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通販各社の地域貢献活動、狙いは?

 有店舗小売業者のように店舗周辺地域など特定のエリアによらず、全国でビジネス展開を行う通販事業者だが、意外にも本社事務所や物流センターがある地域で地域社会に貢献するような活動を積極的に行う事業者は少なくない。無店舗販売であるがゆえのある意味での「顔の見えにくさ」を払しょくし、地域での活動を通じて企業の長期的な成長にとって不可欠とも言える"安心感"や"知名度"を高めたい狙いなどもあるようだ。注目すべき各社の取り組みを見ていく。

千葉の応援ショップも開設


<スタートトゥデイの場合>

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 スタートトゥデイは、自社プライベートブランド「ゾゾ」を中長期的な成長エンジンとし、事業領域を一気に世界へと広げる方針だが、同時に、地元"千葉"との結び付きもこれまで以上に強めていく。

 同社はこれまでも地域貢献を目的に、幕張海浜公園で開催される「幕張ビーチ花火フェスタ」への協賛に加え、同社の前澤友作社長が千葉マリンスタジアムの施設改修などを目的とした「千葉マリンスタジアム基金」に個人で1億円を寄付したほか、サッカーの本田圭佑選手の所属事務所が運営する幕張のサッカー場「ゾゾパークホンダフットボールエリア」のネーミングライツ取得や、千葉マリンスタジアムのネーミングライツ取得(ZOZOマリンスタジアムに命名)、プロ野球球団の千葉ロッテマリーンズとコラボしたスタジアムクルーのユニフォームデザインの提供などさまざまな取り組みを実施してきた。

 昨年12月には、千葉県および千葉市の発展や地域住民とより深い関係を築くために「フレンドシップマネージメント部」を新設した。同部の取り組みとしては、千葉の飲食店やサービス店などを中心に、社員優待が受けられる新制度「ゾゾコネ」を始動。スタッフが新制度を利用することで地域還元を目指すとともに、千葉の会社であることを再認識する目的もあるという。

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 最近では6月20日に、運営するファッション通販サイト「ゾゾタウン」内に千葉を応援するショップ「ゾゾタウン×チバ」をオープン。行政や企業、スポーツ団体、教育機関などとコラボした商品の開発、販売を通じて地域活性化につなげたい考えだ。

 オープン記念の第1弾コラボ展開では、千葉市役所と千葉県のプロスポーツ団体と企画したナインアップで、着用モデルには現役のスポーツ選手なども登場する。

 具体的には、千葉市の礎を築いた千葉氏の歴史をより多くの人に知ってもらえるよう、千葉市と共同で千葉氏の家紋や千葉開府900年のロゴをデザインしたポロシャツを制作した。

 プロスポーツ団体とのコラボでは、同社監修のもと、千葉県出身の千葉ロッテマリーンズ選手5人がデザインを手がけたオリジナルTシャツを販売する。また、サッカーチーム、ジェフユナイテッド市原・千葉のレジェンドマッチを記念して、ゾゾタウンがデザインを担当したオリジナルウエアを期間限定で復刻。とくに人気の高かった4モデルをリバイバルしたという。

 さらに、プロバスケットボールチームの千葉ジェッツふなばしとも完全別注のキャップやポロシャツ、キャンパスバッグといったアパレルグッズを開発するなど、幅広くコラボアイテムを展開している。



教育で社会貢献、物流ロボットの仕組みを授業

<アマゾンの場合>


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 アマゾンジャパンでは子供向けの教育活動への協力を軸に社会・地域貢献活動を進めている。同社では全国に構える物流拠点の近隣の小学生らを対象に物流拠点や物流ロボの仕組みを教えたり、STEM(科学・技術・工学・数学の総称)と物流を関連付けて学ぶための学習用プログラミング教材の提供。同じく近隣の高校生を対象にした1日職業体験プログラム「ジョブシャドウ」の開催など未来を担う子供達への教育協力を軸とした社会・地域貢献活動を行ってきており、その一環として8月1、2日に開催された26の各府省庁が連携して小中学生などを対象に業務説明や省内見学などを行うイベント「こども霞が関見学デー」に協力し、同社の物流拠点で稼働する自動式商品棚「アマゾンロボティクス」の仕組みなどを子供たちに教える特別授業を8月1日に実施した。

 「こども霞が関見学デー」への参加は、アマゾンの活動を知った文部科学省からの招聘を受けて協力したもので、「アマゾンロボティクス」を導入している神奈川・川崎のアマゾンの物流拠点「アマゾン川崎フルフィルメントセンター」の責任者の梶山浩史氏が講師として登壇し、社会インフラとして重要性が高まる物流への子供たちの理解の促進を目的に小学生とその保護者の48人にフルフィルメントセンターの仕組みなどについて説明した。

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 また、「アマゾンロボティクス」の模型を使用した商品の棚出し作業や安全に作業するためのダンボールの運び方、商品を丁寧に梱包するという3つの作業を児童らに体験してもらい、働きやすい職場環境やテクノロジーとイノベーションを学んでもらったという。このほか、アマゾンが各フルフィルメントセンターの近隣の学校で提供しているSTEM学習用プログラミング教材を用いたワークショップも実施。アマゾンが販売する独自タブレット端末「Fireタブレット」を使用して「アマゾンロボティクス」を操作するプログラミング体験などを行った。

 参加した児童らからは「なぜ、おうちに届くアマゾンの商品がちゃんと約束の時間に届くかはフルフィルメントセンターのお仕事がとても大事だということが分かった。人間とロボットが協力して仕事をしているアマゾンロボティクスの仕組みも勉強できて、とても夏休みの宿題の参考になりました」などの声が寄せられたようだ。

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 また、同じく地域貢献活動の一環として、利用運送振興会が運営する物流の歴史や最新の物流施設を学ぶことができるという「物流博物館」(所在地・東京都港区高輪4‐7‐15)に対して、「アマゾンロボティクス」に関する資料などの展示協力を行っている。

 「アマゾンロボティクス」の駆動部分である「ドライブ」の原寸大模型やPODと呼ばれる商品棚の原寸大タペストリー(壁掛け)、作業体験用商品棚、「アマゾンロボティクス」の紹介動画、同拠点の仕組みを解説するパネルのほか、「アマゾンロボティクス」の理解促進を助けるための来場者、特に子供を対象にした「学習用プログラミング教材」などを提供、8月7日から同博物館で常設展示を開始している。同博物館には子供たちが遠足や修学旅行で訪問すること多く、「寄贈品の模型やパネルなどの資料を通じて、アマゾンのテクノロジーやイノベーションを見学者に学んで頂ければ」(同社)とした。



グループ活動の一環で特産品販売

<JALUXの場合>

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 JALUXでは、JAL(日本航空)グループで取り組む地域活性化プロジェクト「JAL 新・JAPAN PROJECT」の一環として、地域の特産品などを通販で取り扱う活動を展開している。

 同プロジェクトは「地域産業支援」と「観光振興」の切り口から各地域が抱える課題の分析や施策の検討、提案を行うことで、物流の活性化や国内外からの交流人口拡大を図り、地域の持続的な発展に貢献するというもの。JALUXではリテールの観点から参画しており、2016年から菓子や酒商品の販売を開始した。通販カタログや自社通販サイトで特集を組んで、対象となった各地域の商品を販売して地域ブランドの魅力を広く発信している。

 販路となっている通販カタログでは平均でA41ページを使って特集しており、通販サイトでも特設ページで販売している。食品を取り扱う「グルメ・ファーストクラス」の直近の盛夏号では、山形県の地元産素材を使った「ずんだ」の詰め合わせセットや、青森県の県産品の米粉と小麦の生地に「あおもり藍」を練り込んだフィナンシェを特集している。

 そのほか、グルメ商品以外では岩手県の国産漆産業の復活・振興、伝統文化の保護・発展に向けた活動として、JALが岩手県や現地企業と共同で企画開発した国産漆を使用した漆器などの販売も行っている。

 これまでも、ファーストクラス機内食で採用された菓子類などは注目度が高かったようで、同社でも大きくアピール。通販での取り扱いをきっかけに商品に興味を持って現地の店に訪れた顧客もいるなど、観光振興面での地域支援にもつながっているという。

 なお、対象地域や商品内容の選定については、JALのプロジェクト展開時期に合わせて通販用に内容を検討した上で、タイムリーに商品が販売できるように取り組んでいる。今後も継続的にプロジェクトの施策と連動して、通販からの地域活性化支援を行う考え。

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