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宅配便の再配達削減へ 荷主サイドが配送業務改善、受取手段の多様化進展に

001.jpg 通販企業や大手仮想モールが宅配便の再配達削減に向け動きを見せ始めた。宅配便の2割が再配達となっている状況や、ヤマト運輸の運賃値上げ問題に端を発した配送サービスの見直しから、通販企業など荷主サイドの配送業務改善で、再配達削減や顧客視点に立った受取手段の取り組みが求められるようになったのに対応。これまでのようなスピード配送を競う通販企業の流れに変化をもたらす可能性が出てきそうだ。

指定場所配達や局受取を検討

002.jpg 楽天と日本郵便が宅配便の再配達削減に向けタッグを組む。楽天市場出店者が発送した荷物を郵便局窓口で受け取れるようにするほか、顧客が指定した玄関前などに置くサービスなどを年内にも実施していく。依然として不在再配達が多い状況下、顧客が不在を気にせずに購入できる環境づくりを進める。

 両社は2015年4月に日本郵便の宅配ロッカー「はこぽす」での受け取りの実験に取り組み始めたのを皮切りに、楽天の宅配ロッカー「楽天BOX」、コンビニ受け取りで協業。今回は連携を強化し、不在再配達の削減と受け取りの効率化に乗り出すことにした。

 検討するのは、拠点受取の拡充、指定場所配達、配達通知サービスの充実、ポイント付与による受け取り効率化。拠点受取は現在行っている両社の宅配ロッカー、ローソン・ファミリーマート・ミニストップの店頭での受け取りに加え、日本郵便が昨年4月から開始した郵便局窓口での受け取りサービスを展開する予定。2万5000店舗のコンビニ受け取りに郵便局2万局が加わり、合計4万5000拠点での受け取りが可能になる。

003.jpg 指定場所配達は、顧客が注文時に「自宅玄関前」や「ガレージ」など指定した箇所に配達物を置くサービス。顧客からのニーズもあるサービスとしている。またマンションなどの顧客への配送時、インターフォンで呼び出すことをせずに直接宅配ボックスなどへ届けることなども想定している。

 ただ指定場所配達は、紛失などの問題もあることから慎重に検討を進めるという。日本郵便は定期的に商品を届ける他の通販企業向けで同様のサービスの実績があるとしているものの、仮想モール出店者向けは初めての取り組みになる。

 通知サービスの拡充はメールや楽天のスマホアプリのプッシュ通知など多様なものを活用していくことを検討。日本郵便が出店者から荷物を引き受けた時点、受け付け郵便局を通過した時点、配達局に到着した時点、同局から配達に向かう時点などに通知。顧客宅への「配達30分前」というような通知を可能にすることも視野に入れている。待ち時間を解消できる通知サービスを目指す。

004.jpg ポイント付与は当初、日本郵便が4月25日から開始するはこぽすやコンビニで受け取った場合にポイントを付与す「COOL CHOISEできるだけ1回で受け取りませんかキャンペーン」に楽天も参加し、「楽天スーパーポイント」を付与する。付与ポイントは他社のポイントと同様、1回で対象箇受取箇所で受け取った場合にコンビニとはこぽすでそれぞれ5ポイント、不在再配達の場合、はこぽすで1ポイント(コンビニは対象外)で調整しているという。さらに、同キャンペーンとは別に楽天独自のキャンペーンでのポイント付与にも取り組む予定だ。

 今回の連携強化では、2社が共同で楽天市場出店者向けの営業活動も行っていく。日本郵便の「ゆうパック」を利用してない出店者へ新たな取り組みによる顧客サービス向上や返送率の低下、さらに再配達削減によるコスト低減により可能にする特別運賃を提示し利用を促す。

自社配送での小刻時間指定対応で

 アスクルでは宅配の再配達削減などに向けた施策をすでに展開し、「不在持ち戻り率」が約3%となるなど成果をあげている。同社では運営する日用品通販サイト「LOHACO(ロハコ)」で昨夏から一部地域で自社配送による小刻み時間帯指定配送サービス「ハッピー・オン・タイム」を本格的に開始した。顧客が商品購入時に午前6時~深夜12時まで1時間単位で配送時間を指定でき、かつ配送日の前日(当日配送の場合は当日昼)までに30分単位で配送時刻を専用アプリのプッシュ通知で顧客に知らせ、また、配送10分前にも再度通知するもの。

 昨年5月から都内4区と大阪1区で配送指定時間を2時間枠としてテストを始め、8月末からは指定時間を1時間単位でも可能にし、かつ未対応だった午前6~8時や午後10~12時の早朝・深夜帯の時間指定にも対応しつつ、対象地域を都内5区、大阪3区と拡大して本格スタートを切った。なお、利用料は1時間枠の時間指定時には税込350円を徴収するが1回の購入総額が税込3000円以上の場合は無料。2時間枠指定の場合は購入額に関わらず、無料としている。

 すでに商品配送時不在持ち帰り率(不在率)は一般的な不在率20%(国交省調べ)に対し、約3%と成果を出している。

 荷物待ちの時間の軽減のほか、廃棄に困る梱包材の代わりにエコバッグで配送する施策なども行なっていることで、顧客からの評判が高く、荷物数が順調に増えていることに加えて、昨年11月から主力事業の法人向けオフィス用品通販の荷物との混載による配送を始めたこともあり、1個あたりの配送コストの削減が進んでいることから、同社では対象エリアの拡大を徐々に進めていく考え。

 2月に発生した埼玉の物流センターの火災で同サービスは一時休止する事態となったが、現在では同サービスに関しては通常通りに戻っており、対象エリアに関しても3月29日には渋谷区、同31日には品川区とエリア拡大を進めている。5月までに都内では新宿・目黒・大田の3区に、大阪市内では西・中央・淀川・東淀川の4区も対象とし、年内には東京23区および大阪24区の全域まで広げていく計画だ。

置き場所指定 配送の告知強化

005.jpg ファンケルは女性の社会進出で在宅率が低下し始めた1997年、すでに配送の効率化に向けた取り組みを始めていた。顧客が指定した場所に商品を届けるもの。当初は共働き世帯など不在時の利用を想定していたが、「赤ちゃんが寝ているのでチャイムを押されたくない」など、在宅時の顧客の事情やニーズに応えるサービスとしても好評を得ている。現在、このサービスを使った配送率は30%。今後、積極的に告知し、50%まで高めていく。

 「置き場所指定お届け」サービスは、事前に「玄関前」「ガスメーターボックス」「自転車のカゴ」など9カ所から届け場所を選べる。受領印はいらず、配送会社が完了した旨を伝える用紙をポストに入れて知らせる。一度置き場所を登録すれば、毎回同じ場所で受け取れるため、日付や時間帯指定を行う必要もない。

 最大の特徴は、商品を"紛失した場合"も改めて商品を届ける体制をとっていること。実際、紛失するケースは「ほとんどない」(同社)ものの、顧客情報を把握し、継続的な関係性を築くことを重視するリピート通販だからこそできる取り組みといえる。今では他社に例のない独自のサービスとして定着している。

 サービスを始めた当時、配送会社にとって配送完了を確認する「受領印」は必要不可欠なものだった。難色を示す配送会社が少なくない中、ファンケルは「不の解消」という企業理念を掲げる中で配送会社と粘り強く交渉を重ねこれを実現した。通販荷物の増加やドライバー不足など配送効率の問題が社会問題化する昨今、ファンケルでは配送コストや回数の削減など、配送会社の労働環境改善、環境負荷低減に寄与することを目的に、この取り組みを強化していく。

 5月から通販サイトに利用案内ページを開設してネット注文の際の告知を強化するほか、電話注文の際にも積極的に伝えていく。SNSを使った情報発信でサービスも紹介していく。

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