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ジャンル別通販売上高ランキング 注目分野の通販市場の状況は?

011.jpg 通販新聞社は7月、「第68回通販・通教売上高ランキング調査」を実施し、売上上位300社の売上高ランキングを発表した(1616号参照)。同時に健康食品、化粧品、食品、衣料品といった通販の主力商材別の売上高調査も行った。今回は市場規模が大きく、また強豪がひしめき、今後が注視される「総合通販」「家電」「家具」「BtoB通販」を展開する上位の通販実施企業の直近の売上高を抜粋したランキング表を掲載しつつ、それぞれの通販市場の動向と各プレイヤーの状況について見ていく。


総合通販
ショップチャンネル、ベルーナなど増収に


 カタログやテレビを主要媒体とした総合通販では上位10社のうち、5社が減収になるなど苦戦が目立つ一方、増収を維持する企業も見られた。

 1位のジュピターショップチャンネルは当期に創業20周年を迎えたこと受け、様々な商品開発や番組の企画、新たな販促策などこれまでにないチャレンジを実施。新種のバラの命名権やスーパーカー、別荘などこれまで販売実績のないユニークな商品を紹介、販売する「夢を買えたら」と題した記念企画を実施したり、24時間に渡って英家電メーカー「ダイソン」の商品を販売する特番なども行った。こうした商品や番組の企画に合わせ、本格的な実施は初めてとなる新聞広告やインフォマーシャルを出稿。商品の売上拡大と特番の視聴促進につなげ、新規顧客を増やし、また、既存顧客の購入回数を押し上げ、近年なかった2桁成長を達成した。

 2位のニッセンホールディングスは昨年11月にセブン&アイ・ホールディングスの完全子会社となったことで、決算期末日を12月20日から2月末に変更、前期は14カ月決算となっている。そのため増減率は算出しないが、前期は大型家具事業からの撤退とインテリア関連売り上げの減少、カタログ多頻度発行施策の戦略修正、スペシャルカタログの統廃合等の影響で減収となった。

 3位のベルーナは主力の総合通販事業でネット販売が伸びたほか、専門通販事業も好調に推移。前期の連結売上高は当初見込みを上回った。総合通販事業では、CVR(受注転換率)上昇に向けて実施した、通販サイトや集客の効率改善、ネット専用商品投入といった施策が功を奏した。

 4位のディノス・セシールはディノス事業ではテレビ通販が主力の午前枠を軸に売れ筋の美容運動器具や家電などで売れ行きを伸ばし、前年実績を上回ったが、衣料品や家具インテリアなどが伸び悩み、カタログ通販が振るわなかった。セシール事業は化粧品や健康食品の売れ行きは順調だったが、衣料品や家具インテリアなどが苦戦した。両事業ともに前年実績を下回ったことで売上高全体でも減収となった。

 5位の千趣会の通販事業は、衣料品を中心に相対的な商品力が低下したことや、カタログ配布者のレスポンス減分をネットで補い切れず、また、スマホ受注は伸長したものの、パソコン受注の減少分を補填できなかったことなどが響いた。ジャンル別では、インテリアが前年比微増と健闘。規模は小さいながら食品は2桁増となったものの、主力の衣料品が個人消費鈍化の影響もあって2桁減と振るわなかった。

 主力事業であるベルメゾンのカタログ発行部数は、ファッション系のカタログ冊子を増やしたことで約1000万部増となったが、総ページ数は減らした。期初計画では媒体量を増やして売り上げ回復を狙う予定だったが、春号の結果を受けてコスト削減に舵を切り、利益確保を優先した。

 6位のQVCジャパンは前々期から本格化させた海外のQVCグループ各社での売れ筋を積極的に投入する試みなどが奏功。展開する商品カテゴリーを増やしたほか、特に靴やバッグ、アパレル、化粧品などで一定の売り上げを上げた商品が複数、出てきたことで売り上げを押し上げた。

 7位のスクロールはスクロール本体では前期、家具・雑貨通販「生活雑貨」を子会社であるスクロールR&Dに移行したほか、シニア向け個人通販事業「ブリアージュ」を終了した。これにより、個人向け通販は本体では扱わず、化粧品や健康食品、ブランド品などのネット販売を子会社で手がける形となった。前期のアパレル事業は市場低迷を受け減収だった。

 9位の高島屋は主力事業であるカタログの収益改善を目的に昨年11月の冬号以降、総合カタログの発刊を年9回から4回に縮小したことから減収となった。ただ、総合カタログの2週間後に抜粋版を発刊したり、さらに2週間後にお得意様特別号を展開し、クリアランス商品も提案したことなどで、カタログ事業の売上高は前年比約11%減と踏ん張った。EC売上高は同12%増で伸び率が多少鈍化したものの2桁成長を維持した。

家電
ヨドバシが1千億円超に


012.jpg 主に家電を販売する小売企業(メーカー直販やパソコン専門は除く)を売上高順に10位まで抜粋した。

 1位のジャパネットホールディングスは、過去最高の売上高を計上するなど好調だった。今回調査からグループ内の中心企業であるジャパネットたかたではなく、グループ全体の売上高としているため、単純比較できないものの、前回(1559億1400万円=ジャパネットたかた単独売上高)よりも大幅な増収となっている。

 前年に創業者で前社長の髙田明氏がテレビ通販番組への出演から引退するなどでテレビ通販の売り上げへの影響が懸念されたが、枠を増やすなど積極的な攻勢でテレビ通販も順調だったほか、新聞広告や折り込みチラシ、DM、カタログなどの紙媒体の通販も好調に伸びた。また、昨年7月には通販サイトを刷新し、売れ筋に絞った商品展開とし、拡販強化や効率化を進めネット販売も堅調に推移したようだ。商品面でも引き続き掃除機やエアコンなどの売れ筋に加え、冷蔵庫や調理家電など白物家電全般の売れ行きが順調だった。

 2位ヨドバシカメラは、1000億円の大台を突破した。全社売上高に占める割合も15%を超えており、同社の通販サイト「ヨドバシドットコム」は「旗艦店舗」となっている。家電以外にも、書籍や日用品、食品などさまざまな商材を取り扱う総合サイトとなっている。サービス面でも、購入額によらず送料無料、追加料金なしでも注文当日の配達、さらには同じく追加料金なしで最短2時間30分以内に届ける「ヨドバシエクストリーム」(東京23区などで実施)など、サービス面の充実は他社の追随を許さない。自社配送を実施しており、都内ではヨドバシドットコムの配送車やバイクを目にする機会が増加している。

 今年7月には大阪市の「ヨドバシ梅田」の店外に、ネットで注文した商品を店舗で受け取れるサービスの専用ショップを試験的に開設。主要駅近隣や商業施設など、顧客の利便性の高い立地への開設を進める予定としている。

 3位上新電機(売上高は本紙推定)は、楽天市場やヤフー!ショッピングなどでの大賞の常連企業。ネット販売に関しては、前期も堅調に推移したとみられる。

 4位キタムラは「宅配売上」と「店受取売上」を合算した売上高がやや減った。昨年4月に発生した熊本地震によりデジタルカメラのパーツ工場が被災し、製品が供給不足となったことが響いた。

 5位ビックカメラは、子会社であるソフマップ、コジマと合算した売上高については、グループ合計で前期比約4・5%増の690億円だった。昨年9月から、ビックカメラの倉庫からコジマ通販サイトの商品を出荷する体制となり、在庫数が大幅に増えたことから、コジマの売り上げが大きく伸びている。

 6位MOAは、各社の仮想モールへの積極的な出店が功を奏し、売り上げが伸びている。

家具

ニトリが独走、200億円突破


013.jpg 家具商品をメーンに通販を実施している企業では、ニトリが前期比33・1%増の226億円で前年に引き続き首位を獲得した。当期は16年7月に実店舗での通販商品受け取りサービスを開始したほか、小型店などを中心にデジタルカタログを設置して在庫の無い商品の購入について通販サイトへの誘導を実施。物流面でも通販専用倉庫に自動倉庫システム(ロボット倉庫)を導入した。そのほか、SNSによる集客にも着手しており、季節やトレンドを反映したコーディネートシリーズ商品の情報を発信することで新たな客層の獲得を図っていった。

 2位となったのはタンスのゲン。当期は顧客対応強化のため営業時間を拡大したほか、9月に神奈川県厚木市に物流拠点を開設。また、11月には中国での商品開発・仕入れ強化や現地でのネット販売参入のために上海に子会社を設立した。全社売上高が100億円を突破するなど好調だった。

 3位のベガコーポレーションは「楽天市場」に食器棚やダイニングセットを中心に取り扱う店舗を新規出店し、国産家具やダイニングテーブルなどの販売を伸ばした。サービス面ではソファの引き取りサービスを開始し、新規購入だけでなく買い替え需要への対応も強化。物流では受注増に伴う商品保管スペース拡充のため、神戸市内に新物流拠点を開設した。

 4位には山善がランクイン。家庭用品通販サイトの「くらしのeショップ」が11期連続の増収を達成。今後、コンシューマ向けネット取引は年商200億円規模へ拡大することも計画している。5位のジェネレーションパスは仮想モール店舗を中心にネット販売を行う「ECマーケティング事業」において仕入れ先の拡大で取扱商品数が増加し、売り上げが伸長。一方で中国向け越境ECについては4月に税制変更があったことで、取り扱い可能な商品が変更。加えて円高の影響も受けて、当初の計画よりも下回った。

BtoB通販
MonotaROの成長続く


014.jpg 安定的な成長を続ける法人向け通販市場。中でも突出して高い成長率を見せる4位のMonotaROは工場をメインに電動工具などの間接資材を展開し、取扱商材を広げつつ、顧客事業所の開拓を進めている。FAXやDM、リスティング広告などでの徹底的なプロモーションに加え、近年ではテレビやラジオでのCMも積極化し、前期末の累計顧客事業所数は200万口座を突破するなど順調に推移している。今年4月には茨城・笠間市に大型物流センターを新設し在庫商品数を増やし翌日配送対応商品の拡充などを強化しており、さらなる売り上げ規模拡大を見込んでいる。

 激戦のオフィス用品は1位のアスクルが2月に発生した物流拠点の火災の影響で期初計画には未達となったものの、火災前までに実施した積極的な品ぞろえ拡充や販促策などが奏功し、増収を維持。3位の大塚商会も工具や介護用品などの品ぞろえ拡充などが寄与し増収に。5位のカウネットも付加価値を付けたプライベートブランドの「カウコレプレミアム」の拡充を引き続き進めたことなどで増収となっている。アスクルの復調の行方も気になるが、近くアマゾンジャパンが専用ページ「アマゾン・ビジネス」を立ち上げ、法人向け通販ビジネスに本格参戦する予定でこれが市場にどのような変化をもたらすか注目されそうだ。



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