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消費者庁 「水素水」3社に措置命令、病者の試験で表示根拠認めず

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消費者庁は3月3日、水素水を販売する3社に措置命令を下した。水素水の広告でダイエット効果や炎症の抑制をうたった表示が優良誤認にあたるとした。2社は資料を提出したものの、病人や動物を使った試験評価で、健常者に対する広告の表示の根拠にならないとした。水素水を巡っては、昨年12月に国民生活センターが商品テストを実施。消費者庁に水素水の表示改善の対応を求めていた。

措置命令を受けたのはマハロ、メロディアンハーモニーファイン、千代田薬品工業の3社。不当表示期間が課徴金導入前のため、3社に対する課徴金納付命令は下されない。

 不当表示の指摘を受けたのは、マハロの水素水「ビガーブライトEX」の通販サイトの表示。2015年7月から同年11月までの期間に「水素水でダイエット効果もある!?」、「水素水が身体の代謝を上げるまで」などとして水素水の働きを示すイラストとともに「太りにくい身体へ変わることができます」などと表示していた。昨年7月から11月までの売上高は約7000万円だった。

 メロディアンハーモニーファインの水素水「水素たっぷりのおいしい水」の通販サイトでは、14年10月から昨年3月までの期間、「水素が脂質代謝を促進!血糖値の上昇も抑制」、「やせやすい体質へサポートとする効果が期待されています」などと表示していた。同社は昨年4月から今年3月末までの売上高について約6億円を見込んでいた。

 千代田薬品工業の水素含有の健康食品「ナチュラ水素」は13年6月から15年5月まで、自社通販サイトで「炎症を抑える効果で肩こりや筋肉痛を軽減」、「肌トラブルの解消に有効」などの表示を行っていた。昨年3月から今年2月末までの売上高は約5000万円だった。

 消費者庁は3社に対し、合理的根拠を示す資料の提出を求めた。根拠資料の評価は、あらかじめ組織した専門家集団に意見を求める「セカンドオピニオン事業」(別記事参照)で行った。同事業は今年度から開始しており、これを活用して処分を行うのは初めて。メロディアンハーモニーファインと千代田薬品工業の2社から提出された資料は、病者や動物、細胞を対象にしたもので、表示根拠として認められないと判断した。マハロからの資料の提出はなかった。

 国民生活センターは昨年12月に行った水素水の商品テストを行い、消費者庁に対応を要望していた。容器入り水素水6銘柄と、水素生成器7銘柄で健康増進効果をうたった表示が行われていた。今回の措置命令を受けたメロディアンハーモニーファインは商品テストの対象だった。消費者庁は、パイオネットで水素水の相談件数が増加していたことなどを問題視し、3社をまとめて処分した。

「セカンドオピニオン」の狙いは?

「ダイエット」「水」の次は? アイケア、関節で景表法指導も

 消費者庁が水素水でダイエットや疾病の予防効果をうたう3社に措置命令を下した。ここ数年、水素水ブームで消費者の関心が高まる中、行き過ぎた表示を行う企業への処分で、釘を刺す狙いだろう。「ダイエット健食」「機能水」の次は何がターゲットになるのか。

 今回、消費者庁は初めて「セカンドオピニオン事業」を使った。医学や薬学、栄養学で専門的知見を持つ学識経験者で組織。企業が提出した「根拠」と「表示」の整合性を判断してもらうものだ。事案ごとに依頼する従来の体制では謝礼を含めた調整が難しく、あらかじめ体制を整備することで、処分の迅速化を図る目的がある。

 事業にはもう一つ目的がある。巷にある健食素材の機能について主体的に「研究レビュー」を行うものだ。得た評価は国立健康・栄養研究所が運用する「健康食品の安全性・有効性データベース」に提供。事件調査の参考にもする。

 現在、データベースに載っているのは861素材。消費者庁は、すでに一定の評価がある素材の再評価も行う。新たに評価する素材も増やしていく。

 ここ数年、食品関連の処分といえば「ダイエット健食」だった。背景には、著名な専門家による「食事制限と運動抜きに痩せない」という確定的な見解があるとされる。「機能水」も処分は2件目。警視庁が薬機法違反で逮捕した事案もあり、監視が強まっていた。

 次は何か。機能性表示食品制度の開始により、さまざまな機能を表示する食品は増えている。企業の自己責任による届出でデータの蓄積も進む。特定の素材に一定の評価が下されれば、これを背景に処分事例が出てくるかもしれない。実際、景表法の運用も水面下ではすでにアイケアや関節対応をうたう健食に指導が行われている。

 消費者庁は、データベースについて「広告をする際にどういった素材がどういう特徴を持つか。事
業者に理解してもらう意味もある」と確認を促す。

 今回、事業者から提出されたのは「病者対象の試験データ」「動物・試験管内試験データ」。いずれも新制度では根拠論文になり得ないものだ。仮に制度を使わずアイケアや関節対応の健食を販売するにしても、データを揃えておく必要がある。




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