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有力通販各社の店舗戦略、狙いと成果は?

 1-1.jpg実店舗を持たず、これまでカタログなどでの通販に軸足を置いてきた有力通販各社が相次いで店舗に注力し始めている。それぞれで狙いや思惑が異なるようだ。注目すべき動きを見せる有力通販各社の店舗戦略の狙いとその効果について見ていく。

"確かめ納得して買う"で客単価アップ、リピーター増にも
ディノス・セシール


 1-2.jpgディノス・セシールは50代以上の女性をコアターゲットとしたファッションカタログ「ダーマ・コレクション」などで展開する商品の試着などができる拠点「DAMAお客様サロン」を増やしている。一昨年3月に初めて開設した東京・有楽町の1号店に続き、4月1日には大阪・心斎橋に2号店目を開設した。

 「DAMAお客様サロン」とはディノス事業で展開するカタログ「ダーマ・コレクション」を始めとする「ダーマ」シリーズの最新カタログの掲載商品を展示する拠点で展示商品はすべて試着可能。なお、現在は新店の心斎橋店、有楽町店ともに「ダーマ・コレクション夏号」と「ダーマ・プレミアム春夏号」、「ダーマ・コレクション プリュス夏号」の掲載商品の中から約560点を展示している。

 いわゆる小売店舗ではないため、来店者はその場で商品を購入し持ち帰ることはできないが、商品に関する質問やサイズ選び、着こなしなどについて専門スタッフと相談しながら、タブレットなどで商品を注文でき、後日、自宅に届ける。なお、同拠点内で注文した場合、送料を無料にするなどの特典を付けている。

 この「DAMAお客様サロン」は既存客向けに商品を実際に確かめたいというニーズに対応して設置したもので、売り上げを追求する形の拠点では必ずしもなかったものの、高額な商品やサイズ選びで購入に二の足を踏む顧客の"決断"を促す役割を確実に果たしているようで結果的に1号店である有楽町店経由の売上高は開設初年度と比較して2年目は2割増で推移。利用者も増えており、同じく初年度との比較では同拠点の新規利用者数は2割増となり、その後も継続的に来店する人も多く、そのリピート率は3割程度と高いようだ。さらに同拠点での1回購入当たりの客単価は通販購入の1・5倍から2倍となるなど着実に成果をあげている。

 「スカートやパンツのサイズ選びもワンサイズ上げてカジュアルに着こなしたり、きちんとヒールに合わせたいなどその時々の着方によって、選ぶサイズが変わってくるわけだが、そうした際に店舗で実際に確かめられるというのは便利だ。また、『ダーマ』では高額な商品も多く、実際に確かめてから購入したいと思われるお客様が多い。それゆえ、利用者数が増え、比較的高額な商品についても購入を決断されるお客様が多く、1回あたりの客単価も5万円前後と通販よりも非常に高い。また、納得して購入されるのでファンになって頂け、リピーターも多く、友達もつれて来て頂けるなど新規のお客様の獲得にもつながっている」(天利美智代執行役員)という。

 1号店の成果や手応えを受けて2号店を開設したが、同様の成果が出てくれば、他の都市圏で新店を開設する可能性もありそう。昨年は若干の苦戦を見せたものの、戦略商品の投入や見せ方の変更などで今春夏からは再び順調に売り上げを伸ばし始めた創刊12年目の基幹の「ダーマ・コレクション」や順調な売れ行きを見せる「ダーマ・プレミアム」などをサポートし、さらに拠点単独でも成果を出し始めた「DAMAお客様サロン」の今後の展開が注目されそうだ。


「ファビア」で初の常設店
オットージャパン


 1-3.jpgオットージャパンは、30代女性をコアターゲットにしたファッションブランド「FABIA(ファビア)」で今期(2018年2月期)は常設店の開設に乗り出す。

 「ファビア」は約4年前に同社では初めてネット販売チャネルを主軸としたブランドとして開発・育成してきたが、通販チャネルだけではリーチできない消費者の開拓やブランド認知の強化を目指し、2年前から都内の大型商業施設に期間限定店を出店してリテールの経験を積んできており、成果を得ていることから、今期は常設店を2~3店舗構えたい意向で、4月21日には東京・表参道に1号店をオープンすることを決めた。

 当該店は旗艦店の位置付けで、当面は店舗の採算性よりも、ウェブを軸にしたブランドとして顧客に買い物を楽しんでもらったり、インフルエンサーを招いて情報発信を行うなど、顧客コミュニケーションの中心的な場として活用する。今後は売り上げを重視する常設店も開発していくが、1号店はフラッグシップとしての役割に徹する。

 実際、1号店は入り口付近は服と雑貨を中心にレイアウトするものの、店の奥と外に設けるデッキは女性の部屋のように作り込み、来店客がゆっくり時間を過ごせるよう、商品を置かないコミュニケーションスペースとする。また、大きなフィッティングルームやメーク直しができるスペースも用意し、お茶を飲みながら服選びを楽しめる空間を目指す。デッキはイベントなどにも活用していくという。

 一方の期間限定店についても、展開エリアを変えながら、ノウハウを蓄積していく。この2年間は新宿や渋谷、有楽町といったオフィスエリアを中心にポップアップストアを構えてブランド認知の向上に力を注いできたが、今年4月1日~12日にはショッピングセンターのアトレ吉祥寺に出店。東京の郊外・居住エリアにおける店舗展開の可能性を検証する。

 また、5月3日~7日には大阪の商業施設「ルクア」に出店する計画で、関西エリアにも初挑戦する。同店では期間中に同じフロアで大型イベントを企画し、ブランド認知を高める。


路面店でブランド発信
ピーチ・ジョン


 1-4.jpgピーチ・ジョンは3月4日に、若年層向け下着ブランド「YUMMY MART(ヤミーマート)」の初めての路面店を東京・原宿に開設した。ブランドの世界感を発信するコンセプト店と位置付ける。店舗は売り場のほかに、商品の貸し出しなどを行うショールームを併設した。SNSなどを通じて世界感を発信し、ブランドの認知度を高める考え。

 出店した「YUMMYMART 原宿店」は、1階部分を店舗として、2階部分で商品の貸出を行うショールームとして展開する。ブラブラジャーとパンティのセットのほか、パジャマや水着などを取り扱う。ランジェリーを含む全体的な品ぞろえを見せることで、ブランドの世界感の発信につなげていく。

 ターゲットはデジタルネイティブで、SNSなどで自ら表現する「ミレニアル世代」。東京・原宿エリアはターゲット層との親和性が高いと判断。東京・渋谷、池袋の商業施設内の店舗は2月末に終了し、自由な表現ができる路面店での出店を決めた。

 SNSでの情報発信を強化するため、実店舗では毎月1回のペースでイベントを実施する予定。ファッション業界で活躍する人などを招いて、シーズン毎の新商品を紹介する展示会を行うほか、今後、コラボ商品の発売に伴うイベント、フリーマーケットも検討する。

 またカタログとは別にマガジンの発刊を企画。カルチャーに特化した内容で、ブラとアウターのコーディネート提案や、ファッションスナップ、インタビューなどを掲載。原宿店限定で配布し、来店のきっかけとする。

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