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特定適格団体 「葛の花」処分企業に質問書、損害賠償求め提訴視野か

 景品表示法に基づく措置命令に対し、新たなリスクが浮上している。処分企業の商品の購入者に代わり、消費者団体が損害賠償を求める訴訟を起こす可能性が出てきたためだ。提訴の根拠法令は、消費者契約法。企業は、景表法に基づく「課徴金」、消契法に基づく「返金(契約無効)」と二重に責めを負わされかねない。

 特定適格消費者団体(以下、特定適格)の消費者支援機構関西(=KC's、事務局・大阪市中央区、榎彰徳理事長)は12月19日、「葛の花由来イソフラボン」を含む機能性表示食品の表示で処分を受けた企業に返金状況を確認する「問い合わせ」を行った。特定適格に認められた財産被害回復を求める損害賠償請求訴訟の提訴を視野にいれたものとみられる。

 回答期限は、1月23日。複数の関係者の確認がとれており、全社に送付された可能性が高い。KC'sは、「現時点で公表していないので何とも言えない」としている(昨年12月26日時点)。

 「問い合わせ」では、広告表示が景表法の「優良誤認」で違法認定されたことを前提に、消契法上の「重要事実の不実告知」(第4条第1項1号)にもあたると指摘。その上で、「葛の花」に「表示のような痩身効果があると認識しているか」「認識している場合の根拠資料の開示」「消費者への処分内容の通知の有無や通知方法」といった質問の回答を求めている。

 消契法における違法認定の妥当性は、昨年1月、最高裁判決のあったサン・クロレラ販売の折込チラシをめぐる訴訟を根拠としている。適格消費者団体の京都消費者契約ネットワークが広告見直しを求め起こしたもの。

 判決では「勧誘」の解釈について「不特定多数に向けた広告(チラシなど)も消契法上の『勧誘』にあたりうる」と判断された。広告も消契法上の「勧誘」とみなされ、同法の「不実告知」にあたれば、契約の取り消し(返金)が可能になる。これを見据え、「問い合わせ」では消費者に対する返金予定も尋ねている。

 特定適格は、多数の財産的被害を確認した場合、被害者に代わり事業者に損害賠償の義務があることの確認を求めて提訴できる権利を持つ団体。裁判所が認めれば、団体は被害者を募り、支払額を確定する。勝訴確定後の参加のため、弁護士が組織する原告団と比べ、被害者にとって敗訴のリスクがない。

 認定を受けた団体は、KC'sを含め2団体のみ。適格団体が、景表法や消契法等に基づく「差止請求権」の行使にとどまるのに対し、損害賠償まで行える。KC'sは07年に適格団体(全国に16団体)、17年に特定適格に認定されている。


消費者庁、「葛の花」に課徴金

9社に総額1億1000万円

 消費者庁は1月19日、「葛の花由来イソフラボン」を含む機能性表示食品(以下、葛の花)を販売する9社に、景品表示法に基づく課徴金納付命令を出した。課徴金の総額は、9社で1億1088万円。消費者庁は昨年11月、「葛の花」を販売していた16社が、摂取するだけで認められた機能性表示の範囲を超える痩身効果が得られるかのような表示を行っていたとして、景表法に基づく「優良誤認」で措置命令を下していた。

 課徴金は、高額なものからステップワールドの4893万円(対象期間・16年4月1日~昨年10月22日)、ハーブ健康本舗の2073万円(同16年11月21日~昨年10月3日)、オンライフの1167万円(同16年10月13日~昨年11月30日)、Naleluの775万円(同16年5月30日~昨年10月7日)、テレビショッピング研究所の689万円(同16年7月19日~昨年6月13日)、やまちやの592万円(同16年7月26日~昨年9月26日)、ピルボックスジャパンの351万円(同16年9月26日~昨年10月5日)、日本第一製薬の285万円(同16年4月18日~昨年8月1日)、協和の263万円(同昨年3月25日~10月20日)。今年8月20日までに課徴金額を納付することを命じた。

 消費者庁は、昨年11月、「葛の花」を販売する16社に対し、景表法に基づく措置命令を下した。商品を摂取するだけで、誰でも容易に、内臓脂肪の減少による外見上、身体の変化を認識できるまで腹部の痩身効果が得られるかのような表示を行っていたと判断されていた。

 課徴金納付の対象外となった7社は、「課徴金対象となる要件を満たしていなかった」(表示対策課)としている。対象にならないのは、対象期間の売上額が5000万円未満(課徴金額にして150万円未満)の場合や相当の注意を払っていたことが認められた場合。また、法律に定められた方式によって自主的な返金措置の実施内容により、課徴金が課されない。

 今回、法定の手続きで自主的な返金措置を行った事業者はなく、売上額が5000万円未満であるため課されなかったとみられる。

 措置命令とセットで運用される課徴金は、不当表示の対象期間の対象商品の売上額の3%。不当表示行為を止めた日以降も取引を行っていた場合、自主的な社告掲載など誤認排除措置をとった日か、6カ月先までは対象になる。対象になる期間は、最大で3年間になる。



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