド機能などの充実も期待できそうだ。

 PB商品は「ゾゾタウン」だけで販売する方針で、来春には米国とドイツでの展開を皮切りに海外販売にも乗り出すことにしており、海外版の専用サイトでもゾゾスーツの予約を受け付け始めている。

NZ企業の完全子会社化も視野

 スタートトゥデイは、ゾゾスーツを共同開発したストレッチセンス社について、11月22日開催の臨時取締役会で将来的に100%子会社化を選択可能とするコールオプション契約を締結することを決めた。締結日は11月30日を予定し、同契約の取得価額は約22億円。

 前澤社長はPB事業について「数年以内にゾゾタウン事業の規模(前期約2000億円)を超える収益の柱に育てる」と自信をのぞかせているが、現時点ではPB事業の将来性が不透明なため、スタートトゥデイの裁量で子会社化の意思決定を一定期間にわたって確保できるコールオプション契約を結んだようだ。

 なお、同契約を締結した時のスタートトゥデイによるストレッチセンス社の株式持分は39・9%で、完全子会社化するのに必要な追加出資額は約80億円となる。

ベルーナ 海外展開を本格化、化粧品や看護師向けなど現地に合った事業選択

 ベルーナが海外での事業展開を本格化する。現在、台湾の台北市において、子会社のオージオが扱う化粧品を販売しており、今後は化粧品以外でも、健康食品や看護師向け通販のほか、総合通販事業やファイナンス事業など、現地にあったビジネスを海外で展開する予定だ。同社ではこうした事業を「ミニベルーナ」と位置づけ、各拠点で100億円以上の売上高と、利益率10%以上を目指す。

現在、台湾の業者にオージオの化粧品を卸している。月商は2000万円で、早期に1億円超を達成したい考え。今後は来年3月をメドに、ミニベルーナ第1号として事業を開始する予定だ。また、スリランカのコロンボ市内にリゾートホテルを建設しており、今後はコロンボでの事業展開を視野に入れる。「化粧品なのか健康食品なのか外食なのかは分からないが、当地にあったビジネスを手掛けたい」(安野清社長)。さらには、米ロサンゼルス市ではプロパティ事業を展開しており、ロスでもミニベルーナを手がける計画。海外で新たなビジネスモデルを構築し日本での事業展開にも活かしたい考え。

 また、新規事業としては仮想モールの展開を始めた。20~30代向け衣料品通販「リュリュ」が、他社ブランド商品の取り扱いを開始、20以上のブランドが出店する形だ。安野社長は「まだ大きな成果は産んでいないが、特徴のある仮想モールを目指したい。ただ、ターゲットの設定や商品力が未完成なので、強化育成していく」と話す。来年1月には東京・渋谷に事務所を開設しリュリュ事業を移管。新しい事務所で人材や商品力、マーケティングなどを整備し、事業を成長軌道に乗せたい考えだ。

 ナース向け通販事業に関しては、子会社であるナースリーとアンファミエの2社で国内シェアの大半を握っていることから、データベースを活かした事業展開を行う。すでに、ナース向け人材紹介サービスを開始しているが、将来的にはナース向け人材派遣にも取り組む予定。

 近年はネット販売を強化しており、ネット販売専用商品の開発を進めている。2017年9月中間期におけるネット専用商品の売り上げ構成比は12・4%で、17年3月期から5・9ポイント上昇した。一方、17年9月中間期の受注単価は9437円で、17年3月期から626円低下した。同社では「新規獲得を重視し、1990円のラインの商品で集客力を強化した影響を受けて単価が下落した。ただ、下がりすぎてはいけないので、注意して舵取りしていきたい」(安野雄一朗取締役専務執行役員)としている。

ズーティー スタイリングサービスを強化

2-2.jpg衣料品のネット販売などを手がけるズーティーは、カウンセリング型のスタイリングサービス「ズーティースタイリングラボ」を開設して約2年10カ月が経過し、同サービスのノウハウを生かしてズーティーのスタイリストなどが購入者に合ったコーディネートを選ぶ福袋の販売や、遠隔地でもコーデ提案が可能なバーチャルスタイリングサービスなどの取り組みを始めている。

 2015年1月に開設したラボは、通販サイト「イーザッカマニアストアーズ」を運営する同社スタイリストがファッションのコツやセオリーなどのテクニックを盛り込みながらカウンセリングとスタイリング提案を行い、消費者のファッションに関する悩みを解決する有料のサービスで、サイトの本店会員は税込1620円、非会員は同2160円で利用できる。

 東京・千駄ヶ谷に事務所を開設したのとほぼ同時にラボを立ち上げたが、ズーティーによるとファッションに関してネガティブなイメージを持つ消費者は案外多く、「服を販売する会社として、売るよりも前に"服を楽しく着る"という文化を広げることが使命だと感じていた」(浅野かおり取締役)という。

 ズーティーではラボ利用者が予約時に入力した年齢や身長、体型の特徴、普段着ている服や靴のサイズ、ファッションに関する悩みなどのアンケートをもとにカウンセリングを行い、スタイリストが利用者に合ったコーデ提案を行うだけでなく、スタイリングのコツや小物の使い方などもレクチャーし、最後にコーデ着用時の写真とスタイリングのポイントなどをまとめたカルテを用意。カルテには着用商品の品番も記載しており、利用者は自宅でゆっくり購入するかどうか決められる。

 
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商品の販売がゴールとなる店舗とは異なり、ラボでは"ファッション迷子"の女性にスタイリストがセラピストのように寄り添い、服選びの悩みや体型のコンプレックスなどを解消する着こなしのコツを教えることで、利用者に「ファッションって楽しい」と感じてもらうことを大事にしており、迷子から抜け出した利用者のくちコミで予約が増えているようだ。

 一方でラボは東京にしかなく、利用できるユーザーが限られていることや、来店するという行為に敷居の高さを感じる利用者もいることから、ラボのノウハウを活用した新しい取り組みにも着手している。

 同社では、楽天市場出店15周年に合わせてラボのサービスを福袋にして届ける「セレクト服袋」(税込1万6200円)を10月の初旬と中旬に個数限定で販売した。

 "服袋"はイーザッカマニアの店長(浅野取締役)とラボの石川所長に加え、イーザッカマニアの副店長やバイヤー、スタイリスト、メルマガ担当者、実店舗の店長といった7人が担当。購入者は服袋の中身は分からないが、商品を選ぶ人を指名できるもので、指名された担当者は購入者の年齢や体型、生活スタイルなどの情報を含め、何度かメールでカウンセリングを行い、ぴったりのコーデを選んで発送する。

 服袋の企画ページには、各担当者がどんな服やコーデが好きか、コーデの得意ジャンル、自分の趣味やPR、普段の着こなし画像などを掲載。担当者を選ぶ際の参考になるようにした。

 カウンセリングを含め、購入者一人ひとりに合わせた服袋を完成させるのには労力を要するため効率の悪い販売方法ではあるが、服袋は2回ともすぐに完売し、「○○さんに選んで欲しい」という指名買いニーズが実際にあることも分かったため、今後も定期的に実施したい考えのようだ。

 また、10月14~15日に都内で開催された雑誌「FUDGE(ファッジ)」のファッションイベントでは、楽天技術研究所と筑波大学の協力を得て、デジタルサイネージを使ったスタイリングルームを設置。その場にスタイリストがいなくても回線をつないで会話をしながらサイネージミラーを通じたスタイリング提案を行い、約200組が遠隔版のラボを体験したという。

 ズーティーでは同様の仕組みを活用した遠隔ラボや、出張ラボなど地方のユーザーもラボを体験できる機会を作りたい意向で、「(労力や事業採算などを考えると)大手企業には真似できないことを続けていきたい」(浅野取締役)としている。

※ラボでは、カジュアルスタイルが苦手なさやかさん(来店時が上)にロゴものトップスを提案。前開きのワンピースなど女子アイテムを合わせてカジュアル感を和らげる工夫も

村田昭彦上席取締役に聞く・ベイクルーズのEC戦略は?㊦ 「送料は当分無料でいい」、今期は自社EC35%増185億円へ

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 前号に続き、ベイクルーズの村田昭彦上席取締役(=写真)に同社のネット販売戦略などについて聞いた。

 ――1年前にベイクルーズのオムニチャネル戦略として、4つの統合という説明があった。まず「会員」「在庫」があり、そこまではメドがついたと。それから「サービス」と「コミュニケーション」ということで、これが仕掛り中ということだった。

 「『サービス』は会員プログラムが統合されたり、店舗とECを行き来する仕掛けとして店舗取り置きを導入したり、今後はネットで買って店舗で返品を受け付けるなども含め、両チャネルをシームレスに行き来できるような体験を提供していくための細かな施策をどんどん行っていく。例えばイベントを共通で行うこともその1つで、今までは会員向けセールを店舗とECでバラバラに実施していたのを共通で行う。こうしたサービスの共通化や統合はクロスユース(店舗とECの両チャネル併用)をより促す施策になる」

 ――「コミュニケーション」の統合は。

 「これは今期の注力施策の1つ。CRMも含め、当社で言う『リアルタイムパーソナライゼーション』、リアルタイムにパーソナライズしていくことを進めていく。来春くらいにその仕組みを作る」

 ――具体的には。

 「サイトを閲覧したり購入したお客様にその瞬間瞬間で個別に最適な情報を配信する。一斉に何かの情報を発信することは原則やめており、お客様が受け取りたい情報を受け取りたいチャネルで、受け取りたい時間や頻度で送る。例えば通販サイトであるブランドのコートを見ていて、かつ、渋谷にいるというタイミングに、そのコートが渋谷の当社の店舗に在庫があれば、その瞬間を捉えてメッセージを送るということはリアルタイムでないとできない。店舗の在庫情報をリアルタイムでつかんで、直近のサイト閲覧情報を同時につかんで、なおかつ位置情報も知っていることが必要になる」

 ――情報発信ツールとしてメールやLINEのほかに、アプリも準備している。

 「来年3月ごろにリリースする予定。Eコマース用のアプリで、アプリならではの操作性を備え、ビジュアル中心な見せ方を意識している。今は物理的なメンバーズカードがあるが、アプリリリース後はカード持っている方にアプリへの切り替えを促していく。アプリで配信する情報もパーソナライズされたものを流す。ウェブサイト含めて同じ仕組みでパーソナライズしていく」

 ――来春に「コミュニケーション」面を整備すると、オムニチャネル化という意味ではどの程度進んだことになるか。

 「そこまでいくと7割程度はできたかなと。いろいろブラッシュアップしたり、違う仕掛けをしていく必要はあるが、7、8割終わったと思う。あとは微調整や精度をより上げていくなど細かいことはいろいろある」

 ――今は自社通販サイト「ベイクルーズストア」は送料無料だが、今後については。

 「送料は当分無料でいいかなと思っている」

 ――上げる予定は。

 「まったくない。必要性がない」

 ――物流会社からの要請は。

 「それは吸収できるコストなので。簡単に言うと。仮に購入金額5000円以下などのラインを区切って送料有料にしてもいいが、実際それをしたところでそれほど差がない。5000円以下で購入される方のシェアは1、2割なので、シンプルに送料無料のほうが分かりやすい」

 ――今期(2018年8月期)の数値目標は。

 「EC全体では前期比2割増の330億円。そのうち自社ECは35%増の185億円。前期はEC全体が27%増で、自社ECが44%増だったので、その意味では抑えている」

 ――足元の状況は。

 「直近2カ月の9、10月ではEC全体は前年同期比で32%増、うち自社ECは2カ月で48%増で推移している。年間通じて出足は良いが、計画以上の推移できているため、目標値は達成できるだろう。ただ、他社も伸ばされているので保守的な目標だけを達成できればいいわけではなく、市場の伸びや競合他社の伸び以上に伸ばしていくことが求められている」 (おわり)※㊤はこちら


村田昭彦上席取締役に聞く・ベイクルーズのEC戦略は?㊤  自社ECが44%増収に、「オムニが成長の最大の要因」

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 セレクトショップを展開するベイクルーズのネット販売が好調に拡大している。前期(2017年8月期)のEC事業は前期比27%増の275億円となった。伸びをけん引しているのは自社ECだ。自社通販サイト「ベイクルーズストア」の前期売上高は同44%増の137億円。同社は店舗とECを融合させるオムニチャネル化を推進しており、それが自社ECの成長を後押ししているようだ。ベイクルーズのEC事業の責任者である上席取締役の村田昭彦氏(=写真)に、これまでの成果や今後の注力ポイントなどについて聞いた。




 ――前期は自社EC売り上げが全体の半分を占め、じわじわと自社ECの比率を伸ばしている。

 「5年前には自社ECの比率が23%程度だった。そこから自社EC強化という目標を決めてやっと半分になった」

 ――自社ECを含めた売り場の構成比は。

 「前期が終わった段階で、自社ECが50%、ゾゾタウンが39%、残りの売り場で11%になっている。ただ、直近では自社ECの割合は54%程度になっており、徐々に増えている。今年も含め3年後には自社ECで7割のシェアをとる計画」

 ――自社ECの成長はオムニチャネル化の動きが関連しているのか。

 「オムニ系の施策が売り上げ成長の最大の要因となっている。前期で言うと物流倉庫の一元化をして、そのタイミングでEC用の在庫とそれ以外の在庫を1つの倉庫に入れた。物理的に1か所に集め、かつ、データ的にも統合された」

 ――店舗やEC含めたすべての在庫が1か所にまとまって一元管理できている。

 「すべての在庫が1つのデータベースに集まっていて引き当て可能な状態。かつ、店舗在庫は10秒単位で最新の在庫に更新されているため、ほぼタイムラグがない状態になっている」

 ――昨年11月にはECサイトも刷新した。

 「昨年は先ほどの物流倉庫の一元化と在庫データの統合が1点目で、2点目がサイトのリニューアル。サイト名も『ベイクルーズストア』に変更した。一部店舗在庫の取り置きができるようになり、サービスが拡充されている」

 ――それに先行して昨年3月には会員データを店とECで統合した。直近の会員数は。

 「190万人。伸び率では圧倒的にECサイト経由の会員登録が高い」

 ――同時に会員プログラムも一元化したが、その影響は。

 「当社で『クロスユース比率』と呼んでいるが、店舗とECの両チャネルで購入している方の割合がすごく伸びている。当社の場合、売り上げの55%が『ベイクルーズメンバーズ』という会員制度に登録されている方の売り上げになる。そのうち『店舗だけを利用している人』『自社ECだけを利用している人』『両チャネルを併用している人』の3つに分けると、『両チャネルを併用している人』の売り上げが一番伸びており、この1年間で32%から40%にまでシェアが伸びた。両チャネルを使う人の売り上げは前期に50億円増えている」

 「一人あたりの購入金額で見ると、店舗だけを利用している人の約3倍になり、両チャネル利用してもらったほうがよい。両チャネルで買っている人の売り上げが増えるのは当たり前だと思われがちだが、両チャネルを利用する人が店舗で買っている売り上げは、店舗だけを利用する人の2倍になる。つまり店舗と自社ECの両チャネルを使う人は店舗で買う回数も増える。情報接触頻度を高めると、店舗に行きたいと思う回数が増えるということ」

 ――自社ECだけを利用する人と両チャネルを利用する人を比較した場合については。

 「自社ECだけで買う人と両チャネルで買う人を比べると、両チャネルを使う人がECで購入する金額は、ECだけを利用する人の1・7倍になる。店舗でのブランド体験を経ている人はECで買う回数が増える。つまり両チャネルを使ってもらったほうがいい。我々としては店舗・ECに関わらずなるべく接触していただき、両チャネルを使い分けていただく方を増やすと、結果的に一人あたりの売り上げも高くなる」  (つづく)※㊦はこちら

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