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ヤマト運輸 宅急便事業見直し、前年度比8000万個抑制で大口1000社と交渉へ

071.jpg ヤマト運輸は4月28日、デリバリー事業を見直す「2017年度『デリバリー事業の構造改革』」を発表した。宅急便の一般向け基本運賃を平均約15%値上げするほか、大口顧客の割引率の引き上げや荷受け量の抑制を進めていくことを明らかにした。大口顧客は採算性を検証した上でリストアップした約1000社と重点的に交渉を進めていく。荷受け総量の抑制では大口顧客の荷物を対象に17年度に前年度(約18億6756万個)比8000万個の減少を目指すとしており、市場が拡大している通販・ネット販売の事業者の配送サービスにも大きく影響しそうだ。

 デリバリー事業見直しは「将来にわたり高品質なサービスを維持していくとともに社員がいきいきと働けるように再設計する」(長尾社長)のが目的。主な内容として「社員の労働環境の改善と整備」「宅急便の総量コントロール」「宅急便ネットワーク全体の最適化」「ラストワンマイルネットワークの強化による効率向上」「宅急便の基本運賃と各サービス規格の改定」を挙げた。

 総量コントロールに関しは、割引率の改定などともに大口荷主との交渉を進める。既にアマゾンジャパンなどとも着手しており、約1000社との交渉を上半期中には完了する考え。この1000社については、宅急便取扱量の約9割を占める法人のうち、その半数にあたる取扱量となる大口で法人営業支店が管轄する一定量以上の取り扱いがある取引先という。

 また大口取引先に対しては、割引率や荷受け量の抑制に加え、繁忙期の出荷調整や届け先への複数荷物のまとめ配送の仕組みの構築、個人会員「クロネコメンバーズ」とのデータ連携により届け先への事前通知など集配効率の向上、再配達削減への協力を要請する。

 同時に「法人顧客プライシングシステム」の導入も検討。取引先の契約運賃の決定プロセスを精緻化・均一化し、荷受け量だけでなく、届け先エリア、サイズ、集荷方法はじめ、燃料費・時給単価の変動などの外部環境変化に伴うコスト変動も組み込んだ輸配送のオペレーションコストを総合的に反映するシステムを構築する考え。

 宅急便ネットワーク全体の最適化は、大型ターミナル「関西ゲートウェイ」が今年10月稼働予定で、既に稼働している関東と中部のゲートウェイとの多頻度幹線輸送により実現を図り長距離ドライバーの郎度環境の改善とコスト削減につなげる。関西が新たに加わることで中部を介した関東・関西間の中距離輸送網を構築し、24時間運行や大型車両の導入も予定している。さらに最新設備による省人化や人を介さない搬送などを大型集配センターに限らず可能にしていくという。

 ラストワンマイルネットワーク強化は、宅配ロッカーの設置を前倒しで進めていく。18年3月までに1都3県を中心に累計3000台に拡充する考えで、同設置台数は22年度をめどに5000台とした目標数の過半数となる。同時に6月からはネット配売での注文時に受取先を宅配ロッカーを直接指定できるようにするほか、下半期からは宅配ロッカーに宅急便の発送機能も持たせる。また配送ではITを活用した集配作業の高度化へのとりくみとして、配送指定時間データなどを基にリアルタイムでのコースナビゲーションを行う「自動ルート組み機能」を活用していく。

 受取人の利便性向上を図ることでのラストワンマイルネットワークの効率向上策にも取り組む。クロネコメンバーズへの会員登録を簡単に行えるようにし、ネット販売サイトでの初回購入時からすぐに届け日時の変更ができるサービスの提供なども検討している。

 一方、基本運賃の値上げは9月中に、60サイズと80サイズを現行運賃に一律140円加算した料金に変更。同じく100・120サイズが160円を、140・160サイズが180円を加算した料金に改定する。付加サービスの料金はクール便やタイムサービスなどは変更なし。

 値上げを実施する一方で、割引制度を拡充する。営業所での自動送り状を発行するネコピット送り状の利用で50円のデジタル割引を始めるほか、100円の割引となる営業所などのへ持ち込み割引ではクロネコメンバーズの場合に50円追加の150円に割引幅をアップする。新料金で60サイズを関東から関西へ配送した場合の基本運賃は111円だが、最大で301円の割比となり、旧運賃と比べても差がないという。このほか届け先を自宅でなく、営業所といった直営店(宅急便センター)への直送をした場合、荷物1個につき50円低額化するサービスも開始する。新たな割引制度が加わることで額面では15%の値上率だが、実質は10%程度の値上げになるという。

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