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認知アップ、新客獲得に次の一手<通販発のファッションブランド、攻勢へ>

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 通販専業社が手掛ける「通販発のファッションブランド」が攻勢を見せている。オットーが展開する「ファビア」はテレビCMを含めた大規模なプロモーションを展開し認知度アップを図っている。また、ディノス・セシールのディノス事業が展開する「ダーマ」は初の実店舗の開設などでリアルでの新規顧客獲得を強化している。ファッション分野では特にオムニチャネル化が進み、様々なブランドが通販に挑む中、通販発のファッションブランドが逆に通販を強みとしながらどこまで市場で存在感を示せるか。行方が注目されそうだ。


TVCMを放映新客開拓加速へ

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 オットージャパンは、自社オリジナルのファッションブランド「FABIA(ファビア)」の5周年を機に販促を強化する。これまではウェブ広告を中心に新規顧客を開拓してきたが、テレビCMの放映を含めて幅広いプロモーションを展開して認知拡大を図り、成長スピードを上げる。

 「ファビア」では、ブランド始動から1年後に当たる2014年春以来のテレビCMを制作。モデルの蛯原友里さんを起用した15秒のCMは9月26日~10月4日までの9日間だが、かなりの量を関東1都6県で放映する。新CMは「よくばりな私が好き。」をテーマに蛯原さんが思い切り欲張るキュートな女性を演じる。

 同時に、秋の新作を含めて全品最大55%オフとなるキャンペーンを通販サイトと実店舗で実施。CMでもセール情報を発信することで新客の獲得につなげる。

 また、広告展開だけでなく、「ファビア」のブランドコンセプトでもある"働く女性を応援する"ことを通じて認知拡大や顧客エンゲージメントを高める。

 具体的には9月26日~10月25日まで、安野モヨコさんの人気漫画「働きマン」とコラボし、働く女性が慌ただしく過ぎる日々の中で感じる思いを川柳にして投稿してもらう「働きマン×ファビア川柳大賞」を通販サイトの特設ページで展開。厳正な審査で15作品を選出した後、一般投票で多くの共感を集めた作品には賞金や受賞川柳が記載された「働きマン」オリジナルのイラストパネル、テレビCMで蛯原さんが着用する商品、通販サイトで使用できる買い物券などを贈呈する。

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 10月3日には、さまざまな分野で夢を目指して頑張る女性"ファビュラス・ウーマン"を紹介し、応援するメディア「ビー ファビュラス」を開設。12月に都内で開催される、その年に一番輝いた女性を選出して「ファビア」のモデルやアンバサダーへの就任と賞金を授与するアワード「ファビュラス・ウーマン・オブザイヤー」と連動し、同アワードのセミファイナリストを応援するユーザーにもプレゼントが当たる参加型メディアとして展開する。

 同アワードにはコンセプトに賛同するモデルやタレントなどの著名人が審査員として参画する予定で、第1回開催はモデルとして頑張る女性を応援。ウェブ書類審査を通過した参加者にはモデルのスキルを磨くワークショップを受講できるなど、育成期間を設けて12月のアワードに臨んでもらう。

 同社では、川柳企画やアワードなど消費者が主役となり、SNSを中心に共感を集められる取り組みも実施することで、広告とは異なるブランド認知の手法を試す。

 一方、「ファビア」は常設の実店舗を都内に2店舗(表参道店、二子玉川ライズ店)展開しており、既存客の店舗送客効果やウェブ上ではリーチできない層の来店もあり、両店とも好調に推移しているという。

 今春は、都内では渋谷駅・東急東横店とアトレ恵比寿店に、大阪でも天王寺ミオにポップアップストアを開設して一定の成果を得たようで、「リアル店舗の展開も加速したい」(冨田晶子執行役員)としており、今秋シーズンについては、10月1~31日は埼玉のルミネ大宮に、10月4~17日までは渋谷駅・東急東横店に期間限定出店し、CMの受け皿としても活用する。

 オットージャパンでは、ブランド立ち上げ5周年を機に「ファビア」の成長カーブを高めたい意向で、今秋冬シーズンに実施するさまざまなキャンペーンやリアルイベントを通じて再び攻勢をかけ、数年以内には基幹ブランドの「オットー」と肩を並べるブランドに育てる。


サロンや店舗などリアル展開を強化

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 ディノス・セシールは2005年に創刊した50代以上の女性をコアターゲットとしたファッションカタログ「ダーマ・コレクション」を軸としたオリジナルファッションブランド「DAMA(ダーマ)」のリアル展開を加速させている。

 上質な素材を厳選し、デザイン性や縫製などにこだわった商品を掲載している「ダーマ」では比較的高額な商品が多い。そのため、直接、商品を確かめてから購入したいというニーズに応えるべく、「ダーマ・コレクション」を始め、それにより年齢層が高いターゲットに向けてハイエンドな商品を掲載した「ダーマ・プレミアム」や「ダーマ・コレクションアンド」「ダーマ・コレクション プリュス」など「ダーマ」シリーズの最新カタログの掲載商品を展示し、試着ができたり、サイズ選びや着こなしを専門スタッフに相談でき、店内のタブレットなどで商品を注文できる拠点「DAMAお客様サロン」を2015年に東京・有楽町に、昨年4月には大阪・心斎橋にそれぞれ設置してきたが、これら試着拠点に加えて、今夏からは実店舗「DAMA」の展開に乗り出した。8月30日には1号店として東京・池袋の東武百貨店池袋本店の4階の一角に約66平方メートルの店舗を、次いで9月27日に東京・新宿の京王百貨店の3階の一角に約99平方メートルの店舗を開設した。

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 「ダーマ」は05年の立ち上げ以来、ファッション感度の高い中高年層を掴み、順調に売れ行きを伸ばしてきた。1年半前にはシリーズの中でも中心となる「ダーマ・コレクション」をより若々しい品ぞろえとビジュアルに、「ダーマ・プレミアム」をよりハイエンドで高級感のある品ぞろえとイメージに変え、棲み分けの明確化を図ったことなどもあり、それまで若干、苦戦した売れ行きが再度、復活し、現在まで好調に推移しているディノス事業が展開するファッション事業をけん引する代表的なブランドの1つと言えるが、前述通り、上質でこだわりのある商品を掲載しているために比較的、高額な商品が多い「ダーマ」ではカタログやサイトで様々に工夫して良さを表現しても通販のみで購入を決める層はどうしても限られ、「いずれ新規顧客獲得という面で踊り場を迎えるという危機感を感じており、違う形での新規顧客の獲得策が必要だと感じていた」(結城啓子ファッション本部長)という。

 「サロン」も"実際に商品を確かめられる"という意味で効果的であり、新規顧客獲得の場としても機能してきたようだが、サロンは「あくまで店舗ではないため、売り上げを追うのではなく、スタッフがお客様の顔を覚えて友達のように気軽に遊びに来てもらえるようなお客様との関係性の構築」(同)という既存顧客をさらに優良顧客としていくロイヤルカスタマーの醸成という重要な役割を持たせている。一方で店舗は明確に新規顧客の獲得を主な目的とし、「ダーマ」ブランドのコアターゲットと客層が合致する百貨店に出店することで、潜在的にリピート顧客になり得る百貨店来店客を効率的に「ダーマ」の新規顧客にでき、その後にカタログやDMなどを送付し、通販の利用を促進しリピーターに育成していく考えだ。

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 実際、開店から約1カ月が経過した1号店の状況は「新規顧客獲得数は当初の想定以上で満足のいく結果」(同)と上々な成果をあげているようだ。

 今後も百貨店を軸に店舗「DAMA」の開設を進めていく考えで、同ブランドの知名度が高い関東圏でまずは年内までに3~4店舗を、3年後をメドに10店舗まで増やしていきたい意向で、新規顧客の獲得を進めていく考えだ。

 ファッション分野は特にオムニチャネル化が進んでおり、店舗を軸に展開してきた有力ブランド各社が通販に本腰を入れ始めている。逆に通販発のファッションブランドがオムニチャネル時代の市場でどこまで存在感を示めせるか。注目したい。




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