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2018年4月 Archive

「アマゾン商法」の実態<「消費者至上主義」の舞台裏> 原価割れ赤字「補填して」

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 「地球上で最も豊富な品揃え」と「最安値」を追求し、アマゾンジャパンはこれを実現しようとしている。だが今年3月、公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査を実施。その安さの"カラクリ"は、納入業者に対する「割引補填」で実現されてきた疑いがある。「元が取れないから金払え」。消費者至上主義の裏で何が行われてきたのか。納入業者が明かす「アマゾン商法」の実態。


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【久保田社長と金山CIOに聞く スタートトゥデイテクノロジーズのビジョン】 グループ一丸で技術力強化へ、研究所は特許などKPIに

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 スタートトゥデイ子会社の旧スタートトゥデイ工務店とVASILY(ヴァシリー)、カラクルが4月1日に合併し、スタートトゥデイテクノロジーズが発足した。グループの技術力を集結した新会社には2人の代表取締役が就任し、専門性の高い分野でも迅速な意思決定とスピード感のある経営を行うという。同社の久保田竜弥社長(=写真左)と金山裕樹CIO(チーフ・イノベーション・オフィサー)に新会社での役割分担や経営ビジョンなどを聞いた。

 ――テクノロジー系3社が合併した。

 金山「3社が合併した理由は攻めと守りの両面がある。攻めの部分は機能的に似ている3社がノウハウの共有や人材交流を含め、テクノロジーと生み出すモノの価値をより高めていくためには、各社で技術開発を行うよりも、一丸となった方が良いと考えた。まずは、主にソフトウエア開発の技術力向上とお客様価値の増大に取り組む」

 ――守りの部分は。

 金山「テック企業の情報の取り扱いは非常にセンシティブな問題だ。3社で統一された情報セキュリティーレベルを設定するなど、コンプライアンス意識をさらに高める必要があった。それには、1社の方が効率的で、かつリスク管理がしやすいと判断した」

 ――新会社でのふたりの役割分担は。

 久保田「スタートトゥデイ工務店のときから人工知能や機械学習というワードは出ていたし、現場からもリクエストがきていたが、既存事業の開発に時間をとられ、なかなか手を付けられない状況だった。今回の合併で足りない部分を補えるため、新しい技術の開発などは金山に任せる。自分自身はこれまで通り、既存事業を大きくしていくことに全力をつくす。昨年はPBや『おまかせ定期便』とひとつのサービスで会社が作れるくらいの規模のローンチが相次いだ。PBも始まったばかりで、ゾゾスーツの供給体制やPBの国内外での販売など、取り組むことは多い。ただ、ECチャネルでの販売手法がこの先ずっと続く保障はない。次のトレンドの発掘などは金山に依頼して準備を進めてもらう」

 ――業務範囲が増えるのか。

 金山「ヴァシリーでも新規事業創出や研究開発を行っていた。人員と予算をもらってスケールアップして取り組めるようになり、研究結果を披露する場ももらえる。業務範囲というよりは大きな舞台に立てるチャンスが広がった。『ウェア』は1000万人の利用者がいるが、『アイコン』は200万人とまだまだ規模が小さく、"地産地消"という感じだった。『ゾゾタウン』と連携すれば決済や物流、ゾゾスーツにPB販売もあり、可能性が広がる」

 ――スタートトゥデイ研究所のプロジェクトリーダーも務める。

 金山「プロジェクトリーダーは研究員が気持ちよく研究できる環境を整え、研究されたものが実用化できるように導いていくのが役目だ。予算も含めて健全に運営できるようにマネジメントしていく」

 ――新会社の人員は。

 久保田「213人でスタートした。3社の人員を合わせただけでなく、3~4月に採用を積極化し、新卒者も採用した。職種はエンジニアとデザイナーが大半を占めている。拠点は青山と幕張、福岡の3カ所に分かれており、例えば、『ゾゾタウン』の開発はカスタマーサポートや物流拠点、ブランドEC支援の部隊がいる幕張に置き、コミュニケーションをとりやすくしている」

 ――研究所の体制は。

 金山「15人程度でスタートしている。旧カラクルの10人は福岡に、ヴァシリー出身の5人は青山を拠点にしている」

 ――研究所を運営する上でのKPIは。

 金山「最終的にはどのくらい事業にインパクトを与える発明ができるかが重要で、そのためには特許の申請数や基となる論文の数も大事にしたい。機械学習や画像認識などコンピューターサイエンス分野の学会に論文を通し、その内容を特許としてパッケージ化し、現実のビジネスに実装して価値を生むことが大切だ。1~2年で結果が出るとは思っておらず、腰を据えて取り組める体制を作っていきたい」

 ――研究範囲は。

 久保田「スタートトゥデイグループは現状、ECやメディア事業にとどまっているが、もっとファッションの範囲を大きく見ており、例えば、服を作る工場のラインや原料になる綿の栽培をいかに効率化するかとか、素材の研究やデザインプロセス、もっと言えば、物流倉庫のロボット化、自動運転なども事業対象の範囲に入ってくるかもしれない。ファッションという大きな軸で見たときに、事業の対象になりそうな部分で必要な研究開発には取り組みたい。領域が広くなって研究員がいなければ、求める知見のある人を採用したり、外部の有識者と共同研究していけばいい。何を優先的に取り組むとか、研究テーマにするかどうかは、基本的には当社経営陣と前澤で判断するが、その根底にはファッション産業を盛り上げたいという気持ちがある」

 ――今期、新会社として優先することは。

 金山「まずは組織だ。200人以上のメンバーが集まっており、各自が自分の能力を十分に発揮できる組織、環境作りを急ぎたい」

 久保田「当社はテクノロジーの会社ではあるが、根底にファッションがあるからこそユニークだと思う。技術の力でファッションの課題を解決する企業文化やミッションを発信し、共感する人が集まって、より強い組織が作れるようにしたい」

 ――海外拠点も増えていきそうだ。

 金山「スタートトゥデイグループはPB販売を通じてグローバルカンパニーへと成長し、10年後の取扱高は国内よりも海外の方が大きいくらいでないといけない。そういう意味でも、世界中どこにいても同じ水準でストレスなく仕事ができる環境は大事。外国籍の社員が増えてくる中で、いま働いている人の意識改革も必要になる」

アマゾンの生鮮品EC  レシピサイトから新客獲得、「クックパッド」など2サイトとレシピページに"購入ボタン"

3-11.jpg3-12.jpg アマゾンジャパンは運営する生鮮食品などのネット販売サービス「Amazonフレッシュ」の新規顧客獲得の強化に乗り出した。料理レシピ情報サイト2社と連携し、紹介するレシピで使用する食材を簡単に購入できるよう当該レシピページにアマゾンの商品購入ページに遷移するリンクボタンを設けた。レシピサイトとの連携以外にもミールキットの拡充など様々な施策を展開し、「Amazonフレッシュ」の新規顧客獲得をさらに強化していく考え。

 料理レシピ情報サイトとの連携は料理レシピ投稿サイト「クックパッド」(運営・クックパッド)とは4月16日から月額税抜280円を徴収する有料会員向けに毎週日曜日に旬の食材を使用した1レシピを1週間分の献立リストとして提供する「プレムアム献立」のページ上(PC・モバイルのブラウザ版のみ。モバイルアプリは未対応)に「食材をAmazonフレッシュで購入する」というボタンを表示し、ユーザーが同ボタンをクリックすると当該献立で必要となる肉や魚、野菜などの生鮮品や調味料などが「Amazonフレッシュ」の「買い物リスト」にすべて追加され、簡単に購入できるようにする試みを始めた(=上画像㊨)

 料理レシピ動画アプリ「DELISH KITCHEN(デリッシュキッチン)」(運営・エブリー)とは4月17日から、同アプリ(iOS11で対応。iOS9/11、iPad、Androidは未対応)で紹介した各レシピで使用する食材を表示した買い物リスト画面上に「Amazonフレッシュで材料を購入する」というボタンを表示し、同じくユーザーがクリックすると当該食材が追加された「Amazonフレッシュ」の「買い物リスト」に遷移させる試みを始めた(=上画像㊧)

 「デリッシュキッチン」とは同試みのほか、「Amazonフレッシュ」内で4月5日からスタートさせた毎週木曜に主菜と副菜のレシピをそれぞれ3品紹介する「今週のレシピ」でレシピ情報の提供を受けており、当該レシピページでは必要な食材をまとめて掲載し、そこから簡単に購入できる導線を設けた。

 料理レシピ情報サイトとの連携について「お客様の意見の中で『毎日、献立を考えるのは大変』というものがあった。(それを解消するため)献立やレシピ情報からすぐにそのまま買い物ができるようにした」(同社)とし、「Amazonフレッシュ」の利用者の利便性を高める狙い。また、「Amazonフレッシュ」の見込み客である各レシピ情報サイトのユーザーの新規購入のきっかけとしたい狙いもあるようだ。

 「Amazonフレッシュ」では新規顧客獲得や顧客から求められている"時短ニーズ"に対応して、2月下旬から料理に必要な材料などをセット販売するミールキットの販売にも着手。冷蔵品はデリア食品、冷凍品はタイヘイから提供を受けてスタート時点では8商品から始めたが4月時点では16商品まで拡充している。また、惣菜も拡充しており、現状の品ぞろえは200種類以上となっており、4月19日からはサラダ・惣菜の人気店「RF1」のパックサラダなど18種類の食品の取り扱いも始めた。

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 4月19日に都内で開催した「Amazonフレッシュ」のPRイベントに登壇した「Amazonフレッシュ」の事業などを統括する同社の白子雅也ディレクターは昨年4月のスタートから1年が経過した「Amazonフレッシュ」の現状について詳細は不明だが、「まだまだ小さなビジネスだが、着実にお客様の数は増えている」と会員数の推移(下写真)を示し、一定の手ごたえを得ていることを明らかにした上で「まだまだ知見も経験も足りないし、サービスもまだまだ改善の余地がある」(同社)とし、今年は新客開拓強化のほか、品ぞろえの拡充や価格の見直し、各種セールの実施など様々な試みを進めていく考えを示した。


ドゥクラッセ 店舗事業支える若い才能、新卒2年目で店長に抜てき、セール催事で実績

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 DoCLASSEは、実店舗の拡大戦略を"若い力"が支え始めているようだ。

 同社は、婦人服ブランド「ドゥクラッセ」43店舗目のミーツ国分寺店を4月7日にオープンしたが、同店の店長に選んだのは昨年4月に新卒採用した木村美子さん(=顔写真)で、2年目の若手を店長に抜てきするのは異例という。

 ドゥクラッセは昨年4月に初の新卒採用を実施し、男女18人を採用。木村さんもそのうちのひとりだ。新卒者は入社後、マナーやマーケティング、ロジカルシンキングなどの研修を受け、5月からは全員が"現場"である実店舗に配属される。

 木村さんは5月から八重洲地下街店、9月からは港北ノースポートモール店で勤務したほか、新卒社員がセール品の催事店舗を運営する研修プロジェクトに店長推薦で参加。合計4回実施した期間限定の催事を通じて店作りを一から考えて実行する場を経験した。

 同催事店舗は計画以上の成果を上げたようで、「新卒1年目にさまざまな催事を任せてみて、突出した才能があった」とドゥクラッセの店舗事業を舵取りする岡田峰昌COOは木村さんを評価。4月オープンの新店を任せる判断材料のひとつになったようだ。

 木村さんは、本社の企画・生産管理を志望して入社。同社の方針で新卒者は店頭に立って顧客を知ることからスタートするため、「将来の本部業務に生かすためにも、まずは現場を知りつくすことが大事で、そのためには店長になるしかない」(木村さん)と決心。"1年後に店長"を目標に仕事をしてきた。

 学生時代はOL系のファッションブランドで接客や在庫管理などアパレル販売員の業務を学んだが、ドゥクラッセでは当時の接客は役に立たなかった。同社の顧客層は30~40代から60~70代まで幅広く、服に対する悩みも年齢などに応じて異なる上に、最初は年配の顧客から「あなたは若いから似合うのよ」と言われることが多かったという。若者ブランドとは異なり、商品を熟知していないとトークだけで購入してもらえる世界ではなかった。

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 同社ではお悩み別の商品も多く、なぜそのデザインや素材なのかなどを理解した上で、顧客一人ひとりに対し、最適なアドバイスをすることが大事で、木村さんも「若いから」で片づけられないよう、より自社商品を知る努力をし、来店客からの信頼を得られるようになったという。

 店長を任された新店が入るミーツ国分寺は、近隣に住む子育て中の女性や、おしゃれに気を使う30~40代のミドルエイジを主要ターゲットにした館で、百貨店内のドゥクラッセ店舗よりも若い男女が来館するようで、新店はメンズ売り場も併設し、面積も広いため、幅広い品ぞろえでコーディネート提案ができるという。

 館自体が新規オープンのため、「ブランドを知ってもらえるチャンス。地元に根付いた愛されるお店として、ファンを増やしたい」(木村さん)とする。店長として売り上げ計画の達成は最重要になるが、「売り上げはミーツ国分寺店だからこそのチームワークやオペレーション、店作りが土台になる」(同)という。

 木村さんは新卒採用で入社したメンバーの中で初の店長となったが、同期には現在6人のサブ店長がおり、ドゥクラッセの店舗出店スピードと新卒組の成長がリンクすれば、店舗事業の拡大をさらに後押ししそうで、「ここまで早く新卒者が育っているのは、うれしい誤算」(岡田COO)としている。

【日本トイザらス EC事業の成果と今後㊤】 品ぞろえ拡充し増収増益、通販サイトの接客機能に磨き

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 玩具などを販売する日本トイザらスではEC事業が好調に推移している。2017年度のEC事業は増収増益となり、4年連続で売り上げが拡大した。売り上げ伸び率でも、通販サイト訪問者数でも前年を上回る成果を挙げている。

 成長を支えた要因の一つとして、まずはアイテム数の拡充がある。実店舗と同じアイテムをECでも取り扱えるようになったほか、ネット限定商品の取り扱いも拡大。「商品登録が実店舗に追いつくようになった。16年度の春はまだできていなかったが、現状ではほぼ100%をカバーできている」(eコマース本部の西原慎祐シニア・ディレクター)とする。

 そして、昨年6月に実施したサイト刷新の効果も大きく、パーソナリゼーションのツールとして顧客が住んでいる地域の天候に応じた個別のページ表示機能を開始。具体的には雨の予報地域に対して傘や合羽といったレイングッズをページトップのバナーで表示(画像)。また、夏シーズンで晴れ予報の地域に対してはUVケア商品やサングラス、浮き輪などを同様の形式で表示して、バナーから購入ページに誘導していった。レイングッズについては、このツールの効果もあって前年比二桁増の売り上げとなったようだ。

 今のところは天候別での訴求だが、今後は気温、湿度、紫外線などより細かい条件から個別に商品を提案できるような機能にしていく考え。

 商品選びのサポートとしては、ベビーカーやチャイルドシート、抱っこひもといった使い方の説明が必要な商品について「セレクトガイド」ページを導入。商品の特性や特徴、使用上の注意といった実店舗の接客でもよく受ける問い合わせをベースにしたアドバイス情報を専用ページにまとめたほか、メーカー別・対象年齢別に適した商品の選び方などが分かるようにもなっている。導入効果は上々で、対象商品の売り上げを前年比で全体平均以上に伸ばすことができた。

 顧客対応に関連しては従来からのコールセンターに加えて、昨年11月より「LINE」上でAIが問い合わせに回答するサービス「LINEカスタマーコネクト」を開始。利用者は「キャンペーン・クーポン」「配送」など大枠から質問内容を選択し、その後AIによるLINE上でのやり取りで解決に導いていくという。1カ月に1000件程度の利用率で、今後、質問内容によっては適宜人が対応する仕組みも取り入れる考え。

商品画像でも見せ方に工夫

 SEO対策に向けては、商品説明やタイトルが検索で重視されるということもあって、商品コンテンツのリッチ化を進めている。昨年からはこれまで1行のみだった商品解説文などは3行以上に増量。並行して画像や動画の種類も拡充を図っている。仕入れ先のメーカーからの提供画像はなるべく複数枚にするよう協力を求めたほか、自社での撮影機会も増やしている。

 以前はアパレル商品中心に自社で撮影を行っていたが、現在は玩具商品でも対応。必要に応じてサンプルを取り寄せたり、一部では360度撮影ができる画像コンテンツも導入するようになった。

 画像撮影では特に人物を入れ込むことを重視。商品説明文のリッチ化を進めているものの、商品サイズや利用イメージ、色合いなどは一目でわかる表現が求められているため、時には自社の社員の子供などもモデルに起用して商品画像を作成している。「マットの広さやぬいぐるみの大きさなどはパーツだけで見せても伝わらない。人物を見せたり工夫して、パッケージにはない通販サイト専用の画像を用意している」(同)とした。

 コンテンツのリッチ化を進めたことに加え、レコメンドの精度を高めて電池や付属商品のついで買いを訴求できたこともあり、一件当たりの買い上げ点数が上昇。結果的に、前年よりもコンバージョンが高まったようだ。(つづく)


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