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2018年8月 Archive

【ユニクロの松山真哉部長に聞く AI接客アプリの狙いとは?㊤】 対話から新しい購買体験、ECを「副業」から「本業」へ

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 ユニクロは7月、AIによるチャット接客機能「UNIQLO IQ(以下IQ)」を公式アプリに本格搭載し、新たな購買体験の提供に乗り出している。EC誘導をはじめ、膨大な対話の積み重ねが有用なマーケティングデータとして活用されることも見込まれる。アプリ開発の中心となったグローバルデジタルコマース部の松山真哉部長に詳しい話を聞いた。

 ――この数年間、ユニクロの中でECを取り巻く環境が変化している印象を受ける。

 「会社で『有明プロジェクト』を進めていく中で、大きくは3つのことを実現しようとしている。1つはオンラインとオフラインを統合した新しい購買体験をつくること。2つ目がデジタルやテクノロジーを活用しながら、顧客の要望を即、商品に反映させる仕組みをつくること。3つ目は、そうしたことを実現するために働き方自体を変えていかなければならないため、こうしたオフィスを作ってワンフロアで1000人が一緒に働くことで変えていくということ。

 IQに関しては、1つ目の『新しい購買体験』を提供するための取り組み。そうした意味では、私たちはECというものは正直ずっと副業という位置づけで、メインである実店舗を支えるという考えだったが、これからはそれを本業化していくということ。今は人材もそうだが、このオフィス自体も下が倉庫になっており、そこからECの荷物を配送するという物流設備面での投資もかなり行っている」

 ――ハード面以外の投資については。

 「今は例えば支払い方法の多様化という点で『後払い』や『Apple Pay』の導入。また、実店舗のレジで清算した商品をECから送るといったサービスや、コンビニ・店頭受け取りも行っており、今はかなり利用が伸びてきている。これに加えて新しい購買体験として今回の『チャットショッピング』を新たに提供することになった」

 ――チャットショッピングに注目した経緯は。

 「今は、実店舗で買うという行動から、ECでの購入になり、それがモバイルベースになるといった流れがある。その中で現在消費者に一番使われているコミュニケーションツールが『LINE』や『Facebookメッセンジャー』といったチャット形式のインターフェースとなっている。そうした背景から、対話をしながらショッピングができるという購買体験を提示したかった。いつも(ページを)開いて頻繁にメッセージを確認するなど、日常で一番時間を使っているツールだと思う」

 ――顧客とコミュニケーションを図る機能は当初から意識していた。

 「有明プロジェクトもそうだが、常に双方向のコミュニケーションを図って、何か要望を聞いて商品に反映したり、改善したりして『このように変わりましたよ』と伝えていくサイクルを作っていきたいと考えている。顧客との一番身近な接点となるモバイルアプリを、そうした場にしていきたいと思っていた」

 ――運用は専任チームが行っているのか。

 「カスタマーセンターのチームの1つに位置付けていて、担当者数名が専任者として取り組んでいる。もちろんプロジェクトとしては開発など様々な部署も関わってくる」

 ――AIの基になる教師データについては試験運用を開始した昨年9月から作っていたのか。

 「まだ、利用実績がない段階ではある程度憶測で作っていた面もあるが、その大元もカスタマーセンターへの問い合わせ履歴やFAQなどでのデータをベースにしている。象徴的なこととして、(顧客からの質問は)フリーテキストで入力することができるが、初めはその質問の約50%に答えることができず、自分たちが想定している使い方とはまったく違うと感じた。そこで、専任チームが毎日ログを見て教師データをどんどん作っていく作業を愚直に行った。

 また、何カ月に1回か、IQの幅広い世代の利用者の方に集まってもらいグループインタビューを行っている。そこでの話し合いに基づいて機能改善している。さらに、月に1回の月度朝礼の後などで、CS表彰を受けているような実店舗スタッフに定期的に時間をもらって、普段顧客から受けている質問内容や満足された対応事例をヒアリングして反映させている」(つづく)


ピーチ・ジョン アプリの立ち上がりが好調、スムーズな購買で離脱解消

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 ピーチ・ジョンは、7月に行ったアプリの刷新後の立ち上がりが好調に推移している。刷新初日からアプリの売上を計上し、課題となっていたカート画面の離脱の解消に寄与したようだ。また、実店舗では3割の顧客がレジでアプリを利用して会員情報を提示しているなど、顧客との接点拡大につながっているという。アプリの来年3月末時点の月間アクティブユーザー数(MAU)は前期比78%増を目指す。

 刷新したアプリは「ピーチ・ジョン公式アプリ」。永久的にログイン状態を保持し、ログインから決済、購入完了までをスムーズに行えるようにした。また、店舗で発行したカード番号を入力すると店舗での購入履歴の閲覧できるほか、バーコード検索などができる。

 刷新は17年4月に立ち上げた部署「カスタマーデライト向上インフラ推進部」で手掛けた。通販の会員数拡大に限界があることや、顧客とのコミュニケーションがメルマガ中心になる中で、時代の変化に合わせた"顧客感動"の視点でインフラ整備を進める組織と位置付けている。

 アプリの刷新は、オムニチャネルの実現を目指して行った。中心顧客層の20代~30代の通販サイトを利用する既存顧客が迷わない操作性や違和感のないデザインを目指した。「アプリを使い続けるユーザーは、ブランドを好きな人」(カスタマーデライト向上インフラ推進部同課課長の宮澤雅行氏=写真㊦、左)とし、購買体験における楽しさも重要だったという。

 アプリの開発は機能だけでなく、細部までこだわった。商品検索画面では、「ブラジャー」や「パンティ」などカテゴリー検索をビジュアルから選択できるようにした。アプリ用に撮影したものを採用し、優しい色合いで商品やブランドへの興味を喚起する。

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 起動時に表示するエントランス画面は、カタログ発刊とともにスタートするシーズンにあわせてビジュアルを変更。ユーザーがアプリを立ち上げる楽しみを演出した。

 さらに商品画像のお気に入り商品を登録するハートを押すと、エフェクトが発生するように工夫。データのローディング中のアニメーションは桃をデザインした。アプリを使うユーザーが驚く仕掛けを盛り込んだ。

 好調な立ち上がりは、スムーズな購買体験が奏功したようだ。また、レジでの声掛けなどがアプリの利用促進に貢献したとみる。今後もアプリの機能強化を図る方針で、アプリ限定の施策や、来店に応じて特典を付与する仕組みも検討するようだ。「将来的にはアプリは会員数を伸ばせるチャネルへ育成したい」(クリエイティブ部WEBデザイン課課長兼カスタマーデライト向上インフラ推進部同課尹永淑氏)とした。

【新生・京都きもの市場の戦略は?】 リアルの場で顧客接点拡大、着物のメディアサイト開設

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 着物のネット販売を手がける京都きもの市場は、8月1日にグループ会社で和装品の卸を手がけるタナカゼン商事と、着物の展示販売事業を行う京都シルクを吸収合併し新生・京都きもの市場としてスタートしたのを機に、通販サイトと実店舗事業、展示販売事業の3チャネルの連携を強化して成長につなげる。

 京都きもの市場では、すでに昨年8月から京都シルクの営業部隊を段階的に京都きもの市場の展示会チームに転籍させるなど、3社統合の準備を進めていたという。

 展示販売会は、京都シルク時代には小規模会場も含めて年間500回以上開催してきたが、今後は回数を絞り、従来よりも1・5倍~2倍の売上高が見込める展示会を増やすなど、効率運営につなげる。

 前期(2018年7月期)から京都きもの市場主催の展示会を増やしてきており、とくに都内など顧客分布の多いエリアではメルマガやウェブを介した通販顧客へのアプローチを強化。事前にウェブ上で時間帯別の来場予約を受け付けることで、来場者一人ひとりをしっかり案内できるようにしている。

 地方の展示会では、従来からのチラシやDMを活用した集客施策に加え、EC顧客への告知も行うことで地方会場の来場者数も増えているようだ。

 実店舗は、京都店と銀座店、福岡天神店に加え、今年3月に大阪梅田店と名古屋栄店を開設して5店舗体制になった。大阪、名古屋の新店は、オープン初月は開店セールもあって出だし好調だったが、安定した売り上げを確保するのには認知も含めて時間がかかるため、周辺地域にチラシを配布したり、リアルイベントも開催しながら来店者数を増やし、早期に単月黒字を目指す。

 同社では、着物を着用して楽しめるイベントを開くことで顧客接点を増やし、消費者の安心感や信頼感の醸成につながっていることから、他店の成功事例を横展開することも多いという。昨年11月に開設した福岡天神店でもイベントを積極的に開催しており、規模はまだ小さいものの顧客が定着しつつあるようだ。

 人気イベントは(着物着用時の)ヘアーセットのレクチャーや食事会、伝統芸能や和文化の体験会、コーディネート関連のワークショップなどで、着物を着る機会そのものを求めている顧客も多いという。

 今後はフェイスブックやインスタグラム、ツイッターなどのSNSを強化する。福岡天神店でLINE@をテストして消費者の反応が良かったため、銀座店でも5月に開催した都内の大型展示会に合わせてLINE@をスタート。LINE@の登録者には銀座店に来店すると帯留めをプレゼントする特典を設け、銀座店への送客も図った。

 一方の自社通販サイト「京都きもの市場」については、5店舗に広げた実店舗や展示販売会への送客を強化していることで純粋なEC売上高は若干弱含んでいるものの、EC会員を増やさないとリアルへの送客効果も薄れるため、「EC単体で勝負できるように事業の再強化が必要」(田中敬次郎社長)とする。

 そのため、ECで売り切れる商材、企画を強化するとともに、EC売り上げの貢献度を評価制度に盛り込むなどして担当者のモチベーションを高める。

 今期(19年8月期)は商品と集客の両面で取り組みを強化する。商品面では、ECと店舗、展示会それぞれの収益構造に適した品ぞろえにブラッシュアップを図る。集客面では多用しているチラシに代わる集客ツールの確立を目指す考えで、SNSやウェブコンテンツの強化に加え、ポスティングなども試す。

 6月上旬には、メディアサイト「きものと」を開設(画像)。オウンドメディアとして展開するが、あまり販売面を意識せずに、まずはブログやコラム、イベント、レッスン情報などを発信して着物に興味のある消費者との接点拡充に努める。

GDO 新会員制度で客数拡大、ゴルフ場予約からEC送客進む

 ゴルフ用品のネット販売などを手がけるゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)は、昨年よりゴルフ用品販売とゴルフ場予約サービスの連携強化を進め、相互利用者の拡大を図っている。今上半期(1月~6月)は予約サービス利用者のEC流入などが増加したことで、ゴルフ用品販売の顧客数・購入単価ともに前年同期を上回った。

 昨年6月より新会員制度の「GDOヤードプログラム」を立ち上げ、ゴルフ用品販売とゴルフ場予約サービスの特典付与制度を統一。ゴルフ場予約受け付けを行った顧客に対し、商品によっては2~3割引きで購入できるようなECでの特典を付与するほか、これまで予約サービス利用者には予約に関するクーポンしかインセンティブで付与していなかったものを、ECのクーポンも付与するようにしていった。これにより、以前はどちらか片方のサービスしか使っていなかったという会員の相互送客を図り、複数サービスからのアプローチでGDOサービス全体の利用頻度を増やしているという。

 実際に新会員制度を開始した2017年第2四半期のサービス相互利用者数は前年同期比10%増、同第3四半期は同14%増、今第1四半期は同16%増、同第2四半期は同12%増と、開始以降、毎四半期ベースで2桁増を維持している。

 また、今上半期のゴルフ用品販売事業で見ると、予約サービスだけでなく「スコア管理アプリ」サービスからの顧客流入が増えたこともあって、顧客数では前年同期比11%増、購入単価では同9%増と大きく拡大。特に5月単月の受注金額に関しては前年同月比で48%増となるなど、好調に推移したようだ。

 そのほか、顧客基盤の拡大という点では、7月に完全子会社化したゴルフレッスンチェーン事業を手がける「GOLFTEC」での実店舗を使ったレッスンからのフィッティング、クラブ販売という体験型用品販売での新規顧客層の開拓も強化している。GDOクラブ会員数は18年6月時点で、前年同期比11・4%増の353万人となった。

 なお、同社の今上半期の連結業績は売上高が前年同期比23・6%増の119億2600万円、営業利益が同3・6%増の3億2000万円、経常利益が同1・8%減の3億800万円、四半期純利益が同14・4%減の1億3700万円。

 通期連結業績予想についてはGOLFTECの子会社化に伴って諸費用が発生したことを理由に下方修正を実施。売上高が260億円(前回発表が250億円)、営業利益が8億5000万円(同13億5000万円)、経常利益が8億5000万円(同13億5000万円)、当期純利益が3億5000万円(同8億5000万円)とした。

本紙調査・2017年のTV通販市場は? 6%増の5792億円まで拡大 

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 本紙が調査した2017年度(2017年6月~2018年5月)のテレビ通販実施企業の主要上位30社の売上高合計は前回調査比6・2%増の5792億円だった。市場全体は横ばいまたは微増傾向であることは変わらないが、市場をけん引する通販専門局2社が着実に売り上げを拡大させていることに加え、在京キー局各社も堅調な伸びをみせていることなどが市場全体の拡大につながったよう。注目すべき事業者の動向を振り返りつつ、17年度のテレビ通販市場を見ていく。

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