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2018年10月 Archive

衣料品ECモール各社 EC支援事業で独自色、モールに次ぐ収益の柱に

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 ファッションECモール運営各社は、アパレルブランドなどの自社通販サイトを構築したり、販促や物流面をフォローするEC支援事業に本腰を入れている。ファッションECの取扱高では「ゾゾタウン」が他のモールを大きく引き離しているが、第2ラウンドの舞台となるEC支援事業で大きくリードする企業はない。各社とも自社の強みを生かした独自路線を打ち出しており、今後、どのモールが主導権を握るかに注目が集まる。当該サービスの事業環境や各社の戦略を見ていく。

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トウ・キユーピー 愛用者と接点強化、今期15%増の23億円目指す

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 健康食品通販を行うトウ・キユーピーは、今期(2018年11月期)に前年比15%増の約23億円の売り上げを見込んでいる。数年前から顧客を対象にした撮影会などを通じて愛用者との接点を強化。地道に商品の提供価値を象徴する愛用者モデルを探してきた。主力の機能性表示食品の広告にモデルとして起用したことで獲得効率が改善。堅調な成長を維持している。

 主力は、機能性表示食品の「ヒアロモイスチャー240」。「肌の保湿」をうたう初の機能性表示食品として15年に届出が受理。「提供価値をダイレクトに伝えることができるようになったことが大きかった」(井上泰孝通信販売部課長)と成長のきっかけを話す。商品単体の前期売上高は約11億円。今期に同27%増となる約14億円の売り上げを目指す。新規獲得は新聞のほか、16年から放映を始めたインフォマーシャルで進める。

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 ただ、成長の背景にあるのは、機能性表示食品制度の導入だけではない。「(独立系の)通販専業で成功した企業
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の多くは、商品の顔となるような愛用者モデルを打ち出している」(同)と、数年前から同梱物で愛用者モデルの募集を始めた。撮影会やインタビューを行い接点を築き、商品の提供価値やブランドを象徴する50~60代の複数の愛用者モデルを採用。広告に活かしたことで、顧客に商品に対する親近感が生まれ、効率が高まった。

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 成長に向け、今後はCRM戦略の見直しを進める。年間の継続率は一定の水準で推移するものの、2回目購入など継続率が課題。一因は、外注するコールセンターにおける「インバウンド(新規受注、定期引き上げ)」と「カスタマーサポート(継続)」という担当分野間の情報連携の不足だ。

 トウ・キユーピーに限らず、定期コースを導入する企業の多くは、一定の割合で「定期購入にした覚えがない」といった声が寄せられる。獲得効率の改善と継続率向上という異なる目標を掲げる部署の情報共有の不足から、改善が進まないケースは少なくない。

 こうした状況を受け、昨年7月からコールセンターの外注先を複数社に委託する体制に変更。定期コースに関する問い合わせが寄せられることをあらかじめ想定した上で、顧客対応する体制に変えたことで継続率の改善につながりつつある。

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 継続率の向上に向け、クロスセルも強化している。「ヒアロモイスチャー240」に関連の深いスキンケア商品、ヒアルロン酸配合のハンドソープやハンドクリームを同梱物で提案し、「ヒアルロン酸」の魅力を分かりやすく伝えることで効果実感を得やすくしている(=画像)。卵由来の抗ウイルス成分を配合したキッチン用アルコール除菌スプレーなど、豊富な商品ラインアップを持つメーカーとしての強みも活かしクロスセルを提案する。

 これらスポットで使う同梱物の多くは、社内で作成。「外注すると大量印刷になり、時間も費用もかかる」(同)と、ネット印刷の「ラクスル」などのサービスを使い、手作りで行う。撮影会などイベントの様子も、同様の手法でレポートを作成して同梱することでその魅力を伝えている。

三越伊勢丹 小型店でタブレット接客、関東の28店舗に導入へ

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 三越伊勢丹は、小型店でタブレットを使い通販サイト内の商品を薦める接客を強化する。小型店の品ぞろえを補完して来店客の満足度を高めるとともに、ECの新規利用を促進する狙いで、来年春ごろまでに関東を中心に28店舗に導入する計画だ。

 同社の小型サテライトショップは、ギフト商材を中心にデイリー雑貨や食品、婦人衣料を展開する地域密着型の店舗で、全国に72店舗を展開しているが、売り場面積と品ぞろえの限られた小型店では、例えば、顧客がギフト用に老舗洋菓子メーカーの商品を探していても、詰め合わせギフトの取り扱いがワンプライスだけで要望に応えきれないこともあった。また、来店客のニーズで大型店からコスメを取り寄せることもあるが、商品が届くまでに日数がかかることもあるようだ。

 そこで、三越伊勢丹では、小型店店頭のスタイリスト(販売員)がタブレット端末を操作し、来店客に通販サイト「MIオンライン」の商品も提案できる仕組みを導入する(画像はイメージ)。

 店頭で受注可能なアイテム数は三越の約3万8000点、伊勢丹の約4万8000点の合計約8万6000点で、スタイリスト(販売員)は1店舗当たり8~16人で対応。今回の取り組みを始めるのに当たっては、販売員にタブレット接客の教育・研修を実施するとともに、EC経由の売り上げを評価する制度も整えたようだ。

 同サービスは9月20日に三越新所沢店(埼玉県所沢市)で始めたほか、10月23日にはエムアイプラザ木更津店(千葉県木更津市)と三越馬事公苑店(東京都世田谷区)でもスタート。まずは来春をメドに東京、埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木、福島にあるサテライトショップ28店舗に導入する計画で、導入店の状況を見極めた上で全国に広げるか判断する。

東急電鉄 地域特化型のECを強化、「東急ベル」のサービス拡充し沿線情報誌のEC等開設へ

 東京急行電鉄は、東急線沿線の生活者にハウスクリーニングや家事代行などの"家ナカ"サービスや商品を届けるホーム・コンビニエンスサービス「東急ベル」で地域特化型の通販サービスを強化する。

 消費のデジタルシフトに対応し、これまで東急ベルが担っていた東急ストアのネットスーパー「東急ストア/プレッセネットスーパー」に加え、来年1月下旬には東急線沿線の魅力的な店の紹介や商品販売といった沿線ならではのライフスタイルを提案する通販サイト「サルースオンラインマーケット」と、東急ストアと東急百貨店のギフトを一括購入できる「ギフト日和 バイ 東急ベル」を新設し、3ショップで構成する総合ECサービスを始動する。

 「サルースオンラインマーケット」は、月間23万部を発行し、これまで約2500店の店舗を紹介してきた沿線情報誌「サルース」ブランドを掲げた通販サイトで、過去掲載商品の販売に加え、各ショップとタイアップしたオリジナル商品の開発を推進することで、地産地消のライフスタイルを提案する。また、沿線生活者と地方の隠れた特産品・生産者をつなぐ「地域応援プロジェクト(仮称)」も立ち上げ、コラボ企画などを通じた独自価値を提供するという。

 幅広い商材をワンストップで購入できる気軽さやオリジナル商品に出会える特別感、短時間配送などを強みに利用者を開拓。沿線店舗には配送を東急ベルが担うことで、より多くの消費者とつながる機会を提供し、地産地消の促進と沿線地域の活性化を図るとする。

 総合ECサービスの強化に向けては、既存の顧客データベースはネットスーパーとその他サービスで顧客情報が分断されているが、多様化するサービスの利用履歴や問い合わせ内容などの会員情報を一元管理することで、顧客の問い合わせに迅速に対応していく。

 また、東急グループはスーパーや百貨店、商業施設など沿線に多くの実店舗を持つ利点を生かし、リアル拠点とネットサービスの融合にも取り組む考えで、来年2月には店舗のイベントスペースを活用した試験運用をスタートし、"五感で楽しむ"新たなショールーミング型店舗の開発を進める予定だ。

 なお、イッツ・コミュニケーションズが運営するお取り寄せの通販サイト「ポニッツショッピング」は「サルースオンラインマーケット」に事業統合する計画で、「ポニッツショッピング」での販売は来年1月15日に終了する予定という。

消費者庁 ジャパネットに景表法違反で措置命令、不当な二重価格表示と判断

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消費者庁は10月18日、テレビ通販大手のジャパネットたかたが通販カタログなどで販売したエアコンやテレビの表示が景品表示法に違反するとして同社に措置命令を下した。同社は当該商品を各媒体で"値引き価格"などと紹介する際、「ジャパネット通常税抜価格」としてセール期間前の通常価格を併記していたが、エアコンの場合は通常価格での販売期間が13日と短く、また、テレビの場合は通常価格で最後に販売した日から38日間が経過しており、いずれも過去の販売価格を比較対照価格として二重価格表示を行うための要件を満たさない不当な二重価格表示となり有利誤認にあたると判断、再発防止の徹底などを同社に命じた。


 消費者庁が問題視したのはジャパネットたかたが既存顧客向けに昨年5月19日と同26日に分けてそれぞれ729万部と27万部を配布した通販カタログ、昨年6月3日と同9日に2001万部と703万部を配布した新聞折り込みチラシ、昨年6月5日に241万部を配布したダイレクトメール(DM)および昨年6月1日から同14日まで同社通販サイトで販売した6・8・10・14畳用の「シャープエアコン【G‐TDシリーズ】」と、昨年7月24日に253万部を配布したDMで販売した「シャープ50V型4K液晶テレビ『アクオス』(LC‐50U40)」を訴求する際の二重価格表示について。

 同庁によればジャパネットたかたはエアコンを紹介する際、例えば6月3日配布の新聞折り込みチラシでの6畳用エアコンの場合では「値引き後価格 衝撃価格! 59、800円」として販売する時に「ジャパネット通常税抜価格79、800円」と併記して、通常価格である「ジャパネット通常税抜価格」を比較対照価格として用いた二重価格表示を行っていたが、「ジャパネット通常税抜価格」で販売していた期間は5月19日から同31日までの13日間で、事業者が価格表示を行う上などで参考にする「価格表示ガイドライン」では過去の販売価格を併記して割引価格を表示する二重価格表示を行う際には過去の販売価格で販売していた期間が最低でも「2週間以上」と示されており、二重価格表示を行うために最低限必要な販売期間である14日間に満たなかった。

 また、DMでテレビを紹介する際、実売価格となる「値引き後価格 会員様特価109、800円」に併記して通常価格となる「ジャパネット通常税抜価格139、800円」と記載して二重価格表示を行っていたが、この場合は通常価格での販売期間は十分だったが、当該価格で最後に販売した日から38日が経過しており、「当該価格(※比較対照価格となる通常価格)で販売された最後の日から2週間以上経過している場合は『最近相当期間にわたって販売されていた価格とはいえない』」と同じく「価格表示ガイドライン」で示された二重価格表示の際に用いる比較対照価格に「ジャパネット通常税抜価格」が該当しないとし、「一般消費者に販売価格が安いとの誤認を与える不当表示に該当し有利誤認となる」(消費者庁・大元慎二表示対策課課長)とした。

 ジャパネットたかたでは「措置命令を受けたことを真摯に受け止め、再発防止に努めていく」(ジャパネットホールディングス)とした上で、「比較対照価格がどのような意味合いのものであるかが明確になるように表示方法を是正する。また、人為的なミスを防止するためにシステムをより強化するなどの措置を講じることで再発防止に努める」(同)とし、具体的な施策を挙げた。

 「表示方法の是正」については今回、消費者庁に問題視された表示のうち、5月19日と26日に既存顧客である会員に配布した通販カタログで紹介したエアコンの価格については、5月19日から当該カタログでは5万7800円、新規顧客など不特定多数の一般客向けの同社通販サイトでは7万9800円で販売していたという事実があり、二重価格表示ではなく「会員価格」と「非会員価格」を併記した意味合いだったと消費者庁に主張したものの、「『非会員価格』の意図で『ジャパネット通常価格』として価格を記載していたが消費者庁には『非会員価格』を指す表示であるとは認められず、該当金額での販売実績がないとして不当表示と評価された。弊社としては『会員価格』と『非会員価格』での販売を同時期に実施しており、より明確に差別化を図っていたが、消費者庁には一般消費者を誤認させると評価された」(同社)とし、表示の誤認を防ぐため、同社では非会員価格を意味していたという「ジャパネット通常税抜価格」という表示を今年7月から「非会員税抜価格」に改めた上で会員向け媒体では両価格をこれまで通り、併記する形とした。

 また、通販カタログ以外の媒体で販売していたエアコンやテレビの不当表示については販売期間や販売実績の確認ミスから発生したとして、「社内に専門部署を立ち上げてチェック機能を強化していく。具体的にはチェックマニュアルの作成や過去の表示価格が分かるようなシステムを構築する形での対応を進めていく」(同社)とした。なお、返金対応については「今回の措置命令は広告表示に関することで商品の品質や安全性に関することでないため今のところ予定していない」(同)という。また、広告の自粛も行なわないとしている。

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