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"コト消費"を刺激せよ テレビショッピングで体験や思い出を訴求へ

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近年の消費動向を捉えるキーワードとしてよく使用される「"モノ消費"から"コト消費"へ」という言葉だが、通販市場においても同様で、すでに十分に満ち足りた"商品"では消費者の興味関心はなかなか引くことができないが、特殊な体験ができたり、思い出に残るようなサービスなど"コト"を提案することで顧客から高い反応を得られることも多いようだ。最近ではテレビ通販においても「コト」を意識した商品が目立ち始めている。注目される各社の動きをみていく。

ジャパネットグループ 
独自企画のクルーズの旅、思い出の写真の"写真集"の作成も

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「さあ皆様、極上のひとときを"ジャパネットクルーズ"で過ごしませんか」。ジャパネットグループは7月14日から、豪華客船で日本各地の名所や韓国を巡るクルーズ旅行のテレビ通販を始めた。豪華客船「MSCスプレンディダ」で実施する9泊10日(来年5月6~15日)で横浜から金沢や釜山、高知など6カ所に寄港し、再び横浜に至る「日本の美を再発見する10日間」をブロックチャーターし、約1000室を確保して商品化したものだ。

 昨夏にもグループのジャパネットサービスパートナーズが第3種旅行業を取得し、JTB首都圏が企画・販売するクルーズ旅行を販売したが、準備していた約50室が即日完売するなど反響も高かったことから、他社企画をそのまま販売する第3種旅行業でなく、旅行内容を独自企画するため、このたび第1種旅行業をグループのジャパネットホールディングスが取得したもの。なお、今回、企画・販売するクルーズ旅行は前回に比べて販売部屋数が大幅に増えていることから、普段から受注業務を行い受電体制も整っている子会社のジャパネットコミュニケーションズが新たに第3種旅行業を取得し、受託販売を行うことにし、グループで一貫してクルーズ旅行の企画販売を行える体制とし、本格的な展開に乗り出した。

 今回のクルーズ商品は同社がテレビ東京の朝の情報番組内に持つ通販枠「快適!ショッピングスタジオ」で7月14日に初紹介。番組内では食べ放題の様々な種類の料理や毎晩、行われるエンターテイメントショーなど船内での楽しみのほか、船旅を楽しみながら移動のための費用や手間がなく、各地の名所を巡ることができるクルーズ旅行の特徴やメリットを紹介した上、通常は有料となる船内での酒類やソフトドリンクなどを無料とするサービスや朝食を部屋まで運ぶルームサービスを無料で行うほか、今回、クルーズ旅行を行う客船は外国船でスタッフも基本的には外国人(約40人の日本人スタッフも同乗)だが、「ジャパネット専用ラウンジ」を船内に設け専用スタッフが参加者をサポートするほか、寄港地の観光プランの提案や船内ツアー、オークションなど船内での独自企画を行うなどの同社オリジナルの特典についても一部説明し、通常はテレビ通販番組に登場しない髙田旭人社長がクルーズ商品の販売に向けての想いや意気込みなどを語り、最後に用意する部屋のうち、最も安価な「バルコニー付きキャビン」について1人22万9800円で訴求した。

 番組紹介直後から顧客からの入電が相次ぎ、番組中にメインMCの同社の塚本氏が感極まる場面もあったほど出足は順調だったようだ。「クルーズ旅行は人気ではあるが、知らない人はどこで申し込めばよいか、どれを選んだらよいか分からない人も多いはず。我々がお手伝いできるのではないか」(髙田社長)として、今後も自社企画のクルーズ旅行の拡販を強化していく考えで年間で2~3本程度の独自企画のクルーズ旅行の販売を行っていきたいとし、ゆくゆくは客船一隻を丸ごとチャーターしてより独自性の高い企画も実施していきたいとしている。

 7月13日には保有する写真データを預かり、A4ワイド版の120ページに120枚の写真を掲載して写真集にする新たなサービス「ジャパネットフォトブック」もスタート。プリント写真やネガ、データなど様々な形式の写真を顧客が決めたページ割で写真集を作る納期約1カ月の「こだわりコース」を2万9800円で、SDカードに入れることができる写真データのみを受け付け、同社が独自に決めたレイアウトで写真集を作る納期約2週間の「おまかせコース」を2万4800円で販売した(いずれも同じ内容の写真集を2冊と掲載写真のデータを収録したメディアがセット)。

 撮りためた未整理の写真やデータのままのプリントしていない写真、記念日の写真などを一冊の写真集にし、閲覧しやすい状態とすることで、見ながら家族間で思い出を共有するなど「大切な人と写真集を見ながら時間や空間を楽しんで頂きたいという想いを込めた」(同社)という"コト消費"を意識した商品のよう。同サービスについても今後、拡販に注力していく考えのようだ。

テレビ東京コミュニケーションズ
地域ならではの魅力体験できるツアーを立案、販売

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「温泉宿の宿泊予約だけではないその土地でしかできない"特別な体験"を」。テレビ東京グループでウェブ関連事業を行うテレビ東京コミュニケーションズは展開中の宿泊予約事業で旅先ならではの"経験"を体験できる特別なツアーを盛り込んだ旅行商品の販売を始めた。同社ではこれまで地上波(テレビ東京)やBS(BSジャパン)で保有する各放送枠「厳選いい宿」やウェブサイトで温泉宿の情報を提案、予約を促してきたが、宿泊予約事業は競合間との価格競争が激しく、差別化も難しいことから、旅行者を受け入れる地域が作る旅行商品であるいわゆる「着地型旅行」を地元と組んで作り、オリジナルツアーとしてパッケージにして販売する試みに着手したものだ。

 第一弾として6月30日に放送した「厳選いい宿」で新潟・十日町市の「一生に一度は見たい感動の絶景 星峠の棚田ツアー」を紹介。番組では温泉ソムリエの北出恭子氏が早朝3時半に宿から出発して、ツアーガイドである地元を知り尽くした写真家の案内で「星峠」に向かい、そこで日の出直後の10分間しか見ることのできない「棚田に光芒がさす幻想的な光景」を眺めることができるツアー付き旅行を体験する様子を紹介した。

 今回のようなツアー付きの旅行商品については、実施日がツアー開催可能日と宿泊先の宿の空き状況の両方を確認する必要があるため、従来のように宿泊予約サイト上で予約手続きを行う形ではなく「旅チケ」と呼ばれるオンラインチケットを販売し、その後、購入者が直接、宿泊施設に電話で確認の上、予約する方式をとった。なお、「星峠の棚田ツアー」の場合、「旅チケ」は7月までの期間限定で1万9800円(8月以降は2万3600円)で販売した。

 「どの地域にもその土地ならではの"観光資源"というものが必ずあるがそれはその地域に詳しい地元の方しか分からない。そしてそれは普通の観光に飽きてしまっている我々のメインターゲットでもある旅行慣れしたシニア層にとっても新鮮だ。我々はそれぞれの地域の自治体や観光協会、旅行会社と一緒に、地元の人しか知り得ない体験をメインコンテンツとしたツアーを一緒に形にして『厳選いい宿』でしか買えない独自商品として販売して差別化とともに単価を上げて収益も高めていきたい」(吉澤有メディア事業部長)とする。

 なお、初回の「星峠の棚田ツアー」の反響については「正直、まだまだ。これから磨き上げる必要がある」(同)としており、まずまずの手応えだったよう。当該番組の視聴率は前日よりも良かったことや番組終了後の同社の宿泊予約サイトへの集客数も多かったことから、反響自体はよかったものの、事業開始から7年に渡って行ってきた温泉宿をメインに紹介してきた形ではなく、「体験」を前面に打ち出した演出や「チケット制」というやはり従来とは異なる販売手法に戸惑い、購入までに至らなかった顧客が多かったと分析し、今後はユーザーにアンケートを行いながら、ボトルネックとなった点の改善を図っていくという。

 6月以降はラムサール条約(湿地の保存に関する国際条約)で保護されているという湿地を巡る群馬・中之条町の「現地ガイドと行く『チャツボミゴケ公園と野尻湖探索』」や、温泉の源泉にたまる硫黄などを掃除する"湯守"と一緒に普段は立ち入り禁止の源泉に行き、湯守の作業を見学できる福島・岳温泉の「湯守といく源泉見学ツアー」、きれいな星空で有名な長野・阿智村の「長野阿智村 星空ナイトツアー」など着地型旅行を紹介・販売していく予定。さらに10月をメドに現在、平日に週5回放送する「厳選いい宿」のうち、1回は着地型旅行に割くなど着地型旅行の販売を強化していく。また、日本各地の地域の旅行会社や観光協会などへの呼びかけもさらに強めツアーの開発にも注力していきたい考えだ。

 宿泊施設の予約サービスだけでは競合と価格勝負となり、「いかにテレビというメディアを使っても、後発の我々が勝つのは難しいということがこの7年間、宿泊予約事業をやってきて分かった。宿泊とセットでその土地に行ってできる『特別な体験』、自然や文化といったそれぞれの地域でしか経験できないものを真ん中に据えた旅行商品を紹介・販売することで我々のメディアの強みを活かせる」(同)こと。また、「厳選いい宿」でしか買えない商品を作ることで差別化が図れ、宿泊料に加えて、ツアー料金も上乗せでき、客単価アップも期待できる着地型旅行の取り扱いを本格化させることで、2020年までに宿泊予約の年間流通額を現状の12億円から20億円としそのうち、既存の温泉宿の宿泊予約と着地型旅行とで半々の流通額としたい考えだ。

ジュピターショップチャンネル
"フルオーダー"の豪華ハワイ旅行

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ジュピターショップチャンネル(JSC)は昨年、一風変わった商品をテレビ通販で販売した。新種のバラの命名権や完全オーダーメイドのハワイ旅行などだ。昨年8月に「世界に1つだけ!20周年企画!憧れのバラ命名権」と題した番組で新種のバラの命名権をテレビ通販では史上初めて販売した。未発表の新種のバラ10種類を用意し、購入者が希望するバラの命名権の販売とその際の商標の事前調査や申請手続きを代行。命名したバラは購入者が希望した写真やデザインで制作したオリジナルラベルを付けて、鉢植え50鉢を翌年の6月中旬ころまでに届けるもの。価格は約100万円で販売した。

 昨年9月には「プライベートジェットで行く!わがまま三昧 至極のハワイ旅行」と題し、購入者には添乗員が自宅から専用車で空港まで送迎するほか、ハワイ滞在中の観光なども完全にサポート。また、往復の飛行機移動は専用プライベートジェットを用いる豪華な旅行プランを提案した。フライト時間や観光の内容、滞在日程などは購入者と相談しながらオーダーメイドプランを作るものだ。購入者が希望する旅行プラン次第で価格は変動するが概ね数千万円程度になる模様だ。

 JSCは前期、創業20周年を迎えたことから「開局20周年特番 夢を買えたら」と題した記念企画としてこれまで販売実績のないユニークな商品を販売する試みを実施した。新種のバラの命名権やハワイ旅行も当該企画の一環だった。

 バラの命名権は実際に成約があり、ハワイ旅行は300件近い問い合わせがあったが、現時点では成約には至っていない。それでも企画自体がそもそも売り上げを追いかけるよりも20周年という記念の年に「面白い試みを行っている」という印象をつけて他の番組、特に11月1日に放送した年間最大のセール「心おどる、大創業祭」に向けて視聴を促すためのインパクトを重視した企画だったが、そういった意味では、「大創業祭」の1日の売上高が過去最高の日商となる28億7000万円を記録したほか、同社の前期の売上高も前年比で2桁成長となる高い伸びを記録したことなどからも一定の成果を見せたようだ。





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