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【楽天・海老名雅貴氏に聞く 店舗向け新施策の詳細は?】 「独自配送、3PLとの協業も」、チャットは全店舗に効果あり

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 楽天では、7月17日に開催されたイベント「楽天EXPO2018」において、「楽天市場」出店者向けに同社独自の配送ネットワークを構築する「ワンデリバリー」構想の詳細を明らかにした。さらには、チャット機能「R―Chat」の全店舗への導入など、楽天市場の機能強化に向けた新たな施策も公表している。同社のコマースカンパニーマーケットプレイス事業市場企画部の海老名雅貴ヴァイス・ジェネラル・マネージャーに詳細を聞いた。

 ――2020年までに「楽天市場」全店舗の商品を楽天が配送する仕組みに変えるとのことだが、全面移行までのスケジュールは。

 「あくまで目標ではあるが、再来年をターゲットにしたいとは考えている。とはいえ、当然のことながら店舗の都合もあるし、これからコミュニケーションを取らないといけないので、当社の一存では決められない。そのため、現段階ではまだ決まっていない部分が多い」

 ――そもそも、なぜ独自物流を始めるのか。

 「昨年『宅配クライシス』があったわけだが、日本の物販におけるネット販売の比率は約6%に過ぎないわけだ。今後どんどん伸びていくことが予想されるのに、物流が一つのボトルネックになっている。何とかしないと当社はもちろん、ネット販売市場そのものの成長が止まってしまいかねない」

 「当社サービスと宅配キャリアとどこが違うのかというと、価格設定が魅力的というのもあるが、当社は仮想モール運営と物流が一体化しているのが強みだ。楽天市場に集まるデータをどう使うかがカギになる」

 ――店舗は全在庫を楽天の物流センターに預けるタイプと、出荷する際に出店者の利用する倉庫から楽天の物流センターに横持ちで移動するタイプのどちらかを選ぶとのことだが、両者に料金の差はあるのか。

 「現在検討中だ」

 ――出店者の物流業務を請け負う「楽天スーパーロジスティクス」では、9月1日から新料金を採用する。競合となるアマゾンの「FBAマルチチャネルサービス」と比較した場合、小さいサイズでは安くなるものの、大きいサイズでは高くなる。

 「今後見直していく予定だが、現段階ではこのプライスでお願いしたい。将来的には温度管理が必要な商品や、家具のような大型商品についても扱えるようにしたい。ただ、全部自分たちで手がけるのが良いとは限らないので、3PLとの協業も選択肢の一つに入る。スピード感や魅力的な価格が打ち出せるのかという点も含めて、オープンなプラットフォームを志向したい」

 「すでに、東京23区内では『楽天エクスプレス』として独自配送を開始しており、書籍通販『楽天ブックス』や直販子会社の楽天ダイレクトの商品を運んでいる。配送エリアは年内に関西圏にも広げる予定だ。楽天スーパーロジスティクスを利用する店舗の商品についても、秋頃から楽天エクスプレスでユーザーに届けるようになる」

 ――チャットを全店舗に導入するとのことだが、商材的に不要という店舗もあるのでは。

 「試験導入の際には100店舗以上に協力いただいたわけだが、問い合わせの9割は購入前で商品に関するものが多く、転換率が軒並み上がっている。われわれが思っている以上に、購入前にいろいろ聞いてみたいというユーザーは多いようで、気軽に聞ける仕組みを導入すれば購買は促進されるはずだ。そのため、どの店舗にとっても、チャットはうまく使えばポジティブな結果が出るのではないか」

 ――対応する人手が足りないという声もある。

 「もちろん、そこは認識している。なので、次のステップとしてはチャットボットを導入して、簡単な質問は人を介さないようにする。ただ、店舗の個性が出せる部分だし、ユーザーへの"おもてなし"という点も含めて、チャットを有効活用してもらいたい。どうしても対応が難しいようであれば、時間を区切ってやっていただければ」

 ――楽天市場のサービスとして標準化することが重要だ。

 「ユーザーにとって楽天市場がどういうプラットフォームであるべきか、ということだろう。現在、『楽天ペイ(楽天市場決済)』の導入を全店舗に進めているが、ユーザーにとっては、楽天市場に来たら決済は全店舗一律であった方が分かりやすいはずだ。問い合わせ手段についても、店舗によって違うのではなく、同じにするべきだと思う。チャットも含めて、ユーザーにどういう対応をして、どういう情報を提供していくか、という部分で店舗は個性を打ち出せるはずだ」

 ――R―mail(メール配信)からR―Messageへの移行を進めるとのことだが、R―mailはサービスを終了するのか。

 「そのつもりはない。ただ、1月から提供予定のR―Messageの機能を充実させるので、店舗にも使っていただきたい。特にレコメンドメールは効果が高い。メールマガジンは各店舗がユーザーからパーミッションを取らなければいけないが、レコメンドは当社がパーミッションを取れば、さまざまな店舗の商品をお薦めできるので、店舗にとってもプラスが大きいのではないか。当社は膨大なデータを保有しており、店舗には見えない部分も見えている。個々のユーザーにあった商品を提案すれば購買につながりやすい」

 「メルマガについては、店舗が中身を工夫して、出したいタイミングで出せるというメリットがあるため、引き続き活用していただければ。ただ、週1回の無料配信枠はなくす方向で考えている」

 ――アフィリエイト料率変更に関して、料率は上がっても成果認定の計測期間が短くなるため、負担は変わらないか減る店舗が大多数とのことだが、根拠を詳しく教えて欲しい。

 「成果の認定範囲について、これまではクリックから購入まで30日間あったが、来春からはクリックから購入までは89日間とした上で、クリックから買い物カゴ投入まで24時間以内のものしか認めない。アフィリエイターがどう動くか、まだ分からない部分もあるが、結果的にはそこまで大きくは変わらないと思っている」

 「楽天市場でポイントを恒常的に増量する施策『スーパーポイントアッププログラム(SPU)』を展開しており、明確に購入の意思がある人は(SPUでポイントがアップする)アプリから買っている。そのため、店舗からすると無駄なクリックは減っているのではないか。ただ、今回の料率変更で、やる気があるアフィリエイターは今まで以上に成果を挙げるはずなので、ジャンルによってはアフィリエイター経由の販売額が増えて、それに伴いアフィリエイターに支払う額も増えるということになるだろう」

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