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「見て試して買う」を推進、アマゾン、ディノス・セシール、ルクサの試み

1-11.jpg 「興味があるが手に取って確かめることができない」「"良さそう"でも知らないモノに手を出すのは不安」。店舗を持たない通販特有の1つの課題として商品を直接、見たり触ったりできないという点がある。これらを払しょくすべく、通販実施各社では様々な試みを進めている。顧客と商品との直接的な接点を作り、不安を払しょくし新規顧客獲得や商品購入につなげている各社の取り組みを見てみる。

牛丼屋でのちょい飲みは"ワインで"

<アマゾンの場合>


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 「とても美味しいワイン。牛皿との相性も抜群。ぜひ、デイリーで飲んで欲しい」。アマゾンジャパンは9月18日から同21日までの4日間限定で同社で販売する売れ筋のワインを「吉野家」で販売する試みを行った。

 吉野家では都内の店舗などを中心に257店舗で生ビールなどのアルコール飲料とおつまみを午後5時から11時までの間、提供する「吉呑み」を展開しているが、このメニューの1つとして、アマゾンが運営する通販サイト内の酒類コーナーで販売する輸入ワインの中から食前酒としてや、油の強い料理とも相性が良いというスパークリングワイン「ジャイアンス シャルドネ」と「吉呑み」のメインのつまみである「牛皿」に合う赤ワイン「エスタンパ レセルバ カルベネ ソーヴィニヨン」、今回の試みに合わせて期間限定で販売する、注文客の前でバーナーで炙って提供する「炙り塩サバ」と相性の良い白ワイン「サンタ エマ セレクトテロワールシャルドネ」の3種類のワインをグラスワインとして1杯100円で提供する。

 今回、100円お試しワインを提供するのは「吉呑み」の実施店の中でも東京・有楽町店のテーブル席(22席)限定としている。テーブルには店舗で提供したアマゾンのワインを取り扱うアマゾンの通販サイトの販売ページに誘導するQRコードを記載した印刷物を用意しており、来店客は同QRコードで販売ページにアクセスし、記載のクーポンコードを入力すると通常販売価格の2割引きで当該ワインを購入できる特典をつけ、購入を促している。なお、アマゾンでは今回の試みに連動して、吉野家有楽町店に来店できない顧客を対象に、当該3種類のワインを1割引きとする試みを9月13日から9月末まで実施している。

 アマゾンではワインの販売を強化しており、昨年6月からは同社のバイヤーが各国のワイナリーから直輸入したワインを販売する専門ページ「ワイナリーダイレクト」を通販サイト内に新設。中間流通を省いて直接、ワイナリーから仕入れることで価格優位性を高め、かつバイヤーが直接現地に行き、小規模な生産者などからの買い付けなども積極的に行うことで市場にはなかなか出回らないワインなども品ぞろえて売り上げ拡大を図っている。

 ワインを含めた酒類事業を統括する同社の消費財事業本部・酒類事業部の鈴木亘事業部長によればワインを含めたアマゾンでの酒類の売り上げは、全体的に酒類の需要が前年割れする市況の中でも毎年、成長を続けているとし、販売自体は順調なようだが、「ワインを飲む層やシーンは(日本では)まだかなり絞られており、デイリーで飲むような感じにはなっていない。質が高く、かつコストパフォーマンスに優れた『ワイナリーダイレクト』の直輸入ワインの味やよさをぜひ、できるだけ多くのお客様に味わって頂きたい」(鈴木本部長)とし、昨年も10月に東京・銀座に期間限定でワインを含めた様々な酒類を提供するバー「Amazon Bar」を10日間限定で開店。アマゾンが2016年2月から専門家が顧客からの「ワイン選び」について電話で助言・相談を受け付ける「Amazonソムリエ」で活躍するソムリエも常勤し、店内で直接、対応する試みを行うなどし、アマゾンで販売しているワインなどをリアルの場で直接、試してもらう試みを進めてきた。

 その効果については「具体的な数字は言えないが、かなりあった。知らないお酒というのは手を出しにくい。お客様はレビューなどを参考して、商品を選ぶ方が多いが実際に飲めるというのは大きい。実際に飲める場を提供していきたい」(同)とし、「試し飲み」の2回目として「外食チェーン大手で強いブランド力を持った吉野家とタイアップすることでより多くの方に試してもらいたい」(同)とアマゾンから吉野家に話を持ちかけて今回の試みの実施にこぎつけたという。今後も効果などを見ながらリアルでの「試し飲み」の実施を前向きに考えていきたいとしている。



ファッションショーでひと押し

<ディノス・セシールの場合>


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 「実際に着て歩いているところを見ると素材感やバランス感がよくわかるし、安心して購入できる」。ディノス・セシールは9月15日、都内でディノス事業で展開するファッションカタログ「ダーマ・コレクション」および「ダーマ・プレミアム」の最新アイテムを紹介するファッションショーを開催した。

 同社によると来場者の多くは「ダーマ」の愛用者で2015年に有楽町に設置した「ダーマ」シリーズの商品を展示し、試着したり、商品に関する質問やサイズ選び、着こなしなどについて専門スタッフと相談しながら、タブレットなどで商品を注文できる拠点「DAMAお客様サロン」に足しげく通う常連でもあるという。

 「代表的な新商品を直接、見て頂き、モデルが着用して歩くとカタログやウェブではなかなか表現できない素材の柔らかさや軽さ、トップスとボトムスのバランス感などを実感頂ける」(天利美智代ダーマ・プレミアム編集長)として、そうした意欲の高い顧客に対していち早く商品を紹介し、購入を決めるための"ひと押し"をする側面がショーにはあるようだ。

 なお、このファッションショーは一昨年前から開始後、今年で3回目となるが、今回は定員(1部、2部で各100人)の倍以上の応募があるなど回を増すごとに人気となっている。

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 今回のショーも例年通り、グループのニッポン放送のスタジオ(東京・有楽町)で実施。9月12日発刊の「ダーマ・コレクション」の最新号である冬号や8月30日発刊の「ダーマ・プレミアム」秋冬号の掲載商品の中から、「アンドレロード リバーレースワンピース」(税抜8万9000円)と「ビジアーニ ビジュー使いパイソンバッグ」(同12万円)を使ったコーディネート(写真(上))や「モンゴルカシミヤフード付きロングコート」(税抜7万9800円)と「モンゴルカシミヤバスケット編プルオーバー」(同3万4800円)、「クロスウォームスキニーパンツ」(同1万円)の組み合わせ(写真(下))など「気負いなく着れ、色々と着まわすことができるアイテムを中心にチョイス」(天利編集長)した様々なコーディネートを紹介した。

 ショー終了後に実際に確かめた商品を最寄りのサロンで購入する顧客も多いようで、実売上にも着実につながっているようだ。



関西初出店で認知拡大へ



<ルクサの場合>



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「タイムセールサイト運営のルクサは9月12~18日、JR大阪駅に直結した商業施設「ルクアイーレ」にポップアップショップ(期間限定店)を出店した。これまで複数回ポップアップショップを出してきたが、すべて首都圏での展開。初の関西圏の出店で新たな顧客を掘り起こす計画だ。

 同社のタイムセールサイト「ルクサ」の会員230万人のうち、関東圏が45%のシェアを占める一方、関西6府県では15%。まだまだ伸びしろがあるエリアで店舗を構え、商品やサービスに触れてもらうことで顧客の裾野を拡大させる狙い。「関西での新規獲得はウェブの施策が中心。リアルでの接点を設けることで、今まで獲得できなかった層にリーチできる」(広報)というわけだ。

 サイトでは飲食店やホテル、美容院といったチケットから、家電、衣料品、雑貨などの物販までさまざまな商材を扱っているが、今回のポップアップショップでは美容家電やエステチケットなど美容商材に特化した。

 ポップアップショップの責任者である同社店舗事業部長の長谷川慎悟氏によると、出店している商業施設「ルクアイーレ」は女性向けの商品がメインで、中でもコスメ系が多い。そこで他店では扱っていない女性向けアイテムという観点から、同社ならではの美容商材に行き着いたようだ。

 店頭にはコンパクトシェーバー、水素水ボトル、振動パフ、フェイススチーマー、フェイシャルクレンザーなどを陳列し、通りがかった客が手に取れるようにした。

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 さらに「売り上げよりも認知を優先」(長谷川氏)と、集客のための仕掛けを用意。店頭に並べている美容家電や、ホテルのエステチケットなどが当たる抽選会を開催。「大当たり」「当たり」「ハズレ」に分かれた的をめがけてダーツを投げる。1日5回、2時間おきに実施したが、開始前には店の前に行列ができた。

 抽選会の参加にはルクサの「LINE@」アカウントに友だち登録するのが条件。「この場でサイトの本登録まで促すのは大変だが、LINEだとハードルが低いのですぐにやっていただける。一度登録してもらえれば、当社の告知も流せる。長期的に知ってもらうことも可能になる」(同)。店頭の商品も「LINE@」の登録で、30%割り引いて提供した。

 サイトに誘導する仕掛けも施した。店頭で配布したQRコードからアクセスできるランディングページを設置。ホテルのペアチケットなどが当たる「リベンジプレゼントキャンペーン」や、1000円相当のギフト券を配布し、会員登録を条件とした。

 来春には同施設への本格出店も視野に入れる。「人口分布的にもそうだが、支社を構えているので関西でもっとシェアを増やしていきたい」(同)とする。リアルの接点から新規客開拓を目指す。

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