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アスクル ポイントで配送日誘導に成果、作業平準化でコスト減や遅配防止

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 アスクルが昨秋から実施している物流センターの出荷体制に余裕のある閑散日に配送日を指定した顧客にポイントを付与し、出荷量を平準化させる取り組みが成果を上げている。実施以前はセール日の翌日など出荷が集中した際は通常の出荷キャパシティを超えてしまい、対応のために庫内作業員を残業させたり、臨時の増員が必要となり、作業効率や生産性が低下していた。また、それでも遅配が発生し、顧客の離反の一因となっていたという。実施後は出荷量をコントロールできるようになり、関連コストの発生や遅配もほぼなくなったことに加えて、顧客が配送日指定を行う率が増したため、商品配送時不在持ち帰り率(不在率)も低減するなどの効果も出ているようだ。

 アスクルでは年々、増加する売上規模に伴う商品出荷量の増加に対応するために逐次、物流拠点の新設や設備投資などの対策は行ってきたが、2年ほど前から販促キャンペーンの実施日などの急激な出荷増への対応に苦慮しはじめていたという。例えば、運営する個人向けの日用品通販サイト「ロハコ」ではグループのヤフーが運営する仮想モール「ヤフーショッピング」で毎月5・15・25日に実施している購入者への付与ポイント増などを軸とした販促キャンペーン「5のつく日キャンペーン」に参加しているが、当該セール日の翌日などは出荷量が平常時の倍から3倍程度まで跳ね上がるという。物流センターの設備はそもそも出荷のピーク時に合わせた設備や人員としているわけでないため、繁忙期は作業時間や人員を増やしたりすることは一般的だが、ピーク時の出荷量が2年前と比較すると2・5倍となってしまい、センターの稼働時間を伸ばしたり、一時的な人員増にも限界が出てきたという。

 そうした中での対応ではコストもかかり、慣れていない人員では生産性も下がってしまう。また、それでも出荷が追い付かずに結局、遅配してしまうことも多々あった。また、遅配が発生するとコールセンターへの問い合わせも増え、オペレーションコストも増す。さらに「どうしても指定日に商品を届けて欲しい」という顧客には別便を仕立てるため、その分のコストも発生していた。「なにより、遅配はお客様への信用問題となり、離反の一因となっていた」(フューチャープラットフォームアーキテクチャ プロダクション本部の上村謙介プロダクトマネジメント統括部長)とし、「キャンペーンで売り上げは上がるが、コスト面や労務管理の面でも様々な問題を抱えていた」(同)という。

 そこでアスクルは「ロハコ」で商品注文時の配送日時指定画面で、出荷体制に余裕がある日、つまりアスクル側が指定して欲しい配送日に、共通ポイントのTポイント(※使用期間を制限し、かつ、ヤフーグループなどでしか使用できない「期間固定Tポイント」)を"追加ポイント"として付与することを表示(=画像)し、顧客がその日を選べば当該ポイントを付与するという試みを昨年10月から開始した。例えば、出荷体制にかなり余裕がある日には100ポイント、やや余裕がある日は50ポイントという具合にし、販促キャンペーンの実施日翌日などに集中する出荷・配送作業を、別日にずらす狙いからだ。

 まずは「どのくらいのポイントを付与すれば配送日を変えてもらえるか」などの条件を探るため、手動で付与ポイント数を変えてテスト。10ポイントを下限に最高150ポイント程度まで試した結果、40~50ポイント程度、場合によっては10~20ポイントでも意外に"動く"ことや、例えばある日を10ポイント、別の日を5ポイントとするとポイント付与数は低くても相対的に付与数が高い日に誘導できることなど「配送日を変える"条件"などをある程度、把握した」(上村部長)として、12月11日からは「5につく日」など受注が集中する日に当日の受注量や物流センターの出荷体制などから、付与できるポイントの予算を入力するだけで機械的に追加ポイントを付与する配送日やポイント量の設定、また、ポイント付与による配送日誘導の結果を受けて、リアルタイムに各日の付与ポイントを変えたり、なくしたりする仕組みを自動化し、運用を本格化させた。

 この結果、出荷作業を平準化できるようになり「現時点では無理な残業や臨時増員も少なく、キャンペーンがあっても生産性は下がらないし、ほとんど遅配も発生しない」(同)という。この試みには付与ポイントの原資負担など実施するために毎回、数十万円程度の費用がかかるとみられるが、仮に実施しなかった場合、庫内作業員の人件費や別便の手配のための費用、遅配に伴う入電増への対応コストなどに加え、離反客による機会損失で「恐らく数百万円程度の負担が発生していたはずで費用対効果としては十分に元が取れている」(同)という。

 また、この試みにより、配送時の不在率の低減にもつながっているという。「ロハコ」では顧客が注文する際、特に配送日時を指定しない場合、当日や翌日など最短出荷を行っているが、その場合、顧客側は配送日の意識がないが、この試みでは配送日および日時を指定するために「お届け日を覚えているお客様が間違いなく増えた」(同)結果、不在率が減り、配送効率の面でも寄与している模様だ。

 今後は自社配送や配送を委託する配送会社などと協力しながら"配送体制"も考慮して、同じように配送の繁忙期にポイントを付与して配送日をコントロールするなどの試みも視野に入れているようで、同試みを進化させていく考え。

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