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JSCの田中惠次社長に聞く「ショップチャンネルの今後は?」

041.jpg 通販専門放送を行うジュピターショップチャンネル(=JSC)はおよそ10年ぶりに社長人事を行い、4月1日付で住友商事の田中惠次執行役員が新たな社長に就任した。テレビ通販市場で単独トップを走る同社だが、同市場規模自体は横ばいであり、また競争も激化しており市場環境は厳しさを増している。新たなトップとしてJSCをどう舵取りしていくのか。田中社長にショップチャンネルのこれからの方向性などについて聞いた。(聞き手は本紙編集長・鹿野利幸)

「今年は足固めの年に」、〝5年後のエース商品〟を育成へ

――ショップチャンネルをどう見ているか。

 「私は2010年から昨年までの6年間、ショップチャンネルの非常勤取締役を務めていたが、当時から社員が皆、プロフェッショナルな集団であり、素晴らしい会社との印象を持っていた。実際、(JSCは)創業以来、ずっと増収を続け、私が社外取締役として見ていた6年間だけでも売上高も利益も相当程度、伸びており、現状は5000億円強と言われるテレビ通販市場の中でトップシェアだ。

 テレビ通販市場自体は135兆円の小売全体の市場規模からするとニッチかもしれないが、特定のセグメントでトップ企業になるためには相応のものが必要だと思う。そうした企業の社長に就任するという縁を頂き、非常にやりがいを感じている。

 私はこれまで住友商事で繊維、ファッションアパレルや小売事業の仕事に長く従事してきた経験もあり、そのあたりで役に立てることもあるのではないかと思う。ショップチャンネルをより良くするための私なりの考えもあり、私の全精力を傾けて伸ばしていきたい」

――テレビ通販市場は横ばいであり、環境は決してよくはない。

 「マクロ的に見れば、テレビ通販市場はこの5年くらい横ばいだ。また、当社チャンネルの視聴可能世帯数についてもケーブルテレビや衛星放送ではすでに一定数にリーチできており、これ以上、劇的に伸びるわけでない。このことについては冷静に見て将来の成長性という意味で危機感を持つべきだろう。

 ただし、2016年度(2017年3月期)は非常に好調で主要な経営指標が相当程度、よくなった。それは新規のお客様の数が我々の想定よりも増えたためだ。

 もちろん、2016年度は創業20周年の記念の年で特別な施策を色々と実施したという特需的な部分はあった。しかし、見方を変えれば、お客様に『心おどる瞬間』をお届けするために『より大きな努力』を重ねた結果、新たなお客様にもお認め頂けることを、我々は身をもって体感したということになる。

 言い換えれば、我々がもっともっとお客様に寄り添った努力、すなわち、新商品開発やお客様のライフスタイルの変化に応じたコンタクトポイント(テレビ+α)の充実を行う努力をすることで、ショップチャンネルを長年ご支援頂いているお客様にも、そして、新たなお客様にも、まだまだお買い上げ頂ける市場機会があることを我々に教えてくれたのではと考えている。

 このことは2016年度の結果が如実に示しているし、実際に社員も実感しているのではないか。この努力を今年以降もより質も高めてやっていこうと言うのが私の思いだ。先日、全社に向けて2017年度の方針説明会というものを実施し、その中でもそうしたことを社員に話したが多くの社員が賛同してくれたと思う」


――今年以降も拡大路線を推進していくということか。

 「2016年度の基盤をベースにさらにみがきをかけることで今期も増収を達成するつもりである。しかし、"売り上げだけを伸ばすための誘惑"には駆られない。今年は今後のための足固めの年にしたい。例えばだが、目先の売り上げだけでなく、5年後のエースを育てるなども試みを積極的に行っていきたい。当社にはお客様にご支持頂いているエース商品が数多くあるが、それらは一朝一夕になったわけではない。社員一同が大切に育てた結果だ。今期は"将来のエース"を育てる種まきをより積極化させたい」

――"種まき"とは。

 「今日の売り上げだけを本当に作りたいなら、エースばかりを並べればよいかも知れないが、可能性のある新しい商品も積極的に投入していくということだ。1日のうちに2、3時間は最初のシーズンはそんなに売り上げが取れないかもしれないが、バイヤーが『いけそう!』と判断した商品は臆せずにやろうと。それを奨励していこうということだ」

――JSCの年商はすでに1000億円を超えており、その上で増収を目指すとなれば1日1日の売上目標はシビアになる。24時間しかないテレビ通販の枠で種まきを行うのはある意味で増収策に反することにならないか。

 「種まきといってもまったくのチャレンジングな商品を投入するわけでない。プロ野球で言えば、『2軍では首位打者』のような商品であり、ある程度の売り上げは確保できる商品群でかつ、このカテゴリーの商品でこうした売り方の場合、この時間帯で紹介した場合はこの程度の売上高は最低限、あがるということは推測できる。実績のある商品を投入した場合に獲れるであろう売り上げが、新商品では仮に2割低くなるとしても、それは他の強い商品で取り返し、相殺できるはずで業績への大きな影響はないようにしていく。

 もちろん、昨年までも新規の商品を適時、投入していたと思うが、そうは言っても、日々の売上計画を見て『まあ、やめておこう』という商品があったかも知れない。今後は種まき商品を投入していこうというより強い意志を持って意図的に将来のエースを育てていきたい」

――取り組んできた若い層の開拓については。

 「今のお客様の層を中心にしながらできることがあると思う。若い層をターゲットにした番組作りを意識するかどうかを含めて少し考えたい。要は今のお客様層にも若い方にも興味を持ってもらえるような商品、ブランドはあるわけだ。

 例えば、若い方を意識したブランドでもシンプルでプレーンなものであれば、50代の方も多く愛用しているブランドもある。そういういった商品を投入していくことで『若者をとりにいく』よりも、じわっと広がっていくようなやり方の方がいいのではないかなと思っている」


――4月1日からスタートしたケーブルテレビ事業大手のジュピターテレコム(J:COM)が展開する有料多チャンネルサービス「J:COM TV」の視聴世帯向けの新たな通販専門チャンネル「ショップチャンネル プラス」の状況はどうか。

 「まだ始まったばかりで試行錯誤の状態でまず知名度をあげるというところから始めたい。現状は毎日午前12時から1時までの1時間のみだが、独自番組を放送してそこでしか買えない商品を販売させて頂いているが、他の時間は本チャンネルである『ショップチャンネル』の生放送を1時間遅れで再放送しているのでイメージは見逃し視聴だ。これから様々なことに取り組んでいければいいと思っている。

 若い層の取り込みについても可能性はあると思っている。独自番組を増やして若者を意識した番組をやってみるなどだ。ただ、それについても考え中だ。そうではなく、もっと本チャンネルと融合した番組を行うことで相乗効果が生まれるのであれば、今のお客様向けに幅を広げたり、クロスセルを促すようなことにより重きを置くことになるかもしれないし、やはり若者にチャレンジしてみようと思うかもしれない。1年くらいは様々なトライアルを行いながら繰り返し判断していきたい」


――3月末にウェブサイトの大幅なリニューアルを行った。インターネット独自で様々な施策を試みていたこれまでの方向性とは一線を画して、テレビ番組との連動性をより強めたサイトになっている。

 「これまで当社のサイトはネットに主眼を置いた作りとなっていたが、昨年の実績をみるとテレビの力はまだまだ強く、テレビを拠点にネットのテクノロジーを駆使すべきだと考えた。刷新後も順調な滑り出しを見せており、安心している」


――今期(2018年3月)の出足は。

 「4月も順調なスタートを切っており、問題ない。今年はこの先、30周年に向けてのさらなる飛躍のための足固めの年にしたいと思っている」

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