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スタートトゥデイ初のPBが始動 数千パターンからサイズ提案、採寸用スーツは最大8カ月待ち、セールせず限界価格で販売

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 スタートトゥデイは1月31日、初のプライベートブランド(PB)「ゾゾ」の第1弾として、Tシャツとデニムパンツを発表し、通販サイト「ゾゾタウン」で販売を始めた。

 PBについては昨年10月下旬から段階的に情報を開示。"究極のフィット感""ベーシックアイテム"などのキーワードや採寸用ボディースーツの存在を公表していたことや、まだ規模が小さいオーダーメード市場の開拓に乗り出したことからも、「ゾゾタウン」に出店するアパレル企業がPB展開に対して警戒感を示すケースは少なく、むしろ「スポーツ系アパレルの取り込みが進むのでは」「業界を越えた活用が期待できそう」など、同社のPB展開に欠かせないボディースーツの可能性に注目する向きが強い印象だ。

 同社初のPBは、伸縮センサー内蔵の採寸用ボディースーツ「ゾゾスーツ」で計測した体型データを基に、顧客一人ひとりの体型に合ったベーシックな商品をオーダーメード方式で製造販売するブランドで、ゾゾスーツの無料配布が当初計画から遅れたことで、昨年中を予定していたPBの販売もずれ込んだ。

 ゾゾスーツの出荷は1月31日から一部で始まったが、昨年11月に注文した人でも最大で6カ月後の配送となるほか、12月以降のオーダーは最大8カ月待ちとなる可能性があるため、ゾゾスーツ注文者が実際にPB商品を手にとれるのにはまだ時間がかかりそうだ。

 同社は現時点でのゾゾスーツのオーダー数を公開していないが、注文数自体は「想定の範囲内」(前澤友作社長)とし、一般的な体型の人に対するサイズ測定の精度は高かったものの、イレギュラーサイズで精度誤差が生じ、最後まで採寸精度を追求した結果、ゾゾスーツの発送開始が1~2カ月遅れたという。

 PB商品は、生産プロセスのIT化や自動化を図り、オーダーメード注文に対応する生産ラインを確立したという。また、受注発注に近い在庫管理を行って過剰に在庫を持たないのに加え、オーダーメード生産では余分な生地が発生せず、コストを抑えられるとし、PB「ゾゾ」の第1弾となるTシャツは税込1200円、デニムパンツは同3800円で販売する。

 既製品のアパレルに比べて割高になるオーダーメード品としてはかなり低価格に抑えた印象で、「アパレル業界の常識が崩れる価格設定ではないか」(同)と自信をのぞかせる。アパレルに詳しい業界関係者はPBの価格設定について「ベーシックなファッション商材として真っ先に競合となるユニクロを意識したのでは」と分析する。

 同社のPB商品は一般的なアパレル商材と比べて原価率が高いとし、「販売開始時から"限界プライス"で提供してセールは行わない」(前澤社長)という。原価率は高いものの、実店舗を持たずに「ゾゾタウン」だけで販売することなどにより、PBの最終的な利益率は主力のゾゾタウン事業の商品取扱高比10~15%程度よりも高い数値を目指すとしている。

 第1弾のTシャツとデニムパンツはともに中国製だが、品質管理を徹底。日本でも検品を行うなど複数の検品体制を組む。

体型データを異業種活用も

 スタートトゥデイがPBと採寸用ボディースーツの情報を段階的に発表してきた中で、アパレル企業からは「服を作るのに膨大な体型データは必要ないし、消費者はフィット感だけを求めていない」という声が聞かれたのも事実だが、同社のPBはTシャツやデニムパンツなど、フィット感が重視されやすいアイテムであると同時に、消費者の着こなしの好みにも対応することで、同社なりの答えを示している。

 同社では、ゾゾスーツで計測した体型データに基づくサイズを強要するのではなく、例えばデニムパンツであれば、ヒップやウエストは現状で3センチ単位、レングスは2センチ単位などでサイズ調整できるようにしており、ウエストを少し緩くして腰ではいたり、レングスを少し短くして踝を見せてはきたいニーズなどにも応える。同時に、オーダーメードの強みを生かし、膝裏のヒゲ加工は購入者の膝裏にぴったり合うように加工時にすべて調整するという。

 一方、PBの最大の売りでもある"究極のフィット感"を実現するため、単に体型データを基に商品を作るのではなく、さまざまな年代、体型の人を対象にフィッティングテストを行い、デザインパターンの作り直しを繰り返し、これらのデータをディープラーニングの教師データとして活用することで精度を高めてきたようで、「スペック(体型データ)だけでお薦めするわけではない」(前澤社長)という。

 デニムパンツであれば数千のサイズパターンを持つとし、オーダーが入ると数千パターンの中から一番近いものですぐに生産できるようにしており、サイズが合わない場合は返品も受ける。

 また、PB商品は即日から約2週間以内の納品を実現するために、顧客の体型データと需要をあらかじめ分析。過度な在庫は持たないものの、高需要が見込まれる特定のサイズパターンはあらかじめ一定量の在庫を抱え、注文後すぐに届けられるようにする。

 Tシャツとデニムパンツ以外にも、今後はカットソー全般やシャツ、ビジネスシャツなどにPBのアイテムを広げていく計画で、数年後には主力のゾゾタウン事業の規模(前期で約2000億円)を超えることを目標とし、「将来的にはザラやH&M、ファーストリテイリングといった世界のトップファッションブランドに並び、越えていきたい」(前澤社長)としている。

 また、スタートトゥデイでは、PB展開に合わせて、ゾゾスーツで体型を計測したユーザーを対象に、「ゾゾタウン」で商品を探す際に自分のサイズに合った商品だけを表示する「自分サイズ検索」を実装している。

 さらに、「計測された体型データを自社のPBだけに使うのはもったいない。服を作るだけでなく、いろいろな形で社会に貢献していきたい」(同)とし、1月31日付でプロジェクトチーム「スタートトゥデイ研究所」を発足。ゾゾスーツで得た体型データをヘルスケアや医療、フィットネス分野などに生かせるように協力企業も募ってオープンな立場で取り組むという。また、同研究所では「ゾゾタウン」やファッションコーディネートアプリ「ウェア」で得た1億件以上の購買データや約3000万件のブランド公式商品データ、各種ランキング情報、約1000万枚のコーディネートデータ、約2300万人のユーザー情報なども活用し、これまで感覚に頼っていた"ファッションセンス"を数値化できるようにしたいとする。

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