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本紙調査・2016年のTV通販市場は? 主要上位の30社売上合計、4%増の5472億円と市場拡大

DSC07984.JPG本紙が調査した2016年度(2016年6月~2017年5月)のテレビ通販実施企業の主要上位30社の売上高合計は前回調査比4.7%増の5472億円だった(※編集部注:10位のGSTVのテレビ通販売上高を9月28日発行の通販新聞紙面で記載した数字から変更いたしました。そのため30社合計売上高も変更しています)。市場全体としては横ばい傾向が続いていることは変わらないものの、市場をけん引する上位勢の"攻め"の戦略が奏功する形で業績を好調に伸ばしたことなどから市場全体の成長に貢献したようだ。とはいえ、減収に転じる企業も目立っており、16年度は明暗が分かれる結果となった。注目すべき事業者の動向を振り返りつつ、16年度のテレビ通販市場の動きを見ていく。(写真はジャパネットたかたの都内のスタジオでの番組収録の様子)

JSCが20周年の"挑戦"で躍進

テレビ通販表修正.jpg テレビ通販市場を構成する「通販専門放送局」「テレショッパー」「テレビ局通販」に分けて注目すべき企業の動きを見ていく。前回までの調査に引き続き、今回の調査でも1位および2位となったのは通販専門放送局2社で中でも大きな躍進を遂げたのがジュピターショップチャンネル(JSC)だ。創業来、増収を維持し、テレビ通販最大手として君臨し続けてきた同社だが、近年、成長率は鈍化傾向にあった。しかし、前期は一転、2桁増収という高い伸び率を見せた。

 当期に創業20周年を迎えたこと受け、「創業20周年」に伴う様々な商品開発や番組の企画、新たな販促策などの挑戦を行った。「開局20周年特番夢を買えたら」と題し、昨年8月から10月まで毎月、これまで販売実績のないユニークな商品を紹介、販売する試みを実施。新種のバラの命名権や石垣牛の頒布会、高級物件、往復の飛行機移動を専用プライベートジェットを用いるハワイ旅行、数億円の高級クルーザー、伊自動車メーカー「ランボルギーニ」のスーパーカーなどを紹介、販売した。売り上げ面への貢献という側面よりも20周年という記念の年に「面白い試みを行っている」という印象をつけて視聴者への期待感や番組の継続視聴を促すためのインパクトを重視した企画だったが、そういった意味では大きな成果をあげたようだ。また、昨年12月には24時間に渡って英家電メーカー「ダイソン」の主力の掃除機をはじめ、加湿器やヘアドライヤーなど同メーカーの人気商品を販売する特番を初めて放送するなどの新たな取り組みも実施した。

 また、こうした商品や番組の企画に連動させる形で本格的な展開は初となる新聞広告やインフォマーシャルの出稿も実施。訴求力の強い目玉商品を自社チャンネルにとどまらず、地方局やBS局、CS局、独立U局などへのインフォマーシャルや全国紙や地方紙への新聞広告という形で"売り場"を広げることで新規顧客にリーチして、当該商品の売上拡大と特番の視聴促進につなげたい狙いからだ。

 こうした「20周年」を意識した施策が予想以上に顧客に響いた結果、毎年、最も売り上げを伸ばす11月1日の特別編成番組「大創業祭」の売上高は28億7000万円(前年は14億円程度)と過去最高の日商を大きく更新。また、通期の売上高についても様々な取り組みが新規顧客を増やし、また、既存顧客の購入回数を押し上げ、前々期(2016年3月)には減少に転じていた1年で1回以上、商品購入実績のある顧客であるアクティブカスタマーの数が回復し、2ケタ増収という大きな成果を出したようだ。

 2位のQVCジャパンは2013年12月期に計上した売上高1000億円の大台には届かなかったものの、前々期から本格化させた米国や欧米で展開するQVCグループ各社での売れ筋を積極的に投入する試みなどが奏功して、展開する商品カテゴリーを増やしたほか、特に靴やバッグ、アパレル、化粧品などで日本でも一定の売り上げを上げたヒット商品が複数、出てきたことなどで売り上げを押し上げたようだ。

ジャパネット好調もテレショッパーは総じて苦戦

 テレビ局から放送枠を購入してテレビ通販を展開するいわゆる「テレショッパー」の状況は明暗が分かれた。

 3位のジャパネットたかたの2016年12月期の売上高は前年比約14%増の1780億円だった。売上高のうち、テレビ通販の売り上げはおよそ3割弱と見られ、約480億円で着地した模様だ。前年に創業者で前社長の髙田明氏がテレビ通販番組への出演から引退するなどでテレビ通販の売り上げへの影響が懸念されたが、通販枠を増やすなど積極的な攻勢で引き続き掃除機やエアコンなどの売れ筋を軸に、冷蔵庫や調理家電など白物家電なども売れ行きを伸ばした。

 一方で他のテレショッパーは総じて苦戦した。5位のオークローンマーケティング(OLM)は近年、注力して取り組んできたオムニチャネル戦略については既存のテレビ通販チャネルだけでなくスマートフォンを中心としたネット販売や商品卸先の店舗店頭でも広く商品の拡販が進むなど一定の効果がみられたものの、昨秋に同社が販売するフライパンの広告表現に対して景品表示法違反に伴う措置命令が下り、販促活動を自粛したことなどが影響し、2017年3月期決算は売上高が前年比23.8%減の507億6200万円で着地。総売上高に占めるテレビ通販の売上シェアは4割程度とみられ、売上額ベースでは206億900万円となった模様。

 6位のテレビショッピング研究所も前年の4割増収という躍進からは一転、2017年3月期の売上高は前年比14.2%減の257億300万円と減収だった。当期も掃除器具や下着などの拡販を進めたが、利益面を意識してかインフォマーシャルの出稿量を抑えたことなども影響した。総売上高のうち、およそ8割程度がテレビ通販(ネット販売などの直販を含む)の模様で約205億円と見られる。

 このほか、20位のトーカ堂は5割近い減収に、また、18位のアクセルクリエィションや24位の通販王国など実力派テレショッパーも前年実績を下回って着地した。

テレビ局通販は堅調に、トップの「ディノス」は増収をキープ

 テレビ局が手がける通販事業はどうか。リオ五輪開催や番組編成上の都合で通販番組の休止や目減りなど前年よりも放送枠が減ったところが多かったものの、特に在京キー局では概ね前年並みの通販売上高を確保できたよう。

 テレビ局が手がけるテレビ通販事業では売上高で首位に立つ8位のディノス・セシールは100億円超えを維持しつつ、増収もキープし堅調だった。昨年8月開催のリオ五輪の関連番組の放送などの影響で主力の平日午前枠の休止などもあったが、運動器具や掃除機など売れ筋商品などを軸に順調に売れ行きを伸ばし売上高は前年比0.2%増の126億5500万円と増収だった。

  11位のグランマルシェは前期下期から編成上の都合でTBSの昼の情報番組の放送時間が前倒しとなった影響で、当該番組に紐付く平日午後枠がなくなったことで同枠の売り上げは通期では4割減に。この番組編成の変更は同社がTBS系列局と行う共同通販事業にも影響し、複数局で編成の都合上、通販枠が減ることになり、同事業の売上減に響くことになったが期初から着手していた通販サイトの大幅刷新の効果や仮想モール「楽天市場」への出店効果でネット受注比率が大幅にアップし、特に土曜昼枠や深夜枠などで取りこぼすことなく受注につなげることができたほか、新規顧客の獲得も進み、ネット経由の売り上げ増が通販枠の目減り分などをカバーし、ネット受注を含むテレビ通販(「テレビ通販」の約71億円と「系列局との共同通販事業」の約18億円との合計)売上高は同5.9%増の89億円(本紙推定)で着地。テレビ通販全体では前年を上回った。

 12位の日本テレビ放送網は期初から平日午前の主力枠が紐付く月~金の帯情報番組自体が金曜日の放送がなくなり、通販枠も金曜日を失ったことやリオ五輪開催に伴う番組休止が影響し、伸び悩んだ。下期に入り、新たな訴求方法を試みるなどし、上期時点では2割減だった減収幅を縮めたものの、放送枠の目減りをカバーするまでには至らず、前期の通販売上高は前年比4.5%減の84億4100万円となった。

 14位のロッピングライフは昨年11月から主力の平日午前枠が各曜日とも放送時間が従来よりも2分間短縮。また、リオ五輪関連番組の放送などで主力枠の休止が相次いたものの、通常は平日のみの放送となっている主力通販枠が紐付く番組本編のスペシャル版が土曜日にも放送する際、同番組内にも通販枠を設けたり、今年1月に数年ぶりに通販特番を実施したこと。また、売れ筋商品を軸に売り上げを積み上げ、枠減少分をカバーし番組グッズなどのネット販売を含めた通販売上高は同4.7%増の80億8200万円で着地した。

 15位のテレビ東京ダイレクトは期初から編成上の都合で日曜の早朝35分枠が5分枠になったことに加えて、リオ五輪関連番組などで主力枠が通期では5回程度の休止に。空梅雨など季節要因も重なり通販事業(通販枠の販売を含む)売上高は同2.7%減の80億2700万円と前年実績を下回って着地した。

 なお、在阪局系の通販子会社の状況は関西テレビ子会社の30位の関西テレビハッズは当期に刷新した基幹システムの不具合が影を落とす形で減収となったものの、朝日放送グループの27位のエー・ビー・シーメディアコム、読売テレビグループの28位のセンテンスとも安定した通販枠を基盤に増収を維持している。
 2016年度はJSCやジャパネットたかたといった市場をけん引する大手が"攻め"の姿勢で積極的な事業展開を仕掛けた結果、市場の底上げを実現させている。JCSは前期に実施したテレビと他媒体を組み合わせた「テレビ+α」の販売手法を今期も展開、また、ジャパネットたかたも今期からクルーズ旅行など新たな商材の投入を進めている。景表法違反に伴う販促自粛で減収となったOLMの復調やオムニチャネル戦略を本格化させているテレビショッピング研究所の再成長など上位勢の躍進が2017年度も期待できそう。機能性表示食品制度など新たな訴求ポイントを持った健康食品などを展開する事業者の出稿も目立って増えてきている。今年もテレビ通販市場拡大に期待したい。

【表の見方】
2016年度のテレビ通販市場調査は2016年6月~2017年5月までに決算期を迎えたテレビ通販実施企業主要上位30社のテレビ通販売上高を掲載した。テレビ通販をメーンとする通販実施企業であっても極力、カタログや新聞、チラシ、インターネット経由の通販売上高や店舗販売、卸売販売を除いた「テレビ経由の通販売上高」を掲載した。表中の「占有率」は総通販売上高または総売上高に占めるテレビ通販の売上高のシェア。表中の「◎」は以下の条件がある。( )の数字はランキングの順位

(1)ジュピターショップチャンネルは催事販売、ネット販売などを含む総売上高
(2)QVCジャパンは催事販売、ネット販売などを含む総売上高
(3)ジャパネットたかたは地上波、衛星波のテレビ通販売上高の推定値
(6)テレビショッピング研究所は卸、ネット販売なども含む総売上高
(8)ディノス・セシールは「ディノス事業」におけるテレビ通販売上高。テレビ通販経由のネット販売の売上高を一部含む
(10)GSTVはネット販売売上高などを含む全通販売上高
(11)グランマルシェは自社テレビ通販売上高に加え、系列局との共同通販事業(テレビ通販およびラジオ通販)を加えた推定値
(12)日本テレビ放送網はネット販売などを含む通販事業部門の総売上高
(14)ロッピングライフはネット販売などを含む総通販売上高
(15)テレビ東京ダイレクトは通販枠販売を含む通販関連総売上高
(18)アクセルクリエィションは総売上高
(19)トランスコスモスは日本直販事業のテレビ通販含む総売上高
(20)トーカ堂はテレビ通販以外のチャネルも含む総売上高
(21)ザ・プロアクティブカンパニーは昨年12月にガシー・レンカー・ジャパンから社名変更
(22)ジェイシークリエイティヴは広告代理店業なども含む総売上高
(24)通販王国はネット販売を含む総売上高
(27)エー・ビー・シーメディアコムは番組制作事業などを含む総売上高
(28)センテンスはネット販売など含む総売上高
(30)関西テレビハッズはカタログなど紙媒体の通販や店販、イベント事業などを含む総売上高

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