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企業動向 Archive

ニュースの断層、ヤマダ電機が仮想モール、店舗・チラシ・TVを活用

家電量販店最大手のヤマダ電機(本社・群馬県高崎市、山田昇会長)が通販事業を強化する。今秋にも仮想モールを開設する予定で、楽天市場などに出店するネット販売事業者に参加を呼びかけている。さらには、08年に撤退したテレビ通販にも再進出する。近年は家電製品以外の品揃えを強化している同社だが、仮想モール運営は"畑違い"のビジネス。モール開設にはどのような意図があるのだろうか。
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 11月に携帯電話向けサイトとして「ヤマダモール」を開設。パソコン向けは遅れて来年1月のオープンとなる予定。食品や衣料品、雑貨などを扱うネット販売事業者を募集しており、すでに300社の出店が決まっている。ヤマダが出店者から商品を仕入れて販売するのが、楽天市場など既存の仮想モールとの最大の違いとなる。決済や配送なども同社が請け負う。同社の店舗や毎週発行するチラシのほか、テレビ通販も活用し、集客を図る。初年度の取扱高は20億円を見込んでいる。

 他社の仮想モールに出店しているネット販売事業者を中心にアプローチしており、「家電製品以外の商品を、当社が仕入れて販売する形にしたい」(WEB事業部の茂木弘事業部長)という。

 販売価格はヤマダが決める。決済や配送なども同社が請け負うが、食品などを直送したい場合は、出店者が行うことも可能だ。また、顧客情報は同社が管理する形となる。

 出店料は初期費用9万8000円(9月末までの申し込みで無料)と月額2500円。さらに、販売価格の2%を徴収する仕組みだ。「費用面の負担が少ないのは事業者にとってメリットとなるだろう。さらには当社が持つさまざまなインフラが活用できることもアピールしたい」(同)。

 その一つがポイントサービスだ。同社の携帯電話向けポイントサービス「ケイタイdeポイント」が利用可能。モールでの商品購入時のポイント付与率は一律1%で、原資は同社が負担する。

 モールへの集客方法としては、500万人のケイタイdeポイント会員を誘導。10月からはテレビCMや新聞広告でも宣伝する。店舗では、まず同社の都市型店舗「LABI」のイベントスペースで催事を行う。いずれは店舗にヤマダモールのコーナーを設け、ヒット商品などを販売する。さらには、同社が毎週3000万枚発行する、チラシも活用していく。

 ヤマダでは秋から、子会社のプインプルが手掛ける化粧品のテレビ通販を行う予定だが、それとは別にヤマダモールとしてのテレビ通販も来年1月から地方局で放映。出店店舗の商品を複数紹介する番組となる予定で、テレビ通販に興味はあるが、費用面がネックの事業者が対象。番組制作もあわせて、通常の半額以下で提供する予定だ。

 「既存のモールに対向するつもりはない。あくまで実店舗を補完するもの」(同)という今回の新サービス。ヤマダの店舗では生活雑貨など、家電以外の商品の拡充を進めているが、これまで取り扱いの少なかったジャンルの商品を店舗に置くことで、さらなる集客を図る狙いがある。


JIMOS 加藤氏招き通販広告セミナー

化粧品通販事業などを行うJIMOS(本社・福岡市博多区、田岡敬社長)は9月17日、通販実施企業向けに「売れる通販広告の作り方」と題したセミナーを都内で開催する。

 講師には以前、所属していた広告代理店で大手の健食や化粧品など数多くの通販事業者のネット広告戦略を担当、各社の業績を拡大させた実績を持つ加藤公一レオ氏(現・売れるネット広告社社長)を招き、ネット広告のクリック率やサイトの成約率、リピート購入率を高める具体的な方法論やポイントなどを解説する。加藤氏のほか、JIMOSの小野寺洋通販広告研究所所長も実際のJIMOSの通販チラシなどを分析しながら、成功するクリエイティブやキャッチコピーのポイントなどを解説する。

 会場は東京・六本木の「六本木アカデミーヒルズ49」。「午前の部」は午前10~午後2時45分。「午後の部」は午後1~4時45分。内容はともに同じ。参加費は無料だが、事前申込が必要で定員は50人。詳しくはJIMOS(電話=03―5785―6150)まで。

セシール、好調「アニタ」拡販積極化、アパレル商材を大幅拡充

セシール(本社・高松市、上田昌孝CEO)は、ネット販売限定ファストファッションブランド「アニタ・アレンバーグ」について、リピート顧客獲得の取り組みを積極化させている。この一環として、今秋冬展開ではアパレル関連商品のラインアップを大幅に拡充。バッグや靴で開拓した新規顧客をアパレルに誘導し、ブランドのファン作りを進める考えだ。同ブランドは2009年秋のスタート以降、順調な推移を辿り、初年度の売上高は当初目標をクリアしたという。今秋冬シーズンでは前年比40%増の売り上げを目指す。
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「アニタ・アレンバーグ」は、"「今」の流行を、「今」安く"をコンセプトにしたネット販売専用のファストファッションブランドで、脱ベーシックなどをキーワードに"とがった"商品を展開する。商品の製造は中国で行う。
 
 今秋冬シーズンの新商品は9月1日から順次販売を開始。トータルの新商品数は120品目で、このうちバッグや靴が25~30品目程度になる。昨年の秋冬展開では、約60品目の新商品を展開、うち約20品目がバッグや靴だったが、アパレル関連商材を拡充し、今春の展開で好調だったルームウェアの品揃えを厚くしたほか、昨シーズンにはなかったマフラーなどの展開も行う。

 セシールでは、中心客層である40代よりも若い20~30代女性層の開拓を狙いに、「アニタ・アレンバーグ」を展開。現状、同ブランド商品購入者のうち新規顧客は30~35%で、30才前後が中心だが、全体的には既存顧客の利用が多く、年齢層も50代まで幅広い。

 特に既存顧客については、同ブランドの商品が従来のセシールにはない目新しいものと映り、バッグや靴などが好調に推移。新規顧客についても、バッグや靴から入ってくるケースが多いが、同社としては、ファストファッションブランドとして「アパレルを売っていきたい」(島元大輔常務執行役員インターネット事業開発本部長)とする。このため、今秋冬シーズンではアパレル関連商品を拡充。顧客の商品選択肢を広げ、"次の購入"につなげる考えだ。

 同社では、「アニタ・アレンバーグ」の課題として「アパレルの拡大と、ブランド認知度の向上」(同)を挙げており、アパレルの拡大では、購入履歴のある顧客へのDM等による商品告知などを積極化。また、ブランド認知度向上の面でも、秋冬新商品の発売前にマスコミやアフィリエイターを招いて内覧会を開催。新聞等の媒体やネット上でのくちコミを通じ、ブランドを訴求していく構えだ。



コカ・コーラウエスト、飲料事業強化でキューサイ買収、約360億円で全株式を取得

健康飲料展開視野、通販事業は従来通り

コカ・コーラウエスト(コカ・ウエスト=本社・福岡市東区、吉松民雄社長)は8月30日、同日開催した取締役会で、キューサイ(同・福岡市中央区、藤野孝社長)を買収することを決議したと発表した。「青汁」などの健康関連商品の製造・販売を手掛けるキューサイの商品開発力に着目したもので、10月をメドに同社の発行済み全株式を約360億円で取得し、完全子会社化する。コカ・ウエストではキューサイを傘下におさめることで、健康分野への対応を強化。健康飲料の開発など本業の飲料事業を中心にシナジー効果を追及していく構えだ。

コカ・ウエストによると、今回の買収話はキューサイの株式を保有するファンドから打診があったもの。同社では、かねてから健康分野への参入を検討しており、「(通販の)顧客基盤や商品開発力があり、総合的に可能性を検討してキューサイの株式取得を決めた」(事業開発部)という。

 10月1日付でNIF―JIP投資事業組合等のファンドなどが保有する全株式(30万2755株)を359億2200万円で取得。コカ・ウエストからキューサイに役員を派遣する予定だが、「基本的には現経営陣に事業を運営してもらう」(同)としており、既存の通販事業などについても、大きく変える考えはないとする。

 具体的な連携策などについては、「これからキューサイと協議していくことになる」(同)が、同社の吉松社長は会見で、「中長期的には健康飲料の開発などで相乗効果を出したい」と発言しており、本業である飲料事業の強化で、「青汁」や「ヒアルロン酸コラーゲン」を展開するキューサイの商品開発力が活かせるとみているようだ。

 青汁を中心に食品通販を手がけるキューサイは2006年10月、株式の非公開による柔軟かつ機動性のある事業展開を狙いに、経営陣による企業買収(MBO)を実施。ヘアケア分野への参入のほか、置きサプリメントや介護食宅配など、事業の多角化に取り組み、09年10月期の単体売上高は207億7300万円としている。

 キューサイは、コカ・ウエストによる子会社化について、「まだ契約を締結した段階で、具体的な方向性の話し合いはこれから」(広報担当)としながらも、「コカ・コーラグループの高いブランド力やネットワークの活用が期待できる」(同)としており、今後の事業展開にプラスになると見ているようだ。

 コカ・ウエストが主戦場とする飲料市場は商品の改廃が早く、競争も激しい。その意味では、キューサイの商品開発力が活かせる場面は多いと言えるが、キューサイが主力とする通販事業で具体的なシナジー効果が得られるかは不明。自販機や小売店ルートで不特定多数の顧客を相手にする飲料と、特定の顧客の定期購入をベースとする健食通販では、販売戦略などが全く異なるためだ。この点については、コカ・ウエストも認識しているもようで、キューサイの事業運営を現経営陣に任せるのも、その表れと言える。




Voice ゴルフダイジェスト・オンライン 石坂信也社長「新DBでCRM強化」

031.jpg 「会員やユニークビジターは増えているが、購入者数は減っている」。

  第2四半期(4~6月)のネット販売事業の売上高は、前年同期比6・3%減の19億1200万円。メーカーからの仕入れ条件改善や、アパレル関連など利益率が高い商品にシフトしたことで粗利率は向上したものの、初めて客単価、購入者数、注文件数のすべてが前年同期の実績を割り込んだ。  

  その原因について「ひとつはレジャー関連の市場が縮小していること。もうひとつは、ポイント付与率を下げたことではないか」と分析する。

  利益率を向上するための施策だが、「ネット販売の利用者はポイントへの期待が高い。付与率の見直しでサイトの魅力が薄れた、と感じた顧客がいるのは否めない」という。

  ただ、ポイント付与率をすぐに戻すことには否定的だ。「一律にポイントを付与するのではなく、商品・顧客・時間帯・期間によって、柔軟に設定する必要がある。そのためにも新しいデータシステムの導入が不可欠だ」。

  現在、新しいデータベースシステムを構築している。「一人ひとりの顧客との関係性を強化するためには、充実したデータベースが必要だし、その分析結果をマーケティング施策に連動させなければいけない」。1to1マーケティングや、ロイヤルカスタマーへの対応強化は急務だが、同社ほどの規模になると、ある程度自動化しなければならない。新データシステムが今後の成長を支える存在となりそうだ。

伊藤忠商事 中国TV通販に参入、韓国企業と業界3位に出資

021.jpg 伊藤忠商事は、中国のテレビ通販市場に参入する。韓国・ロッテグループと共同で中国テレビ通販大手のラッキーパイ(同・上海市、レイモンド・チャン社長)に出資した。伊藤忠が抱えるブランドだけでなく、日本の衣料品や化粧品、食品などの生活消費財をラッキーパイのテレビ通販を通じて販売する計画で、早ければ年明けにも商品投入を開始する。消費拡大が続く中国では、楽天やヤフーといった仮想モール大手も現地企業と組んで「売場」の確保に乗り出しており、日本企業の商品を中国で販売する通販インフラの整備が進みそうだ。

 伊藤忠は、ロッテグループとSPC(特別目的会社)を設立して8月初旬にラッキーパイの発行済み株式の63・2%を取得。両社は今後4年間で100%の取得を目指す。出資比率は非公開だが、ロッテグループが過半を取得。伊藤忠からも役員を派遣する。

 ロッテグループは、傘下に韓国テレビ通販大手のロッテホームショッピングを持っており、彼らのノウハウと、伊藤忠の中国における商品調達力や物流などのネットワークを生かす。

 伊藤忠では、今回の出資を通じてラッキーパイを新たな販売チャネルとして活用。09年に持分法適用子会社化した中国の杉杉集団がライセンスを持つアパレルブランドや、伊藤忠自身が契約するブランド、日本企業の独自商品などを伊藤忠が仲介して中国市場に投入する。

 出資先のラッキーパイは中国第4位のテレビ通販会社で、上海市や重慶市、山東省、河南省、雲南省、黒龍江省の6つの地域でテレビ通販事業を展開。一部では24時間放送や生放送も手がける。09年12月期の売上高は約68億円で、家電製品や携帯電話などが主力。中国では、女性のテレビ通販利用者が増えており、衣料品や化粧品分野の拡充が事業拡大には不可欠な情勢だ。

 伊藤忠によると、2009年の中国テレビ通販市場は約3000億円。10年は前年比30%増の3950億円程度が見込まれており、今後も高い伸びが期待できる成長市場という。ラッキーパイも、4年後には200億円規模の売上高を目標としている。

 なお、中国のテレビ通販では、売上高約50億円(09年12月期)のANV社に繊維商社のNI帝人商事や日本のキッチン用品大手などが昨年8月以降、それぞれ数%を出資。ANVのテレビ通販番組に商品を供給しはじめており、売り上げ面でも一定の成果を上げているようだ。

消費者庁、09年度の景表法運用状況公表――措置命令等は大幅減

3kata.jpg 消費者庁は8月10日、2009年度における「景品表示法」の運用状況を公表した。それによると同年度中に行った措置命令等の法的措置(公正取引委員会所管時の排除命令含む)件数は前年比40件減の12件だった。件数としては前の年を大幅に下回る結果となったが、昨年9月に景表法が公取委から消費者庁に移管されたことに伴う人員体制の問題などが影響したようだ。

 09年度における執行状況は、措置命令および排除命令の法的措置が12件(全て表示)だったほか、警告が前年比3件減の6件(同)、注意が同155件減の396件(表示377件、景品19件)。いずれも前の年を下回る件数で、景表法4条2項の適用は1件もなかった。

 事件の内容としては冷凍コロッケの原材料やうなぎ蒲焼の原料原産地など食品に関する不当表示やカシミヤ混用率など衣料品に関する不当表示が比較的多く、このほかに保存用容器の抗菌効果、布団のカシミヤ混用率など通販事業者の広告に関する不当表示で措置命令を出している。

 前年と比較して措置命令・排除命令事件が大幅に減少したが、消費者庁では、類似した不当表示で複数の事業者を摘発する事案が少なかったこと、公取委から消費者庁に移ってきた担当職員が司令塔部門にも割り振られ、執行部門の人員体制が手薄になったことなどが要因と分析。このほかに、都道府県による指示件数は同5件増の26件。このうち食品に関するものが12件だった。

 一方、インターネット広告の対応では、一般消費者約80人を電子商取引表示調査員(公取委時代は電子商取引調査員)に委嘱し、ネット広告の不当表示を監視。09年度は調査員から925件の報告があり、問題が認められた168サイト・119事業者について景表法遵守の啓発メールを送信。このうち半数以上で表示の改善が見られたとしている。

資生堂子会社のイプサ、通販強化へ

3men.jpg 資生堂子会社のイプサがネット販売を強化する。8月17日に通販サイトの大幅なリニューアルを実施。顧客からの美容相談にチャットを通じて対応する新サービスを開始した。ネット販売を強化し、2016年をメドにネット経由の売上高を現状の約4%から20%前後にまで引き上げる考えだ。

 イプサでは、サイトリニューアルに伴い、新たにチャット機能を追加した。平日の午前11時~午後8時の時間帯、常時5人のスタッフが無料で美容相談に対応する。

 チャットでは、店舗チャネルの展開で培ってきたカウンセリング力を活かす考え。百貨店で接客経験のある美容部員をスタッフに起用。顧客からの相談は商品や肌トラブルの悩み、肌全般に関する質問などさまざまなため、店舗同様、リアルアイムで対応できるチャットが有効と判断した。

 サイト集客は現状、リスティング広告を中心に行っている。当初はリスティングとバナー広告を展開。新規獲得を進めたが、リピート客の育成につながらず、フォロー施策の展開やリスティング広告の精度を高めることが必要と判断した。このほか、くちコミサイト「@コスメ」のブランドコミュニティを通じた情報発信や、今年7月に開始したツイッターなどソーシャルメディアを活用した集客も強化する。こうした施策の展開により、ネット経由の売上高を年率25~30%高めていく。

 イプサがネット販売強化に乗り出すのは、通販チャネルがドラッグストアやGMSと並び、化粧品の有望な販売チャネルとして台頭してきたため。出産や育児、仕事など女性のライフスタイルの変化に対応するものだ。

 イプサは1986年に設立。売上高は非公表だが、売上高の68%をスキンケアが占めており、このうち、化粧水と乳液の機能を持たせた化粧液「メタボライザー」が28%(4~7月実績)を占める主力商品。通販は98年末からファックスや電話、ハガキで対応している。

秋冬商戦の出だしは――猛暑の影響懸念


2men.jpg 天候不順で各社が苦戦した夏商戦が終わり、まもなく本格的な秋冬商戦を迎える時期になった。ただし、天候不順は相変わらずで連日、異常な「猛暑」が全国的に続くなど、夏商戦と同様に、また、天候不順が秋冬商品の売れ行きに悪影響を与えそうな気配もある。そんな中、スタートを切った秋冬商戦だが、出だしはどうなのだろうか。大手通販企業を中心に主な通販企業の秋冬商戦のスタート時点での状況や方向性、売れ筋商品などについて見てみる。

 秋冬商戦の出だしだが、やはり連日の猛暑の影響で、「いまだ夏物に動きがあり、秋物へ消費がまわらない状況」(千趣会)。無論、猛暑で夏物が売れること自体は良いが、長く猛暑が続けば、秋冬商品に深刻なダメージを与えかねない。「受注時期がよりジャストシーズン化してきており、9月の気温は(秋冬商戦に)かなり影響すると思う」(セシール)、「猛暑で『秋シーズン』が飛んでしまわないが懸念」(日本生活協同組合連合会)という声も。

 そんな中、消費を喚起しようと各社は様々な試みを始めている。面白い事例としてはスクロールが雑貨カタログ「生活雑貨」を「ランキングBOOK」として1冊丸ごと「ランキング」という切り口で展開。「購買モチベーションが低い時期と認識し、売れ筋商品の拡販に徹底的に注力する」ための構成だという。同カタログ内の「バイヤーイチオシランキング」で使用感を意識して訴求している「伸縮パソコンデスクD」などに特に期待しているようだ。

 また、ディノスでは「ディノスリビング」でテレビ通販との連動企画を巻頭で実施。冬のマストアイテム(ヒーター、羽毛布団など)を早割り10%OFFで販売するなどの試みを実施している。

 それでは秋冬商戦のスタート段階ではどういう傾向が見られるのか。ジャストシーズン化を進め、各社とも秋号、秋冬号を発刊するタイミングが以前に比べて遅く、「現状ではまだわからない」(スクロール)という企業が多いようだ。

 7月下旬にカタログを発刊してすでに秋冬商戦のスタートを切ったディノスでは「リビング系はほぼ前年並みのスタート。美容健康系はやや苦戦、特に高単価商材の動きが鈍く、単価が下がる傾向がみられる」という。ファッションはカタログ別では「ダーマ」「ルール」は好調。「カーラ」は前年並みで推移している。

 具体的に売れ行きの良い商品は掃除機「エルゴラピード」(写真)。スタイリッシュなデザインと機能性でもともとディノスでは人気商品だが、新機能をプラスしてバージョンアップ。また、カタログの表4での展開で売り上げが伸びているようだ。このほか、猛暑の影響からか「遮熱カーテン」に動きがあるようだ。また、家具・インテリアでは「壁面収納シリーズ」が全般的に好調な滑り出し。夏号からプライスダウンした「マガレコシリーズ」もまずまず、としている。

 婦人靴「リゲッタアンクルパンプス」もコンフォートながら幅広く履きこなせるデザインがうけてヒット中。このほか、テレビ通販でも好調な運動器具「エアリーシェイプ」も今秋号のカタログ巻頭でのTV企画効果もあり昨年を上回って推移しているようだ。

 千趣会では猛暑を理由に秋冬商戦の出だしは「衣料品ではブラウスやカットソーなどの薄物の売れ行きが良い。またショートブーツも好調」だという。また、冬本番からは裏フリースパンツや蓄熱、発熱カットソーなどの防寒機能アイテムを拡充する予定としているが「モニター調査段階ではこれらのアイテムは好調」として、一定の手ごたえを感じている。インテリア関連は猛暑で「秋物へ消費が回らない状況」。だが具体的な商品は明らかにしていないが「目新しいモノについては好調な滑り出し」としている。

秋冬商戦の予想は?

 ディノスでは今秋冬商戦について「リビング系は、ほぼ前年並みないしは微増と予測。美容健康系は低単価傾向の動きが気になるところ。ファッションも、媒体ごとに多少のバラつきはあるが、全体では前年を上回る予想。全体として、少しずつですが、消費が戻りつつある傾向を感じる」と回答している。スタートを切ったばかりの秋冬商戦。今後、どうなるのか。各社の奮戦が期待される。

緒方社長に聞く、らでぃっしゅぼーやの今期戦略──低価格帯商品で顧客を活性化

 3-2.jpg食材宅配大手のらでぃっしゅぼーやは、低価格帯商品の品ぞろえを強化する。ネットスーパーなどの台頭で競争が激化する食品通販市場の中で競争力を高める考え。今期、売上高を前期比5%増の234億4300万円を計画する同社の戦略と、今期の立ち上がりについて、緒方大助社長に聞いた。                    (聞き手は本紙記者・兼子沙弥子)


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ディノス TV通販でネット誘導へ、ネット注文分のみ送料無料に

 ディノスはテレビ通販を入り口としたネット販売サイトへの送客強化に乗り出した。8月9日から、主力テレビ通販番組で紹介した運動器具や寝具など4点について、通販サイト受注分に限り、通常、1回の買い物ごとに徴収している350円の送料を無料とした。全国ネットの通販番組で「ネット注文に限り送料無料」と宣伝し、同社の通販サイトへと誘導する。テレビ通販商品の送料無料化で新規顧客の獲得と電話注文が多いテレビ通販顧客のネット受注促進、ネット誘導による平均注文点数の引き上げなども狙いたい考え。

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スクロール 輸入化粧品を自主回収、薬事法違反が発覚

 スクロールは8月6日、子会社で化粧品のネット販売を手掛けるイノベートが販売した輸入化粧品を自主回収すると発表した。一部商品に薬事法に定める表示違反があったため。顧客にはメールなどで回収を呼びかける。なお、違反があった時期は、スクロールがイノベートを子会社化する今年4月以前。スクロールでは、違反はイノベートの前経営陣主導で行われていたとして、損害賠償請求などを検討している。

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ニュースの断層、ヤマト運輸とDヤマザキ、宅急便取扱店契約締結

ゆうパック集客効果に見切り、CVS他社追随も

ヤマト運輸は7月26日、山崎製パン系のコンビニチェーン「デイリーヤマザキ」(DY)と取扱店業務契約を締結し、9月1日から系列の「デイリーヤマザキ」および「ヤマザキデイリーストア」で「宅急便」と「クロネコメール便」の取り扱いサービスを開始すると発表した。それまでDYでは「ゆうパック」の発送受け付けなどを行っていたが、取扱個数の減少が続き、店舗への集客効果が見込めないと判断。豊富なサービスメニューを持つ「宅急便」に乗り換えた形だ。

 デイリーヤマザキは、全国にコンビニの「デイリーヤマザキ」および「ヤマザキデイリーストア」を約1650店展開する中堅コンビニチェーン。もともと日本通運の「ペリカン便」を扱っていた関係で、7月1日からのJPによる宅配便事業統合に伴い「ゆうパック」として店頭での宅配便の取り扱いを行っていた。
 
今回、DYがヤマト運輸と「宅急便」の取扱店契約を結んだ理由は、集客効果の1点に尽きると言っていい。

 もともとコンビニでは、店舗集客力を高めるために様々なサービスを扱っている。コピーサービスや通販商品代金等各種料金の収納代行もその一例だ。宅配便の取り扱いも同様で、荷物の発送申し込みで来店した客が、店頭商品をついで買いするといった効果を期待しているわけだ。

 無論、この前提になるのは一定数以上のサービス利用が見込めることだが、2009年度のペリカン便」は前年比41・4%減。コンビニ店頭での発送申し込みも減少し、集客効果も弱まっていたと見られる。

 DYとしては、「ゆうパック」統合に伴う告知強化などで取り扱いの拡大も期待していたはずだが、統合直後に大規模な遅配問題が発生。これが「宅急便」へ乗り換えを決断する動機になったようだ。

 ヤマト運輸等によると、かなり前からDYと「宅急便」の取り扱いに関する協議を進めていたとするが、実際に両社が「宅急便」取扱店契約を結んだのは7月16日で、丁度、「ゆうパック」の遅配問題がひと段落した時期。「ゆうパック」取り扱いによる集客力効果に疑念を持つDYが、遅配問題で「宅急便」の切り替えを決断した。そう考えるのが自然な流れだろう。

 一方、DYの「宅急便」に乗り換えによる具体的なメリットのひとつは「宅急便」自体の取扱個数が堅調に増加していること。さらにサービス内容の豊富さがある。実際、DYが9月から扱うのは、「宅急便」(発払・着払)や「ゴルフ宅急便」「往復宅急便」「オークション宅急便」のほか、「クロネコメール便」、クロネコメンバーズ会員向けに提供する「宅急便 店頭受取りサービス」など。特に、増加傾向にある通販関連荷物の取り込みを考えた場合、コンビニ側にとって「店頭受取りサービス」は魅力的な集客ツールになるはずだ。

 現状、ローソンやサークルKサンクス、ミニストップ、am/pmなど有力コンビニチェーンが「ゆうパック」の発送取次ぎ等を行っているが、「宅急便」の取り扱いでDYが集客効果をあげれば、他チェーンが追随してくることも考えられ、コンビニ店頭での通販購入商品の受け取りがより広く利用される可能性もありそうだ。

ヤフー、検索でグーグルと提携 リスティング広告も切り替え、SEOは新対策が必要?

ヤフー(本社・東京都港区、井上雅博社長)は検索サービスでグーグルと提携する。年内をメドに、これまで採用していた米ヤフーの検索エンジンからグーグルの検索エンジンに変更。米ヤフーがエンジンの開発を中止することやユーザーの検索への要求水準が高まっている現状を鑑み、現時点でグーグルの検索エンジンが機能面でベストと判断。検索結果はヤフーが独自の調整を加えるため最終的にはグーグルの結果とは異なるが、通販事業者はこれまでとは異なるSEO(検索エンジン最適化)の対策を迫られそうだ。

同時に、検索連動型広告配信システムもグーグルのシステムを採用。ただ、入札形式で広告の掲載可否や順序を決める「マーケットプレイス」は引き続きヤフーが運営し、広告主の獲得などは独自に行っていく方針としている。

ヤフーは、これまで採用していた米ヤフーの検索エンジン「YST」をグーグルのものに変更する。ただ、検索サービスには「日本のヤフー独自のチューニングを加える」(ヤフー広報)ため、検索順位はグーグルのサイトとは異なる結果が反映されることになる。このためSEOについても、現在の「ヤフー対策」とは異なる取り組みが必要となるが、本来のグーグルの検索結果とも異なるため「ヤフージャパン固有のチューニングに対する対策」(同)が求められそうだ。
 
検索エンジン同様に、検索連動型広告配信システムもグーグルのシステムを採用する。ただ、キーワードに値段を付け入札形式で順位などを決める「マーケットプレイス」はこれまで同様ヤフーが運営するため、ヤフーがデータを提供してグーグルが運用するというイメージに近いようだ。

 広告の出稿料については現在の米ヤフーに支払っているコストと「それほど変わらないと思う」(同)ことなどから、大きく変わる可能性は低いとみられる。

 また、今回の提携では、ヤフーはオークションやショッピングなどの最新のデータをグーグルに提供する。直接データを提供することで、グーグルがロボットでデータ収集を行う現在の形よりも新しく精度の高い検索が実現できるとみる。終了したオークション結果などが検索結果に反映されなくなるなどの改善が期待できるようで、ユーザーの利便性を向上させ利用を促進させたい考えだ。


JIMOSが描く成長戦略とは?田岡敬社長に聞く、化粧品を軸に成長「今下期から積極的に攻める」

JIMOS(本社・福岡市博多区、田岡敬社長)が堅調に業績を拡大させているようだ。美容液ファンデーション「クリアエステヴェール」を軸としたインフォマーシャルなど新規顧客開拓策が成功し、化粧品通販が堅調に推移。直近決算である2010年3月期で年商90億円弱(本紙推定)と08年3月期からの2年間で10億円弱の積み増しとなった模様だ。今年6月に新たに社長に就任した田岡敬社長にJIMOSの現状と今後の事業戦略などについて聞いた。
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――売上高が堅調(※08年度は年商約80億円、09年度は約84億円、10年度が約88億円=本紙推定)だが、その要因は。

 全体としては業績を伸ばしているものの、注文単価(現状の平均注文単価は9000円弱)はジリジリと下がっている感覚はある。ただ、その中で基幹化粧品ブランド『マキアレイベル』の人気商品『薬用クリアエステヴェール』(美容液ファンデーション)を入り口として新規顧客の獲得が順調に進んできたことが大きい。新規顧客の開拓は特に昨年の秋口からは絶好調といってよい。

――どう新規顧客を獲得しているのか。

 数年前までは新聞折込チラシなどの紙メディアがメーンだったが、現状では紙メディアは一旦、止めて『テレビ』と『WEB』で効率的な新規顧客開拓を進めている。現状、7割はテレビ、残り3割をネットで獲得している状況だ。テレビはBS局や地方局などで29分のインフォマーシャルや2分の短尺ものを放送している。これまで弱かったWEBは昨年の秋から本格的に力を入れ始めた。昨夏と現在を比較すると、WEB経由での会員獲得数は月ベースで4倍になっている。

 獲得できた新規顧客に対し、しっかりとCRMを行い、リピーター化できている。当社は数年前からオーナー企業でなく、きちんとデータに基づいた『PDCAサイクル』を回すことができる体制になってきたことも大きい。ものすごいヒット商品があるわけではないが、効率よく新規顧客を開拓し、リピートを手堅く回せている。

――新規顧客を獲得できているポイントは。

 当社は広告にせよ、商品開発にせよ、お客様の声を聞くようにしている。グループインタビューなどを本当に重ねてお客様の生の声をベースに広告や商品を作ったりと。あとはお客様にアンケートをお願いしてそれを次のクリエイティブに生かすこともしっかりできているからだと思う。ちなみに直近のインフォマーシャルでは『薬用クリアエステヴェール』はエイジレスな商品なので『親子で体験』のような内容でコアターゲットである40~50代に向けた訴求をしている。

――今期の方針は。

 ここ2~3年で基礎体力はついた。今期は次の成長戦略に向けた様々な仕込みをやっていきたい。1つは現在、テスト販売中の『マキアレイベル』とは別の化粧品のラインを下期から投入しようと思っている。ターゲットは『マキア』よりも少し上の50代でオイルをベースとした自然由来の基礎化粧品だ。嗜好の異なる新規層の開拓を図る。

 健康食品のテコ入れも行う予定だ。健康食品事業と化粧品事業は完全に別々だった。ただ、ターゲット層は重なる部分もあり、下期からは化粧品のお客様に向けて当社の健康食品も提案していこうと思っている。まずはテストを行い、相性を見てみたい。ここも大きな伸びシロはあるはず。

 あとはマルチチャネル化を進めていきたい。具体的にはQVCなどのテレビ通販企業などへの卸だ。現状、当社はほとんど卸はやっていないが、現状、通販化粧品はコモデティ化してきており、いつでもどこでも購入できることが当たり前となっている。当社からでも買えるし、他社の通販を通じても買えるという状態が非常に重要だ。若年層の開拓にも期待している。これも下期から動き出したいと思っている。

 また、グループのサイバードとの連携を強化していく。強化し始めたWEBでの広告やランディングページ、メルマガなどの製作など一緒にできる部分はあると思う。グループのリソースを活用しながら効率的に業績を伸ばしていきたい。

――中期的な目標や戦略は。

 3~5年後には年商150億円はいきたい。そのためには現状、売上高の9割を占め、好調な化粧品をさらに強化していく。通販市場は伸びているがこれからは過当競争が激しくなってくるはず。いいポジションにいる化粧品でまずは勝ち切るために、先に述べた新たな化粧品ラインの投入や『マキアレイベル』の刷新なども考えている。また、今上期から上海で化粧品でネット販売のテストを始めた。これについても手ごたえは悪くない。今後は現地のテレビ通販企業への卸や価格帯などもいろいろと検討、テストしていきたい。期待しているところだ。





09年度ネット販売市場調査 「物販は15%増の3兆3600億円

221.jpg 経済産業省がこのほどまとめた「2009年度電子商取引に関する市場調査」によると、消費者向け"物販"のネット販売市場は前年比14・6%増の3兆3600億円となり、世界的な景気後退の中でも、ネット販売市場は高成長を維持していることが分かった。一方で、市場規模の拡大に伴い、ネット販売でトラブルに巻き込まれる消費者が2年前の調査から5ポイント弱増えており、「泣き寝入り」をするケースも少なくないという。

 同調査は、次世代電子商取引推進協議会(ECOM)の協力を得て、昨年11月から今年2月に実施。事業者を対象にしたヒアリングや消費者へのアンケート、文献調査などからまとめた。調査対象期間は09年1月~12月。

 消費者向けのネット販売市場は、全体では前年比10・0%増の6兆6960億円で、EC化率は同0・3ポイント増の2・1%増。このうち、「物販」の市場規模は前年から4270億円増えて3兆3600億円となり、全体の成長率よりも高い伸びを示した。

 「小売業(物販)」の業種別では、すべての分野で市場規模が拡大したが、とりわけ「医薬化粧品」が前年比30・8%増、「食料品」が同28・7%増、「自動車・パーツ、家具・家庭用品・電気製品」が同22・1%増と高い伸びを示した(図表を参照)。

 EC化率が最も高いのは「総合」の3・6%で、前年に比べて0・4ポイント上昇。次いで、「自動車・パーツなど」の2・8%(前年比0・4ポイント増)、「医薬化粧品」の2・1%(同0・5ポイント増)と続く。「衣料・アクセサリー」と「食料品」はともに1%にも満たない。

 今回は、「ネット販売によるトラブル」についても調査。過去1年間でトラブルに遭遇した消費者の割合は31・7%で07年の調査に比べて4・8ポイント増えた。

 トラブルの内容で最も多いのが「配送された商品が壊れていた・賞味期限が切れていた・サービス内容に不備があった」で、全体の33・1%を占めた。次いで、「商品配送が遅れた・サービスの提供がタイムリーに受けられなかった」(31・8)、「購入した商品とは異なるものが届いた・サービス内容が違った」(19・9%)などとなった。

 なお、トラブルの遭遇率は、同様の調査を実施した韓国(78・8%)や中国(68・7%)、ドイツ(50・3%)、英国(49・9%)、フランス(47・5%)、米国(44・1%)と比べて日本(31・7%)は割合が低く、比較的安全に利用されている。

 しかし、トラブルに見舞われた際に購入先や行政機関などへ相談しない割合が38・6%と他国に比べて極めて高いことから、経産省では消費者の相談に対応するための体制整備が必要としている。

TOPに聞く・オークローンマーケティング ハリー・A・ヒル社長 「新商品なし」でも25%増収に  

171.jpg 不況で通販各社が苦戦する中、オークローンマーケティング(OLM)の2010年3月期の売上高は前年比2・5割増の約460億円、経常利益は3割アップの約75億円と高い成長力を示した。OLMの好調要因とは何なのか。ハリー・A・ヒル社長に前期と振り返りと今期の戦略、昨年4月に資本提携したNTTドコモとの連携の進捗状況などについて聞いた。(聞き手は本紙編集長・鹿野利幸)











不況はチャンスと通販枠を拡充


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――2010年3月期は増収増益で売上高、利益とも過去最高額だった。「ビリーズブートキャンプ」で急激な成長を遂げた08年度の業績をも超えた。好調要因は何か。
 「まずテレビ通販のメディア枠を増やしたことだ。不況は当社にとってはチャンスだと考え、前期はこれまでより15%くらい枠を増やした。不況で外出を控え、在宅率が高まると考えたからだ。するとテレビの視聴も増し、自宅で過ごす時間で学習や運動、ダイエットなど自分に投資する人が増えるだろうと。実際、その通りで拡充したテレビ通販を中心に業績を伸ばすことができた」

――前期のヒット商品は何だったのか。
 「面白いことなのだが、前期は目立った新商品はなかった。当社は主に米国で商品を調達するが、この年は米国は元気がなく、新商品が少なかったことなどが理由だ。では業績をけん引したものは何だったのかと言うと、継続的に販売している既存の主力商品群だ。『コアリズム』は一昨年に少し売れすぎ若干、落ちたが、ほぼすべての商品が前年比で増収となった。例えば『トゥルースリーパー』(低反発マットレス)と『ヒルズダイエット』(ダイエット用食品)の売上高は前年比で30%増。『レッグマジックX』(運動器具)は20%アップ。すごいのは『トゥルースリーパー』は販売開始から7年目。『ヒルズダイエット』は4年目だが、前期が過去最高の売り上げだったこと。このほか『マジックブレット』(フードプロセッサー)も5年目で1番の売り上げとなった」

――通販枠を増やしたからか。
 「それもあるが、それだけではない。当社は特定のヒット商品に依存するビジネスではなく、安定的な売り上げを上げられるブランド(※商材別に『ショップジャパン』『ヒルズコレクション』『エクサボディ』の3ブランドを展開中)とロングセラー商品をこの数年間、作り上げてきた。また、前期は映像製作、映像表現のレベルアップやアフターサービスの強化などの基礎となる能力の強化に注力した。これにより、商品に対するロイヤルティと顧客満足度が上がり、リピート率が上がったからだと思う」

――映像製作のレベルアップとは。
 「細かいことの積み重ねなので具体的には言いにくいが、お客様に映像で何を訴えたいかだ。単に商品の特徴を伝えるよりも、『商品を使ってどう変わるか』を重視してきた。そういった意味でわかりやすさや訴求力を高めるべく、昨年は映像に積極的に愛用者のご意見を取り入れた。例えば昨年は『トゥルースリーパー』の愛用者であるタレントのピーターさんに出演して頂き、非常にお客様からの反響が良くなった。愛用者は以前から出演させているが、ここ数年は海外の愛用者ではなく、日本人の愛用者を登場させる回数を圧倒的に増やしてきた。このあたりもレスポンスアップに貢献していると思う」

――アフターサービスの強化とは。
 「例えば『ヒルズダイエット』では昨年7月ごろに、通常のコールセンターとは別に、定期購入者であれば無料で栄養士と相談でき、ダイエットに関するアドバイスが受けられる専用ダイヤルを設置した。『ヒルズダイエット』でダイエットを開始するに当たって『どういう風にやればよいのか』『何に気をつけねばいけないのか』『どう商品を使えば効果的か』などを当社が依頼した栄養士約20人が相談を受けるものだ。『トゥルースリーパー』では一昨年からだが、購入者全員により良い睡眠のための『スリープマニュアル』を配布している。『こういう姿勢で寝たらより効果的ですよ』というようなものだ。

 販売したら終わりではなく、『ダイエット』や『熟睡』などお客様が商品で実現したい目的が達成できるように支援した。実際、『ヒルズダイエット』は我々の行動支援で成功率が高まっているようだ。『トゥルースリーパー』はお客様の満足度が高まり、低反発の効果が弱くなる3年後に、リピートで購入頂けるお客様が全体の30%と非常に多い。お客様が目標を達成できれば、当社へのロイヤルティは高まる。そうなれば必然、リピート率も良くなるということだ」

――通販以外のチャネルはどうか。
「リテール(小売店舗への商品卸)が伸びている。数年前に一旦、卸先も絞って、再スタートしたが、去年の年末あたりから卸先を一気に増やした。ブランドによってリテールの戦略変えているが『ヒルズコレクション』は卸展開を強化して取引先は前年の3倍。『ショップジャパン』でも2倍くらいは増えたと思う。先ほど映像製作の話をしたが、基本的には店舗でもデジタルサイネージで同じ映像を売り場で流してもらっている。良い映像はテレビで流しても店舗で流しても反応は良い。ここは今後も強化する」

ドコモとの連携進捗状況は?

――昨年4月にNTTドコモと資本提携を結んでから1年が経過した。業務連携の進捗は。
 「前期の増収増益にどれだけドコモとの相乗効果が貢献したのかといえば、ほぼゼロだ。資本提携後、すぐには具体的な連携は難しいため、この1年はお互いについて勉強し最近になって動き始めてきた。マクロ的に言うと、当社のモバイル経由の売上高と利益が最近、すごく伸び始めてきた。これまで当社のモバイル経由の売上高は全体の4%(ネット売り上げは全体の3割程度)だったが、この数カ月間は毎月、1~2%くらいずつ全体の売り上げに占めるモバイル通販のシェアを伸ばしている。特に『ヒルズダイエット』や『レッグマジックX』などはモバイル経由の伸びが良い」

――何がモバイル通販を押し上げているのか。
 「お客様がモバイルで注文しやすくなったことが大きいと思う。前期はテレビ通販枠を増やしたが、テレビを見たお客様が昨年に開設したドコモのiモード内の3つの公式サイト(『ヒルズコレクション』は昨年2月、『ショップジャパン』『エクサボディ』は昨年9月に開設)で注文できたり、モバイルが使いやすくなったと思う。他には今年4月から『ドコモポイント』(賞品などに交換できるドコモの独自ポイント)の対応を開始したが、良い反応があった。当社のモバイルサイトで商品を購入頂いたお客様に商品購入額100円に付き、1ポイントを付与している。またポイント付与だけでなく、『ドコモポイント』の交換対象商品としてモップやフードプロセッサーなど3商品を提供したが、ドコモがびっくりするくらい当社の商品の交換が多く手ごたえを感じた。

 また、『ドコモ動画』でタレントのいとうあさこさん出演の『ヒルズダイエット』のショートムービーやスポットCMを流した。非常に話題になり、アクセスもよく『ヒルズダイエット』のモバイル通販売上高だけでなく、ネット販売全体の売上高を押し上げている。現状(今第1四半期=4~6月)のネット販売売上高は前年同期比20%増となった。ドコモと様々な連携を進めることで、それぞれ単体の施策というよりも、よりクロスメディア展開が積極化し、お客様にとって買いやすくなったと思う。ほかにドコモとの連携で言うと、ドコモの決済サービス『iD』はすでに開始した。『DCMX』も一部のブランドで導入し始めたところだが、本格的には来年度からになる。今、様々なプロジェクトを進めている最中だ」

来年4月に基幹システムを刷新

――前期は好調だったが、今期はどうか。
 「2011年3月期は前期比で10%程度の増収増益を目標としているが、第1四半期は予算を達成でき、良いスタートをきれた。今期も通販枠は多少、増やすつもりだ」

――今期は大型の新商品はあるのか。
 「米国も元気を取り戻し、面白い商品がいくつか出てきた。例えば犬のしつけ用DVD『パーフェクトドッグ』。始めたばかりだが、レスポンスはいい。また、7月中旬からテスト販売を始めたスプレー式ファンデーション『ルミネスエアー』も期待している。前期も好調だった『レッグマジックX』だが、5月のイベントで、新色(白とピンク)を発表したのだが、反応がよく、売り上げも伸びている。このほか、本来は来年度の主力商品として考えていた『レッグマジックX』の後継機『レッグマジックサークル』だが、まだインフォマーシャルは未放映で納期も2カ月後になるにも関わらず、ネット注文が結構入っている。『アブサークルプロ』(運動器具)も来期から本格販売する商品だが、非常に反応はよい」

――今期は年商500億円の大台に乗りそうだ。業容拡大に備えたバックヤード強化などの投資は考えているのか。
 「新たな配送センターの立ち上げなどを考えているが、決定しているのは基幹システムの刷新だ。来年4月からのカットオーバーに向けて、現状、構築中だ。現状のシステムでは年商規模では650億円くらいが限界だ。システムの刷新で現状の3~4倍の売上規模になっても十分に対応できる。また、お客様が電話、ネット、モバイル、店舗などどこで商品を購入されてもフォローできるようになる。こうした投資は常に先を見ながら実施してきている」

――今後の通販市場についてはどう見るか。
 「通販はどんどん人々の生活に入ってきている。するとより伝統的なブランドも通販に参入してくるだろう。大分、垣根はなくなったと思うが、やはりまだ通販会社は一般の会社に比べ、ランクが低く見られがちだ。だが、様々な会社やブランドが参入することで通販のイメージはよくなるはずだ。ただ、逆にこれからの通販市場はより良い商品、強いブランドメッセージがない企業は、競争に勝てなくなる。当社としては非常に面白い状況だと考えている」

アッカ、動画サービスの導入を容易に

 アパレル商品の撮影代行などを手掛けるアッカ・インターナショナルは、ネット販売事業者がサイト上で簡単に動画を配信できるASPサービスを開始した。同社では今年に入ってムービー対応の撮影スタジオを設けるなど積極的にインフラ投資を行ってきており、衣料品ブランドの世界観を出せるリッチコンテンツのツールとしてアパレル通販サイトなどを中心に導入を目指す。

 アッカが始めた新サービスは「ムービープロバイダー」。動画を使用したサイトに見られる動作環境の鈍さを解消するために、ポップアップ画面で動画を見せるのが特徴だ。

 動画配信用のサーバーはアッカが持ち、消費者が通販サイトの動画再生ボタンを押すと、データセンターで情報に応じた動画を再生。サイト上では別ウインドウで表示されるため、導入する通販サイトには負荷がかからない(図を参照)。

 通販事業者は、動画ボタンを作ってリンクをはる必要はなく、動画ボタンのカスタマイズや動画の尺の長さも自由に設定できるという。

 導入コストは、1品番当たり3000円からで、サーバーの使用料は現在のところ無料で対応する。
 動画サービスは、アッカが持つ愛知県瀬戸市の撮影スタジオと、今年3月に開設した川崎市の新拠点で対応する。商品が到着して4日後をめどに通販サイトにアップする。

 アパレル通販サイトに動画を導入する場合、静止画像とは異なり、動画用のポージングなどをモデルに教育する必要があるが、アッカでは今年5月に開催した通販連動型のファッションイベント「ガールズアワード」に実行委員会の一員として参加。運営を担当した通販サイトで多くの動画を取り入れてきた実績があるのが強みだ。

 アパレル商材以外でも、雑貨などは使い方を動画で見せることができるため、ウェブ上の表現が広がる。
 今後、中国市場に進
出する企業にとって、既存サイトの説明文をすべて中国語に訳すことは手間のかかる作業だ。文章は必要な部分に限定し、商品を訴求したいポイントを動画で補うことで、言葉の行き違いなどから想定される返品率の低減も期待できそうだ。
 アッカでは、今秋冬シーズンからアパレル分野で先行して動画サービスが導入される見通し。

ディノス、過去最大のサマーセール

3men.jpg ディノスが過去最大規模のサマーセールを始めた。7月16日から、衣料品や家具、寝具、雑貨など約1700点を対象に最大75%引きで販売する。従来、セールは商品ジャンルごとなどに個別で実施し、ターゲットは既存顧客が中心でメルマガなどで告知するにとどまっていたが、今回は複数の商品ジャンルにまたがって、過去最大規模の商品点数を値下げ。同時にセール情報を同社のテレビ通販番組内で告知した。大規模なセールの開催とテレビを使った告知で既存顧客だけではなく、新規顧客の獲得も狙いたい考えだ。

 ディノスが開始したセールは「夏のいいもの大セール」。通販サイト内にセールの専用ページ(=画像)を開設し、衣料品、寝具、インテリア、生活雑貨、家具、美容健康関連商品、食品、スポーツ関連用品など約1700点を対象に値下げ、値引き幅は従来価格から10%~75%の値引きとなる。例えば「フリル付きラメボーダーワンピース」は9900円から3割引の6930円。「エアースプリングマットレスシングル」は8万4000円から7割引の2万5200円で販売される。

 セール開始にあわせて、フジテレビ系の情報番組「知りたがり!」内でディノスが持つ通販コーナー「いいものプレミアム」でセール情報を告知。7月の16日、19日、20日の3回にわたって「夏のいいもの大セール」の内容を番組内で紹介、通販サイトへと誘導した。テレビ通販コーナー内で催事イベントなどの紹介を行うことはあるが、ネット販売サイトのセールについてテレビで告知するのは珍しいようだ。

 ディノスはこれまでも夏期にセールは行ってきたが、ターゲットは既存顧客中心で、告知はメルマガが主。また、商材ジャンルやカタログタイトルごとに個別にセールを実施しており、開催の日程や期間などはバラバラだった。

 今回のセールは新規顧客獲得も狙い、複数の商材にまたがって一斉に値下げ。また、セール情報をテレビで告知することで、視聴者を連動するネット販売サイトに誘導して、新規顧客獲得につなげたい考えだ。

ヤフー、CCCのTポイントと提携

 ヤフー(本社・東京都港区、井上雅博社長)はポイントサービスを強化する。7月14日、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC=本社・東京都渋谷区、増田宗昭社長)と包括的な業務提携を締結すると発表した。CCCはTSUTAYAやファミリーマート、ドトールコーヒーショップなどで利用できる「Tポイント」を発行しており、今回の提携で仮想モール「ヤフー!ショッピング」でこれを貯めることができ、買い物での利用も可能になる。ヤフーは幅広い層のTポイント会員の「ヤフー!ショッピング」への流入を見込んでおり、新規客開拓を促進したい考えだ。具体的な開始時期は未定だが、「年末商戦が始まる前までには間に合わせたい」(ヤフー広報)とする。

 ヤフーはCCCと、ポイントサービス、広告事業、地域事業、インターネットサービスの事業領域などで提携する。このうち「ポイントサービス連携」では、「Tポイント」を「ヤフー!ショッピング」に導入。具体的には、ユーザーが「ヤフー!ショッピング」で買い物をする際に獲得するポイントを「ヤフー!ポイント」と「Tポイント」の好きな方から選択できるようにする。付与する「Tポイント」は「ヤフー!ポイント」と同じで、購入料金100円につき1ポイントとなる。

 また、サービス参加店を利用することで獲得できる「Tポイント」を「ヤフー!ショッピング」でも使えるようにする。Tポイントサービス」の参加店はTSUTAYAやファミリーマート、カメラのキタムラ、ドトールコーヒーショップなどと幅広く、こうした様々な層のユーザーを「ヤフー!ショッピング」の新規客として獲得していきたい考えだ。

 ヤフーでは、他社ポイントサービスの導入はこれまでは「ハードルが高かった」(広報)ため行っておらず、今回が初めての試みとなる。なお、「交換する必要がないだけのユーザビリティを提供できる」(同)との考えから、今回の連携では「ヤフー!ポイント」と「Tポイント」の交換はできない仕組みとなっている。

 今後は「ヤフー!オークション」やデジタルコンテンツの分野でも「Tポイント」連携を検討していく計画だ。

有店舗企業の通販戦略 良品計画(下) ポータルと差別化徹底

 3-1.jpg良品計画が通販サイト作りで心がけているのが、ネットも実店舗と同じ作りにするということ。「入店してすぐ何が見えるようになっているか、どうやったら手にとってもらえるか。それに対して取り組む施策はウエブも実店舗も同じ」(web事業部)だという。

 一時期、ネットストアのトップページに会社の事業案内などを入れていたことがあった。ポータルサイトと通販サイトとの区別がつかず、買い物客から分かりづらいとの指摘を受けたという。そのため、ネットストアの「店」としての役割をはっきりさせるため昨年、ポータルサイトとはページを切り分けた。

 現在のトップページは、商品カテゴリー一覧や新商品情報、商品検索など買い物に関わるものだけを掲載している。「商品一覧も細分化して当初の倍ぐらいまで増やした。実店舗と同じように食品と食器を並べるなど商品にたどり着きやすいように配置も見直している」(同)とする。

ネットで先行予約販売実施

 同社ではネットだけで買い物を完結させる会員はそれほど多くは無いと考えている。過去に行った、ネットストア利用者への電話聞き取り調査でも「ネットを見てから店に行く」「忙しい時は、店で見たことのある商品をネットで買う」という回答を多く得たこともあった。そのため、ネットと実店舗とが連携するような仕組みを常に念頭に置いて取り組んでいる。

 実店舗で展開するネットストア会員獲得キャンペーンなどはその際たるものだが、他にも、同社で3年ほど前から採用している衣料品の「ネット先行予約販売」がこれにあたる。

 同企画は当初、衣料品のチームが季節商品の出荷計画数を出すために、市場動向を把握したいということから立ち上がった。

 昨年は冬物コートを対象に、真夏にネットで予約販売を実施。すると、消費者の反応が意外によく、クリック数によって人気の色柄がはっきりと予測できるまで集計できた。その結果、生産計画を見直して追加生産発注し、実店舗、ネットともに冬場の販売に備えることができたという。

  「物販」が主目的のネット販売に「テストマーケット」という役割を加え「宣伝販促」も実践させる。それが最終的に、実店舗とネットの互いの顧客をフォローする連携体制を生みだすという仕組みだ。

 有店舗小売業にとって、ネット販売の売り上げが伸長することは、必ずしも「是」とはならない場合もある。しかし、通販に参入しておきながら、実店舗の売り上げを守るために、ネット販売のコンテンツを塩漬けにしてしまうようなことがあっては非常にもったいない。

 補完関係を生み出す仕組み作りには、コストも時間もかかるが、いったんその形ができてしまえば、連携できる取り組みの幅は広がる。

 同社のように、モバイルも含めてその連携の輪を形成することで、多チャンネルから消費者にアプローチすることができる。そしてはじめて、顧客が持つ限られた時間を購買活動へと向かわせることが可能となるのではないだろうか。
 (おわり)

JSCの篠原社長に聞く──2009年の振り返りと今期の戦略は?

 2-1.jpg不景気の影響で各社が業績不振に喘ぐ中、ジュピターショップチャンネル(JSC)は順調に業績を伸ばし、2010年3月期は増収増益を達成(前号2面の同社決算記事参照)。今期に入ってからも、これまで前年同月を上回るペースで売上高を伸ばしているようだ。不況下においても業績を拡大させるJSCの戦略とはどういったものなのか。同社の篠原淳史社長に前期の総括と今期の戦略などについて聞いた。 (聞き手は本紙編集長・鹿野利幸)





──09年度(2010年3月期)は前年同期比(※08年度は15ヶ月変則決算のため、08年4月~09年3月との比較)で増収増益だった。業績を伸ばせたポイントは何か。
 
 「前期は番組力と商品力を意識して強化してきた。『見て頂ける番組』をきっちりと作りこむ。そのためには当然、番組に見合う『良い商品』が必要になる。番組力と商品力をパッケージと捉えて、両方をしっかりできたことが大きかったと思う。
 また、不況で小売市場全体が厳しい中、大手の化粧品やアパレルメーカーさんなどを中心に既存販路以外に新たな販路や手法を模索されている中、我々のテレビ通販というチャネルを活用頂くケースも昨夏あたりから非常に増えてきた。知名度や訴求力の高い有力メーカーの商品を販売したり、それに伴う新しい番組ができてきた。これらも番組力や商品力の強化につながった部分だと思う」
 
──客単価は。
 
 「現在の市況では客単価はさすがにしんどかった。番組力や商品力の強化で新規顧客獲得での客数アップと既存顧客の購買頻度を高めて、業績を上げていったということだ。そうなると注文数が増え、変動費はあがるが、商品については安易な価格訴求に走らず、バリューを追求した。そうしたことなどで一定の粗利を確保でき、経費効率の悪化をカバーして、わずかだが増収と増益の両方を達成できた」
 
──具体的に業績面で効果を上げた番組や商品とは。
 
 「番組で言うと、昨夏に開始した2つの看板番組が大きい。1つは"アラフォー"をターゲットにした『ヴィーナスナビ』と当社のプライベートブランドを軸に紹介する『ショップチャンネルシグネチャー』だ。この2番組はコア顧客層に向けて相当な準備をして立ち上げた番組で期待していたが、きちんと定着したのかなと思っている。それから深夜帯の番組も状況を見ながら模様替えをして一定の成果が出てきている。今年2月から開始した『ももえり流!可愛くハッピーライフ』や『渡辺美奈代のセレブレッスン』などだ。若い世代を中心に深夜帯の視聴者を増やせているなどの効果が出てきている。
 また、先ほど申したように新たにテレビショッピングでやってみようという大手の化粧品やアパレルメーカーの商品や、楽天さんなど様々なパートナー企業さんとの番組などが全体としての商品力、バリュー感を高めたのではないかと思う」
 
──前期はネット販売のほか、カタログの展開なども始めた。テレビ以外のチャネルの状況は。
 
 「ネットでは08年4月から『ミラベラ』という海外ブランド品の通販サイトを始めたのだが、好調に推移している。ネット販売はもちろんだが、昨年9月から『ファッションサイトミラベラ』という名称の番組を始め、そうしたブランドがテレビにも参加して頂けるようになった。ブランドさんが我々の番組での表現について安心頂き、テレビ通販についても参加して頂けるという流れができつつある。これは番組力や商品力の強化という点からも大きなことだ。非常に期待している。
 カタログは昨年1月からファッション系とノンファッション系のカタログを半期に1回、発行している。なるべくカタログ限定商品で構成し、それをテレビでも紹介している。テレビからカタログへ、その逆とサイクルができつつあり、カタログで安定的な売り上げを稼げるようになってきた。カタログ用の商品開発を進め、ページ数も増やしていきたい」

──今期もすでに第1四半期(4~6月)が終了したが、業績はどうか。
 
 「今期も増収増益を目標に進めているが、予定通りだ。4、5、6月と前年同月はきちっとクリアできている。基本的な戦略は前期と同様、番組力、商品力の強化だ。今期は前期に立ち上げた様々な番組や取り組みを定着、定番化させていく。また、新しい試みとしては今年5月に熊本県民テレビ(KKT)と組んで『日本を見つけよう~九州~』と題し、熊本県産品を紹介する生中継番組を放送した。KKTさんに機材やスタッフを含めて中継では協力頂き、またKKTでも同日、サイマル生放送をしてもらった。地上波とのコラボは今回が初の試みだが当日の売り上げに関しても一定の反響があり、非常に可能性を感じた。他の局でも同様の試みをしていきたい。常にアンテナを張って、新しいことにもチャレンジしていく」

有店舗企業の通販戦略 良品計画(中) "着せて"見せるが奏功


衣料品売上高が前年比25%増


有店舗小売業界だけにとどまらず通販業界にまで及んだ、2009年のアパレル不況。

 日本通信販売協会(JADMA=事務局・東京都中央区、宮島和美会長)によると、2009年度の「衣料品」通販売上高は前年度比5・5%減の3431億8900万円。前年比を上回った月が1度もなく、年度を通じて厳しい結果となった。特に、下期の暖冬が追い討ちをかけたように、冬の定番品でもある高価格帯のアウター類の出荷が低迷。アパレルを取り扱う通販各社では悲鳴が上がっていた。

 しかし、その状況下において良品計画(本社・東京都豊島区、金井政明社長)のネットストアの売り上げを支えたのは「衣料品」だった。最大の理由はサイト内に導入した新コンテンツ「コーディネートカタログ」にある。
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 同コンテンツは、それまで衣料品単品だけの掲載だけで終わっていたページ構成を、根本から変更したもの。「婦人」「紳士」「子ども」「マタニティ」とカテゴリー分けして、それぞれのページ内でオススメの洋服着こなしパターンを、モデルに着せて全身画像で表示するサービスだ。

 さらに「部屋着」「外出用」といったシーン別や「リネン(麻)」「オーガニックコットン」のような素材別で検索することも可能。画像はクリックすると拡大し、正面、後ろ、横向きと、モデルが立つポーズも変わる。閲覧者に衣服の印象を深く伝えるように工夫している。

 コーディネート画像は、1カテゴリーにつき100種類近くを掲載。開始当初は半分程度だったが、モデルに着せて見せる効果は非常に高く、組み合わせが多いほど閲覧者にクリックしてもらえることに気がついたという。

 また、ヘアターバンやバッグなどの服飾雑貨についても、顧客から大きさが伝わりづらいとの声があったため、同コンテンツの中でモデルに持たせて1つのコーディネート例として掲載。同社では「なるべく、雑貨と衣服とをかみ合わせて見せていくように変えていった」(web事業部)とする。

 その結果、昨年9月頃から衣料品の売り上げ伸び率が上期を上回るようになり、最終的には2010年2月期の商品別売上高で前年比約25%増という高い伸びを示した。まさに、ネットストアの売り上げけん引役となったのだ。

 実店舗とネット販売の絶対的な違いは、顧客と対話ができないこと。しかし、画像やテキスト表現でそれを補うことができるのがネットの力。実店舗のスペースではディスプレイできないほどの数の衣料品を、消費者に見やすい形でうまく視覚表現できたことが、今回の結果につながったとも言える。

(つづく)


アスクル、個人向け通販を本格化、今秋メドに新サイト開設


アスクル(本社・東京都江東区、岩田彰一郎社長)は今秋、新たな個人向け通販サイトを開設する。現状、一部のユーザーのみが閲覧可能なプレサイトでテストしているようで、コミュニティを軸とした通販サイトとなる模様。アスクルは昨年、ネットプライスドットコムと組み、個人向け通販事業に本腰を入れると表明。今春以降に通販サイトを新設する予定としていたが遅れていたようだ。年商2000億円規模の同社が満を持して立ち上げる個人向け通販サイトが注目される。

昨年、アスクルの完全子会社として新設し、今年2月にネットプライスドットコムが資本参加したアスマル(本社・東京都江東区、酒川美代子社長)を通じて、既存の個人向け通販サイト「ぽちっとアスクル」とは別に、新たな通販サイト「アスマル」がすでにテスト運営中のようだ。現状の「アスマル」は関係者に限定して参加、閲覧できるクローズドサイトで「使い勝手などをテストしている」(岩田社長)という。

 詳細は不明だが、「文房具」や「飲料・食品」などアスクルが法人向け通販で得意とする商材や北欧のデザイナーと開発したデザイン性の高いPB商品を販売中。それに加えて、「1dayプライス!」と呼ばれる販売期間を1日限定とし飲料などを格安で販売する試みも行っているようだ。これはネットプライスが得意とする仕組みで同社のノウハウが活かされているようだ。

 物販機能に加えて、コミュニティ機能を1つの軸とする模様で「並んでいる商品を買うだけでなく、買い手と売り手で作り上げていく」(岩田社長)サイトを目指しているようだ。ユーザーとメーカー担当者が参加するコミュニティで商品開発などをするものと見られ、「どういうコミュニケーションの仕方がいいか実験中」(同)とする。

 法人向けオフィス用品通販としては最大手の同社が手がける個人向け通販サイト。今秋にはテストを終え、アスマルの本格オープンに踏み切る予定だ。ちなみに2010年5月期における個人向け通販の売上高は前年比20・9%増の22億5000万円。社内目標ベースだが、今期には約60億円、来期は約240億円まで拡大し、黒字化。来々期には600億円弱まで拡大させたい意向だ。

 そのためには先行する競合サイトから顧客を奪い得るような特色のあるサイト作りが必須となりそう。現状、まだその詳細は見えないが今秋の本格オープンの段階でどういったサイトになっているのか、期待される。

ディノスと丸井、家具の相互供給開始、カタログや店舗で互いの商品を紹介・販売

ディノス(本社・東京都中野区、石川順一社長)は7月30日から、丸井(本社・東京都中野区、川下雄司社長)と組み、家具・インテリアを中心とした相互商品供給および共同販促を始める。ディノスは丸井の独自家具など約140点を通販カタログやサイトで紹介・販売する。丸井は百貨店「マルイ」のインテリアの売り場でディノスの独自家具など10点を自社商品と組み合わせて展示・販売する。ディノスはインテリア分野の商品力強化、丸井は販路拡大と新客開拓を図る。

ディノスが今回、販売を始めるのは丸井のインテリアブランド「in The ROOM(インザルーム)」のPB(プライベートブランド)商品。取扱商品点数は約140点。中心価格帯はソファが約10万円、カーテンは約3万円など。

 7月30日から全国の主要書店で販売する家具・インテリアの通販カタログ「house styling(ハウススタイリング)」の今秋冬号の巻頭特集ページ(=写真)で紹介。巻頭特集は数ページを割いて「趣味の時間も2人一緒に」「友達と過ごす楽しい時間に」などの切り口で、「掛け布団カバー」(9900円)や「カバーリングソファ パフューム」(7万8000円)のほか、カーテンやラグマットなどの丸井のPB商品を自社商品と組み合わせ、コーディネート提案する。なお、7月23日から配布する既存会員向けカタログでは1ページで丸井の商品を紹介している。
 
今回は電話受注には対応せず、ネット販売のみ。カタログの巻頭特集から「ハウススタイリング」の通販サイトに顧客を誘導し、購入を促す仕組み。

 一方、丸井も7月30日から、百貨店「マルイ」で展開する「インザルーム」の売り場の一画でディノスが「ハウススタリング」で展開する「LONG&LOWダブルベッド」(12万8000円)や「ナイトテーブル」(1万4800円)、「Tolomeoランプ」(4万7250円)など10点の独自商品を同じく自社商品と組み合わせて、展示・販売する。スタート時点でディノス商品を展示・販売するのは「ららぽーと豊洲店」
「なんばパークス店」「西宮ガーデンズ店」内の「インザルーム」となる。

 なお、丸井では実店舗内での紹介に加えて、サイト内でもディノスの商品を紹介。ただ、サイト上では直接的な販売はせず、ディノスの通販サイトに送客する形をとるようだ。

 ディノスおよび丸井が、他社の展開するブランド名を打ち出した形で商品供給を受けたり、共同販促を行なうことはあまり実績がなく、珍しい試みのようだ。

 今回の連携はディノスにとってはインテリア分野における商品力強化の一環。自社による独自商品に加えて、「インザルーム」が得意とするインテリア性の高いファブリック関連の商品の供給を受けることで、MD強化につながると判断したようだ。また、実店舗での商品露出で新規顧客獲得も期待しているようだ。

丸井は自社商品の新たな販路として期待しているようだ。ディノスの通販カタログ「ハウススタイリング」(年2回、約200万部発行)や通販サイトで多くのディノス顧客に、商品を露出・販売できるため、売り上げ拡大のほか、認知拡大も狙う考え。

 ディノスでは丸井との相互商品供給や共同販促など各社施策を通じ、まずは1年間で1億円程度の売り上げを見込んでいるようだ。

有店舗企業の通販戦略 良品計画(上) 「待機状態」の会員は5%

021.jpg 2009年末に会員数300万人を突破した、良品計画の「ネットストア」。ここ数年間は会員数が前年比20%増と好調に推移している。同社では「ネット販売はあくまでも、一販売チャネル」という位置付けだが、サイト内で次々繰り出す仕掛けは枚挙に暇がなく、その売上高もここ数年で急拡大。一事業として決して軽視できない規模までに成長している。同社最大の武器でもある「無印」ブランドのネームバリューと、全国に抱える340店以上の実店舗との連携が生み出す独自の通販戦略を追った。

「たった1日で1万人がネットストアの会員になったこともあった」(web事業部)。担当者が明かしたその数字が、そのまま"無印ブランド"の高い人気をあらわしている。

 会員獲得のために、昨年同社が仕掛けたのは、実店舗を使った勧誘活動だった。モバイルからネットストア会員登録することで10%オフのクーポンをダウンロードできるようにし、それを実店舗で掲示すると割引が適用されるキャンペーンを行ったのだ。全国すべての店舗で行い、メールアドレスだけの簡易な登録フォーマットにしたことで、大量の会員獲得につながったという。

 同社では「お店からネットへの誘導として非常にうまく行ったパターン」(同)と説明する。そのほかにも実店舗での会員獲得手段として、ネット会員の利便性を表記した商品カタログの陳列などを行っている。

会員引き込む「5つの特典」

 ネットストアの会員に特徴的なのが、いわゆる「待機状態」が少ないこと。同社によると(昨年12月の時点で)会員の95%が商品購入の実績があり、購買が止まっている会員は実に5%にしか過ぎないという。

 そこまで会員が購買活動を継続する理由は、既存のブランド力に加えて、ネット会員限定の「5つの特典」にあると言える。

 その1つ目が会員登録時に配布される500円クーポン、次に購入金額5250円からの配送無料サービス。そして、特に人気が高いとされる、季節商品やデザイン・仕様変更に伴う在庫処分品を集めた「ファクトリーアウトレット」サイトの利用権利。さらに年数回開催している10%程度の割引セール。最後に、希望者対象のアンケートや、モニタリングでの会社招待といった、コミュニティーへの参加を呼びかけたイベントの実施だ。

 アンケートに関しては回答内容が、同社が運営する「くらしの良品研究所」での商品開発に大きく関わることもあり、会員からの注目度は非常に高い。多い時は、1案件につき1万件以上の回答が集まることもあるという。過去に、アンケートやモニターの意見を参考に「ベランダ菜園キット」や「体にフィットするソファー」などが、商品化されている。

 定期的なイベント実施でサイトの閲覧機会を増やし、会員を巻き込んだモノづくりも行うことで、ブランドへの親近感を与える。これらの活動すべてがファンの育成につながっているのだ。

売上伸び率回復が課題

 同社の2010年2月期のネット販売売上高は、前期比9・9%増の82億2800万円。全事業(売上高1643億4100万円)に占める構成比は同0・6ポイント増の5・8%となった。

 都内最大規模の有楽町店舗の年間売上高はすでに超えており、その数字は軽視できないものとなりつつある。

 好調な成長を続けているが、もちろん、懸念材料がないわけではない。その1つが「売り上げ伸び率」だ。伸び率は2007年2月期が前年比22・2%増、08年2月期が同20・6%増と、過去2年連続で20%超えを実現していた。しかし、09年2月期は同9・9%増にとどまり、一気に2ケタを割り込んでしまう。

 「当然この数字では許されない」(web事業部)との言葉通り、今期は2ケタ増を確保することを至上命題としている。

 伸び率低下の最大の原因は客単価の下落。サイト内での購入者数は、ここ数年間でほとんど変わりないが、高単価・大型商品の低迷が大きく響いたもよう。ステーショナリーやハウスェアなどの小物雑貨は伸びている一方で、家具関連の商品の動きが落ちてきたと同社では分析している。

 今期はテコ入れ策として、部屋の家具選びをサイト内で支援する「家具・インテリアシミュレーター」を3月5日に開設。

 ユーザーが購入希望の家具をクリックすると、サイト上の部屋のイメージ画面に、選択した家具が出現するもの。カーテンやソファー、テーブルなど8種類以上の家具を扱っている。部屋の画面は、床板の色やカメラアングルを変更することも可能で、多種多様なユーザーの部屋にイメージを近づけられるようにした。

 サイト上には家具の合計金額も掲示されるため、商品の単品販売だけではなく、トータルコーディネートでの需要も掘り起こす狙い。不振の大型商品販売で巻き返しを図る。
(つづく)

TOPインタビュー ベルーナ・安野清社長③「中国進出、ワイン卸から」

3kata.jpg 単品通販事業もここ数年減収傾向にある。

 「伸び悩みの原因は、こだわりが薄れていたことだろう。表面的な取り組みになっていた」

 こだわりとは。

 「商品しかり、マーケティングしかり、サービスしかり、事業プランしかりだ」

 事業別では、グルメ関連の2010年3月期売上高は前期比4・8%減の118億1000万円だった。

 「売り上げはやや犠牲にして、収益性を重視する戦略を進めている。今期には効果が出てくるのではないか。また、今後はワインの成長を見込んでおり、11年3月期の売上高は前期比10%増の34億円になりそうだ。カタログはややマイナスだが、ネット販売と卸販売が伸びると予想している」

 化粧品のオージオは、売上高は15・8%減の47億3000万円だったが、営業利益は14・5%増の6億3000万円となり、利益率が大幅に向上した。

 「顧客の離脱が多く、新規獲得の効率も悪くなっているため、媒体を絞ったことで売り上げが落ち込んだ。グルメと同じく収益性を優先したが、もう少し成長性を重視するべきだったと思っている。今後は成長性と収益性のバランスをいかに取るか、そして商品開発とマーケティングの見直しに取り組む予定だ。これまでのブランドを維持しながら、旬のブランドを開発して成長性を促進する。現状は踊り場に差し掛かっているが、いずれは数倍の売上高にしたいと思っている」

 健康食品のリフレの売上高は、前期比16・0%増の49億5000万円だった。

 「媒体戦略に改善の余地あるので、見直しを図りたい。強くなりそうな商品は揃っているので、ブルーベリーの『ブルーベリー&ルテイン』など主力商品を拡販していく」

 中国進出に関しては。

 「逐次行う。ただし、消耗戦をする気はない。まずはワインの卸からスタートし、ネット販売に進みたい。そして、状況を見ながら化粧品、健康食品を販売する。ワインに関しては、経済的に豊かになっていることもあり、中国での需要は確実に増している。ワインなら国際価格なので、極端な安売りをせずに販売できるが、衣料品は中国価格になってしまうので非常に厳しい。6月か7月にはテスト販売を行いたい」

 単品通販事業全体では、売上高350億円を目指すとしている。達成への具体策は。

 「全事業を伸ばしていきたい。商品力の強化も重要だが、まずはマーケティング面を改善しなければいけないと思っている。そして、サービスの見直しや、顧客フォローを進めることで解約を減らしたい。収益性を重視しすぎた面があるので、全体の収益性に配慮しながら投資していきたい」

 BOT事業は増収となったが、通販代行サービスの収益性改善が課題となっている。

 「新規クライアントに対して、価格面でのメリットを提示して受託の契約を結ぶケースが多かったが、継続してもらうことで収益性を改善したい。また、さまざまなメニューを持っているので、例えばコールセンターだけではなく、メーリングも提案する、といった取り組みを進めていく」

 不動産関連のプロパティ事業と金融関連のアドバスド・ファイナンス事業の縮小傾向は続くのか。

 「そうだ。不動産関連については、賃貸事業だけ残して資産の売却を進める。金融関連は営業貸付金残高を減らしている」

 懸案となっている、コンプライアンス順守に関する取り組みは。

 「どんな問題が発生しているのか、毎月報告を聞いている。社員の意識も高まっており、逆に萎縮(いしゅく)するくらいだ。薬事法、景品表示法については特に注意している」

 新たな中期計画の策定は予定しているか。

 「今期中にも3年の中期経営計画を策定する予定だ。カタログ事業は年10%の成長性をキープしたいと思っているが、ネット販売がポイントになるだろう」(おわり)

大丸松坂屋、リユース品の通販開始へ

 大丸松坂屋百貨店は7月1日、不用になったブランド品を消費者から買い取り、ネットで安く販売する事業を始める。売買金額の一部をNPO団体に寄付することで、百貨店が取り組む二次流通市場のネット販売として、社会貢献の仕組みも入れ込む。百貨店が有名ブランドのリユース品を販売するのは異例で、これまで百貨店を利用してこなかった消費者を取り込めるか注目される。

 買い取り対象となるのは「ルイヴィトン」など国内外の有名ブランドで、バッグ、時計、衣料品などを中心に約250ブランドを計画。専用の通販サイト「ソーシャルネット」を7月1日に開設し、対象ブランドを公表する。
 大丸松坂屋は現在、リユース品の在庫はなく、サイトを開設して下取りを開始。約1カ月後からネット販売をスタートする。同社では、百貨店顧客はタンス在庫が豊富な消費者が多いと見られることや、ネット販売市場の成長を見込んで事業化を決めた。

 下取りには会員登録が必要で、不用になったブランド品を送ってもらい、受け取った翌日には査定額をメールで知らせ、消費者の了承が得られれば金額を振り込む。査定額が気に入らなければ、同社が返送料を負担するという。

 査定は、提携先の専門業者が実施。実店舗では対応できないため、通販サイトを通じての下取りに限る。

 また、商品の売買に際しては、同社と利用者が売買金額の2・5%ずつを負担し、複数ある指定のNPO団体に寄付する。利用者は、寄付を断ることや、複数あるNPOを選択することができる。

 リユース市場の参入については、「査定と寄付の両面で、百貨店の安心感が強みになる」(同社)とする。

 大丸松坂屋は、リユース品のネット販売で初年度5億円、2~3年後には10億円の売り上げを計画。1年目に5億円を販売した場合、同社と消費者がそれぞれ売買金額の2・5%を負担すれば、2500万円が指定のNPOに寄付される計算だ。

新社長に聞く―イマージュ・沼田社長「化粧品子会社のノウハウ活かす」

2men.jpg イマージュの新社長に、グループの化粧品子会社・アイムの社長を務める沼田憲孝氏が就任した。前期業績(イマージュホールディングスの連結決算)は6期ぶりに黒字となるなど、立ち直りの兆しが見えてきたイマージュグループ。グループの屋台骨を背負うイマージュでも、CGMの活用やテレビ通販の開始など、今期はブランド力向上に向けた施策を矢継ぎ早に打ち出している。沼田社長に今後の取り組みを聞いた。
(聞き手は本紙記者・川西智之)

 昨年12月に副社長に就任してから約半年で社長に昇格することになった。

 「昨年、『イマージュ復活に向けて、アイムと協力して進められる部分はないのか』という話が出て、その流れで副社長に就任することになった。5月の株主総会後に社長となったわけだが、アイムの社長も引き続き務めているので、実務面はすべて私が取り仕切る形だ。アイムの成功事例を取り入れるという点では、やりやすくなった面はあるものの、責任の重さを痛感している」

 半年間でどのような取り組みを行ってきたのか。

 「東京ガールズコレクションへの参加に始まり、テレビ通販の開始など、ブランドの知名度向上を目指した取り組みを実施した。これまでは予算を縮小する中で、利益重視の戦略を取ってきたが、バランスを考えながら広告戦略を展開しているわけだ。もちろん、投資がすべて回収できているわけではないが、良い部分と悪い部分は見えかけてきている。良い部分をピックアップして、新規獲得につなげていきたいと思っている」

 具体的には。

 「ウェブでの広告の出しかた、テレビやイベントの効果的な使い方だ」

 ウェブ広告はかなり増やしているのか。

 「増やしてはいるが、アイムほどの予算は取っていないため、大量出稿ではない。ただ、いろいろな『気付き』がある。売れなかったらすぐに出稿をやめるというのではなく、きちんと分析・検証して良い部分も見出していく。こうした取り組みは、アイムでの経験を活かしたものだ」

 商品企画で変えていく部分はあるのか。

 「ややアイテム数を絞り、1アイテムあたりの販売数を増やしたいと思っている。初回発注における在庫のリスクを減らす分、広告を上積みして、これまでタッチできなかった人たちにアピールしていきたい。単に安売りをアピールするだけでは駄目で、広告の表現手法、出稿方法の工夫や、アウトバウンドなども重要になってくるだろう」

 イマージュとアイムの連携については。

 「これまでアイムは30代後半から50歳までがメーンだったが、ウェブ広告を大幅に増やしているため、最近は25歳前後が中心だ。これはイマージュの顧客層と重なっている。広告関連など、イマージュとアイムで共同戦線を張っていきたい。また、両社間での情報交換を頻繁に行っている。アイムが培ったネット販売のノウハウに関しては、すべてイマージュに応用していく。もちろん、すべてを活かせるわけではないが、過去の広告に比べれば格段に良くなってきている」

 通販代行事業も強化している。

 「当社はきめ細かいフォローに強みがある。出荷代金が安いだけならその場限りだが、リピートにつながれば顧客にとっては一番良いわけだ。アイムのデータをもとに、コンサルティング的なこともできるのが強みとなる。価格で勝負する気はないが、かといって相場に比べて料金が高いということはないはずだ」

 衣料品通販も年々競争が激化している。生き残り策は。

 「プラスオンの価値を創出するしかないだろう。イマージュらしさを、顧客に分かりやすい形でアピールしていきたいと思う」

TOPインタビュー ベルーナ、安野清社長②「テレビにチャレンジ」、ミセス層もネット強化へ

3-2.jpg──時間をかけずに強化するには、若年層に強いネット販売企業の買収も有効なのでは。
 
 「タイミングが合えばやりたいとは思っている。ただ、まだ低速走行で様子見している段階なので慎重にいきたい。売り込みは多いのだが、これといった案件がないのが実情だ」
 
──カタログ事業の売上高1000億円という数字をイメージしているとのことだが、達成するためには、ミセス向け事業の成長も不可欠となる。

 「年4~5%前後の成長が必要だ。リストの収集と掘り起こしを今まで以上に強化したい。また、弱くなってきている折込チラシも課題となるだろう。現在、年間購入回数は平均2・5回弱だが、どこまで増やせるかがカギだ」
 
──家具関連は苦戦が続いている。
 
 「マイナスが続いており、商品力強化が一番の課題となる。リピートを促進するには品質向上が重要だが、チェック体制強化や業者の選別により、ここ数年で飛躍的に向上した」
 
──テレビの活用は考えているのか。
 
 「チャレンジしたいとは思っている。どの程度の予算を投入するかなど、具体的なことは決まっていないが、予算のうち半分はテレビCM、半分は単品通販などのインフォマーシャル的なものにしたい。テレビCMについては、ベルーナの知名度向上を目指したイメージCMだ。短期的な効果を期待するのは難しいだろうが、長い目で見たい」
 
──ネット販売の2010年3月期売上高は72億5000万円だった。
 
 「売上高は目標をやや下回ったが、チャネルとして利益を優先したオペレーションを行った。配送日数を大幅に削減した効果がかなり出ており、顧客から『こんなに早く届くなんて』などとお褒めの言葉をいただくことが多くなった」
 
 「今年からは配送予定日を注文時に告知できるようにしたが、キャンセル率の低下に大きく貢献している。早いだけでいつ届くか分からないという状況では、キャンセルや引き取り拒否が起きてしまうからだ。配送までのリードタイムの短さに関しては、他の総合通販と比べても上位に位置するのではないか」
 
──最近はアマゾンジャパンや楽天など、即日配送を打ち出すネット販売企業も出ている。さらなるリードタイム短縮は考えているか。
 
 「これ以上縮めようとすると、コストが増加して顧客に負担してもらう形となってしまう。現状が最適なサービスレベルではないか。風呂で例えれば熱ければいいものでもなく、ぬるければいいものではなく、重要なのは"湯加減"だ」
 
──モバイルに関しては、独立した通販サイトとしての展開をやめ、GNTが運営するソーシャルメディアのショッピングコーナーとした。
 
 「従来からの顧客からしてみれば違和感があるかもしれないが、ベルーナのブランドは前面に打ち出している。現状のモバイル通販は黒字を出すのが難しい状況で、他の総合通販もモバイルでの集客には苦労しているのではないか。そのため、リスクヘッジの意味も込めて、モバイルのプロであるGNTと組んだわけだ。ただ、将来的にトレンドが変われば、自社サイトを構築して自社で運営するという選択肢も出てくるだろう。GNTとの協業は、いうなれば楽天との付き合いと同じことだ」
 
──移行後の状況は。
 
 「ベルーナのことを良く知らなかった顧客が増えている。今までのやり方ではアプローチできなかった層だと考えれば、今回の取り組みは成功ではないか」
 
──モバイル経由の売上高は。
 
 「ネット販売売り上げのうち、約28%だ」
 
──今後のネット販売での新規顧客獲得策は。
 
 「これまでネット販売に力を入れていなかったこともあり、先行事例を参考にすることで20~30代に関しては順調に獲得できている。CPOも劇的に低い値だ。また、50~60代についても、当社がパイオニアとしてネットでの成功事例を作りたいと思っている。これまでの取り組みで、熟年層に当たるための法則ができつつある。今シーズンと秋冬でテストを行い、うまく行けば来期にアクセルを踏みたい」 (つづく)

出版社の通販戦略① アシェット婦人画報社、旬のコーデで"即買い"を誘導

 3-1.jpg部数減や広告収入の落ち込みなどから著名雑誌の休・廃刊が相次ぐ出版業界。そうした中、「通販」を収益の新しい柱として強化する動きが顕著だ。とくにファッション分野では、商品の選別眼やコンテンツの編集力など出版社の強みを生かし、通販サイトや雑誌媒体へのブックインブックを展開することで既存のファション通販とは一線を画すケースが多いようだ。今号から出版社の通販事業の取り組みを見ていく。





  「エル・ジャポン」や「婦人画報」などのファッション誌を手がけるアシェット婦人画報社は、2009年1月に住友商事グループの一員となったのを機に、同年9月に通販サイト「エル・ショップ」を開設した。
 
 住商が日本で展開する「バーニーズ」や「マークジェイコブス」などファッションブランドの販売窓口として、グループのジュピターショップチャンネルを軸に、ネット販売や紙媒体などを複合的に活用した"マルチチャネル戦略"を推進しており、一環として、アシェット婦人画報社も新たな事業モデルの構築に取り組んでいる。
 
 「エル・ショップ」開設当初はグループのブランドなどラグジュアリー路線が目立ったが、現在はコンセプト通り、新進ブランドなど「エル」の世界観でセレクトした商品を扱うサイトとして商材の幅を広げている。
 
 集客面では、ウェブ雑誌「エル・オンライン」から誘導し、同サイトの会員を中心に顧客化に成功している。また、雑誌「エル・ジャポン」のブックインブック(12ページ)で毎号、通販サイトを紹介。小冊子で紹介する商品は電話でのオーダーも受け付ける。

 「エル・ショップ」は、ファッション感度の高い消費者が利用しているのが特徴。セールを待たず、ジャストシーズンでプロパー(正価)商品を購入する顧客が多いという。
 
 このため、旬のオリジナルコーディネートで商品を提案したり、パリやニューヨークなどで見かけた、おしゃれな女性のスナップを掲載し、身に着けている商品と同じテイストの商品を購入できるようにするなど、「エディターならではの提案力を強みに、その場で買いたくなる工夫をしている」(大勝裕子コマース本部副本部長)という。
 
 また、カスタマーサービスの視点が高いリピート率につながっているようで、例えば、昨年12月には顧客全員にクリスマスカードを送るなど、アナログな手法で顧客の心を掴んでいる。
 
 さらに、優良顧客を中心に人気のスイーツを手書きのサンクスレターを添えてプレゼントするなど、「手間を惜しまないサプライズが顧客から支持され、想定以上に高いリピート率につながっている」(出浦直子コマース本部ECマーケティング部)とする。
 
 時には、他社サイトで見かけた商品が欲しいというリクエストがあり、顧客が地方在住の場合などはメーカーに問い合わせ、その顧客のために買い付けたこともある。
 
 今期は、「エル・オンライン」からの誘導をさらに強化する。約16万人のオンライン会員へのメルマガで通販サイトを紹介したり、商品受注会のレポートを掲載することで、ファッション感度の高い消費者を囲い込む。
 
 また、一定金額以上の購入でボーナスポイントやプレゼントなどを付与するキャンペーンを実施し、客単価向上を目指す。
 
 今年2月からは2カ月に1回、ウェブ上で先行受注会を開催。在庫リスクを軽減できる施策として回数や商品カテゴリーを増やして実施する。


JADMAの将来像を聞く、宮島和美会長インタビュー「事務局改革に着手」

 2-1.jpg日本通信販売協会が"変革の時"を迎えている。通販市場が拡大基調を維持する中、唯一の業界団体であるJADMAの会員社数は伸び悩みを見せ、存在感が薄れている。こうした中、JADMAでは今年6月の通常総会で宮島和美ファンケル会長を新会長に迎えた。宮島会長が会員ニーズに応えるべく、まず手始めに打ち出した方針は「法律相談」と「広報機能」の強化。これらのニーズを具現化し、JADMAの存在価値を高めるカギを握ることになるのが、実際の協会運営を取り仕切る事務局の改革の行方だ。創設から約30年、変革の時を迎えたJADMAの将来像を宮島会長に聞いた。(聞き手は本紙記者・佐藤真之)



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「航空系」通販、捲土重来への"一手"②、全日空商事、ネット専業にシフト


カタログ・機内誌通販中止、サイト刷新、MDも変更


 「今までのビジネスモデルでは厳しい」。

 搭乗客の減少で苦戦が続く航空系通販。全日空商事(本社・東京都港区、中野雅男社長)の2010年3月期の通販売上高は前期比6%減で、特に機内誌・カタログなど紙媒体は苦戦し、ともに二桁減の減収だった。ただ、対照的にネット販売売上高は同60%増と大幅な増収。売上高で全チャネルのトップに躍り出た。同社ではこうした現状をみて、ビジネスモデルの転換が必須と判断。「選択と集中」の結果、「紙媒体通販からの撤退」を決断した。カタログは休刊、機内誌通販も中止。"ネット専業の通販"に舵を切った。


 同社の2010年3月期の通販売上高は同6%減の31億9500万円(1271号で既報)。チャネル別に見ると、機内誌は同50%減、カタログは同30%減と大幅減だが、対照的にネット販売は同60%増と好調で、チャネル別の売上高でトップとなった。

 理由としては、機内誌で積極的に通販サイトへの誘導を行っていたことに加え、前々期から開始しているマイレージプログラムとの連携サービスが大きい。同サービスは全日空の顧客を取り込むために開始したもので、全日空のマイレージプログラム「ANAマイレージクラブ(AMC)」のマイルと通販サイト「astyle」のポイントを、1マイルを1ポイント分として交換できる仕組み。この施策でサイト利用率が向上し、メルマガ会員は1年間で倍の20万人となった。

 このようにネット部門は好調だったが、機内誌・カタログは売り上げが減少してもコストが変わらず、収支構造が厳しい状態。「従来の機内誌で新規客を獲得し、カタログ、ネットでリピートしてもらうビジネスモデルが壊れてきた」(WEBセールス部・海野尚二部長)。また、分析した結果、カタログでしか注文しない顧客はあまりいなかったことも分かった。

 そこで、カタログを休刊し、機内誌はサイトへの誘導ツールに変更するなど紙媒体での通販を中止。部署名も変え、"ネット専業通販"という新たなビジネスモデル構築に踏み切った。従来のカタログ顧客には、ハガキやメルマガなどで複数回にわたって告知した。

 具体的なネット販売戦略としては、まず「ユーザビリティの改善」に取り組んだ。これまでカタログの受注ツールだった通販サイトをリニューアルし、使い勝手を重視した仕様に変更。例えばヘッダーを常時、サイト上部に出すことでユーザーがサイト内での自身の移動状況を把握できるようにし、ページ間の移動を容易にできるようにした。また、レコメンドエンジンも導入。購入単価の向上につなげる狙いだ。 

 デザインも大幅に変更した。一覧性を重視し、カタログでは紙面の関係で乗り切らなかった色などもサイトではすべて掲載。「見て楽しめる」(同)デザインを心がけた。さらに、マーケティング面も改良。ログ分析を取れる仕組みにしたことで、ユーザーの購入までの動向や離脱状況が追えるようになった。

 システム部分以外では、これを機に商品戦略を変更した。これまでは「いわゆる『通販商品』が多かった」(同)が、「自分たちの立ち位置を考えると価格勝負は難しい」(同)と考え、ブランドとのコラボレーションや海外セレクトショップの商品を主としていく。従来型の商品は今後は仕入れず、「品質重
視」をコンセプトに展開していく構想だ。

 今期のネット販売売上高の目標は前期比50%増の24億円。約2000万人のAMC会員の取り込みを狙うほか、ネット広告に本格的に取り組むことで外部客を獲得し、目標達成を狙う。
(おわり)

注目企業の次の一手 ストリーム、劉海涛社長、「課題は知名度向上」今期からブランド戦略展開

家電・パソコンの通販サイト「ECカレント」などを運営する、ストリーム(本社・東京都千代田区)の業績が伸び悩んでいる。2010年1月期の連結決算は、M&A効果により増収とはなったものの、営業利益はほぼ半減。消費者の買い控えや単価下落の影響を受けたこともあり、単体では減収となった。3年前の上場時には、早期の売上高1000億円到達を掲げていた同社。売上高停滞の原因や、今後の戦略を劉海涛社長に聞いた。
3-1.jpg

前期は減益に終わったほか、単体では減収となった。

 「イーベストと特価COMを子会社化したことで増収とはなったが、仕入れや倉庫、運営フローを統合したことで機会損失が起きた。ただ、突貫工事を行い数カ月で終わらせることができたため、最低限の損失で済んだ。そのため、第1四半期と第2四半期は厳しかったが、第3四半期はトントン、第4四半期はマイナス分を取り返している。第4四半期からは統合した効果が出てきているわけだ」

 倉庫は1カ所に統合したのか。

 「そうだ。ただ、今期は5月に倉庫を千葉県の市川市から、神奈川県の厚木市に移転した。以前は大きな倉庫に間借りしていたが、新倉庫は一棟借りで自社運営だ。面積も2000坪から3000坪となったため、白物家電など品揃えを拡充したほか、出荷効率が向上し、物流経費削減につながっている」

 倉庫管理システム(WMS)も導入した。

 「自社で物流を運営するためには不可欠なものだ。業務フローが改善されれば、当然経費も1~2割は削減できる」

 昨年11月にはECカレントで送料無料になる購入金額を5000円から8000円に引き上げた。送料無料キャンペーンを行う会社が増える中で、流れに逆行しているのでは。

 「他社と同じことする必要はない。重要なのは一つの注文でどれだけ利益が取れるかだ。確かに、注文数は多少下がったが、平均単価は上がっている。送料関連での過剰なサービス合戦は赤字を拡大するだけだろう」

 ECカレントのほか、イーベストと特価COMと家電関連では3サイトを運営している。今後の運営体制に変化はあるのか。

 「将来的には統合する可能性もあるが、顧客が大きくバッティングしているわけではないので、現在の体制を継続する予定だ。イーベストはベスト電器に親近感を持つ顧客が多いし、特価COMにもパソコン関連を中心に固定客がいる」

 3年前の上場時は売上高1000億円の早期到達を掲げていたが、前期の連結売上高は約336億円だった。現状では難しいのでは。

 「目標を捨てるわけではないが、停滞していることは事実だ。当社の問題だけではなく、環境の変化もあった。当時は安売りだけで1000億円を達成できると思っていたが、そうはいかなかった。きちんと利益を出しながら、売り上げを伸ばしていく。そのために重要になってくるのはブランド力だろう。知名度が上がれば、安売り路線から舵を切ることもできるからだ。ただし、"安い"というイメージは維持していきたい」

 どのようなブランド戦略を展開するのか。

 「今期の後半から取り組む。具体策はこれから考えたい。先般発表されたサービス産業生産性協議会の顧客満足度ランキングでは、ECカレントが2位となったが、売り上げ面で効果があった。もっと知名度を上げていきたい」

 劉社長は以前から、ライバルとしてアマゾンを意識する旨の発言を繰り返してきた。今後アマゾンに対抗するには何が必要か。

 「当社の場合、アマゾンに対しては家電専門という優位性があり、他の家電関連のネット通販に対してはシステム面での優位性がある。ただ、アマゾンには知名度の点で圧倒的に負けている。ブランド戦略を展開するにも段階が必要で、まずは物流面の不安をなくす必要があった。さらに、今後はEDI(電子データ交換)を構築し、雑貨など、家電以外の商品も取り扱っていきたい。この2つをクリアすれば、次のステップに進むことができるだろう」

 食料品や生活雑貨を取り扱うヤマダ電機の店舗のようなイメージのサイトになるのか。

 「そうだ。家電だけではリピートしてもらうのは難しい」


TOPインタビュー ベルーナ、安野清社長①「リピート促進に注力」、低価格品拡充で業績回復 

2010年3月期は大幅増益となり、最終黒字に転換したベルーナ(本社・埼玉県上尾市)。主力のカタログ事業は、消費低迷の影響を受けて減収とはなったものの、アクティブ会員が前期から約1・3%増加するなど回復基調にある。今年1月には基幹システムを刷新し、注文から配送までの日数を短縮するなど、サービスレベルも大幅に向上。さらなる収益回復と売上高拡大に向けた道筋も固まりつつある。安野清社長に今後の取り組みを聞いた。
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2010年3月期は最終赤字から回復し、カタログ事業の売り上げ減にも歯止めがかかった。

 「カタログ事業は下期に回復基調に転じた。今期もこれを継続したい。その最大の要因は、高価格帯を残しつつ、低価格帯の商品を増やしたことだろう。もう一つはネット販売の伸長。当社の顧客は中高年層が多く、ネットにはなじまないと考えていたが、若年層向けを伸ばすには欠かせない。今後は20~30代向けに関しては、他社並みのネット比率を実現したい」

 低価格帯の構成比が増えると、粗利益率は落ちるのでは。

 「確かに若干落ちるが、媒体費で調整していく。ただ、注文数が大幅に増加しているので、問題は物流費をどこで吸収するかだろう。倉庫内作業を最適化するために、配送業者を絞るといった工夫もしている」

 客単価はどの程度下がったのか。

 「約15%下がった。商品単価も約30%下がっているが、その分同時購入点数が上がっており、従来は2点を切っていたものが、3点を超えた。客数も、若年層では40%以上、トータルでも20%以上増えている」

 同時購入点数の増加は、システムの刷新による配送日数の削減が効果を発揮しているのか。

 「そうだ。また、かつては極端に言えば、欠品となってから商品を追加で仕入れるという形だった。現在は、顧客サービスの観点から、欠品は絶対に起こしてはならない、というように担当者の意識も大きく変わった」

 「配送日数に関しては、頒布会が中心だった頃の感覚が抜けていなかったという反省がある。現在は4日を切っており、在庫のある商品であれば翌日配送も可能だ。もちろん、キャンセル率低下にも貢献した」

 リピート率向上にもつながる。

 「当社の場合、新規顧客の獲得に強みがあったが、それに甘えて顧客リストの活用に関しては遅れていた。今後はカタログ発行の合間にハガキを送るなど、リピート促進を今まで以上に図りたい。ネット販売に関しては、1カ月以内にリピートする顧客は定着する傾向があるが、最初の購入から3~4カ月リピートのない顧客は掘り起こしが難しくなる、というように二極化している。一度購入した顧客に対し、いかに短いスパンで案内できるかが勝負だろう。ネットとカタログで顧客の傾向に大きな差があるわけではないが、レコメンドがあるので同時購入点数はネットの方が多い」

 前期のカタログ発行部数は。

 「前半は約10%減、後半は若干減。トータルでは10%弱減らしている。今期については、前期並みか、顧客リストが増加傾向にあるので、やや増やすかもしれない。折込チラシに関しては年々レスポンスが悪くなっているため、減少傾向にある」

 若年層向け事業の強化を打ち出した。

 「20~30代女性を対象にした『リュリュ』『ルアール』の10年3月期売上高は約98億円だが、これを250億円まで増やしたい。仕入れのロットが小さいとやりづらいので、規模を拡大しなければならないわけだ。中高年層はネット販売を伸ばすといっても限界があるが、若年層はまだまだ伸ばす余地がある。来季は若年層向け事業のネット販売比率が50%を超える見込みだ」(つづく)






アスカコーポレーション・急成長の"光と影"④ 商品発注は納期直前?、改革困難な企業体質

アスカコーポレーションの事業展開の手法はいかなるものなのか。2006年2月、主要仕入れ先であった化粧品受託業者のコスメタリージャパンとサンチューブの経営破たんが引き金となって起きた委託ルートの綻びに、取引業者との関係性を垣間見ることができる。

 当時を知る化粧品受託業者によると、「経営破たんに関連して盟友関係にあったジュポンインターナショナルとも一時的に関係が悪化した。新たな供給元が中々見つからず、うちにも3度来たが付き合いたくないと全て断った」という。結局、関東のある受託業者に落ち着いたがこの会社、「長続きしなかった」(前出の関係者)というのだ。

 理由はあまりに厳しい取引条件にあるという。先の関係者は続ける。

 「アスカでは月1回、取引業者を集め連絡会議を開く。その際に示されるのが委託商品の販売量の推移。業者はその販売量から次回生産量を推測して生産する。だが実際、発注書が切られるのは納期の直前ということもある。取引関係にある事業者は"買い取ってもらえた試しはなく、泣き寝入りするしかない"と漏らしていた」というのだ。

 在庫処分を理由に買い叩かれることもあり、現在取引関係にある別の業者も「金回りは良く支払いは遅滞しないが、値引き交渉で揉めたという話はよく聞く」と漏らす。

 実際、アスカはその急成長の影で多くのトラブルを抱えてきてもいる。2000年には前身の「アスカ」が商標権侵害訴訟で敗訴。09年5月には百貨店に勤務する店舗スタッフが店舗閉鎖に伴う解雇を不当とし、大阪地裁に提訴している。

 また、業界関係者からは「都内の企業と訴訟が発生し、敗訴で2億円前後の支払いが発生した」「国内外の仕入れ先3社と商品の加工費等の支払いに関して係争中。契約金額の値引き要請が問題となっているよう」といった噂や話も聞かれる。

 昨年のJAS違反事件以降、アスカでは表示責任者の配置など社内規定を設け、外部の法律コンサルタントとも契約。「以前とは全く違う様相を呈している。今後、何か別の要素がない限り見逃すことはない」(お客様相談室・片山氏)としている。

 だが、これまで多くのトラブルを抱え対外信用の面でマイナス要因を抱えるだけでなく、過去には薬事法違反の疑いで指導を受け、商品実用新案法違反で南部社長が書類送検されるなど、コンプライアンスの面でも弱さをみせてきた。企業体質の転換を図るのは並大抵ではないだろう。

 カタログでは「アスカは逃げも隠れも致しません。代表の私が顔をさらけ出すことで、責任の所在を明らかにしてまいります」と語る南部社長。本紙では南部社長に取材を申し込んだが自ら応じ、数々の疑問に答えることはなかった。
(おわり)

楽天、インドネシアで仮想モール、メディア大手と合弁会社、モール間で商品相互供給も

楽天(本社・東京都品川区、三木谷浩史社長)はインドネシアで仮想モール事業を開始する。インドネシアの複合メディア大手のグローバル・メディアコム(同・インドネシアジャカルタ、ハリー・タノエソエディブジョ社長)と合弁会社を設立し、仮想モール事業を展開する計画で、今年の後半をメドにインドネシア版「楽天市場」を開設する見通しだ。海外での仮想モール展開は台湾、タイ、中国、米国に次ぐ五拠点目で、ASEAN諸国で最大のインターネット利用者を有するインドネシアが有望市場と判断。グローバル・メディアコム社の知名度・マーケティング力と楽天のノウハウを組み合わせ、インドネシア最大の仮想モール構築を目指す考えだ。

設立する合弁会社の出資予定額は約3億8400万円で、出資比率は楽天が51%、グローバル・メディアコム社が49%。社長は楽天から派遣する。
 
具体的な設立時期や社名は未定だが、仮想モールは「楽天」の名称が付く可能性が高いようだ。

 開始当初は、インドネシア国内から出店店舗を募り、同国の消費者向けに商品を販売する。ただ、将来的には日本の楽天市場や台湾、タイ、中国、米国版との連携も視野に入れる。一例としては、日本の楽天市場で「インドネシア版楽天市場」の商品を購入できるようにするなど、モール間で「商品を相互供給する」(楽天)形が考えられるようだ。なお、インドネシア版の出店店舗数、商品数の目標は未定。

 楽天では今年度中に海外10カ国に進出する計画を打ち出しており、5月20日には米国バイ・ドット・コムの買収を発表している。次の進出先は非公表だが、同社では「以前からの方針」(同)としてアジア市場への進出を積極化しており、次の進出先もアジアとなる可能性が高そうだ。


「航空系」通販、捲土重来への一手①、JALUX 主婦の友Dと連携強化、独自商品で差別化図る

長引く不況に加え、原油価格の高騰や新型インフルエンザの流行などで搭乗客数が減少し、苦戦が続く航空系通販。JALUX、全日空商事の2010年3月期の業績はともに減収。中でも新規獲得ツールである機内誌の落ち込みが大きく、規模を縮小せざるを得ない状況に追い込まれている。こうした状況をかんがみ、両社は今期、それぞれ強みを活かした"新戦略"に着手。新たな層を獲得すべく、積極的な施策に打って出る。果たして苦境をどう脱するのか両社の戦略を追った。

JALUXの通販事業の3月期業績は、売上高が前期比18.7%減と2桁の減収(前号に既報)。
 目立つのは紙媒体の苦戦だ。媒体別に見ると、機内誌の売上高は、ページ数の削減や搭乗客数減少の影響を受け、前期比28.7%減と大幅な減少。カタログ部門も食品カタログは横ばいだったものの、総合カタログは部数、ページ数、発行回数を削減。規模を縮小した結果、売上高は同16.5%減と落ち込んだ。

 こうした既存媒体の「縮小路線」は今期も継続。カタログは「大きな削減は考えていない」(三浦雅彦通販企画部長)が、発行回数は見直す方向で検討している。具体的には特選号や新春号などを削減するようで、回数を絞り1号あたりの収益性を高める考えだ。

 ただ、既存媒体の縮小はコスト削減には寄与するが、売り上げ拡大や新規客の獲得にはつながらない。通販事業の飛躍のためには"守り"一辺倒ではなく同時に"攻め"の戦略も必要になる。

 そこで同社が取り組む"攻め"の1つが、昨年子会社化した主婦の友ダイレクトとの「連携強化」だ。前期は媒体間での商品の相互掲載に終始したが、今期はより積極的に連携する。具体的には、主婦の友社、主婦の友ダイレクト、JALUXの「3社連携」で通販を実施。主婦の友社のシニア向け雑誌「ゆうゆう」誌上で、商品供給をJALUX、誌面の編集を主婦の友社、販売や編集部との調整、受注などを主婦の友ダイレクトが担当する形で、女性向けアパレルなどを販売する。

 JALUXは自社通販の顧客とほぼ同じ層がターゲットになるため、「商品面で強みが活かせる」と判断。既に4、6月号で開始しているが実際「良い反応があった」(同)という。今後は商品が充実する秋、冬に積極展開する意向で、有望な「売り場」として育てていきたい考えだ。

 また、こうした「シニア向け通販」計画の一環として、主婦の友ダイレクトと共同での独自商品の開発も検討する。詳細は未定だが、健康器具やサプリ、アパレルなどが有力な候補。利益率の高い独自商品の拡充は今期の重要課題の一つでもあり、前期より5~10%ほど拡充する意向を示している。また、前述のシニア商材のほか、「航空系」の強みが活きる「トラベルファッション商品」分野を充実させる考えで、商品次第では他媒体での露出も検討していく構想。「他社にないもの」を追求し巻き返しを図る。   (つづく)




アスカコーポレーション・急成長の"光と影"③ 違反は委託先のせい?

 農林水産省にJAS法違反の指摘を受けたアスカコーポレーションは、カタログで顧客と真摯に向き合おうとする姿勢を表現していた。だが、取引事業者を集め、これに先立って行われた説明会では、違反の事実をどう受け止めていたのか。

 「南部社長は『自分たちは悪くない。委託先が作ったものをまるっきり信用していた。全然知らなくて驚いている』と、しきりに語っていた」。説明会に参加した取引業者の一人は、その時の様子をこう説明する。

 さらに、「『関東に本拠を置く大手化粧品会社○○に密告された。おれは絶対許さない』といったニュアンスの言葉も口にしていた」という。

 調査過程で農水省が情報提供元について明かすことは有り得ない。農水省では、違反商品の委託先が多岐に渡ることから約半年の調査期間をかけて各事業者の聴取を行い、「委託先は言われるまま作っただけ」と判断。アスカを表示責任者と認定している。

 にもかかわらず、仮にこのような説明がなされたとすれば、南部社長が顧客と向き合う姿勢は偽りであることになる。違反の事実を真摯に受け止めず、責任転嫁していることになるからだ。

 これについてアスカでは、「事実かどうか確認できない。受け取り方の違いから生まれた誤解では」とする。だが農水省の調査過程でも、責任転嫁を繰り返すアスカの体質は垣間見えてくる。

 農水省では昨年8月、110番に寄せられた情報を元に、調査を開始した。その時点ですでに"オーガニック"を商品名に使うなど明らかな違反が見られたため、これを指摘。この際対応した担当者は、表示の改善を約束したという。

 だが、9月に改めて調査に入った際、改めて驚かされることになる。当該月に発売した新商品でまたしても違反表示がみられたからだ。

 調査に入った担当官は、「普通の会社は、違反事例があれば情報共有して別の商品でも注意するのが当たり前でしょ。にもかかわらず、性懲りもなくまたやっていた」と呆れる。しかも、新商品について再度改善を口頭指導すると、「『顧客の不利益となるため受注のあった商品は販売しなければならない。新しい表示の商品ができるまで売り続ける』と抗弁した」というのだ。結果的に違反と知りながら販売を続けていた"確信犯"ということになる。

 説明会における南部社長の言葉が真実か否か、真相は藪の中だ。だか、取引事業者や行政サイドの話から浮かび上がる企業体質が真実であるとすれば、過去から現在に至るアスカの事業展開の手法の中に、真実を探る糸口が見えてくるはずだ。(つづく)

ベルーナ、若年層向け事業強化

 ベルーナは、若年層向け事業を強化する。主力のカタログ事業のうち、2―30代女性を対象にしたカタログの2010年3月期の売上高は98億円前後で、同事業全体の約15%だった。今後はネット販売への取り組み強化などで、250億円まで増やす。カタログ事業は近年、売り上げが減少していたが、前期は配送日数短縮などのサービス強化が奏功し、アクティブ会員が約1.3%増加するなど立ち直りの兆しがみえる。五年後には同事業の売上高を1000億円まで伸ばす計画だ。

 10年3月期のカタログ事業売上高は、前期比3.0%減の645億2400万円。このうちネット販売売上高は同26.3%増の72億5000万円だった。ネット販売の比率は11.6%だが若年層向け事業「リュリュ」「ルアール」に限ると、42.5%となり前期から10.3ポイント上昇。新規顧客獲得に貢献した。

 低価格商品のラインアップ拡充が購入率増につながっており、若年層の多いネット販売では大きな効果を発揮している。11年3月期のネット販売売上高は105億円を見込んでおり、若年層向け事業ではネット販売比率が50%を超えると予想。ネット販売強化のほか、商品力の強化や新規顧客の開拓などにより、若年層向け事業の売上高は年3―40%の成長を見込んでいる。

 カタログ事業全体では、11年3月期も低価格路線を推進することで、売上高は前期比9.3%増の705億円を予想。年10%の増収を達成することで5年後には1000億円に到達する見込みだ。

 一方、単品通販事業では、今期中にも中国でワインの販売を開始する。「まずは卸売りからスタートし、その後ネット販売を行いたい」(安野清社長)としており、将来的には健康食品や化粧品の中国での展開も視野に入れる。単品通販事業の10年3月期売上高は、前年同期比13.9%減の217億700万円。マーケティングの見直しや商品力強化により、5年後の売上高は350億円を計画している。

 同社は金融・不動産関連事業を縮小し、カタログ事業や単品通販事業といった本業の通販に注力することで、収益の回復を目指す方針を打ち出している。

ハウスのダイエット補助食品、全国展開で巻き返し

 ハウス食品は、5月12日から全国販売を始めた通販専用のダイエット補助食品「ニュートリシステム J―ダイエット」について戦略を大幅に見直している。当初は、得意とするテレビスポットCMをメーンに活用し、ネット限定の展開を構想していたが、昨年10月から首都圏で行ったテスト展開で課題が浮上。前期売上高も当初目標の3億円を下回る約7000万円にとどまっていた。このため、CMキャラクターの変更や受注窓口の拡大など展開手法を刷新。今期中に10億円の売り上げ規模にしたい考えだ。

 「J―ダイエット」は、レトルトのカレーやパスタ等の通常食タイプのダイエット補助食品で、1日3食のうち、2食をミールメニューとライトメニューで代替するもの。顧客フォローなどの部分で米国のニュートリシステム社とライセンス契約を結び展開している。

 全国展開に当たり見直したのは、まずトライアル商品の価格。顧客が商品を認知していても購入しない理由として価格を挙げる声が多かったことを受けたもので、従来二週間コースだけだった初回限定のお試し商品に1週間コースを追加。割引率も30%から50%(2週間コースで税込9800円、1週間コースで同4900円)に引き上げ、トライアル購入の促進を図っている。

 また、広告展開の手法についても見直した。昨年10月からのテスト展開では、女優の黒木瞳さんと久保純子さんを起用したスポットCMから、ネットに誘導する戦略をとっていたが、商品特徴が伝えられず、「ダイエットのCMらしくなかった」(同社)という課題が浮上していた。

 このため、全国展開にあわせて放映しているCMでは、元テニスプレイヤーの杉山愛さんを起用。杉山さんがCMの中でダイエット宣言を行い、第二弾以降のCMでその後の経過を放映する形で連続性を持たせるほか、杉山さんのダイエット経過情報を自社サイトで提供するなど、ネットとの連携も強化した。

 また、使用する媒体も広げ、6月頃をメドにBSやCSでの中尺インフォマーシャルの投入や、新聞広告および折込チラシの展開を行う予定。これに伴い、受注窓口もネット以外に電話やFAX、ハガキにも対応できるようにした。

 一方、顧客のフォロー体制についても強化している。特に、アウトバウンドについては、これまで顧客の目的に応じた対応やスケジュールなどの「ルールが明確ではなかった」(同)ことから、ルールを作り対応を徹底。同社でもアウトバウンドは商品の継続利用を図る上で重要なツールと位置付けており、顧客との会話の中から課題を広い上げ、次の施策に活用するといったスキームの確立を目指す。

 ハウス食品では、「J―ダイエット」を今後の成長のドライバーと位置付け。ダイエット補助食品は通販の中でも難しい商材だが、テスト展開での反省を踏まえ、事業の拡大を進める構えだ。

アスカコーポレーション・急成長の〝光と影〟② JAS法違反受け、顧客に陳謝

 "天然主義のアスカ"を謳い文句に創業わずか10年余りで売上高100億円超を誇る企業へと成長したアスカコーポレーション。その事業展開の手法とはどのようなものだったのか。

 アスカの事業展開の1つの特徴といえるのは、南部社長自らのキャラクターだろう。会員に送られるカタログや折り込みチラシには「南部のイチ押し」「南部の一言」といった形で随所に社長自らの言葉が紹介され、商品の開発秘話から化学合成物質の危険性、経営理念を語っている。"石油会社に勤めた経験から石油製品の有害性を研究した"とする社長の本領発揮というわけだ。
 
 複数の著書を執筆していることや、オーナー社長であることを踏まえても、南部社長自ら広告塔となり、そのキャラクターがアスカの販売戦略に深く影響を与えているといえるだろう。では、そのキャラクターとは、いったいどのようなものなのか。これを探る手がかりとなる例を紹介したい。

 「慎んでお詫び申し上げます」。昨年12月に起きたアスカによるJAS法違反事件直後、会員向けに配布したカタログに掲載された一文だ。表情豊かないつものカタログとは一転、殊勝な面持ちで社長自らカタログ誌面に登場している。

 ここで南部社長はJAS法違反を振り返り、違反商品について、「日頃より商品に関する全ての情報公開を心がけ、お客さまに嘘偽りのないよう、製造委託先、製造元に対して十分な確認を行ってまいりましたが、(略)正しい情報を把握しきれず適正な表示ができないまま商品の発売になってしまったことが、今回の大まかな経緯です」と、会員に事の顛末を説明。さらに、「有機JAS法への認識の甘さ、また製造元に対する管理不行き届きにほかなりません」と、陳謝している。

 今回のJAS法違反で不適正表示を受けた商品は25品目。延べ約26万人に40万点、17億円分販売され、「健食では過去最大規模の偽装」「ウソ表示」などと一般紙に報道された。食への信頼を揺るがしたその社会的な影響を考えれば陳謝も当然だろう。

 一方で、「まさか、自らの会社で間違いが起こるとは思いも寄らなかったというのが正直な気持ち」と心情を吐露。今後の方針として「アスカは逃げも隠れも致しません(略)これまで通り代表である私が顔をさらけ出すことで、責任の所在を明らかにしてまいります」「今後は一層、お客さまと真摯に向き合い(略)身を粉にして邁進いたします」と、これでもかというくらいに顧客と真摯に向き合おうとする姿勢を表現している。

 だが、こうした南部社長の言葉に、ある取引事業者は首をかしげる。違反直後、取引事業者を集めて行われた説明会では、全く別の説明がなされていたというのだ。

 顧客に語られることのない南部社長の発言とは、いったいどのようなものだったのか。 (つづく) 

トウ・キユーピー 通販の商品戦略を見直し、品揃え絞り鶏卵系訴求

 トウ・キユーピーは、通販事業の商品戦略を見直す。これまでメーンに展開してきた栄養補助食品の品揃えを絞り込み、「ヒアルロン酸」など鶏卵由来の素材を使用した商品を訴求。介護食通販の育成も進め、栄養補助食品と並ぶ通販事業の柱にしていく。得意とする分野に注力した商品展開で自社の特徴を打ち出すとともに、介護食の認知度向上など、グループとしてのシナジー効果を追及していく。

 栄養補助食品では、得意の「ヒアルロン酸」を使用した「ヒアロモイスチャー」のほか、ビタミンCなど複数の素材のソフトカプセルを組み合わせた「元気メイト」などを販売してきたが、一般的な素材を使用した商品では自社の特徴が出し切れないと判断。品揃えを絞込むことにした。25品目程度ある商品のうち、技術力が活かせる鶏卵関連素材の商品や、売り上げが見込める商品を残す方向で、順次絞込みを推進。最終的に10~15品目となる見込みだ。
 
 また、「ヒアルロン酸」等の鶏卵関連素材の商品は、これまでの知見を活かし強化拡充を進める。「ヒアルロン酸」については、女性向けの美容系商品を中心に他社でも販売を行っているが、美容とは異なる切り口の商品で差別化を図る意向で、7月にも新商品を投入。「元気メイト」は11月をメドに終売とし、使用素材等を見直した商品を展開する。

 一方、2年ほど前に担当部署を設け、本格的な通販の取り組みを始めた介護食も強化する。これまでは介護食自体の認知度が低く、売り上げ規模も小さかったが、今年に入り新聞広告出稿頻度を月7回程度に拡大。この施策が奏効し、この数カ月の介護食通販の売り上げは「前年比2倍のペースで推移している」(富岡博常務取締役)状況、でリピート率や「広告の保存率が高い」(同)という。
 
 同社の前期(2009年9月期)通販事業売上高は20億円超。現状、栄養補助食品8割、介護食2割の構成比だが、介護食を育成し、「栄養補助食品と介護食を通販事業の両輪にする」(田村社長)考え。今期の通販事業売上高は10%程度の増収を見込む。

アスカコーポレーション・急成長の〝光と影〟 石油製品の有害性で訴求 創業わずか10年余りで100億円へ

   昨年12月、通販業界の信頼を揺るがしかねない事件が起きた。化粧品や健康食品通販を手掛けるアスカコーポレーションによるJAS法違反事件だ。不適正表示を受けた商品は25品目。延べ約26万人に40万点、17億円分販売され、「健食では過去最大規模の偽装」「ウソ表示」などと一般紙に報道された。だが周辺業者から聞こえてくる声は「しょせんBクラスの会社」(取引業者)、「昔からひどい会社だと思っていた」(化粧品製造業者)というもの。事件後もネガティブな噂が絶えることはなかった。成長分野としてさまざまな事業者が注目する通販市場。仮に事業者が語る噂が事実であり、その企業体質に根本的な問題があるとすれば、通販市場の信頼を地におとしめるものだ。


 まず、設立から現在に至る業歴を振り返る。

 アスカコーポレーションは前身となる「アスカ」を1994年、大分県で興した。同社が倒産後、活動の舞台を福岡に移し、事業を引き継ぐ形で99年にアスカコーポレーションを設立する。

 昨年12月時点の役員構成は、代表の南部氏のほか、専務取締役の神田圭生氏、取締役の南部昭子氏、監査役の南部裕美氏。株式の8割を南部社長が、2割を神田専務が保有している。

 その販売手法も独特だ。南部社長自身、石油会社に勤めていた経験から石油製品の有害性を研究し、消費者に化学合成物質の危険性を徹底的に訴える手法を取る。そこから生まれたコンセプトが"天然主義"だ。スキンケアを主軸に健食など約500アイテムを取り扱う。

 販売チャネルも通販に留まらず、03年頃に店舗チャネルに進出。全国の百貨店へ出店を加速させ、一時は48店舗を展開するまでになった。最近では商品イメージを高める手段として、モンドセレクション受賞商品であることを積極的に訴求。登録顧客数も100万人を突破したとされる。

 民間信用調査機関の調べによると前期(09年8月期)売上高は前期比2%減の110億円。売り上げ構成は、化粧品が約7割を占め、健食などが3割程度とみられる。

 急成長を遂げる企業の多くは、その過程でインフラ整備やコンプライアンス体制の確立、コスト削減策の実施を迫られ、何らかの"ひずみ"が生じることも少なくない。これは致し方ない面もある。だが、そのバランスが行き過ぎたものになると、その存在は危ういものとなる。

 "天然主義"を謳い文句に創業わずか10年余りで売上高100億円超を誇る企業へと成長したアスカ。その事業展開の手法に行き過ぎの面はなかったのか。その光と影を探っていく。 (つづく)

ヤフー 中国でネット販売開始、タオバオと相互取引へ

 ヤフーは中国でのネット販売事業に参入する。アリババグループ子会社のタオバオと業務提携し、6月1日から同社の通販サイトと相互取引サービスを開始。お互いのサイト内に専用の購買代行サイトを開設し、「ヤフー!ショッピング」店舗の中国での商品販売や、「タオバオ」商品の日本での販売を実現する。ヤフーは同取り組みで、出店者の商圏拡大や仮想モールの商品力を強化し、流通総額拡大につなげる。

 「タオバオ」は中国最大の通販サイトで、登録ユーザー数は約1億4500万人。2009年の取扱高は、前年比2倍の約3兆円となっている。

 ヤフーは、「タオバオ」内に新たに開設される通販サイト「淘日本(タオジャパン)」内で、「ヤフー!ショッピング」出店店舗の商品を販売する。サイト開設時の商品数は約800万点を予定しており、ベビー・マタニティ、家電、アパレル、アクセサリーなどの日本製品を中心に展開していく計画だ。

 出品の基準は「ヤフー!ショッピング」出品時と同じだが、輸出入に法的規制がある商品や販売免許が必要な商品は除外する。将来的には、こうした除外対象に該当しない全出店店舗の商品の出品を目指していく考え。

 中国での決済はアリババグループのネット決済「アリペイ」を採用。商品説明文などは、双方で機械翻訳を実装することで対応する。なお、出品料については「現在最終協議中」(ヤフー)としている。

 同様に、ヤフーはトップページ内に「タオバオ」商品を扱う「ヤフー!チャイナモール」を開設。「ヤフー!ショッピング」や「ヤフー!オークション」からも誘導する。

 掲載商品数は約5,000万点で、中国製の低価格なアパレルやアクセサリー、カバン、IT周辺機器、雑貨などを扱っていく。商品は今後、順次拡大していくとし、最終的には「タオバオ」の約4億5,000万品目のうち、輸出入の法的規制などに該当しない「すべての商品の取引を目指す」(同)構想を立てている。

 大手仮想モールによる中国でのネット販売参入は、今年1月に楽天が中国検索最大手の百度(バイドゥ)と合弁会社を設立することで合意、今年の後半をメドに「中国版楽天市場」を開設すると見られている。また、日本の大手通販企業の参入も近年、増加しており、仮想モールも多く開設されている。ヤフーの参入でこうした勢いがより加速する可能性は高いが、中国でのネット販売は認知度や商習慣の違いなどから、成功事例がまだ多くはないのが現状。今後、どのように成功事例を作っていくのか、ヤフーや楽天の取り組みに注目が集まりそうだ。


スクロール トレンドに合わせ商品開発、東京支店の人員倍増

 スクロールは東京支店の人員を増強する。カタログの制作システムを変更したことに伴い、商品開発スタッフを東京支店に移してトレンド性の高い商品を短い期間で投入できる体制に変える。すでに、ソリューション事業を手掛ける子会社、スクロール360の営業機能は東京支店に移っており、今年10月には手狭になった東京・品川区の支店を同区内の別のビルに移転し、人員も現在の50人体制から100人体制とする予定だ。
 
 トレンドに合致した商品を需要のある時期に販売するため、今年の夏カタログからは衣料品カタログ「ラプティ」の制作期間を従来の8カ月から4カ月に短縮した。これに伴い、商品開発のスタッフを東京に異動させ、最新の流行を取り入れたり、需要期を判断したりしやすい体制とする。なお、「本社機能や物流機能は浜松に残す」(堀田守社長)という。

 M&Aも積極的に展開する。今年4月に化粧品ネット販売のイノベートを子会社化。秋にはOEM提供を受けた化粧品を、スクロールのプライベートブランドとして発売する予定で、衣料品事業と顧客層を共有することで受注を拡大、化粧品事業の売上高を100億円まで伸ばす計画だ。スクロールでは、今後も衣料品とのシナジー効果が見込める企業のM&Aを計画しており、2012年3月期までの2年間で、新規事業やM&Aへの投資費用は約30億円を予定している。

 また、クラウドコンピューティングを取り入れる形で通販システムを刷新する。完成は2012年3月期を予定しており、投資額は28億円となる見込みだ。

 新規のM&Aや化粧品事業の拡大などにより、3年後の2013年3月期には売上高750億円(10年3月期比で34.7%増)、経常利益は38億円(同59.9%増)を目指す。

Zoom in ニッセン調査 「子供手当」59%が〝貯金〟、教育費・身の回り品購入も

 今年6月から給付が始まる「子供手当」。折角の消費刺激策も貯蓄に回ってしまうのではないかとの見方が根強いが、ニッセンが顧客に行ったアンケート調査によると、「貯金」だけではなく、子供向けの消費にも使うことを考えている顧客が少なくないことが分かった。

 同調査は、3月中旬にニッセンのオンライン会員を対象に実施。1,874人から有効回答を得た。

 まず、「子供手当」の使途意向(複数回答)についてたずねたところ、「貯金」とする回答が最も多く、59.1%を占有。子供のいる世帯の生活防衛意識の高さを裏付けるものと言える。ただ、「貯金」だけという回答は17.5%で、手当てを消費にも回す意向が強いという傾向が見られた。

 「貯金」以外の使途意向で多いのは、「子供の学費や塾・お受験代」の56.5%と「洋服や家具、文具等の身の回り品」の38.2%。これに「家族旅行・レジャー」と「普段の生活費全般の補てん」が各18%台で続いており、家計の負担が大きいと見られる教育費への充当、あるいは子供の普段着の購入費用に充てることを考えている世帯が多い。

 一方、世帯の年収や子供の人数によって、使途意向には微妙な違いもあり、世帯年収別で見ると学費やお受験代の使途意向が年収400万―600万円未満の世帯で58.5%と最も多い(世帯年収400万円未満49.7%、同600万円以上52.0%)。半面、子供の身の回り品の購入意向では、年収400万―600万円未満世帯と400万円未満世帯がともに30%台なのに対し、600万円以上の世帯は46.2%に達する。このほかに、子供の人数が多い世帯ほど、学費やお受験代、身の回り品への使途意向が強い傾向が出ている。

 因みに「子供手当」で親が子供にあげたいものは、男の子、女の子とも普段の洋服が最も多く、次いで男の子では本やCD、DVD、女の子では靴や鞄、ファッション雑貨。

 経済効果が期待薄の「子供手当」。その恩恵を享受するためには、世帯ごとの状況を勘案した商品提案が不可欠と言えそうだ。

らでぃっしゅぼーや 野菜、日常食品を値下げ、売上高は5%増の234億円めざす

 らでぃっしゅぼーやは今期(10年2月期)、商品の値下げを実施する。日常需要の高いパンや牛乳など100アイテムについて商品価格を30%値下げするほか、一部の野菜を10%値下げする。デフレを背景に、客単価が減少したため前期は前の期と比べて2%の減収となったことから、購入しやすい価格帯で既存客のリピート購入につなげる考え。今期、売上高は前期比5%増の234億4,300万円、営業利益は同7.3%増の5億4,600万円、経常利益は同4.6%増の5億6,100万円を目指す。

 今期、パンや牛乳、ソーセージなどの加工食品、冷凍惣菜、納豆などの7品目で値下げを実施。6月下旬から30アイテムを掲載し、年間で100アイテムまで拡充する予定。

 このほかにも、「現状、180円の送料を安くする制度の導入も検討している」(緒方社長)とした。

 加えて、野菜については一部商品で10%の値下げを実施し、2―3年後に全体で2―3%以上の値下げを行う計画。前期に立ち上げた農業法人「らでぃっしゅファーム和郷」が初年度黒字化を達成し、今後、北海道や九州などへ農業を拡大することも検討していることから、作業の効率化と仕入れコストの削減で野菜の低価格化を目指す。「有機農産物のプライスリーダーを目指す」(緒方社長)方針とした。

 これに伴い、週刊カタログの掲載商品を10%増やし1,100アイテムを提案する。カタログは4ページ増やして52ページとし、値下げした日常的な食品や、隔週掲載商品の売れ筋アイテムの露出を拡大。1号あたりの売り上げは2,000万円の上乗せを予定する。

 また、ネット販売については今年6月に本格化する予定で、初年度は1億円の売り上げを見込む。1商品から注文可能で最短3日で届ける利便性と、良質で低価格な食品の販売を打ち出し、「他社へ流出してしまった顧客や、宅配を利用しない世帯年収の高い共働きの家庭の受け皿として位置付けていく」(緒方社長)考え。

 今期、販管費については前年比4.9%増の78億9,000万円を予定。従来の折込広告を中心としていた新規客獲得を、ネットにシフトし、アフィリエイトやリスティング広告、SEOへ販促費を投下。またイベントへの参加や他社とのアライアンスによる相互送客を強化していく考え。「プロモーションコストは前期並みを予定しているが、昨年からのシステム刷新に関するコストを計上する」(緒方社長)ため販管費は前年を上回る見込み。

西谷義晴社長に聞く、デジタルダイレクトの今後の戦略は?

021.jpg テレビ通販事業などを行うデジタルダイレクト(DD)が新体制となり動き始めた。昨年中に親会社が変更、同社が実施した第3者割当増資引き受け、流通大手のイオンが新たな親会社となった。昨年は通販サイトへの不正アクセスを受け、クレジットカード情報を含む顧客の個人情報の流出が発覚、重要な販路である通販サイトの休止を余儀なくされるなど苦難の年となったデジタルダイレクト。昨年末、同社の新たなトップに就任した西谷義晴社長に今後の戦略や方向性を中心に聞いた。 (聞き手は本紙編集長・鹿野利幸)

「まずネット販売の強化を」、〝食品〟が今後の成長のカギに

――昨年末にDDの新社長として就任した。社長就任の経緯は。
 「三菱商事とイオンとの包括業務提携の一環としてDDの第3者割当増資をイオンが引き受け、イオングループがDDの株式を60%持つ親会社となった。私は当時、イオンの(通販事業などを管轄する)ノンストア事業の担当執行役であり、自らDDの今後の成長責任を負うという意味で社長となった。5月の人事異動でイオンの執行役を降り、今後はDDの専任となる」

――今後、DDの舵取りを行なっていくわけだが、まずは前期(2010年3月)の業績を振り返ってもらいたい。
 「まだ数字は確定していないが、減収減益になることは間違いない。昨年8月の個人情報漏えい事件以来、通販サイトを休止にしてきた影響は大きい。利益面でも9カ月間におよぶサイト休止に伴う損失が発生している。例えば、通販サイトはイオンビスティに委託してシステムからゼロベースですべて作り直し(4月26日から通販サイトは再開)、これまでのシステムはすべて特損となった。利益はわずからながら黒字となったが影響は大きかったと思う」

――今期以降の業績拡大のために乗り越えねばならない課題は。
 「課題だらけだ。1番はEコマース事業が遅れていること。現状の会員数は400万人を越えている。しかも、可処分所得などが高いシルバーエイジという非常に良い顧客層を抱えている。こうした会員を本当に活かしきれているのかということだ。DDはこのくらいの規模の会社には珍しくテレビ、カタログ、ネットというチャネルをしっかりと持ち、マルチメディアで商売を行なえている。ただ、私はクロスメディア、クロスマーチャンダイジングができていないと思っている。テレビでお客様を掴む、それをカタログへとつなげ、カタログの中からどうやってネット販売につなげるかという構造を、商品をキーとして展開していけば強い企業になると思う」

――ただ、ネット販売の強化と、現状の中高年層というネットにあまり慣れ親しんでいない顧客に向けた拡販策は相反する部分もありそうだ。
 「そうだ。中心顧客層はシルバーエイジでありながら、今からの時代の方向として、Eコマースにウエイトを置かざるを得ないという難しい状況だ。とは言え、今の段階では苦しいが、育てていかねばならない。そのため、まずは休止していた通販サイトを立ち上げ、カタログやテレビの受注手段ではない、ネット単独でのビジネスを育てて行く必要があると思う。ここでどう若い世代の新規顧客を獲得しつつ、現状の50、60代のお客様を引っ張っていけるのか考えるべきだろう」

――新たな試みとしてイオンとの連携策もあろうかと思うが。
 「具体的には言えないが例えば、イオンには1,800万人のクレジットカードフォルダーがいる。また『WAON(ワオン)会員がいる。売り場では『孫カード』を持たれているお客様がいる。そうした色々な会員財源は活用していきたいと思っている」

――今後の成長戦略のカギとなるのは。
 「通販事業者に限ったことではないが、高齢化社会の中における最大の課題は『ミールソリューション』だと思う。着るものなどは不況の折、多少、セーブできるが、『食べない』というわけにはいかない。また、高齢者自身の買い物もそうだが、介護や子育てでなかなか、日々の買物に出かけられない方々も今後、増えてくるだろうと思う。私はイオンでネットスーパーを立ち上げたが、顧客様から『午前中にパソコンを叩けば、お昼にはその日の食材が自宅に届く。非常に便利だ』と大変感謝された。DDでも食品は1つのカギになるのではないかと思う」

――具体的には。
 「もちろん、DDではイオンのネットスーパーのような日常の食材を販売するものでない。日々の食生活にちょっと彩りを与えるような付加価値の高い食品になるだろう。例えばすでに販売しているが高級漬物や冷凍握り寿司など。私もその漬物を食べたが『こんな漬物があるのか』と思うほど美味しかった。もちろん、ビジネス的には衣料品の構成比が下がって食品が上がってくれば利幅は減るし厳しいが、社会的な変化を考えれば、やはり食品はカギになるはずだ。お客様が自分では探しにくく、隠れた美味しい食品を開発、または探してくることが会社が今後も存続できる理由付けになってくるだろうと思う」

――今後の目標は。
 「まずは年商100億円超えが目標だ。そのためには繰り返しになるがEコマースの強化が必要だ。例えば、今、野菜が高騰しており、無駄なく野菜を使える『ちゃんぽん』の販売を強化したいと思っても、カタログでは迅速な対応は難しく、販売機会のロスを産んでしまう。今後の社会的な変化などに対応するためにはネット販売の強化は欠かせない。総売上高に占める割合は4割を超えていきたい」

 

広がるツイッターの通販活用――ドクターシーラボ編

3kata.jpg  その手軽さとリアルタイム性、情報伝播性から、急激に普及し始めたネット上のコミュニケーションツール「ツイッター」。そうした利点を活かそうと通販企業の中からも集客やプロモーションなど自らのビジネスにツイッターを活用する動きが出てきている。広がりを見せるツイッターの通販活用の事例を見ていく。

 「実はすでに10以上の『ツイッター』のアカウントを持って"つぶやいています"」。化粧品販売のドクターシーラボも「ツイッター」を活用する一社だ。今年に入り、本格的にツイッターの活用を開始。現状、本アカウント「ドクターシーラボツイッター」(=画像)のほか、店舗や対面販売など販路別、「ジェノマー」や「ラボラボ」といったブランド別など十数のアカウントを取得。それぞれ「詳細は言えないが今後、様々な仕掛けや試みを実施する」(同社)とする。

 「まだ、始めたばかり」とするが四月十六日から同社の商品の中から欲しい商品名とその理由をつぶやくと抽選で十人に化粧品1年分(12個)をプレゼントする「おねだりツイートキャンペーン」を開始したところ、本アカウントのフォロワー数が一挙に増え、現状では800を突破。つぶやけばつぶやくほど当選確率が高まることからフォロワー数は増加し続けているよう。それに伴い通販サイトへの送客に効果が出てきているようだ。

 今後、同社がツイッターで特に期待するのは「顧客の声」の収集。これまでもSNSサイトやコミュニティサイトなどで顧客の生の声を収集してきたが、即時性の高いツイッターで顧客が感じる肌の悩みや同社製品の使用感などを素早く収集、商品開発やサイトのコンテンツ制作に生かす。

 4月下旬に立ち上げた「たるみケア」に特化した情報サイト「顔のたるみ研究所」でも同サイト用にツイッターのアカウントを立ち上げた。同サイトのTOPページにはツイッターへと誘導するバナーを記載。「今後、ツイッターでお客様の声を収集して、役に立つコンテンツ作りを目指す」(同社)としている。
(つづく)

スタートトゥデイ、オークション会社を子会社化

 スタートトゥデイ(本社・千葉市美浜区、前澤友作社長)は4月15日、サイバーエージェントの子会社で、ファッションアイテムのオークション事業などを展開するクラウンジュエル(同・東京都港区、福元健之社長)の株式30%を第三者割当増資により取得することで合意、一億円弱を投じて持分法適用会社化した。アパレルネット販売で高成長を続けるスタートトゥデイが資本提携に乗り出すのは初めてで、「商品販売後の流通サイクルを補完できる」(栁澤孝旨CFO)と判断した。

 同社では、通販サイト「ゾゾタウン」を頻繁に利用する"服好き"の顧客は、不用になった衣料品をネット上のオークションや下取りなどの二次流通サービスを利用していると分析。こうした既存顧客へのサービス向上を図ることで、囲い込みを一段と強化する狙いだ。

 クラウンジュエルの09年9月期の売上高は5億1400万円、営業損益が1400万円。売り上げは二桁成長を続けており、利益面も赤字ではあるが改善傾向にあるという。

 スタートトゥデイは現在、200万人を超える会員を獲得しており、「ゾゾタウン」の利用者にオークションや下取りサービスを紹介することで、クラウンジュエルの業績拡大にもつながると判断した。

 今回の資本提携で、「ゾゾ」本体で中古のファッションアイテムを扱う路線はなくなったと言える。

 スタートトゥデイでは二次流通の仕組みを早急に固めたい考えで、「ゾゾ」で買って「クラウンジュエル」で売り、再び「ゾゾ」で買ってもらうサイクルを目指す。

 ただし、クラウンジュエルは現在、「ゾゾタウン」の競合サイトを展開するスタイライフと業務提携して同社サイトの顧客から不要になったファッションアイテムの買い取りサービスを実施している。

 このため、「ゾゾタウン」を通じた下取りサービスの開始時期も注目されるが、ファッション通販サイトのリーディングカンパニーとして、消費者を混乱させない仕組み作りが必要になりそうだ。

日本通信販売協会、厚労省に要望書提出

2men.jpg 日本通信販売協会(JADMA=事務局・東京都中央区、上原征彦会長)が厚生労働省にサプリメントの有効性、安全性に関する評価の実施を求める要望書を提出した。要望書の提出は今年2月、厚労省に「統合医療プロジェクトチーム(PT)」が発足したことを受けて行ったもの。サプリメントの市場規模が一兆円超に上ることを背景に、PTで重要課題として位置づけ議論することを求めた。

 JADMAの次期会長に内定している宮島和美副会長は4月13日、長浜博行厚生労働副大臣を訪問。PTにおいて(1)サプリメントの有効性・安全性に関する科学的検証の推進、(2)サプリメントの有効性に関する表示制度の導入の二点について議論することを求める要望書を提出した。

 その中でサプリメントの「健康の保持・増進効果」「生活習慣病の予防・改善効果」を科学的に評価し、これに伴う表示制度を導入することで消費者の適正な利用が推進されることや、制度確立が虚偽・誇大広告の排除、医療費の削減につながる可能性があることを述べている。

 消費者庁の「健康食品の表示に関する検討会」についても触れ、制度確立に当たっては、「保健機能食品制度」を改変して表示可能な枠組みを拡充。その上で省庁間の議論やPTにおける科学的評価を踏まえ、新制度を導入することを求めた。

 会談で宮島副会長はサプリメントの市場規模が一兆円超に達することなどを背景に、業界に対する理解を求めた。

 これに対し長浜副大臣はサプリメントについて「予防医療の立場から健康づくりに役立ち、健康維持のために必要である」との認識を示した。
 ただ、PTで行われる議論の具体的内容への言及は避け、「業界として評価されるよう自主努力してほしい」とした。

 今年2月に発足したPTでは、統合医療推進に向けて、漢方やサプリメントなど約30の代替医療分野について科学的検証の可否を論じることが決まっている。ただ、広範に渡る内容のため、サプリメントがどういった位置づけで議論されるかは不透明な状況にあった。こうした状況を受けて、JADMAは要望書の提出。重要課題として議論する必要性を訴えた。

ニュートリション・アクト 異業種からの通販参入、初年度売上高10億目指す

 3-2.jpg健康食品の素材供給やOEM事業を展開するニュートリション・アクトが今年1月、健食通販に参入した。素材メーカーとしての強みを活かした独自素材の健食を展開。初年度10億円の売り上げを計画する。だが、主力の健食は約3万円という高価格帯。不況に強いとされる健食業界もリーマンショック以来、例外なく不況に晒される中、"独自素材"の訴求力を武器に事業拡大をめざす。

 ニュートリション・アクトが通販参入に踏み切った背景にはIPO(新規上場)を目指す中、原料供給やOEM事業に続く第三の収益の柱としてBtoC事業に期待するところが大きい。全社的な理解を得ての参入となるため、「億単位の投資で育成を図る」(総合企画部)考えだ。
 
 通販事業開始に当たっては大手カタログ通販やネット販売企業で経験豊富な人間を専任スタッフに起用。2008年頃から準備を進めてきた。

 初年度10億円という売り上げは健食業界が不況に見舞われる中で大きな目標といえるが、これを下支えするのが、不二製油から買収した「SOISIS(ソイシス)」ブランドの通販事業だ。

 「ソイシス」は、不二製油が06年以降、中高年の健康志向に応える「ソヤファーム」ブランドと共に、美容系の健食通販ブランドとして育成してきたもの。2万4000件の顧客リスト(休眠を含む)を有し、安定的な顧客基盤と期待する。

 一方、他社と差別化を図る上で欠かせないのが、素材メーカーの強みを活かした"独自素材"の健食展開。これまで多くの健食通販企業は独自素材で成長を果たしてきたからだ。

 ニュートリション・アクトでは南フランス産メロンから抽出した「メロングリソディン」と、キャッツクロー由来の「AC―11」というアンチエイジング訴求の成分を主力の健食に配合。「リ・ハ・ダ」(税込7350円)と、これをバージョンアップさせた「悠々美的」(同3万2000円)の2アイテムを展開する。
 
 両商品は"アンチエイジング"という同じコンセプトで30~40歳代の女性層にアプローチするものだが、対象とするターゲットは区別。「リ・ハ・ダ」や「ソイシス」を1月に開設した通販サイトで販売する一方、「悠々美的」は、これとは別のキャンペーンサイトで富裕層向けプロモーションを展開する。

 特に「悠々美的」は、3月から約1カ月に渡り東急、小田急、京王の首都圏私鉄沿線で交通広告を展開したほか、30歳前後を対象にした女性誌18誌に広告を出稿。一気にブランド浸透を図った。
 
 こうした展開がブログで話題になったことからくちコミが生まれ、3万円という高額ながら新規獲得は好調に推移。「消費者は少なからず『商品力=価格』といったイメージを持っており、より期待の持てる商品を求める女性の欲求がレスポンスにつながったのでは」(同)と分析する。
 
 ただ、「悠々美的」「リ・ハ・ダ」共にユニークな独自素材を使うだけに「顧客に伝えにくい」(同)点は今後に課題を残すところ。4月以降も複数の雑誌に出稿を予定しており、商品訴求に最適なキャッチコピーを模索し、プロモーション展開を図っていく。

高島屋 ネット販売で"モール構想"、サイト統合で地ならし

 高島屋のクロスメディア事業部は、出遅れていたネット販売の強化に乗り出す。実店舗や紙媒体などと連携し、メディアミックスによる売り上げ拡大を狙う。また、通販サイトを統合したのを機に、百貨店では取り扱いのない専門店などをネット上に誘致して"仮想ショッピングモール"へと通販サイトを拡大構築することも視野にあり、2010年2月期で売上高40億円程度のネット販売を、早期に100億円規模に引き上げる。


 同社は今年3月、「通信販売サイト」「オンラインショッピング」「ファションモール」の3つに分かれていたサイトを「高島屋オンラインストア」に統合。モバイル通販サイトも開設して利便性の改善と商品ラインアップの強化を図った。

 これを機に、ネットと他のメディアミックスを推進。まずは、トライアルとしてカタログ顧客にネット商材を提案する。

 具体的には、店頭商材を販売する「ファッションモール」のコンテンツから、比較的購入しやすい価格帯の衣料品やコスメを集めて、16~20ページ程度のミニカタログを制作。30~40代の女性向けファッションカタログ「アイトゥロア」の顧客に対して同ミニカタログを同送してレスポンスを検証する。今後、テレビ通販とネットの連携など、あらゆるメディアミックスの形態を模索するという。
 
 また、「高島屋オンラインストア」への統合で、ようやくネット上の"本館"を整備した同社。効率化が求められがちなネット販売において、"買い物を楽しむ"という原点に返り、百貨店には店舗を構えていない専門店も呼び込んで、ネット上で一大ショッピング街を構築したい考え。

 サイトのフロント部分は高島屋が担当し、同社の決済システムを活用することで、一度に買い回りができる仕組みを構築したい考え。

 当面は新サイトの品ぞろえを充実させるが、リアルではショッピングモールなどの店舗開発を手掛けるグループ企業を抱えており、こうしたノウハウも生かして百貨店が取り組むネット販売のあり方を模索していく。


フェリシモの新中期計画、2013年2月期にはネット受注率80%目指す

 フェリシモは4月9日、2011年2月期から3年間の中期経営計画を発表した。13年2月期の売上高は、10年2月期比で12.2%増の549億2900万円、経常利益は同76.3%増の31億9200万円を目指す。新事業として、従来の「コレクション事業」の付加価値を高めた「しあわせ生活プログラム」を開始。ネット経由受注率も、最終年度には80%まで向上させる計画だ。


 前中期経営計画では、最終年度である10年2月期の売上高は677億5900万円、経常利益は58億6900万円を目標としていたが、実際には売上高は489億4600万円(前期比9.8%減)、経常利益18億1000万円(同49.1%減)と未達に終わった。
 
 不況による消費の冷え込みが影響したほか、前期は衣料品の販売不振などにより客単価が下落。季節商品の在庫軽減のための値引き販売を行ったことで利益を圧迫した。なお、営業利益は17億3800万円(同48.7%減)、当期純利益は8億7100万円(同54.7%減)。ウェブ・モバイルからの受注率(10年2月)は前期から約4ポイント増の52.6%だった。

 新中計では、新事業として「しあわせ生活プログラム」を立ち上げる。これは、現在の「コレクションシステム」(フェリシモが選んだ色・形の商品が毎月届く)に「複合的な価値をプラスしたもの」(大井実取締役コーポレートスタイルデザイン本部長)。生活や社会におけるさまざまな課題の解決や、想いの実現を提供する事業モデルだという。

 たとえば、同社のヒット商品「500色の色えんぴつ」であれば、「子供がぬり絵で遊ぶことで知育につながる」、「家族全員でお絵かきを楽しむことで絆が深まる」など、商品の継続購入で生まれる、新たな付加価値を全面に押し出す商品群となる。長期予約型など、継続購入を促す商品を投入するコレクション事業とあわせて、新事業の販売・プロモーションを実施することで長期継続顧客の構成比を上げる。

 また、前中計で新事業として立ち上げを予定していた、色や形など商品選択の幅を広げたり、回数を増やせたりするなど自由度を持たせたモデル「コネクション・システム」については、顧客や市場環境の変化に伴い、見直しを進めていたが、今期から本格展開を開始。同じく前中計の新事業となる、これまで取り扱っていない商品を、他社と協力して提供する「コラボレーション・システム」は実験的にさまざまな商品を展開してきたが、食品に絞った新事業として立ち上げる予定。「他にはない、特徴的な商品を販売する」(同)という。これらの新事業は、13年2月期には業績に寄与する見込みだ。

消費者庁 QVC、住金物産に措置命令、「景表法」で3件目、返金対応では不十分と判断

消費者庁は3月31日、住金物産が製造しQVCジャパンが販売した掛布団に景品表示法(優良誤認)の規定に違反する事実が認められたとして、両社に措置命令を行った。同件は、昨年11月にも家庭用品品質表示法上の誤表記として消費者庁と経産省が消費者へ注意を投げかけている。前回は商品に付けた品質タグが、今回は通販番組とこれに連動したサイトでの映像や音声が誤解を与えたとしているが、QVC以外では購入できないことを考えれば、2段階の公示には業界内からも疑問の声が出そうだ。


問題の商品は、08年1月18日から09年9月11日までの計5日間、QVCジャパンで放映され、同社の通販サイトも含めて販売された「二層式掛布団カシミヤ&メリノウール」。

 掛布団に使用している中綿の素材を「上層ウール100%、下層カシミヤ80%、ウール20%」としていたが、実際には上下層ともにウール100%だった。

 住金物産によると、問題の商品はすべて、07年に中国の協力工場で製造された。工場側から提出されたサンプルは検査したが、製品自体の検査は行わなかったという。

 QVC側の商品検査によって誤表記が明らかになったため、住金物産でも検査し、誤表記の事実を確認した。

 番組では住金物産の名前を出していないため、QVCが窓口となって当該商品の購入者1331人に事実を説明。居場所の分からない1人を除いて昨年中に商品代金を返金済みという。

 これについて消費者庁では、「誤表示が問題となっており、購入者への返金対応だけでは不十分。番組内でお詫びをするのが最善では」(表示対策課)とする。

 なお、住金物産では今回の措置命令を受けて、消費者の誤認を排除するため4月1日付けで全国紙2紙にお詫び広告を掲載。「今後は製品段階での検査をさらに徹底するとともに、社内への周知を図る」(広報部)としている。


解説、QVCへの措置命令について

新年度がスタートする前日の3月31日付で消費者庁がQCVジャパンなど2社に下した景表法違反に伴う措置命令。こうした消費者庁の動きに対し、通販業界から疑問と批判の声が早くも出始めている。

 まず、「措置命令」という重い処分を下す必要があったのか、ということ。違反の事実が広く報道されてしまうなど通販企業にとってはダメージの大きい「社名公表」は昨年11月に消費者庁から「消費者への注意喚起」という名目で、すでになされている。

 また、QVCではこの11月の社名公表の時点で当該商品を販売した1331人への送料を含めた返金を実施。昨年中に「どうしても連絡が取れなかった1人を除く、1330人への返金を終えた」(同社)という。

 さらに当該商品の誤表記はQVC側の自主的な商品検査によって明らかになり、住金物産を通じて消費者庁に報告したという事実。同社では昨年1月に公正取引委員会からプラスチック製のスプーンやフォークを「木製」と表記したことに関して景表法違反による排除命令を受けた。このため、再度、既存商品についても抜き取り検査などの品質検査を実施したところ、判明したものだ。

 無論、「誤表記」を行なったQVC側にも落ち度はあろう。ただし、社名も公表され、返金も終わり、消費者庁に「誤表記」の事実を自ら報告している。にも関わらず、また、「このタイミングで措置命令というのはいかがなものか。同情する」(業界関係者)との声が挙がるのも当然だろう。

 昨年11月の社名公表の際にも、一般紙なででも広く報道され、今回も同じ案件で、報道された。恐らくQVCに対して多くの消費者は良くないイメージを抱いたことであろう。「同じことで(措置命令を)2回受けたようなものだ」(別の業界関係者)。

 「違反は違反」というのが消費者庁にスタンスなのだろうが、すでに返金すら終わっている今回の件で一体、どれだけの消費者被害が起こりえるのだろうか。逆に消費者庁のこうしたスタンスでは、事業者を萎縮させ、過ちを消費者庁には報告せず、隠蔽する事業者が出てくる事態を招く可能性もある。

 そして措置命令を出した日付も気になるところ。「行政機関特有の事情」があると見る関係者も多い。新年度を迎える前までに処分すれば、今回の処分は09年度の実績となる。「昨年度は華々しく消費者庁が創設された記念の年だ。1件でも多くの『実績』を作りたく、駆け込みで年度末に処分したのでは」(業界筋)と指摘する声もある。仮にこれが事実だとすれば、役所都合で処分されたQVCにとってはたまったものではなかろう。

 いずれにせよ、通販事業者にとっては甚大なダメージを与える「措置命令」。だからこそ消費者庁はこの権限を慎重に行使すべきだろう。




医療品通販訴訟の判決、"ネットは対面に劣る"、形式的な仕組みで判断、実態の検証はなく

ケンコーコム(本社・東京都港区、後藤玄利社長)とウェルネット(同・横浜市戸塚区、尾藤昌道社長)が国を相手取り東京地方裁判所に提起した医薬品ネット販売規制訴訟で原告側の敗訴の判決が下された。判決は、原告側の主張を全て退ける内容で、さらにネット販売が対面販売に劣るという見方を示している。

 今回の訴訟で原告側が求めていたのは、一、二類医薬品の郵便等販売(通販)が行える権利の確認のほか、厚生労働省が作成した改正省令中の薬事法施行規則に盛り込んだ医薬品ネット販売規制に関する改正規定の無効確認および同規定の取り消し。主張の概要は、改正省令による過度の医薬品通販規制は法の委任範囲を超え、憲法で保障された職業選択の自由を侵害するというものだ。

 これに対し、東京地裁の判断は、まず改正省令規定の無効および取り消しの訴えについて、医薬品ネット販売規制が限られた特定の者のみを規制するものではなく、抗告訴訟の対象には当たらないとして却下した。その上で違憲性の主張について、現在の日本のIT環境下では、営業活動の様態に対する緩やかな規制では一般用医薬品の適切な選択と使用、副作用による健康被害防止という改正「薬事法」の規制目的が十分に達成することができないとして合憲と判断。省冷制定の手続きにも違法性は認められず、法の委任範囲を超えるものではないとした。

 これらは医薬品ネット販売規制を巡る議論で厚労省等が主張してきたもので、規制導入賛成派だった薬業関連団体でも、「これまで我々が主張してきた正当な判決」(日本薬剤師会)とする。言い換えれば、国の主張を丸ごと踏襲した内容だが、この判決で問題なのは「対面販売よりも通販が劣ると司法が判断したこと」(ケンコーコムの後藤社長)だ。

 判決要旨を見ても、対面販売では購入者の性別や体格、顔色、表情、声質を見聞きできるのにネット販売はそれができないなどとし、「インターネット販売は対面による販売に及ばず、両社の間には相当の有意な差異があるといわざるを得ない」と明言。さらにネット販売事業者が講じる安全性確保策や自主規制案でも「この差異を克服し得る方策が示されているとは認めがたい」と断じている。

 だが、これは形式的な仕組みだけの話。医薬品の対面販売の現場で情報提供等の対応が徹底できているのかは不透明で、実際には使用者がメールで知人などに医薬品の購入を依頼し薬局等で医薬品を購入することもできる。つまり、対面販売の現場での対応状況が十分に検証されないまま、ネット販売が体面劣るという司法判断が下されたと言わざるを得ないのだ。

 原告側は今回の判決を不服とし控訴する意向で、今年二月、楽天とヤフーが中心となって設立した「eビジネス推進連合会」でも、ケンコーコムの訴訟を後方から支援する意向を表明。会員企業に一連の問題に関する情報提供などを行っていく考えのようだ。既得権益者に押し切られる形で導入された医薬品ネット販売規制だが、同連合会が訴訟の支援に動き出すことで、ネット業界共通の課題という認識が広がっていきそうだ。

アユーラ 通販売上2桁増へ、ポイントプログラム導入が奏功

 敏感肌向けブランドで"コスメ系"と目されるディセンシアとアユーラ。店舗展開を主軸とする同社もまた、通販事業の強化に取り組んでいる。

 資生堂グループのアユーララボラトリーズは1994年の設立以来、百貨店を中心に約80の店舗網を敷く。百貨店業界の冷え込みで多くの店舗事業者が苦戦を強いられるが、アユーラの場合、少し事情が異なるようだ。「現代女性の"癒し"をテーマにしたコンセプトが不況下で当たっている」(販売企画部)というのだ。

 アユーラは明確に敏感肌向けをうたっているわけではないが、そのコンセプトは東洋美容を取り入れた"癒し"。女性の社会進出に伴う、仕事上のストレス等のリフレッシュを目的にした入浴剤や、睡眠不足解消を目的にしたスキンケアがヒットしている。ターゲット層は30代前後の女性。90年代後半に起きたヨガブームなどを背景に徐々にコンセプトがみじかになり、店舗売り上げは横ばいを維持する。

 一方、設立以来、電話やハガキで対応してきた通販もライフスタイルの変化に対応し、昨秋から強化に乗り出した。昨年10月、購入金額に応じてポイントを付与するプログラムを通販限定で導入。今では売り上げ構成比が10%超にまで高まり、15%に迫る勢いという。今期(10年3月期)の通販売上高も前期比約2ケタ増となる見通しだ。

 現在、新規獲得はネットのリスティングやアフィリエイトが中心。設立から10年以上が経過して知名度があり、くちコミでサイト集客ができているという。ウェブ会員には月2回のオンライン通信と同メールニュースで新商品情報を流し、アフターフォローを行う。

 また、百貨店を主軸とする中で重視するのがカウンセリング。対面販売を念頭に置いた商品が少なくないからだ。10人のコールセンタースタッフには、月1回商品説明のロールプレイング研修を行うほか、隔月で新商品勉強会などを行っている。

 ただ、課題を残す部分も少なくない。ウェブ会員は増加しているものの、「限定コスメ等の購入後、休眠する顧客が少なくない」(同)ことだ。顧客の購入履歴等の分析を加えたターゲティングもまだ未着手。顧客の継続化やクロスセル促進は今後の課題となっている。

 今年4月からは年間購入金額に応じた顧客のセグメントを開始。ポイントプログラムを強化して顧客の囲い込みを図る考えだ。

敏感肌向けブランド2社の戦略・ディセンシア編

3kata.JPG 女性の社会進出に伴い、肌に感じる外的刺激やストレスが増加する中、自称"敏感肌"の女性は七割に達し、敏感肌向けスキンケアの市場は「約800億円に上る」(業界関係者)とされる。敏感肌向けスキンケアが注目される中、市場には医薬品に近いイメージで訴求する商品とは別に、化粧品のイメージを重視する"コスメ系"事業者も存在する。その"コスメ系"と目されるディセンシアとアユーラの二社が転換期を迎えている。取り組みの現状を追った。

 まず、注目されるのがポーラ・オルビスホールディングス(HD)傘下の子会社であるディセンシア(本社・東京都品川区、小林琢磨社長)だ。

 HDの社内ベンチャー制度の1号案件として2007年から事業展開する同社は今年2月、2代目社長に小林氏(写真)が就任した。主力の保湿クリームに採用する特許技術を開発した初代社長は「研究畑」の出身。1方の小林氏は、02年のポーラ入社以降、1貫して「マーケティング畑」を歩んでおり、「創業者の理念を継承しつつ、シェア獲得に挑む」(小林社長)と意気込む。

 創業から2年、これまでのディセンシアはブランド認知の浸透に力を注いできた。これには創業時の経緯も関係している。

 アトピー研究の過程で得た特許技術を背景に"製品ありき"でブランドを立ち上げた同社は、グループの2本柱に成長した「ポーラ」「オルビス」の知名度や信用力、リストを活用することなく、これまでブランドを育成してきた。「2社が持つイメージが影響すること」(同)を懸念したためだ。このため創業時、わずか2アイテムをラインアップした時点で銀座に店舗を出店。ブランド認知を高めてきた。これには、敏感肌向けブランドにとって対面販売によるカウンセリングが重要であることも関係している。一方で媒体戦略でもブランド認知に重点を置く。

 女性誌への出稿はタイアップ広告が中心。「順広告を出稿して特許技術をPRしても読んでもらえない」(同)ためだ。著名人の信用力でブランドの知名度を補うことで読者の興味を引き、複雑な特許技術の説明に目を向けてもらう。これにネットのSEO対策やリスティング広告を組み合わせることでサイトに集客。新規客を獲得してきた。

 だが、シェア獲得に向け、課題を残す面もある。「複雑な特許技術」の説明だ。従来、"乾燥性敏感肌"をキーワードにコアターゲットとなる層へ訴求してきた反面、商品訴求がおろそかになっていた面があったという。

 これを昨年末頃から改善。特許技術を"バリア膜"というキーワードに置き換え、商品訴求を始めたところ新規獲得も好調に推移し始めたという。

 前期(09年12月期)売上高は前々期比2倍増で着地。「敏感肌の方にもコスメを使う楽しさを伝えたい」と語る小林社長は、"コスメ系"にこだわり、シェア獲得という次なるステップに挑む。(つづく)
 女性の社会進出に伴い、肌に感じる外的刺激やストレスが増加する中、自称"敏感肌"の女性は七割に達し、敏感肌向けスキンケアの市場は「約800億円に上る」(業界関係者)とされる。敏感肌向けスキンケアが注目される中、市場には医薬品に近いイメージで訴求する商品とは別に、化粧品のイメージを重視する"コスメ系"事業者も存在する。その"コスメ系"と目されるディセンシアとアユーラの二社が転換期を迎えている。取り組みの現状を追った。

 まず、注目されるのがポーラ・オルビスホールディングス(HD)傘下の子会社であるディセンシア(本社・東京都品川区、小林琢磨社長)だ。

 HDの社内ベンチャー制度の1号案件として2007年から事業展開する同社は今年2月、2代目社長に小林氏が就任した。主力の保湿クリームに採用する特許技術を開発した初代社長は「研究畑」の出身。1方の小林氏は、02年のポーラ入社以降、1貫して「マーケティング畑」を歩んでおり、「創業者の理念を継承しつつ、シェア獲得に挑む」(小林社長)と意気込む。

 創業から2年、これまでのディセンシアはブランド認知の浸透に力を注いできた。これには創業時の経緯も関係している。

 アトピー研究の過程で得た特許技術を背景に"製品ありき"でブランドを立ち上げた同社は、グループの2本柱に成長した「ポーラ」「オルビス」の知名度や信用力、リストを活用することなく、これまでブランドを育成してきた。「2社が持つイメージが影響すること」(同)を懸念したためだ。このため創業時、わずか2アイテムをラインアップした時点で銀座に店舗を出店。ブランド認知を高めてきた。これには、敏感肌向けブランドにとって対面販売によるカウンセリングが重要であることも関係している。一方で媒体戦略でもブランド認知に重点を置く。

 女性誌への出稿はタイアップ広告が中心。「順広告を出稿して特許技術をPRしても読んでもらえない」(同)ためだ。著名人の信用力でブランドの知名度を補うことで読者の興味を引き、複雑な特許技術の説明に目を向けてもらう。これにネットのSEO対策やリスティング広告を組み合わせることでサイトに集客。新規客を獲得してきた。

 だが、シェア獲得に向け、課題を残す面もある。「複雑な特許技術」の説明だ。従来、"乾燥性敏感肌"をキーワードにコアターゲットとなる層へ訴求してきた反面、商品訴求がおろそかになっていた面があったという。

 これを昨年末頃から改善。特許技術を"バリア膜"というキーワードに置き換え、商品訴求を始めたところ新規獲得も好調に推移し始めたという。

 前期(09年12月期)売上高は前々期比2倍増で着地。「敏感肌の方にもコスメを使う楽しさを伝えたい」と語る小林社長は、"コスメ系"にこだわり、シェア獲得という次なるステップに挑む。(つづく)

B4F・カイエール社長が語る成長策

3men.JPG 会員制の通販サイトを運営するB4F(ビーフォーエフ=本社・東京都渋谷区、アルメル・カイエール社長)が3月8日からネット販売を開始した。招待客に期間限定でブランド品を格安で販売する通販サイトは、昨年から続々とオープンしている。ドイツの親会社は、クチコミによって急成長を遂げており、日本でも2年後に会員250万人、売上高100億円という高い目標を掲げる。同社のアルメル・カイエール社長に立ち上がりの状況と戦略について聞いた。(聞き手は本紙記者・神崎郁夫)

 ドイツでは、親会社の業績が絶好調だ。

 「筆頭株主のプライベート・セールス・ゲーエムベーハーは07年9月に『ブランズ・フォー・フレンズ』を開設して、2年で会員250万人、売上高100億円を超える企業に成長した。今年は倍増の200億円以上を見込んでいる。リピート率の高さと、クチコミによる会員数の増加が高成長の原動力だ。会員の80%が招待客と聞いている。この成功体験を移植し、日本でも2年後に会員250万人と100億円の売上高を目指す」

 オープン当日はいろいろな場所でツイートされた。

 「サイト開設に合わせて、新宿駅に巨大な看板広告を掲載した。広告には当社ロゴの入った『iPhone』用のケースを貼り付け、通行人が持っていけるようにしたが、用意した1250個が15分でなくなった。ツイッターで『新宿でオレンジ色のケースをゲットした!』などとつぶやいてくれたことが大きい。

 交通広告は定期的に取り組むのか。

 「新宿以外でも渋谷や表参道、青山一丁目など、東京メトロの主要駅で展開する。それぞれの場所で、"期間限定"で広告展開することで、当社のビジネスモデルを伝えられるのではと考えた」

 実際に、会員数として表れているのか。

 「サイト開設後、1週間で5万人の会員獲得を目標にしていたが、オープン初日にこの数字をクリアした。第2ステップは1カ月後に10万人だが、これも超えそうだ」

 このビジネスモデルの強みは。

 「ブランドのイメージを損なわずに在庫を消化して、現金化できるのが最大の特徴だ。在庫処理のソリューションとして活用してもらうために、日本の市場に合致していて、しかも日本にある商品、つまり在庫だけを販売する。代理店を通さない並行輸入はしない。」

 ブランド側の認識も変化している。

 「最近では、ブランドの認知度向上や、新規顧客を開拓する販売チャネルとして活用されている。このビジネスモデルで、日本は5年後には2千億円の市場に成長するポテンシャルがある。アウトレットモールなど競合となるビジネスが存在するが、日本の消費者は目が肥えている。当社が提供する商品の価値を分かってもらえるはずだ」

 商品政策は。

 「当社で販売するブランドは国内外を問わない。ここで言うブランドとは、ラグジュアリーということではなく、信頼できるメーカーということ。当初は週に3―4ブランドを投入するが、1年後には毎日1ブランドを投入する。ファッションだけでなく、ビューティー、インテリア、家電、食品など生活を彩るアイテムをそろえることで、デイリーにアクセスしたくなるサイトにする。30代の女性を軸に置きながらも、幅広い顧客層を狙っている。商品カテゴリーが片寄らないよう、システマチックに毎月2回、各カテゴリーの商品を販売していく」

 商品ジャンルが広がると相当安い商品も出てきそうだが、客単価に影響は。

 「当社では、客単価にはフォーカスしていない。一番大事なのは顧客満足だ。顧客がどこに満足を感じるのか、常にそれを求めていく。商品や価格、サイトの使い勝手、配送などあらゆる面で支持されるサイトにしていく」

 日本で成功するためのキーワードは。

 「しつこいようだが顧客満足に尽きる。クチコミをベースにしているビジネスモデルでは、顧客満足度を高めることが最優先だ。それには、まず一度、体験してもらわないと話にならないわけで、商品の幅を厚くする理由もそこにある。もちろん、クチコミだけでなく、効果的なプロモーションがあれば挑戦する」

セシール、新ブランドでF1層の既存客活性化

2men.JPG セシール(本社・高松市、上田昌孝CEO)は3月23日、F1層の女性向け新ブランド「Fizz」(フィズ)の展開を始めた。20代後半の働く女性をメーンターゲットにしたもので、アウターやルームウェア、バッグなど110品目を投入。専用カタログおよび通販サイトで販売する。F1層新規顧客の開拓を狙いに「NORA(ノラ)」「ANITA ARENBERG(アニタアレンバーグ)」といったブランドを展開しているが、今回の新ブランドでは同年代の既存顧客の活性化につなげる考えだ。

 新ブランドの「フィズ」は、20代後半を中心とした20―30代女性をターゲットとしたもの。「テッパン旬のアイテムだけのプチプラブランド」をコンセプトに、商品の6割以上を3千円未満とするなど割安感を持たせている。

 カタログは年1回の発行で、創刊号(A4判52ページ、発行部数50万部)では110品目の商品を掲載。OLの日常を想定しカットソーから雑貨まで幅広い商品を扱い、コーディネイト提案に力を入れているのが特徴だ。

 同社はこの数年、若年層顧客の開拓に力を入れており、F1層向けのブランドとして2008年に「ノラ」、09年に「アニタアレンバーグ」を投入。中価格帯のファッション衣料を中心に扱う「ノラ」は、従来のカタログではリーチできなかった新規顧客の開拓を狙いに店舗販売や卸、ネットを組み合わせた事業モデルを展開。1方、「アニタアレンバーグ」は雑貨を中心とした低価格ファッションブランドとしてネット特化型の新規顧客獲得を進めてきた。

 これに対し、今回の「フィズ」は20代後半の既存顧客の性化や休眠顧客の掘り起こしを狙ったもので、カタログも休眠を含む既存顧客向けに配布。同社としては、カタログで掘り起こした休眠顧客をネットに誘引していく意向で、カタログの各ページにサイトURLや検索窓を掲載するほか、カタログにはないコーディネイトをネットで紹介。さらにネット限定商品の投入なども計画する。

 現状、同社の主要顧客は40代女性だが、既に接点のあるF1層にアプローチを強化することで、顧客基盤の拡充を効率的に進める構えだ。

ディノスとセシール  共同で持株会社設立でフジグループの通販拡大

 フジ・メディア・ホールディングス(FMH)傘下のディノスとセシールは4月1日付で共同持株会社となる新会社「株式会社フジ・ダイレクト・マーケティング(FDM)」を新設する。両社は今後、新設の持株会社傘下でFMHが掲げる顧客リストの相互活用や物流センターの相互利用など具体的な連携を促進。シナジーによる通販事業の拡大や収益力向上などを図っていくものと見られる。
 
 ディノスとセシールは株式移転(※既存会社の発行済株式すべてを新設の株式会社に取得させることで新たに親会社を設立する制度で、既存の会社は新会社の完全子会社になる)でFDMを4月1日付で新設する。FDMは東京・中野に本社を構える。資本金は1億円。代表取締役会長にはディノスの石川社長、代表取締役社長にはセシールの上田CEOがそれぞれ就任した。取締役にはディノスから長広勲常務、セシールからは益村雄二CFOが就任。FMHは増田繁執行役員常務経営企画局長、保田眞宏経営企画局経営管理担当局長の両氏を取締役に、羽原毅執行役員財務局長を監査役として派遣した。

 FDMはFMHを完全子会社とするフジグループの通販事業部門の中間持株会社としてディノスとセシールを傘下に置き、今後、両社の各経営資源を組み合わせながら、通販事業の拡大や収益性向上を進めていくものと見られる。

 両社の連携策については昨年5月、FMHがセシールの買収発表時に(1)顧客リストの相互活用(カタログの相互送付、カタログの統合、顧客リストの統合など)(2)地域性の補完、商品性の補完(3)コールセンター・物流センターの相互利用(4)カタログコスト(用紙代、印刷費、通信費など)の低減(5)共同システム関連投資の低減(6)組織体制・人事制度の見直し等による費用の適正化などを掲げていた。

 また、昨年末に本紙の単独インタビューに応じたセシールの上田CEOは「重複する家具・雑貨の仕入先を一本化して価格競争力をつける、あるいは衣料品でもディノスが当社の調達ルートを使いマージンを増やすといったこともできるだろう」など両社の具体的な連携の方向性について見解を示している。

 ただ、それらの具体策や実施時期などについては「現状、具体的なものはまだ決まっていない」(ディノス広報)としている。

 しかし、大規模な連携は実施していないものの、両社は昨年から部分的に連携を開始。互いの通販サイトで通販カタログ請求の相互リンクや、顧客への商品配送時に商品チラシなどを互いに同梱する試みなどだ。今年に入ってからはセシールの独自化粧品「アルマード ラ ディーナ シリーズ」をディノスの美容健康系商品の通販カタログ「ディービューティー」春夏号の表三に掲載し、販売するなどの一歩進んだ連携なども始めている。

 企業文化が異なる大手総合通販企業同士の連携がどう進展し、FMHの思惑通りに互いにシナジーをもたらし、両社の業績拡大につながるのか。今後の展開が注目される。


 

スクロール  化粧品通販を買収、美容関連を強化

 スクロールは3月11日、化粧品のネット販売を手掛けるイノベートを買収すると発表した。4月下旬にイノベートの全株式を取得する予定。なお、買収金額は非公表となっている。イノベートは通販サイト「コスメランド」を運営しており、楽天市場などで売り上げを大きく伸ばしている。スクロールでは売上高1000億円を中期目標として掲げており、買収により美容関連分野の強化を図る。


 3月11日に基本合意書を締結した。イノベートの2009年10月期の売上高は60億9900万円。ネットを中心に事業を展開する化粧品通販としては最大手となる。運営する「コスメランド」はブランド化粧品の値引き販売が目玉。出店している楽天市場では「ショップオブザイヤー」で08年の総合2位となるなど、スクロールの主力顧客でもあるF1層への知名度は高い。

 スクロールでは、04年から化粧品など美容関連商材を販売する通販サイト「きれいみつけた」を運営しているが、売上高は通販事業全体の8%にとどまっている。イノベートの買収により、手薄な化粧品事業の売り上げを拡大するほか、イノベートの持つ化粧品ネット販売のノウハウも吸収する狙いがある。なお、イノベートの吉本雅則社長は退任し、スクロールから後任を派遣する予定だ。

 「コスメランド」はブランドを変えず、引き続き通販サイトを運営する。将来的にはスクロールの「きれいみつけた」との連携や統合なども視野に入れるが、当面は両サイトを別々に運営する形となりそうだ。

 スクロールでは目標となる売上高1000億円の達成に向けて、積極的にM&A(買収・合併)を仕掛ける方針を打ち出している。主力顧客が重なるネット販売企業を買収することで、本業となる衣料品通販とのシナジー効果を期待する。

通販各社のキャリア採用の状況 OLMは70人の大量採用、"即戦力"求めて各社積極化

通販実施企業各社がキャリア、いわゆる経験者の採用を積極化している。例えば、オークローンマーケティング(OLM)では今年度のキャリア採用数は70人弱、新日本製薬でも30人を採用。ジャパネットたかたでは4月後半から、大々的なキャリア採用の募集を始めるようだ。前号(1260号1面参照)では各社の今年春の新卒採用状況についてまとめたが、やはり、不況下では長期間をかけて育成せねばならない新卒採用よりも、即戦力化が期待できるキャリア採用を重視している企業も多いようだ。各社の今年のキャリア採用の傾向について見ていく。
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 主な通販企業の今年度のキャリア採用の状況は下の別表通り。中でも目立つのは前述したOLMの70人弱という大量雇用数だ。同社では来年度もほぼ同数のキャリア採用者数を予定しており、中途採用を軸に社員数を拡充させていく考えだ。

 不況で優秀な新卒者が採用しやすい状況であることは間違いない。OLMでも今年度の新卒採用は10人。しかも「エントリー数が増加して28倍の競争率の中から選んだ」"精鋭"だ。スクロールでも「予想以上の応募者があり、厳選採用できた」。「例年よりも多くの母集団の中から選抜できた」(ジャパネットたかた)、「新卒採用は5年ぶりで学生への知名度は低かったが、会社説明会の出席率、その後の選考の参加率が非常に高かった」(オットージャパン)としており、今年の新卒採用は企業側有利の採用戦線だった。

 とは言え、「買い手市場と言われるが、優秀な学生を確保するのは容易ではない」(セシール)や「『買い手市場』だったと断言したいところだが、一部の優秀な学生層を多数の企業で取り合っている状況だった」(ゴルフダイジェスト・オンライン)、「優秀な学生は複数の内定をもらうので、最終的に当社に就業するとは限らない」(山田養蜂場)、「欲しい人材は(景気の影響を)あまり受けないため(「買い手市場とは言えない」(ケンコーコム)など、「本当に欲しい人材」を首尾よく採用するのは容易ではないことが伺える。

 それに加えて、やはり、不況下では悠長に社員教育を施す余裕がない企業も多いと推察され、一部の企業では即戦力化が期待できる(キャリア採用実施の理由は上表参照)キャリア採用を強化させているようだ。不況でも業績を伸ばすジャパネットたかたでは今年度採用した新卒51人(大学・大学院卒が44人、高校卒が7人)に加えて、4月後半からは「大々的なキャリア採用の募集・選考を行なう」(同社)としている。

 業績の回復をはかるには何と言っても「人材ありき」。一般企業が人材採用を抑える中、来るべき景気回復に備え、新卒、キャリアに関わらず「優秀な人材」を確保する通販企業が多いようだ。


ニッセン JPとの連携で戦略推進、カタログ展開やBtoBでJPのインフラ活用

ニッセン(本社・京都市南区、佐村信哉社長)と郵便事業会社(JP=同・東京都千代田区、鍋倉眞一社長)が包括業務提携を結んだ。ニッセンでは、4月から商品配送業務をJPに委託し、コスト削減と同時に配送周りのサービスを強化。不振が続く家具・インテリアのテコ入れを図る構えだ。このほかに、郵便局でのカタログ配布を通じた顧客獲得も構想するなど、JPとの連携により今後の事業展開に弾みをつける考えのようだ。

今回の提携で最初に具現化する施策は、4月からのJPへの商品配送等の委託。ニッセンとしては、従来ヤマト運輸に委託していた商品配送業務を全面的に切り替える形だが、その判断材料のひとつとなったのがコスト的なメリットだろう。

 ニッセンの年間商品発想個数は約2000万個。仮にJPへ配送業務を切り替えることで従来よりも単価(運賃)が10円下がっただけでも、単純計算で年間2億円のコスト削減になる。単価等の詳細は公表していないが、ニッセンの佐村社長は包括提携の発表会見で、「コストメリットは多少ある」としており、収益性の維持や価格訴求型の戦略を進める上でコスト削減のインパクトが小さくないことをうかがわせる。

 無論、コスト的なメリットがあったとしても、サービス品質が低下すれば、顧客離れを引き起こすことにもなりかねないが、JPへの配送業務委託のポイントとなったのは、家具・インテリアなど大型商品配送に付帯するサービスの拡充だ。

 JPでは「ゆうパック」におさまらない大型商品の配送は行っていなかったが、今回の提携を受け、協力物流事業者のネットワークを活用した配送体制を構築。サービス面でも配送リードタイムが従来よりも短縮されるほか、配達時間帯指定対応商品や組立配送サービスの展開エリアなどが拡充される。ニッセンでは、家具・インテリアの苦戦が続くが、これまで取りこぼしが少なくなかった引越需要を取り込みなどで、配達時間帯指定等のサービス拡充が有効と判断した形だ。

 また、今回の包括提携では、販売チャネルの拡大や経営効率化に向けた共同の取り組みについても検討を行う。

 具体的な検討作業はこれからだが、販売チャネルの拡大策で実現しそうなのが郵便局でのニッセンのカタログ配布。

 ニッセンでは、かねてから書店やコンビニ等での無料カタログ配布を積極的に行っているが、地方では書店やコンビニが少ない地域もある。これに対し全国にくまなく張り巡らされた郵便局網を活用したカタログの展開ができれば、顧客獲得機会の拡大につながるわけだ。このほかに、ニッセンが行うチラシ同梱等のBtoB向け事業についても「(JPに)手伝ってもらう」(佐村社長)としており、JPから顧客企業の紹介を受けるなどの形で連携を図っていく意向だ。

 ニッセンでは、今期からの中期経営計画でシニア市場および中国市場への本格参入を盛り込んでおり、JPグループが持つ顧客基盤やインフラの活用ができれば、中計の目標達成にも寄与することになる。また、JP側としても、ニッセンとの提携により宅配便事業の顧客基盤拡充につながるほか、他の通販事業者等への大型商品配送サービス提供に向けたノウハウの蓄積、JP自らが手掛ける中国向け仮想モールの強化などでニッセンと連携するという道筋も見えるわけだ。

 いわば"相思相愛"の提携というわけだが、不安要素がない訳ではない。大型商品の配送ひとつを取っても、JPが複数の協力物流事業者に業務を委託する形で、均質なサービスの提供といった面で不透明な部分がある。事業戦略上のパートナーとしてJPを選んだニッセン。果たして思惑どおりに取り組みが進むのか、今後の動向が注目されるところだ。

ニュースの断層・住宅版エコポイント始動 交換先に通販事業者、収益への貢献度は?

032.jpg 政府による「住宅エコポイント」の申請受付が3月8日からスタートする。「住宅エコポイント」とは一定の期間内に環境に配慮した基準を満たした住宅を新築または改修した際に、付与する独自のポイントで商品や商品券などに交換できるもの。昨年、省エネ家電の購入者に付与した「エコポイント」の「住宅版」だ。

  先の「家電版」でもポイントの交換先として、通販事業者も選出。今回の「住宅版」でも別表の通り、複数の通販事業者が選ばれ、環境に配慮した商品などを 「交換商品」として用意している。「住宅エコポイント」はポイントの交換先である通販企業にとっても収益に貢献し得る「通販市場の景気刺激策」となり得る のだろうか。

  「住宅エコポイント」は一定の省エネ基準を満たした新築住宅や「エコリフォーム」を期間内に工事着工した人などに付与する独自ポイント。

 
444.jpg ポイントの交換先として、ディノスやカタログハウス、フェリシモなどの通販企業のほか、楽天などの仮想モールも名を連ね、各社とも独自の交換商品を提案。 例えばディノスでは各地の名産品を約百点集めた「ディノス こだわりの全国の名産・特産品」や独自のエコ商品基準をクリアした「ディノスの優しいエコ商 品」を用意している。  総予算1,000億円の「住宅エコポイント」は商品の交換先となる通販事業者にとっても、収益面で一定の効果が期待できそう。ただ、「家電版」の時にも 指摘された「ポイント申請時の複雑さ」は「住宅版」でも同じようだ。また、「家電版」と同様にポイントの交換先は結局、百貨店の商品券や電子マネーに流れ てしまう可能性もあり、「商品交換先となった通販事業者にはあまり恩恵をもたらさないのでは」(某通販企業幹部)との声もある。

   とは言え、"エコ"を重視する企業姿勢は今後、1つの訴求点として重要となってくるはず。短期的な収益への貢献度は低いかもしれないが、「(エコポイン トの商品交換提供事業者になることは)長期的には消費者への絶好のPRになる」(同)可能性も。効果の程は未知数だが「住宅エコポイント」が通販市場の景 気も刺激してくれることを望みたい。

ベネッセ 〝体験〟切り口の通販、「かけっこ」など子供の目標別の商材を

034.jpgのサムネール画像

 ベネッセコーポレーションは2月から、小学生を対象とした通販を開始した。苦手意識の克服や好きな分野の上達をサポートする商品を販売する。「好き」から「得意」になるという体験を通じて、子どもの向上意欲喚起につなげる。これまで就学前の子ども向け通販「すっく」を展開していたが、次のステージとなる小学生低学年への通販は実施していなかった。進研ゼミユーザーのクロスセルや「すっく」からの誘導を図り、売上高拡大を目指す。

 開始したのは「スキコソ」。子どもの興味関心が高い「スポーツ」や「サイエンス」、「料理・工作」の3カテゴリーを用意。立ち上がりは18アイテムを展開し、独自商品やセレクトアイテムを販売した。

 「スポーツ」カテゴリーではアキレスと共同開発した運動靴「瞬足」や「折りたたみ鉄棒」などを提案。"上達のコツ"をテーマにしたオリジナルリーフレット「もっと早く走るための虎の巻」や「鉄棒名人になれるワザ」をセットした。リーフレットと一緒に使うことで上達し、達成感を体験できるとした。

 ターゲット層は小学生低学年の子どもを持つ母親。小学生低学年の9割が「体育」に関心があるものの「かけっこ」や「鉄棒」などの一部種目に苦手意識があることがわかった。苦手意識の克服や知的好奇心の喚起で訴求し、顧客の獲得を図る。

 まず、進研ゼミを中心としたDMにチラシを同梱。5月中旬にカタログを創刊する予定。進研ゼミユーザーを中心に認知度を高め、クロスセルを発生させる考え。

 また、「ベネッセショッピングモール」内で通販ページ「スキコソ」を開設。また就学前の子供向け生活雑貨を扱う「すっく」内で告知するなどし、子どもの成長段階に合わせて既存客を誘導するもよう。今後、トライアルとして高学年向けの商品も提案していく計画。

ニッセン ロジ業務を全面委託、郵便事業会社と提携し苦戦の家具テコ入れ

021.jpg ニッセンと郵便事業会社(JP)は3 月2日、包括提携に関する合意書に調印したと発表した。ニッセンでは、商品配送等でヤマト運輸を使っていたが、4月から通販商品に関するロジスティクス業務をJPグループに委託。これにより一層のコスト削減を進めるほか、組み立て配送など苦戦が続く家具・インテリアといった大型商品関連サービスを拡充し、同カテゴリーのテコ入れを図る構えだ。

 今回の包括提携の骨子は、ニッセンによるJPグループへのロジスティクス業務の委託と、営業機会の拡大に向けた包括的な検討の2点になる。

 ロジスティクス業務については、4月からJPに委託する予定で、「ゆうパック」で扱えないサイズの商品はJPの協力会社を通じて対応する。

 家具・インテリアについては、景況の悪化に伴う住宅新築着工件数の減少などからニッセンでも苦戦を強いられているが、JPへの業務委託により、配送リードタイムの短縮や配達時間帯指定(一部地域)、組み立て配送サービスのエリア拡大など、関連サービスを拡充。 3、4日掛かっている配送リードタイムを1、2日短縮させるほか、現状、大型商品の「2、3割しかできていない」(ニッセンの佐村社長)配達時間帯指定の対象を広げ、引越需要の獲得につなげる意向で、決済メニューの拡充や女性スタッフによる配送組立サービスなども検討していく考えだ。

 また、営業機会拡大の面では、郵便局でのニッセンのカタログ配布などの販売チャネル拡大や経営効率化の施策を検討。これに付随して、中国向けの仮想モールなど、JPが手掛ける通販関連事業でのニッセンとの連携なども考えられるが、「頭の中にはあるが、まだ具体的なものはない」(JPの鍋倉社長)という。

 一方、JPでは、6月に子会社のJPエクスプレスが行う宅配便事業を継承。「ペリカン便」と「ゆうパック」の事業統合認可を巡る混迷で、通販事業者など荷主企業の離脱も伝えられているが、年間商品発送個数約2,000万個を有するニッセンを取り込むことで、存在感を高める考えだ。


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消費者庁、健康食品規制で劇的変化?

 健康食品の違法表示を取り締まる健康増進法(健増法)の運用強化が進む可能性がある。消費者庁が食品表示の監視を目的に各県に置く「食品表示監視協議会」(協議会)で、健食も対象とする意向を明らかにしたからだ。折りしも、消費者庁では健食表示をテーマに検討会が行われ、健増法の運用強化、罰則強化がさかんに叫ばれている。地方を巻き込んだ法執行強化策が展開されることになれば、市場環境はさらに厳しさを増すことになる。

 「健食表示も関連法規が多岐に渡るという食品と同様の問題を抱えている。"監視指導に協議会をうまく使うことができないか"という話は庁内にある」。消費者庁食品表示課では、協議会の今後の位置づけをこう話す。

 事の発端は2月に消費者庁が発表した「消費者行政の充実・強化のためのプラン」だ。この中で消費者庁は「消費生活相談体制の強化」「法執行強化」「相談員の処遇改善」を課題に挙げている。中でも気になるのが「法執行強化」の部分。食品表示の監視は、全県に置かれる「食品表示監視協議会」と、省庁間の連絡会議である「食品表示連絡会議」(連絡会議)を軸にすることが明記されており、これに健食も含む気配があるのだ。

 協議会は関係法令が多岐に渡る食品表示の問題で情報交換を密にし、執行力強化を図るもの。メンバーには地方厚生局と地方農政事務所などの出先機関、各県の表示関連法担当者が参加する。
 会合の開催数は自治体によりバラつきがあるが、月1回程度開く東京都では「偽装表示問題で立ち入り調査の日程調整や適用法令の相談を行い、業務の効率化を図っている」(食品監視課)としており、この協議会を経て処分に至る事例もあるという。

 一方の連絡会議は農林水産省、警察庁、消費者庁、オブザーバーとして厚生労働省が入っている。ただ、これまでは農水省が事務局を務めていたため、食品衛生法やJAS法関連の事案処理が大半を占めていた。

 だが、表示関連の法律が消費者庁に移管されたことで事務局も消費者庁に移動。前段で消費者庁が話すように、従来と様相を一変させそうなのが健食表示に対応する健増法なのだ。

                             ◇
 すでに、協議会には消費生活相談センター(消セン)の所長を新たなメンバーとして迎え入れることが決定しており、相談分析と法執行の迅速な連携を図っていく方針を明らかにしている。グラフに示すように消センに寄せられる健食表示に関わる相談は高水準で推移しており、健食を対象に含むことになれば狙い打ちされるのは明らかだ。

 さらに消費者庁では「健康食品の表示に関する検討会」で健食表示の適正化に向けた審議をしており、健増法の運用強化によって表示適正化を図るシナリオが見え始めている。

 地方の08年の健増法指導実績は926件(事業者の事前相談約500件を含む)。少ない数字とは言えない。だが、地方が持つ健増法の執行範囲は拘束力を持たず、社名公表もない「指導」が限界。これに従わない場合、国が「勧告・命令」を行うことになるが、これまで至った件数はゼロ件。実効性のないことが度々指摘されてきた。今後、執行権限の委譲と合わせ、地方の運用強化が図られてもおかしくはない状況といえる。

 これについて消費者庁では「可能性はあるが、検討会の議論もあるので(協議会で健食を対象にするかの)判断はまだ早い」(食品表示課)としている。

 だが、地方に出先機関を持たず、監視人員が不足する消費者庁が協議会を使うのは当然の帰結といえる。今後、この協議会がどういった使命を帯びることになるか、その動静に注目が必要だ。

らでぃっしゅぼーや、ネット販売参入で新規客取り込み

3k.jpg 食品宅配のらでぃっしゅぼーや(本社・東京都港区、緒方大助社長)がネット販売を開始した。2月17日に通販サイト「eらでぃっしゅ」を開設。有機野菜や無添加食品など約1000品目を販売する。ネット販売の開始でこれまでの食品宅配では取り込めなかった「会員になるのが面倒」という層を開拓し、売上拡大を図る考えだ。

 ただ、同じ食品の販売でもこれまでの「宅配」と「通販」では似て非なるもの。宅配の場合は特定の会員に毎週、だいたい決まった量の商品を配送すればよいが、通販の場合、その時々で配送量にもばらつきがあり、配送期間も一週間というわけにはいかない。また、野菜など生鮮品の場合、売れ残ったら在庫にするわけにはいかず、予測を見誤るとダメージは大きい。こうした点をらでぃっしゅぼーやはどのように克服しネット販売を行っていくのだろうか。

 まずは発注について。宅配事業の場合は、配送時に翌々週お届け分のカタログを配布し、次の配送時に注文用紙を回収。回収した注文用紙を入力し、メーカーや生産者に受注分を発注する。賞味期限の長いものであれば一週間分まとめて納品してもらい、配送曜日ごとに出荷する。注文数に応じて発注するため出荷後は一時的に配送センターが空になるため、在庫管理の負担が少なかった。

 一方、ネット販売「eらでぃっしゅ」の場合では配送までのリードタイムを最短3日としているため、それには宅配とは異なり、在庫を抱えなければならない。そこで宅配の物流センターとは別に新たに「武蔵浦和」にネット販売専用の配送センターを設置し、在庫を保有する毎週水曜日のサイトを更新後の受注状況を見て1週間の受注を予測。発注分は翌日に納品してもらい最短で翌日に出荷。サイト掲載期間中に在庫が足りないことが分かるとその段階で再度発注し翌日に納品。翌々日には出荷できる体制となる。これにより最短3日のリードタイムを実現し、在庫ロスを最低限にとどめている。

 ただ、予測発注を見誤ると賞味期限のある食品では商品廃棄によるコストロスが生じかねない。10万人の会員制宅配とは異なり、早期に1定のリピート客を確保しなければ精度の高い受注予測は困難とみられる。

 そこで展開するのは定期購入サービス「マイらでぃボックス」だ。旬な野菜と果物のセット商品で、毎週決まった曜日に届けるもの。あらかじめ登録した牛乳、たまごなど日配品20品を「マイらでぃボックス」と1緒に届ける。利用頻度の高い日配品でユーザーの継続利用を促す考えだ。

 「マイらでぃボックス」が順調に稼働すれば、1週間の受注予測が立てやすく、アイテムによってはロスなく発注することも可能。早期に収益を安定させ「将来的には宅配事業と同程度の売り上げ規模へと拡大させたい」(同社)考えだ。

ネット業界の団体成立、楽天・三木谷社長が会長に

2t.jpg楽天やヤフーなどを中心とするインターネット企業各社は2月22日、eビジネスの拡大を目的とする業界団体を設立した。初代会長には楽天の三木谷社長が就任。活動内容は、eビジネスに関する民間の立場からの政策提言活動や会員向け勉強会、ワーキンググループなどを予定しており、特に重視すると見られるのが「各種政策提言」。「残念な結果になった」(三木谷社長)医薬品通販の規制問題に代表される行政の過度の介入に対し、「共同戦線」を張って対抗していく構想だ。

  「(薬事法の改正は)"改悪"だと思っている」。

 同日開催された「eビジネス推進連合会」設立総会後の記者会見での、三木谷社長の発言だ。
 会見では、現在の入会状況や団体人事、事業計画などを発表。入会状況は現在、「一般会員」が238社、「賛助会員」が1427社の計1665社で、入会企業には千趣会やスクロール、ケンコーコムなどの通販企業も名を連ねた。

 連合会の初代会長には前述の通り三木谷社長が就任。副会長にはヤフー井上社長、幹事はサイバーエージェントの藤田社長、監事にはフューチャーアーキテクトの金丸CEO、事務局長にはヤフーの別所法務本部長が就任した。

 連合会の今後の事業計画としては、「政策提言活動」「eビジネス白書発行」「ワーキンググループ」「ネット定期調査」「会員向け勉強会」などを発表(表参照)。活動内容の具体的な手順や詳細については今後、幹事会等で決めていくとしている。

 こうした施策の中でも特に比重を置いて進めていくと見られるのが、「政策提言活動」だ。前回、苦杯を嘗めた「医薬品の通信販売」や、「インターネットを利用した選挙活動」に関する政策提言を行っていくというもので、「いろいろなところにある過剰な規制を抑止する」(同)ことがその目的となる。

 これまでは楽天を含め、個々の企業がそれぞれ対応してきたが、「個別では苦しくなった」ことが今回の団体設立につながったもよう。まだ表面化していないとして具体名は避けたが、「省庁が今検討している不合理な類似の規制」に対して各ネット企業が結束し、極端に言えばある種の"圧力団体"として抑止していくそれが同連合会の描く青写真のようだ。

 こうして動き出したネット業界最大の団体。現時点ではまだその実力を云々することはできないが、今後、さらに会員数を増し勢力を拡大すれば、思惑通り過度の行政介入への「ストッパー」となり得ることも期待できる。いかに会員各社が連携し"一枚岩"となれるかそのあたりが今後の成否を左右すると言えそうだ。

ニッセンHD 定時株主総会で佐村氏の取締役選任付議、副社長就任の見方も

 ニッセンホールディングスは2月5日、3月18日開催予定の定時株主総会で新任取締役にニッセンの佐村信哉社長を選任することを付議すると発表した。同日、通販事業を軸に、業容の拡大を図っていく内容の新中期経営計画を公表しているが、一部では佐村氏がニッセンHDの副社長に就き、中計達成に向けた陣頭指揮を執るとの見方が浮上している。

 今回の発表は、現役員の任期満了を受けたもの。株主総会では、片山利雄社長はじめ取締役7名(うち4人は社外取締役)の再任、新任取締役として佐村氏の選任などを付議する。中核となる通販での事業経験が中期経営計画の達成に向けた推進力になるというのが、佐村氏の選任理由だ。
 
 ニッセンHDでは当初、通販、現販、金融の三本柱でグループの業容拡大を図る計画だったが、法整備などの環境変化もあり、実質的には通販事業一本でグループ全体を支えているのが実情。2009年12月期の業績を見ても、現販事業は催事事業からの撤退で減益要因が払拭されたものの、売上高は大幅に減少。金融事業についても、売り上げ規模は20億円弱と小さく、当面は通販事業に頼らざるを得ない状況だ。

 このため、新たに策定した中期計画では、通販事業のブラッシュアップ、中国市場やシニア市場への展開を図る一方、通販周辺での新規事業創出を構想。金融事業および現販事業でも通販の顧客基盤活用を視野に入れるなど、通販を軸にグループの成長を目指す内容で、通販事業を担当してきた佐村氏のニッセンHD取締役就任は不可欠というわけだ。

 一方、ニッセンHDの経営体制についても、社長兼CEOの下に副社長兼COO、CFOを置き、さらにシニア市場等の事業開発や海外、インフラ、通販、金融、現販の各担当を配置する形に刷新。カギとなるのは、全事業を統括する副社長兼COOだが、証券アナリスト等の間では佐村氏が就任するとの見方が濃厚だ。これについてニッセンHDは、「発表したこと(株主総会への取締役選任の付議)以上のことはお答えできない」(広報担当)とするが、すでにニッセンHD側では、一部の証券アナリスト等に説明をしているもようで、トップ交代の布石ではないかとの憶測も流れているようだ。
 
 通販事業を柱に新たなグループ戦略を進めるニッセンHD。かじ取り役となる新体制との動向が注目されるところだ。

決済代行会社が"夜逃げ"  代金未回収で連鎖倒産の恐れも

3-1.jpg  「サイバークレジットが飛んだらしい」。簡易ブログ「ツイッター」でこうした情報が飛び交ったのは2月2日の昼ごろ。すでにサイバー社の代表電話は通じず、あわてた取引先が多数押し寄せた事務所にも「臨時休業のお知らせ」という張り紙が残されているだけだった。  
 
 ある通販サイトを運営する渡辺利明さん(仮名)も事務所に押し掛けた一人。サイバー社の決済代行サービスを利用しており、1日には12月分のクレジットカードによる売り上げが支払われる予定だった。

 しかし、2日になっても代金は振り込まれず、気になっていたところに「飛んだ」という知らせ。事務所には事情の分かる人間はおらず、怒り心頭に発した渡辺さんは、サイバー社の佐藤智聡社長の自宅まで訪ねたものの、「すでにもぬけの殻だった」という。

  サイバー社は、2006年に決済代行大手のゼウスの社長だった佐藤氏が立ち上げたベンチャー企業。加盟店は中小ネット販売事業者など約1200社とみられるが、実は同業他社の間では「サイバー社は危ない」という話はささやかれていたという。

  業界では後発なだけにネットだけではなく、対面型の決済端末を導入して飲食店などもターゲットにしていたものの、この分野は大手が圧倒的に強く、システム開発費用も大きなものになるからだ。調査会社によれば、初期投資1億円以上の資金負担が経営を圧迫し、苦しい資金繰りを強いられていたという。

  渡辺さんは「1月分まではカード会社からサイバー社に代金が支払われていたようだ。被害額は400万円ほどになりそう」と怒りをあらわにする。事業者にとっては2カ月分が未回収となるだけに、連鎖倒産も引き起こしかねない。

 サイバー社はウェブサイト上で事業継続が困難なこと、法的整理を視野に入れていることなどを説明。さらに8日には専用の問い合わせ窓口を設置したことをサイト上で告知した。ただ、依然として佐藤社長とは連絡が取れず「夜逃げ」が続いているもようだ。

  手数料の値下げ競争が続く決済代行業界。サービス強化のためにはシステム投資が必要なため、経営状態が悪化している企業は多いとみられる。ネット販売事業者は自衛のためにも、利用する決済代行業者を吟味する必要がある。

スクロール・堀田守社長に聞く、不況下で打つ次の一手は?、「SPA通販」構築へ、夏号から商品開発期間半分に

3 .jpg 昨年10月に社名をムトウから変更したスクロール(本社・浜松市中区)。同時にキャンペーンを展開し、新社名の浸透を図っている。創業者の名前を冠した社名を変えることで、ネット時代に合致したブランドの確立を目指す同社。「カタログを主体とした通販は、ビジネスモデルとして生き残れるかどうかの瀬戸際だ」と語る堀田守社長に、今後の戦略を聞いた。

昨年10月の社名変更にあわせてキャンペーンを展開した。

「通販では『ラブ&サプライズキャンペーン』として、顧客参加型のイベント、セール商品の販売、ブーツのキャンペーン、さらにはレコメンド・レビューなど顧客との双方向機能を取り入れた。また、F1層が中心となる通販に比べて、生協の顧客は『ムトウ』という名前への親しみがあるので、新社名を認知してもらうためのさまざまなキャンペーンを実施した。この半年は社名変更にあわせて、顧客との関係を深めるという取り組みを行ってきたわけだ」    

第3四半期(4―12月)は減収減益に終わったが、減益幅は縮小している。  

 「売り上げが落ちても収益バランスを崩さないような仕組みになってきている。当社はF1層に特化したビジネススタイルだが、競合は同業他社ではなく、実店舗だという意識を持つことが必要ではないか」

ユナイテッドアローズのようなSPA(製造小売業)のほか、ユニクロやH&Mといったファストファッションなど、競合は多い。

 「通販というビジネスモデル自体が実店舗と競合するようになった。価格面もさることながら、顧客との接点を持ち、通販にはないスピード感がある。顧客に還元するためのイベントや、イベントに便乗した商品の販売は店舗では当たり前のことだが、これまで通販にはそういう発想が足りなかったのではないか。店舗はいかに顧客との接点を増やすかを考えて、スピード感を持ってさまざまなアプローチをしている」

 「翻って通販は、3カ月に1回カタログを出したら、あとはぼーっとコンピューターの前で受注を待っているだけ。『今の時代にこんなスタイルで成り立つのか』と現場に問いかけている。こまめに情報を発信し、顧客とのコンタクトの頻度を上げる必要がある。そのスタートが社名変更のキャンペーンだ」

具体的には今後どういった取り組みを行うのか。  

 「ネット受注比率が上がっているのが一つの武器。シーズン単位で全体を包含したキャンペーンを行うほか、『ラプティ』などのブランドサイトでは、イベントという位置づけでサイトの中で集客を行い、顧客へのアプローチの頻度を上げていきたい」  

 商品開発ではどのような取り組みをするのか。  

 「これまではカタログ発行の10カ月前から商品を仕込んできたわけだが、夏号からは企画から商品化、カタログの売り場づくりまでの期間を半分にしたい。また、カタログはある程度の部数を発行しないとアクティブ顧客が減るという"常識"にも挑戦しなければならない。利益が取れる見込みのない販促費を使う必要はないし、あらかじめページ数を決めて、売れない商品でも載せてカタログを"埋める"という発想もおかしい」

 「現在のネット受注比率は七三%。F1層が中心のため、ライバルはSPAショップだ。あらゆる世代をカバーする総合通販とは違う、独自のビジネスモデル『SPA通販』を構築したい」

″台湾"で通販開始、中国進出の試金石か

2 .jpg ディノス(本社・東京都中野区、石川順一社長)が海外進出を始めた。2月8日にグループの現地法人を介して、台湾に通販サイトを開設。既存商品の中から台湾の消費者に合致する商品をチョイス、ネット販売を始めた。同社はこれまでもアジア地域を中心にカタログ販売や卸販売などを実施したこともあったが、本格的な海外進出は初めてとなる。台湾での通販開始は中国本土を中心とする中華圏各国への進出の試金石と見られ、今後の展開が注視されそうだ。

ディノスは今年1月にフジ・メディア・ホルディングスと現地企業の亞哲國際開發が合弁で新設した現地法人、富士亞哲多媒体股〓有限公司(FujiAtetsu Multimedia Inc〓=本社・台北市、〓國州会長)に商品を卸す形で台湾での通販を始める。富士亞哲多媒体は二月八日に通販サイト「fuijidinos」を開設。同サイトはディノスから商品を調達し、ディノスの商品のみをネット販売する。  

 スタート時点ではディノスの既存商品の中からアパレルやキッチン用品、インテリア雑貨など41品番を掲載。商品選定は現地法人とディノスで協議。「台湾の消費者に合致する商品を選ぶ」(ディノス広報)としている。今後、反応を見ながら徐々に商品数は増やしていく予定。カタログ通販の開始については「未定」(同)。台湾向け卸で初年度3億円の売り上げを見込む。  

  ディノスではこれまでもテスト的にアジア地域でカタログ通販などを実施してきたこともあったが、本格的な海外進出は初めて。台湾での通販開始は中国本土やそのほかの中国語圏各国進出の試金石と見られる。通販企業の海外進出を巡っては千趣会やニッセン、セシール、フェリシモなどカタログ通販大手のほか、スタイライフやケンコーコムなどネット販売事業者も本格進出に乗り出している。

インタビュー・佐倉住嘉社長に聞く、カタログハウスの今後の戦略


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 カタログハウスは1月1日付けで社長人事を行い、高橋章氏に代わり、同社特別顧問の佐倉住嘉氏が新社長に就任した。同社の新たなトップとして舵を取ることになった佐倉氏はインターネットやモバイルを軸とした新しいメディアの活用を強化。現行のビジネスの「殻を破る」と話す。老舗通販企業であるカタログハウスを今後、どう導いていくのか。佐倉社長に今後の戦略や方向性について聞いた。(聞き手は本紙編集長・鹿野利幸)

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千趣会09年12月期連結 売上高6.9%減の1472億円、消費低迷で通販苦戦

 千趣会の2009年12月期連結業績は、売上高が前期比6.9%減の1,472億9,200万円、24億500万円の営業損失(前の期は24億1,300万円の利益)と減収減益だった。消費の低迷で主力の通販事業が苦戦したほか、利益面では棚卸資産の評価方法見直しに伴う商品評価損の増加などが影響。経常損失が14億1,000万円(同45億5,300万円の損失)、当期純損失が38億1,100万円(同62億7,100万円の損失と、2期連続で最終赤字を計上する結果となった。

 事業部門別の売上高では、カタログ事業と頒布会事業を合わせた通販事業が同9.4%減の1,309億6,700万円、営業損失22億8,500万円(前の期は28億6,600万円の利益)。その他の事業は売上高が同19.2%増の163億2,500万円、営業損失1億9,000万円(同4億3,900万円の損失)だった。

 通販事業のうちカタログ事業の売上高は前期比9.3%減の1,196億1,000万円。顧客一人当たりの年間注文回数は前期並みの2.9回を維持したものの、低価格志向の強まりやネットへのシフトの進展に伴い、受注単価が1万2,267円と686円下落。新規顧客の獲得が思うように進まず年間購入者数が減少したことも響いた。商品群別では、単価が比較的高いインテリアが前期比15.4%減と最も落ち込みが大きく、特に家具や収納用品などが低迷。一方、ネット売上高は、671億3,000万円と前期比1.2%の増加で売上構成比を56.1%とした。

 一方、連結ベースの損益面では、会計基準の見直し等に伴い棚卸商品の評価損が約23億円増加したことなどから、売上高原価率が53.6%と1.9ポイント上昇。販管費について全体で約32億円を削減したものの、営業損失を計上する形となった。また、減損損失や投資有価証券売却損など特別損失17億2,600万円(前期比8.8%増)を計上したことなども響いた。

 今期も消費環境が厳しい状況が続くと見ており、通期の連結業績は売上高が前期比3.4%減の1,423億円と減収を予想。半面、利益面では損益分岐点の引き下げを進める意向で、営業利益21億円、経常利益20億5,000万円、当期純利益16億5,000万円と黒字転換を見込む。

夢展望 ドラマ連動で通販開始、日テレ7と共同で出演者の衣装をネット販売

021.jpg ファッションアパレルのネット販売を行う夢展望は1月21日から、日テレ7と組み、ドラマ連動型のネット販売を始めた。人気モデルを起用したショートドラマを制作。ドラマ内で出演者が着用した衣料品を連動する夢展望の通販サイトで販売する。ドラマはサイト上での動画配信に加え、日テレの深夜枠でも放映する。夢展望は物販収益の一部を広告料金として日テレ7に支払う模様。夢展望はドラマ連動型通販で売り上げ拡大を図る狙い。

  夢展望と日テレ7が共同制作したドラマは「恋に効くショートドラマ The dream valentine,s day!!!」。日テレ7が視聴者から募集したバレンタインやホワイトデーにまつわる実話をもとに制作した1話3―5分のショートドラマで制作は日テレ7、出演者や着用商品の選定は夢展望が決定した。

  ドラマは商品ジャンル別に「ガーリーカジュアル編」「プリンセス編」「グラマラス編」の3部作(全6話)を制作。出演者は人気ファッション誌モデルの鈴木亜美・亜耶姉妹、高橋真依子や菅野結以を起用。ドラマ内で着用したアウターやワンピース、カットソー、靴など約50商品は連動する夢展望の通販サイトで販売する。価格帯は580―5,980円。

  同ドラマは1月21日から夢展望および日テレ7のサイト上で配信を開始した。これに加えて、1月26日から日テレ7が日テレの深夜枠で保有する通販番組「夜明けのマルシェ」でも全6話を順次、放送する。

  ドラマの配信および放送にあたって、視聴を促すために、日テレ7の販路であるセブンイレブンやイトーヨーカドーなど実店舗を活用。店舗店頭にPOPを設置して、ドラマを配信するサイトへ顧客を誘導する。夢展望ではドラマ連動型のネット販売で潜在需要の喚起を図るほか、テレビでの放送で知名度向上と新規客獲得を狙う。

  ドラマと連動した通販展開としては、昨年、関西テレビが制作したドラマ「リアル・クローズ」で出演者が着用した商品の一部を連動するネット販売サイトで販売。当該商品がすぐに完売するなど好調だった模様。テレビ局の広告収入が目減りする中、テレビを活用した物販展開は既存のテレビ通販番組という方式以外でも増えそうだ。

新日本製薬 中国で化粧品通販展開へ、今春にも現地法人設置


 化粧品や健康食品等の通販を手掛ける新日本製薬(本社・福岡市中央区、後藤孝洋社長)は、今春にも中国へ進出する。現地法人を設け、基礎化粧品を中心に通販と店販を行う予定で、初年度で売上高を1億円とする計画だ。同社はこの数年、基礎化粧品の「ラフィネ」シリーズが好調で、前期(2009年11月期)の通販売上高は、前期比20%増の161億円と高伸。好調な基礎化粧品を軸に業容の拡大を推進、中国での事業展開に当たっては、現地法人の株式上場も視野に入れる。


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インデックス 中国で仮想モール展開、TV・カタログも視野に

モバイルサイトの構築事業などを手がけるインデックス(本社・東京都世田谷区、渡辺和俊社長)は中国でネット販売事業に参入する。1月4日、中国の最大手小売グループ「全国華聨商厦集団(フォアレングループ)」と包括的な業務提携で合意。中国国内での通販事業やポイント交換事業などを展開していく考えだ。まずは今年7月までに仮想モールを開設する構想を立てており、中国国内のメーカーやフォアレングループの小売企業のほか、日本の通販事業者などにも出店を促す。また、自社グループ企業のノウハウを活用し、各通販媒体で利用できるポイントの付与も行っていく構えだ。

 このたびの業務提携では、中国国内でテレビ、カタログ、ネットによる通販を行うことで合意。

 まずは「最も確度が高い」(インデックスHD)仮想モール事業から展開する。

 開設する仮想モールでは、インデックスがサイト構築やポイントなどのシステム面を担当。フォアレングループが店舗の招へいや商材の調達などを行う形となる見込みだ。
 
 ただ、中国で商品を販売したい日本の通販企業も出店店舗の対象として見ており、そうした企業の窓口としての役割をインデックスが担当する構想のようだ。まだ構想段階で具体的な計画は決定していないため、出店店舗の目標数などは不明。
 
 また、インデックスグループでポイントサービス会社を抱えている強みを活かし、ポイント交換サービスにも着手。購入者に対しポイントを付与して仮想モールで利用できるようにするほか、テレビやカタログの通販などでも使える仕様にする考えだ。


ネットプライス、ビヨンド社など 合弁会社を新設、高級ブランドを格安でネット販売

 ネット通販事業などを行うネットプライスはカナダのネット販売事業者、ビヨンド・ザ・ラックなどと組み、12月22日から、会員制で衣料品やアクセサリーのブランド品を期間限定・格安でネット販売する新会社を立ち上げた。1月下旬から高価格帯のブランド品を定価の5―7割引きで販売する。同ビジネスモデルは昨年3月に日本法人を立ち上げた米ギルト・グループがすでに実施、好調に売り上げを伸ばしており、ネットプライスは一定の需要があると判断した模様。初年度で10億円の売上高を目指す。

 ネットプライスはデジタルガレージ(DG)とビヨンド・ザ・ラック、海外投資家と共同で合弁会社「ブランディシモ」を立ち上げ、ビヨンド社がカナダで展開する会員制ネット販売の日本版サイトを開設。1月下旬から営業を開始する。本社は東京・千代田区に置いた。

 出資比率は明らかにしていないが、ネットプライスおよびDGの出資比率は20%以下のようだ。新会社の社長には「国内外のファッション事情に精通し、通販サイトの運営などの経験がある」(ネットプライス広報)高岸Jules治恵氏が就任。なお、同氏は出資会社との関係はないようだ。

 新会社では登録会員制通販サイトを新設。高級ブランドの衣料品や貴金属、鞄を定価の50―70%引きで基本は一ブランドごとに「イベント」と称して2日から4日間という期間限定で販売する。1月下旬の販売開始時は週に3イベントから開始。半年以内に1日7イベントを毎日立ち上げるとしている。

 展開するブランドについては「一流ブランド」(同)としているが具体名は現状、明らかにしていない。今後、販売期間が限られていることで在庫保持期間を短縮、現金化できる強みを武器に過剰在庫を抱えるブランドなどに参加を呼びかけ、初年度で250社と取引したい考えで「日本ではあまり値下げされていない商品なども幅広く取り扱う予定」(同)としている。

 今後は出資会社であるDGグループが保有する集客ノウハウなどを活用し、新規登録会員を拡大させる考え。初年度の売上高目標は10億円を見込む。

 会員制かつ期間限定で一流ブランドを格安で販売するネット販売モデルは米ギルト・グループが先行して展開中。昨年3月には日本法人を立ち上げて、日本でも同様の形でネット販売を展開。ギルトによれば、日本では今年末までに会員100万人、4年以内に売上高500億円が目標としているが、開始半年の売り上げは「計画の1.5倍で推移している」としており、好調に推移しているようだ。

 ネットプライスはギルトと同様にカナダや米国で昨年2月から会員制でブランド品のネット販売を行い、1年足らずで40万人の会員を集め、好調なビヨンド社などと組み、日本で会員制ネット販売を行うことで、ギルトに日本法人と同様に一定の需要が取り込めると判断した模様だ。

ニュースの断層・7&iHD ネット販売、成長戦略軸に、〝勝ち組連合〟を構想

 12月7日、「セブンネットショッピング」を開設し、グループとしてのネット販売の取り組みを本格化させたセブン&アイ・ホールディングス(7&iHD)。ネット販売を今後のグループ成長戦略の主軸に位置付け取り組みで、既存の経営資産である有店舗とネットを融合した展開手法の確立を目指すとともに、ネットを軸にコンテンツホルダー等とのアライアンスを強化していくという。有力小売事業者にとっても、ネット販売は看過できないチャネルとなっており、今回の取り組みに掛ける意気込みは強い。

 7日に開設した「セブンネットショッピング」は、セブンアンドワイやイトーヨーカ堂の通販サイトを統合した、いわばグループの基幹となる通販サイトで、運営は書籍やDVDのネット販売で実績を持つセブンアンドワイ(12月7日付でセブンネットショッピングに社名変更)が担当する。

 サイトについては、書籍やDVD、雑貨、食品など11カテゴリー・500万アイテムを扱う「ショッピング」と「こだわり専門店」で構成。

 このうち「こだわり専門店」については、既に32の専門店が出店しているが、「スタジオジブリ」「avex SHOP」など、強いコンテンツを持つショップが名を連ねる。この背景にあるのは、やはり7&iHDの販売力や商品開発力の高さなどに対する期待感だろう。

 「こだわり専門店」への出店業者としては、まず「セブンネットショッピング」での売り上げの獲得を目指すことになるが、7&iHDが百貨店やGMS、コンビニなど多様な業態を持っており、幅広い客層へのアプローチが期待でき、7&iHD側との商品共同開発、あるいはグループ店舗での商品販売など展開の拡大の可能性も出てくる。無論、7&iHD側としても、有力なコンテンツホルダーの取り込みにより、ネット販売とリアル店舗双方での差別化につながるわけだ。

 こうした点については、7&iHDでも、既に「流通クラウドプラットポータル」という構想を打ち出している。

 これは、7&iHDグループの商品開発力や販売力と取引先が持つ商品やサービス、技術などの経営資産を互いに共有し、新たな価値を創造するというもので、メディア、コンテンツ、メーカー、店舗の各分野で取り組みを進める方針だ。

 実際、メディア分野では提携関係にあるヤフーとの取り組みを行うほか、出版社やDVDメーカー、プロダクション等との連携を強化する意向で、「こだわり専門店」に出店するavexとコンテンツ制作を行うことも視野に入れる。また、ネットでのテストマーケティングや予約販売など、新たな販売機会の提供を通じたメーカーとの関係性強化、「セブンネットショッピング」で収集した顧客属性情報等のグループ各社での共有も進める考えだ。一方、今回の取り組みでは、リアル店舗とネットを融合したモデルの構築を標ぼうしているが、この点でも強みを持つ。商品の受け渡し・決済の主戦場となるコンビニを見ても、「セブン―イレブン」は、全国37都道府県で約1万2,500店舗(09年11月末現在)を展開するが、酒類や加工食品等のネット販売「セブン―イレブンネット」の展開を通じ、加盟店側のオペレーションはこなれており、ネット販売に対する意識も高いはず。ネット販売での商品の受け渡しや決済などに不安を感じる顧客も少なくないが、既に店頭で質の高いサービスを提供できる素地はあると見ていいだろう。

 既に他の大手流通企業でもネットの取り組みに力を入れているが、依然、店舗の補完的な位置付けから脱し切れていない観もある。「セブンネットショッピング」に関し2012年に売上高1,000億円を計画する7&iHD。ネットをグループ成長戦略の主軸に据え、既存の経営資産を絡めながら新たな流通の勝ち組連合を作っていくという戦略は、他の有力流通業者にインパクトを与えることにもなりそうだ。

東京都 「薬事法」違反の広告掲載、広告主えがおに〝異例〟の処分

 食品衛生や薬事衛生に関する行政の最新情報などを提供する東京都のメールマガジン「食薬eマガジン」が健康食品通販等の関係者の中で物議を呼んでいる。11月27日発行号(139号)に掲載された健食通販事業者の広告で「薬事法」に抵触する表示があったためだ。都は、事業者からの指摘で初めて事実を把握。表示内容が不適切とし、所管自治体を通じ、広告を出稿した健食通販事業者を処分する意向を示している。薬事行政等の情報を提供する自らのメルマガの掲載広告ついて事業者を処分するという異例の展開に、事業者側からは都の対応に不信感を抱く声も出ている。

 「東京都食薬eマガジン」は月2回発行されているメルマガで、登録会員数は約4,700百人。配信は、まぐまぐに委託している。

 今回問題となったのは、11月27日発行の「東京都食薬eマガジン」の冒頭に「PR」と題して掲載された健食通販品事業者えがおのPR広告。「べルト周りが苦しくて・・・"ポッコリが気になっていた"俺が、『最近スリムになったわね』って久しぶりに妻にホメられた。ホメられたのは○○パワーのおかげ!そのパワーの秘密って?」というコピーの下に「えがおの黒酢」のキャンペーンサイトにリンクするURLを記載したもので、リンク先のサイトでも類似した表現を使い、男性の腹部の画像を掲載していた。

 この内容について、一部の健食関連事業者などが「メタボリック症候群を暗示している」(関係者)として都に抗議。薬事監視課に問い合わせた関係者は、「都は、問題のメルマガを見ておらず、広告表示のことも把握していなかった」という。メルマガ配信を担当する福祉保健局によると、薬事監視課だけではなく、「他の表示関係担当部署にも、問い合わせがきている」(食品医薬品情報係)状況だ。

 一方、広告の内容について薬事監視課では、「ポッコリ」「スリム」「○○パワー」といった文言から、「医薬品的な効能効果を暗示し、未承認医薬品の販売に当たる可能性がある」と指摘。えがおの本社が所在する熊本県に情報提供を行う意向だ。

 今回の問題を巡っては、メルマガを発行する東京都、広告主のえがお、メルマガ配信を受託するまぐまぐの3者が関与しているが、それぞれ対応に問題があったと言える。

 まず、都に関して言えば、自らが発行するメルマガに掲載される広告の内容を全く関知していなかったことが挙げられる。メルマガに掲載する広告はまぐまぐ側で決めるもので、都に選択権はなく、メルマガ本文とは一切関係がない。これが当初の都のスタンスで、11月30日にメルマガ臨時号を出し、同様の主旨を伝えている。

 だが、事業者を指導する立場にある都のメルマガに法令違反が疑われる広告が掲載されること自体、事業者側の混乱を招くことになる。この点については、一部の事業者からも強い反発があったもようで、都でもメルマガへの広告掲載を取り止め、有料化する方向で検討。「監督不行き届きで、事業者の誤解を招きかねない広告が掲載され、申し訳ない」(食品医薬品情報係)としている。

 無論、広告を制作したえがおにも問題がある。同社によれば、広告制作はコンサルティング会社に委託しおり、熊本県に内容を照会した上で各媒体に出稿しているという。ただ、中には、自治体によって「薬事法」に抵触すると判断されかねない内容のものもあったようで、今回のケースは都の基準でアウトになったというのが同社の見方だ。

 えがおでは、今回の問題を受け、当該キャンペーンサイトを停止。まぐまぐに対しても、改めて広告出稿に関する照会を行う考えで、場合によっては「メルマガへの広告出稿を止めることも検討する」(同)としている。

 一方、健食通販事業者からは、「都のメルマガに健食通販の広告を載せること自体、配慮に欠けるのではないか」とし、広告掲載メルマガの選定手法を疑問視する声が浮上しているが、まぐまぐでは、自社の掲載基準に基づき広告主や代理店と相談した上で広告を掲載するメルマガを選定していると回答。「都のメルマガを指定して広告を掲載することはあり得ない」とするえがお側の主張と食い違う点もあるが、法令違反と見なされる広告の掲載事例が出た以上、内容チェック等の対応を再考する必要もありそうだ。

 三者三様に問題はあるが、都の立場を考えれば自らが発行するメルマガへの法令違反が疑われる広告掲載を見逃した責任が大きいのは確かだ。

フジ・メディアHD セシールを完全子会社化、通販の中間持株会社設置へ

 フジ・メディア・ホールディングスとその子会社のフジ・メディア・サービス、セシールは11月25日、セシールをフジ・メディア・サービスの完全子会社にすると発表した。同日開催の取締役会で決議したもので、あわせて株式交換契約を締結。セシールは、来年2月に上場廃止となる。今後、フジ・メディアHDグループ内に設ける中間持株会社の下にディノスとセシールを配置する形での通販事業拡大の方向性を検討していく考えだ。

 フジ・メディア・サービスは今年5月から7月にかけてセシール株の公開買い付けを行い、11月25日現在で持株比率78.06%に当たる3,382万3,229株を保有。これまで、フジ・メディアHDとディノス、セシールの三社で通販事業の展開手法などについて検討を進めてきた。今回の株式交換契約の締結は、通販事業における施策の展開や意思決定の迅速化、経営資源の有効活用を図るためにセシールの完全子会社化が必要と判断したもので、来年1月に各社が開催する臨時株主総会で承認を得る運びだ。

 セシールは、2月24日付で上場廃止となり、株式交換契約の効力発生日である来年3月1日付でフジ・メディア・サービスの完全子会社となる予定。フジ・メディア・サービス以外の株主に対しては、上場廃止の代替措置として一株当たり180円を支払う。

 一方、ディノスとセシールの連携ついては、フジ・メディアHDグループ内に通販事業を統括する中間持株会社を設け、両社をその傘下に置く方向で検討を進める考え。当初は合併も有力視されていたが、「これまでの検討作業を踏まえ、総合的に判断した結果」(セシール広報室)、中間持株会社方式を選択したという。

 現状、中間持株会社方式を選んだ具体的な理由は不明だが、合併により間接部門の統合などの効率化が期待できる半面、両社が保有するブランドや顧客情報、社員の扱いなどの問題もあったと見られる。フジ・メディアHD側では、通販事業を新たな収益の柱にする意向があり、両社が得意とする分野に注力しながら、双方の顧客基盤を活用し展開の拡大を図ることが得策と判断したようだ。

 具体的な連携策については、これから詳細を詰めていく段階だが、まず双方の顧客基盤を有効活用することから着手。既に11月5日からそれぞれの通販サイトに相互リンクを張り送客をする試みを行っており、今後、既存顧客へのカタログやチラシの送付なども行う見込みだという。

 ただ、他の通販企業の見方は冷ややかで、「客層があまりにも違い過ぎ、上手くいくとは思えない」(某総合通販経営トップ)といった声も浮上。フジ・メディアHD側の思惑通りにシナジー効果が得られるか、今後の動向が注目されるところだ。

好調企業の研究・健康ホールディングス 「クッキー依存」から脱却、M&Aも積極展開

 健康ホールディングスの業績が好調だ。2010年3月期は過去最高益を達成する見通しで、08年3月期の最終赤字転落から、V字回復を果たすかっこうだ。業績不振の要因は、ダイエットクッキーの販売低迷や、広告宣伝費の増加にあった。ダイエットクッキー1本やりの単品通販から脱却、美容健康事業に軸足を移すことで収益力を高めている。

 ダイエットクッキーのネット販売で名を馳せ、順調に売り上げを拡大してきた同社(創業当時は健康コーポレーション)の業績が悪化しはじめたのは、07年度のこと。売り上げのほとんどを占めていたダイエットクッキーの類似商品が多数登場し、競争が激化。売り上げ不振に加え、広告宣伝費が重くのしかかかり、08年3月期は赤字に転落した。

 同社では、クッキーの売り上げに依存した体制から脱却すべく、事業の多角化を図った。07年2月に、美容機器の製造やOEMを手がけるジャパンギャルズを買収。08年1月から売り出した家庭用超音波美顔器がネット販売で大ヒットとなった。好調の理由は、「定価3万8,800円の本体を980円で販売」という宣伝文句。専用のジェルを3本購入する必要があるが、割安感から興味を引かれる消費者は多いようだ。

 今期に入ってからも、欠品が出るなど好調を維持。子会社で健康食品や美容機器を販売する、健康コーポレーションの09年9月中間期の営業利益は、2億7,700万円(前年同期は5,600万円の営業損失)。3年前(06年9月中間)の営業利益は、ほとんどがクッキーによるものだったが、現在は売り上げの約8割が美顔器。「ジェルで稼ぐ」という販売形態が奏功し、利益面でも業績回復に大きく貢献している。

 利益が回復したもう1つの理由は、広告を効率の良い媒体に絞ったこと。以前は売り上げを拡大するため、大量に出稿していたが、現在は「黒字になる広告に限定している」(瀬戸健社長)。美顔器だけではなく、クッキーでも利益を出せる体制となった。

 また美顔器では、ジェルを定期的に発送する販売形式を採用しているが、「今後は投資効率を考えて、新規獲得よりもジェルの定期継続に力を入れる」(同)ことで、利益率のさらなる向上を目指す。

 瀬戸社長は「美顔器はダイエットクッキーの5倍の速度で売り上げを伸ばしている」と話す。大手家電メーカーの参入など、美顔器市場の成長性の高さから、同社では今後も売り上げはまだまだ伸ばせると見ているようだ。ただ、同社の場合、ダイエットクッキーで売り上げを伸ばしたものの、類似商品の登場により大きく売り上げを落とした過去がある。同じ轍(てつ)を踏む心配はないのか。

 「誰でも参入できるクッキーに比べて、一定の投資が必要な美顔器は参入障壁が高い。さらには、家電メーカーとも販売形態が違う」(同)。類似商品が登場した場合でも、サービスレベルやブランド力の向上などで差別化を図る考えだ。

 今後はM&A(合併・買収)も積極的に展開する予定で、通販会社の買収も視野に入れる。

サンギ 通販事業復活へ、10月からネット販売開始

021.jpg 薬用「ハイドロキシアパタイト」配合の美白系の歯磨き商品「アパガード」などオーラルケア商品の開発・製造を手掛けるサンギは今期、通販事業の再強化に取り組んでいる。これまで美白機能訴求型の高級練り歯磨きを中心にダイレクトメール(DM)を使った通販を行ってきたが、10月6日に自社通販サイトを開設。店販商品も含めた全商品(OEM商品除く)を購入できるようにした。同社は、通販から店販に事業領域を広げてきた経緯があるが、利用の拡大が進むネット販売への対応を図ることで新たな顧客の開拓ルートを構築する考えだ。

 「芸能人は歯が命」。タレントの東幹久さんと高岡早紀さんを起用し、テレビCMで知名度を上げ、ドラッグストア等でも商品を展開する同社だが、もともとは通販をメーンとしてきたことは意外に知られていない。

  同社が通販を本格的に開始したのは、「アパガード」シリーズを発売した1985年頃で、店販での展開を積極化し始めたのは先述のテレビCMを投入した95年頃からになる。

  それまで通販で展開していたのは、「アパガード」シリーズの最上位商品「アパガードロイヤル」と健康飲料の「おから茶」。新聞や雑誌などの紙媒体で新規顧客を獲得する手法で売り上げを伸ばし、ピーク時で7億円を売り上げていた。メーンの客層は50代女性。この層は一度商品の良さが分ければ、ブランドチェンジをしにくいが、同社でも「商品に対するロイヤルティが高い顧客が多い」(コンシューマー事業本部事業戦略部)という。

  自社の特徴を反映した独自性の高い商品を持ち、強固な顧客基盤も有する。こうした点では、メーカー通販の基本的な成功の条件を揃えていた同社だが、店販へ本格参入して以降は、広告出稿を抑えたことなどもあり、通販事業は失速。前期(08年3月期)の通販売上高は5,000万円程度(全社売上高は約27億円)となっていた。

  こうした状況を踏まえ同社は、今期から通販事業の取り組みを積極化。この一環として、ネット販売に乗り出した形だ。

  今回のネット販売で主眼としているのは、まず、これまで疎かになっていた新規顧客の獲得だ。  10月に開設したサイトでは、店販商品も含む同社の全商品を販売。これには、店販チャネル(全国約2万店)の補完の意味合いもあるが、特にネットとの親和性がある若年層顧客の開拓につなげたい考え。このほかに、今期に入ってから週刊誌への広告出稿も再開。「そこそこレスポンスが取れている」(同)という。

  通販事業の復活に乗り出したサンギ。現状、ネット販売の専任部署は設けておらず、受注業務なども外部に委託している形だが、業容拡大に合わせ、体制の強化を図っていくものと見られる。その足掛かりとして、今期は通販売上高1億円を目指す。

キューサイ 健食の職域販売開始、5年後に売上高50億円計画

 キューサイは健康食品の職域販売に乗り出した。オフィスに勤める若い客層の開拓を狙ったもので、11月から東京都内の事業所へ"置きサプリ"用販売什器の設置を開始。「粉末青汁」など通販でも扱う商品を中心に6品目を販売している。通販に続く事業の柱に育成していく意向で、1年後に販売什器設置事業者を1万カ所に拡大、5年後に売上高50億円を目指す。

 今回の"置きサプリ"は、30―40代のオフィスワーカーの獲得を狙ったもの。今年1月から半年間、福岡市内でテストを行ったところ、1事業所当たりの平均年間売上高が4万円になる計算と予想以上の成果があったことから、オフィスの多い東京都内での展開に乗り出すことにした。

 "置きサプリ"で扱っているのは、「粉末青汁」や「もろみ酢」など通販でも扱っている商品で、容量を変え1個100円で販売。オフィスに設置する商品説明付きの販売什器に取り付けられた料金箱に代金を入れて商品を購入する仕組みで、週1回の頻度で商品の補充および代金の回収を行う。現状、6品目での展開だが、これを10品目程度にまで拡大させる意向で、"置きサプリ"専用商品の投入も視野に入れる。

 一方、都内での展開に当たっては、置き菓子事業を手掛けるオフィス・コンビニエンス・デリバリー(OCD)と提携。OCDが自前で構築した置き菓子ルートを活用し、"置きサプリ"設置先の開拓を行うほか、商品補充や代金回収も受託する。このほかに営業活動を他社に委託し、キューサイ独自の販売ルート開拓も行う。

 現状、キューサイの主要客層は50代以上となっており、"置きサプリ"を足掛かりとした若年層の通販利用にも期待している。11月からスタートした東京都内での動向を見た上で、他の大都市部での展開も検討していく考えだ。

プライム 金探鉱のジパングと合併、ジパング・HDに商号変更、債務超過から脱却へ

 プライムは10月28日、金鉱山の探鉱事業などを手がけるジパングを1月1日付で吸収合併すると発表した。これに伴い、プライムは商号を「株式会社ジパング・ホールディングス」に変更する。プライムは業績低迷から脱却できず、前期は債務超過に陥っていた。ジパングの吸収合併により、債務超過の解消と財務基盤の強化を図る。また、通販事業以外に金生産事業という異なる事業基盤を持ち、景気に左右される小売業のリスク軽減を狙う。

 プライムは1月1日付でジパングを株式交換方式で吸収合併する。存続会社はプライムでジパングは解散する。これに伴い、プライムは同日付で商号を「株式会社ジパング・ホールディングス(JHD)」に商号変更。また、ジパングの松藤民輔社長を含む同社の取締役クラス7人が「新生プライム」となるJHDの取締役に就任する予定で既存のプライムの取締役5人とあわせて、12人の役員体制となる。なお、同社の通販ブランド「プライム・ショッピング」という名称は継続して使用する。

 前期(09年3月)末で純資産約35億円のジパングの吸収合併により、プライムは財務状態を改善・強化。これにより、前期決算で陥っていた債務超過状態から脱却。懸念されていた2期連続の債務超過状態による上場廃止を免れることになりそうだ。

 また、資金繰りが改善されることで、ネット販売を軸とした通販事業の体質改善を進める。加えて、ジパングの金鉱山の探鉱事業や金の生産事業などを手がけられるようになり、新たな事業も展開。景気に左右されがちな小売業のリスクを軽減する狙い。

 一方のジパングは米ネバタ州に保有する2つの金山を軸に金の生産事業を展開中。プライムとの合併で同事業拡大のための人材確保とプライムが持つテレビメディアによる告知効果で投資家集めに期待。これにより、新たな海外の金山の買収を進める狙いがある。

 また、ジパングは昨年10月にアスクリンクと合併。これに伴い、温浴施設やホテル、飲食店の運営などの事業なども手がけている。これらの事業とプライムの通販を含む小売事業との相乗効果などを視野に入れているようだ。

 プライムはここ数年、ヒット商品の不在などが影響して業績低迷から抜け出せず、前期(09年6月)は売上高が約69億円、営業損失は約17億円を計上。また金融事業撤退に伴う特損発生などで債務超過に陥っていた。今回打った今回のジパングとの合併という一手。これにより、債務超過という危機から脱却。またプライムが中期経営計画でも発表していたネット販売などを軸とした次代の通販事業への脱皮を実現できる当面の資金も獲得できたことになる。

 とは言え、プライムのここ数年の業績低迷の本質的な原因は「売れる商品を生み出せない」ことが大きく、この問題がクリアされねば、今回の資金と機会は水泡に帰す可能性もある。今後、ネット販売などの「売り場」の強化を進めつつ、いかに根本である「ヒット商品」を生み出せる体質を作り出せるかに通販事業の復活のカギがありそうだ。

ケンコーコム 来年、アジアで通販開始、シンガポール拠点に医薬品中心のサイト開設

013.jpg ケンコーコムはシンガポールに現地法人を設け、海外事業の展開に乗り出した。広告表示等の規制が日本よりも緩やかで物流インフラが整備されているシンガポールを世界各国向けのネット販売のハブにする狙いで、海外向けの通販サイトも開設。物流・決済の稼動を確認した上で、来年中に中国や韓国などアジア向けの展開を始める計画だ。

   ケンコーコムは9月、シンガポールに健康関連商品の国際的なネット販売事業を手掛ける現地法人「ケンコーコム シンガポール プライベート リミテッド」(以下KCシンガポール)を設立。資本金は1,000万円(ケンコーコム100%出資)で、社長にはケンコーコムの朝倉大輔リテール統括室長が就いた。

 10月26日にKCシンガポールが運営する通販サイトを開設し、日本製の商品を中心に第1類および第2類医薬品など約2,500アイテムを販売。商品は、現地の委託物流事業者の倉庫に在庫し、航空便で各国の顧客に届ける。

 販売方法としては個人輸入の形で、配送料金は一律650円(購入代金8,000円以上の場合は無料)。在庫のある商品であれば、注文から1週間前後で届けられるという。決済は日本円でクレジットカードに対応する。

 同社では海外向けの事業展開について、00年に「ケンコーコム」サイトを開設した当初から視野に入れていたが、広告表示や健康食品等の輸入販売など過剰な規制のある日本を拠点とした展開は難しいと判断。今年6月の改正「薬事法」施行に伴う医薬品ネット販売の規制強化で、医薬品の売上高が大幅に減少している状況などもあり、このタイミングで海外事業に踏み出したようだ。

 一方、今回の事業は、海外在住の日本人や海外の顧客を前提にしたものだが、実際には日本国内の顧客も商品を購入することができる。この点については、海外法人が運営するもので、厚生労働省にも「法的な問題はないことを確認している」(後藤社長)という。

 今後、ケンコーコムでは、日本の顧客を想定した展開で決済や物流の仕組みが正常に稼動するかを確認し、年内中にも海外在住日本人向けの事業を本格化。来年にはアジア向けの展開に着手する計画で、健康食品や化粧品などの取り扱いも進める意向だ。

 同社の試みは、広告表示等の規制が過剰な日本を拠点に、海外事業を拡大させることは困難という判断によるものだが、他のネット販売事業者でも、同様の動きが出てくる可能性もありそうだ。

 

ガシー・レンカー・ジャパン 優良顧客の会員制度発足、キックオフパーティーに80人出席

104.jpgガシー・レンカー・ジャパン(GRJ)は10月18日、優良顧客向け会員組織の発足を記念し、都内ホテルでパーティーを開催した。東京地区在住の優良顧客80人を招待。フルコースの料理を振舞い、くじ引きやミス・ユニバース・ジャパンの総合プロデューサー、イネス・リグロンさんとの記念撮影会などを実施した。(特集企画に関連記事)

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イマージュHD 衣料品販売で提携模索、8月中間は黒字転換

 イマージュホールディングスは、衣料品販売で外部企業との提携を目指す。20098月中間の連結業績は、通信販売事業の採算改善などにより、利益面で当初の予想を上回ったものの、衣料品カタログでは個人消費低迷の影響を受け、一人あたりの購入単価の低下が顕著となっており、下期は販売効率の悪い顧客へのカタログ配布を取りやめる方針。今後はネット販売へ注力するほか、会員を保有するネット企業などと組むことで、販路を広げたい考えだ。

 

 客単価の低下傾向が長期間続いていることもあり、提携による販路拡大を狙う。提携する企業に関しては「通販企業に限らず模索したい」(明賀正一取締役)としている。

 

 カタログ部数を削減することや、秋冬カタログの立ち上がりが弱含みなこともあり、20102月期の連結売上高は従来予想を15億円下回る前期比27.4%減の190億円と予想している。

 

 営業利益と経常利益は据え置いているものの、当期純損失は店舗販売事業撤退による追加損失が発生しない見込みとなったことから、従来予想を5,000万円上回る5億円の黒字(前年同期は281,000万円の赤字)を予想する。

 

 20098月中間の連結業績は、営業損益が4400万円の黒字(前年同期は41,000万円の赤字)となった。店舗販売事業から撤退したことで黒字に転換。従来の予想を15,400万円上回った。一方、売上高は通信販売事業が計画通りに推移したものの、店舗から撤退したことで前年同期比27.9%減の908,400万円だった。

 

 経常損益は35,600万円の黒字(前年同期は43,500万円の赤字)。当期純損益は、投資有価証券売却益1億円と南保正義前社長が役員退職慰労金を辞退したことによる債務免除益19,700万円を特別利益として計上したことで、37,000万円の黒字(同173,600万円の赤字)となった。

 

 通信販売事業の売上高は前年同期比12.1%減の886,700万円。衣料品カタログの購入単価が低下したほか、化粧品の売上高も前年をわずかに下回った。営業利益は単価の低下による配送費負担の上昇や、安売り商品の販売比率が高まり利益率が低下したことなどにより、59,700万円(同26.7%減)となった。

ニトリ 店舗・通販ともに業績好調、値下げ品目拡大が奏功

 ニトリは実店舗、ネット販売ともに業績が好調だ。今年上期(38月期)の全社売上高は前年同期比18.8%増の1,388億円、営業利益は同50.9%増の237億円、純利益が同30.3%増の112億円となった。ネット販売の詳細は公表していないものの、今年3月から始めたアウトレットコーナーなどが人気で売り上げは好調に推移。年間トータルでは昨年度の30億円強を大きく上回る見通しだ。

 今上期のニトリの躍進は、昨年5月に行った「値下げ宣言」の効果が大きい。商品の材料仕入れ先の見直しによる原価低減効果と、前年同期比約9円の円高によるメリットから、売れ筋商品の値下げに踏み切ったニトリ。一度値下げした商品は元の価格に戻さない方針で、段階的に対象商品を約2,000品目まで広げた。

 値下げにより上期の客単価は前年同期比6.8%のマイナスとなったものの、客数は同18.9%増を記録。店舗、ネット販売ともに値下げしていない商品も"ついで買い"され、結果として大幅な増収増益につながったようだ。下期以降については、「値下げ効果は限定的」(似鳥昭雄社長)としており、昨年後半からの大幅な成長局面は一服しそうだ。

 一方で、のびしろの大きいネット販売では成長が続く見通し。現在、通販商材は実店舗に比べて半分以下のため、これを早急に店舗の80%程度までラインアップを整え売り上げ増につなげる。

 この一環として、物流拠点では壊れやすい商品の梱包・配送実験などを行っており、ネット限定商品の開発とともに通販商材拡充への取り組みを加速するという。

ディノス、専用電話で顧客対応、「ダーマコンシェルジュ」細かな疑問に素早く回答

 ディノスは924日、高額衣料品カタログ「ダーマ・コレクション」の顧客向けに服選びの助言や細かい疑問に対応する専用電話での接客を開始した。受注用コールセンターでは対応しにくい商品の風合いやコーディネートなどの疑問や助言を専用スタッフが対応する。衣料品は他ジャンルと比べ返品率が高い。事前に商品の特徴を伝えることで、返品率の低減と顧客満足度を高める。今後はアップセルも実施し、売上増にもつなげる狙い。

 開始した高額衣料品カタログの顧客向け専用電話対応サービスは「ダーマコンシェルジュ」。ディノスの本社内のコールセンターのスペースの一角に専用回線を用意。東京・台場にあった実店舗「ダーマ&カーラ」(今年7月末に閉店)のスタッフのほか、新規に採用した衣料品販売経験者など8人の専用スタッフが対応する。対応時間は午前10時から午後6時。

 ブース近くに実際の商品を置いて、当該商品を手に取りながら、カタログ上では判断ができない「風合い」や「サイズ選択」、「このブラウスにはどんなボトムスが似合うのか?」といった質問への助言などに対して電話で対応する。

 従来から美容健康商品や家具・インテリアの質問に特化した専用ダイヤル「ハウスタナビ」や「美健ダイヤル」を設けてきたが、対応するのは商品知識に関する教育を施したコールセンターのコミュニケーターだった。衣料品の場合、機能の説明ではなく、着心地や風合いなどの質問が大半であることから、初めから衣料品販売の経験がある専門知識を持ったスタッフに対応させた。

 同サービス開始の狙いは返品率の低減。同社によると、他のジャンルに比べて、ファッションアパレルは返品率が高い。素材に毛皮や皮など自然素材を使用したものの場合、収縮性がないためにサイズへの不満が高く、かつ高額であるために結果として返品につながるようだ。「事前に商品の特徴やメリット、デメリット、商品のケア方法などを伝えることで買物時の満足度があがり、結果として返品率も低くなる」(「ダーマコンシェルジュ」責任者のファッション部・門脇千恵子氏)。

 今後は「普段着用するブランドを伺い、それに合致した商品の提案なども行ないたい」(同)としてアップセルも検討。また、返品率の変化や利用状況などを見ながら「ダーマ」以外の衣料品に関しても同様のサービスを広げる考えだ。

ムトウ、10月から「スクロール」に 社名変更で販促強化、キャンペーン費用3億5,000万円

ムトウが101日の社名変更にあわせてキャンペーンを行う。10月から静岡県を中心にテレビCMを放映するほか、ラジオ番組の提供・出演や車両広告なども展開。通販事業では「スクロールスペシャル」として、ブーツや下着などをセール価格で販売する。生協事業でも特別媒体を発行し、企画商品を掲載する。同社では、今期中にキャンペーン費用として35,000万円を見込んでいる。

 ムトウは「スクロール」に、子会社のムトウマーケティングサポートは「スクロール360(さんろくまる)」に社名を変更する。これに伴い、10月から静岡県を中心に、2030代の女性をターゲットとして、夜の時間帯にCMを毎日放映する。放映地域は徐々に広げていくという。CMはニューヨーク・パリ・ミラノで撮影。来年からはミニ番組の提供も行う予定だ。

 プロバスケットボールbjリーグの「浜松・東三河フェニックス」とスポンサー契約を締結したほか、地元のFM局への番組提供や堀田社長の番組への出演、静岡県内のJR東海道線や遠州鉄道の車両広告なども展開する。同社では「3年ほどのスパンで認知度を高めたい」としており、社名が変わったことを告知するのではなく、「スクロール」という新ブランドが登場したことをアピールしたい考えだ。

 通販事業では「ラブ&サプライズキャンペーン」を行う。限定感・おしゃれな女性が企画したこと・お得感を前面に打ち出した「スクロールスペシャル商品」を販売。文化女子大学の学生と共同で開発した2,990円のブーツや、1,990円のロングTシャツ、女性下着大手のトリンプとの共同企画商品などを売り出す。ネット通販のほか、101日に発行する冬号のカタログにも掲載する。

 ネット販売では、新たに購買履歴から関連商品を表示するレコメンドや商品レビューを導入。大型家具の組み立て設置サービスも、ネットからの申し込みを可能にした。その他、さまざまなブーツを紹介する「Boots!100 Styleコンテンツ」などの企画も行う。

 生協事業では「HAPPYスクロールキャンペーン」として、旅行券やギフト券などが当たる全国一斉キャンペーンを行うほか、カタログは本紙7,750万部に加えて、社名変更記念として特別媒体を1,750万部発行する。

 キャンペーン・PR費用は合計で約35,000万円を予定しているが、販促キャンペーンは売り上げ増でカバーできるため、実質的には約17,000万円かかる見込み。

 同社では中期の目標として、売上高1,000億円の達成を掲げており、「今後はM&Aも検討したい」(堀田守社長)としている。

 

デジタルダイレクト、顧客の個人情報が流出 海外から不正アクセスでカードの不正使用被害も

090910_DD.jpg 三菱商事の通販子会社、デジタルダイレクトは94日、運営する通販サイトでクレジットカード番号を含む顧客の個人情報が外部に流出したと発表した。同社によれば海外からの不正アクセスによりクレジットカード情報やメールアドレス情報が流出。攻撃手法は明らかにしていないが、アプリケーションの欠陥を利用して、データベースを不正に操作する「SQLインジェクション」と見られる。先日は大手芸能事務所の通販サイトでもカード情報を含む個人情報が流出している。今回はカードの不正利用という「被害」が出ているだけにネット販売の安全性に対する消費者の不信感などが懸念される。

 デジタルダイレクトによると個人情報が漏れたのは同社が運営する通販サイト「saQwa(サクワ)ネットショッピング」と「fun style shopping(ファンスタイルショッピング)」の顧客の個人情報。現時点で流出が確認されているのは有効期限切れを含むクレジットカード情報が約52,000件、メールアドレス情報は約29,000件。このほか、ユーザーIDやログインパスワード、氏名、性別、生年月日、電話番号、住所などが流出した可能性があるという。

 同社によると629日にカード会社から、同社の顧客のクレジットカードが他社で不正利用されている懸念があると連絡を受け、社内のシステム部門で調査した結果、「そのような事実は確認できなかった」(重光社長)ことからカード会社にその旨を回答。ただ、713日に念のため、セキュリティ会社にも相談。その後、811日に再度、カード会社からカードの不正利用がある、と連絡を受け、再調査したところ、「2件の攻撃があった」ことが判明。820日にサイトを休止してセキュリティ会社にログ解析を依頼し、同31日に、海外からの不正なサーバーアクセスで個人情報の流出があったという報告書を受け取ったという。

 同社では821日時点で経済産業省と日本通信販売協会に連絡。クレジットカード各社と協議して不正利用防止策としてモニタリング強化を要請したという。不正アクセスに気がつかず、2カ月に渡ってカードの不正利用が続いたことについて同社では「6月の時点ではカード会社からの情報もあくまで"疑い"だった。きちんと調査するにはサイトを休止する必要があるが、(サイトの休止は)当社だけでなくパートナー企業の収益にも絡む問題で慎重な対応が必要だった」(重光社長)としている。

 個人情報が流出した可能性がある顧客にはメールと書面でその旨を連絡。また、特設専用回線を設けた。現状、電話での受注を受けているが、通販サイトは閉鎖中。再開の時期については、システムおよびマネジメント体制の強化が終了するまで、臨時休止を継続するとしており、「復旧の時期は未定」(同)。ギフト券の贈与など顧客への今後の対応については「まずは調査や対策が優先であり、現時点では未定」(同)。サイト休止で発生する被害額は「まだ試算できていない状況」(同)としている。

 なお、今回の個人情報の流出で先日発表したイオンとの資本提携は留保。「当初は8月末に株式譲渡が行なわれ、子会社となる予定だったが、今回の件にメドが付くまで、三菱商事の100%子会社として対応する」(同)としている。

 今年8月には大手芸能事務所のアミューズが運営する通販サイトでも海外からの不正アクセスで個人情報が流出している。相次ぐ個人情報の流出はネット販売への不信感を消費者に与える可能性が高く、ネット販売市場全体への悪影響が懸念される。

厚労省、特例販売の通販は〝脱法〟 医薬品通販訴訟の求釈明に回答

 医薬品ネット販売継続の権利確認等を求め、ケンコーコムとウェルネットが提起した行政訴訟で原告が提出していた求釈明の回答で厚労省が、特例販売業許可を取得した企業が広範囲に医薬品通販を行った場合、行政指導等の対象になるとの見解を示していたことが明らかになった。91日、東京地裁で開かれた2回目弁論終了後の会見で原告側が言及したもの。一部の伝統薬事業者が特例販売業許可を取得し、新聞広告等使って第2類相当の医薬品通販を行っているが、厚労省側が脱法行為に当ると見なした形になる。

 原告側は、求釈明(1回目)で、61日以降、店頭での情報提供が十分に行われていないことに対する取り締まりの考え方、特例販売業許可取得業者による通販が脱法に当たるか否かの見解、店頭では顧客が断れば第1類医薬品でも情報提供の必要がないのに対しネット販売だけ厳格に情報提供を規定する理由について、厚労省に回答を求めていた。

このうち、特例販売業関連について厚労省は、特例販売許可の範囲を超えて広く郵便等販売(通販)を行った場合、同許可の趣旨に反するため、都道府県による行政指導や、業務停止、許可取消の対象になると回答。問題は「許可の範囲」だが、もともと特例販売業は近隣に薬局等がない僻地の対応策で都道府県が認可することなどを考えると、全国の顧客向けに通販を行うのは認められないということになる。

一部の伝統薬事業者では、駆け込み的に特例販売許可を取得して医薬品通販を続けているところもあるが、今後の事業展開に影響が出そうだ。

ファッション衣料品上場3社の第1Q、増益はゾゾ1社のみ マガシークとスタイライフ、主力の売り場で苦戦

090827kigyo.gifファッション衣料品上場3社の第1四半期(46月)決算がこのほど出揃った。唯一、2桁増収となったスタートトゥデイだけが増益を達成。一方、マガシークとスタイライフはそれぞれ2.4%と4.1%の増収となるも、マガシークは減益、スタイライフは赤字となり、明暗が分かれた(表参照)。特にマガシークとスタイライフは主力事業としている売り場や媒体での苦戦が目立った。

売上高が前年同期比25.5%増の307,100万円と四半期ベースで過去最高となったスタートトゥデイは、4月から実施している送料無料施策が功を奏し、出荷件数を前年の1.5倍(54253件)に伸ばした。懸念された平均出荷単価の下落は前年同期比1,829円減の11,831円、販管費は同2.9ポイント増にとどめた。

送料無料施策は休眠顧客の活性化にも効果を発揮した。アクティブ会員48万人強のうち、8%以上が復活した会員だった。一方、総会員数の増加は116,096人となり、前年同期に比べ7,197人減少している。

マガシークは主力サイト「マガシーク」の売上高が前年同期比0.5%減の153,700万円と上場以来初の前年割れとなった。不況の影響を踏まえ、もともと正価が値ごろなカジュアルブランドを新規に取り揃えたことや、セールを6月中旬から前倒しで実施したことが、購入単価の下落につながった。

一方、アウトレット商品を専門に販売するサイト「アウトレットピーク」は売上高が前年同期比13.1%増の49,500万円と2桁伸長した。

また、利益面では減益となるも、期初計画値に対しては営業利益で245.3%増となり、予想を上回る進捗となった。新規開拓したブランドの仕入れ掛け率が、想定よりも低かったことが寄与した。

スタイライフは自社で発行する通販雑誌の不調が影響し、赤字となった。当該事業の売上高は前年同期比31.5%減の49,100万円、営業損益は8,000万円の損失(前年同期は6,400万円の利益)となった。

2社と比較して唯一、雑誌の自社媒体を持つ。しかし、昨今の出版不況の影響や発行する2誌で社内競合が起きたため、雑誌の実売率が低下。これに伴い通販売上高も減少した。

今後は通販雑誌「ルックス」と同姉妹誌「大人ルックス」で編集長を分ける。メーン顧客の年齢層が67歳、差が開くように紙面内容を変え、さらには「大人ルックス」を年2回から4回発行に増やすことで売上増を狙う。

ネット販売については、売上高が前年同期比2.5%増の8300万円、営業損益は5,500万円の損失(前年同期は1,500万円の利益)だった。受注件数は増加したものの客単価が減少、利益率の低下を招いた。また、今秋にKDDIと共同で開設するauにおけるファッション通販サイトに向けた先行投資が利益を圧迫した。


12月決算総合通販3社の中間期、消費低迷で軒並み減収に ネットは順調に拡大 収益性改善と価格対応課題 下期取り組み強化へ

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12月を決算期とする有力総合通販企業三社の2009年中間期業績が出揃った。今上期は、千趣会、ニッセン、セシールとも昨年来の景況悪化の影響で春カタログ商戦が苦戦し、通販事業全体では、いずれも減収減益を余儀なくされた。ただ、その中にあっても、ネット部門は順調な拡大を見せた。各社は、当面厳しい消費環境が続くものと見ており、今後カタログからネットへのシフトをさらに進め収益性の改善を図るとともに、顧客ニーズに対応した価格訴求型の施策を強化していく構えだ。

 

各社の通販事業売上高は、千趣会が前年同期比7.3%減の683億9600百万円(頒布会事業含む)、ニッセンが同1.7%減の681億1000万円(関係会社含む)、セシールが同9.0%減の295億2900万円で、いずれも減収だった。各社が挙げる減収要因は、カタログを中心に消費低迷で苦戦したことだが、配布の効率化や制作費の抑制、ネットへの誘引の一環として、カタログの発行部数を絞り込んだことも影響。ニッセンやセシールの場合、ネット限定の値引きセールを行ったことも減収要因となったようだ。

また、顧客の購買動向としては、低価格志向の強まりを受け、受注単価が下落。千趣会が前年同期比4%減の1万2580円、ニッセンが同5%減の1万8163円だった。セシールでは上期受注単価の金額を公表していないが、月次情報によると6月までの累計で同4.5%減となっている。商材的にも、高単価商材の動きが鈍かったもようで、各社とも家具インテリアの落ち込みが大きかった。この背景には、景況の悪化に伴う新築住宅着工件数の下落などもあるが、売り上げへの影響も小さくはなかったようだ。

また、インターネット経由の売上高については、千趣会が同5.6%増の347億8700万円で売上高構成比60.6%、ニッセンが同10%増の307億円で同73%と拡大。セシールでは、ネット売り上げの詳細を公表していないが、売上構成比が39.5%と前期末比3.9ポイント上昇し、金額ベースで116億6000万円になる計算で、各社とも、ネットへのシフトの取り組みが進展した形だ。

特に純ネット売り上げが伸びており、千趣会が同17.1%増の210億6800万円、ニッセンも同18.5%増の224億円と2桁の増加。ニッセンの場合、特にモバイルが好調で売上高が同20%増の82億円、うち純ネットが同51.9%増の41億円だった。

一方、利益面は振るわず、千趣会が4億5300万円の営業損失(前年同期は16億1800万円の利益)を計上。ニッセンでも営業利益が同69.5%減の108000万円と大幅な減益にとなり、セシールでは連結ベースで2億200万円の営業損失(同6700万円の損失)となり、前中間期よりも損失幅が拡大した。

各社ともカタログ制作費等の販管費の削減を進めたが、売り上げの不振や、バーゲン商品の在庫増加、在庫処分の実施などで商品原価率が悪化。千趣会の場合、棚卸資産評価方法の変更に伴う商品評価損の拡大が響き、営業損失を計上する形となった。

 今上期は、消費低迷の影響で苦戦を強いられたが、各社では、顧客の低価格志向に十分対応できなかった面があると分析。このため下期は、ネットへのシフトを進め収益体質を強化していくと同時に、低価格志向への対応にも本腰を入れる構え。

 この一環として、千趣会ではインテリア・雑貨の秋冬カタログで、「スペシャルプライス」等として特別価格商品を訴求。ニッセンでも、海外からの商品調達先の見直しに着手しており、セシールでは、上期中に動きが見られた機能性や素材に特徴を持つ商品の開発を強化するほか、休眠顧客の掘り起こしに取り組むとしている。

イオン、通販事業に本格参入 デジタルダイレクトを子会社化、2年後年商100億円に

 スーパー大手のイオンが通販事業に参入する。8月下旬をメドに三菱商事の通販子会社、デジタルダイレクト(DD)に出資、連結子会社化。同社の通販カタログやテレビ通販枠を活用し、衣料品や食品などを通販展開する。店舗やカード会員を活用し、2011年度にはDDの売上高を百億円まで拡大させる。資金力、商品力、知名度を持ったイオンの通販参入は通販市場にも大きな影響を与えそうだ。

 イオンとグループのイオンクレジットサービス(ICS)はDDが8月下旬に実施する第三者割当増資を引き受け、新株3,324株を取得。取得金額は数億円と見られる。増資後の株主構成はイオンが35%、ICSが20%で合計55%となり連結子会社化する。残りの45%は引き続き、三菱商事が保有する。

 イオンは約1,700万人のクレジットカード会員に対してカタログを送付。加えて店舗でのカタログ配布や掲載商品を販売するなどで、通販の新規顧客の獲得を進める。商品ではイオンの商品調達力を活かし、食品や衣料品などを中心に販売するようだ。また、DDとイオンの物流拠点やコールセンターを共有化で関連コストを削減、収益力を高める。DDの売上高は093月期で約67億円。これを2年後に100億円まで拡大する計画。

 イオンはこれまでもネット販売を行ってきたが、ここ数年、水面下で複数のカタログ系通販企業に買収を打診してきた模様で成長分野である通販への本格参入を画策してきたようだ。商品力および資金力、知名度の高い同社の通販参入は強力な競合という意味で通販企業に影響を与えそうだ。

クレジットカードの不正利用 本人確認導入進まず、企業の意識改革が不可欠

不正に入手したクレジットカードの情報が通販サイトで悪用されるケースが目立っている。カード番号に特殊な計算式をあてはめることで他人のカード番号を割り出す「クレジットマスター」と呼ばれる手法を用い、通販サイトなどで買い物をしたとして、67月に3人が摘発されたほか、7月に明らかになったアリコジャパンのカード情報の流失事件では、不正使用の多くは通販サイトでの商品購入だった。背景には、カード番号と有効期限を入力するだけで購入できるセキュリティーの低さがある。

他人のカード番号を不正に利用して家電製品を購入したとして、中野署が6月に窃盗容疑などで逮捕した、大阪市の無職の女が利用していたのが「クレジットマスター」という手法だ。実は、クレジットカードに記載されている16桁の番号には規則性がある。自分や知人名義のカード番号を元に、ある計算式にあてはめることで実在する別のカード番号を割り出すことができるのだ。以前は手動で計算を行っていたのだが、最近は計算を自動で行ってくれるソフトが登場、敷居が大きく下がった。あとは「合致する有効期限をしらみつぶしに入力して割り出せば、他人になりすましての買い物が可能」(日本情報安全管理協会)になるわけだ。

スキミングのように特殊な器具が不要で、しかも他人のカードを読み取る必要もないため、足がつきづらい。カード業界では10年ほど前から被害が報告されていた古典的な手口ではあるのだが、摘発されたのは初めてだという。

JCBによると「(クレジットマスターが)特に増えていることはない」(総合企画部)という。それでも、消費者にとっては防ぎようのない犯罪だけに、利用される通販サイト側の対策が重要になってくる。

本人認証の仕組みを取り入れている一部の大手を除き、多くの通販サイトはカード番号と有効期限を入力するだけで商品の購入が可能だ。アリコジャパンの情報流失事件を見ても分かるように、これが犯罪者につけこまれる隙となっている。カード会社や決済代行会社も、3Dセキュアなどの本人認証の仕組みの導入を薦めてはいるものの、その分費用は高くなる。また、情報の入力項目を増やすことで消費者に手間をかけさせることを嫌うサイトも多く、導入は進んでいないようだ。

とはいえ、当然のことながらこうした不正使用が起きた場合、消費者には責任が発生しない。損をするのはあくまで事業者側だ。中小の多い通販サイトでは、これまでセキュリティーに関して無頓着だったという企業は珍しくないが、いつまでも同じ姿勢では消費者からの信頼を失うことになりかねない。

もちろん、カード業界の対策も重要だ。こうしたカード犯罪の危険性を事業者側に周知していくにとどまらず、本人確認に関する統一ルールを作ることも必要になるだろう。ただ、ブランド間の連携など難しい問題もあるだけに、まずは事業者の意識改革が焦眉の急。

クレジットマスターだけではなく、通販サイトからの情報流失やサイト閲覧によるウイルス感染などが相次ぐ昨今。消費者のセキュリティーに関する意識の高まりは確実だけに、より安心して購入できるサイトの構築が求められそうだ。

アイケイの業績回復への取り組み "商品開発型"へ脱皮

生協ルートを通じた通販代行事業などを手がけるアイケイは今期の重点課題として、自社開発商品の企画・流通を積極化する。雑貨類と食品類で粗利益率の高い自社商品の拡充を進めるほか、主力商材の「ローカロ生活」シリーズを充実させ、拡販体制を整える。販路別の戦略としては生協ルートや一般ルートでのカタログへの提案を強化するなどし、増収につなげたい考えだ。前期業績は2億9600万円の営業損失を計上するなど、2008年5月期に続き2年連続の赤字決算だったアイケイ。早急な立て直しが求められている格好で、飯田社長は「これまでの『BtoBtoC型』から『商品開発型』への蛻変(ぜいへん)を目指す」と表明。商品力の強化を積極化し、営業利益率7%を達成したい構えだ。

 

 同社の09年5月期の業績は、売上高が前期比18.3%減の798000万円と大幅な減収だった。

構成比で全売上高の75%を占める主力の生協ルートでは、各地域の生協でのカタログ企画統合で売り場が減少。百貨店や通販企業などへの販売を行う一般ルートも消費マインド低下により不振。消費者への直接販売を行うBtoCルートも新商品「ゾーンぞうすい」のテレビ通販が早期撤退により2桁減になるなど、苦戦が続いていた。

 ただ、「前期の第4四半期が底だったと思う」(飯田裕社長)とし、今期は業績回復の見通しを立てている。

そのための施策として、商品面では、まず粗利益率の高い自社開発商品の開発に注力する。靴などの雑貨商品を50点、食品40点を新たに開発し、115月期までに自社商品比率を現在の約倍の6割強まで高める構想を打ち出している。

また、中核ブランドの「ローカロ生活」については、「まだ(ローカロは)通販ブランドで、メジャーではない」(同)とみており、ドラッグストアなど店頭での売り上げを伸ばし、メジャーブランドになることが重要と判断。そのためには品質に加え、「価格が重要」(同)とみており、製造ラインの見直しなどを通して販売価格の引き下げに着手し、拡販に向けた体制を整えていく考えだ。

販路別の戦略では、生協ルートにおいて、現在、新たな売り場の獲得が順調に進んでいることや、地方の雑貨類カタログ企画が徐々に戻りつつあることなどで、8月以降、「完全な勝ち戦に転じる」(同)と予測。同ルートの売上高は、前期比15%増の692400万円と2桁増を見込んでいる。

 一般ルートでは、得意先カタログへの単品提案強化やテレビ通販企業への提案商品の拡大を計画。

また、BtoCルートでは靴の「足楽屋」や総合食品の「喰ing」などの自社サイトで、SEO対策を強化してサイトの認知度を向上させる。同時に、時期は未定だが、楽天やぐるなびなどの大手仮想モールへの出店を予定しており、集客力向上を図る。前期の同ルートの売上高に占める構成比は約3%で、今期中に4.7%まで高めたい考えだ。

 2期連続の赤字を計上するなど、苦戦が続くアイケイ。果たして目論見通り業績回復を実現できるのか、真価の問われる年になりそうだ。

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