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商品政策 Archive

【ファンケルの若山和正取締役に聞く 健康食品事業の成長戦略】 ライトユーザー獲得強化、コア層には「パーソナルサプリ」提案へ

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 機能性表示食品制度の導入以降、ファンケルの快進撃が続く。前期(2018年3月期)の健康食品事業の売上高は前年比12%増の359億円と好調に推移している。今後の成長戦略について、6月23日付で取締役に就任した若山和正執行役員マーケティング本部副本部長兼健康食品事業部長に聞いた。

 ――健康食品市場の今後の展望は。

 「サプリメントの利用者は、全人口の3割ほど。まだ伸びしろはある。ただ、20数年事業展開してきてまだその程度にとどまるということは、いくら『健康寿命の延伸』と言われても(お客様を)増やす工夫をしなければ規模拡大が難しいということ」

 ――どう利用者のすそ野拡大を図る。

 「昨年行ったネスレ日本との共同プロジェクトも、今後、サプリメントユーザーを獲得していく上でよりライトな層を増やしていく必要があるため。食生活から栄養摂取を習慣づけてもらう必要がある。ダイドードリンコとのコラボレーションも同じ。今後、『BtoB領域』を強化していくことがポイントになる」

 -――他社とのコラボレーションで活かせる自社の強みは。

 「原料のエキスや成分には特有のにおいや味がある。(ファンケルは)これらをマスキングする技術でこれまで蓄積してきた知見がある。食品メーカーが内部のリソースを使ってやると、時間や労力、設備投資も必要になり、スピード感を持って展開できない。互いに強みとするチャネル、得意分野を活かすことで新たな製品・サービスが生み出せる。(ネスレ日本の)成功も業界内で認知されており引き合いも増えている」


 ――制度の導入を受けて参入も増え、市場の競争環境も激化している。

 「差別化戦略が重要になる。今年度中に『パーソナルサプリメント』の展開を本格化する。サプリユーザーの2割強は月5000円以上購入し、4~5アイテムを使う。各社の製品を選択しているが、本当に自分に合った製品を知らないのが実情だ。健康意識が高いだけに、自分に適した製品に対する関心も高い。そうしたユーザー層に提案していく」

 ――これまでパーソナルサプリの構想はいくつかの企業が掲げたが成功例はない。

 「健康に対する意識はあったが、具体的なアクションにつながっていなかったことが一つ。また、単品訴求の中で"これさえ飲めば"という認識も広がっていた。ただ、機能性表示食品制度が導入され、具体的な機能が表示できるようになったことで必要な製品を自分で選択できるようになり、ユーザーの意識も変わりつつある」

 ――勝算はあるか。

 「数品の単品商品を主力にする企業は個々の(顧客に)応じたカスタマイズは難しい。(ファンケルは)150以上のアイテムをラインアップする強みを活かせる。生活の悩みに応じて生活習慣、食生活を分析し、どの栄養素が足りないか提案することで、使っている各社の製品を一つに集約できる。製品でブランドスイッチするより価値を感じてもらいながら提供の機会が作れる」

 ――評価技術も確立しているが。

 「(運営する)健康院クリニックでは、医師と連携して食習慣から不足する栄養素、疾病のリスクに関するロジックを蓄積している。最近では、食事の画像から一定レベルで不足する栄養素を把握できる技術もある。管理栄養士など有資格者で組織する『健康カウンセラー』も配置しており、(顧客の)悩みに分かりやすい形で不足する栄養素を提案し、連動したサプリを提案できる」

コックス EC限定ブランドが好評、ボトムスにトールサイズ投入、元販売員が着用モデルに

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 イオングループで衣料品専門店を展開するコックスは、ヤング層の開拓を目指して昨年4月に開発した同社初となるEC限定のレディース向けブランド「ノッチ」が好評で、5月の本格展開開始から1年間で計画比2ケタ増となる1億円強の売り上げを計上したようだ。

 「ノッチ」は、SNSをよく利用する20代女性をターゲットに、トレンドからニュースタンダードまでの"今欲しいアイテム"を買いやすい価格で展開するレディースブランドで、スタートトゥデイのファッションコーディネートサイト「ウェア」でフォロワー数の多いコックスの元店頭販売員の女性をアイコンとし、商品の着用モデルも同スタッフを中心に展開。とくに、商品のシルエットや着くずし感などを重視した写真撮影にこだわっており、ウェブ上の売り場でブランドの世界観や見せ方、商品の打ち出し方を統一している。

 S~Lサイズだけでなく、トールLサイズを投入するなど、EC限定ブランドとして身長に対応したボトムのサイズ展開や品ぞろえを充実させているほか、インスタグラムなどのSNSを活用したブランドや商品の情報発信を行い、「ウェア」を利用したコーデ提案にも力を注いでいる。

 昨年4月に自社通販サイト「コックス公式オンラインストア」に投入し、同5月からはファッションECモール「ゾゾタウン」に出店して本格始動。「楽天市場」でも自社ECと連動したサイト「コックスオンラインショップ」を展開しており、3つの売り場を持つ。ゾゾ出店以降は同モールの販売力に加え、顧客層との親和性も高いようで、計画以上に売り上げを伸ばしているという。

 「ノッチ」では平均180~190品番を展開。8割程度がアパレルアイテムで、残りがバッグやヘアアクセサリー、シューズなどの服飾雑貨となり、一部、他社商材をセレクトしている。

 EC独自のサイズスペックで展開するボトムスが身長の高めの人に支持されているほか、着くずし感などを強調した見せ方もあってトップスも売れているようで、「初年度に1億円以上を売ったのは期待以上」(同社)とし、手応えをつかんでいる。

 2年目は品ぞろえの強化に加え、独自のサイズ展開への反応も良いことから、トールサイズなどに対応した商品の拡充も視野にあるという。また、当面は既存の3つの売り場での展開を想定。顧客分析などを優先して各売り場での売り上げ拡大に努める。

 なお、同社の前期(2018年2月期)のEC売上高は、自社ECの伸びもあって前年比6・2%増の約12億円、EC化率は6・0%で、19年2月期は「ノッチ」の強化に加え、自社ブランドのEC限定品や先行予約品といったEC強化策にも注力することでEC売上高は同25・5%増の15億円、EC化率7・2%を計画している。

アマゾンジャパンが画面付きAIスピーカー発売、EC利用増のはずみに? 

アマゾンAIスピーカー.png 「音声に加えて、スクリーンで商品の画像や価格を確認して購入できるため、不安なくスマートスピーカーで購入頂けるようになるのでは」――。アマゾンジャパンは6月20日から、独自開発した人工知能(AI)の「アレクサ」を搭載したスピーカー型端末「アマゾンエコー」の新商品で初のスクリーン(画面)付きAIスピーカーとなる「アマゾンエコースポット」の予約販売を同社の通販サイト限定で開始した。価格は税込1万4980円。7月末をメドに出荷を始める予定。なお、他のエコーシリーズと同様に量販店での卸販売を行うかどうかについては現状、明らかにしていないが今後、実施していく方向のようだ。
 
 これまでに発売済みのエコーシリーズでスタンダードな端末「エコー」と小型の「エコードット」、最上位端末の「エコープラス」の3機種はいずれもスクリーンはついておらず、音声のみのサービスを提供していたが「スポット」は2・5インチの円形のスクリーンを搭載し、従来までの音声に加えて、画像や動画を表示できるようになる。これにより、例えばエコーに「アレクサ、今日の天気は?」と呼びかけると、従来機と同様に音声で天気予報を読み上げることに加えて、画面上に文字での表示のほか、湿度や一週間分の予報などの詳細情報を表示したり、「3分後にタイマーをセット」などの呼びかけではカウントダウンの表示、また、「ニュースを聞かせて」ではキャスターによるニュース番組の映像を表示するなど、見せるサービスを加えることで音声サービスの利便性がより高まるという。
 
 なお、「スポット」には小型カメラも搭載しており、写真を撮影し、アマゾンの有料会員向け写真ストレージサービス「プライムフォト」に保存する機能や開始時期は未定としているが、スマートフォンから「スポット」を経由して設置している部屋の中を見たり、音声での呼びかけを行える機能やビデオ通話などのコミュニケーション機能も近く実施していきたい考えのようだ。
 
 スクリーンが付いたことでAIスピーカーを経由したネット販売の使い勝手もかなり向上するようだ。従来機でも例えば「水を買いたい」と呼びかけると、アマゾン内で取り扱う商品の中から該当商品を検索し、利用者はその中から商品を購入することはできた(事前設定が必要)ものの、過去に購入した商品の再注文はともかく、商品検索経由での注文は検索結果として商品名や価格を読み上げる形となるため、エコーで商品を注文するユーザーはかなり限られていた模様だ。
 
 今回の「スポット」では商品検索結果を音声に加え、画面上でも商品イメージ画像や価格を表示するほか、画面をタップすると「レビューの星の数」などの詳細情報も表示。また画面上に表示された「これを購入」をタップすることで決済し、注文を完結することもできる。「エコーで音声ショッピングを行ってきたが、音声で検索結果を聞くのはやはり大変で現実的ではなかった。画面で商品と価格を確認しながらショッピングをしたいという要望にこの 『スポット』は対応できる」(Alexaエクスペリエンス&デバイス事業部の北野沙織シニアプロダクトマネージャー)とし、アマゾン側でも「スポット」の発売が少なからずAIスピーカー経由のネット販売の増加に寄与してくるとみているようだ。
 
 「スポット」の発売に合わせて、「音声+画像・動画」に対応したSpot対応」の「スキル」(「アレクサ」で利用できる各社の音声サービス)として楽曲と歌詞を表示したカラオケ動画を表示する「カラオケJOYSOUND」や様々なレシピの調理手順付き動画を表示する「DELISHKitchenの簡単レシピ」などすでに50以上(※「スキル」の全体の数は現在950超)がリリースされており、音声と画面・動画を組み合わせたエコーで使用できるサービスは今後、増えていきそう。
 
 「アマゾン商品の音声ショッピング」のように商品の検索、注文、決済まで完結するショッピング系の「Spot対応スキル」はまだないようだが、宿泊施設を音声検索して詳細情報を表示した画面を見ながら予約できる「JTBホテル」や同じく飲食店を予約できる「ホットペッパーグルメ」などのように、ショッピングに近い「Spot対応スキル」はすでにあり、また、米アマゾンではアマゾンの決済サービス「アマゾンペイ」に連動してゲームやクイズのスキル内で課金を行ったり、寄付の受け付けを行なうスキルもあるようで、「まだ、EC系スキルは出てきていないが、いつ出てきてもおかしくない状況」(アレクサビジネス本部の柳田晃嗣本部長)としており、今後、アマゾン本体だけでなく、他の通販実施企業にとってもエコーを活用した通販展開が進んでくる可能性もあり、注目されそうだ。

万田発酵 化粧品通販を本格化、3年後に10億円の売り上げ目指す

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 万田発酵が化粧品通販を本格化する。エイジングケアを目的に、独自の発酵技術を活かしたスキンケアの新ブランドを立ち上げ、SNSなどウェブを中心に展開する。健康食品通販は、すでに100億円超の売り上げに達し、基幹事業に成長している。化粧品通販では3年後に10億円の売り上げを目指す。

 新ブランドは「Mforte(エムフォルテ)」(=写真)。独自の発酵技術「複合発酵」を使い、24種類の植物性原料を発酵させた植物発酵エキスを配合している。商品は、導入美容液、化粧水、乳液、クリーム(税込5400~8640円)の4アイテム。50代前後の女性を中心としつつ、30~60代の女性層に幅広くアプローチする。7月10日から販売を始める。

 販路は主に通販で展開する。当面はSNSなどウェブを中心にプロモーションを実施。インフルエンサーや、くちコミを通じて認知向上を図りつつ、テレビCMの展開も検討する。健康食品では、百貨店を中心に独自の販売網を築いており、これら店舗網も活かしていく。

 また、健食では60~80歳代の中高齢層を中心に顧客基盤を築く。これら既存顧客へのクロスセルも行っていく。

 万田発酵の独自技術「複合発酵」は、発酵に必要な期間が異なる数十種類の果実や穀物を段階的に発酵させるもの。単一素材の発酵でないため、複雑な工程・管理が必要になる。また、機能性成分が豊富に含まれる種皮も合わせて発酵させることができる技術に強みを持つ。

 「エムフォルテ」も24種類の植物性原料を使って生成した独自成分「フェルアミノ」(発酵により生まれた複数のアミノ酸の総称の意の造語)、「発酵ポリフェノール」(同ポリフェノール)など複数の保湿成分を含む。また、肌との親和性が高いヒト型セラミドなど6種類のセラミドを含む。

 これまでも20年以上に渡り、発酵技術を活かした石けん、スキンケアの販売は行ってきた。ただ、ブランドカラーは発酵を想起させる「アースカラー(茶色)」のイメージで表現していた。売上高も年間3億円前後にとどまっていた。今回、淡いピンク色に変え、精油や使用感にこだわるなど女性の五感に訴える設計にした。

 万田発酵の年間売上高は、約140億円。健食通販のほか、農業用肥料を扱う。通販事業の売上高は100億円超を占める。



くちコミで50代獲得へ 【松浦社長との一問一答】  


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 化粧品通販の本格参入に際し、万田発酵の松浦良紀社長は、「発酵技術を使い『万田発酵』(健康食品)で身体の内側から、『エムフォルテ』を通じて外側から女性をサポートしたい」と意気込みを語る。新ブランド発表における一問一答は以下の通り。

 ――新規顧客の認知向上に向けたプロモーションは。

 「インフルエンサーやくちコミで高めていく。これまで行っておらず、(くちコミマーケティングの)知見も深めていきたい」

 ――認知の面ではテレビが効果的だが。

 「短尺CMも検討はしているが、まだ、『万田発酵』が化粧品を販売しているイメージはない。大々的な展開ではなく、話題を提供しつつSNSやくちコミサイトで認知を高めつつ、広告展開する両面からリーチする」

 ――ターゲット層は50代。SNSを中心とするウェブと一致するか。

 「50代を中心としつつ、30~60代の女性層まで幅広くカバーしていきたい。既存の(健食の顧客も)中高齢層が多くマッチする」

 ――現在の健食の顧客基盤は。

 「累計(顧客数は)350万人。アクティブ顧客が11万人ほど。クロスセルも行っていく」

 ――通販以外の販路は。

 「百貨店など対面店舗が全国にある点は強み。これも活かす。また、7月中旬には工場や研究棟など(顧客を)招くことができる本社施設をリニューアルオープンする。そこからも情報発信していく」

 ――海外展開は。

 「(食品ではすでに)ミャンマーに進出している。これを中心にタイやマレーシアなど東南アジアを視野に入れている。販売代理店を通じた展開か自社展開かは未定」

 ――通販化粧品としては価格設定が高いが勝算は。

 「(価格は)従来から展開する別ブランドに合わせる形で設定した」

 ――現状の化粧品ブランドの売上高は。

 「年間3億円前後。これまでは(サイトへの自然流入などで)売れてきた。積極的に媒体を使ったプロモーションは行っていなかった」

 ――健食事業について。15年に機能性表示食品制度が開始したが活用の方針は。

 「機能が絞られてしまう点があり、今のところ活用の方向性は持っていない」

ファンケル 主力スキンケアを刷新、「機能」「効果感」の訴求強化

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 ファンケルが主力スキンケアをリニューアルする。長年培ったコラーゲン研究の最新知見を処方に反映。肌内部の複数のコラーゲンの働きをコントロールすることで、肌トラブルに対応する。「機能」「効果感」の訴求を強化。これまで「品質」等を重視する層を中心に顧客基盤を構築してきたが、肌悩みに直結した訴求を強め、取り込めていなかった新規顧客の獲得を進める。

 ファンケルによると、スキンケア購入層で品質や成分重視の「こだわり派」は15%。これまでこの層を中心に顧客基盤を築いてきた。

一方、スキンケア市場はほかに「機能・安全性重視派」(15%)、「ブランド派」、「低価格重視派」が存在する。新商品は「肌悩みに直結した効果感、機能を分かりやすく強化し、肌悩みにダイレクトに応える」(佐藤由奈マーケティング本部化粧品事業部事業部長)としており、「機能・安全性重視派」の取り込みを進める。

 9月20日に発売するのは、20~30代半ばの女性の複合的な肌悩みに対応した「モイストリファイン」(30ミリリットル、税込1512円)と、30代半ばから40代の本格的なエイジングケアに対応した「エンリッチ」(=画像、同、同1836円)。肌悩み別にコラーゲンをコントロールする最新知見を処方に反映させた。

 肌内部には、約7割を占める「Ⅰ型コラーゲン」や約2割を占める「Ⅲ型コラーゲン」がある。スキンケアの多くはこれらコラーゲン量を増やすことに着目する。

 「エンリッチ」は、コラーゲン量だけでなく、その質を高めることに着目。「Ⅰ型」「Ⅲ型」のケアに加え、わずか5%未満した存在しない「Ⅴ型コラーゲン」を増やす独自成分「適応型コラーゲンα」を配合した。

 「Ⅴ型」は、肌内部のコラーゲンを束ね、ハリや弾力に導くもの。また、コラーゲン再生を促すセンサーの役割を果たす因子の働きを促す「月見草エキス」も配合した。

 「モイストリファイン」は、乾燥や毛穴など複合的な肌悩みのケアに対応する。毛穴の開きは、皮脂分泌をコントロールする因子の働きにより、毛穴周りのコラーゲンが分解されることで起こる。その因子の働きを抑える独自成分「VPエキス」を配合した。

 新商品では、環境配慮も打ち出す。サトウキビを原料に作られた「バイオPET」を容器に採用。容器に使うプラスチック量も従来の3分の1ほどに削減した。これにより年間のCO2排出量を約300トン削減できるという。

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